JPH1192475A - ラクチドの迅速な製造方法 - Google Patents

ラクチドの迅速な製造方法

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JPH1192475A
JPH1192475A JP27051597A JP27051597A JPH1192475A JP H1192475 A JPH1192475 A JP H1192475A JP 27051597 A JP27051597 A JP 27051597A JP 27051597 A JP27051597 A JP 27051597A JP H1192475 A JPH1192475 A JP H1192475A
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lactide
lactic acid
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ammonium lactate
reaction
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JP27051597A
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Hitomi Obara
仁実 小原
Hisatsugu Okuyama
久嗣 奥山
Makoto Oguchi
誠 大垣内
Tatsuji Kawamoto
達司 川本
Takashi Kawabe
隆志 川辺
Yasumasa Horibe
泰正 堀部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳酸及び/又は乳酸アンモニウムから乳酸オ
リゴマーを一旦合成することなく直接的にラクチドを合
成し、しかもラクチドを効率よく取り出すラクチドの迅
速な製造方法を提供する。 【解決手段】 乳酸及び/又は乳酸アンモニウムをタン
ク型リアクター1に仕込み、減圧下、加熱して、ラクチ
ドを生成させる。得られた反応混合物を精留塔2に導入
し反応混合物からラクチドを分離3する。反応混合物中
の未反応乳酸を分離4して、リアクター1に再循環す
る。ラクチド以外の乳酸の低分子量縮合体は還流として
リアクター1に戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳酸及び/又は乳
酸アンモニウムを原料としてラクチドを迅速に製造する
方法に関する。ラクチドは乳酸の環状二量体であり、生
分解性ポリマーであるポリ乳酸及びその共重合体やブレ
ンドによる変性体の製造原料として特に有用なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ラクチドの製造法としては、
乳酸を脱水縮合し分子量数千の乳酸オリゴマーを一旦得
て、次にこのオリゴマーをスズ系触媒の存在下、減圧下
加熱してラクチドを生成させ、これを蒸気として取り出
す方法が知られている。
【0003】この方法において、乳酸オリゴマーの合成
の際にもラクチドが生成しているものと、本発明者らは
考えている。ところが、乳酸オリゴマー合成の際に生成
したラクチドを取り出そうとして減圧すると、ラクチド
よりも沸点の低い乳酸も気化してしまいラクチド収率を
上げることができない。そのため、従来法では、乳酸を
ラクチドよりも沸点の高い乳酸オリゴマーに変換して、
その後、乳酸オリゴマーを解重合・環化してラクチドを
製造している。このような従来法によれば、乳酸オリゴ
マー合成のためのエネルギー及び工程時間が必要とな
る。
【0004】一方、乳酸から乳酸オリゴマーを経由する
ことなく直接的にラクチドを製造する方法も知られてい
る。例えば、米国特許第 5,274,127号明細書(特表平6
−504762号公報)には、乳酸水溶液を重合度2以
下まで、加熱、吸水材添加、浸透膜による濾過、共沸蒸
留などにより濃縮し、これを加熱しラクチドを合成し、
冷水洗浄、分画蒸留、溶媒抽出、晶析、共沸蒸留し取り
出すことが記載されている。この明細書によれば、重合
度2でラクチドの収量が最大になるとしている。また、
明細書の実施例によると、回分反応で最大27.9%の
ラクチドがフラスコ内に合成され、蒸留により留出した
ものの46.5%がラクチドであった。このように、こ
の方法ではラクチド収量が低い。
【0005】また、米国特許第 5,332,839号明細書(特
表平6−501467号公報)には、気相中でのラクチ
ド合成法が記載されている。すなわち、乳酸の1〜3量
体を、N2 、Ar、アルキルベンゼンなどのキャリアガ
ス気流中で、アルミナ、シリカ、ゼオライトなどの固定
触媒床に供給し、反応後の気流中よりラクチドを回収す
る。未反応の乳酸成分は気流中より回収し、重合度2程
度まで濃縮し再使用することが記載されている。しかし
ながら、この方法では、固定触媒床の触媒劣化の問題が
ある。特に、工業規模での生産には、触媒の交換は大変
な作業である。
【0006】また、米国特許第 5,319,107号明細書に
は、重合度4以下の乳酸成分を溶剤と共沸させたもの
を、気流下で固定触媒床を通過させるラクチド合成法が
記載されている。しかしながら、この方法では上記と同
様に、固定触媒床の触媒劣化の問題がある。
【0007】また、米国特許第 5,420,304号明細書に
は、ラクチドと溶剤を共沸、又はラクチドを抽出する技
術が記載されている。しかしながら、この方法では、多
量の溶剤を使用しなければならないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記従来技術の問題点を解決し、乳酸及び/又は乳
酸アンモニウムから乳酸オリゴマーを一旦合成すること
なく直接的にラクチドを合成し、しかもラクチドを効率
よく取り出すラクチドの迅速な製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、ラクチド生成反応系の反応混合物から精留塔を
用いてラクチドを分離することによって、上記目的を達
成できることを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明のラクチドの製造方法
は、乳酸及び/又は乳酸アンモニウムを2分子環化縮合
反応させてラクチドを生成させ、得られた反応混合物を
精留塔に導入し反応混合物からラクチドを分離し、かつ
反応混合物中の乳酸モノマー及びラクチド以外の乳酸の
低分子量縮合体をそれぞれ反応系に戻すことを特徴とす
る。
【0011】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明において、原料として乳酸又は乳酸アンモニウムの
いずれをも用いることができる。あるいはこれら両者を
用いることもできる。また、乳酸には、L−乳酸とD−
乳酸の光学異性体があるが、どちらの異性体の乳酸又は
乳酸アンモニウムを用いても良い。あるいはL−乳酸と
D−乳酸の混合物や、L−乳酸アンモニウムとD−乳酸
アンモニウムの混合物を用いても良い。
【0012】得られるラクチドには、L−乳酸二分子か
らなるL−ラクチド、D−乳酸二分子からなるD−ラク
チド、L−乳酸とD−乳酸とからなるメソ−ラクチドが
存在するが、原料として用いた乳酸及び/又は乳酸アン
モニウムのL/D比に応じて、得られるラクチドのL−
ラクチド/メソ−ラクチド/D−ラクチドの比率が決定
される。
【0013】本発明の方法において、まず、原料の乳酸
及び/又は乳酸アンモニウムを反応器に供給する。反応
器としては、特に限定されるものではないが、例えば、
タンク型リアクターを用いることが、リアクター内の反
応流体が充分に混合されるだけでなく、気液界面の表面
更新が行われ、生成したラクチドが気化しやすいという
点から好ましい。また、原料の供給は、精留塔の適切な
箇所に行うこともできる。
【0014】そして、1〜50torr程度の減圧下、
120〜230℃に加熱して、ラクチドを生成させる。
このような減圧度、加熱条件で、原料として乳酸を用い
た場合には、2分子脱水反応が起こり、ラクチドが生成
する。また、原料として乳酸アンモニウムを用いた場合
には、乳酸アンモニウムのアンモニアが気化され反応系
外に除去され、2分子脱水反応が起こり、ラクチドが生
成する。この場合には、反応は乳酸とアンモニアとから
形成されるラクタミド(CH3 CH(OH)CON
2 )を経由する場合もあり得ると考えられる。より好
ましくは、3〜40torr程度の減圧下、150〜2
10℃に加熱する。
【0015】原料の乳酸又は乳酸アンモニウムの濃度
は、特に限定されるものではないが、例えば5〜95重
量%であり、10〜90重量%程度が好ましい。
【0016】このラクチド生成反応系においては、目的
とするラクチド以外にも、乳酸の直鎖状二量体や、三量
体等の乳酸の低分子量縮合体が生成する。従って、ラク
チド生成反応混合物中には、ラクチド以外に、未反応乳
酸モノマー及び乳酸の直鎖状二量体、三量体等の乳酸の
低分子量縮合体が含まれる。
【0017】本方法においては、この反応混合物の蒸気
流を精留塔に導入し反応混合物からラクチドを分離す
る。ラクチドは、精留塔の中間部から抜き出し凝縮して
捕集する。そして、ラクチドよりも低沸点の未反応乳酸
モノマーは、ラクチドの抜き出し点よりも塔頂よりの点
から抜き出し凝縮して捕集し、この捕集された乳酸モノ
マーを反応系に戻す。一方、ラクチドよりも高沸点の乳
酸の低分子量縮合体は、還流液として反応系に戻す。ま
た、水やアンモニアは、精留塔の塔頂から系外に排出
し、凝縮して捕集する。
【0018】このように、水、アンモニアを系外に排出
し、未反応乳酸モノマー及びラクチドよりも高沸点の乳
酸の低分子量縮合体を反応系に戻すことによって、さら
にラクチド生成反応が進行するので、ラクチド収量を高
めることが可能となる。
【0019】さらに、本方法においては、精留塔におい
て、L−ラクチド及び/又はD−ラクチドと、メソ−ラ
クチドとを分離することも可能である。L−ラクチドと
D−ラクチドとは、蒸気圧が同じなので分離することは
できないが、メソ−ラクチドの蒸気圧は異なるので、L
−ラクチド及び/又はD−ラクチドと分離することがで
きる。
【0020】本方法において、精留塔としては公知のも
のを使用することができる。段塔、充填塔のいずれであ
っても良い。規則充填物も公知のもの、例えば住友/ス
ルザーパッキングを用いることができる。また、本方法
の操作は、回分操作でも良いし、連続操作でも良い。
【0021】本方法においては、ラクチド生成反応系
に、乳酸オリゴマーの解重合用触媒を添加しても良い
し、あるいは添加しなくても良い。解重合用触媒を添加
することによって、乳酸の低分子量縮合体(あるいは乳
酸オリゴマー)の解重合がより起こりやすくなり、ラク
チド生成反応に寄与することができる。
【0022】解重合触媒としては、周期律表IA族、IV
A族、IVB族およびVA族からなる群から選ばれる少な
くとも一種の金属または金属化合物からなる触媒を用い
ることができる。
【0023】IVA族に属するものとしては、例えば、有
機スズ系の触媒(例えば、乳酸スズ、酒石酸スズ、ジカ
プリル酸スズ、ジラウリル酸スズ、ジパルミチン酸ス
ズ、ジステアリン酸スズ、ジオレイン酸スズ、α−ナフ
エト酸スズ、β−ナフエト酸スズ、オクチル酸スズ等)
の他、粉末スズ等が挙げられる。
【0024】IA族に属するものとしては、例えば、ア
ルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ金属と弱
酸の塩(例えば、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭
酸ナトリウム、オクチル酸ナトリウム、ステアリン酸ナ
トリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウ
ム、オクチル酸カリウム等)、アルカリ金属のアルコキ
シド(例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等)
等が挙げられる。
【0025】IVB族に属するものとしては、例えば、テ
トラプロピルチタネート等のチタン系化合物、ジルコニ
ウムイソプロポキシド等のジルコニウム系化合物等が挙
げられる。
【0026】VA族に属するものとしては、例えば、三
酸化アンチモン等のアンチモン系化合物等が挙げられ
る。これらはいずれも従来公知のポリ乳酸の重合用触媒
であるが、これらの中でも、スズまたはスズ化合物から
なる触媒が活性の点から特に好ましい。
【0027】本発明において、上記触媒を用いる場合
は、原料の乳酸及び/又は乳酸アンモニウムの10-4
20重量%の量で用いることが好ましい。より好ましい
量は、0.001〜10重量%の量である。
【0028】本発明において、原料としては、上述のよ
うに、乳酸又は乳酸アンモニウムのいずれをも用いるこ
とができるが、発酵法で得られた乳酸アンモニウムを用
いることがより好ましい。乳酸アンモニウム塩をイオン
交換して、乳酸フリー体に変換する操作が不要になり、
結果としてラクチド製造コストが安くなるからである。
【0029】乳酸は、化学合成法によっても得られる
が、発酵法によっても得られる。発酵法は、グルコース
等の資化可能な炭素源を乳酸菌等の微生物を用いて発酵
させる方法である。化学合成法で得られる乳酸はD体と
L体のラセミ混合物であるのに対し、発酵法では微生物
の選択により任意の光学純度の乳酸が得られる。
【0030】この乳酸発酵の際には、生成した乳酸によ
って発酵液中のpHが低下すると微生物の活性が低下す
るので、水酸化ナトリウム、アンモニア水等で中和しな
がら、発酵を進めることが一般的である。従って、乳酸
発酵法において生成した乳酸は、乳酸のアンモニウム
塩、ナトリウム塩等として得られる。従来は乳酸自体の
製造が目的であったので、乳酸アンモニウム又は乳酸ナ
トリウムをイオン交換して、乳酸フリー体に変換して精
製していた。そして、乳酸フリー体をラクチド製造の原
料として用いていた。
【0031】しかし、ラクチド製造を目的とした場合に
は、乳酸アンモニウムを原料として直接用いて、アンモ
ニアやその他の不純物を反応系外に除去することが可能
である。従って、発酵法乳酸アンモニウムを用いること
によって、乳酸アンモニウム塩を乳酸フリー体に変換す
る操作が不要になり、結果としてラクチド製造コストが
安くすることができる。乳酸ナトリウムでは、ナトリウ
ムを反応系外に除去できず、反応が進行しないので、こ
れを原料として直接用いることはできない。従ってこの
乳酸発酵の際には、アンモニア水を中和剤として用い
る。
【0032】乳酸発酵は、グルコース、マルトース、フ
ラクトース、ラクトース等の糖質を、ラクトバチルス(
Lactobacillus ) やストレプトコッカス( Streptococcu
s )等の微生物を用いて嫌気的に発酵させれば良い。用
いる微生物の菌株によって、L−乳酸、D−乳酸、ラセ
ミ体DL−乳酸が得られるので、ラクチドの使用目的に
よって菌株を選べば良い。
【0033】本方法においては、アンモニア水で中和さ
れた乳酸発酵液をそのまま原料として用いても良いし、
遠心分離による微生物除去、活性炭処理、溶媒抽出、電
気透析、膜濾過など従来公知の方法により前処理を行っ
ても良い。
【0034】また、本方法においては、精留塔の頂部か
ら捕集したアンモニアを、乳酸発酵の中和剤として循環
使用することも好ましい。
【0035】本発明の方法によれば、乳酸及び/又は乳
酸アンモニウムから乳酸オリゴマーを一旦合成すること
なく直接的にラクチドを合成し、精留塔により反応混合
物からラクチドを分離するので、ラクチドを迅速に製造
することができる。また、未反応乳酸モノマー及びラク
チドよりも高沸点の乳酸の低分子量縮合体を反応系に戻
すので、ラクチド収量を高めることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 [実施例1]図1に示す装置を用いて、ラクチド製造を
行った。攪拌装置を備えた500mlのガラス製フラス
コ(1) に90%L−乳酸(PH90、PURAC社製)
200gを仕込んだ。フラスコ(1) 内の温度180℃、
圧力30mmHgにして、脱水縮合反応を行った。この
反応混合物の蒸気流を精留塔(2) に導入した。精留塔
(2) は、ガラス管にガラス製のラシヒリングを充填した
充填塔である。精留塔(2) の中央部からラクチドを抜き
出し、図示しない凝縮器で凝縮しラクチド受器(3) に捕
集した。また、精留塔(2) のラクチドを抜き出し点より
も高い位置から未反応乳酸モノマーを抜き出し、図示し
ない凝縮器で凝縮し乳酸受器(4) に捕集し、続いてこれ
をフラスコ(1) に再循環させた。一方、水を凝縮器(5)
で凝縮し水受器(6) に捕集した。約4時間の操作後、ラ
クチド受器(3) には130gの留出物が得られ、そのラ
クチド濃度は94重量%であった。
【0037】[実施例2]図1に示す装置を用いて、ラ
クチド製造を行った。攪拌装置を備えた500mlのガ
ラス製フラスコ(1) に50%乳酸アンモニウム水溶液
324gを仕込んだ。フラスコ(1) 内の温度200℃、
圧力5mmHgにして、脱アンモニア脱水縮合反応を行
った。この反応混合物の蒸気流を精留塔(2) に導入し
た。精留塔(2) の中央部からラクチドを抜き出し、図示
しない凝縮器で凝縮しラクチド受器(3) に捕集した。ま
た、精留塔(2) のラクチドを抜き出し点よりも高い位置
から未反応乳酸モノマーを抜き出し、図示しない凝縮器
で凝縮し乳酸受器(4) に捕集し、続いてこれをフラスコ
(1) に再循環させた。一方、水とアンモニアとを凝縮器
(5) で凝縮し水受器(6) に捕集した。約3時間の操作
後、ラクチド受器(3) には115gの留出物が得られ、
そのラクチド濃度は94重量%であった。
【0038】
【発明の効果】本発明のラクチド製造方法によれば、上
述のように、乳酸及び/又は乳酸アンモニウムから乳酸
オリゴマーを一旦合成することなく直接的にラクチドを
合成し、精留塔により反応混合物からラクチドを分離す
るので、ラクチドを迅速に製造することができる。ま
た、未反応乳酸モノマー及びラクチドよりも高沸点の乳
酸の低分子量縮合体を反応系に戻すので、ラクチド収量
も高い。
【0039】また、乳酸アンモニウムをそのまま原料と
して用いる場合には、乳酸アンモニウム塩をイオン交換
して、乳酸フリー体に変換する操作が不要であるので、
結果としてラクチド製造コストが安くなる。従って、本
発明によれば、迅速により安価にラクチドを製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を行うための装置構成概略の一
例を示す図である。
【符号の説明】
(1) −リアクター (2) −精留塔 (3) −ラクチド受器 (4) −乳酸受器 (5) −凝縮器 (6) −水受器 (7) −真空ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川本 達司 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所三条工場内 (72)発明者 川辺 隆志 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所三条工場内 (72)発明者 堀部 泰正 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所三条工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸及び/又は乳酸アンモニウムを2分
    子環化縮合反応させてラクチドを生成させ、得られた反
    応混合物を精留塔に導入し反応混合物からラクチドを分
    離し、かつ反応混合物中の乳酸モノマー及びラクチド以
    外の乳酸の低分子量縮合体をそれぞれ反応系に戻すこと
    を特徴とする、ラクチドの製造方法。
  2. 【請求項2】 原料として乳酸を用い、水を反応系から
    除去する、請求項1に記載のラクチドの製造方法。
  3. 【請求項3】 原料として乳酸アンモニウムを用い、水
    とアンモニアとを反応系から除去する、請求項1に記載
    のラクチドの製造方法。
  4. 【請求項4】 精留塔において、L−ラクチド及び/又
    はD−ラクチドと、メソ−ラクチドとを分離する、請求
    項1〜3項のうちのいずれか1項に記載のラクチドの製
    造方法。
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