JPH09503232A - GP130結合界面で突然変異したインターロイキン−6(IL−6)受容体αの可溶性型であるIL−6アンタゴニスト - Google Patents
GP130結合界面で突然変異したインターロイキン−6(IL−6)受容体αの可溶性型であるIL−6アンタゴニストInfo
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Abstract
(57)【要約】
これらは、gp130界面に1つまたはそれ以上の突然変異を有するヒトIL−6の受容体αの可溶性型(shIL−6Rα)よりなることを特徴とする、インターロイキン−6のアンタゴニストである。好適な実施態様において、突然変異は、Ala228、Asn230、His280、およびAsp281よりなる群から選択される位置に存在する。これらのアンタゴニストは、異常IL−6活性に引き起こされる疾患を予防および治療することができる薬剤として使用することができる。図4は、野性型shIL−6Rαのアゴニスト性と比較した、突然変異体Ala228Asp/Asn230Asp/His280Ser/Asp281Valのアンタゴニスト活性を示す。このアンタゴニストは、異常IL−6生物活性に引き起こされる疾患を予防、制御および治療するための薬剤の調製に使用することができる。
Description
【発明の詳細な説明】
GP130結合界面で突然変異したインターロイキン−6(IL−6)受容体α
の可溶性型であるIL−6アンタゴニスト
説明
本発明は免疫の分野に関する。さらに詳しくは本発明の主題は、モノマー性受
容体複合体IL−6/sIL−6Rαとgp130のダイマー性受容体複合体の
形成を負に妨害する、インターロイキン−6の受容体αの可溶性型の突然変異体
である。本発明のさらなる主題は、異常なIL−6活性により引き起こされる疾
患を制御、予防及び治療するためのインターロイキン−6アンタゴニストとして
のこれらの突然変異体の使用である。
本発明において「インターロイキン−6」又は「IL−6」という用語は、I
L−6、及び野生型IL−6の生物学的特徴を維持しているその断片、欠失体、
挿入体、置換体、突然変異体及び修飾体を意味する。他に特に明記していない場
合は、この用語はヒトIL−6を意味する。
インターロイキン−6は、異なる標的細胞の種々の生物学的応答を誘発する。
しかしIL−6の生理学的産生はB細胞増殖と成熟を制御するが、T細胞活性化
と炎症応答(サイトカインの制御されない産生)中の肝臓の急性相蛋白の産生は
、多くの炎症性、自己免疫性及び新生物性疾患の病原性に決定的に重要な役割を
果たす。
現状の技術水準から判断されるように、単一の疾患の発生におけるIL−6の
果たす役割を研究し、治療用の薬剤を規定するために、IL−6生物活性阻害剤
を極めるための種々の試みが行われている。
また成熟なヒトIL−6蛋白(hIL−6)は、2つのジスルフィド結合(C
ys45〜Cys51、及びCys74〜Cys84)を有する185個のアミ
ノ酸のポリペプチドであることも公知である。IL−6は、標的細胞表面上の少
なくとも2つの特異的受容体(IL−Rαとgp130)との2つの結合部位(
部位Iと部位IIとして知られている)と相互作用し、3量体複合体であるI
L−6−(受容体)2を形成することにより機能する。この複合体は以下のよう
に順に形成される。第1の受容体(IL−6Rα)が、シグナルを伝達すること
なくIL−6の部位Iに低親和力で結合し、次に第2の受容体(gp130)が
高親和力でIL−6の部位IIに結合した後シグナルを伝達する。
この機序に基づき、第1の受容体を部位Iに結合させることはできるが、突然
変異により第2の受容体が部位IIに結合するのを立体的に阻害する受容体が2量
体化することができなくするhIL−6突然変異体が設計された。この型の突然
変異体はWO94/09138(シータス・オンコロジー社(CetusOncology Co
rporation))、及びWO94/011402及びPCT/IT94/00095
(インスチツト・ジ・リセルシェ・ジ・ビオロジア・モレコラレ・ピー・アンゲ
レッチ社(Istituto di Ricerchedi Biologia MolecolareP.Angeletti S.p.A.
))に記載されている。
gp130との界面領域に1つまたはそれ以上の突然変異を有するIL−6の
受容体αの可溶性型(sIL−6Rα)はインターロイキン−6のアンタゴニス
トであることが発見され、この発見が本発明の基礎となっている。
1つの実施態様において、sIL−6Rαは、Ala228、Asn230、
His280、およびAsp281から選択される位置に少なくとも1つの突然
変異を有する。例えば突然変異体は、Asn230(配列番号:1)、Ala2
28Asp/Asn230Asp(配列番号:2)、His280Ser/As
p281Val(配列番号:3)よりなる群から選択し得る。
好適な実施態様において、sIL−6Rαは、Ala228、Asn230、
His280およびAsp281位に複数の突然変異を有する。良好な結果を与
えた複数突然変異体は、Ala228Asp/Asn230Asp/His28
0Ser/Asp281Val(配列番号:4)である。
IL−6のアンタゴニスト(本発明では、gp130に結合する界面で突然変
異した、IL−6の受容体αの可溶性型よりなる)は、異常IL−6活性に関連
した疾患の治療と予防に治療上有効な濃度で投与することができる。このために
本発明のアンタゴニストは、静脈内又は皮下注射により投与される。これらの投
与方法は当業者には公知である。
この時点まで発明を一般的に説明した。本発明の目的、特徴、利点および操作
方法をさらに理解できるようにするために、以下の例により本発明をより詳細に
説明する。
図1Aは、32Sで標識したsgp130(gp130の可溶性型)による、本
発明の突然変異体の共免疫沈降物のインビトロのSDS−PAGEゲル(12%
)分析を示す。図1Bは、移動した125I−IL−6に対応するゲル上の位置を
示す。
図2は、野性型sIL−6Rα受容体と、A375細胞の膜上のgp130と
相互作用するように突然変異したsIL−6Rα受容体の異なる能力を、ヒスト
グラムの形で示す。
図3は、32Sは2.0μgの野性型受容体又は2.0μgの突然変異受容体(配
列番号:4)で標識したsgp130の共免疫沈降物のインビトロのSDS−P
AGEゲル(12%)分析を示す。
図4は、野性型shIL−6Rαのアゴニスト性と比較した、HepG2細胞
上の突然変異体配列番号:4のアンタゴニスト活性を示す。
図5は、APRFとDNA結合部位により形成された複合体(SIE、血清誘
導体性成分)のゲル分析を示す。(突然変異体配列番号:4は、HepG2細胞
上のOM−依存性APRFの活性化を阻害しない)。
本発明のIL−6のアンタゴニストは、合成法又は組換え法を用いて産生され
る。後者の場合、sIL−6RαをコードするcDNAはプラスミドに導入され
た後、原核生物細胞又は真核生物細胞中で発現される。細菌は好ましい原核微生
物である。
あるいは本発明のsIL−6Rα突然変異体をコードするcDNAは、哺乳動
物細胞に導入することもできる。これらの哺乳動物細胞は、CHO、COS、C
127、HepG2、SK Hepよりなる群から選択することができる。さら
に該蛋白は、公知の組換えバキュロウイルス(Baculovirus)(AcNPV株)
法を用いて昆虫細胞中(Sf9又はハイファイブ(HighFive))で発現すること
もできる。例1 sIL−6Rα突然変異体の調製
sIL−6Rα cDNAは、鋳型としてIL−6Rαの完全cDNAを用い
てPCR法により5’EcoRI−3’XbaI断片として得られた(スポレノ
・イー、パオネッサ・ジー、サルバチ・エー・エル、グラジアニ・アール、デル
マストロ・ピー、シリベルト・ジー、およびトニアッチ・シー(Sporeno E.,Pa
onessaG.,Salvati A.L.,Graziani R.,DelmastroP.,CilibertoG.and Toniat
ti C.)(1994)J.Biol.Chem.269、10991−10995)。3
’プライマーは、6つのヒスチジンコード配列が先行するアミノ酸324位に人
工的TAG停止コドンを導入するように設計した。これは我々が産生するsIL
−6Rαおよびその突然変異体が、金属親和性クロマトグラフィーを用いて分子
を精製するのに有用な、分子のカルボキシ末端に6つのヒスチジンの「尾(tail
)」を、有することを確認するために行った。次に、作成した断片をCOS−7
細胞発現ベクターpcDNAI(インビトロゲン(Invitrogen))中に導入し、
完全に配列決定し、こうしてプラスミドpC6FRHを得た。
次にプラスミドpC6FRHを鋳型として用いて、以下の4つの突然変異体を
コードする作成体:Asn230Asp(配列番号:1);Asn230Asp
/Ala228Asp(配列番号:2);His280Ser/Asp281V
al(配列番号:3)およびAla228Asp/Asn230Asp/His
280Ser/Asp281Val(配列番号:4)を、過去に記載されている
2工程PCR法(ラント・オー、グルナート・エィチ・ピー、ハーン・ユー(La
ndt O.,Grunert H.P.,and Hahn,U.)(1990)Gene 96、125−12
8)により得た。
次に、この突然変異体をCOS−7細胞中で発現した。このためにCOS−7
細胞を、10%FCS、およびグルタミンと抗生物質を補足したダルベッコー改
変イーグル培地中で5%CO2で維持した。蛋白発現のために、2.5×106個
のCOS−7細胞を100mm組織培養プレー卜中に接種し、翌日DEAEデキス
トラン法(シード・ビー、アルフォ・エー(Seed B.,Aruffo A.)(1987)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84、3365−3369)を用いて、種々のs
hIL−6Rα発現ベクター2μgでトランスフェクションした。トランスフ
ェクション16時間後細胞を分け、100mmプレートに再度接種し、完全培地中
で37℃で増殖させた。72〜96時間後培地を集め、遠心分離し、共免疫沈降
実験および結合測定法に使用した。各突然変異体の発現レベルを追跡するために
、トランスフェクションした2.5×105個のCOS−7細胞を35mmのプレ
ートに再接種し、トランスフェクションの48時間後、[35S]メチオニンで4
時間代謝標識した。上澄液を、抗ヒトIL−6Rαモノクローナル抗体I6R1
/9.G11で免疫沈降させた。次に免疫沈降した物質をSDSを含有するポリ
アクリルアミドゲルで電気泳動して分析した。突然変異体のIL−6結合解析
調整COS細胞培養培地中に含有されるsIL−6Rα突然変異体のIL−6
に対する親和性を測定するために、我々が産生させた蛋白中の6つのヒスチジン
の「尾」を使用した。
あらかじめ力価測定実験で測定し、イミダゾールを最終濃度5mMになるように
加えた、トランスフェクションしたCOS細胞上澄液の適当な量を、20〜40
pMの125I−IL−6、および上昇する濃度の非標識サイトカインと混合した。
平衡条件下で40μlのNi21−NTA−アガロース(キアゲン(Quiagen))(
ヒスチジンの「尾」を持つ蛋白に選択的に結合することができる樹脂)を加え、
さらに1時間インキュベートを続けた。こうして受容体により結合されたリガン
ドを間接的に樹脂に結合させ、PBS中30%ショ糖のクッションを介して遠心
分離して遊離リガンド(上澄液)から分離した。すべての工程は4℃で行なった
。遊離cpmと結合cpm(1秒当たりの放射能カウント)の値から、競合排除
曲線を引いた。結果のスキャチャード(Scatchard)変換により、種々の可溶性
IL−6受容体の見かけのKdを決定した(スポレノ、パオネッサ、サルバチ、
グラジアニ、デルマストロ、シリベルト、およびトニアッチ(Sporeno,Paoness
a,Salvati,Graziani,Delmastro,Ciliberto and Toniatti)(1994)J.
Biol.Chem.269、10991−10995を参照)。マッキントッシュコン
ピューターで「ウルトラフィット(UltraFit)」ソフトウェア(バイオソフト(
Biosoft)(登録商標))を用いて、結合データの解析と曲線当てはめを行った
。
表1から明らかなように、結合親和性は:1)突然変異体Asn230Asp
(配列番号:1)、Asn230Asp/Ala228Asp(配列番号:2)
について実質的に同じであり;b)His280Ser/Asp281Val(
配列番号:3)については、わずかではあるが再現性を以って(2.5nM〜6nM
)低下し;そしてc)Ala228Asp/Asn230Asp/His280
Ser/Asp281Val(配列番号:4)については、野性型の活性が十分
に保持された。
gp130への突然変異体の結合
sIL−6Rα/sgp130ヘテロダイマーのIL−6依存性の生成は、適
当なモノクローナル抗体を使用して、インビトロで共免疫沈降法により容易に追
跡できる。こうして野性型と同じ程度のIL−6結合親和性を示す突然変異体を
選択し、それらのsgp130への結合をIL−6の存在下で共免疫沈降法によ
り評価した。
32S−標識sgp130を125I−IL−6(免疫沈降法の内部標準として)
とトランスフェクションしたCOS−7細胞培養培地(未変性又は突然変異受容
体のいずれかを含有する)の一部とインキュベートした。インビトロで結合させ
た後、混合物に抗IL−6Rαモノクローナル抗体I6/R19.G11を加え
、免疫沈降物をSDS−PAGEで分析した。結果を図1に示す。明らかなよう
に、
突然変異体His280Ser/Asp281Val(配列番号:3)は、IL
−6/sIL−6Rα複合体sgp130分子の会合を強く低下させた(レーン
4)。また単一置換体Asn230Asp(配列番号:1)のsgp130との
相互作用は低下した(レーン2)。sgp130との相互作用へのこの突然変異
体の作用は、突然変異体Ala228Asp/Asn230Asp(配列番号:
2)と同程度であった。最後に、4重突然変異体Ala228Asp/Asn2
30Asp/His280Ser/Asp281Val(配列番号:4)は、35
S−gp130を共免疫沈降する能力は最低であった(レーン5)。
受容体突然変異体をまた、細胞表面上のgp130と相互作用する能力につい
て試験した。この目的のために、IL−6Rαに比べてgp130分子を過剰に
有するヒト黒色腫A375細胞で結合実験を行なった。実際A375単一層への125
I−IL−6の結合は、可溶性受容体により強く増強された。この現象は、
sIL−6Rαが125I−IL−6に結合し、次に細胞の表面上に存在するgp
130分子と相互作用する能力による。この相互作用の特異性は、sIL−6R
αの存在下で125I−IL−6の上昇した結合は、過剰の未標識ヒトオンコスタ
チン(Oncostatin)M(OM)の添加により競合されるという事実により証明さ
れる(図2)。このサイトカインは、直接gp130に結合することができ、I
L−6/IL−6Rα複合体の結合についてgp130と競合することができる
。野性型shIL−6Rαと異なり、細胞を[125I−IL−6+アンタゴニス
トとして作用する可能性突然変異受容体]を投与した時特異的結合がわずかに増
加したのみである(図2)。gp130との相互作用に対する最大の妨害は、H
is280Ser/Asp281Val(配列番号:3)およびAla228A
sp/Asn230Asp/His280Ser/Asp281Val(配列番
号:4)により示される。突然変異体Ala228Asp/Asn230Asp/His280Ser/A sp281Val(配列番号:4)がIL−6アンタゴニストであることの証明
前記の結果は、この突然変異体が、IL−6への親和性を低下させることなく
、gp130に対し最大の結合を有することを示している。この突然変異体の生
物
学的活性を検討するために、その生産と野性型可溶性受容体の生産を、マックス
バック(MaxBac)(登録商標)系(インビトロゲン(Invitrogen)のバキュロウ
イルス発現系)を使用してスケールアップを行った。発現し精製した受容体を免
疫沈降実験で試験した。
グレース(Grace)の昆虫培地で増殖させたSf9細胞を用いて、トランスフ
ァーベクターのトランスフエクション、組換えウイルスの単離そして高力価ウイ
ルスのストックの調製のために使用した。蛋白の産生のためにハイファイブ(Hi
ghFive)(登録商標)細胞(インビトロゲン(Invitrogen))を使用した。簡単
に述べると、グレース(Grace)の昆虫培地で増殖させた4×107のハイファイ
ブ(High Five)細胞を750mlのフラスコに接種し、感染多重度(MOI)10で
適当な組換えウイルスで感染させた。2時間後細胞を洗浄し、SF−900無血
清培地を加えた。感染36時間後、培養上澄液を集め、PBSに対して透析し、
Ni2+−NTA−アガロースカラムに直接適用した。PBS/8mMイミダゾール
で洗浄後、野性型shIL−6Rαと突然変異体の両方をPBS/80mMイミダ
ゾールで溶出した。精製した蛋白をPBSに対して透析し、直接使用するか又は
3週まで4℃で保存した。
精製した蛋白の使用することにより、受容体の量を定量し、野性型受容体と突
然変異受容体について広範囲のIL−6濃度の存在下でsgp130と相互作用
する能力を比較することができた。その結果(図3)は、COS細胞誘導受容体
であらかじめ得られた結果とよく一致した。興味深いことに曲線の各点で、共免
疫沈降したgp130の量は、野性型受容体より突然変異受容体で低く、試験し
たサイトカインの最高濃度(100nM)の場合でもこれは同じであった。これら
の知見は、IL−6と突然変異sIL−6Rαがgp130に対して低親和性で
複合体を形成することを追認している。
IL−6活性に対する突然変異体の拮抗作用の可能性を試験するために、我々
はヒト肝癌細胞中の転写因子APRF(急性相応答因子)/STAT3のIL−
6依存性活性化を選択した。チロシンリン酸化に依存するAPRFの活性化は、
迅速な細胞性事象であり、これはIL−6ファミリーのすべてのサイトカインで
刺激後数分以内に起きる。
ヒトHepG2細胞を、一定量の野性型受容体および突然変異受容体(100
nM)とともに増加する濃度のIL−6で剌激した。図4に示すように、shIL
−6RαはIL−6によりAPRF誘導体を増強した(図4のレーン2〜4と5
〜7を比較されたい)が、可溶性突然変異受容体はアゴニスト活性を欠くのみで
なく、サイトカインの活性化をダウン修飾(down-modulate)した(図4、レー
ン8〜10)。共免疫沈降実験から予測されるように、細胞を20pMまでのIL
−6で処理した時(レーン8と9、図4)阻害は完全であり、最大濃度のIL−
6ではほんのわずかに誘導が検出された(200pM、図4のレーン10)。
拮抗作用がIL−6に特異的であるか否かを試験するために、IL−6関連サ
イトカインOM(これもAPRFリン酸化を効率的に誘導することが知られてい
る)で誘導したHepG2細胞に突然変異体を加えた。図5に示すように、突然
変異体は、OM活性に拮抗しなかった。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C12P 21/02 9162−4B C12N 15/00 A
(C12P 21/02
C12R 1:91)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.gp130と結合する界面に1つまたはそれ以上の突然変異を有するIL −6のα受容体の可溶性型(sIL−6Rα)であることを特徴とするインター ロイキン−6(IL−6)のアンタゴニスト。 2.sIL−6Rαは、Ala228、Asn230、His280、および Asp281よりなる群から選択される位置に少なくとも1つの突然変異を有す る、請求の範囲第1項記載のインターロイキン−6のアンタゴニスト。 3.sIL−6Rαは突然変異体Asn230Asp(配列番号:1)を有す る、請求の範囲第1項又は第2項記載のインターロイキン−6のアンタゴニスト 。 4.sIL−6Rαは突然変異体Ala228Asp/Asn230Asp( 配列番号:2)を有する、請求の範囲第1項又は第2項記載のインターロイキン −6のアンタゴニスト。 5.sIL−6Rαは突然変異体His280Ser/Asp281Val( 配列番号:3)を有する、請求の範囲第1項又は第2項記載のインターロイキン −6のアンタゴニスト。 6.sIL−6Rαは突然変異体Ala228Asp/Asn230Asp/ His280Ser/Asp281Val(配列番号:4)を有する、請求の範 囲第1項又は第2項記載のインターロイキン−6のアンタゴニスト。 7.異常IL−6活性により引き起こされる疾患を制御、予防および治療する ことができる薬剤の研究と調製のための、請求の範囲第1から第6項までに記載 のインターロイキン6アンタゴニストの使用。 8.前述し、例示し、特許請求した、IL−6アンタゴニストとして作用する 可溶性受容体およびその使用。
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