JPH0246348B2

JPH0246348B2 - Koguhorudaagatakenshutsusochi

Info

Publication number: JPH0246348B2
Application number: JP57185199A
Authority: JP
Inventors: Yotaro Hatamura
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1982-10-21
Filing date: 1982-10-21
Publication date: 1990-10-15
Anticipated expiration: 2002-10-21
Also published as: JPS5973265A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、小径のドリル、タツプ、エンドミル
等の回転工具や回転接触子（以下、回転工具類と
いう）を用い、工作機械、就中、NC工作機械を
適応制御化するために、インプロセスセンサによ
つて加工時に生じる力の状態、工具の状態、加工
物の寸法、形状の状態、工具接近の状態等々を正
確に把握する必要のある技術分野に利用すること
ができるものである。

従来技術マシニングセンタによる加工を例にとると、直
径20mm以下のドリル加工（代表的なものはねじの
下穴）が比較的多く、しかも１回における穴数が
多いのが一般的であるから、それだけに回転工具
の欠損予知が大切である。ところがその切削力の
変動は回転系の慣性力に較べると甚だ小さいか
ら、たとえ主軸モーターに流れる電流値を測定し
て切削力を検知しようとしても十分な検知は困難
であつた。

この欠点を解消するものとしては、本発明者の
発表になる昭和56年度精機学会秋季大会学術講演
会論文集p.978〜990がある。これは以下に述べる
原理に基づく切削動力計を直接主軸に取付け、こ
れによつてスラストとトルク方向の切削力を同時
に検出し、検出した信号を無線で外部に取出すこ
と、および実験の結果、小径回転工具の欠損を予
知できること、について開示がなされている。こ
の切削動力計は、回転側に切削動力計を取付ける
場合の問題点である主軸部分の剛性低下を防止
し、しかも検出感度を向上させるため、板の真中
をくり抜いて得た上下互いに平行で且つ薄板状の
検出部構造を採用している。該検出部構造は、一
方を固定し、他方に上から荷重をかけるときの変
形は重心が平行移動する形で行なわれるため、剛
性の低下が小さくてすむという特長がある。かか
る検出部構造の上記薄板個所に四個のストレーン
ゲージを貼り付け、このうち、二枚のストレーン
ゲージには力に比例した圧縮歪を、他の二枚には
引張り歪を受けさせる。この四個のストレーンゲ
ージでブリツジを組み、アンプを介して電気信号
を得ることでそのときの力の大きさを検出してい
る。

発明の目的上記した主軸搭載方式では、工具ホルダーと主
軸側との接触の問題、油の使用による問題といつ
た点で、未だ十分な機能を発揮し得ない懸念が残
つていた。そこで本発明ではかかる不都合を解消
することを、その目的としてなされたものであ
る。

発明の構成この目的を達成する本発明の構成は、回転工具
類を装着可能とした工具ホルダーの中心軸を該工
具ホルダーのシヤンク部と接続した軸筒部の内側
に配設する。そして中心軸と軸筒部との間は、中
心軸に加えられた力のうち検出したい力の方向に
撓むことができる薄板状の支持構造と、二つの対
向する細長い貫通孔が穿設された検出部材の側端
面と該貫通孔の両端内面との間にそれぞれ薄板状
個所を形成した検出部構造を介して連結する。更
に検出部構造に生じた変位を電気的信号に変換す
る手段およびその電気的信号を送信する無線送信
装置を該工具ホルダー内に自装せしめ、外部に無
線受信装置を配置する。

実施例本発明の好適な実施例を示す添付図面によつて
本発明を詳述すると、つぎのとおりである。

第１図において、工作機械の主軸穴４１に装着
された工具ホルダー１は、大別すると、シヤンク
部２と、シヤンク部２とは取付ボルト７で結合さ
れる軸筒部３と、軸筒部３の内側に配置された中
心軸４を有し、軸筒部３と中心軸４とは後で詳し
く述べる検出したい力の方向に撓むことができる
薄板状の支持構造５，５ならびに軸筒部３の内端
面と中心軸４の下端面とに取付ボルト８で結合さ
れた、これも後で詳しく述べる板状の検出部材６
とで連結される。中心軸４の先端個所９は、ドリ
ルチヤツクやコレツトチヤツクといつた工具装着
用のチヤツク４２を取付けるに適した形状となつ
ている。尚、シヤンク部２に設けた符号１０で示
す部材は自動工具交換装置の爪によつて挟持され
るためのものである。

検出したい力は工具類にかかるトルクかスラス
トか或いはその両者である。トルクを検出したい
場合の薄板状の支持構造５は、中心軸４の上下に
形成した肩部１１，１１と係合係止することがで
きる２個の環状体１２を用意し、第３図に明らか
としたように、各環状体の任意の直径方向および
これと直交する方向からそれぞれ狭い間隔で対向
する左右二つの細長い透孔１３，１３を穿設し
て、軸方向に沿う４つの薄板構造部分１４を放射
状に形成後、つぎに遠く離れた各透孔１３，１３
間を横割溝１５で分断することにより、横割溝１
５より上方の環状体１２部分と横割溝１５より下
方の環状体１２部分とが放射状の４つの薄板構造
部分１４だけで接続する構造とする。このように
加工した環状体１２，１２を中心軸４の上記肩部
１１，１１と係合係止させ、その状態で環状体１
２と中心軸４との嵌挿周縁部を溶接することで、
例えば上方の環状体１２部分と中心軸４とを固定
したならば、残りの下方の環状体１２部分は軸筒
部３と溶接する。このように放射状の薄板構造部
分１４は中心軸４に近い方の一端を中心軸４に固
定し、中心軸４から遠い方の他端を軸筒部３に固
定することで、工具類に作用するトルクは中心軸
４から放射状にある薄板状の支持構造５を経て軸
筒部３に伝達され、中心軸４とその外側の軸筒部
３との間に捩れによる変位を生じさせることにな
る。

一方、取付ボルト８で軸筒部３と中心軸４とに
板状の検出部材６が取付かることについては前述
した。トルクを検出する検出部構造１６は、第４
図からわかるように、検出部材６に二つの細長い
縦貫通孔１７，１７を穿設することによつて、検
出部材６の両側端面と縦貫通孔１７，１７の両端
内面との間に四つの薄板状の個所を形成すること
で得られる。図示の縦貫通孔１７の形状は二つの
小さな丸孔間を直線状の溝で連結したが、角孔で
も、或いは多数の小さな丸孔を一部重畳させて形
成したものでもよい。検出部構造１６にはトルク
によつて捩れによる弾性変形が起るから、その変
位を電気的信号に変換する手段１８、具体的には
ストレーンゲージを該構造１６の薄板状個所外表
面に貼り付け、４ゲージ法によるブリツジ回路で
測定する。

スラストを検出したい場合の薄板状の支持構造
５は、第７図の如く、環状体１２に上下に対向す
る透孔１３′，１３′を穿設して横向きの４つの薄
板構造部分１４′を放射状に形成後、上下に対向
する透孔１３′，１３′個所をそれぞれ縦割溝１
５′で分割し、こうして４分割された対向する２
個所の上端を中心軸４と溶接したならば、残りの
対向する２個所の下端は軸筒部３と溶接する。こ
のように薄板状の支持構造５はトルク検出かスラ
スト検出かで薄板の面の向きを違える。同様なこ
とは四つの薄板状個所を有する検出部構造１６に
ついてもいえる。スラスト検出の場合は、第８図
に示したように検出部材６に二つの細長い横貫通
孔１７′，１７′並びに、点線で現したように、こ
れと井桁状に交叉する他の二つの細長い横貫通孔
１７′，１７′を穿設することによつて、検出部材
６の上下両面と四つの横貫通孔１７′の両端内面
との間に実質的に平行で且つ薄板状の個所を形成
し、スラストによつて軸方向の弾性変形が起るよ
うにする。その変位を測定するのはトルクの場合
に準じて行なえばよい。

上記したトルクまたはスラストに変形しやす
く、他の方向の力やトルクには変形しにくい薄板
状の支持構造５と、その値を検出する検出部構造
１６は、上記二つの部分のうちの一つで兼用させ
ることもできる。また、トルクとスラストを同時
にしかもそれぞれを分離して検出するため、重ね
合せたり、一体構造とすることも可能である。

この工具ホルダー１内には上記変換手段１８に
よつて得た電気的信号を送信する無線送信装置２
０を自装せしめる。電源としての電池２１は、第
５図の如く、遠心力に対するバランスおよび取
付・取外しの便を考慮して２個使用し、軸筒部３
の対称な外周部個所に固定する。固定後は取付ボ
ルト２２により取付かる保護カバー２３で覆つて
外部と遮断する。送信用の電気回路がオンの状態
にあることを外部から確認することができるよう
に、軸筒部３にパイロツトランプ２４を取付け、
電池２１とは第６図のように結線する。同図中、
抵抗Ｒを介して接続される二つのリミツトスイツ
チ２５は電池２１の無駄な消耗を防止するための
もので、第１図と第５図から明らかとしたよう
に、バネ２６によつて常時外方に向けて弾撥され
且つその頭部２７を工具ホルダーシヤンク部２よ
り出没可能とした作動杆２８を設け、該作動杆２
８の頭部２７と工作機械側係合部３２との協働に
より、換言すれば工具ホルダー１を工作機械に装
着することでリミツトスイツチ２５はオンとな
り、工具ホルダー１を取外すことでオフとなす。
なお図示の例で、作動杆２８を前部２８ａと軸部
２８ｂに２分割し、軸部２８ｂと軸部２８ｂを案
内するブシユ２９にそれぞれ貫通孔３０，３１を
設けたのは、組立・取外し時には両貫通孔３０，
３１にピン（図示せず）を挿入することで長さを
短縮した状態にセツト可能とするためである。リ
ミツトスイツチ２５と電気的に接続する無線送信
器３３はシヤンク部２の内部に装着する。また送
信アンテナ３４はシヤンク部２の外周に一周さ
せ、使用時の損傷を避けるために充填材で固めて
おく。無線信号を受信する受信装置３５の受信ア
ンテナ３６についても、コマ３７の溝内に収めた
のちは充填材で固めておく。回転機械の回転軸等
から発する信号を無線送信する場合、なるべく強
い信号を歪なく受信するには、回転軸側に送信用
アンテナを配すると共に、回転軸を支える機械本
体において、ほぼ回転軸の全周を取巻くように受
信用アンテナを配しなければならない。ところが
主軸周りの空間には、普通、切屑や切削油剤の処
理装置といつた種々の機器を取付けるから、受信
アンテナ３６保持用のコマ３７を配置するスペー
スは極く狭い場所に限定されてしまう。扇状をな
す第２図のコマ３７の場合、その中心角は30゜程
度しかない。このような理由で受信アンテナ３６
を主軸周辺の極く一部にしか配することができな
い場合には、受信アンテナのインピーダンスZa
と受信器３８の入力インピーダンスZbとが大き
く相異する。たとえば受信アンテナが一回巻のコ
イルであり、コイルの線径ｒを0.5×10^-3ｍ、コ
イルの全長ｌを100×10^-3ｍ、信号の周波数を
80×10^-6ヘルツ、非透磁率μを１とすると、受信
アンテナのインピーダンスZaはほぼ0.3Ω、これ
に対して受信器の入力インピーダンスZbは75Ω
もある。良好な受信のためにはZa≒Zbでなけれ
ばならないのに、上記のように大きく相異する
と、信号の減衰を生じ、受信不能とさえなる。こ
の場合の解決策としては、第６図の電気配線図に
示すとおり、受信アンテナ３６と受信器３８に信
号を伝達する同軸ケーブル３９との間に、アンテ
ナ側からみたインピーダンスがZaであり、同軸
ケーブル側からみたインピーダンスZbにマツチ
ングするような、コイルＬとコンデンサＣで構成
するブリツジを挿入する。かかるブリツジは、コ
マ３７の基部に密閉状の空所４０を形成し（第１
図参照）、その空所４０内に収納するとよい。

具体的なコイルＬとコンデンサＣの値は、ω＝
2πfとして、 ω²lC＝１およびＬ／Ｃ＝Za・Zbの連立方程式
の解である。

Ｌ＝√・／2πfおよびＣ＝１／2πf√・から求めることができる。上述の例をこの算式に
あてはめてＬおよびＣの値を算出すると、Ｌ＝0.01×10^-6ヘンリー、Ｃ＝400×10^-12フアラドとなる。実際にこのようなインピーダンス変換を
伴う回路を設けた結果は、送信アンテナ３４から
１ｍ離れたところに送信アンテナ３６を置いて
も、受信器３８の出力は落ちなかつた。また上記
算式によつて得たＬ，Ｃの値に大きく違わなけれ
ば、それでよいことも確認済みである。

シヤンク部２と軸筒部３の重なり合う個所、保
護カバー２３が軸筒部３に嵌まり合う個所、或い
は作動杆２８の摺動個所といつた所には、例えば
Ｏリングによる密封を施し、本体内と外界との確
実な遮断を行ない、油の飛沫や切屑の浸入を防
ぐ。要すれば内部に窒素ガス等の封入を可能とす
る。

発明の効果本発明によればチヤツク４２にいかなる回転工
具類が取りつこうとも、その工具類と極めて接近
した位置において知りたい力を検出し、これを無
線送受信により取出し、しかもいかなる小径回転
工具類の小さな力の変化も外乱の影響を受けるこ
となく正確且つ容易にとらえられるという効果が
得られる。そこでつぎのような利用が可能とな
る。既に知られていることに、工具刃先にチツピ
ングが生じると、トルクの低下として下向きのス
パイクが現われること、またドリルの折れる直前
には切削抵抗値の著しい上昇を見るスパイクが生
じ、これはトルク、スラストの別を問わないし、
またタツプやエンドミルでも同様であることがあ
る。本発明の工具ホルダー形検出装置を用いる
と、微細な切削抵抗の変化もとらえることができ
るから、工具にチツピング、摩耗、折損といつた
異常を生じたことがわかり、工具損傷モニタリン
グ、工具交換、工作機械の自己診断等に使用でき
る。

また工作機械によるさまざまな加工において、
加工物と工具との接触を検知したり、加工物の穴
内径その他の正確な測定をする必要があるが、本
発明によれば回転工具を接触子と兼ねさせること
ができ、その都度回転をとめて工具とタツチセン
サーを取付け変えするといつた面倒さは全く不要
となる。更に工具が加工物に触れない間は工具を
早送りで送り、工具が加工物に触れた瞬間、切削
送りにするといつたことや、熱電対などを埋め込
んで温度補正を行なうこと等、随意に実施可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２
図はその一部の平面図、第３図は第１図の薄板状
の支持構造の理解を容易ならしめるための一部を
切除して示した斜視図、第４図と第５図は第１図
の−線および−線で切断し矢印方向に見
た図、第６図は電気配線図、第７図は第３図とは
相異する他の実施例を示す支持構造の斜視図、第
８図は第７図の支持構造と組合わされる検出部構
造を示す断面図である。１……工具ホルダー、２……シヤンク部、３…
…軸筒部、４……中心軸、５……薄板状の支持構
造、１６……検出部構造、１８……検出部構造に
生じた変位を電気的信号に変換する手段、２０…
…無線送信装置、３５……無線受信装置。

Claims

【特許請求の範囲】１回転工具類を装着可能とした工具ホルダー１
の中心軸４を該工具ホルダーのシヤンク部２と接
続した軸筒部３の内側に配置し、中心軸４と軸筒
部３との間は、回転工具類に作用する力のうち検
出したい力の方向に撓むことができる薄板状の支
持構造５と、二つの対向する細長い貫通孔１７，
１７が穿設された検出部材６の側端面と該貫通孔
１７，１７の両端内面との間にそれぞれ薄板状個
所を形成した検出部構造１６を介して連結し、該
検出部構造１６の上記薄板状個所の外表面に該部
に生じた変位を電気的信号に変換する手段１８を
貼着し、その電気的信号を送信する無線送信装置
２０を該工具ホルダー１内に自装せしめ、外部に
無線送信装置３５を配置したことを特徴とする工
具ホルダー形検出装置。２上記無線送信装置２０には、常時外方に向け
て弾撥され且つその頭部２７を工具ホルダーシヤ
ンク部２より出没可能とした作動杆２８を設け、
該作動杆２８の頭部２７と工作機械本体側係合部
３２との協働により無線送信装置２０の電気回路
をオンオフさせる特許請求の範囲第１項記載の工
具ホルダー形検出装置。３上記受信装置３５には、工作機械の回転軸周
辺の空間の一部を占有する受信アンテナ３６と受
信アンテナ３６からの信号を受信器３８に送る同
軸ケーブル３９との間に、コンデンサとコイルの
ブリツジ回路であるインピーダンス変換を伴う回
路を介装している特許請求の範囲第１項記載の工
具ホルダー形検出装置。