JPH10168077A - ラクチドの製造方法 - Google Patents
ラクチドの製造方法Info
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- JPH10168077A JPH10168077A JP34659296A JP34659296A JPH10168077A JP H10168077 A JPH10168077 A JP H10168077A JP 34659296 A JP34659296 A JP 34659296A JP 34659296 A JP34659296 A JP 34659296A JP H10168077 A JPH10168077 A JP H10168077A
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Abstract
ラクチド生成物を得ることのできるラクチド製造方法を
提供する。 【解決手段】 第1工程において、触媒非存在下、原料
の乳酸プレポリマー1中に含まれる低分子成分を、フラ
ッシュ蒸発器2又は薄膜蒸発器を用いて5Torr以下
の圧力、150〜300℃の温度で留去する。蒸発させ
られた低分子成分のうち、乳酸及び/又は乳酸の低分子
オリゴマーを第1凝縮器7で凝縮させ、蒸発させられた
水を第2凝縮器8で凝縮させる。第2工程において、こ
の低分子成分が除去された乳酸プレポリマー6を、解重
合触媒存在下、解重合温度に加熱すると共に前記解重合
温度におけるラクチドの蒸気圧以下の圧力に減圧して、
ラクチドを気化させて捕集する。
Description
を解重合して乳酸の環状二量体であるラクチドを製造す
る方法に関し、より詳しくは、高いラクチド含有率を有
し且つ高光学純度のラクチド生成物を得ることのできる
ラクチド製造方法に関する。
乳酸の製造原料として特に有用なものである。
は、乳酸を例えば減圧下、加熱することにより脱水縮合
させ、比較的低分子量の乳酸プレポリマーを合成し、次
いでこの乳酸プレポリマーを触媒存在下、減圧下で加熱
して解重合することによってラクチドを生成させ、これ
を蒸気として反応系外に取り出す、いわゆる反応蒸留法
が知られている。
に、プレポリマー中に未反応の乳酸や乳酸鎖状二量体、
乳酸鎖状三量体、乳酸鎖状四量体などの低分子オリゴマ
ーが含まれる。そのため、解重合工程において、これら
の乳酸低分子成分がラクチドに転化されることなく、ラ
クチドと共に蒸気として反応系外に取り出され、ラクチ
ド留分中のラクチド含有率が低下する。
記載のラクチド製造法によれば、得られるラクチドの純
度は概して低く、精製操作が必要であった。
の方法によれば、得られる蒸留物中のラクチド含有率
は、56〜84%程度と低く、また、全ラクチド中にお
ける目的とするLL−ラクチド含量も90〜92%程度
であり、光学純度もやや低い、という問題があった。
ポリマー合成の反応時間を長くして、乳酸の低分子成分
を低減させることが考えられる。確かにこの方法は、ラ
クチド含有率の向上には有効であるが、反応時間を長く
することで反応物が長時間高温に晒されることになり、
得られるラクチドの光学純度が低下するという問題が生
じる。すなわち、例えばL−乳酸を原料としてL−乳酸
プレポリマーを合成する場合、合成工程中の長時間の加
熱によりラセミ化が起こり、乳酸プレポリマー鎖中には
D−乳酸構成単位も含まれる。その結果、プレポリマー
解重合工程において、目的とするLL−ラクチド以外
に、L−乳酸とD−乳酸の環状二量体であるメソ−ラク
チドやD−乳酸の環状二量体であるDD−ラクチドが生
成してしまい、ラクチドの光学純度が低下する。また、
D−乳酸を原料としてD−乳酸プレポリマーを合成する
場合には、目的とするDD−ラクチド以外に、メソ−ラ
クチドやLL−ラクチドが生成してしまう。このよう
に、乳酸プレポリマー合成の反応時間を長くすると、得
られるラクチドの光学純度が低下してしまう。
は、上記従来技術の問題点を解決し、高いラクチド含有
率を有し且つ高光学純度のラクチド生成物を得ることの
できるラクチド製造方法を提供することにある。
た結果、乳酸の脱水縮合により得られた乳酸プレポリマ
ーをそのまま解重合するのではなく、乳酸プレポリマー
中に含まれる低分子成分を留去しておくことによって、
高いラクチド含有率を有し且つ高光学純度のラクチド生
成物を、経済的に効率良く製造し得ることを見出だし、
本発明を完成するに至った。
は、乳酸プレポリマーを解重合してラクチドを製造する
方法であって、第1工程において、触媒非存在下、原料
の乳酸プレポリマー中に含まれる低分子成分の少なくと
も一部を留去し、第2工程において、この低分子成分の
少なくとも一部が除去された乳酸プレポリマーを、解重
合触媒存在下、解重合温度に加熱すると共に前記解重合
温度におけるラクチドの蒸気圧以下の圧力に減圧して、
ラクチドを気化させて捕集することを特徴とする。
発明における原料としての乳酸プレポリマーは、乳酸モ
ノマーを脱水縮合することによって得られる、重量平均
分子量500〜10000、好ましくは500〜500
0の重合体である。脱水縮合は、例えば、乳酸モノマー
を減圧(一般に5〜20Torr程度)下で加熱(一般
に120〜170℃)して行うことができる。また、乳
酸プレポリマーは、L−乳酸、D−乳酸、これらの混合
物のいずれの乳酸モノマーから得られたものであっても
良い。
分として、4〜7重量%程度の未反応乳酸; プレポリ
マー合成中に生成する0.1〜0.5重量%程度のラク
チド、5〜15重量%程度の乳酸鎖状二量体、5〜10
重量%程度の乳酸鎖状三量体、5〜10重量%程度の乳
酸鎖状四量体等の乳酸の低分子オリゴマー; 及び0.
1〜0.5重量%程度の水が含まれている。
料の乳酸プレポリマー中に含まれる上記低分子成分の少
なくとも一部を触媒非存在下で留去する。低分子成分の
留去は、公知のフラッシュ蒸発器又は薄膜蒸発器を用い
て行うことができる。フラッシュ蒸発器は、混合液を加
熱し一部を蒸発させ、蒸気と残液とを十分に接触させ
て、両相の組成が平衡に達した時に気液を分離する方式
のものであり、その形状は特に限定されるものではな
い。また、薄膜型蒸発器は、混合液を加熱面に沿って流
下させ、薄膜状として一部を蒸発させる方式のものであ
り、その形状は特に限定されるものではない。
薄膜蒸発器内の温度は、150〜300℃とすることが
好ましく、180〜250℃がより好ましい。150℃
よりも低温では、低分子成分の留出に時間がかかる。一
方、300℃よりも高温では、ラセミ化反応が促進さ
れ、ラクチドの光学純度の低下を招く。
は、5Torr以下とすることが好ましく、3Torr
以下がより好ましい。圧力の下限値は、真空ポンプの性
能にもよるが、0.1Torr程度である。5Torr
を超える圧力では、上記の温度範囲において、低分子成
分の留出速度が遅く、滞留時間が長くなるため、ラセミ
化反応が促進され、ラクチドの光学純度の低下を招く。
フラッシュ蒸発器又は薄膜蒸発器内の滞留時間は、通
常、30秒以下が好ましい。
れた低分子成分を、蒸発器に取り付けられた凝縮器によ
り凝縮させる。そして、低分子成分が取り除かれた乳酸
プレポリマーを蒸発器の受器に受け、次の解重合工程に
供する。
行うことができる。すなわち、蒸発器外部に凝縮器2基
を直列に配置しておき、第1凝縮器で、蒸発させられた
低分子成分のうち、乳酸及び/又は乳酸の低分子オリゴ
マーを、前記蒸発器内圧力における乳酸の凝縮点以下且
つ水の凝縮点を超える温度で凝縮させる。この温度は、
蒸発器内圧力が例えば3Torrの場合、40〜60℃
程度とすれば良い。次いで第2凝縮器で、蒸発させられ
た水を、前記蒸発器内圧力における水の凝縮点以下の温
度で凝縮させる。この温度は、蒸発器内圧力が例えば3
Torrの場合、−20〜0℃程度とすれば良い。
捕集された乳酸及び/又は乳酸の低分子オリゴマーを、
乳酸プレポリマーの合成原料として再利用することが可
能となる。
の低分子成分含量を、乳酸:5重量%程度、乳酸鎖状二
量体:3重量%程度、乳酸鎖状三量体:3重量%程度、
乳酸鎖状四量体:3重量%程度にまで減量させておくこ
とが好ましい。
D−乳酸から合成されたL−又はD−乳酸プレポリマー
を用いた場合には、ラセミ化を起こすことなく、L−又
はD−乳酸プレポリマーを回収することができる。
子成分の少なくとも一部が除去された乳酸プレポリマー
を、解重合触媒存在下、解重合温度に加熱すると共に前
記解重合温度におけるラクチドの蒸気圧以下の圧力に減
圧して、ラクチドを気化させて捕集する。
合用触媒であって、特に限定されるものではないが、通
常、周期律表IA族、 IIIA族、IVA族、IIB族、IVB
族およびVA族からなる群から選ばれる金属または金属
化合物からなる触媒である。
ルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ金属と弱
酸の塩(例えば、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭
酸ナトリウム、オクチル酸ナトリウム、ステアリン酸ナ
トリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウ
ム、オクチル酸カリウム等)、アルカリ金属のアルコキ
シド(例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等)
等を挙げることができる。
アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシ
ド、酸化アルミニウム、塩化アルミニウム等を挙げるこ
とができる。
機スズ系の触媒(例えば、乳酸スズ、酒石酸スズ、ジカ
プリル酸スズ、ジラウリル酸スズ、ジパルミチン酸ス
ズ、ジステアリン酸スズ、ジオレイン酸スズ、α−ナフ
トエ酸スズ、β−ナフトエ酸スズ、オクチル酸スズ等)
の他、粉末スズ、酸化スズ、ハロゲン化スズ等を挙げる
ことができる。
鉛末、ハロゲン化亜鉛、酸化亜鉛、有機亜鉛系化合物等
を挙げることができる。
トラプロピルチタネート等のチタン系化合物、ジルコニ
ウムイソプロポキシド等のジルコニウム系化合物等を挙
げることができる。
酸化アンチモン等のアンチモン系化合物、酸化ビスマス
(III) 等のビスマス系化合物等を挙げることができる。
らなる触媒が活性の点から好ましく、オクチル酸スズが
特に好ましい。
リマーに対して0.01〜20重量%、好ましくは0.
05〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%
程度である。
行なっても良いし、分子蒸留装置を用いて行なっても良
い。分子蒸留装置としては、ポットスチル型、流下膜
型、遠心型等が挙げられるが、連続式で広く工業的に用
いられているのは、流下膜型、遠心型装置である。遠心
型分子蒸留装置は、遠心力を利用して加熱面上に蒸発物
質の膜を広げる方式のものであり、流下膜型分子蒸留装
置は、蒸発物質を加熱面に沿って流下させ、薄膜状とす
る方式のものである。
くは180〜260℃、より好ましくは190〜250
℃に設定する。この温度が160℃未満であると、ラク
チドの留出が難しくなり、かなりの高真空度を要する。
一方、温度が300℃を超えると、ラセミ化、着色の原
因となりやすい。
おけるラクチドの蒸気圧以下の圧力であり、通常1〜5
0Torr程度である。より低圧とした方が加熱温度を
低くすることができるので好ましく、従って好ましくは
1〜20Torr、より好ましくは1〜10Torr、
さらに好ましくは1〜5Torrである。
セミ化を防ぐ観点から、できるだけ短い方が好ましく、
通常は、1時間以下とする。分子蒸留装置を用いると、
この時間を10分以下、好ましくは3分以下、より好ま
しくは1分以下にできるので好ましい。
クチドを蒸気として解重合反応系外に取り出し捕集する
ことができる。ラクチドの捕集は、解重合装置に取り付
けられた凝縮器により容易に行うことができる。
去された乳酸プレポリマーを解重合するので、乳酸単量
体や鎖状二量体等の混入が非常に少なく、高ラクチド含
有率(例えば、ラクチド留分中のラクチド含有率:85
〜95%)のラクチド留分を得ることができる。また、
本方法によれば、乳酸プレポリマー合成の反応時間を長
くする必要がないので、ラセミ化を抑えることができ、
原料として光学活性なL−又はD−乳酸から合成された
L−又はD−乳酸プレポリマーを用いた場合には、高い
光学純度のLL−又はDD−ラクチド(例えば、光学純
度:90〜98%eeのLL−ラクチド)を得ることが
できる。
度のものであるが、必要によりさらに精製した後、ポリ
乳酸への重合反応に利用することもできる。精製は、例
えば、特開平6−256340号公報「ラクチドの溶融
結晶化精製」、特開平7−118259号公報「ラクチ
ドの精製法及び重合法」等に記載の方法に従って行うこ
とができる。
説明する。実施例における各種分析は次のように行なっ
た。
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によ
り、ポリスチレン標準サンプルとの比較で求めた。 カラム:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体充填GP
Cカラム 検出波長:RI
度>HPLC(高速液体クロマトグラフィー)により求
めた。 カラム:シリカゲル充填DLアミノ酸分離用カラム 検出波長:UV 210nm
(高速液体クロマトグラフィー)により求めた。 カラム:合成ポリマー系逆相分配型ゲル充填カラム 検出波長:UV 210nm
計(容量法)により求めた。
を参照して説明する:図1において、フラッシュ蒸発器
(2) は、原料の乳酸プレポリマー滴下用のプレポリマー
タンク(1) 、攪拌翼、温度計(3) 及び圧力計(4) を備え
た容量2Lのガラス製セパラブルフラスコであり、マン
トルヒータで加熱され、真空ポンプ(5) で減圧されるよ
うにされている。また、蒸発器(2) の外部に第1凝縮器
(7) 及び第2凝縮器(8) が配設され、蒸発器(2) の底部
に受器(6) としてガラス製セパラブルフラスコが接続さ
れている。
して、重量平均分子量1700、光学純度98.5%e
e、表1に示す各低分子成分含量のL−乳酸プレポリマ
ーを用いた。
め200℃に加温融解しておき、プレポリマータンク
(1) から平均8.4g/minの速度でフラッシュ蒸発
器(2)に供給した。蒸発器(2) 内を圧力3Torr、温
度200℃に保ち、第1凝縮器(7) の温度を90℃、第
2凝縮器(8) の温度を−30℃に設定した。蒸発器(2)
において、蒸発成分と液成分とに気液分離し、蒸発成分
のうち、乳酸及び乳酸の低分子オリゴマーを第1凝縮器
(7) で凝縮させ、蒸発水を第2凝縮器(8) で凝縮させ、
一方、液成分を受器(6) に回収した。
を凝縮させ、液成分を回収するのに、31minの操作
時間を要した。留出物は13.4gであり、回収液成分
総量は245.0gであった。
及び留出物の分析結果を表1に示す。
度をほとんど低下させることなく、低分子成分含量が低
減された乳酸プレポリマーが回収されたことが分かる。
特に、乳酸単量体、乳酸鎖状二量体、乳酸鎖状三量体の
含量が低減された。これらの低減分は、留出物として得
られている。
マーの解重合を行なった。回収乳酸プレポリマー200
gを容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに仕
込み、触媒としてオクチル酸スズ1gを加え、常圧、1
60℃で1時間攪拌した。その後、5Torr、200
℃の条件下で、ラクチドを留出させ、凝縮器で捕集し
た。留出時間を2時間とし、180.9gのラクチド留
分を得た。このラクチド留分の分析結果を表2に示す。
プレポリマー200gを用い、第1工程を行なわずに、
直接第2工程を行なった。第2工程の操作は、実施例1
の第2工程と全く同様に行ない、178.4gのラクチ
ド留分を得た。このラクチド留分の分析結果を表2に示
す。
ラクチド留分の収量が多く、光学純度の低下を招くこと
なく、目的とするLL−ラクチドの含量が約8%も高
い。そして、乳酸単量体、乳酸鎖状二量体等の含量が非
常に少ない。
蒸発によって原料乳酸プレポリマーから乳酸単量体、乳
酸鎖状二量体等の低分子成分を除去しておくことは、高
いラクチド含有率を有し且つ高光学純度のラクチド生成
物を得るために、非常に有効であることが明らかであ
る。
を参照して説明する:図2において、薄膜蒸発器(12)
(2−03型WIPRENE、神鋼パンテック社製)
は、原料の乳酸プレポリマー滴下用のプレポリマータン
ク(11)、熱電対(13)及び圧力計(14)を備え、真空ポンプ
(15)で減圧されるようにされている。また、蒸発器(12)
の外部に第1凝縮器(17)及び第2凝縮器(18)が配設さ
れ、蒸発器(12)の底部に受器(16)としてガラス製セパラ
ブルフラスコが接続されている。蒸発器(12)内の加熱域
はマントルヒータで加熱されるものであり、また、ジャ
ケットとローターとの間隔を5mmに設定して、プレポ
リマーを薄膜化することにより、伝熱効率を高めるよう
にした。
して、重量平均分子量1800、光学純度98.6%e
e、表3(及び表4)に示す各低分子成分含量のL−乳
酸プレポリマーを用いた。第1工程については、以下に
示す操作条件Aと操作条件Bの2通りの操作を行なっ
た。
ポリマー323gを予め160℃に加温融解しておき、
プレポリマータンク(11)から14.7g/minの速度
で、薄膜蒸発器(12)内の液重量を一定に保つように供給
した。蒸発器(12)内を圧力3Torr、温度160℃に
保ち、第1凝縮器(17)の温度を100℃、第2凝縮器(1
8)の温度を0℃に設定した。蒸発成分のうち、乳酸及び
乳酸の低分子オリゴマーを第1凝縮器(17)で凝縮させ、
蒸発水を第2凝縮器(18)で凝縮させ、一方、液成分を受
器(16)に回収した。
を凝縮させ、液成分を回収するのに、22minの操作
時間を要した。留出物は22.3gであり、回収液成分
総量は268gであった。
及び留出物の分析結果を表3に示す。
いて、低分子成分含量が低減された乳酸プレポリマーが
回収されたことが分かる。特に、乳酸単量体の含量が低
減された。
内を圧力3Torr、温度200℃とした以外は、上記
操作条件Aの場合と全く同様に操作を行なった。
を凝縮させ、液成分を回収するのに、10minの操作
時間を要した。留出物は4.8gであり、回収液成分総
量は233gであった。
及び留出物の分析結果を表4に示す。
いて、低分子成分含量が低減された乳酸プレポリマーが
回収されたことが分かる。操作条件Aに比して特に、乳
酸二量体、乳酸三量体の含量がより低減され、より好適
な操作条件であった。従って、次の第2工程では、この
操作条件Bで得られた回収乳酸プレポリマーを用いた。
て、操作条件Bの回収乳酸プレポリマーの解重合を行な
った。回収乳酸プレポリマー50gを容量500mLの
ガラス製セパラブルフラスコに仕込み、触媒としてオク
チル酸スズ0.25gを加え、常圧、160℃で1時間
攪拌した。その後、5Torr、200℃の条件下で、
ラクチドを留出させ、凝縮器で捕集した。留出時間を2
時間とし、43.4gのラクチド留分を得た。このラク
チド留分の分析結果を表5に示す。
プレポリマー50gを用い、第1工程を行なわずに、直
接第2工程を行なった。第2工程の操作は、実施例2の
第2工程と全く同様に行ない、42.9gのラクチド留
分を得た。このラクチド留分の分析結果を表5に示す。
ラクチド留分の収量が多く、光学純度の低下を招くこと
なく、目的とするLL−ラクチドの含量が約8%も高
い。そして、乳酸単量体、乳酸鎖状二量体等の含量が非
常に少ない。
よって原料乳酸プレポリマーから乳酸単量体、乳酸鎖状
二量体等の低分子成分を除去しておくことは、高いラク
チド含有率を有し且つ高光学純度のラクチド生成物を得
るために、非常に有効であることが明らかである。
述のように、第1工程において、原料乳酸プレポリマー
中に含まれる乳酸等の低分子成分を留去しておき、第2
工程において、この低分子成分含量が低減された乳酸プ
レポリマーを解重合するので、乳酸単量体や鎖状二量体
等の乳酸低分子成分の混入が非常に少なく、高ラクチド
含有率のラクチド留分を製造することができる。また、
本方法によれば、ラセミ化を抑えることができ、原料と
してL−又はD−乳酸プレポリマーを用いた場合には、
高い光学純度のLL−又はDD−ラクチドを製造するこ
とができる。
チド含有率を高めるために、乳酸プレポリマー合成の反
応時間を長くする必要もないので、全体としての工程時
間の短縮という観点からも、非常に有効な方法である。
略構成を示す図である。
略構成を示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 乳酸プレポリマーを解重合してラクチド
を製造する方法であって、第1工程において、触媒非存
在下、原料の乳酸プレポリマー中に含まれる低分子成分
の少なくとも一部を留去し、第2工程において、この低
分子成分の少なくとも一部が除去された乳酸プレポリマ
ーを、解重合触媒存在下、解重合温度に加熱すると共に
前記解重合温度におけるラクチドの蒸気圧以下の圧力に
減圧して、ラクチドを気化させて捕集することを特徴と
する、ラクチドの製造方法。 - 【請求項2】 第1工程において、フラッシュ蒸発器又
は薄膜蒸発器を用いて低分子成分を留去することを特徴
とする、請求項1に記載のラクチドの製造方法。 - 【請求項3】 第1工程において、5Torr以下の圧
力、150〜300℃の温度で低分子成分を蒸発させる
ことを特徴とする、請求項2に記載のラクチドの製造方
法。 - 【請求項4】 第1工程において、蒸発させられた低分
子成分のうち、乳酸及び/又は乳酸の低分子オリゴマー
を、前記圧力における乳酸の凝縮点以下且つ水の凝縮点
を超える温度で凝縮させ、次いで、蒸発させられた水を
前記圧力における水の凝縮点以下の温度で凝縮させるこ
とを特徴とする、請求項3に記載のラクチドの製造方
法。 - 【請求項5】 凝縮された乳酸及び/又は乳酸の低分子
オリゴマーの少なくとも一部を、乳酸プレポリマーの合
成原料として再利用することを特徴とする、請求項4に
記載のラクチドの製造方法。 - 【請求項6】 原料の乳酸プレポリマーが、光学純度9
0%ee以上のL−乳酸プレポリマー又は光学純度90
%ee以上のD−乳酸プレポリマーであることを特徴と
する、請求項1〜5項のうちのいずれか1項に記載のラ
クチドの製造方法。 - 【請求項7】 第2工程において、解重合触媒として、
周期律表IA族、IIIA族、IVA族、IIB族、IVB族お
よびVA族からなる群から選ばれる金属または金属化合
物からなる触媒を用いることを特徴とする、請求項1〜
6項のうちのいずれか1項に記載のラクチドの製造方
法。
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---|---|---|---|
JP34659296A JP4075089B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | ラクチドの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34659296A JP4075089B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | ラクチドの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10168077A true JPH10168077A (ja) | 1998-06-23 |
JP4075089B2 JP4075089B2 (ja) | 2008-04-16 |
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ID=18384477
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP4075089B2 (ja) |
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