JPH09502997A - 環状エステルの製造方法 - Google Patents

環状エステルの製造方法

Info

Publication number
JPH09502997A
JPH09502997A JP7510327A JP51032794A JPH09502997A JP H09502997 A JPH09502997 A JP H09502997A JP 7510327 A JP7510327 A JP 7510327A JP 51032794 A JP51032794 A JP 51032794A JP H09502997 A JPH09502997 A JP H09502997A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solvent
cyclic ester
production
water
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7510327A
Other languages
English (en)
Inventor
ダブリュ. バーサー、ダン
ジェー. エッグマン、ティモシー
エー. エバンコ、ウイリアム
エイチ. シリング、ケビン
メイサー、マンフレッド
イー. アラン、アンソニー
イー.ディー. ヒルマン、メルビル
イー. クレミーンズ、ジョージ
エス. リピンスキー、エドワード
チョン、アレックス
Original Assignee
バイオパック テクノロジー リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バイオパック テクノロジー リミテッド filed Critical バイオパック テクノロジー リミテッド
Publication of JPH09502997A publication Critical patent/JPH09502997A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D319/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D319/101,4-Dioxanes; Hydrogenated 1,4-dioxanes
    • C07D319/121,4-Dioxanes; Hydrogenated 1,4-dioxanes not condensed with other rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/48Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by liquid-liquid treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L67/00Compositions of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L67/04Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids, e.g. lactones
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D167/00Coating compositions based on polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D167/04Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids, e.g. lactones
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2219/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J2219/19Details relating to the geometry of the reactor
    • B01J2219/194Details relating to the geometry of the reactor round
    • B01J2219/1941Details relating to the geometry of the reactor round circular or disk-shaped
    • B01J2219/1942Details relating to the geometry of the reactor round circular or disk-shaped spherical
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2367/04Polyesters derived from hydroxy carboxylic acids, e.g. lactones
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/10Process efficiency

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 乳酸等の出発物質の、溶媒抽出による希薄な乳酸含有水溶液からの回収を含む、環状エステルの製造のための新規な一貫したプロセスが開示される。出発物質から水の除去を行い、環状エステルを生成させる。ここで、高分子量オリゴマーの濃度は、反応組成物の約20重量%未満に維持されている。本プロセスは更に、反応組成物のための回収溶媒を提供し、液−液平衡分離により出発物質と高分子量オリゴマーから環状エステルを分離することを含む。本発明は更に、全プロセスの独立した新規な単位操作に関する。本発明は、適切な溶媒と再循環ストリームの使用による種々の単位操作の統合により、環状エステルの効率的な製造と回収法を提供する。更に、プロセスパラメーターの適切な制御により、出発物質の高率の変換と環状エステルの高率の選択的製造が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】 環状エステルの製造方法 発明の分野 本発明は、ヒドロキシカルボン酸(本明細書ではヒドロキシ酸又はヒドロキシ カルボン酸と呼ぶ)とその誘導体の、これらのそれそれの環状エステル(好適に は、同一の環に2つのエステルを有する環状化合物)への変換による、環状エス テルの製造方法に関する。本発明はまた、供給原料ストリーム(feedstream)を 形成するヒドロキシ酸の回収のための、及び環状エステルの回収のための新規な 技術も含む。 発明の背景 一般式: (式中、R1、R2、R3、及びR4は、水素、又は炭素原子1〜約10個を有する 、置換若しくは非置換の脂肪族又はアリール炭化水素のいずれかであってよい) で示される環状エステルを含む環状エステルは、重合してポリマー材料を作るこ とのできる有用な種類の化合物である。このようなポリマー材料は、環境中で生 物分解性のブラスチック材料、及び医療用途に使用されると再吸収されるプラス チック材料の製造に特に有用である。ラクチドのような環状エステルの重合から 製造されるポリマーは、これらが多くの環境条件下で水加水分解により経時的に 分解されるため、特に有用である。次いで、生じるヒドロキシ酸単位(例えば、 乳酸)又はそのオリゴマーは、環境中の微生物に容易に捉えられて、好気的に二 酸化炭素と水に、又は嫌気的に二酸化炭素とメタンに変換される。環状エステル はまた、可塑剤として有用であり、かつ界面活性剤や可塑剤の製造の中間体とし て 有用である。 先行技術によると、最初にヒドロキシ酸(典型的にはα−ヒドロキシ酸)を縮 合して比較的高分子量のオリゴマー性プレポリマーにすることにより、目的の環 状エステルを調製した。次にこのプレポリマーを加熱、真空排気した反応器中で 高温かつ低圧で解重合して、粗環状エステルにした。目的の分子量のポリマーを 合成するのに充分な必要とされる純度の環状エステルを得るためには、大規模な 精製プロセスを要した。 オリゴマー性α−ヒドロキシ酸プレポリマーからの環状エステルの製造は、乳 酸オリゴマーに関して以下に例示されるように、プレポリマーの尾部(tail)末 端から環状二量体エステルを段階的に除去して環状エステルを生成させるため、 時にバックバイティング(back-biting)反応と呼ばれる。 ベリス(Bellis)への米国特許第4,727,163号は、熱安定性ポリエーテルコア を、α−ヒドロキシ酸、又はこのコアに重合したα−ヒドロキシ酸のエステルと 共に含むブロックポリマーからなるプレポリマーを最初に製造することを含むプ ロセスに関するものである。真空条件下で加熱すると、α−ヒドロキシ酸の鎖末 端は 熱分解して、真空下で縮合させることができる環状エステルを形成する。 バティア(Bhatia)への米国特許第4,835,293号は、バックバイティング・プ ロセスに関するものであり、これは、大気圧又はそれ以上の圧力でこのプロセス が行われることを可能にする不活性ガス掃引の利用を含む。この不活性ガスが、 液相にあるプレポリマーに密に接触し、このためプレポリマーと不活性ガスの間 に大きな界面領域を作って、環状エステルを蒸発させ、それに続く回収と精製の ため反応器の外にこの蒸気を掃引する。 上記のように、また参照のBellis及びBhatiaの特許で検討されたように、α− ヒドロキシ酸のバックバイティング解重合により環状エステルを製造することが できる。しかし、バックバイティング反応は、一般的には緩慢な反応であり、著 しく長い時間にわたるバッチ操作として行われ、また処分を要する望ましくない 高分子量の副生成物くず(heel)が生じる。更に、この環状エステル生成物は、 有毒な変色した熱分解生成物から分離しなければならない。 発明の概要 本発明は、ラクチドのような環状エステルの製造方法に関する。1つの実施態 様において、本発明は、環状エステルの製造のための出発物質の回収、環状エス テルの形成及び環状エステルの回収を含む一貫したプロセスに関する。このよう な1つのプロセスにおいて、乳酸の希釈溶液のようなXA含有水溶液を、抽出溶 媒に接触させて、抽出溶媒、XA及び水を含む第1相とラフィネートを含む第2 相を生成する。次に第1相を環状エステル製造溶媒(production solvent)に接 触させて、反応組成物を生成する。この製造溶媒は、沸点が抽出溶媒の沸点より も高く、また水の沸点よりも高い。このプロセスは更に、反応組成物から抽出溶 媒を選択的に除去し、そして反応組成物から水を選択的に除去して環状エステル を生成することを含む。環状エステルは、X5A及び高分子オリゴマーの濃度が 、反応組成物の約20重量%未満の場合に生成する。本プロセスは更に、反応組 成物のための回収溶媒を調製し、液−液平衡分離により環状エステルと回収溶媒 をX1AとX1Aのオリゴマーから分離することを含む。次に環状エステルを回収 溶媒 から回収する。 本発明の別の実施態様は、全体的な一貫したプロセスの、種々の独立の単位操 作に関する。特に、本発明の1つの実施態様は、環状エステル製造に使用するこ とができるXA含有供給原料ストリームを製造するプロセスを含む。この方法は 、前記XAの水に対する分配係数が少なくとも約0.2である第1の溶媒でXA 含有水溶液からXAを抽出して、この第1の溶媒とXAを含む第1相とラフィネ ートを含む第2相を生成することを含む。このプロセスは更に、第1相を第2の 溶媒に接触させて、XA含有供給原料ストリームを生成することを含む。ここで 第2の溶媒は、沸点が第1の溶媒の沸点よりも高く、また水の沸点よりも高い。 別の実施態様において、本発明は、溶媒中のXAを含む供給原料ストリームを 提供し、供給原料ストリームから水を除去し、そして環状エステルを生成するこ とを含む環状エステルを製造するプロセスを含む。ここで、供給原料ストリーム から生成されるX5A及び高分子オリゴマーの濃度は、プロセス中の反応混合物 の約20重量%未満である。別の実施態様において、本プロセスは、供給原料ス トリーム中の水濃度を約2重量%以下に維持することにより行われる。別の実施 態様において、XAはX1Aを含み、そしてX1Aは乳酸、グリコール酸、酒石酸 、マンデル酸、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキサンカルボン酸、2−ヒドロキ シ−2−(2−テトラヒドロフラニル)エタン酸、2−ヒドロキシ−2−(2− フラニル)エタン酸、2−ヒドロキシ−2−フェニルプロピオン酸、2−ヒドロ キシ−2−メチルプロピオン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸、2−ヒ ドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、及びこれらの混合物よりなる群 の、酸、エステル、塩又はアミドから選択される。 別の実施態様において、本発明は、生成物への反応物の高率の変換による環状 エステルを製造するプロセスを含む。この実施態様は、溶媒中のXAを含む供給 原料ストリームを提供し、供給原料ストリームから水を除去して環状エステルを 生成させることを含む。ここで、X5A及び高分子オリゴマーの濃度は、本プロ セス中の反応混合物の約20重量%未満であり、そして本プロセスの変換率は、 少 なくとも約30%である。1つの実施態様において、少なくとも約5重量%のX A濃度を有する供給原料ストリームの使用により、高い変換率が達成される。こ の実施態様は更に、反応温度を約110℃以上に維持することを含んでもよい。 更に、エステル化触媒の使用により、高い変換率を達成することができる。 本発明の別の実施態様において、高度の選択率で環状エステルが調製されるが 、ここで変換されるXA成分は、XAの高分子オリゴマー性線状種でなく、高い 割合でXD種に選択的に変換される。1つの実施態様において、このプロセスは 、製造溶媒中のXAを含む供給原料ストリームを提供し、供給原料ストリームか ら水を除去して環状エステルを生成することを含む。ここで、X5A及び高分子 オリゴマーの濃度は、本プロセス中の反応混合物の約20重量%未満であり、本 プロセスの選択率は、約30%以上である。1つの実施態様において、製造溶媒 は、トルエン、キシレン、アニソール、フェネトール、4−メチルアニソール、 1,3−ジメトキシベンゼン、メシチレン及びこれらの混合物からなる群より選 択される。別の実施態様において、製造溶媒は、モノ置換及びジ置換の溶媒から なる群より選択される芳香族溶媒を含む。別の実施態様において、製造溶媒は、 異なる極性を有する第1及び第2の溶媒からなる混合溶媒を含んでよい。製造溶 媒とX1Aは、相互に約10MPa1/2以内の極性又はH結合溶解パラメーター成分 を有してもよい。更に、製造溶媒は、約0.5デバイより多い双極子モーメント を有してもよい。 環状エステルを製造する本方法は、種々のプロセス構成を使用して行うことが できる。このプロセスは、バッチ、供給−バッチ又は連続式であってよい。1つ の実施態様において、少なくとも第1及び第2の反応容器で逐次、連続プロセス が行われてよい。別の実施態様において、第1の反応容器は水ストリッピングカ ラム(water stripping column)であってよい。別の実施態様において、この反 応は全部が蒸留塔で行われてよい。更に別の実施態様において、このプロセスは 1リットル1時間当りの環状エステル少なくとも約10gの体積効率を有してよ い。 本発明の別の実施態様は、環状エステル、X1A及びX1Aのオリゴマーを含む 環状エステル製造混合物から環状エステルを回収する方法である。この実施態様 は、環状エステル製造混合物のための回収溶媒を提供し、液−液平衡分離により 、少なくとも一部の環状エステルと回収溶媒をX1AとX1Aのオリゴマーから分 離することを含む。本プロセスは更に、環状エステルと回収溶媒から環状エステ ルを回収することを含む。1つの実施態様において、環状エステルは、回収溶媒 中のX1Aに関して室温で1気圧で少なくとも約1の分離係数を有する。この回 収溶媒は、キシレン、トルエン、ベンゼン、メチルイソブチルケトン(MIBK )、イソプロピルエーテル及びこれらの混合物からなる群より選択することがで きる。別の実施態様において、回収の工程は、蒸留、溶媒結晶化(solvent crys tallization)、融解結晶化(melt crystallization)及びこれらの混合プロセ スから選択されるプロセスよりなる。 本発明の別の実施態様は、環状エステル、X1A、X1Aのオリゴマー及び溶媒 を含む環状エステル混合物から環状エステルを精製するためのものであり、これ は、環状エステル混合物から少なくとも一部のX1Aと溶媒を選択的に蒸留し、 この混合物から少なくとも一部の環状エステルを選択的に蒸留し、続いて蒸留し た環状エステルを回収することを含む。 本発明の別の実施態様は、環状エステル、X1A及びX1Aのオリゴマーを含む 環状エステル混合物から環状エステルを精製するためのものである。このプロセ スは、環状エステルの融点以上にこの環状エステル混合物を加熱し、環状エステ ルの融点と環状エステルの融点より約20℃低い温度との間の温度でこの混合物 を維持して結晶化させ、そして結晶化された環状エステルを回収することを含む 。 図面の簡単な説明 図1は、異なる製造溶媒を使用するラクチドの製造における選択率、変換率及 び生産率の三次元表示である。 図2は、異なる濃度の硫酸触媒を使用するアニソール中でのラクチドの製造に おける選択率、変換率及び生産率の三次元表示である。 図3は、4つの異なる濃度の硫酸触媒を使用するキシレン中でのラクチドの製 造における変換率、選択率及び生産率の三次元表示である。 図4は、1.2%硫酸触媒を使用するキシレン中でのラクチドの製造を示すグ ラフ、及び変換率、選択率及び生産率についての対応する値である。 図5は、4つの異なる触媒によるアニソール中でのラクチドの製造における選 択率、変換率及び生産率の三次元表示である。 図6は、高濃度触媒でアニソール中でのラクチドの製造を示すグラフ及び変換 率、選択率及び生産率についての対応する値である。 図7は、3つの異なる温度でキシレン中でのラクチドの製造における変換率、 選択率及び生産率の三次元表示である。 図8は、供給バッチ製造プロセスにおけるキシレン中でのラクチドの製造を示 すグラフである。 図9は、供給バッチ製造プロセスを使用するアニソール中でのラクチドの製造 を示すグラフである。 図10は、アニソール/キシレン混合溶媒中でのラクチド製造の変換率に関す る結果を示すグラフである。 図11は、アニソール/キシレン混合溶媒中でのラクチド製造の選択率に関す る結果を示すグラフである。 図12は、キシレン/アニソール混合溶媒中でのラクチド製造の生産率に関す る結果を示すグラフである。 図13は、種々の溶媒と触媒の組合せを使用するラクチド合成反応における4 時間後のパーセント変換率を示すグラフである。 図14は、種々の溶媒と触媒の組合せについてのラクチド合成反応における1 時間後のパーセント変換率を示すグラフである。 図15は、種々の溶媒と触媒の組合せを使用するラクチド生成の選択率を示す グラフである。 詳細な説明 本発明は、ラクチドのような環状エステルの製造のための一貫したプロセスを 提供する。本プロセスは、乳酸のような出発物質の回収;出発物質から環状エス テルの製造;及び環状エステルの回収を含む。本プロセスは、複数の単位操作に 有利な溶媒及び/又は触媒の使用により種々の単位操作が統合されているため、 特に有益である。したがって、1つの単位操作からの生成物ストリームを次の単 位操作の供給原料ストリームとして使用することができる。即ち、本プロセス又 は本プロセスの一部は連続操作として行うことができる。更に、本プロセスは、 種々の単位操作の間の多くの再循環ストリームを含む。本プロセスは、環状エス テルの製造のための効率的な方法を提供する。更に、本プロセスの多くの特徴が 、全プロセスとは独立して新規かつ有用である。環状エステル製造の化学 本発明は、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸エステル、ヒドロキ シカルボン酸塩、又はヒドロキシカルボン酸アミドから誘導される環状エステル を製造する方法を提供する。本明細書で使用される「から誘導される」という用 語は、環状エステルが、これらの成分又はこれらの成分の生成物が反応物である 反応により製造されることをいう。好適には、この環状エステルは、任意の2つ のヒドロキシ酸、そのエステル、塩、又はアミドから生成されるエステルを、環 状エステルに変換することにより生成される。このような好適な環状エステルは 、本明細書ではXDと呼ばれる。本明細書で使用されるX1Aは、ヒドロキシカ ルボン酸、ヒドロキシカルボン酸エステル、ヒドロキシカルボン酸塩、又はヒド ロキシカルボン酸アミドのことをいう。X2Aは、ヒドロキシ酸又はその誘導体 の線状二量体分子のことをいう。X3Aは、ヒドロキシ酸又はその誘導体の線状 三量体分子のことをいい、そしてXnAは、ヒドロキシ酸又はその誘導体の線状 n量体分子のことをいう。本明細書で使用される時、下付文字なしのXAは、1 つ又はそれ以上のX1A、X2A、X3A、及びX4A、あるいはこれらの種を含有 する溶液を意味する。XがL、G又はTで置換されている時は、それそれ、乳酸 、グリコール酸及び酒石酸に基づく対応する化合物を意味する。例えば、LAは 、L1A、L2A、L3A及びL4Aを含む乳酸に基づく混合物のことをいい、そし てLDはラク チドのことをいう。 本発明の実施態様により、X1Aから誘導される環状エステルは、XAを含む がこれに限定されない成分を含有する供給原料ストリームを提供し、この供給原 料ストリームを処理して環状エステルを生成することにより製造される。理論に 拘束されるつもりはないが、この環状エステルは、主にX2Aから直接に生成さ れると考えられる。ある反応条件の下で、わずかではあるがX3AとX4Aが環状 エステル生成に寄与しうると考えられる。しかし、この機作は本発明に必須では ない。本明細書で使用される時、主にX2Aから直接に環状エステルを生成させ るということは、既に供給原料ストリーム中に存在するX2A、又は2つのX1A 分子間のエステル化反応により生成されるX2Aがエステル化により環状エステ ルに変換される反応のことをいう。即ち、環状エステルは、環状エステルがX5 A又はそれ以上のXAから生成する時の先行技術に記載されているように、ポリ エステル鎖のバックバイティングによって生成するわけではないようである。 本発明のプロセス及び米国特許第5,139,107号に記載されているプロセスは、 本プロセスがX2A分子の環化によりX2A分子から直接にXD分子を生成させる と考えられるため、新規であり、かつ高分子オリゴマーの解重合の従来公知プロ セスとは区別可能である。本プロセスのための反応条件は、公知の解重合反応の 条件よりもかなり穏やかであることに注目すべきである。例えば、典型的には解 重合反応は約200℃以上の温度で行われる。XDがX2Aから直接に生成され ると考えられるため、XDを生成する従来の解重合プロセスに使用されるプレポ リマー中に必要とされる、相当量のX5Aやより高分子のオリゴマーのような高 分子オリゴマー種はXA種からは生成しない。即ち、本発明の独特の特徴は、供 給原料ストリーム中のXAから生成される反応混合物中のX5Aと高分子オリゴ マーの全濃度が、反応混合物の約20重量%以下、更に好適には約15重量%未 満、そして最も好適には約10重量%未満であるような条件下での、本発明の供 給原料ストリームの反応である。 本発明によれば、X1Aは、好適にはα−ヒドロキシカルボン酸、又はそのエ ス テル、塩、若しくはアミドである。理論に拘束されるつもりはないが、α−ヒド ロキシカルボン酸又はその誘導体は、XD環状エステルの生成に特に適している と考えられる。広い範囲のα−ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体が、本発明 により環状エステルに変換されうる。このような酸は、式R12C(OH)−C OOH(式中、R1及びR2は、各々独立に、水素、又は炭素原子1〜10個を有 する、置換若しくは非置換の脂肪族若しくはアリール炭化水素である)の酸、及 びこのような酸の水溶性エステル、塩又はアミドを含む。単一のX1A又は異な るX1A種の混合物を使用することができる。適切なX1A化合物は、以下の酸及 びその対応するエステル、塩、又はアミドを含むが、これらに限定されない:乳 酸(L1A)、グリコール酸(G1A)、酒石酸(T1A)、マンデル酸、リンゴ 酸、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキサンカルボン酸、2−ヒドロキシ−2−( 2−テトラヒドロフラニル)エタン酸、2−ヒドロキシ−2−(2−フラニル) エタン酸、2−ヒドロキシ−2−フェニルプロピオン酸、2−ヒドロキシ−2− メチルプロピオン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸、2−ヒドロキシブ タン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、及びこれらの混合物。 好適な酸は、乳酸、グリコール酸及び酒石酸であり、乳酸が更に好適である。 好適な塩は、XAのアルキル又はアリールアミン塩であり、更に好適には、乳酸 アンモニウム又は乳酸アルキルアンモニウムのようなXAのアンモニウム塩であ る。加えて好適な塩は、他の乳酸塩、グリコール酸塩、及び酒石酸塩を含む。適 切なエステルは、メチル、エチル、又はブチル鎖を有するような短鎖アルキルエ ステルと共に、乳酸オクタデシルのような長鎖を有するエステルを含む。好適な エステルは、乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸オクタデシルを含む。X1Aエス テルへの言及は、X1Aのオリゴマー性エステル又はポリエステルを意味しない 。X1Aは、立体異性体、即ちL−又はD−のどちらかであってもよい。 好適なX2A成分は、L1A−L1A(又はL2Aであり、ラクトイル乳酸又は乳 酸二量体としても知られている)、L1A−G1A、L1A−T1A、G1A−G1A (又はG2A)、G1A−T1A、及びT1A−T1A(又はT2A)エステルを含む 、 任意の2つのヒドロキシ酸、これらの塩、エステル、アミド、又は混合物間のエ ステルである。例えば、L2Aは、下記: として表すことができる。 好適なX2A成分は、L2A、L1A−G1A、及びG2Aエステルである。X2A は、2つのL−異性体、2つのD−異性体又はD−及びL−異性体の両者を含有 してよい。更に、好適なX2A型エステルは、ラクトイル乳酸メチル、ラクトイ ル乳酸エチル、ラクトイル乳酸ブチル、ラクトイル乳酸オクタデシル、及びラク トイル乳酸アンモニウムである。 本発明のプロセスは、X1Aが比較的高分子量の種である時に、このようなX1 A分子からの従来のバックバイティング法による環状エステルの製造が困難か又 は不可能(この環状エステル生成物の単離が、典型的にはこのエステルの蒸発に より行われるため)であるため、特に有用である。高分子量エステルは蒸発する よりもむしろ分解する傾向にある。本発明において、生成物の回収は蒸発を必要 としない。例えば、このような高分子量X1A種は、ヒドロキシイソ酪酸、α− ヒドロキシイソ吉草酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロ ン酸、及びα−ヒドロキシオクタン酸を含むが、これらに限定されない。 本プロセスにおいて水が果たす役割は、下記の平衡反応により理解できる: 即ち、X1AがX1Aの高分子オリゴマー、環状エステル及び水と平衡にあること が観察される。水を除去することにより、この反応は右に進み、逆に水を添加す ることにより、反応は左に進む。 本発明の重要な特徴は、目的の反応生成物を有利に得るために多くのプロセス パラメーターを制御することである。これらのパラメーターの使用をより正確に 理解するために、下記の用語の定義が有用である。 「変換率」という用語は、反応してXD又はXAオリゴマーのどちらかを生成 させるX1A及びX2A(X1A当量として計算される)の百分率のことをいう。 即ち、例えば、供給原料ストリームが最初に100単位のX1A及びX2A(X1 Aを基準に表される)を含み、60単位が反応して30のXD分子を生成し、3 0単位が反応してX3A又は高分子オリゴマーを生成し、残りの10単位のX1A 及びX2Aが未反応のまま残っているならば、変換率は90%と計算される。 「選択率」という用語は、X3A又は高分子オリゴマーではなく、XD分子を 生成させる変換した供給原料ストリームの百分率のことをいう。即ち、上記の例 で、変換供給原料ストリームは最初の供給原料ストリームの90%であり、その 90%の内、67%(60%/90%)が、X3A又は高分子オリゴマーではな くむしろXDに選択的に変換した。これらの用語の使用はこの反応が非解重合条 件(即ち、非バックバイティング)下で起こることを想定していることに注意す ることが重要である。即ち、高分子オリゴマーの解重合からでなく、X2A種か ら直接XDが生成する。 本明細書で使用される反応の「生産率」とは、反応の変換率と反応の選択率を かけた積のことをいう。即ち、上記の例では、変換率が90%で選択率が67% である。したがって、全生産率は、60.0%である。環状エステル製造のための供給原料ストリーム 本プロセスの供給原料ストリームは、XAに加えて、X5A又はX6Aのような 少量のX1Aのオリゴマー、及び他の物質を含む成分を含有してよい。好適には 、XA成分は、全XnA種の少なくとも約70重量%、より好適には85重量% 、そしてより好適には90重量%を構成する。例えば、市販の乳酸は適切な供給 原料ストリームであり、これは水のない条件で典型的には約70重量%〜約81 重量 %のL1A、約17重量%〜約23重量%のL2A、約3重量%〜約7重量%のL3 A、約0.6重量%〜約2重量%のL4Aを含有する。 供給原料ストリームの純度。 あるいは、この供給原料ストリームは、XAを含む発酵反応からの部分精製し た発酵ブロスのような相当量の不純物を含有してよい。例えば、乳酸、又は乳酸 アンモニウムのような乳酸塩は発酵ブロスから直接反応してXDを製造すること ができる。乳酸アンモニウムからのXDの製造は、この反応の副生物が水とアン モニアガスであるという更なる利点を有し、これらは生成物ストリームから容易 に分離し、再循環させることができる。 あるいは、この供給原料ストリームは、高純度L1A又は高純度L2Aのような 精製成分を含有してよい。供給原料ストリーム中の反応性成分の濃度は、以下に 記載されるような所定の環状エステル製造プロセスについて、環状エステルの高 生産率を達成するために調整することができる。本明細書で使用される反応性成 分という用語は、n≦4であるXnA成分、好適にはX1A及びX2A成分のこと をいう。 あるいは、この供給原料ストリームは、熱安定性LAのような熱安定性成分を 含んでよい。本明細書で使用される熱安定性LAという用語は、種々のLA種を 含んでよいが加熱により着色を起こしうる不純物を除去した乳酸混合物のことを いう。 再循環した供給原料ストリーム。 本発明の好適な実施態様において、供給原料ストリームは、例えば、本発明に より製造される環状エステルから製造される、ポリマー性又はオリゴマー性物質 の再循環から誘導される反応性成分を含有することができる。例えば、ラクチド のような環状エステルの場合に、ポリマー性又はオリゴマー性乳酸は、ラクチド 製造中に製造することができる。このようなポリマー性又はオリゴマー性乳酸は 、このような物質の乳酸への加水分解により再循環することができる。このよう な加水分解生成物は、本発明における供給原料ストリーム中の使用に適している 。 低濃度供給原料ストリーム水溶液からの環状エステル反応混合物の調製。 本発明の1つの実施態様で、本発明の供給原料ストリームは、本発明の下記の 好適なXA含有供給原料ストリーム製造プロセスにより調製されるXA含有供給 原料ストリーム(即ち、少なくとも1つのヒドロキシカルボン酸、そのエステル 、その塩、及び/又はそのアミドを含有する供給原料ストリーム)を含む。この プロセスは、XA含有水溶液を第1の抽出溶媒に接触させて、第1の抽出溶媒中 にXAを含有する第1相(即ち、「XA含有第1抽出溶液」)と、そこからXA が抽出された溶液を含有する第2相(即ち、「ラフィネート」)を生成させるこ とを含む。第1の抽出溶媒の特徴に依存して、XA含有第1抽出溶液は、種々の 方法で処理して環状エステル製造のためのXA含有供給原料ストリームを調製す ることができる。このような実施態様は以下に開示される。 XAを第1の抽出溶液中に抽出する性能は、XA濃度、水への溶解度と比較し た第1の抽出溶媒へのXAの溶解度、第1の抽出溶媒への水の溶解度、ラフィネ ートからXA含有第1抽出溶液を分離する性能、温度、pH、及び溶媒比を含む 、幾つかの要因に依存する。 環状エステル製造のためのXAを調製するために本発明の溶媒抽出プロセスを 使用することの1つの利点は、本発明の好適なXA含有供給原料ストリーム製造 プロセスを実施するためにXAを濃縮する必要がないことである。更に、希薄な XA含有供給原料ストリームは本発明の環状エステル製造プロセスにおいて有利 であるため、この好適なXA含有供給原料ストリーム製造プロセスの使用により 、XA含有溶液を濃縮する必要なく連続製造と溶媒の再循環を行う一貫したXA 及びXD製造プロセスが可能になる。このように、好適なXA含有供給原料スト リーム製造プロセスは、任意の濃度のXAよりなるXA含有水溶液で実施するこ とができるが、本プロセスは、環状エステル製造プロセス(本発明のプロセスの ような)からのXA含有再循環ストリーム又は微生物で製造したXAを含有する 発酵ブロスのような希薄な量のXAを含有する水溶液では特に有利である。この ような発酵ブロスは、しばしばヒドロキシ酸の塩を含有する。このようなヒドロ キ シ酸塩含有ブロスは、抽出の前に酸性にすることができるか、又は直接抽出する ことができる。好適には抽出の前にこのような発酵ブロスから細胞は除去される 。更なる適切なXA含有水溶液ストリームは、XA含有副生物ストリーム、XA 含有廃棄物ストリーム、及び例えばXA含有ポリマーの加水分解によりXAが製 造されるXA含有ストリームを含むが、これらに限定されない。XA含有水溶液 は、好適には約50重量/体積%未満のXA、より好適には約12重量/体積% 未満のXA、そして更に好適には約5重量/体積%未満のXAよりなる。 好適な第1の抽出溶媒は、少なくとも約0.2、好適には少なくとも約0.5 、そしてより好適には少なくとも約1.0の、XAの水に対するこの溶媒中への 分配係数(KD)を有する溶媒である。好適な第1の抽出溶媒は、水に本質的に 不溶性であるか、又は抽出の際にXA含有第1の抽出溶液がラフィネートから分 離した相を生成することができて、これによりラフィネートから第1の抽出溶液 を分離するための単純な方法を用意できる程度に水に部分的に可溶性であっても よい。このような系の相平衡の決定は、当業者には周知である。XAを抽出する ために比較的極性の溶媒を使用する場合、この溶媒と水溶液の間の2つの分離相 の生成は、この抽出混合物に極性の低い溶媒を添加し(例えば、メチルエチルケ トンにキシレンを添加する)、これにより混合溶媒を生成することにより改善し うる。 本発明の好適な実施態様は、製造工程とコストを低減するように、環状エステ ル製造プロセスをXA供給原料ストリーム製造プロセスと統合することを可能に する第1の抽出溶媒の使用についてのものである。このような第1の抽出溶媒は 、環状エステル製造プロセス中に蒸発により溶媒を選択的に除去可能な沸点を有 する溶媒である;即ち、好適な第1の抽出溶媒は、その中で環状エステルが製造 される製造溶媒よりも低い沸点を有する。XA含有第1の抽出溶液中に存在する いかなる水も、環状エステル製造中に蒸発させることができる。あるいは、第1 の抽出溶媒は、その環状エステル製造溶媒が、XA含有水溶液からXAを抽出す るために適切な上述の特徴を有するならば、環状エステル製造溶媒よりなってい てもよい。 本発明の適切な第1の抽出溶媒は、上述の特徴を有する有機溶媒及び硅素に基 づく溶媒を含む。好適な第1の抽出溶媒の1つの群は、水に実質的に不溶性であ り、好適には約3重量/体積%未満、そしてより好適には約0.5重量/体積% 末満の水への溶解度を有し、更にXAの水に対するこの溶媒中への許容しうるKD を有する溶媒を含む。このような溶媒の適切な例は、1−ブタノール、2−ブ タノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、塩化メチレン、及び塩化エチレンを含む。 このような溶媒の利点は、抽出後、ラフィネートがほとんど抽出溶媒を含有せず 、これにより抽出プロセスに再循環して戻すために溶媒を回収するのに要する費 用が低減することである。環状エステル製造で使用するために、XA含有第1の 抽出溶液を目的の環状エステル製造溶媒と混合して、環状エステル生成のための 供給原料ストリームを生成することができる。このような供給原料ストリームは 、本発明の環状エステル製造プロセスに使用して、プロセスの間に第1の抽出溶 媒を蒸発させ、抽出プロセスに再循環することができる。 好適な第1の抽出溶媒の第2の群は、水に幾分可溶性で、その極性によりXA の水に対するこの溶媒中への望ましいKDを有する溶媒を含む。この群の適切な 溶媒は、2−ブタノン(メチルエチルケトン即ちMEK)、イソプロピルエーテ ル、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)を含む。例えばMEKは、水に対 する乳酸のKDが約0.81、大気圧で沸点が約79.6℃、そして水への溶解 度が約25%である。しかし、水へのその低い溶解度により、この群の溶媒の実 質的な割合はラフィネート中に保持される。本発明により、このような制限は、 第1の抽出溶媒の実質的な割合を第2の抽出溶媒中に抽出するために第2の抽出 溶媒をラフィネートに接触させて、これにより第2の抽出溶液を生成する、第2 の抽出工程を実施することにより克服しうる。本発明により、第2の抽出溶媒は 、好適にはキシレンのような環状エステル製造溶媒である。他の適切で好適な製 造溶媒は以下に開示される。第2の抽出溶媒の好適な供給源は、以下に開示され るように、環状エステル回収プロセスから回収される再循環ストリームである。 この実施態様において、第1及び第2の抽出溶液は合わせられて、本発明の環状 エステ ル製造プロセスに使用される。環状エステル製造中、第1の抽出溶媒と存在する 水の両方が蒸発して、XA抽出プロセスに再循環することができる。もう一方の 実施態様において、第1の抽出溶媒の実質的な割合がラフィネート中に残される というこの制限は、混合溶媒として単一の抽出工程で第1及び第2の抽出溶媒を 合わせることにより克服しうる。次いで必要であれば、生じたXA含有抽出溶液 を、環状エステル製造プロセスに使用して、本明細書に開示されるように、抽出 溶媒を回収して再循環することができる。 本発明の溶媒抽出プロセスの別の実施態様は、水に対する第1の抽出溶媒への XAのKDを改善するための、希釈溶媒及びトリアルキルアミンのようなアミン を含む第1の抽出溶媒の使用である。トリアルキルアミンの添加は、ヒドロキシ 酸の水に対する適切な溶媒のKDを改善することが以前に証明されている。例え ば、ベイリー(Bailey)らの1987年10月6日発行の米国特許第4,698,303 号、ベイリーらの1988年9月13日発行の米国特許第4,771,001号、199 2年5月のKingの総説(Chemtech,pp.285-291)を参照。本発明の好適なトリア ルキルアミンは、本発明の環状エステル製造プロセスにおいて揮発性のものであ る。適切なトリアルキルアミンは、トリエチルアミン(TEA)、及びトリメチ ルアミン(TMA)を含み、TEAが好適である。トリアルキルアミンを希釈し て第1の抽出溶媒を生成する適切な溶媒は、TEAとヒドロキシ酸塩の間で生成 した複合体を水から抽出するのに充分な極性を有する希釈剤である。このような 溶媒は、MEK、MIBK、及び塩化メチレンを含み、MEKが好適である。例 えばTEAを含有するMEKは、水に対する乳酸のKDが少なくとも約2.0で ある。アミンを使用するXAの抽出の最適化は、当業者により決定しうる。抽出 中又は抽出後のいずれかに、第1の抽出溶液を環状エステル製造溶液と接触させ て、環状エステル製造に使用し、この間にトリアルキルアミンを含む第1の抽出 溶媒を揮発させて、XA抽出プロセスに再循環することができる。環状エステル 製造の間、トリアルキルアミンの揮発がヒドロキシ酸塩をそれそれのヒドロキシ 酸に変換する。あるいは、第1の抽出溶媒は、アニソール、キシレン、又はトル エンのよう な適切な環状エステル製造溶媒中に希釈されたトリアルキルアミンよりなっても よく、この場合生じた第1の抽出溶液は直接環状エステル製造プロセスに使用す ることができる。 本明細書で開示される抽出プロセスは、連続多段抽出プロセスを含むが、これ に限定されない従来法を使用して行うことができる。XA又は第1の抽出溶媒の どちらかの実質的な抽出を達成するのに必要な任意の数の段階を、本抽出プロセ スに適宜使用することができる。 本発明の好適なプロセスにより調製されたXA含有供給原料ストリームは、環 状エステル製造のみでなく、直接縮合又はエステル化反応によるオリゴマー又は ポリマーの製造を含むがこれらに限定されない、ヒドロキシカルボン酸が供給原 料である任意の適切なプロセスに使用することができる。 環状エステル製造プロセスへのXA含有供給原料ストリームの導入。 本発明の別の実施態様は、環状エステル製造単位へのXA供給材料の導入であ る。前に略述したセクションからのXA含有供給原料ストリームを、環状エステ ルの製造を最適化し、X1Aのオリゴマーの製造を最小化する適正な条件になる ように、環状エステル製造単位に供給することができる。別の所で検討されるよ うに、反応種の濃度は、環状エステル製造において達成される変換率と選択率に 影響する。反応器中のXA原料濃度を制御することができ、変換率と選択率を最 適化することができる。反応を最適化するために操作することが可能な原料条件 の例は、XA原料濃度、溶媒の選択、及び温度である。これらの要因は、反応混 合物が環状エステル製造プロセスに供給される前、又はプロセスへの導入の直後 に、均一な反応混合物の生成を可能にするように制御される。XAと溶媒の均一 な反応混合物は、種々の方法で達成される。1つの実施態様においては、環状エ ステル製造単位に導入する前に、材料を予め加熱する。XAと溶媒からなるこの 供給原料ストリームを、XA種が溶媒に溶解可能な温度まで加熱する。環状エステルの製造のための反応機構と条件 本発明の独特で新規な特徴は、反応機作と条件の制御により環状エステルの製 造を最適化する性能である。この系は元々競合反応からなり、しばしば実際にこ の反応混合物が上流プロセスからの不純物及び/又は再循環ストリームからの種 々のオリゴマー性及び他の成分を含むため、反応条件の統合と制御により、期待 される以上の生産率と体積効率を達成する改善されたプロセスがもたらされる。 本発明の重要な反応制御の特徴は、溶媒の選択、温度、圧力、原料濃度、触媒の 選択及び濃度、並びに反応時間を含む。 環状エステル製造に及ぼす水の除去の影響。 本発明により、XAを含む供給原料ストリームを処理して環状エステルを生成 させる。処理は、環状エステルの製造を促進するために典型的には供給原料スト リームからの水除去を含む。理論に拘束されるつもりはないが、除去される水は 少なくとも3つの供給源から得られると考えられる:(1)最初からの供給原料 ストリーム中の遊離水;(2)2つのXA分子から線状エステル(nが少なくと も2であるXnA)を生成するためのエステル化反応から得られる水;及び(3 )X2Aから環状エステルを生成するためのエステル化反応から得られる水。こ の供給原料ストリームは、典型的には通常最初に除去される遊離水を含む。した がって、この供給原料ストリームを実質的に脱水する時、X2AへのX1Aのエス テル化が起こりやすく、これにより更に水が製造される。この水が実質的に除去 されるため、X2Aの環状エステルへのエステル化が起こりやすい。ここで逐次 的に記載される本プロセスにおける水除去の相は同時に起こってもよいことに注 意すべきである。遊離水を処理中に除去するため、供給原料ストリーム中の最初 の水の濃度は限定する必要がない。典型的には、供給原料ストリーム中に最初に ある遊離水の量は、約50重量/体積%未満、より好適には約30重量/体積% 未満である。 好適には、供給原料ストリーム中の遊離水は、基本的に脱水した供給原料スト リームが約2重量%末満の水濃度を有するようになるまで急速に除去される。エ ステル化反応により生成した水は、好適には基本的にそれが生成するのと同様に 急速に除去される。特に典型的には水は、処理された供給原料ストリーム中の水 の濃度が約2重量%未満、より好適には約1重量%未満、そして更に好適には約 0.5重量%未満になるような速度で除去される。 水は、蒸発、反応性蒸留プロセス(以下に詳述される)のような溶媒に基づく 反応プロセス、反応性成分が、水と共沸物を生成する溶媒中に希釈されている供 給原料ストリームからの共沸物としての水の除去、水と優先的に反応する水ゲッ ター(water-getter)の添加、モレキュラーシーブ又は分配(例えば、浸透圧) 膜の使用、水と水和結晶を生成する無水塩の使用、多糖類(例えば、フィコール )又はシリカのような水吸収物質との供給原料ストリームの接触、を含むがこれ らに限定されない種々の方法により液相供給原料ストリームから除去しうる。 環状エステル製造に及ぼす溶媒の影響。 本発明の好適な供給原料ストリームはXAと溶媒を含む。この溶媒は、その適 用に応じて、(i)所定の圧力での最大反応温度を決定し;(ii)反応物から水 を除去し;(iii)選択率を増強するためにX1Aを希釈し;(iv)反応物種を溶 解するための反応物担体として作用し;そして好適には、(v)反応中に生成し たオリゴマーからXDを分離することを含む、種々の機能を有する。 本発明で使用するための溶媒は、好適には、XAと供給原料ストリーム中に最 初に存在する水が、所望の反応温度、XAの濃度及び圧力でこの溶媒に溶解可能 であるように選択される。XA及び/又は水が反応温度、濃度及び圧力でわずか にしか溶解しないならば、溶解しないXAの部分はXA含有相で水と共に分離す ることができ、これは非常に高濃度のXAを含むであろう。このような高濃度の XAは、目的のX2Aからの直接XD生成ではなく、オリゴマー生成を促進する 傾向にある。更に、このようなXA含有相の生成は、XA含有相への多くの触媒 の偏析をもたらしがちである。好適な実施態様において、この溶媒は、反応温度 、濃度及び圧力でXAが100%溶解可能であるように選択される。 本発明の重要な特徴は、環状エステルの製造において高選択率を達成する溶媒 の選択である。理論に拘束されるつもりはないが、より極性の高い溶媒は、XA の高分子オリゴマーの製造よりもX2A又はXDの製造に好ましく、したがって 、 選択率が高くなると考えられる。しかし、より極性の高い溶媒では変換率が低下 することに注意すべきである。より極性の高い溶媒は、極性の低い溶媒よりも触 媒との反応性が高いかもしれない。このような反応は、XD製造反応の触媒能を 低下させる。例えば、硫酸触媒はアニソールのような溶媒と比較的反応性である 。 溶媒の極性の1つの尺度は溶解パラメーターである。溶解パラメーターは、直 接測定、他の物理パラメーターとの相関、又は間接的な計算により決定すること ができる。溶媒の溶解パラメーターは、通常直接決定することができる。この溶 解パラメーターは、凝集エネルギー密度の平方根として定義され、物質の分子間 引力の強さを示す。以下の説明で使用される単位は、MPa1/2で示される。X1A 種は、乳酸のようにしばしば比較的に極性であるため、好適な極性溶媒は典型的 にはXAと混和性のものである。成分間で、溶解パラメーターが同程度で、水素 結合の程度が同程度であれば、溶媒とXA成分との完全な混和性が予測される。 複合の又はヒルデブランドの溶解パラメーターは、溶媒の極性の別の尺度を与 える。これは、混合のエネルギーに対する異なる寄与を表す、幾つかの項に分解 される。これらの成分は、分散、極性及びH結合である。溶媒と溶質の複合値が 10MPa1/2以内、かつ好適には各々が5MPa1/2単位である時に良好な溶解度が 得やすい。特に、極性とH結合項が10MPa1/2以内で、かつ好適には各々が5 MPa1/2である時に溶解性が更に良い。最も好適には、極性とH結合項が10以 内で、かつ好適には相互に5MPa1/2である時に溶解度が得やすい。例えば、下 記の溶媒と酢酸は、各々カッコ内に示される極性及びH結合成分を有する:キシ レン(1.0、3.1);アニソール(4.1、6.8);2−プロパノール( 6.0、16);及び酢酸(8.0、14)。 極性の別の尺度は、溶媒の双極子モーメントである。「双極子モーメント」と いう用語は、一般に分子の極性のことをいい、更に詳しくは、電気双極子中の電 荷の大きさと、電荷からその反対の電荷の距離との積である。本発明の溶媒は、 好適には適切な選択率が達成されるような双極子モーメントを有するように選択 される。特に、好適な溶媒は、約0.50デバイ以上、より好適には約0.75 デバイ以上、そして更に好適には約1.0デバイ以上の双極子モーメントを有す る。 溶媒の極性の別の尺度は、それの比誘電率である。物質の比誘電率とは、1つ の荷電体から別の荷電体への静電力の透過に抵抗するその物質の性能のことをい う。本発明の溶媒は、好適には、適切な選択率が達成されるような比誘電率を有 するように選択される。特に、好適な溶媒は、約1.5以上、より好適には約2 以上、そして更に好適には約3以上の比誘電率を有する。 本発明に使用するのに適切な溶媒は、有機溶媒又は硅素に基づく溶媒である。 適切な溶媒は、例えば芳香族溶媒、脂肪族溶媒、エーテル、ケトン、硅素に基づ く溶媒及びハロゲン化溶媒を含んでよい。好適な溶媒は芳香族溶媒である。 本発明の具体的な溶媒は、2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−ヘキサノン、 2−ペンタノン、アセトン、アニソール、ブチルエーテル、エチルエーテル、イ ソプロピルエーテル、メチルフェニルエーテル、ベンゼン、クメン、m−キシレ ン、o−キシレン、p−キシレン、トルエン、シクロヘキサン、ヘプタン、ヘキ サン、ノナン、オクタン、1−ペンテン、2−オクタノン、ジメチルスルホキシ ド、フェネトール、4−メチルアニソール、1,3−ジメトキシベンゼン、1, 2−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、メシチレン、クロロベ ンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジク ロロベンゼン、2−クロロトルエン、4−クロロトルエン、ベラトロール、及び 3−クロロトルエンを含む。好適な溶媒は、トルエン、キシレン、アニソール、 フェネトール、4−メチルアニソール、1,3−ジメトキシベンゼン、及びメシ チレンを含む。本発明の特に好適な溶媒は、キシレン、アニソール及び4−メチ ルアニソールを含む。 置換芳香族溶媒は、本発明に特に好適である。このような溶媒は、典型的には 極性であり、したかって、高選択率を与える。例えば、アニソールは極性であり 、非常に高い選択率を与える。また、4−メチルアニソールのようなジ置換芳香 族も好適である。 上述のパラメーターにより溶媒を選択することにより、高選択率を達成するこ とができる。例えば、約30%以上、より好適には約50%以上、そして更に好 適には約70%以上の選択率を達成することができる。 本発明の好適な実施態様において、本発明の溶媒は、独立に本発明に従う溶媒 の混合物を含んでよい。例えば、各々が異なる利点を有する溶媒の混合物を使用 することができる。例えば、混合溶媒は、高い選択率に好都合のアニソールのよ うな極性溶媒を含んでよい。このような混合物はまた、冷却時に極性の低い溶媒 はX1Aから相分離し、極性の低いX1AのオリゴマーとXDは極性の低い溶媒と 共に分配されるため、極性は比較的低いがXDの回収に特に有用であるキシレン のような第2の溶媒を含んでよい。溶媒の適切な混合物は、下記の群の各々から 1つ又はそれ以上の溶媒を選ぶことにより選択することができる。極性の高い溶 媒は、アニソール、4−メチルアニソール、1,3−ジメトキシベンゼン及び他 の同様な溶媒の群から選択することができる。極性の低い溶媒は、キシレン、ト ルエン、メシチレン及び他の同様な溶媒の群から選択することができる。本実施 態様において、極性の低い溶媒は、製造溶媒の沸点付近の温度で約2%〜約30 %、より好適には製造溶媒の沸点付近の温度で約5%〜約10%のX1Aの溶解 度を有してよい。極性の高い溶媒は、製造溶媒の沸点付近の温度で約30%以上 、より好適には約50%以上のX1Aの溶解度を有する。 このような混合溶媒は、広い範囲の種々の成分を含んでよい。例えば、上述の アニソールとキシレンのような、極性の高い溶媒と極性の低い溶媒を含む混合物 では、溶媒は、好適には約5:95〜約50:50、より好適には約10:90 〜約30:70の範囲の比で混合することができる。極性溶媒の量を増加させる ほど、選択率が上昇することに注意すべきである。しかし上述のように、極性の 高い溶媒により変換率は低下することが見出された。したがって、高濃度の極性 の高い溶媒では、所定の反応時間での変換率の低下の可能性は、高濃度触媒の使 用により相殺される。 環状エステル製造に及ぼす原料濃度の影響。 本発明で制御される別の反応パラメーターは、供給原料ストリーム中の低濃度 の反応物種の使用による高選択率の環状エステルの製造である。理論に拘束され るつもりはないが、低濃度供給原料ストリームは、X3Aを生成するX1A分子と のX2Aの2個の分子の線状エステル化反応よりも、XDを生成するX2Aの単分 子の環状エステル化を起こしやすいと考えられる。線状エステル化反応の成功の 確率は、線状エステル(X2A又は高分子オリゴマー)が遊離のX1A分子又は他 の線状オリゴマーに適切な幾何配置で遭遇する頻度に依存する。低濃度のX1A では、線状エステル化(即ち、オリゴマー化)のこの確率は低下する。しかし、 X2AからXDへの環状エステル化は、このエステル化がX1A分子との衝突を要 さないため、X1A濃度に依存しない。むしろ、X2A分子の2つの末端が適切な 立体配座で相互に遭遇しなければならない。したがって、衝突の成功の確率は、 系に存在するエネルギー(分子の曲げ(bending)と回転により認識される)に依 存するが、一旦X2A分子が生成すると反応種の濃度には依存しない。 特に、低い濃度の反応物により高選択率を得るための方法は、XAと溶媒を含 む供給原料ストリームを提供し、環状エステルを製造するために水を除去するこ とを含む。供給原料ストリーム中のXAの濃度は、XAから生成される反応にお けるX5A及び高分子オリゴマーの濃度が約20%未満であるのに充分な、低い 濃度に維持される。より好適には、XAから生成されるX5A及び高分子オリゴ マーの濃度は約15%未満、そしてより好適には約10%未満に維持される。更 に好適には、供給原料ストリーム中のX1A及びX2Aの濃度は、反応物のその溶 媒についての溶解度を超えないように維持される。更に具体的には、供給原料ス トリーム中のX1A及びX2Aの濃度は供給原料ストリーム中のX1A及びX2Aの 溶解度の約95%未満、より好適には約50%未満、そして更に好適には約25 %未満に維持される。供給原料ストリーム成分の濃度に関する上記パラメーター により、約40%以上、より好適には約50%以上、そして更に好適には約70 %以上の選択率が達成されうる。 本発明はまた、高濃度のXAを有する供給原料ストリームを提供することによ る高変換率の達成を含む。この方法では、XA中の種々の反応性種が所定の一連 の条件下ではより反応しやすい。高濃度XAは、本明細書で別の所に記載される ように、溶媒選択や圧力などの反応変数の適切な選択により達成される。好適に は、高変換率を達成するために、本プロセスでは、少なくとも約5重量%、より 好適には少なくとも約25重量%、そして更に好適には少なくとも約50重量% のXA濃度(X1Aに基づき計算される)を使用することができる。したがって 、XAの、製造溶媒の沸点付近の温度で大気圧での製造溶媒への溶解度が、少な くとも約5%であることが好ましく、より好適には少なくとも約25%、そして 更に好適には少なくとも約50%である。 本明細書で別の所に記載されるように、高濃度反応物により選択率が負の作用 を受けうることに注意すべきである。即ち、高濃度反応物の使用による高変換率 の恩恵は、許容しうる選択率を達成するための他のパラメーターの使用により調 節されうる。例えば、比較的高選択率を有する溶媒の使用により、高濃度反応物 による選択率に及ぼす負の影響は許容しうるかもしれない。 環状エステル製造に及ぼす温度の影響。 環状エステル形成プロセスの温度は、遊離水の除去の速度とエステル化の速度 の両方を制御する。エステル化と水の除去のための供給原料ストリーム処理の温 度は、所定の一連の他の処理パラメーターに関して、有効な環状エステル形成に 充分なほどに高いが、XA成分をアルデヒドに、一酸化炭素又は他の分解産物に 変換するほど高くはない。好適には、環状エステル製造温度は、約55℃〜約2 50℃の範囲である。更に好適にはこの温度は、約60℃〜約225℃である。 溶媒の沸点で反応が行われる時、溶媒の選択が反応の温度を幾分決定する。 好適な実施態様において、本発明の別の特徴は、高い変換率を達成するために 環状エステル製造プロセスを行うことである。変換に影響する1つの要因は、高 い反応温度の使用である。上記に示されるように、典型的な反応温度は、55℃ 〜250℃の範囲であってよい。高い変換率を達成するために、反応温度は約1 10℃以上、より好適には約135℃以上、そして更に好適には約155℃以上 で行われうる。 環状エステル製造に及ぼす圧力の影響。 環状エステル形成プロセスが行われる圧力もまた、制御される反応パラメータ ーである。例えば、高圧では、所定の溶媒についてより高温の反応温度が達成さ れ、これにより反応速度が速まり、したがって、固定の反応時間で高変換率が得 られる。また、こういう高温で溶媒へのXA成分の溶解度(特にXAの溶解度が 低い場合に)が上昇し、その結果、高変換率が得られる。しかし、圧力は、大気 圧、大気圧以上又は大気圧未満であってよい。本発明の好適な圧力は、大気圧と 大気圧以上の圧力である。 環状エステル製造に及ぼす反応時間の影響。 環状エステル形成プロセスは、種々の時間で行うことができ、典型的には環状 エステル形成が実質的に最適化するまで行われる。この反応時間は、温度及び触 媒の存在のような他のパラメーターにより当然変化する。例えば、トルエンに希 釈された市販の乳酸から、室温からトルエンの沸点まで加熱して水を除去するこ とによるラクチドのような環状エステルの形成は、バッチ反応器中で約2〜約5 時間以内に実質的に最適化される。 環状エステル製造に及ぼす触媒の影響。 本プロセスに使用することができるXDの生成のために、ナフィオン(Nafion )及びダウエックス50(Dowex 50)のようなイオン交換酸性触媒;硫酸、メタ ンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、及びトルエンスルホン酸のよう な可溶性酸性触媒;アルミナ−ケイ酸塩(alumina-silicate)のようなシリカに 基づく触媒;アルミナ、η−、θ−、δ−及びγ−アルミナ、シリカ、硫酸アル ミニウム、酸化鉛、三酸化アンチモン、ベリリア、イットリアのような他の固体 不均一酸性触媒;オクタン酸スズ(II)及びチタニウムテトラ(イソプロポキシ ド)のような金属エステル触媒;ヒドロラーゼのような酵素;ゼオライト;酸化 ジ−n−ブチルスズのようないわゆる鋳型触媒;ジ(2−エチルヘキシル)スル ホコハク酸ナトリウム(ファイザー(Pfitzer)からエーロゾルOT(Aerosol O T)と して販売されている)のようなスルホコハク酸塩のような極性触媒を含む、ミセ ル触媒;ポリオキシルエチレンノニルフエノール、及びリン酸塩のような非極性 触媒を含む多くのエステル化触媒があるが、これらに限定されない。好適な触媒 は、ゼオライト、及び硫酸、ダウエックス50、γ−アルミナ及びトルエンスル ホン酸のような酸性触媒を含む。 本プロセスの好適な実施態様において、ゼオライト触媒がエステル化触媒とし て使用される。ゼオライト触媒は、孔の内側にプロトン供与部位のある多孔性構 造を有する固体触媒である。本発明のために好適なゼオライト触媒は、X1A及 びX2A分子の触媒作用をさせるのに充分大きいが、更に大きなオリゴマーには 充分でない大きさのプロトン供与部位を有するものである。こうして、ゼオライ ト触媒はより高率の選択率を促進する。更に、好適なゼオライト触媒は、反応系 から水を除去可能なように水との充分低い親和性を要するが、なおX2A及びX Dへのエステル化を触媒するのに充分なX1A及びX2Aに対する親和性を有する 。X1A及びX2Aに対する親和性は、一旦生成したXDを拒絶する性能と均衡さ せなければならない。 本プロセスに使用される触媒の量は、温度や圧力、触媒の反応性及び所望の反 応上昇速度のような処理パラメーターに依存して変化する。更に、所定の系のた めの任意の特定触媒の量は、とりわけ、X2Aから環状エステルを製造するエス テル化と、X2Aから高分子オリゴマーを製造するエステル化との間の競合を説 明できなければならない。即ち、反応速度論と供給原料ストリームの処理に依存 して、環状エステルの製造のための触媒の好適な量は当業者により決定すること ができる。 高変換率を達成するために触媒濃度を制御することができる。更に、高選択率 を与える幾つかの溶媒、即ち、より極性の高い溶媒は、硫酸型触媒のような幾つ かの好適な触媒と反応性であることが見出された。即ち、このような溶媒は触媒 レベルを涸渇させて変換率を低下させる。したがって、このような溶媒と触媒を 使用する時、高変換率を達成するためには特に高濃度触媒が必要である。例えば 、 硫酸触媒及び他の同様な触媒を、アニソール、4−メチルアニソール及び1,3 −ジメトキシベンゼンのような極性溶媒と一緒に使用する時には、触媒濃度を、 上述の一般的触媒濃度パラメーターの少なくとも約2倍高く、より好適には少な くとも約5倍高く、そして更に好適には少なくとも約10倍高くする。逆に、触 媒との反応性が低い溶媒は、高変換率を達成するために特に有用である。例えば 、キシレン、トルエン及びメシチレンは、比較的非反応性であるため、硫酸触媒 系において高変換率を達成するのに有用である。 ある触媒の使用と他の反応パラメーターは、所望のメソ−環状エステル生成物 を達成するために制御することができる。例えば、ラクチドのような環状エステ ルに関して、ラクチドは2つの不斉炭素原子を有するため、3つの立体異性形: 両方の不斉炭素原子がL(又はS)立体配置を有するL−ラクチド;両方の不斉 炭素原子がD(又はR)立体配置を有するD−ラクチド;及び1つの不斉炭素原 子がL立体配置を有し、もう一方がD立体配置を有するメソ−ラクチド、で得る ことができる。L−ラクチドとD−ラクチドはエナンチオマーであるが、一方メ ソ−ラクチドは、ジオキサンジオン環においてメチル基が相互にトランスである 、L−ラクチドとD−ラクチドとのジアステレオマーである。L−乳酸における キラリティーを維持すると、分解性ポリマーの製造に有用なL−ラクチドの生成 が独占的に得られる。しかし、元々L−乳酸中のキラリティーのラセミ化により 、分解性ポリマーの製造においてL−ラクチドとのコモノマーとして重要性を同 様に有するメソ−ラクチドが製造される。本発明に記載された各実施態様におい て使用される条件と触媒を種々に変えることにより、L−乳酸供給原料、又は供 給原料ストリームから得られるラクチドは、ほぼ独占的にL−ラクチドであるか 、又はL−ラクチドに加えて制御された量のメソ−ラクチドとD−ラクチドを含 有し得る。 乳酸又は他のX1A種のラセミ化は、ワルデン転位(Walden Rearrangement)と 呼ばれるプロセスにより実施される。このプロセスにおいて、α−OH基がハロ ゲン又は他の適切な脱離基により、α炭素の周囲の相対立体配置が保存されるよ う な方法で置換される。これは、五塩化リン又は塩化チオニルのような適切な試薬 での処理により達成される。生じたハロ酸からハロゲン基を通常水酸化カリウム によりOHで再置換することにより、乳酸は再生される。しかし、この置換にお いて、α炭素の周囲の立体配置は反転して、元のものとは反対の立体配置の乳酸 分子が生成する。 あるいは、通常は強塩基により激しい条件下で乳酸を脱水(この処理は、α及 びメチル炭素間の二重結合の形成に関与し、エステル化には関与しない)し、次 に再度水和して乳酸を再生することによりラセミ化を起こすことができる。この 水和により、L−及びD−異性体のランダム混合物が生成する。 XAのL−及びD−異性体のラセミ混合物はまた、XAのラセミ混合物を産生 する微生物によるXAの産生により調製することができる。更に、ラセミ混合物 は、L−及びD−異性体の市販の供給源の混合により得られる。 環状エステル製造における変換率と生産率。 本明細書の別の所で記載されるように、本発明の種々の特徴は、高変換率を達 成するためのプロセスパラメーターの使用を含む。本発明の適切なプロセスパラ メーターの使用により、少なくとも約30%、より好適には少なくとも約70% 、そして更に好適には少なくとも約90%の変換率が達成できる。 高選択率と高変換率の両方の達成から生じる本発明の別の特徴は、高い生産率 である。即ち、本明細書に記載されるプロセスパラメーターの適切な選択により 、少なくとも約25%、より好適には少なくとも約50%、そして更に好適には 少なくとも約80%の生産率が達成できる。環状エステルの製造のための反応の構成 本発明の別の特徴は、本発明のプロセスを行うのに適切で特に有用な種々の反 応容器の構成の使用に関する。本発明による環状エステル製造は、適切にはバッ チ、供給−バッチ又は連続反応器で行われてよい。更に、連続反応器は連続撹拌 タンク反応槽(CSTR)設計又は押出流れ反応器設計であってよい。種々の構 成の異なる反応器の型と数を、生産率、選択率及び/又は体積効率を改善するた めに有利に使用することができることに更に注意されたい。体積効率とは、単位 体積当り単位時間当りのXDの製造速度を意味する。体積効率が高いということ は、所定の全XD製造速度を得るために、より小さく、そのため費用がかからな い装置を使用することができることを意味する。 バッチ反応器は、化学工業では周知である。温度、圧力、蒸気の除去、濃度の 制御及び反応物と生成物の添加と除去のような反応パラメーターの制御は、当業 者に周知である。これらの反応パラメーターの制御の有用性は別の所で記載して ある。 本発明のバッチ反応の1つの特に有用な型は、供給バッチ反応器の使用である 。この型の反応器では、本発明により調製される反応混合物の最初の充填物は、 ある一定時間反応させることが可能である。少量の自由体積が反応器中に存在し なければならない。反応の進行に伴い、またエステル化反応が起こると、XA及 び特にX1AとX2Aが涸渇することに注意すべきである。このように、XAの濃 度が低下すると、環状エステルへの変換と製造のために利用可能なXA混合物中 の反応物が減少する。したがって、変換されるXAが補充されるならば、所定時 間でのXDの全製造は増加することができる。即ち、X1AとX2Aの濃度が最初 の濃度レベルの約70%、より好適には最初の濃度レベルの約80%以上、そし て更に好適には最初の濃度レベルの約90%以上に維持されることが、本発明の 1つの特徴である。上述パラメーター内のX1AとX2Aの維持は、種々の方法で 達成することができる。例えば、追加の又は補給の供給原料ストリームをXDの 反応容器中に導入することができる。目的の程度まで反応が行われると、全反応 混合物を反応器から除去し、XD生成物を回収するために処理することができる 。供給バッチプロセスにより調製されたXD生成物は、バッチ反応に比較して反 応混合物中でより濃縮し、このため回収効率が改善している。濃度の制御により 、別の所で記載されるように選択率を改善することができる。そして供給バッチ の使用は、反応器の体積効率を改善することができる。 化学工業における連続プロセスの使用は、プロセス効率を改善するための多く の利点を有する。本発明は、連続プロセスで有利に実施されうることが見出され た。本発明のプロセスのために特に有利な反応器の構成があることが発見された 。 1つの有利な反応器の構成は、逐次CSTRを含むが、これに限定されない2 つ又はそれ以上の逐次連続反応器の使用である。別の反応器の構成は、反応容器 の長さ方向に沿った逆混合(back mixing)が最小になって、反応混合物が流れ る、押出流れ反応器である。これらの反応器の物理的設計は、当業者に周知であ る。 本発明の1つの実施態様において、本プロセスは2つ又はそれ以上の逐次連続 反応器の構成で行うことができる。適切な装置の据付けは、以下の実施例13. 1に記載される。このように本プロセスを行うことにより、単一の連続反応器で 反応を行う場合に比較して、本プロセスの生産率を上昇させうることが見出され た。特に、2つ又はそれ以上の連続反応器を使用すると高体積効率を達成するこ とができることが見出された。例えば、約10g/l/時間以上、より好適には約2 5g/l/時間以上、更に好適には約35g/l/時間以上の体積効率である。 段階的連続反応器の構成の1つの実施態様は、XA供給原料ストリームが反応 してXDを生成する時、反応の第1段階がX1A分子からX2A分子が生成する間 に起こり、そして第2段階がX2A分子が反応してXDを生成する間に起こると いう認識に基づく。第1段階で、比較的高濃度の供給原料ストリームが、反応の 分子間の性質によるX1A分子からX2A分子への変換を促進する。しかし、好適 な反応の第2段階は、X2A分子からXDへの分子内反応である。上記のように 、反応性成分の低い濃度は環化に都合よく、一方高濃度は高分子オリゴマーの生 成に都合がよい。 即ち、本発明のこの2段階製造プロセス実施態様は、X2A分子の生成を促進 するため、比較的高濃度のX1Aを有するXAの供給原料ストリームを提供する ことを含む。次に、X3A及び高分子オリゴマーの有意な生成の前に供給原料ス トリームの濃度を低下させて、これによりX2A分子の環化を選択する。更に詳 しくは、この実施態様は、全ての潜在的に反応性の種(X1A当量として表され る全ての種)に対するX1Aの割合が、少なくとも約80%、より好適には少な くとも約90%、 そして更に好適には100%近くである、XAの供給原料ストリームを提供する ことを含む。次にこの供給原料ストリームをエステル化条件下で反応させてX2 Aを生成する。好適には、本プロセスは、全ての潜在的に反応性の種に対するX2 Aの割合が、少なくとも約35%、より好適には少なくとも約50%、そして 更に好適には少なくとも約75%になるまで行われる。あるいは、この反応は、 全ての潜在的に反応性の種に対するX3A及び高分子オリゴマーの割合が、約3 5%に近づくまで、より好適には約25%に近づくまで、そして更に好適には約 20%に近づくまで続けられてよい。この段階で、中間体ストリームの濃度を、 高選択率を促進するのに適切な反応性成分の濃度まで低下させる。この低下は、 同一の型か又は異なる型の溶媒を更に添加することにより達成することができる 。例えば、X2Aの製造は、水相で行われるが、一方XDへの反応は有機相で行 われるか、あるいは、2つの異なる有機溶媒を使用することができる。典型的に は、濃度は、この系の第2段階におけるX2Aの溶解度の限界か、又はそれ以下 であるX2Aの濃度まで低下させる。次にこの反応物をエステル化条件下で維持 してXDを生成させる。 段階的反応器構成の別の実施態様において、第1段階は、流入XA供給原料ス トリームに最初に存在する水の大部分を有効に除去する。続いて、反応混合物を 第2段階及び任意の後に続く反応器に移すと、有意な量の水の非存在下で環状エ ステル製造反応が起こる(水が存在すると、環状エステル製造反応が恐らく逆転 してしまう)。第1の反応容器を出る供給原料ストリーム中の水の濃度は、好適 には約12重量%未満、より好適には約1重量%未満、そして更に好適には約0 .5重量%未満である。特に、段階的連続反応据付けにおいて、2つ又はそれ以 上の、そして最も好適には2つか3つの容器が使用される。 上述の実施態様において、第1の反応器の脱水機能は、水ストリッピングカラ ムのような押出流れ反応器、及びCSTRを含む種々の反応器の型により達成す ることができるが、水ストリッピングカラムが好適である。種々の型の水ストリ ッピングカラムが使用に適している。例えば、広い表面積と不活性充填剤を使用 する充填塔を使用することができる。あるいは、多孔板、バルブトレー又は泡鐘 (bubble caps)を有するカラムを使用することができる。カラムの良好な物質 移動と熱移動特性のため、CSTRとは逆にカラムでは水除去が容易に達成され る。更に、カラムは、反応容器からの水の放出が複雑である他の標準的な押出流 れ反応器よりも水の除去に適している。XAストリーム中に最初に存在する水、 及びXDの形成により生成する水が、所望のカラム内滞留時間に依存して、カラ ムで供給原料ストリームから除去された後、反応混合物をCSTRに移送するこ とができる。カラムと2つのCSTRを含む適切な反応容器構成は、実施例13 .2に記載される。 第1の反応器として、後にCSTRが続く水ストリッピングカラムが使用され る上記実施態様において、水が供給原料ストリームから除去されて、続いて生成 物がCSTRに供給される時、多くのX1Aが水と共沸物を形成するため、水が 完全にストリッピングされるとX1Aは失われるかもしれない。本発明は、反応 溶媒の適切な使用によりこの制限を有利に克服することが見出された。溶媒蒸気 がストリッピングカラムに入って凝縮させられ、還流を生成するならば、このカ ラムは、無水の反応混合物を製造し、X1Aがカラムの塔頂部から失われるのを 防ぐような方法で制御することができる。X1Aよりも沸点が低い任意の製造溶 媒の使用により、ストリッピングカラムでのこの有利な成果が可能になる。 本発明を実施するための別の有利な反応器構成が発見された。逐次反応段階の 利用は生産率、選択率及び体積効率における利点を与えることが検討された。蒸 留塔の形で単一の連続反応容器を使用することにより、これらの利点の全てが得 られることが見出された。このようなカラムは反応性蒸留塔と呼ばれる。 反応性蒸留塔は、本発明の種々の目的の特徴を実施するために使用することが できる。1つの実施態様において、XAを製造溶媒と共にカラムの塔頂部付近に 供給する。塔頂部段階は供給原料ストリームを脱水し、X1Aをカラムに戻すた めに使用される。反応混合物がカラムの低い段階に向かって流れ落ちるため、カ ラムを上る溶媒蒸気と連続的に接触する。適切な部位で、この無水反応混合物に 触 媒を導入してよい。X2Aへの、続いてXDへのX1Aの変換に適切な反応条件下 で、この反応混合物を維持する。X1A濃度を所望のレベルに維持するために、 X1Aを含有する他の供給原料ストリームを種々の部位で導入してもよい。適切 な滞留時間で、この反応混合物をカラムの底からXDの回収プロセスまで流す。 カラムの滞留時間は、適切な設計上の考慮により制御し得る。深い多進路の泡鐘 トレーの使用により、大量の液の保持が可能になり、したがって、必要な溶媒の 沸騰速度の上昇なしに反応混合物の滞留時間が長くなる。溶媒の沸騰速度は、カ ラムから水を除去しきるのに要する熱を運搬するために充分な溶媒の蒸気を与え るために制御される。滞留時間も、中間体の使用又はその後のCSTRの使用に より制御し得る。例えば、側流をカラムの底部から除去して、CSTRに供給し 、ここで一定時間保持して、次にカラムの同一又は低い段階に戻してよい。ある いは、このカラムの底からCSTRに流して、そこでXD回収プロセスに送る前 に、更に別の反応のために一定時間保持してもよい。 反応性蒸留プロセスの使用は、本発明の実施に種々の利点を有することが見出 された。蒸留塔は、物質と熱の良好な移動を提供し、これは水の除去率を上昇さ せ、このためX1Aの変換率を上昇させる。カラムでは反応器の全長に沿う水の 除去が可能であり、これにより一連のCSTRとは逆に、単純な設計の押出流れ 反応器を提供する手段が得られる。このような反応性蒸留塔は真に連続的である 。中間体供給の能力を有する真の押出流れ反応器は、高い体積効率を有する。環状エステルの回収と精製 上述した環状エステル製造プロセスにより、溶媒中のXDの希釈溶液と他の成 分が生成する。本発明の目的は、例えば、ポリマーの製造におけるモノマーのよ うな反応供給物質として使用可能にするための、XDの回収と精製のための手段 を提供することである。XDの回収と精製のための幾つかの好適な実施態様が以 下に記載される。これらの実施態様の本質的な利点は、環状エステル製造プロセ スとのその統合である。本発明により、XDを含有する反応混合物はXDを回収 し精製するために処理される。 本発明はXDを回収するための2つの方法を含む。第1の方法では、回収プロ セスにおいて、他の成分からXDを実質的に分離するための平衡状態の2つの液 相を生成する反応混合物を生じさせるような方法で、環状エステル製造プロセス が行われる。この分離は、独特で新規な方法である。第2の方法では、次の回収 工程に供される均一な反応混合物が得られるような方法で、環状エステル製造プ ロセスが遂行される。 本発明は更に、回収工程から得られたXDを精製するための2つの方法を含む 。精製方法への供給物は、いずれかの回収プロセスの任意の実施態様により得る ことができる。XDを精製するための第1の方法では、蒸留が、他の成分からX Dを分離する支配的な機作として働く。第2の方法では、結晶化法(融解又は溶 媒結晶化)が支配的な分離法として働く。驚くべきことに、XDを精製するため の適切で好適な方法として融解結晶化を使用することが可能である。更には、こ の方法は、オリゴマー及びXDの光学異性体の存在下で分解することなく、高純 度XDを生成できる。実際には以下に詳述されるように、これらの精製方法の組 合せが使用される。 好適な一組の実施態様において、液−液平衡分離を利用する回収操作は、1つ の相が環状エステルと溶媒を優勢に含有し、第2相がX1AとX1Aのオリゴマー を優勢に含有する、相分離をさせることにより達成される。この方法は、環状エ ステル製造混合物のための回収溶媒を提供することを含む。次にこの溶液を、環 状エステルと回収溶媒を含む第1相と、X1AとX1Aのオリゴマーを含む第2相 に相分離させる。第2相が第2相の溶媒を含むか、又は主にX1Aから成ってい てよいことに注意されたい。次いで環状エステルを第1相から回収する。環状エ ステル製造混合物は更に、硫酸のような易溶性エステル化触媒を含んでよく、こ の触媒は好適には第2相中に分配される。このように、この触媒は環状エステル から容易に分離される。 環状エステル製造混合物のための回収溶媒を提供する工程は、種々の方法で達 成することができる。例えば、環状エステルは、回収溶媒としての使用にも適し ている反応溶媒を含む反応混合物中で製造することができる。混合溶媒が使用さ れる場合に、極性の低い溶媒に対する極性の高い溶媒の比は、反応混合物を冷却 する際に相分割を維持しながら、反応選択率を最大化するように調整される。こ の相分割により、溶媒と環状エステルを1つの相に、そしてX1Aとオリゴマー をもう1つの相に分離させうる。あるいは、環状エステル製造後、回収溶媒は、 環状エステル回収の目的で環状エステル製造混合物と混合することができる。こ の実施態様は、XDの回収のための溶媒抽出プロセスである。 本発明のこの実施態様の回収溶媒は、環状エステルが回収溶媒に優先的に分配 されることを特徴とする。以下に記載されるように、回収溶媒は比較的極性が低 い。即ち、ラクチドのようなXD種は、乳酸のような対応するX1A種よりもこ のような溶媒への溶解性が高い。このように、相分離の際、環状エステルは主に 回収溶媒相へ分配される。好適には、環状エステルは、室温付近で1気圧で、回 収溶媒中、少なくとも約1、より好適には少なくとも約5、そして更に好適には 少なくとも約15の分離係数を有する。分離係数は、問題の種(例えば、X1A )の分配係数で割ったXDの分配係数の比として定義される。 更に別の実施態様において、分離係数は、相分離が起こる温度を変化させるこ とにより制御してもよい。例えば、ラクチド/キシレン系では、40℃でラクチ ドと乳酸の分離係数は35であるが、一方70℃では分離係数は26に低下する 。しかし、低い温度では、XnA及びXD種は非溶媒相に分配する傾向がある。 したがって、本発明の実施を成功させる鍵は、温度の最適化である。 回収溶媒に関する上述の機能性パラメーターによる適切な特徴を有する任意の 溶媒が、本プロセスでの使用に適している。更に詳しくは、適切な回収溶媒は、 キシレン、トルエン、ベンゼン、MIBK、及びイソプロピルエーテルを含み、 より好適な回収溶媒は、キシレンとトルエンであり、キシレンが更により好適で ある。 環状エステル製造混合物の第1相及び第2相への相分離をさせる工程は、典型 的には単に混合又は他の撹拌を停止してこの混合物を冷却することにより達成さ れる。この方法は、当業者に公知の標準的な相分離装置を使用して、バッチで又 は連続的に行うことができる。 相分離させることにより環状エステルと溶媒をX1A及びX1Aのオリゴマーか ら分離することに加えて、代わりの実施態様として、X1A及びX1Aのオリゴマ ーに富んだ第2相に更に溶媒抽出工程を行うことができる。この溶媒抽出工程は 、第2相に残っている環状エステルと溶媒を回収するために行われる。例えば、 第2相中の残った環状エステルと溶媒を回収するために、典型的には回収溶媒で ある溶媒と第2相を抽出単位に導入する。2つのストリームが抽出単位を出る。 第1のストリームは、X1A及びX1Aのオリゴマーに富んでいる。このストリー ムは、更なる環状エステル製造のために、例えば、オリゴマーをX1A単位に加 水分解して戻すための加水分解反応器により、再循環させることができる。抽出 単位を出る第2のストリームは、環状エステルと溶媒画分である。このストリー ムは、相分離単位への流入ストリームに再循環させるか、又は代わりに、更なる 処理のために、環状エステルと溶媒に富んだ相分離単位からの第1相と合わせる ことができる。 液−液平衡分離による環状エステル回収の別の代替の実施態様は、液−液平衡 分離を達成するために、相分離器でなく、還流抽出器を使用することである。こ のプロセスにおいて、環状エステル製造混合物を還流抽出器系内の中間部位に供 給する。この抽出器は更に、好適には環状エステル製造混合物中の溶媒である流 入回収溶媒と、次の環状エステル精製からのX1A及びX1Aのオリゴマーを含む 還流ストリームを有する。この還流ストリームは、典型的には結晶化環状エステ ルの遠心分離からの濃縮物を含む。抽出単位内で、環状エステル製造混合物中の 環状エステルは溶媒相に分配され、X1A及びX1Aのオリゴマーは溶媒を離れて 分配する。次にX1A及びX1Aのオリゴマーを含有する流出ストリームは、更な る環状エステル製造のために、例えば、オリゴマーをX1A単位に加水分解して 戻すための加水分解反応器により、再循環させることができる。次に環状エステ ルと溶媒相を含有する流出ストリームは更に処理される。 本環状エステル回収プロセスの更に別の実施態様は、以下に記載されるように 、最初に液−液平衡分離を行うことなく、直接環状エステル製造操作から環状エ ステル回収まで環状エステル製造混合物を処理することを含む。このプロセスに おいて、この均一な反応混合物は、直接更なるXDの回収と精製操作に導かれる 。このプロセスは、環状エステルが極性の高い溶媒中で製造される操作に特に適 している。例えば、環状エステル製造混合物が、溶媒としてアニソールを含むな らば、X1A相の分離形成は起こらない。 典型的には、液−液平衡分離又は均一反応混合物により製造される環状エステ ルと溶媒に富む相は、更なる環状エステル回収のため処理される。このストリー ムは、溶媒が追い出される蒸発単位による第1流であってもよい。典型的には、 残った環状エステル混合物が、溶媒重量の約1重量%と約80重量%の間、より 好適には溶媒の約5及び50重量%の間、そして更に好適には溶媒の約15及び 30重量%の間を含むように、充分に溶媒が追い出される。除去される溶媒は、 環状エステル製造の前のX1Aの回収を含む全プロセス中の他の段階に、又は直 接環状エステル製造操作に、再循環させて戻してもよい。このような溶媒はまた 、溶媒結晶化のような次の回収又は精製操作で使用するために次に進めてもよい 。蒸発単位を出た後、環状エステル含有ストリームは、更なる環状エステル回収 又は精製操作の前に冷却してもよい。 回収したXDストリームの更なる精製は、蒸留、溶媒結晶化、及び融解結晶化 を使用して実施してよい。これらの方法の1つ又はそれ以上の組合せが、高純度 XD生成物を経済的に製造するために必要であるかもしれない。更に、これらの 方法の適正な並べ方により、異なる比のXDの光学異性体を含有する2つ又はそ れ以上の高純度XD生成物を連続的に製造することが可能である。この結果は、 2つのXD生成物により、XDに基づくポリマーのポリマー基本骨格における光 学異性体含量を制御するように混和することができるため、特に有用である。幾 つかのXDに基づくポリマーの多くの物理的及び分解特性が、ポリマー基本骨格 における光学異性体含量により強く影響されるため、このような制御が必要であ る。 蒸留プロセスにおける第1の工程では、環状エステルとX1Aのオリゴマーの 混合物を形成するため、環状エステル製造混合物から、選択的にX1Aと溶媒を 蒸留する。次に混合物から環状エステルを選択的に蒸留するために、この混合物 を処理する。次に蒸発した環状エステルを回収する。次に前に略述した回収工程 からの原料を、例えば、X1Aと溶媒を環状エステル製造混合物から選択的に蒸 発させる蒸留塔に導く。即ち、X1Aと溶媒は蒸留塔の塔頂部に行き、一方環状 エステルとX1Aの高分子オリゴマーはカラムの底から出る。このプロセスによ り混合物から除去されるX1Aと溶媒は、全プロセスの初めに近い部分に再循環 させることができる。例えば、X1Aは環状エステル製造に再循環させることが できる。溶媒は、X1A回収操作、環状エステル製造操作のいずれかに再循環さ せるか、又は次の溶媒抽出工程に使用することができる。 次に第1の蒸留工程からの下層流を第2の工程に導く。環状エステルが環状エ ステルとX1Aのオリゴマーの混合物から選択的に蒸発するような条件下で、蒸 留塔を作動させる。即ち、蒸留塔からの下層流は主に、X1A単位に戻す加水分 解の後のプロセス中で再循環させることのできるX1Aのオリゴマーを含有する 。あるいは、この下層流ストリームは、残ったXDを回収するために、XD回収 の液−液平衡分離に返送することができる。次いで第2の蒸留単位からの塔頂流 中の環状エステルは、結晶化のような他の方法により次に精製することができる 。結晶化による最終の仕上げ工程の必要性は、蒸留工程の効率とXD生成物が満 たさなければならない純度仕様の両方に依存する。例えば、重合化等級XDが必 要であれば、もし結晶化仕上げ工程が使用されないなら蒸留仕様はXD生成物仕 様を満たすために非常に高い還流比を必要とするだろう。しかし、結晶化工程を 加えると、モノマー等級XDの高純度仕様にはなお合致してはいるが、蒸留の還 流比の要求は大幅に低下する。 このプロセスにおける蒸発工程は、許容しうる回収率を得るために真空下で行 うことができることに注意すべきである。更に、このプロセスは高分子量種と共 に、X1AがL1AでXDがLDである時容易に行うことができ、X1AとXDの 蒸発に必要な真空の量は実際よりも大きいかもしれない。 環状エステル回収操作はまた、次に非結晶化種から分離される環状エステルの 結晶化を含む。追加の環状エステル精製操作の1つの実施態様において、環状エ ステルは溶媒結晶化により回収される。溶媒結晶化において使用される溶媒は、 結晶化プロセスの間多くの機能を発揮する。溶媒の使用により、溶媒が存在しな い場合よりも低い温度で結晶化を行うことができる。更に、溶媒の存在は、系の 粘度を低下させ、このため材料の取り扱いとポンプ操作が容易になる。更には、 溶媒の存在は、結晶化の間X1A及びX1Aのオリゴマーのような不純物を含むよ うな媒体を与えることにより、より純粋な結晶化プロセスをもたらすことができ る。即ち、次の結晶化混合物からの結晶の分離の際、X1A及びX1Aのオリゴマ ーのような不純物を、結晶に付着させることなく、より容易に液体ストリームで 分離することができる。 溶媒結晶化において、環状エステルと溶媒を含有する供給原料ストリームは、 結晶化ループに導かれる。このプロセスには従来の結晶化装置を使用することが できる。環状エステルと溶媒を含有するストリームは、結晶化を誘発するために ストリームから熱を除去する作用をする、晶析装置により処理される。例えば、 結晶化チャンバーが冷却液を含有するジャケットで冷却される削り表面熱交換器 を使用することができる。この結晶化チャンバーは、チャンバーの壁に形成され る結晶を除去するためのスクレーパーを含む。ストリームは晶析装置から、結晶 化ループでの物質の滞留時間を上昇させて制御するためのリザーバーとして作用 する結晶成長タンクまで循環する。ループでの滞留時間は、適切な結晶のサイズ を達成させながらもできるだけ短く維持することが望まれる。典型的にはこの滞 留時間は、約1/12〜約6時間、より好適には約1/6〜約3時間、そして更 に好適には約1/4〜約1時間である。結晶成長タンクは更に、成長タンク内で 物質の均質な混合を達成できるように、成長タンクでの物質の撹拌を含むことが できる。次いで成長タンクからの物質を続いて結晶化単位に戻す。 側流を、結晶化環状エステル、溶媒、結晶化されていない環状エステル、及び X1A及びX1Aのオリゴマーを含む不純物を含有するループ又は成長タンクから 除去する。次にストリームから固体結晶を除去するために側流を処理する。結晶 化環状エステルの除去は、当業者に公知の任意の従来法により行うことができる 。このような方法は、遠心分離、濾過、及びサイクロンを含む。結晶の遠心分離 が好適である。環状エステル結晶の除去に際して、環状エステルの結晶ケークと 液体ストリームが生成する。このケークは、最終生成物よりなるか、又は以下に 記載されるように、更に精製するために処理される。環状エステル結晶の遠心分 離又は濃縮から生じたこの液体ストリームは、液体ストリームから環状エステル を更に回収するために更に処理することができる。更に、この液体ストリームは 、液体中に存在するX1A及びX1Aのオリゴマーの再循環のために処理すること ができる。 単一の結晶化工程後、環状エステル純度は、典型的には、溶媒を含まない基準 で、少なくとも約80重量%、より好適には少なくとも約85重量%、そして更 に好適には少なくとも約90重量%の環状エステルである。典型的な不純物は、 X1A、X1Aのオリゴマー、及び溶媒である。 最初の結晶化プロセスからの回収された環状エステル結晶で、より純粋な結晶 を得るために追加の結晶化を行うことができる。後に続く結晶化は、溶媒結晶化 又は融解結晶化のどちらであってもよい。2回目の結晶化後、環状エステル純度 は、典型的には、溶媒を含まない基準で、少なくとも約95重量%、より好適に は少なくとも約97重量%、そして更に好適には約98重量%である。3回目の 結晶化工程後、環状エステル純度は、溶媒を含まない基準で、99重量%以上の 環状エステルである。2回目又は3回目の結晶化が溶媒結晶化プロセスであるな らば、例えば、遠心分離回収から回収される環状エステル結晶ケークは、撹拌に より、及び/又は穏やかな加熱により溶媒に溶解される。次に溶解した環状エス テルは、上述のように溶媒結晶化ループにより処理される。 本発明の更に新規な特徴は、融解結晶化による環状エステルの回収である。こ のプロセスにおいて、環状エステル結晶は、環状エステルケークを融解するのに 充分な温度に晒される。次に融解した物質は、上述のように、結晶化ループに導 かれる。融解結晶化は、溶媒結晶化プロセスに比べて多くの特定の利点を有する ことに注意すべきである。例えば、扱う物質の体積が溶媒の不在下では有意に小 さく、同一の生産量を得るために必要な装置のサイズは小さい。更に、溶媒を扱 い、系から除去する必要がないため、融解結晶化に要する全エネルギーは低い。 更に、融解結晶化により、より大きい結晶サイズが得られることが見出された。 高い体積対表面比により、またこれにより不純物の付着に利用できる表面積を低 下させることにより、典型的には小さい結晶よりも大きな結晶の方が純粋である 。 融解結晶化のための結晶化ループにおける滞留時間は、典型的には溶媒結晶化 よりも幾分長い。例えば、滞留時間は、典型的には約1/12〜約6時間、より 好適には約1/4〜約4時間、そして更に好適には約1/2〜約2時間である。 結晶化融解物の温度は、典型的には、物質の融点と物質の融点の約20℃低い温 度の間に維持される。最適な操作温度は、所定の操作温度でのスラリーに存在す る固体の量に依存する。1重量%位に低くても60重量%位に高くてもスラリー を扱うことができるが、典型的には、固体操作装置(ポンプ、削り表面熱交換器 、遠心分離機など)は約20〜30重量%の固体充填で最も良好に機能する。 溶媒結晶化に関して上述したように、側流は、結晶化ループから除去され、不 純物と結晶化されていない環状エステルから環状エステル結晶を分離するための 単位に導かれる。不純物と結晶化されていない環状エステルは、更に処理するた めに、例えば、最初の結晶化単位への流入原料として、再循環することができる 。 本発明の別の実施態様は、環状エステル、X1A及びX1Aのオリゴマーの2つ 以上の異性体種を含む環状エステル製造混合物からの環状エステルの回収である 。このプロセスは、環状エステルとして1つの異性体種を選択的に結晶化し、そ の異性体種を回収することを含む。次にこのプロセスは第2の異性体種を結晶化 し、それを回収することを含む。この回収方法は、X1Aがキラル分子であり、 そのため異性体形を有する時に適している。例えば、乳酸はX1Aのキラル種で ある。乳 酸の2つの光学異性体、L−乳酸及びD−乳酸が存在する。したがって、ラクチ ドは、L−LD(2つのL−乳酸分子から形成されたラクチド分子)、D−LD (2つのD−乳酸分子から形成されたラクチド分子)、メソ−LD(1つのL− 乳酸分子と1つのD−乳酸分子から形成されたラクチド分子)、又はD,L−L D(1つのL−LD分子と1つのD−LD分子よりなる分子間種)のいずれかで あってよい。異なる種のラクチドは、異なる融点を有する。メソ−LDは最も低 い融点52.8℃を有し、異性体として純粋なD−LD及びL−LDは両者とも 融点98.7℃を有し、そして純粋なD,L−LDは最も高い融点128℃を有 する。 例えば、他の異性体種よりも高い融点を有する所定のXD分子の異性体種は、 融解結晶化プロセス中に選択的に結晶化されうる。全環状エステル混合物の融解 物を形成し、低い融点の環状エステル種の融点以上の温度で高い融点の種を結晶 化させることにより、高い融点の種は選択的に結晶化しうる。続いて、例えば、 遠心分離によるこの結晶の回収により、生じる濃縮物(cetrate)は低い融点の種 と残留量の高い融点の異性体種を含む。この結晶化からのケークは、XD重合化 工程への2つのXD原料の1つとして使用しうる。XD重合化工程へのもう一方 の原料は、融解結晶化からの濃縮物の溶媒結晶化により得ることができるであろ う。異性体選択率の低い結晶化溶媒(例えば、トルエン)が使用される時、溶媒 結晶化工程により製造されるXDは、融解結晶化により製造されるXDとは有意 に異なる異性体含量を有する。上述の選択的結晶化は100%の選択率を達成し ないことに注意すべきである。即ち、上述の例では、最初の結晶化画分は残留量 の低い融点種を含有するかもしれない。同様に、2回目の結晶化画分は相当量の 高い融点種を含有する。しかし、ポリマー基本骨格中の目的とする光学異性体の 比が2つのXD生成物の含量の間である限り、光学異性体の実際の比を調整する ために単純な混和操作を使用することができる。これは、XDに基づくポリマー の光学異性体含量を制御可能にし、多くのXDに基づくポリマーの物理的及び分 解特性を制御するものであるため、重要なことである。 下記の実施例はどのように本発明が実施されるかを示すものであるが、本発明 を限定するものと解釈してはならない。 実施例 実施例1 本実施例では、溶媒アニソール、キシレン、フェネトール、4−メチルアニソ ール、及び1,3−ジメチルベンゼンを比較して、本発明の乳酸からのラクチド 生成の生産率、変換率、及び選択率に及ぼす溶媒の極性の影響を検討した。 ディーン−スタークトラップ、冷却器、温度計及びサンプリング隔壁を取り付 けた500mLの丸底三つ口フラスコに、溶媒190mLを充填して加熱還流した。 加熱した溶液に88%乳酸水溶液10mLとXA原料重量の0.2%の硫酸を加え た。反応混合物を6時間加熱還流した。220分後、試料0.1mLを採取し、ラ クチド含量をHPLCで分析した。結果を下記の第1表と図1に示す。 前述の結果は、極性の高い溶媒は極性の低い溶媒よりも選択率が高いことを示 している。最大の変換率はジ置換芳香族化合物の溶媒で得られた。生産率は4− メチルアニソールで最も高かった。実施例2 本実施例では、生産率、変換率、及び選択率に及ぼす触媒濃度の作用を評価す るために、アニソール中の本発明の乳酸からのラクチド製造に及ぼす種々の硫酸 触媒濃度の影響を検討した。 ディーン−スタークトラップ、冷却器、温度計及びサンプリング隔壁を取り付 けた500mLの丸底三つ口フラスコに、溶媒190mLを充填して加熱還流した。 加熱した溶液に88%乳酸水溶液10mLと、触媒なし、又はXA原料重量の0. 2%、0.8%、2.0%、若しくは10%の硫酸を加えた。反応混合物を6時 間加熱還流した。290分後、試料0.1mLを採取し、HPLCでラクチド含量 を分析した。結果を下記の第2表と図2に示す。 前述の結果は、アニソールのような比較的極性の高い溶媒を用いると触媒の増 加に伴い変換率、選択率及び生産率が増加するが、高濃度(0.80%及びそれ 以上)では生産率は横這いになることを示している。最高濃度の触媒では選択率 がわずかに上昇した。実施例3 本実施例では、生産率、変換率、及び選択率に及ぼす触媒濃度の作用を評価す るために、キシレン中の本発明の乳酸からのラクチド製造に及ぼす種々の硫酸触 媒濃度の影響を検討した。 ディーン−スタークトラップ、冷却器、温度計及びサンプリング隔壁を取り付 けた500mLの丸底三つ口フラスコに、キシレン190mLを充填して加熱還流し た。加熱した溶液に88%乳酸水溶液10mLと、触媒なし又はXA原料重量の0 .1%、0.2%、0.4%、若しくは0.8%の硫酸を加えた。反応混合物を 6時間加熱還流した。96分後、試料0.1mLを採取し、HPLCでラクチド含 量を分析した。結果を下記の第3表と図3に示す。 前述の結果は、触媒濃度を増加させていくと、キシレン中で高い変換率が達成 されることを示している。更に、触媒濃度0.2%で全体の生産率が最大になっ た。実施例4 本実施例では、乳酸からのラクチドの製造の溶媒としてキシレンを用いての高 濃度の触媒の使用、並びに変換率、選択率及び生産率に及ぼす影響を検討した。 ディーン−スタークトラップ、冷却器、温度計及びサンプリング隔壁を取り付 けた500mLの丸底三つ口フラスコに、キシレン190mLを充填して加熱還流し た。加熱した溶液に88%乳酸水溶液10mLと、XA原料重量の1.2%の硫酸 を加えた。反応混合物を2.5時間加熱還流した。この実験の結果を図4に 示す。 本実施例は、キシレンのような比較的極性の低い溶媒中の高濃度の触媒(硫酸 触媒1.2%)では、生産率がかなり低下することを示す。この知見は、実施例 2のようにアニソールのようなより極性の高い溶媒を使用した時に、10%まで の非常に高い触媒濃度で高い生産率が見られたのとは異なる。実施例5 本実施例では、アニソール中の乳酸からのラクチドの生産率、選択率及び変換 率に及ぼす5種類の異なる触媒の影響を検討した。 ディーン−スタークトラップ、冷却器、温度計及びサンプリング隔壁を取り付 けた500mLの丸底三つ口フラスコに、溶媒190mLを充填して加熱還流した。 加熱した溶液に88%乳酸水溶液10mLと、触媒を加えた。触媒濃度については 第5表を参照されたい。反応混合物を6時間加熱還流した。315分後、試料0 .1mLを採取し、HPLCでラクチド含量を分析した。結果を下記の第5表と図 5に示す。 本実施例の結果は、変換率と生産率ではトルエンスルホン酸が最も有効な触媒 であることを示している。しかし、ダウエックスで最も高い選択率が得られた。実施例6 本実施例では、アニソール中の乳酸からのラクチド製造の生産率に及ぼす8種 類の異なる触媒の影響を検討した。 ディーンスタークトラップ、冷却器、温度計及びサンプリング隔壁を取り付け た500mLの丸底三つ口フラスコに、溶媒190mLを充填して加熱還流した。加 熱した溶液に88%乳酸水溶液10mLと、種々の触媒を加えた。反応混合物を6 時間加熱還流した。300分後、試料0.1mLを採取し、HPLCでラクチド含 量を分析した。結果を下記の第6表に示す。 本実施例の結果は、1.1%トルエンスルホン酸と10%硫酸で最大の生産率 が達成されることを示している。0.8%と2%の硫酸、及びダウエックスでも 高い生産率が得られた。実施例7 本実施例では、高触媒濃度で比較的希薄溶液中での、アニソール中の乳酸原料 からのラクチドの製造を示した。 ディーン−スタークトラップ、冷却器、温度計及びサンプリング隔壁を取り付 けた500mLの丸底三つ口フラスコに、アニソール190mLを充填して加熱還流 した。加熱した溶液に88%乳酸水溶液5mLと、XA原料重量の10%の硫酸を 加えた。反応混合物を6時間加熱還流した。試料0.1mLを採取し、7時間かけ てHPLCで分析した。この実験の結果を図6に示す。 この実験の結果は、きわめて高い生産率が得られたことを示している。極性の 高い溶媒と低供給原料ストリーム濃度を使用することにより高い選択率が達成さ れ、高触媒濃度により高い変換率が達成された。404分後の生産率は81%で あった。実施例8 本実施例では、本発明の乳酸からのラクチド製造に及ぼす溶媒温度の影響を検 討した。 ディーン−スタークトラップ、冷却器、温度計及びサンプリング隔壁を取り付 けた500mLの丸底三つ口フラスコに、キシレン190mLを充填して加熱還流し た。加熱した溶液に88%乳酸水溶液10mLと、XA原料重量の0.2%の硫酸 を加えた。反応混合物を6時間加熱還流した。この実験の結果を下記の第8表と 図7に示す。 この実験の結果は、ラクチド製造には高温が良いことを示している。この結果 は、一部は、高温ではより多くの乳酸が溶媒に溶解すること、及び高温では反応 速度が上昇することが原因であると考えられた。実施例9 本実施例では、キシレン中で供給バッチ反応プロセスを用いてラクチドの製造 を検討した。 ディーン−スタークトラップ、冷却器、温度計及びサンプリング隔壁を取り付 けた500mLの丸底三つ口フラスコに、キシレン190mLを充填して加熱還流し た。加熱した溶液に、400分間かけて5mLずつの増加を9回行い、88%乳酸 水溶液45mLと、XA原料重量の0.2%の硫酸の混合物を加えた。25分間隔 で試料0.1mLを採取し、ラクチド含量をHPLCで分析した。この結果を図8 に示す。 図8では、30,000mg/Lまでのラクチド生成の直線的増加が示されている 。この実施例の結果は、ラクチドの供給バッチ製造が可能であることを示した。 作業時は、連続的ラクチド製造を確保するために、この最大値よりも低い濃度で 反応容器からラクチドを回収する必要があるであろう。実施例10 本実施例は、アニソール中で供給バッチ反応方法を用いてラクチドの製造を検 討した。 ディーン−スタークトラップ、冷却器、温度計及びサンプリング隔壁を取り付 けた500mLの丸底三つ口フラスコに、アニソール190mLを充填して加熱還流 した。加熱した溶液に、400分間かけて5mLずつの増加を9回行い、88%乳 酸水溶液45mLと、XA原料重量の0.2%の硫酸の混合物を加えた。25分間 隔で試料0.1mLを採取し、ラクチド含量をHPLCで分析した。この結果を図 9に示す。 図9では、アニソールを用いた時、ラクチド生成が50,000mg/Lまでは直 線的に増加し、以後は横這いになることが示されている。この実施例の結果は、 ラクチドの供給バッチ製造が可能であることを示した。作業時は、連続的ラクチ ド製造を確保するために、この最大値よりも低い濃度で反応容器からラクチドを 回収する必要があるであろう。実施例11 本実施例では、極性溶媒と非極性溶媒を用いる混合溶媒の使用、及び乳酸から のラクチド生成の生産率、変換率及び選択率に及ぼす影響を検討した。混合溶媒 の組合せの効果を示すために、3つの溶媒比を選んだ。 ディーン−スタークトラップ、冷却器、温度計及びサンプリング隔壁を取り付 けた500mLの丸底三つ口フラスコに、混合溶媒(キシレン中10、20、又は 30容量%のアニソールを含有する)190mLを入れた。この混合溶媒の溶液を 加熱還流した。還流溶液に、88%乳酸水溶液10mLと0.2%の硫酸を加え、 375分間加熱を続けた。40分毎に試料0.1mLを採取し、ラクチド含量をH PLCで分析した。変換率、選択率及び生産率に関する3種類の混合物の比較結 果をそれそれ図10、図11及び図12に示す。 図10では、ラクチドへの乳酸のパーセント変換率は、3種類の混合溶媒とも 比較的高い変換率を示すが、混合溶媒中の高濃度のキシレンにより増強されるこ とを示している。図11は、混合溶媒系中のアニソール濃度が上昇するにつれて 、ラクチド生成の選択率が上昇することを示している。図12は、上記反応条件 下では3種類の混合溶媒はほぼ同等の生産率を有することを示している。実施例12 本実施例では、12種類の触媒について9種類の環状エステル製造溶媒の種々 の組合せ、及びラクチド製造における変換率、選択率及び生産率を検討した。選 んだ溶媒の、沸点、共沸化合物濃度、及びイオン強度は広範囲にわたった。4つ の群の溶媒(エーテル、ケトン、芳香族及びアルカン)を検討した。触媒は、ラ クチド生産率と選択率の異なる触媒機構の研究のために選んだ。これらは、均一 の酸触媒、鉱物表面触媒、金属触媒、アミン塩基触媒、及び鋳型触媒である。溶 媒と触媒を第12.1表と第12.2表に示す。 40mLのガラス試料バイアルに、触媒、溶媒9.5mL、及び88%乳酸0.5 mLを加えた。触媒の量と溶媒を第12.1表と第12.2表に示す。長さ約30 .48cm(12インチ)、直径約3.81cm(1.5インチ)のガラス管をバイ アルに密封して取り付けた。円錐形にした定性用濾紙をバイアルの上に乗せ、約 2gの硫酸ナトリウムを入れた。バイアルと内容物を、溶媒の沸点より少し高い 温度まで油浴中で加熱した。この実験の間、バイアルの一定量を維持するために 溶媒をバイアル一杯に満した。各1回の実験では、1種類の溶媒、全種類の触媒 、及び1時間後と4時間後のサンプリング時間を使用した。各サンプリング時間 で、装置を熱油浴から取り外してすぐにバイアルから直接約0.5mL量のアリコ ートを採取した。乳酸、ラクチド及び6乳酸繰り返し単位までのオリゴ マーについて、高速液体クロマトグラフィーで分析した。 図13と図14に、溶媒/触媒の各組合せの4時間後と1時間後の変換率を示 す。溶媒としてアニソール及び触媒としてSnBr2又はナフィオン(Nafion) の組合せが最適であり、4時間の実験では変換率約39%、そして1時間の実験 では変換率26%であった。更に、H2SO4,ダウエックス、ナフィオン及びS nBr2はすべて有効な触媒であった。アニソール、トルエン及びキシレンは、 溶媒として良好であった。一般に、2つ以上の溶媒を試験した各溶媒の群(エー テル、ケトン及び芳香族)中では、沸点の高い溶媒ほど高い変換率を与えた。 図15の結果は、アニソールとキシレンで選択率が最も高く、キシレンとブチ ルエーテルでも同様に高い選択率が得られることを示している。 p−トルエンスルホン酸は、最も選択率の高い溶媒のようであった。MgSO4 、SnBr2、H2SO4もまた高い選択率を与えた。実施例13 以下の実施例では、種々の反応構成を用いる、環状エステルの生産率と効率に 及ぼす影響を検討した。反応構成は、下記の実験13.1〜13.6に記載した 。種々の操作パラメーターと結果を、第13表に示す。以下の実施例で、触媒さ れた乳酸は、乳酸原料の重量の0.1%の硫酸を含む88%乳酸を意味する。実験13.1: 4工程CSTR 還流冷却器、ディーン−スタークトラップ、及び試料口を取り付けた4つの5 00mLの三つ口丸底フラスコをチューブでつないだ。各フラスコにキシレン18 0gと、全フラスコで触媒された乳酸20gを充填した。フラスコを1時間還流 温度まで加熱し、1時間後キシレンと触媒された乳酸を、供給速度がキシレンは 360g/hそして触媒された乳酸は40g/hで最初のフラスコに供給した。最初の フラスコへのキシレンと乳酸の添加と等しい割合で、4つ目のフラスコからラク チドを含有する溶液が得られるまで、最初のフラスコの反応媒体を順次隣のフラ スコへ供給した。実験13.2: 約30.48cm(1フィート)カラムと2工程CSTR 500mLの三つ口丸底フラスコに、5mmのラッシヒリング(Rashing rings)を 充填した約30.48cm(1フィート)のカラムを取り付けた。充填したカラム にディーン−スタークトラップ、還流冷却器、及び加熱ジャケットを取り付けた 。加熱カラムの塔頂部から、40g/hで触媒された乳酸を加えた。水を含まない 得られた乳酸を、カラムに沿って還流キシレン300mL中に流し込んだ。反応容 器にキシレンを440g/hの速度で加え、同等の速度で生成物を含有する溶液を 除去して、最初のフラスコ中の反応容量が約300mLに維持されるようにした。 最初の三つ口フラスコからの溶液を、還流冷却器とディーン−スタークトラップ を取り付けた還流キシレン700mLを充填した、第2の1000mL丸底フラスコ に供給した。第2のフラスコからのラクチド生成物を含有する溶液の取り出しは 、反応フラスコ中で一定容量が維持される速度で行なった。最初のフラスコに触 媒された乳酸20gをそして第2のフラスコには触媒された乳酸60gを充填し た。実験13.3: 約121.92cm(4フィート)の充填カラムと1工程CST 500mLの三つ口丸底フラスコに、5mmのラツシヒリング(Rashing ring)を充 填した約121.92cm(4フィート)のカラムを取り付けた。充填カラムにデ ィーン−スタークトラップ、還流冷却器、加熱ジャケットを取り付けた。フラス コに、触媒された乳酸25gを充填した。加熱カラムの塔頂部から、25g/hで 触媒された乳酸を加えた。水を含まない得られた乳酸を、カラムに沿って還流キ シレン300mL中に流し込んだ。反応容器にキシレンを230g/hの速度で加え 、同等の速度で生成物を含有する溶液を除去して、反応容量が約300mLに維持 されるようにした。実験13.4: 約60.96cm(2フィート)の充填カラムと1工程CSTR 1000mLの三つ口丸底フラスコに、5mmのラッシヒリング(Rashing rings) を充填した約60.96cm(2フィート)のカラムを取り付けた。充填カラム にディーン−スタークトラップ、還流冷却器、加熱ジャケットを取り付けた。フ ラスコに、触媒された乳酸25gを充填した。加熱カラムの塔頂部から、25g/ hで触媒された乳酸を加えた。水を含まない得られた乳酸を、カラムに沿って還 流キシレン500mL中に流し込んだ。反応容器にキシレンを460g/hの速度で 加え、同等の速度で生成物を含有する溶液を除去して、反応容量が約500mLに 維持されるようにした。実験13.5: 穿孔段塔(Perforeted Plate Column)と1工程CSTR 1000mLの丸底三つ口フラスコに、約101.6cm(40インチ)×外径約 7.62cm(3インチ)の真空ジャケットを付けた穿孔段塔、この段塔の塔頂部 に取り付けた5mmのラッシヒリング(Raschig rings)を充填した断熱ジャケット を付けた約5.08cm(2インチ)×約45.72cm(18インチ)のカラム、 還流冷却器、ディーン−スタークトラップを取り付けて、キシレン800mLを充 填した。この系を1時間還流してから、乳酸溶液を加えてカラムを平衡化させた 。穿孔カラムのトレー中で液体を保持するために少なくとも約1400g/hのキ シレンの還流が必要であった。フラスコに触媒された乳酸80gを充填した。加 熱カラムの塔頂部から、80g/hの触媒された乳酸を加えた。水を含まない得ら れた乳酸を、穿孔段塔に沿って蒸発/還流キシレン中に流し込んだ。反応容器に キシレンを400g/hの速度で加え、同等の速度で生成物を含有する溶液を除去 して、反応容量が約1000mLに維持されるようにした。実験13.6: 穿孔段塔と1工程CSTR 2000mLの丸底三つ口フラスコに、約101.6cm(40インチ)×外径約 7.62cm(3インチ)の真空ジャケットを付けた穿孔段塔、この段塔の塔頂部 に取り付けた5mmのラッシヒリング(Raschig rings)を充填した断熱ジャケット を付けた約5.08cm(2インチ)×約45.72cm(18インチ)のカラム、 還流冷却器、ディーンスタークトラップを取り付けて、キシレン1000mLを充 填した。この系を1時間還流してから、乳酸溶液を加えてカラムを平衡化させた 。穿孔カラムのトレー中で液体を保持するために少なくとも約1400g/ hのキシレンの還流が必要であった。フラスコに触媒された乳酸180gを充填 した。加熱カラムの塔頂部から、180g/hの触媒された乳酸を加えた。水を含 まない得られた乳酸を、穿孔段塔に沿って蒸発/還流キシレン中に流し込んだ。 反応容器にキシレンを820g/hの速度で加え、同等の速度で生成物を含有する 溶液を除去して、反応容量が約1150mLに維持されるようにした。 前述の結果は、多段反応槽構成を使用することにより、高い生産率及び効率が 得られることを示している。特にカラム滞留時間を長くすることにより、効率を かなり上昇させることができた。CSTRに比較して蒸留塔は、カラム中の物質 移動と熱移動が増加するために全体的反応速度を上昇させた。上昇した物質移動 と熱移動は、液相中の水分含量を低く維持し、これにより反応のエステル化が促 進され、競合する逆反応を低く押さえた。実施例14 本実施例は、α−ヒドロキシイソ酪酸の環状ジエステルの製造を示す。 10重量%のアニソールと90重量%のキシレンの有機溶媒200mL中に、市 販のα−ヒドロキシイソ酪酸原料を溶解した。得られた混合物は約5重量%のα −ヒドロキシ酪酸原料を有し、残りは溶媒であった。α−ヒドロキシイソ酪酸に 対して約0.2重量%〜約2.0重量%の硫酸をこの混合物に加えた。混合物を 加熱して沸騰させ、蒸気からの水分をディーン−スタークトラップに集めながら 、蒸気を還流させた。この数時間の還流後、混合物から取った試料を高速液体ク ロマトグラフィー(HPLC)により分析した。質量スペクトル検出装置付きH PLCは、試料中にα−ヒドロキシイソ酪酸の環状ジエステルの存在を示した。実施例15 本実施例は、α−ヒドロキシイソ吉草酸の環状ジエステルの製造を示す。 キシレン200mLに溶解した約5重量%の市販のα−ヒドロキシイソ吉草酸を 含有する混合物を、実施例1に記載したように調製した。この混合物に少量の硫 酸(α−ヒドロキシイソ吉草酸に対して約0.2重量%〜約2重量%)を加えた 。混合物を加熱して沸騰させ、蒸気からの水分を実施例14に記載のようにディ ーン−スタークトラップに集めながら、蒸気を還流させた。この数時間の還流後 、混合物から取った試料は、質量スペクトル検出装置付きHPLCにより、α− ヒドロキシイソ吉草酸の環状ジエステルの存在を示した。実施例16〜18 実施例15の方法にしたがって、キシレン中でα−ヒドロキシカプロン酸、α −ヒドロキシイソカプロン酸及びα−ヒドロキシオクタン酸の環状ジエステルを 調製した。各試験の原料として、市販のα−ヒドロキシカルボン酸を使用した。 質量スペクトル検出装置付きHPLCによる分析は、環状ジエステルが製造され たことを示した。実施例19 本実施例は、α−ヒドロキシオクタン酸の環状ジエステルの製造と精製を示す 。加熱マントル、ポット温度計、磁気攪拌子、ディーンスタークトラップ、還流 冷却器及びゴムの隔壁を取り付けた三つ口フラスコに、α−ヒドロキシオクタン 酸約5g、トルエン95mL及びダウエックス−50(Dowex-50)(登録商標)触 媒(ダウケミカル(Dow Chemical)より市販されている)0.22gを加えた。 混合物を加熱還流し(約116℃)、48時間かけて種々の時間間隔で一定量の アリコートを採取した。このアリコートをジアゾメタンで誘導体化した。ガスク ロマトグラフィー/質量スペクトルは、還流の1、29及び48時間目に採取し た試料中にα−ヒドロキシオクタン酸の環状ジエステルの存在を示した。 内径約2.54cm(1インチ)のクロマトグラフィーカラム中に入れたイオン 交換樹脂約200〜約300mLからのイオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース 社(Rohm & Haas)から入手できるアンバーリスト(Amberlyst)(登録商標) A−21)を用いて、原料α−ヒドロキシオクタン酸から、実験の最後に反応混 合物中に残存している環状ジエステルを単離した。1:1(容量)のトルエン/ アセトン溶液を調製し、樹脂からの流出液が中性になるまでイオン交換樹脂を処 理するのに使用した。次に反応混合物の試料をアセトンで1:1希釈(容量)し 、希釈した反応混合物を樹脂に通して溶離液を回収した。溶離液を分析すると、 これは主にα−ヒドロキシオクタン酸の環状ジエステルよりなることを示してい た。溶離液中の環状エステルの量に基づき、単離した環状エステルの収率は約1 5%であった。実施例20 本実施例は、メシチレン(1,3,5−トリメチルベンゼン)溶媒を用いるα −ヒドロキシオクタン酸の環状エステルの製造を示す。それそれ20%、10% 及び5%(重量/容量)のメシチレン中のα−ヒドロキシオクタン酸濃度を用い て、3つの実験を行なった。実施例19の方法にしたがって反応混合物を5.5 時間加熱還流した。各反応の過程で定期的にアリコートを採取し、試料を誘導体 化し、ガスクロマトグラフィーで分析した。20%溶液が環状エステルの最大収 率を与え、還流約2.5〜3.5時間で収率約25〜30%にピークがあった。 10%溶液の収率は、還流約3.5時間で約25%でピークに達した。5%溶液 の収率は、5.5時間後に約15%であった。 本発明の種々の実施態様を詳細に記載したが、これらの実施態様の変更や応用 が当業者には可能であることは明らかである。しかし、そのような変更や応用は 、以下の請求の範囲に示す本発明の範囲内にあることを、明白に理解すべきであ る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD),AM,AT, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR, LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI ,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 エバンコ、ウイリアム エー. アメリカ合衆国 80401 コロラド州 ゴ ールデン アレン ストリート 301 (72)発明者 シリング、ケビン エイチ. アメリカ合衆国 80005 コロラド州 ア ーバダ ウエスト セブンティナインス プレイス 13011 (72)発明者 メイサー、マンフレッド アメリカ合衆国 80003 コロラド州 ア ーバダ ウエスト セブンティサード プ レイス 7494 (72)発明者 アラン、アンソニー イー. アメリカ合衆国 80203 コロラド州 デ ンバー イースト フィフス アベニュー 718 (72)発明者 ヒルマン、メルビル イー.ディー. アメリカ合衆国 43026 オハイオ州 ヒ リアード ダービーシャイアー ドライブ 3317 (72)発明者 クレミーンズ、ジョージ イー. アメリカ合衆国 43125 オハイオ州 グ ローブポート ビクシバイ ロード 5036 (72)発明者 リピンスキー、エドワード エス. アメリカ合衆国 43085 オハイオ州 ワ ージントン ベルブルック プレイス 6481 (72)発明者 チョン、アレックス アメリカ合衆国 80526 コロラド州 フ ォート コリンズ ロス ドライブ 3024 アパートメント ディー28

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)XA含有水溶液を、抽出溶媒に接触させて、抽出溶媒、XA及び水 からなる第1相とラフィネートからなる第2相を生成させ; (b)第1相を、沸点が抽出溶媒の沸点よりも高く水の沸点よりも高い製造 溶媒に接触させて、反応組成物を生成させ; (c)反応組成物から抽出溶媒を選択的に除去し; (d)反応組成物から水を選択的に除去して、環状エステルを生成させ(こ こで、供給原料ストリームから生成するX5A及び高分子オリゴマーの濃度は、 反応組成物の約20重量%末満である); (e)反応組成物のための回収溶媒を提供し; (f)液−液平衡分離により該環状エステルと回収溶媒をX1AとX1Aのオ リゴマーから分離し;そして (g)環状エステルを該回収溶媒から回収する、 ことを含む、環状エステルを製造する方法。 2.水を除去する工程が、水を選択的に蒸発させることからなる、請求項1に 記載の方法。 3.XAがLAである、請求項1に記載の方法。 4.前記方法が連続的である、請求項1に記載の方法。 5.抽出溶媒が、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル 、塩化メチレン、塩化エチレン、MEK、イソプロピルエーテル、MIBK及び これらの混合物からなる群より選択される溶媒からなる、請求項1に記載の方法 。 6.製造溶媒が、トルエン、キシレン、アニソール、フェネトール、4−メチ ルアニソール、1,3−ジメトキシベンゼン、メシチレン及びこれらの混合物か らなる群より選択される溶媒からなる、請求項1に記載の方法。 7.回収溶媒が、キシレン、トルエン、ベンゼン、MIBK、イソプロピルエ ーテル及びこれらの混合物からなる群より選択される溶媒からなる、請求項1に 記載の方法。 8.回収の工程が、環状エステルを結晶化させることからなる、請求項1に記 載の方法。 9.環状エステルの生産率が、少なくとも約25%である、請求項1に記載の 方法。 10.工程(c)の除去された抽出溶媒が、工程(a)に再循環される、請求 項1に記載の方法。 11.工程(f)の分離されたX1AとX1Aのオリゴマーが、工程(a)のX A含有水溶液に再循環される、請求項1に記載の方法。 12.工程(g)の回収溶媒が、工程(e)に再循環される、請求項1に記載 の方法。 13.環状エステルを製造する方法において、 (a)溶媒中のXAを含む供給原料ストリームを提供し;そして (b)供給原料ストリームから水を除去して、環状エステルを生成させる(こ こで、供給原料ストリームから生成されるX5A及び高分子オリゴマーは、上記 方法の間反応混合物の約20重量%未満である)、 ことを含む、環状エステルを製造する方法。 14.環状エステル生成の選択率が、少なくとも約30%である、請求項13 に記載の方法。 15.前記方法での生産率が、少なくとも約25%である、請求項13に記載 の方法。 16.水を除去する工程が、供給原料ストリーム中の水濃度を約2重量%未満 に維持することを含む、請求項13に記載の方法。 17.水を除去する工程が、水を選択的に蒸発させることを含む、請求項13 に記載の方法。 18.XAが、X1Aからなり、かつX1Aが、乳酸、グリコール酸、酒石酸、 マンデル酸、リンゴ酸、ベンジル酸、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキサンカル ボン酸、2−ヒドロキシ−2−(2−テトラヒドロフラニル)エタン酸、2−ヒ ドロキシ−2−(2−フラニル)エタン酸、2−ヒドロキシ−2−フェニルプロ ピオン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸、2−ヒドロキシ−2−メ チルブタン酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、及びこれ らの混合物からなる群の、酸、エステル、塩又はアミドより選択される、請求項 13に記載の方法。 19.環状エステルが、D−ラクチド、L−ラクチド、メソ−ラクチド、D, L−ラクチド、及びこれらの混合物からなる、請求項13に記載の方法。 20.供給原料ストリーム中のXAの濃度が、少なくとも約5重量%である、 請求項13に記載の方法。 21.溶媒が、混合溶媒からなる、請求項13に記載の方法。 22.供給原料ストリームが、更にエステル化触媒を含む、請求項13に記載 の方法。 23.前記方法が、連続的である、請求項13に記載の方法。 24.(a)X1A当量として表される全ての潜在的に反応性の種に対するX1 Aの割合が、少なくとも約80%である、XAの供給原料ストリームを提供し; (b)X1A当量として表される全ての潜在的に反応性の種に対するX2Aの 割合が、少なくとも約35%になるまで、供給原料ストリームをエステル化条件 下で反応させ; (c)X2Aの濃度が、X2Aの溶解度の限界未満になるまで、供給原料スト リームを希釈し;そして (d)濃度を低下させた供給原料ストリームを、エステル化条件下で反応さ せて環状エステルを生成させる、 ことを含む、請求項13に記載の方法。 25.更に環状エステルを回収することからなる、請求項13に記載の方法。 26.前記方法の変換率が、少なくとも約30%である、請求項13に記載の 方法。 27.反応温度が、約110℃を超える、請求項13に記載の方法。 28.XAが、製造溶媒の沸点付近の温度で大気圧で、製造溶媒に少なくとも 約5%の溶解度を有する、請求項13に記載の方法。 29.製造溶媒が、硅素系溶媒、芳香族溶媒、脂肪族溶媒、エーテル、ケトン 、及びハロゲン化溶媒からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。 30.製造溶媒が、トルエン、キシレン、アニソール、フェネトール、4−メ チルアニソール、1,3−ジメトキシベンゼン、メシチレン及びこれらの混合物 からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。 31.回収のプロセスが、 (a)環状エステルは、環状エステル、X1A、及びX1Aのオリゴマーを含む 混合物中にあり、回収溶媒は、製造溶媒及び製造溶媒から極性の低い溶媒からな る群より選択される、製造された環状エステルのための回収溶媒を提供し; (b)液−液平衡分離により、少なくとも一部の環状エステルと回収溶媒をX1 AとX1Aのオリゴマーから分離し;そして (c)回収溶媒から環状エステルを回収する、 ことからなる、請求項25に記載の方法。 32.混合溶媒が、製造溶媒の沸点付近の温度で約2%〜約30%のX1Aの 溶解度を有する第1の溶媒と、製造溶媒の沸点付近の温度で約30%以上のX1 Aの溶解度を有する第2の溶媒を含む、請求項21に記載の方法。 33.(a)第1相が第1の溶媒中に環状エステルを含み、第2相が第2の溶 媒中にX1AとX1Aのオリゴマーを含むように、環状エステルの製造後、混合溶 媒を相分離させ;そして (b)環状エステルを第1相から回収する、 ことをさらに含む、請求項25に記載の方法。 34.供給原料ストリームを提供する工程が、 (a)XA含有水溶液を、抽出溶媒に接触させて、抽出溶媒、XA及び水を含 む第1相と、ラフィネート水溶液を含む第2相を生成させ;そして (b)第1相を、沸点が抽出溶媒の沸点よりも高く水の沸点よりも高い製造溶 媒に接触させて、反応組成物を生成させる、 ことを含む、請求項13に記載の方法。 35.環状エステル製造に使用することができるXA含有供給原料ストリーム を製造するプロセスであって、 (a)XAの水に対する分配係数が少なくとも約0.2である第1の溶媒でX A含有水溶液からXAを抽出して、第1の溶媒とXAを含む第1相とラフィネー トを含む第2相を生成させ;そして (b)第1相を、沸点が第1の溶媒の沸点よりも高く水の沸点よりも高い第2 の溶媒に接触させて、XA含有供給原料ストリームを生成させる、 ことを特徴とする方法。 36.第1の溶媒と水を供給原料ストリームから選択的に除去することを更に 含む、請求項35に記載のプロセス。 37.除去された第1の溶媒が、請求項35の工程(a)に再循環される、請 求項36に記載のプロセス。 38.XA含有供給原料ストリームに触媒を添加し、水を除去して、XAから 環状エステルを生成させることを更に含む、請求項35に記載のプロセス。 39.環状エステルと第2の溶媒を分離することを更に含む、請求項38に記 載のプロセス。 40.分離された第2の溶媒を請求項35の工程(b)に再循環することを更 に含む、請求項39に記載のプロセス。 41.XA含有水溶液ストリームが、約50重量/体積%未満のXAを含む、 請求項35に記載のプロセス。 42.第1の溶媒が、本質的に水不溶性である、請求項35に記載のプロセス 。 43.第2相が第1の溶媒の一部を更に含むように、第1の溶媒は水に部分的 に可溶性である、請求項35に記載のプロセス。 44.(a)第1の溶媒の一部を第2相から第2の溶媒で抽出して、第1及び 第2の溶媒を含む抽出された溶液を生成させ;そして (b)第1相と抽出された溶液を合わせて、XA含有供給原料ストリームを生 成させる、 ことを更に含む、請求項43に記載のプロセス。 45.XA含有水溶液を、第1の溶媒と第2の溶媒に同時に接触させる、請求 項35に記載のプロセス。 46.第1の溶媒が、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブ チル、塩化メチレン、塩化エチレン、MEK、イソプロピルエーテル、MIBK 及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項35に記載の方法。 47.第1の溶媒が、水に対する第1の溶媒のXAの分配係数を上昇させるこ とができる、第2の溶媒の沸点よりも低い沸点を有するトリアルキルアミンを更 に含む、請求項35に記載のプロセス。 48.第2の溶媒が、環状エステル製造溶媒を含む、請求項35に記載のプロ セス。 49.環状エステル製造に使用することができるXA含有供給原料ストリーム を製造するためのプロセスであって、 (a)XAの水に対する分配係数が少なくとも約0.2である環状エステル製 造溶媒でXA含有水溶液からXAを抽出して、製造溶媒とXAを含む第1相とラ フィネートを含む第2相を生成させる、 ことを特徴とするプロセス。 50.溶媒が、水に対する溶媒のXAの分配係数を上昇させることができる、 第2の溶媒の沸点よりも低い沸点を有するトリアルキルアミンを更に含む、請求 項49に記載の方法。 51.前記方法が、バッチ及び供給−バッチプロセスからなる群より選択され る、請求項13に記載の方法。 52.環状エステルを製造する方法において、 (a)溶媒中のXAを含む供給原料ストリームを連続的に提供し;そして (b)供給原料ストリームから水を連続的に除去して、環状エステルを生成さ せる(ここで、このプロセス中に供給原料ストリームから生成するX5A及び高 分子オリゴマーの濃度は、反応混合物の約20重量%未満である)、 ことを特徴とする、環状エステルを製造する方法。 53.前記方法が、少なくとも第1及び第2の反応容器中で逐次行われる、請 求項52に記載の方法。 54.第1の反応容器が、水ストリッピングカラムである、請求項53に記載 の方法。 55.第1の反応容器から出た後の供給原料ストリーム中の水の濃度が、約1 2重量%未満である、請求項54に記載の方法。 56.第2の反応容器が、連続撹拌タンク反応槽である、請求項53に記載の 方法。 57.前記方法が、反応性蒸留塔で行われる、請求項52に記載の方法。 58.前記方法が、溶媒還流を形成することを更に含む、請求項57に記載の 方法。 59.供給原料ストリームを提供する工程が、供給原料ストリームをカラムの 塔頂部からカラムに導入し、水の濃度が約12重量%未満であるカラムの部位又 はその下方から触媒をカラムに導入することを更に含む、請求項58に記載の方 法。 60.環状エステル、X1A、及びX1Aのオリゴマーを含む環状エステル製造 混合物中からの環状エステルを回収するためのプロセスであって、 (a)環状エステル製造混合物のための回収溶媒を提供し; (b)液−液平衡分離により、少なくとも一部の環状エステルと回収溶媒をX1 AとX1Aのオリゴマーから分離し;そして (c)環状エステルと回収溶媒から環状エステルを回収する、 ことを特徴とするプロセス。 61.環状エステルが、室温付近で1気圧で少なくとも約1の回収溶媒へのX1 Aに対する分離係数を有する、請求項60に記載のプロセス。 62.回収溶媒が、キシレン、トルエン、ベンゼン、MIBK、イソプロピル エーテル及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項60に記載のプ ロセス。 63.回収の工程の前に回収溶媒を除去することを更に含む、請求項60に記 載のプロセス。 64.X1Aが乳酸を含み、かつ環状エステルがラクチドを含む、請求項60 に記載のプロセス。 65.環状エステルが、回収溶媒を含む溶液中で製造された、請求項60に記 載のプロセス。 66.環状エステルが、回収溶媒と回収溶媒よりも極性が高い溶媒の混合物を 含む溶液中で製造された、請求項60に記載のプロセス。 67.環状エステル、X1A、X1Aのオリゴマー及び溶媒を含む環状エステル 混合物中からの環状エステルの精製のためのプロセスであって、 (a)環状エステル混合物から少なくとも一部のX1Aと溶媒を選択的に蒸留 して、環状エステルとX1Aのオリゴマーの混合物を生成させ; (b)環状エステルとX1Aのオリゴマーの混合物から少なくとも一部の環状 エステルを選択的に蒸留し; (c)蒸留した環状エステルを回収する、 こと特徴とするプロセス。 68.蒸留の少なくとも1つの工程が、大気圧未満の圧力下で行われる、請求 項67に記載のプロセス。 69.蒸留した環状エステルが、環状エステルの第1及び第2の異性体種を含 み、かつ回収の工程が、 (a)環状エステルの第1の異性体種を選択的に結晶化させ; (b)環状エステルの結晶化した第1の異性体種を回収し; (c)環状エステルの第2の異性体種を結晶化させ;そして (d)環状エステルの結晶化した第2の異性体種を回収する、 ことを含む、請求項67に記載のプロセス。 70.環状エステルの第1及び第2の異性体種、X1A及びX1Aのオリゴマー を含む環状エステル混合物からの環状エステルの精製のためのプロセスであって 、 (a)環状エステルの第1の異性体種を選択的に結晶化させ; (b)環状エステルの結晶化した第1の異性体種を回収し; (c)環状エステルの第2の異性体種を結晶化させ;そして (d)環状エステルの結晶化した第2の異性体種を回収する、 ことを特徴とするプロセス。
JP7510327A 1993-09-29 1994-09-13 環状エステルの製造方法 Pending JPH09502997A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/128,797 US5420304A (en) 1992-03-19 1993-09-29 Method to produce cyclic esters
US128,797 1993-09-29
PCT/US1994/010286 WO1995009142A1 (en) 1993-09-29 1994-09-13 Method to produce cyclic esters

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09502997A true JPH09502997A (ja) 1997-03-25

Family

ID=22437018

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7510327A Pending JPH09502997A (ja) 1993-09-29 1994-09-13 環状エステルの製造方法

Country Status (15)

Country Link
US (2) US5420304A (ja)
EP (1) EP0722433B1 (ja)
JP (1) JPH09502997A (ja)
CN (1) CN1136309A (ja)
AT (1) ATE189204T1 (ja)
AU (1) AU7726794A (ja)
BR (1) BR9407655A (ja)
CA (1) CA2172798A1 (ja)
DE (1) DE69422819D1 (ja)
FI (1) FI961402A0 (ja)
MY (1) MY113939A (ja)
PH (1) PH30804A (ja)
TW (1) TW321646B (ja)
WO (1) WO1995009142A1 (ja)
ZA (2) ZA947211B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008239601A (ja) * 2007-02-26 2008-10-09 Sumitomo Chemical Co Ltd ラクチド化合物の製造方法
JP2018507846A (ja) * 2015-02-13 2018-03-22 ピュラック バイオケム ビー. ブイ. ラクチドの製造法
JP2019529532A (ja) * 2016-09-07 2019-10-17 南京大学Nanjing University グリコリドの合成方法

Families Citing this family (52)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0669151B1 (en) * 1994-02-24 2003-03-26 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method for extracting organic substance, solvent for use in said method, and method for measuring content of organic substance
US5856567A (en) * 1995-06-07 1999-01-05 Novus International, Inc. Continuous hydrolysis process for preparing 2-hydroxy-4-methylthiobutanioc acid or salts thereof
AU724680B2 (en) 1995-06-07 2000-09-28 Novus International Inc Continuous hydrolysis process for preparing 2-hydroxy-4- methylthiobutanoic acid or salts thereof
US5830991A (en) * 1996-02-09 1998-11-03 Kureha Kagaku Kagyo Kk Preparation process and purification process of dimeric cyclic ester of hydroxycarboxylic acid
US6475759B1 (en) * 1997-10-14 2002-11-05 Cargill, Inc. Low PH lactic acid fermentation
US6229046B1 (en) * 1997-10-14 2001-05-08 Cargill, Incorported Lactic acid processing methods arrangements and products
US6313319B1 (en) 1998-09-25 2001-11-06 Shimadzu Corporation Method for purifying lactide and lactide for food additives
CN1227364C (zh) * 1999-03-11 2005-11-16 齐凯姆公司 一种生产乙醇的方法
US7074603B2 (en) * 1999-03-11 2006-07-11 Zeachem, Inc. Process for producing ethanol from corn dry milling
IL132289A (en) * 1999-10-08 2003-12-10 Staley Mfg Co A E Process for conversion of an extracted carboxylic acid to a non-ionized product
NL1013682C2 (nl) * 1999-11-26 2001-05-30 Purac Biochem Bv Werkwijze en inrichting voor het zuiveren van een waterige oplossing van melkzuur.
FR2802923B1 (fr) * 1999-12-28 2002-03-08 Roquette Freres Procede de preparation d'une composition d'ester d'acide lactique et son utilisation en tant que solvant
US6509179B1 (en) 2000-10-12 2003-01-21 Barbara I. Veldhuis-Stribos Continuous process for preparing lactic acid
US6984293B2 (en) * 2001-03-15 2006-01-10 Tate & Lyle Ingredients Azeotropic distillation of cyclic esters of hydroxy organic acids
US6916959B2 (en) * 2001-05-11 2005-07-12 Nippon Shokubai Co., Ltd. Halogen-containing aromatic compound
EP1300387A1 (de) * 2001-10-05 2003-04-09 Haltermann GmbH Verfahren zum Herstellen von Estern einer Hydroxysäure
US7534597B2 (en) 2002-05-30 2009-05-19 Cargill, Inc. Methods and materials for the production of L-lactic acid in yeast
PL2338895T3 (pl) 2003-05-02 2013-11-29 Cargill Inc Genetycznie modyfikowane gatunki drożdży i sposoby fermentacji z użyciem genetycznie modyfikowanych drożdży
BRPI0506554A (pt) * 2004-01-29 2007-02-27 Zeachem Inc recuperação de ácidos orgánicos
US7652167B2 (en) * 2004-07-19 2010-01-26 Board Of Trustees Of Michigan State University Process for production of organic acid esters
WO2006124899A2 (en) * 2005-05-13 2006-11-23 Cargill, Incorporated Production of derivatives of lactide, production of lactides, and use of lactide in foods and to produce polymers
KR20080028902A (ko) 2005-06-02 2008-04-02 카아길, 인코포레이팃드 이싸첸키아 오리엔탈리스에 속하는 종 및 그와 밀접한관련이 있는 종의 유전자 변형된 효모 및 이를 이용한 발효방법
CA2631036A1 (en) 2005-11-23 2007-10-18 Natureworks Llc Lactic acid-producing yeast cells having nonfunctional l-or d-lactate: ferricytochrome c oxidoreductase gene
CN100545159C (zh) * 2005-12-19 2009-09-30 奇美实业股份有限公司 α-羟基有机酸环酯类化合物的制造方法
EP2001992B1 (en) 2006-03-13 2016-07-20 Cargill Inc. Yeast cells having disrupted pathway from dihydroxyacetone phosphate to glycerol
US8859245B2 (en) * 2006-03-29 2014-10-14 Bio-Energy Corporation Method for separation of lactic acid component from lactic acid fermentation liquor, and separation apparatus
DE102006055427A1 (de) * 2006-11-22 2008-05-29 Evonik Röhm Gmbh Verfahren zur Herstellung von Tetramethylglycolid
AU2008212826A1 (en) * 2007-02-09 2008-08-14 Zeachem Inc. Energy efficient methods to produce products
EP2133346A1 (fr) * 2008-06-12 2009-12-16 Ktanton Ltd Procédé pour la fabrication d'un diester cyclique d'un acide alpha-hydroxylé
KR101154029B1 (ko) 2009-05-20 2012-06-07 한국화학연구원 젖산에스테르로부터 락타이드의 직접 전환용 촉매 및 이를 이용한 락타이드의 제조방법
EP2407463A1 (en) 2010-07-14 2012-01-18 Solvay SA Process for the manufacture of a cyclic diester of an apha-hydroxyacid
EP2806038B1 (en) 2010-10-28 2018-07-25 Total Research & Technology Feluy Use of Monascus in organic acid production
BR112013012630B1 (pt) 2010-11-22 2021-09-08 Novozymes, Inc. Célula de levedura geneticamente modificada, e, método para produzir 3-hp
WO2012103261A2 (en) 2011-01-25 2012-08-02 Finley Kenneth R Compositions and methods for succinate production
US9011832B2 (en) 2012-02-09 2015-04-21 Novus International, Inc. Heteroatom containing cyclic dimers
MX2015000395A (es) 2012-07-12 2015-04-10 Novus Int Inc Composiciones de matriz y capa para proteccion de bioactivos.
WO2014018757A1 (en) 2012-07-25 2014-01-30 Cargill Incorporated Yeast cells having reductive tca pathway from pyruvate to succinate and overexpressing an exogenous nad(p)+ transhydrogenase enzyme
EP2725019B1 (de) * 2012-10-26 2015-04-08 Uhde Inventa-Fischer GmbH Verfahren zur Herstellung cyclischer Diester, insbesondere Dilactid
JP2015536669A (ja) 2012-11-30 2015-12-24 ノボザイムス,インコーポレイティド 組換え酵母による3−ヒドロキシプロピオン酸の生産
BR112016001778A2 (pt) 2013-07-31 2017-09-05 Novozymes As Célula transgênica de levedura, composição, e, métodos de produção de 3-hp e de produção de ácido acrílico ou um sal do mesmo
WO2016100910A1 (en) 2014-12-19 2016-06-23 Novozymes A/S Recombinant host cells for the production of 3-hydroxypropionic acid
WO2016138303A1 (en) 2015-02-27 2016-09-01 Novozymes A/S Mutant host cells for the production of 3-hydroxypropionic acid
US20180265902A1 (en) 2015-08-24 2018-09-20 Novozymes A/S Beta-Alanine Aminotransferases For The Production of 3-Hydroxypropionic Acid
KR102547252B1 (ko) * 2016-01-08 2023-06-23 에스케이이노베이션 주식회사 유기물질 기상탈수반응 원료의 제조방법
CN106554342A (zh) * 2016-10-26 2017-04-05 中国地质大学(武汉) 3,6‑二氯甲基乙交酯及其制备方法和用途
EP3623378A4 (en) 2017-05-12 2021-03-03 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha METHOD OF MAKING A CYCLIC ORGANIC COMPOUND
US10584306B2 (en) 2017-08-11 2020-03-10 Board Of Regents Of The University Of Oklahoma Surfactant microemulsions
CN112574165B (zh) * 2020-12-30 2022-01-07 安徽丰原生物技术股份有限公司 一步转化生成丙交酯的方法
CN113387921B (zh) * 2021-06-18 2022-08-19 华东理工大学 一种合成乙交酯的方法
EP4134365A1 (en) * 2021-08-12 2023-02-15 Sulzer Management AG A plant and an efficient process for producing lactide from lactic acid
CN115028615B (zh) * 2022-07-27 2024-01-09 万华化学(四川)有限公司 一种l,l-丙交酯及其制备方法和应用
CN115417851A (zh) * 2022-08-30 2022-12-02 中国科学院长春应用化学研究所 一种乳酸直接制备丙交酯的方法

Family Cites Families (57)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA863673A (en) * 1971-02-16 K. Schneider Allan Absorbable suture
DE221786C (ja) *
DE53074C (de) * Frau A. LA GUAYRA MAYO in Great Falls, Cty Cascade, und W. HUDNALL in Helena, Cty Lewisand Clark, V. St. A Verstellbare Säumvorrichtung für Nähmaschinen
DE267826C (de) * 1912-12-28 1913-12-02 Chemische Werke Verfahren zur Darstellung von lactid
US1095205A (en) * 1913-05-15 1914-05-05 Chemische Werke Vorm Dr Heinrich Byk Manufacture of lactid.
US1594843A (en) * 1921-08-19 1926-08-03 Du Pont Purification of lactic acid
US1906068A (en) * 1931-03-02 1933-04-25 Grasselli Chemical Co Lactic acid
US1995970A (en) * 1931-04-04 1935-03-26 Du Pont Polymeric lactide resin
US2163268A (en) * 1933-12-12 1939-06-20 Du Pont Method for making cyclic esters
US2174491A (en) * 1938-06-28 1939-09-26 Paul D Watson Method of making lactic acid resinous products
US2189572A (en) * 1938-09-01 1940-02-06 Paul D Watson Process for fractionating resinous products
US2703316A (en) * 1951-06-05 1955-03-01 Du Pont Polymers of high melting lactide
US2668162A (en) * 1952-03-20 1954-02-02 Du Pont Preparation of high molecular weight polyhydroxyacetic ester
US2758987A (en) * 1952-06-05 1956-08-14 Du Pont Optically active homopolymers containing but one antipodal species of an alpha-monohydroxy monocarboxylic acid
US2768973A (en) * 1954-11-30 1956-10-30 Du Pont Preparation of glycolaldehyde by hydrolysis of 4-chloro-2-oxodioxolane
US3322791A (en) * 1963-09-26 1967-05-30 Ethicon Inc Preparation of optically active lactides
DE1194142B (de) * 1963-11-19 1965-06-03 Bayer Ag Verfahren zum UV-Stabilisieren von Polycarbonaten
US3371112A (en) * 1964-12-18 1968-02-27 Allied Chem Purification of crude malic acid liquors
NL6516979A (ja) * 1964-12-28 1966-06-29
DD53074A1 (de) * 1965-12-18 1967-01-05 Verfahren zur Herstellung cyclischer Esteranhydride von alpha-Hydroxycarbonsäuren
US3457280A (en) * 1967-06-12 1969-07-22 American Cyanamid Co Alpha-glycolide and methods for the isolation thereof
US3435008A (en) * 1967-08-22 1969-03-25 American Cyanamid Co Method for preparation of isomerically pure beta-glycolide and polymerization method for glycolide compositions employing partial hydrolyzate of said beta-glycolide
US3597450A (en) * 1969-11-05 1971-08-03 American Cyanamid Co Preparation of glycolide polymerizable into polyglycolic acid of consistently high molecular weight
US3867190A (en) * 1971-10-18 1975-02-18 American Cyanamid Co Reducing capillarity of polyglycolic acid sutures
US3736646A (en) * 1971-10-18 1973-06-05 American Cyanamid Co Method of attaching surgical needles to multifilament polyglycolic acid absorbable sutures
US3960152A (en) * 1974-01-21 1976-06-01 American Cyanamid Company Surgical sutures of unsymmetrically substituted 1,4-dioxane-2,5-diones
US4033938A (en) * 1974-01-21 1977-07-05 American Cyanamid Company Polymers of unsymmetrically substituted 1,4-dioxane-2,5-diones
US4045418A (en) * 1975-01-28 1977-08-30 Gulf Oil Corporation Copolymers of D,L-lactide and epsilon caprolactone
US4070375A (en) * 1976-08-05 1978-01-24 Chevron Research Company Process for preparing 1,4-dioxan-2-ones
US4435595A (en) * 1982-04-26 1984-03-06 Eastman Kodak Company Reactive distillation process for the production of methyl acetate
FR2583413B1 (fr) * 1985-06-14 1987-11-20 Rhone Poulenc Spec Chim Procede de preparation de trifluoroacetate de methyle.
US4727163A (en) * 1985-07-11 1988-02-23 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for preparing highly pure cyclic esters
US4650851A (en) * 1986-03-19 1987-03-17 Pfizer Hospital Products Group, Inc. Purification of glycolide
US4771001A (en) * 1986-03-27 1988-09-13 Neurex Corp. Production of lactic acid by continuous fermentation using an inexpensive raw material and a simplified method of lactic acid purification
DE3708915C2 (de) * 1987-03-19 1996-04-04 Boehringer Ingelheim Kg Verfahren zur Herstellung von Lactid
DE3632103A1 (de) * 1986-09-20 1988-03-24 Boehringer Ingelheim Kg Verfahren zur herstellung von lactid
EP0261572A1 (de) * 1986-09-20 1988-03-30 Boehringer Ingelheim Kg Verfahren zur Herstellung von Lactid
EP0264926B1 (de) * 1986-10-24 1992-04-08 Boehringer Ingelheim Kg Verfahren zur Herstellung und Reinigung thermolabiler Verbindungen
ATE79386T1 (de) * 1986-12-19 1992-08-15 Akzo Nv Herstellung von polymilchsaeure und copolymeren daraus.
US4835293A (en) * 1987-02-24 1989-05-30 E. I. Du Pont De Nemours And Company Atmospheric pressure process for preparing pure cyclic esters
NL8702563A (nl) * 1987-10-28 1989-05-16 Cca Biochem B V Polymeer lactide, werkwijze voor het bereiden van een dergelijk polymeer lactide, alsmede een samenstelling, die een dergelijk polymeer lactide bevat.
EP0339882A1 (en) * 1988-04-27 1989-11-02 MITSUI TOATSU CHEMICALS, Inc. Process for the production of lactide
US5319107A (en) * 1990-09-18 1994-06-07 Biopak Technology, Ltd. Method to produce cyclic esters
US5274127A (en) * 1990-09-18 1993-12-28 Biopak Technology, Ltd. Lactide production from dehydration of aqueous lactic acid feed
US5068418A (en) * 1989-05-08 1991-11-26 Uop Separation of lactic acid from fermentation broth with an anionic polymeric absorbent
US4939294A (en) * 1989-05-22 1990-07-03 Eastman Kodak Company Preparation of ultra high purity methyl acetate
US5075115A (en) * 1990-04-02 1991-12-24 Fmc Corporation Process for polymerizing poly(lactic acid)
US5091544A (en) * 1990-05-08 1992-02-25 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for rapid conversion of oligomers to cyclic esters
US5023349A (en) * 1990-05-08 1991-06-11 E. I. Du Pont De Nemours And Company Continuous process for rapid conversion of oligomers to cyclic esters
DE69127284D1 (de) * 1990-05-03 1997-09-18 Du Pont Verfahren zur schnellen herstellung cyclischer ester
US5043458A (en) * 1990-05-03 1991-08-27 E. I. Du Pont De Nemours And Company One-step continuous process for preparing cyclic esters
US5023350A (en) * 1990-05-24 1991-06-11 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for the purification of cyclic esters
US5138074A (en) * 1990-06-28 1992-08-11 E. I. Du Pont De Nemours And Company Continuous catalyzed vapor phase dimeric cyclic ester process
US5089632A (en) * 1991-01-30 1992-02-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for preparing cyclic esters using a fluorocarbon
US5236560A (en) * 1992-03-13 1993-08-17 E. I. Du Pont De Nemours And Company Solventless dimeric cyclic ester distillation process
US5264592A (en) * 1992-09-08 1993-11-23 Camelot Technologies Inc. Lactide melt recrystallization
US5310599A (en) * 1993-05-06 1994-05-10 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method for making polymers of alpha-hydroxy acids

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008239601A (ja) * 2007-02-26 2008-10-09 Sumitomo Chemical Co Ltd ラクチド化合物の製造方法
JP2018507846A (ja) * 2015-02-13 2018-03-22 ピュラック バイオケム ビー. ブイ. ラクチドの製造法
JP2019529532A (ja) * 2016-09-07 2019-10-17 南京大学Nanjing University グリコリドの合成方法

Also Published As

Publication number Publication date
MY113939A (en) 2002-06-29
US5420304A (en) 1995-05-30
ATE189204T1 (de) 2000-02-15
CA2172798A1 (en) 1995-04-06
PH30804A (en) 1997-10-17
EP0722433B1 (en) 2000-01-26
US5750732A (en) 1998-05-12
ZA947211B (en) 1996-06-18
CN1136309A (zh) 1996-11-20
BR9407655A (pt) 1997-01-28
AU7726794A (en) 1995-04-18
WO1995009142A1 (en) 1995-04-06
EP0722433A4 (ja) 1996-07-31
FI961402A (fi) 1996-03-27
FI961402A0 (fi) 1996-03-27
TW321646B (ja) 1997-12-01
EP0722433A1 (en) 1996-07-24
DE69422819D1 (de) 2000-03-02
ZA961426B (en) 1996-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09502997A (ja) 環状エステルの製造方法
EP0632807B1 (en) Process for the production of cyclic esters from hydroxy acids and derivatives thereof
EP0552226B1 (en) Lactide production from dehydration of aqueous lactic acid feed
JP3236289B2 (ja) 触媒を用いた乳酸からラクチドを直接製造する方法
JP2008120826A (ja) 環状エステルを製造かつ精製する方法
CN112513155A (zh) 受污染塑料废弃物的分解方法
CN1516611A (zh) 羟基有机酸的环酯的共沸蒸馏
CN1291964C (zh) 脱水方法
CA2975324C (en) Method for manufacturing lactide
EP1679331A1 (en) Acyloxy acetic acid polymer and method for producing same
Upare et al. Integrated production of polymer-grade lactide from aqueous lactic acid by combination of heterogeneous catalysis and solvent crystallization with ethanol
BE1011759A3 (fr) Procede de production d'esters cycliques.
JPH1192475A (ja) ラクチドの迅速な製造方法
CA2132843C (en) Process for the production of cyclic esters from hydroxy acids and derivatives therefrom
JPH10168077A (ja) ラクチドの製造方法
JPH11315076A (ja) 大環状エステルの製造法