JPH09502700A - リポソームの製造方法 - Google Patents

リポソームの製造方法

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JPH09502700A JP6522452A JP52245294A JPH09502700A JP H09502700 A JPH09502700 A JP H09502700A JP 6522452 A JP6522452 A JP 6522452A JP 52245294 A JP52245294 A JP 52245294A JP H09502700 A JPH09502700 A JP H09502700A
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Abstract

(57)【要約】 この発明は、有機相と水性相を、3:1未満の容量比で一緒にすることにより、リポソームを製造する方法を提供する。この方法は、予め選択された平均粒径を含むリポソームの単一モード母集団分布を得る条件下で行うことができる。この方法において得られる新規な中間生成物をも提供するものであり、この中間生成物は、それ自体、生物活性剤の局所搬送に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 リポソームの製造方法 本出願は、1993年4月2日出願の米国特許出願番号第08/041,87 0号の一部継続出願である。 本発明は、従来の方法よりも溶剤が少なくてすむ、リポソームの製造方法に関 する。本発明の方法により作られた新規な中間生成物も記載されている。本発明 は、リポソームの目的とする平均粒径が予め選択されており、適当な混合速度、 不活性ガス流量及び反応温度を選択することにより、目的とする平均粒径の好ま しい分布が得られるような二相系で、リポソームを製造する方法に関するもので もある。 リポソームは、水と混合しない有機相と水性相を用いる二相混合法により製造 することができる。この方法では、両親媒性脂質又は脂質混合物を、エチルエー テル、塩化メチレン、フッ素化炭化水素、それらの混合物等の、水と混合しない 有機溶剤に溶解する。この溶液に、水又は溶解された塩若しくは緩衝液を含む水 などの水性相を加え、必要に応じて、リポソームの内部水性スペースと結合する 親水性薬剤(例えば、ゲンタマイシン)などの生物活性剤を添加する。リポソー ムの製造中に形成されるリン脂質二重層(bilayer)は、水性内部空間と外部水 性環境との間の障壁として働くので、種々の水溶性生物活性剤を内部水性空間内 に隔離することができる。リポソームの疎水性部分と結合することにより、親油 性薬剤(例えば、プロスタグランジン)は隔離されることもでき、この場合は、 親油性薬剤は有機相内に含まれることができる。 二相混合物は、有機溶剤を蒸発させながら水性相を有機相内で分散させること により、リポソームに変わる。溶剤を除去する適当な蒸発技術としては、混合物 上又は混合物中に不活性ガスを流すこと、混合物を加 熱すること、真空により混合物上の圧力を低下させることなどを挙げることがで きる。 いくつかの従来法では、脂質を溶解するのに用いられる溶剤の容量が、水性物 質を完全に乳化するのに十分な量だけ、水性容量を上回ることが多い。例えば、 米国特許第4,522,803号に示されているいくつかの実施例では、1容量 の水性相に対して、最小限3容量の有機溶剤が使用されている。形成工程におい て、このように比較的多量の溶剤を使用すると、リポソーム製造のコストを著し く増加させることになる。これは、溶剤のコストがかかること及び処理中溶剤を 除去するのに必要な時間が増えることによるものである。従って、もっと低濃度 の溶剤を用いるリポソームの製造法を工夫することは、有益であろう。 リポソームを製造する一つの方法では、代表的には混合装置を備えた反応器中 で、有機相と水性相を一緒にする(combined)。この一緒にした相を、加熱下に有 機溶剤を除去しながら混合する。これは、代表的には、不活性ガス(例えば、窒 素ガス)を混合物中に泡立てて通気すること、しばしばスパージング(sparging )と呼ばれる方法、により行われる。 得られたリポソームは、通常は、比較的小さいリポソーム(例えば、100〜 200nm)から非常に大きいリポソーム(例えば、5000nmより大)まで 、サイズが広く変化する。かくして、得られたリポソーム母集団の平均粒径も、 バッチによって広く変化し得る。従って、水と混合しない有機溶剤を用いて作ら れたリポソームは、広い範囲にわたって変化する粒径分布を有していることが多 く、多モード(multi-modal)、即ち、異なる粒径の2つ以上の別個の母集団を 有していることがあり得る。 いくつかの用途では、より狭い粒径範囲のリポソーム母集団を有することが望 ましい。特に、リポソームの有効割合が同様な粒径である単一モード(single-m odal)母集団分布を有していることが望ましい。 通常は、リポソームを指定サイズのフィルターに数回通して、異なるリポソー ム母集団を単一モード母集団分布にする。フィルターの孔径は、目的とする平均 粒径とほぼ等しい。濾過操作中、大きいリポソームのなかには、フィルターを通 過しながら粒径が小さくなるものがあり、ほぼ目的とする平均粒径を有する母集 団が増加することになるであろう。 しかし、目的とする狭い粒径分布を有するリポソームの母集団を得るには、フ ィルターに数回通すことが多い。このように、濾過操作に時間がかかり、リポソ ーム製造のコストを著しく増加させることになる。 従って、リポソーム製造後(post-production)多数回の濾過操作を行うこと なく、リポソーム母集団、特に単一モード母集団分布を有するリポソーム母集団 を得ることができる方法が提供できれば、当該技術分野における顕著な進歩とな るであろう。 平均粒径が選択されたリポソームを製造する方法で、予め選択された平均粒径 を含む単一モード母集団分布を生ずるように行われる方法が提供できれば、当該 技術分野におけるいっそうの進歩となるであろう。 リポソームが、6カ月よりも長い間、カプセル化された剤をカルシウムイオン のように小さい分子から隔離できることは望ましい。リポソームによる生物活性 剤の取込安定性は、相当の期間にわたって、生物活性剤がどのくらい漏れるかに よって測定される。例えば、中性pHで、等張生理食塩水を含む緩衝液中に入れ た場合、生物活性剤(例えば、親水性又は親油性薬剤)を含むリポソームは、長 時間の貯蔵安定性を示さなければならない。 少なくとも、2つの要因が、長時間にわたるリポソームの外部環境からの閉鎖 スペース隔離能に著しく影響を及ぼすことがある。一つの要因は、脂質がそのま ま残っている間に、膜が細孔を生じるように、二重層組織を破壊する剤が、外部 環境に存在するということである。もう一つの要因は、脂質の自己酸化であり、 これによって、脂質の炭化水素鎖が、二重層を不安定にする過酸化物を形成する 。酸化速度、従って二重層の不安定化は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT )などの酸化防止剤をリポソーム製剤に添加することにより、低減されることが できる。 自己酸化の速度は、リポソームを製造するのに用いられる媒体のpHによって も影響を受ける。従来法における処理媒体のpHは、一般に、リポソームの水性 区画(aqueous compartment)内に隔離されている生物活性剤に最も適合した範 囲内にある。しかし、生物活性剤の中には、脂質に悪影響を与え、二重層を不安 定にするpH範囲(例えば、4.4〜4.6)で、懸濁液中に典型的に存在する もの(例えば、ゲンタマイシン)もある。 従って、自己酸化速度を低下させ、それによって、長時間にわたりリポソーム 内の生物活性剤の高濃度を保持することにより、リポソームの安定性を向上させ るように、脂質二重層に適合したpHで処理を行うことは、リポソームの製造に おいて著しい進歩となるであろう。 発明の要旨 本発明は、一般に、従来法よりも少ない溶剤を用いるリポソームの製造法に関 する。この方法は、水性相を有機相内に完全に乳化させる必要が無いという発見 を前提とするものである。一緒にされた相は、完全に乳化する代わりに、濁った 懸濁液の形であることができ、その後、リポソームへと加工されるものである。 本発明による水性相に対する溶剤の 容量比は、広く言えば、一般に3:1よりも小さく、好ましくは、約0.2:1 から約1.0:1までである。一緒にされた相は、大部分の脂質について、脂質 物質に最も適合した範囲内、好ましくは5.5から7.5までの範囲内のpH、 最も好ましくは約6.5のPHで処理されることができる。一緒にされた水性及 び有機相中の脂質の濃度は、好ましくは、少なくとも約10mg/mlである。 製造されるリポソームは、好ましくは、その水性区画のそれぞれに取り込まれ た溶質を含むマルチラメラ(multilamellar)リポソームであり、各水性区画の 溶質濃度は実質的に等しく、即ち、実質的に等しいラメラ間溶質分布を有するマ ルチラメラリポソームである。 一緒にされた相の処理中、粘稠なゲルの形をした中間生成物が作られてもよい 。このゲルは、脂質二重層を形成する過程に在る脂質物質からなる。この中間生 成物は、アミノグリコシド抗生物質、その類似物質又は誘導体などの種々の感染 症の治療及び/又は予防用生物活性剤を、局所投与するための賦形剤として、用 いることができる。 本発明の他の態様においては、この製造法は、予め選択された平均粒径を含む 単一モード母集団分布を有するリポソームを製造することに一般に用いられてい る。ここで用いられる“単一モード母集団分布”という用語は、大部分のリポソ ームが、平均粒径を含む粒径の連続した範囲内の粒径を有していることを意味す るものとする。“平均粒径”という用語は、母集団の各リポソームの直径の合計 を、リポソームの全数で除したものを意味するものとする。 製造方法が始まる前に、平均粒径を選ぶことができ、この平均粒径を含むリポ ソーム母集団を製造するように、方法を構成することができる。このように、本 発明のこの態様によれば、このリポソーム製造方法によ り、予め選択された平均粒径を含むリポソームの単一モード母集団分布が得られ る。この方法は、この種のリポソーム製造法(scheme)でしばしば要求される製 造後のサイジング操作の必要性を大きく低減させることができるか、あるいは完 全に排除することができる。 本発明のこの態様に先立って、上記リポソームの製造法における多くの変数の うちの3つのものが、この方法により製造されるリポソームの粒径分布を決定す るのに高度に影響を及ぼすという発見が為された。これらの3つの主変数とは、 1)混合装置の相対速度、2)有機相と水性相の混合物から溶剤を除去するため の不活性ガスの流量(即ち、スパージ(sparge)速度)、及び3)混合温度(即 ち、反応温度)である。本発明者らは、これらの変数を適当に選択することによ り、予め選択された平均粒径を含む単一モード母集団分布を有するリポソーム母 集団を得ることができるような関係が、これら3つの変数の間にあることを把握 した。リポソームの粒径分布は、一般に、これらの3つの主変数により、次のよ うに影響を受ける。混合速度又は反応温度が高くなるにつれて、リポソームの径 は、一般に小さくなるであろう。逆に、スパージ速度が高くなるにつれて、リポ ソームの径は、一般に大きくなるであろう。従って、最も広い態様における本発 明のリポソーム製造法は、目的とする平均リポソーム径を選択し、水と混合しな い溶剤中の両親媒性脂質からなる有機相を、生物活性剤を含んでいてもよい水性 相と合わせ、リポソームの目的とする平均粒径に応じて予め選択された混合速度 、スパージ速度及び反応温度で、合わされた相を混合することからなる。特定の 実施態様では、成分の水性相に対する溶剤の容量比が、3:1よりも小さく、こ の方法は、脂質物質に最も適合した範囲内、代表的には5.5から7.5までの 範囲内のpHで行われる。 本発明の方法は、製造されたリポソームに生物活性剤を結合させることを含む ことができる。生物活性剤(例えば、親油性及び/又は親水性薬剤)が、リポソ ームの製造中か、あるいはリポソームが形成された後に、リポソームに装填され ることは、当業者により理解されるところであろう。生物活性剤は、好ましくは アミノグリコシド抗生物質であり、その類似物質、混合物及び誘導体を含むもの である。アミノグリコシドは、好ましくはゲンタマイシン、ストレプトマイシン 、ジヒドロストレプトマイシン、トブラマイシン、ネオマイシン、パロマイシン 、リボスタマイシン、リビドマイシン、カナマイシン、バイオマイシン、シソマ イシン、ネチルマイシン及びアミカシンからなる群から選ばれる。より好ましく は、アミノグリコシドはゲンタマイシンである。 一緒にされた有機溶剤と水性相は、反応容器内にて、リポソームを製造するの に十分な混合速度、不活性ガス流量及び反応温度を含む処理条件下で処理される 。予め選択された混合速度、スパージ速度及び反応温度は、下記の式に従って選 ぶことができる。 y=B0+B11+B22+B33+B1212+B1313+B2323+ B112 1+B222 2+B332 3 (1) ここで、 y=目的とする平均粒径 X1=混合速度 X2=不活性ガス流量 X3=反応温度 B0=定数 B1、B2、B3、B12、B13、B23、B11、B22及びB33は、表1による回帰 係数を示す。 好ましくは、不活性ガス流量は、約0.4リットル/分から約1.2リットル /分、反応温度は、約20℃から約80℃、混合速度は、約2000rpmまで の範囲内である。本方法は、目的とするリポソームの平均粒径を選択すること、 式(1)による処理条件の関係に基づく各処理条件についての値を選択すること 、工程(b)で選択された値に基づく式(1)から計算平均粒径を求めること、 計算平均粒径と目的とする平均粒径を比較すること、これらが十分に近似してい れば、水性相と有機相を合わせること、及び工程(b)で選択された処理条件下 で、一緒にされた水性相と有機相を処理することからなることもできる。計算平 均粒径と目的とする平均粒径とが十分に近似していない場合は、式(1)で規定 される処理条件の少なくとも一つを、残りの条件を一定に保ちながら、十分に近 似した新しい計算平均粒径が得られるまで変更すること により、新しい計算平均粒径を得ることができる。混合速度と反応温度を一定水 準に保ちながら、不活性ガス流量を変更するのが好ましい。しかし、計算平均粒 径と目的とする平均粒径とが依然として十分に近似していない場合は、反応温度 を一定に保ちながら、不活性ガス流量と混合速度との両方を変更するのが好まし い。好ましくは、水性相に対する有機相の比(容量/容量)は、約0.2:1か ら約1.0:1であり、合わされた水性相と有機相のpHは、約5.5から約7 .5である。 これらの処理条件下で製造されるリポソームは、その水性区画のそれぞれに取 り込まれた溶質を含むマルチラメラリポソームであり、各水性区画の溶質濃度は 実質的に等しいものであることが好ましい。生物活性剤、最も好ましくはアミノ グリコシド抗生物質ゲンタマイシン、をリポソームに結合させることができる。 本発明は、ここで提供される方法により製造されるリポソームを提供するもので もある。 反応容器内での処理において、一緒にされた水性相及び有機相が粘稠ゲルを形 成した時点で、処理を終了することができる。生物活性剤、好ましくはアミノグ リコシド抗生物質、最も好ましくはゲンタマイシンを、ゲルの形成前、形成中あ るいは形成後に、このゲルと結合させることができる。このような方法で作られ たゲルも、ここで提供され、抗感染有効量の抗生物質を含むゲルを用いて、温血 動物、好ましくはヒトに局所的に適用して、動物の感染を治療又は予防すること ができる。抗生物質は、好ましくはゲンタマイシンである。 生物活性剤と、安定性を高めるpHを有する水溶液を含む区画及び脂質を含む 脂質二重層とを含有する貯蔵安定性リポソームが、ここで更に提供され、この脂 質は、実質的に純粋な脂質である。リポソームは、マルチラメラリポソームであ ることが好ましく、このマルチラメラリポソ ームは、その水性区画内に取り込まれた溶質を含んでいることが好ましく、各水 性区画内の溶質の濃度は、実質的に等しい。現在、好ましい生物活性剤は、アミ ノグリコシド抗生物質であり、ゲンタマイシン、アミカシン、ストレプトマイシ ン、ジヒドロストレプトマイシン、トブラマイシン、ネオマイシン、カナマイシ ン、リビドマイシン、パロマイシン、リボスタマイシン、バイオマイシン、シソ マイシン及びネチルマイシンからなる群から選ばれることができる。より好まし くは、アミノグリコシド抗生物質は、ゲンタマイシン、アミカシン又はトブラマ イシンである。現在の所、アミノグリコシド抗生物質は、ゲンタマイシンである ことが最も好ましい。 実質的に純粋な脂質は、純度が少なくとも約85%であることが好ましく、更 に好ましくは、純度が少なくとも約90%であり、最も好ましくは、純度が約9 5%以上である。典型的なものでは、実質的に純粋な脂質は、実質的にリソリピ ド(lysolipid)を含んでいない。リソリピドは脂質の約5%未満であることが 好ましく、脂質の約2%未満であることが更に好ましい。実質的に純粋な脂質は 、リン脂質を含んでいることが好ましく、そのリン脂質は、卵ホスファチジルコ リン(EPC)であることが好ましい。本発明の貯蔵安定性リポソームにおける 脂質に対する生物活性剤の比(w/w)は、代表的には少なくとも約1:20で あり、約1:5〜約1:15であることが望ましく、約1:10であることが更 に望ましい。 代表的には、貯蔵安定性リポソームにおける水溶液は、生理的食塩水である。 水溶液の安定性を高めるpHは、約5.5〜約7.5であることが望ましい。現 在の所、安定性を高めるpHは、約6.5であることが更に望ましい。 従って、本発明の好ましい態様においては、貯蔵安定性リポソームは、アミノ グリコシド抗生物質、実質的に純粋な卵ホスファチジルコリン及びpHが約6. 5の生理的食塩水溶液からなり、リポソームが、その水性区画に取り込まれた溶 質を含むマルチラメラリポソームであり、マルチラメラリポソームの各区画内の 溶質の濃度が実質的に等しく、卵ホスファチジルコリンは、純度が少なくとも約 85%であり、実質的にリソリピドを含まず、EPCに対するゲンタマイシンの 比(w/w)は、約1:15〜約1:5である。アミノグリコシド抗生物質は、 ゲンタマイシン、アミカシン又はトブラマイシンであることが好ましい。更に好 ましくは、アミノグリコシド抗生物質は、ゲンタマイシンである。 図面の簡単な説明 図1 リポソーム形成用容器の斜視図 図2 図1の容器で用いるインペラーの平面図 図3 粘稠ゲル中間生成物の電子顕微鏡写真 図4 リポソーム母集団の単一モード径分布 図5 リポソーム母集団の単一モード径分布 図6 リポソーム母集団の単一モード径分布 図7 全ゲンタマイシン血漿濃度を示す。白ぬき四角:pHを調整(pH約6. 5);黒四角:低pH製剤投与 図8 遊離ゲンタマイシン血漿濃度 図9 全及び遊離ゲンタマイシン血漿濃度 図10 pH調整対低pH製剤のAUC比(遊離/全) 図11 ゲンタマイシンの累積尿排泄 図12 中間の時間に対するゲンタマイシン尿排泄速度 図13 試験管内ゲンタマイシン漏洩試験 発明の詳細な説明 本発明によれば、従来法よりも少ない溶剤、有利なpH条件を用い、予め選択 された平均粒径に基づいてマルチラメラリポソームが形成される。本発明の方法 は、約3:1よりも小さい水性相に対する有機相の比(容量/容量)で、好まし くは約1:1よりも小さい容量比で、二相性混合物を形成するように、有機相と 水性相とを一緒にすることを含む。有機溶剤の除去を容易にするためには、最少 量の有機溶剤を用いるのが望ましい。しかし、適当な薬剤取込を達成するために は、約0.13:1の最小容量比が必要であり、0.20:1の最小比が好まし いことが見出された。一般には、目的とするリポソーム生成物を製造することが できる最少量の有機溶剤が用いられる。前述の方法よりも少ない溶剤を用いる結 果、使用される不活性ガスの全体量及びスパージング操作の時間の長さが低減さ れるであろう。 次いで、リポソームを製造するのに十分な条件下で、二相性混合物を処理する 。水溶液のpHは、リポソームを調製するために用いられる一つ又はそれ以上の 脂質に適合したpHに調節されることができる。ここでいう“適合”とは、溶液 をリポソームに取り込み、リポソームを長時間貯蔵した場合、脂質酸化が最少に なる水溶液pHを意味するのに用いられる。水性相のpHは、代表的には約5. 5から約7.5までであり、約6.5であることが好ましい。それぞれ、水酸化 ナトリウムや塩酸のような塩基や酸を初めとするpH調整剤を適当量加えること により、水性相のpHを目的とする範囲内に保持することができる。 マルチラメラリポソームは、その水性区画のそれぞれに取り込まれた溶質を含 み、各水性区画の溶質濃度が実質的に等しいものであること、即ちマルチラメラ リポソームが実質的に等しいラメラ間溶質分布を有し ているものであることが好ましい。このようなリポソームの製造には、有機相内 で水性相が完全に分散している必要がないことが見出されている。これらのリポ ソームは、“通常の”マルチラメラリポソーム、即ち実質的に等しいラメラ間溶 質分布を有していないリポソームよりも、水性区画間の浸透ストレスが低いため 、一般に、より安定である。 本発明で用いられる脂質物質は、その特性が両親媒性である。親水特性は、ホ スファト、カルボキシル、スルファト、アミノ、スルフヒドリル、ニトロ及び他 の同様な基を介して、分子に付与される。疎水性は、好ましくは長鎖飽和、不飽 和脂肪族炭化水素基であるが、一つ又はそれ以上の芳香族、脂環族又は複素環で 置換されたそのような基であることもできる基を含むことによって、与えられる 。好ましい両親媒性化合物としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエ タノールアミン、リソホスファチジルコリン、リソホスファチジルエタノールア ミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸 、ホスファチジルグリセロールなどのホスホグリセリドがある。ジミリストイル ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイル ホスファチジルコリンなどの合成飽和化合物、ジオレオイルホスファチジルコリ ン、ジリノレオイルホスファチジルコリンなどの不飽和化合物を用いることがで きる。例えば、糖脂質及びグリコスフィンゴリピドを用いることもできる。 リポソームを形成するには、種々のコレステロール、その他のステロール及び それらの水溶性誘導体を用いることができる(例えば、ここに、共に参照のため に記載した米国特許第4,891,208号及び5,100,569号参照)。 このグループの好ましいものは、米国特許第4,891,208号で論じられて いるように、コレステロールヘミスクシ ネートである。米国特許第5,041,278号で論じられているように、リポ ソームを形成するのに、トコフェロールヘミスクシネートのようなある種の水溶 性トコフェロール誘導体を用いることができる。 “水性相”は、懸濁液又はその他の混合形態の他の成分と共に、水溶性成分を 溶液で含んでもよい、水をベースにした混合物である。“有機相”は、懸濁液又 はその他の混合形態の他の成分と共に、親油性生物活性剤などの溶剤可溶性の成 分を含んでもよい、水と混合しない有機溶剤の混合物である。一般に、リポソー ムを形成するのに用いられる脂質は、有機相に溶解される。 脂質を溶解するのに用いられる溶剤は、一般に水と混合しない。このような溶 剤としては、塩化メチレン、クロロホルム、ジエチルエーテル、フルオロカーボ ン、クロロフルオロカーボンなどを挙げることができるが、これらに限定される ものではない。 一緒にされた有機相と水性相に含まれる脂質の量は、広い範囲にわたって異な ってもよいが、少なくとも10mg/mlであることが好ましく、少なくとも1 5mg/mlであることが更に好ましい。使用される脂質物質が多ければ多いほ ど、水性相を取り込む脂質の有効性が高くなる。一緒にされた有機/水性相中の 脂質の量は、一緒にされた相が粘稠ゲル中間生成物を形成するかどうかを決定す るのにも重要である。 リポソーム形成処理を行う前に、代表的には、どういう剤をリポソーム内に導 入しようとしているか、あるいはリポソームの最終用途に応じて、目的とする平 均粒径を選択する。例えば、ゲンタマイシンをリポソーム内に導入する場合は、 代表的な平均粒径は約200nmである。リポソーム又は粘稠ゲル中間生成物を 形成するのに必要な成分は、次のようにして組み合わされる。両親媒性脂質又は 脂質の混合物を、水と混合 しない有機溶剤に溶解して、有機相を形成する。目的とする平均粒径を選択した 後、有機相を水性相に添加する。次いで、代表的には反応容器内、例えば図1に 示した種類の反応容器内で、混合物を処理する。図1は、本発明により有機相と 水性相を混合する処理空間6を改定する容器4を含む処理系2を示す。この容器 には、混合系8、スパージ系10及び加熱/冷却系12が設けられている。 容器4は、リポソームを形成するのに必要な水性相と有機相を合わせ、成分を リポソーム又は粘稠ゲル中間生成物にする実際の処理が行われる処理空間6を設 定する。この容器は、水性相及び有機相を容易に吸着せず、容易に掃除、殺菌で きる材質で作られていなければならない。適当な材質としては、ガラス及びステ ンレススチールを挙げることができる。 容器4には、容器4の縁16と密封係合して置かれるように用いられるカバー 14が設けられている。このカバーは、容器4に対するカバー14の着脱を容易 にするために、向かい合ったハンドル18を有している。 また、カバー14には、容器4内に混合系8及びスパージ系10を吊り下げる ための開口19及び20がそれぞれ設けられている。サーモウエル(thermowell )50のような熱測定装置を吊り下げて、処理空間6内の反応温度を監視するた めに、他の開口22が設けられる。 混合系8は、カバー14の開口19から処理空間6内に吊り下げられたシャフ ト24を有している。このシャフト24は、モーター(図示せず)と作動的に連 結されている。このモーターは、シャフトが本発明による目的とする速度で回転 するように、十分な力をシャフトに与えることができる。 シャフト24の底部には、混合インペラー26が作動的に結合されて いる。このインペラーは、シャフトによって回転させられ、それにより、目的と するリポソームを形成するのに必要な程度に、水性相と有機相とを混合する。混 合インペラー26は、図1及び2に示した特定の形状の他に、異なる形のブレー ド、異なるブレード数のように種々の形状をとることができる。インペラー26 は、水性相と有機相との完全な混合を確実にするように、容器4の内容物に対し て軸方向又は半径方向の流れを生成するのが好ましい。本発明では、その他の混 合装置、例えば、容器壁にもっと近接して延在するブレードを有するアンカーミ キサーなどを用いてもよい。 図2によく示されているように、インペラー26は、シャフト24を受容する ための開口32を有するハブ30に取り付けられた1対又はそれ以上の対の向か い合ったブレード28a〜28dを有している。インペラー26は、止めネジ( 図示せず)などのような通常の手段によりシャフト24に固着されており、それ により回転することができる。 図2に具体的に示されているインペラーは、2対のブレード28a、28bと 28c、28dを有している。一つ又はそれ以上のブレード28を、シャフト2 4の長さ方向の軸と平行に位置させてもよく、あるいは、ある角度で傾斜させて もよい。図2の実施態様に示すように、各ブレード28は、特に粘稠ゲル形成( 即ち、前リポソーム段階)中、ブレードが容器4内の内容物を通過するのを容易 にし、容器内容物の軸方向の流れを生ぜしめる(図1の矢印で示すように)45 度の角度で傾斜している。 ブレード28a〜28dは、必要であれば、もっと鋭角(即ち、シャフト24 の軸に対して測定して45度よりも小さい角度)に設置されてもよい。角度が鋭 角になればなるほど、インペラー26に対する容器内 容物の抵抗は大きくなる。この抵抗は、シャフト24のトルクを高めることによ り、例えば、もっと大きい力を出すことができるモーターを用いることにより、 容易に克服される。更に、角度を変えると、インペラーによって生ずる流れを、 軸方向の流れ(45度)から半径方向の流れ(シャフトに平行)に変えることが できるようになる。インペラー26は、シャフト24に固定されているので、シ ャフト24の回転により、1分間当たり同じ回転速度でインペラーブレード28 が回転することになる。 図1に示すスパージ系10は、一端が不活性ガス源(窒素ガス、アルゴンガス 等、図示せず)に連結されたチューブ34を有している。このチューブ34は、 処理空間6の底部に向かって下方に延びる中央部36を有している。このチュー ブのテール部38は、中央部36に対して直角に、処理空間6の底部中央に向か って延びている。図1に示す実施態様では、テール部38には、不活性ガスを、 分散した気泡の形で、容器内容物の中に分配するための一個又はそれ以上の開口 42を有する上方に延びるノズル40を設けている。チューブ34のテール部3 8には、ノズル40に加えて、あるいはそれに代えて、不活性ガスを分配するた めの一個又はそれ以上の開口45を設けてもよい。 不活性ガスを、容器4の内容物の中に泡立てて通気することで、有機溶剤の除 去が促進される。不活性ガスは、溶剤を取り込み、出口ポート54を有するチュ ーブ52を介して、容器から揮発性溶剤を除去するように、容器4内の蒸気圧を 変える。 加熱/冷却系12は、逆止め弁46を介して供給源(図示せず)から加熱/冷 却流体(例えば水)を受け入れるジャケット44を有している。このジャケット 44は、容器4の実質的な部分を取り囲み、容器内容物 の加熱/冷却を制御している。流体は、ジャケット44から逆止め弁48を介し て排出され、再循環されても廃棄されてもよい。 容器内の温度は、温度計を含む普通のサーモウエル50、又は、好ましくは、 表示手段(図示せず)に接続された熱電対(図示せず)を用いて測定すればよい 。熱電対は、反応温度に対応する信号を中継して伝える感熱性プローブであり、 その信号は、その後、デジタル表示スクリーンのような表示手段で見ることがで きる電気信号に変換される。加熱/冷却系に供給される流体の温度は、目的とす る反応温度に基づいて選択される。 反応容器は、目的とする予め選択された平均粒径が得られると思われる処理条 件、特に混合速度、スパージ速度及び温度を選択することにより操作される。図 1及び2に示した装置に関しては、混合速度は、インペラー26の回転速度であ り、シャフト24の1分間当たりの回転数(rpm)に相当する。スパージ速度 は、単位時間当たり、容器の内容物中に泡立てて通気される不活性ガスの容量と 定義され、代表的には、リットル/分で測定される。容器温度は、図1に示すよ うに、サーモウエル50で測定したときの処理空間6内の温度である。 これらの変数のそれぞれについて一旦値を選択すると、式(1)を用いて平均 粒径が計算される。 y=B0+B11+B22+B33+B1212+B1313+B2323+ B112 1+B222 2+B332 3 (1) ここで、 y=目的とする平均粒径 X1=混合速度 X2=不活性ガス流量 X3=反応温度 B0=定数 B1、B2、B3、B12、B13、B23、B11、B22及びB33は、表1による回帰 係数を示す。 好ましくは、不活性ガス流量は、約0.4リットル/分から約1.2リットル /分、反応温度は、約20℃から約80℃、混合速度は、約2000rpmまで の範囲内である。 選択された平均粒径を、目的とする平均粒径と比較する。計算値と目的値とが 同一か、あるいは十分に近似していれば、主変数について選択された値で、処理 系を操作する。“十分な近似”とは近似の度合、即ち同一性であり、これはリポ ソームの最終用途だけに限らないが最終用途を包含する因子によって決定される ものであり、本発明の教示に従って 当業者が選択する範囲内に入るものである。計算値と目標とする平均粒子サイズ とが十分近似していない場合は、主たる変数の内の少なくとも1つに対して調整 が行なわれる。これは、他の変数を一定に保ちながら、変数のうちの一つを選択 された範囲内で変更することにより、行うことができる。変更範囲は、これに関 して用いられる方法と装置の限界によって決まる。 本発明の好ましい方法においては、はじめに反応温度と混合速度を一定に保ち 、スパージ速度を変更して、その値を式(1)に入れる。第二の変数を変えなけ ればならないときは、反応温度を一定に保って、混合速度を変更するのが好まし い。しかし、混合系は、代表的には最大混合速度で制限されている。従って、混 合速度を混合系の最大限界まで変更しても、計算平均粒径と目的とする平均粒径 が目的とする程度まで近似しない場合は、反応温度を変更すればよい。計算平均 粒径が、目的とする平均粒径と同一になるか、あるいは近似するまで、変数の変 更を続ける。 目的とする平均粒径を算出したら、二相性混合物を形成するように、水性相と 有機相を合わせる。例えば、3リットルの反応容器を用いて、次のように処理を 行う。これよりも大きいか、あるいは小さい容器を用いる場合は、主変数に通常 の変更を加えてもよいものと理解されるべきである。任意に用いられる生物活性 剤と共に、あるいはそれを伴わずに、水性相(例えば、クエン酸緩衝液)を反応 容器に加える。混合装置を、代表的には2,000rpmまでの範囲内の予め選 択された混合速度で起動する。有機溶剤(例えば、塩化メチレン)に溶解された 脂質(例えば、卵ホスファチジルコリン)からなる有機相を、混合装置による撹 拌下に、水性相に添加する。チューブ34から不活性ガスを送り、代表的 には約0.04から1.2リットル/分の予め選択されたスパージ速度で、反応 容器内に泡立てて通気する。スパージングが始まると、ジャケット44に加熱水 を通して、反応容器の温度を、代表的には20〜80℃に高める。しかし、ジャ ケット44に冷却水を通して、より冷たい温度を用いてもよいことは理解される べきである。 本発明の方法は、生物活性剤をマルチラメラリポソームと結合させる工程を含 むことができる。“生物活性剤”は、動物内で、あるいは試験管内の動物細胞に 生物活性を有する化合物又は物質組成物である。生物活性剤としては、核酸、ポ リヌクレオチド、抗菌性化合物、抗生物質、抗ウイルス性化合物、抗真菌性化合 物、駆虫性化合物、殺腫瘍性化合物、蛋白質、トキシン、酵素、ホルモン、神経 伝達物質、グリコペプチド、免疫グロブリン、免疫調節薬、染料、放射線標識剤 、放射線造影化合物、蛍光化合物、ポリサッカライド、細胞受容体結合分子、抗 炎症剤、抗緑内障薬(antiglaucomic agents)、散瞳性化合物、局所麻酔薬など が挙げられるが、これらに限定されるものではない(例えば、Lenk 等、米国特 許第4,522,803号、Fountain 等、米国特許第4,588,578号、J anoff 等、米国特許第4,861,580号及び4,897,384号、Lenk 等、米国特許第5,082,664号参照、これらは、それぞれ、ここに参照の ために記載している)。 本発明の方法によって、粘稠ゲル中間生成物を製造することもできる。この方 法では、通常は、有機相と水性相を一緒にした時、溶剤を除去する前に、濁った 脂質懸濁液が製造される。リポソームが生成するために、十分な溶剤が除去され る前で、脂質物質と結合する水の量が未だ少なすぎてリポソームが形成できない が、残留している溶剤に溶解することができる過剰の脂質が存在するように十分 な溶剤が除去された場合には、 通常は、脂質が、ゲルの形で、はっきりしない(ill-defined)二重層となる。 得られた粘稠ゲルは、リポソームの確かな前駆体である。 有機相と水性相を3:1よりも小さい容量比で合わせたとき、粘稠ゲルの形成 が生ずる。約0.13:1のような低い容量比で、粘稠ゲルが容易に形成するこ とが見出されている。容量比が0.13:1よりも低いと、脂質が、球状の小球 体を形成する傾向があり、粘稠ゲルを形成するにはこの小球体を特別に処理しな ければならず、そうでなければ、ゲルが全く形成しないことになる。例えば、小 球体を分断するために、混合速度を高めることにより、小球体を処理すればよい 。約0.13:1よりも小さい容量比で、粘稠ゲルを形成することができるが、 少なくとも約0.13:1の水性相に対する有機相の容量比を用いることが望ま しく、好ましくは、約0.2:1から1:1である。 処理前又は処理中に、生物活性剤を有機相又は水性相に添加すると、粘稠ゲル が、この生物活性剤と結合するであろう。粘稠ゲルは、その特徴的なはっきりし ない脂質二重層のために、生物活性剤の一部を取り込み、一方、生物活性剤の一 部は、脂質物質に結合したままで、脂質物質によって取り込まれないであろう。 この状態を、ここでは“ゲル結合(gel-associated)”と呼ぶこととし、これは 、生物活性剤がゲルの一部であることを意味し、リポソームの外表面に吸着され ること、リポソームの水性又は脂質部分内にカプセル化されることが挙げられる が、これらに限定されるものではない。これによって、感染治療用の生物活性剤 を局所投与するのに望ましい生成物が得られる。 本発明により製造された粘稠ゲルの電子顕微鏡写真を、図3に示す。この写真 の下部中央に、不十分に水和された脂質二重層を表す脂質物質の連続同心層があ る。 この粘稠ゲルは、温血動物、特にヒトにおける感染を治療又は予防する方法に 用いることができ、ここで、ゲルは抗感染有効量の抗生物質を含み、投与は局所 投与を含む。例えば、傷の上に塗ることにより、粘稠ゲルを傷に適用することが できる。次いで、必要に応じ、外科的処置により傷を閉じることができる。ゲン タマイシン(ゲンタマイシンC1、C1a及びC2を含む)、ストレプトマイシン、 ジヒドロストレプトマイシン、トブラマイシン、ネオマイシンB、パロマイシン 、リボスタマイシン、リビドマイシン、カナマイシン(カナマイシンA及びBを 含む)、バイオマイシン、シソマイシン、ネチルマイシン及びアミカシンなどの アミノグリコシド抗生物質、並びにその類似物質及び誘導体が、粘稠ゲルとの結 合に特に適当である。ゲンタマイシンは、本発明で使用するのに好ましいアミノ グリコシドである。 傷が感染した場合、傷の部位に、好中球、マクロファージ及び免疫系の他の細 胞が大量に浸潤すると信じられている。これらの細胞タイプは、脂質物質を分解 するように働くと思われる種々の酵素を分泌して、傷の部位で、ゲルに結合した アミノグリコシドを徐々に放出させる。更に、浸潤好中球及びマクロファージは 、粘稠ゲルを吸い込み、アミノグリコシドを細胞内に放出させて、免疫系が局所 感染をやっつけるのを助ける。粘稠ゲルは、典型的なリポソームの構造組織を持 っていないため、ゲル結合生物活性剤が、より容易に傷の部位へ利用できるので あろう。 製剤の投与様式によって、化合物が搬送されることになる生体内の部位及び細 胞が決まるであろう。粘稠ゲルは、単独で投与することができるが、一般には、 意図した投与経路及び標準的な製薬プラクティスによって選択される、生理食塩 水のような医薬担体と混合して投与されるであろう。本発明の製剤は、通常の外 科的処置により傷を閉じる前に、傷 の部位に局所的に投与される。粘稠ゲルは、粘度調整剤(例えば、ポリサッカラ イド)などの添加剤と組み合わせて、その投与を改善してもよい。製剤の特定の 性質によるその他の使用は、当業者の想到しうるところであろう。 抗生物質の抗感染有効量は、抗生物質の治療有効量、即ち、感染の定着、成長 又は拡大を抑制するのに十分な量であり、それによって、物理的又は生理的応答 を行う。投与されるアミノグリコシドの有効量は、投与の様式、レシピエントの 特性、標的とするバクテリアの感受性及び当該技術分野においてよく知られてい る因子によって変わるであろう。ゲル結合している生物活性剤の量は、ある程度 、その剤の水性又は有機相への溶解度に依存する。例えば、ゲンタマイシンの水 性相への溶解度は、約850mg/ml以下である。 病状の治療処置におけるヒトへの投与については、処方する医師は、与えられ た対象となるヒトへの適当な投与量を最終的に決定するであろう。そして、これ は、患者の病気の性質及び重症度と共に、個人の年齢、体重及び反応によって変 わるものと考えることができる。粘稠ゲルでの薬剤の投与量は、一般に、遊離の 薬剤で用いられる投与量とほぼ同じである。しかし、これらの限界外の量を投与 する必要がある場合もある。 更に、生物活性剤と、安定性を高めるpHを有する水溶液を含む区画及び脂質 を含む脂質二重層とからなる貯蔵安定性リポソームが、ここで提供され、この脂 質は、実質的に純粋な脂質である。“貯蔵安定性”リポソームとは、脂質の加水 分解及び酸化を最小限にとどめることをはじめ、リポソーム構造又は性質の劣化 を最小限にとどめ、リポソームに取り込まれるか、あるいはリポソームと結合し た生物活性剤の漏洩をはじめ、リポソームの内容物の漏洩を最少限にとどめて、 長期間貯蔵できる リポソームのことである。このリポソームは、2年まで、あるいはそれ以上の期 間の貯蔵中、安定である。リポソームは、通常は、約4〜5℃の冷蔵条件下で貯 蔵されるが、もし必要であれば、その他の条件下で貯蔵されることもできる。貯 蔵安定性リポソームを形成するのに使用され、得られたリポソームに取り込まれ る水溶液のpHは、貯蔵中のリポソームの安定性並びに脂質の加水分解及び酸化 を抑制することによる実体の維持に寄与しているものと信じられている。 リポソームは、マルチラメラリポソームであることが好ましい。マルチラメラ リポソームは、その水性区画に取り込まれた溶質を含み、各水性区画の溶質濃度 が実質的に等しいものであること、即ちマルチラメラリポソームが実質的に等し いラメラ間溶質分布を有しているものであることが好ましい。このようなリポソ ームは、Lenk 等(米国特許第4,522,803号、5,030,453号及 び5,169,63号)Fountain 等(米国特許第4,5885,578号)並 びにCullis 等(米国特許第4,975,282号)に記載の方法により形成す ることができ、これらの内容は、ここに参照のために記載している。ラメラ間溶 質分布が実質的に等しいと、これはそう信じられているのであるが、水性区画間 の浸透バランスが促進され、浸透ストレスが低くなるため、マルチラメラリポソ ームの安定性が増大する。“通常の”MLV、即ち実質的に等しいラメラ間溶質 分布を有していないものは、水性区画間の浸透ストレスが高く、従って、安定性 が低い。 本発明の貯蔵安定性リポソームは、リポソームに取り込まれるか、あるいはリ ポソームと結合した生物活性剤を含む。生物活性剤は、動物内で、あるいは試験 管内の動物細胞に生物活性を有する化合物又は物質組成物であり、核酸、ポリヌ クレオチド、抗菌性化合物、抗生物質、抗ウ イルス性化合物、抗真菌性化合物、駆虫性化合物、抗腫瘍性化合物、蛋白質、ト キシン、酵素、ホルモン、神経伝達物質、グリコペプチド、免疫グロブリン、免 疫調節薬、染料、放射線標識剤、放射線造影化合物、蛍光化合物、ポリサッカラ イド、細胞受容体結合分子、抗炎症剤、抗緑内障薬、散瞳性化合物、局所麻酔薬 などが挙げられるが、これらに限定されるものではない(例えば、Lenk 等、米 国特許第4,522,803号、Fountain 等、米国特許第4,588,578 号、Janoff 等、米国特許第4,861,580号及び4,897,384号、L enk 等、米国特許第5,082,664号参照、これらは、それぞれ、ここに参 照のために記載している)。ここで用いられる“取り込み”及び“結合”は、リ ポソームの水性区画内への生物活性剤の取り込み、又は脂質二重層の内側若しく は外側表面との結合をいうものである。現在の所、好ましい生物活性剤は、アミ ノグリコシド抗生物質であり、ゲンタマイシン、アミカシン、ストレプトマイシ ン、ジヒドロストレプトマイシン、トブラマイシン、ネオマイシン、カナマイシ ン、リビドマイシン、パロマイシン、リボスタマイシン、バイオマイシン、シソ マイシン及びネチルマイシンからなる群から選ばれることができる。本発明の一 つの好ましい実施態様においては、アミノグリコシド抗生物質がゲンタマイシン である。本発明の他の好ましい実施態様においては、アミノグリコシド抗生物質 がアミカシンである。本発明のもう一つ他の好ましい実施態様においては、アミ ノグリコシド抗生物質がトブラマイシンのものである。 ここで用いられる“実質的に純粋な脂質”は、代表的には、純度が少なくとも 約85%である。即ち、少なくとも約85%の脂質と、高々約15%のこの脂質 の分解生成物及び他の脂質から構成されている。この実質的に純粋な脂質は、純 度が少なくとも約90%であることが好まし い。更に好ましくは、この実質的に純粋な脂質は、純度が少なくとも約95%で ある。脂質純度は、205nmでの紫外線検出を用いる高速液体クロマトグラフ ィー、リン特異性測定法(phosphorous specific assay)を用いるリン脂質の薄 層クロマトグラフィー、水素炎イオン化を用いる高圧又は薄層クロマトグラフィ ー(例えば、1990年4月12日出願の米国特許出願番号第07/512,557号の継 続出願である、1994年3月14日出願の米国特許出願番号第08/ 号 及びリポソームテクノロジー(Liposome Technology)、第1巻、リポソームの 調製、G.Gregoriadis 編、第247〜258頁、CRC Press,Boca Raton,FL(19 84)の S.Frφkjaer 等、“貯蔵中のリポソームの安定性テスト”参照)などの 、当業者によく知られている種々の方法で測定することができ、必要以上の実験 を行わなくても容易に実施することができる。 実質的に純粋な脂質は、実質的にリソリピドを含んでいない。リソリピドは、 ヘッドグループ(headgroup)と1つのアシル鎖を有する両親媒性脂質であり、 ジアシル脂質の加水分解の結果として、脂質二重層中に存在することができる。 従って、リソリピドの形成は、脂質、従って脂質安定性の指標とすることができ る。リソリピドは、ゲル中の方が安定であるため、ゲルを形成しようとするので 、リポソームを不安定にすると考えられている。脂質二重層内でジアシル脂質か らリソリピドが形成されると、透過性などの二重層の性質に変化が生じ得る。従 って、実質的にリソリピドを含まないリポソーム二重層は、一般に、相当割合の そのような脂質を含む二重層よりも安定である。“実質的にリソリピドを含まな い”とは、リソリピドが脂質の約5%未満であるものを意味し、好ましくは、リ ソリピドが約2%未満であることを意味する。 実質的に純粋な脂質は、リン脂質を含んでいることが好ましく、その リン脂質は、卵ホスファチジルコリン(EPC)であることが好ましい。この脂 質は、他の種類の脂質のなかでも、その他のリン脂質、リン脂質以外の両親媒性 脂質、コレステロールなどのステロール、コレステロールヘミスクシネート(C HS)などのステロール誘導体及びアルファトコフェロール又はその誘導体を含 むことができる。 実質的な脂質純度は、脂質加水分解及び酸化をはじめとする脂質分解を抑制す ることにより、貯蔵中の貯蔵安定性リポソーム内で維持される。リポソームによ って取り込まれた水溶液のpHは、この分解抑制に寄与しているものと考えられ ている。脂質加水分解は、両親媒性脂質のヘッドグループとその脂肪酸鎖の一つ との間の結合、例えば、リン脂質のヘッドグループとその脂肪酸鎖の一つとの間 のエステル結合が破断した時に起こり、リソリピド、即ちヘッドグループと2つ のアシル鎖の代わりに1つのアシル鎖を有する脂質を形成することになる。この ように、リソリピドの形成は、リン脂質の化学的安定性の指標となる。酸化は、 熱や光のような因子によって開始される反応であり、分子酸素を用いて、遊離ラ ジカルを形成する。脂質酸化は、不飽和脂肪酸の二重結合を破断することがあり 、それによって、脂質を分解することになる。脂質酸化は、当業者によく知られ ている種々の方法で監視することができ、必要以上の実験を行わなくても容易に 実施することができる。脂質加水分解及び酸化は、リポソーム脂質成分の初期純 度を測定すること、及びリソリン脂質と、リポソームを調製するのに用いられた 脂質に対応する遊離脂肪酸の初期含有量を測定することにより分析することがで きる。貯蔵後、脂質純度及びリソリン脂質と遊離脂肪酸の含有量を測定し、初期 値と比較して、脂質酸化を求めることができる。リポソーム製剤において、脂質 純度及びリソリン脂質と遊離脂肪酸の含有量を測定する方法は、当 業者によく知られており、必要以上の実験を行わなくても容易に実施することが できる。 “最少脂質加水分解”及び“最少脂質酸化”は、貯蔵安定性リポソームを形成 するのに用いられた脂質の実質的にすべてが、貯蔵中そのまま残ることを意味す る。加水分解及び酸化を最小限にとどめるということは、貯蔵中に脂質の純度水 準が実質的に低下せず、貯蔵中にリソリン脂質と遊離脂肪酸の含有量が実質的に 増加しないことを意味する。代表的には、貯蔵安定性リポソーム内の純粋脂質の 約15%未満が加水分解又は酸化され、望ましくは、脂質の約10%以下が加水 分解又は酸化され、更に望ましくは、約5%未満が加水分解又は酸化される。 例えば、卵ホスファチジルコリン(EPC)とpHが約6.5の水溶液を用い て、下記方法(実施例の項参照)によりリポソームを形成することができる。得 られたリポソームにおいて、はじめには、EPC純度は、代表的には約96.5 %であり(下記表7〜16参照)、リソホスファチジルコリン含有量は、約0. 4%である。EPC純度は、半年、1年、1年半又は2年間、リポソームを貯蔵 した後でもほぼ等しく、リソリン脂質含有量が、著しく増加することはない。 代表的には、これらの貯蔵安定性リポソームの少なくとも約75%が、1.2 〜9.6ミクロンの範囲内の径を有し、望ましくは、リポソームの少なくとも約 95%が、この範囲内の径を有する。9.6ミクロンよりも大きい径を有するリ ポソームの割合は、代表的には約10%未満であり、望ましくは約5%未満、更 に望ましくは約2%以下である。約1.2ミクロンよりも小さい径を有するリポ ソームの割合は、約10%未満であり、望ましくは約5%未満である。この径分 布は、2年まで又はそれ以上の期間のリポソームの貯蔵中でも保持される。 これらの貯蔵安定性リポソームは、通常は、安定性を高めないpHで形成され たリポソームよりも漏洩が少なく、その結果、当初、取り込まれるかあるいは結 合した生物活性剤の多くが、リポソーム内に取り込まれたまま保持される。脂質 加水分解、酸化及びその他の脂質分解を最少にして、二重層の完全さを保つこと により、貯蔵安定性リポソームにおいて、生物活性剤漏洩が最少にになる。例え ば、EPC、ゲンタマイシン及び約6.5のpHを用いて、上記方法により形成 されたリポソームでは、遊離ゲンタマイシンの量は15%未満である。即ち、当 初、リポソーム内に取り込まれたゲンタマイシンの量の約15%未満が、貯蔵中 に漏洩し、ゲンタマイシンの85%以上が、貯蔵中、リポソーム内に保持される 。 pHが約4.5の水溶液内で形成されたEPC含有リポソームは、はじめのう ちは一般に同様のEPC純度を示した(下記表17〜20参照)。しかし、上記 と同様の時間、貯蔵した後は、これらのリポソームは、EPCの低下及びリソリ ン脂質含有量の顕著な増加を示した。更に、このpHで形成されたリポソームは 、約1.2ミクロンより小さい径を有するリポソームの割合が、約6.5の安定 性を高めるpHで形成されたリポソームよりも大きく、約1.2ミクロンと約9 .6ミクロンの間の径を有するリポソームの割合が、それよりも小さい。また、 このようなリポソームは、代表的には、安定性を高めるpHで形成されたリポソ ームよりも多くの生物活性剤漏洩を示す。即ち、当初、リポソームに取り込まれ るかあるいは結合した生物活性剤が、貯蔵後その中に残る量が、安定性を高める pHを有する水溶液で形成されたリポソームの場合よりも少なくなる。 更に、独立したモデル評価に基づく研究によると、貯蔵安定性リポソ ームの排泄半減期、即ちリポソームの2分の1が排泄されるのに要する時間量が 、低pH(約4.5)で形成されたリポソームの場合よりも著しく長いことが分 かった(例えば、貯蔵安定性リポソームの母集団は、低pH製剤についての4. 10±1.15時間とは異なり、約5.04±1.91時間の循環半減期(circ ulatory half-time)を有することが見出された。また、尿中に排泄された投与 ゲンタマイシンのパーセンテージは、低pHリポソーム及び貯蔵安定性リポソー ムについて、それぞれ81.58±10.96及び76.16±11.81であ った。)。遊離血漿ゲンタマイシン濃度は、低pHグループが貯蔵安定性リポソ ームよりも高かった(Cmax及びAUC最終値は、低pHリポソーム及び貯蔵 安定性リポソームについて、それぞれ115.67±51.42マイクログラム /ml及び90.842±51.41マイクログラム−時間/ml、57.31 ±29.00マイクログラム/ml及び44.39±6.778マイクログラム −時間/mlであった。)。低pHグループがゲンタマイシンを含まない割合は 、貯蔵安定性リポソームの約2倍であった。 従って、貯蔵安定性リポソームは、リポソーム分解を最小限にとどめながら長 期間貯蔵することができる。従って、例えば、製剤を大量に製造し、貯蔵し、そ の後、長期間にわたって安全に分配できるので、生物活性剤を含むリポソーム製 剤及びそのような製剤の治療投与に関して、特に有用である。この製剤は、被治 療者に大量に投与することができ、その増加分を被治療者が長期間にわたって安 全に使用することができる。 本発明の貯蔵安定性リポソームにおける脂質に対する生物活性剤の比(w/w )は、代表的には少なくとも約1:20であり、約1:5〜約1:15であるこ とが望ましく、約1:10であることが更に望ましい。 代表的には、貯蔵安定性リポソームにおける水溶液は、生理食塩水であるが、ク エン酸緩衝液のような水性緩衝液をはじめとして、リポソーム形成に関して使用 するのに適していると当業者に知られている、安定性を高めるpHを有する他の 水溶液でもよい。 “安定性を高めるpH”とは、脂質加水分解及び酸化をはじめとする脂質分解 が抑制される水溶液のpHを言うものである。貯蔵安定性リポソームで用いられ る水溶液の安定性を高めるpHは、約5.5〜約7.5であることが望ましい。 現在の所、安定性を高めるpHは、約6.5であることが更に望ましい。 従って、本発明の好ましい態様においては、貯蔵安定性リポソームは、アミノ グリコシド抗生物質、実質的に純粋な卵ホスファチジルコリン及びpHが約6. 5の生理食塩水溶液からなり、リポソームが、その水性区画に取り込まれた溶質 を含むマルチラメラリポソームであり、マルチラメラリポソームの各区画内の溶 質の濃度が実質的に等しく、実質的に純粋な卵ホスファチジルコリンは、純度が 少なくとも約85%であり、実質的にリソリピドを含まず、EPCに対するゲン タマイシンの比(w/w)は、約1:15〜約1:5である。アミノグリコシド 抗生物質は、ゲンタマイシン、アミカシン又はトブラマイシンであることが好ま しい。更に好ましくは、アミノグリコシド抗生物質は、ゲンタマイシンである。 次の実施例は、本発明を説明するものであり、この出願の一部を形成する請求 範囲によって規定される本発明を限定しようとするものではない。 実施例 実施例1 850g(300mM)のクエン酸緩衝液(pH4)を、シャフトの 底部に3インチのライトニン(Lightnin)A−200インペラーを取り付けた磁 気的に連結された混合装置モデル#P310を備えた3リットルのガラス反応容 器に入れた。このシャフトの回転は、ベンチ−トップ型モータコントローラ#Z 510122R20によって制御されており、すべて、Applikon Dependable In strument,Inc.,Foster City,California によって販売されている。反応容器 は、基本的には図1に示した反応容器に対応する構造を有していた。混合装置を 起動し、シャフトを1,000rpmで回転させ、インペラーを同一速度で回転 させた。 68.8gの卵ホスファチジルコリン(EPC)と27.6gのコレステロー ルをビーカーに加えた。191.8gの塩化メチレンをに加え、この脂質混合物 を溶けるまでかき混ぜた。水性相に対するこの溶媒の容積比は、18:1であり 、脂質量は117mg/mlである。得られた有機相を反応容器に加えた。 窒素ガスを、図1に示すタイプのスパージ装置のチューブを通して、0.04 リットル/分の割合で泡立てて通気した。その後、反応容器の温度を、温水をジ ャケットに通して循環させることにより、徐々に30℃まで上げた。 少なくとも3時間後に、ほとんど全ての塩化メチレンが窒素ガスにより除去さ れ(0.1%未満、即ち0.2グラム未満が残留)、反応容器中にリポソーム母 集団が形成された。このリポソームを、上述した同じクエン酸緩衝液で1000 ml容量にした。 得られたリポソームの粒径は、約1200nmより小さいリポソームについて は、NICOMPモデル270極微粒子サイザー(submicron particle sizer) を用い、また直径が約1200nmより大きいリポソームについては、マルバー ン(Malvern)3600Eレーザー回折粒子 サイザー(laser diffraction particle sizer)を用いる従来方法で測定した。実施例2〜8 実施例2〜8については、混合速度、不活性ガス流量及び反応温度を表2に示 すように変更して、実施例1と同一の実験操作を繰り返した。実施例1〜8のそ れぞれについて、平均粒径を前述の方法で測定した。その結果も表2に示す。 表2のデータの検討からわかるように、混合速度、不活性ガスの流量(スパー ジ速度)及び/又は反応温度を変更することが、リポソームの平均粒径に影響を 及ぼすであろう。実施例1と2とを比較してみると、スパージ速度及び反応温度 を一定に保ちながら、混合速度を(1000 rpmから2000rpmへ)速くすることによって、平均粒径が低下すること がわかる。実施例1と3とを比較してみると、混合速度及び反応温度を一定に保 ちながら、スパージ速度を(0.04リットル/分から0.8リットル/分へ) 速くすると、リポソームの径が大きくなることがわかる。反応温度を上昇させる と(実施例1と5とを比較)、リポソームの径は、一般に低下する。 本発明以前には、目的とする平均粒径のリポソーム母集団を得るためには、多 くの、費用と時間がかかる濾過工程が必要であった。これは、粒径に最も影響を 及ぼすこれらの処理変数の選択が、ランダムに行われていたためである。本発明 によれば、粒径に最も影響を及ぼす主変数が特定され、その主変数の値をランダ ムでないやり方で選択する方法が開発された。式(1)は、平均粒径(Y)に最 も影響を及ぼすこれらのの主変数とその組み合わせを、係数B0からB33で表さ れるように、関連させている。 B0からB33の係数を決定するデータ分析は、STAT−EASE,Inc. の応答表面及び混合実験のためのソフトウエアパッケージであるデザイン−エク スパート(Design−Expert)を使用して行った。式(1)で提案される2次モデ ルに対して良好な一致を得るために、表2に表された実施例1〜8の平均粒径デ ータの対数10(log 10)変換を行った。係数の値を表3に示す。 表3に示される係数から、いくつかの傾向がわかるであろう。負の係数を持つ 項は全て、その因子(例えば、混合速度)が大きくなるにつれて、粒径を小さく するように作用する。即ち、その因子が大きくなると、リポソームの粒径は、一 般的に小さくなる。正の係数については、逆のことが言える。負の係数の最も大 きな二つのものは、混合速度(B1)と、混合速度と不活性ガス流量間の相互作 用(B12)に関係する。正の係数の最も大きなものは不活性ガス流量(B2)に 関係する。また、混合速度についての二次項(B11)に関係する比較的大きい正 の係数がある。この正の二次項は、混合速度が速くなるにつれて、負の一次項( B1)のために、平均粒径が小さくなる代わりに大きくなる点が現れることを意 味している。不活性ガス流量及び反応温度の二次項も表3に示す。実施例9〜16 表4に示す混合速度、不活性ガス流量及び反応温度を用いて、実施例1〜8と 同一の操作及び装置で実験を繰り返した。データを式(1)に入れて、予測平均 粒径を得た。実際の粒径は、実施例1〜8に関して記載されたものと同じ方法で 測定した。条件並びに予測及び実際の平均粒径を表4に示す。 表4に示されるように、実施例9〜16のそれぞれについての予測平均粒径は 、実際の平均粒径と密接な関係がある。実験データは、本発明が、予め選択され た平均粒径に相当するリポソーム母集団を得る信頼できる方法であることを示し ている。 実施例13、14及び16により製造されたリポソーム母集団の径分布は、実 施例1〜8で述べた粒径測定装置を用いて測定した。その結果を、それぞれ図4 〜6に示す。 図4〜6は、それぞれ、ほとんど全てのリポソームが連続した粒径の範囲内に ある粒径を有している単一モード母集団分布のリポソーム母集団を示している。 例えば、図4は、大部分のリポソームが、204nmの平均粒径と同一であるか あるいはそれと類似の粒径を有し、約38.4nmから786nmまでの範囲内 の粒径を有している単一モード母集団分布を示している。 図5及び6は、図4に示す結果と一致している。図5は、平均粒径が208n mで、53.9nmから583nmまでの範囲内の単一モードリポソーム母集団 分布を示している。図6は、平均粒径が250nmで、25nmから1553n mまでの範囲内の単一モードリポソーム母集団分布を示している。 図4〜6で示されるように、ほとんど全てのリポソームは、目的とする平均粒 径を包含する単一モード母集団分布内にある。大部分のリポソームが、相対強度 値によって示されるように、目的とする平均粒径と同一か又はそれに類似した粒 径を有している。実施例17 14.0gの卵ホスファチジルコリン(EPC)を30mlの塩化メチレンに 溶解して、有機相を形成した。この溶液を、図1に示すタイプの反応容器に入れ 、混合装置を200rpmで回転させた。 8.18gの硫酸ゲンタマイシンを0.9%生理食塩水150ml中に溶解し た。得られた溶液を、200rpmの連続混合速度下で、反応容器に加えた。反 応混合物中の脂質の量は、778mg/mlであり、 水性相に対する溶媒の容量比は、0.2:1であった。合わされた相のpHは4 .4であった。 加熱ジャケット44に温水を供給し、反応容器の内容物の温度を35℃に上昇 させた。 加熱された反応混合物は、窒素ガスにより約1.0リットル/分の流量でスパ ージされた。2分経過しないうちに、顕微鏡によって観察すると図3の顕微鏡写 真で示されているものと類似の外観を有する粘稠ゲルが形成された。この操作を 、塩化メチレン量が0.1容量%以下の水準に減少し、リポソームが形成される まで続けた。 5℃で保存されている間に水性区画から漏出したゲンタマイシンの量を測定す ることによって、得られたリポソームの安定性を試験した。その結果を表5に示 す。”%純度”は、所定期間中、リポソーム内に残存していたゲンタマイシンの 平均量を意味する。 実施例18 一緒にされた有機相と水性相のpH値を、1Nの水酸化ナトリウムを5ml加 えることにより6.5まで上げたこと以外は、実施例17の操作を繰り返した。 得られたリポソームの安定性を実施例17と同じ方法で試験し、その結果も表5 に示す。 表5に示されるように、水性相に対する溶媒の比が0.2:1で、少 量の溶媒を使用すると、安定性の優れたリポソームが得られた。実施例17は、 200日経過後、91%純度を示した。脂質材料に更に適合する水準までpHを 上げると、生成物は更に優れた安定性を示し、200日経過後、96%純度で表 された。実施例19〜25 水性相に対する溶媒の比を表6に示すように変更した以外は、実施例17の操 作を繰り返した。リポソーム中のゲンタマイシンの量を測定し、その結果を表6 に示す。 表6に示されるように、リポソーム中に残存するゲンタマイシンの量は、統計 的に近似しており、一般的な製品仕様を満足する生成物が得られた。水性相に対 する溶媒の比が0.13:1では、リポソーム生成物は形成されたが、生成物中 に残存するゲンタマイシン量は少なかった。実施例26 外科的な傷の感染を予防する際のゲル結合組成物の効力は、組成物を、通常の 創傷治癒、回復過程におけるその効果について評価する以下のプロトコルによっ て測定することができる。 全ての操作は、外科器具、掛け布(drape)、手袋を使用してクリーン処置ル ームで行われる。使用される動物モデルは、背中の外科的な切開から病毒細菌株 を接種されたモルモットかウサギのどちらかである。あるいは、健康なモルモッ ト又はウサギの研究結果による場合は、免疫抑制されたマウスを使用してもよい 。本試験は、モルモットを用いて行った。 粘稠ゲルの形成時に、実施例17に記載した操作を終了することによって得た ゲル結合製剤から、試験サンプルを用意した。対照として、未装填ゲル結合製剤 も試験した。 モルモットは、背中の毛を剃り、短く剃った毛を脱毛クリームにより取り除き 、その後、露出した皮膚を石鹸と水で洗い、ベータジン(Betadine)(登録商標 )溶液で十分にふき、最後にイソプロピルアルコールでふいて、外科手術の準備 をした。この動物は、この準備過程の間中、メトファン(Metofane)(登録商標 )(メトキシフルラン)で麻酔をかけられていた。 各モルモットの背中の毛を剃った領域内の中央線の両側に、それぞれ2cmの 長さの2つの切開口を作った。切開口は、筋膜まで切り込むが、筋膜を通らない ようにし、横方向にも拡げて、およそ2cm四方の袋を作った。各処置は、重複 して行われ、袋は、動物の両側に対をなして配置された。 この動物に、一般的な外科的創傷分離株の細菌懸濁液を接種した。主な細菌株 は、黄色ブドウ球菌であるが、緑膿菌及び/又は大腸菌を含ん でもよい。2つの異なる方法で、薬剤サンプルを試験した。一つの方法では、直 接接種後、直ちに薬剤サンプルを適用した。接種後、傷を閉じた。 これらの動物及び傷を毎日観察した。動物が不適当なストレスの徴候を示した 場合は、直ちに殺した。外科手術の7日後に、これらの動物を二酸化炭素室で殺 した。傷感染の目に見える徴候について、それぞれの傷を調べ、定量的な細菌計 数のために、組織サンプルを取り出した。修復組織の組織学的分析のために、更 に追加して、組織サンプルを取り出した。それぞれの場合、処置した傷を、未処 置対照動物のもの、ゲンタマイシンを含まない粘稠ゲルで処置したもの及びゲル 結合ゲンタマイシンで処置したものと比較した。実施例27 リポソーム製剤の安定性は、次のようにして試験した。ゲンタマイシンを含有 するリポソームを、ゲンタマイシン濃度4.5〜6.75mg/ml、全リン脂 質濃度を約40〜60mg/mlで、上述のようにして調製した。リポソーム製 剤の成分は、すべて、現在のアメリカ薬局方の要求を満たしていた。生殖不能性 及び発熱物質含有量について、製剤を試験したが、現在のアメリカ薬局方の要求 を満たしていた。調製中の残留溶媒(塩化メチレン)は、はじめは約0.007 8%(v/v)であった。製剤は、調製後、又は5℃の直立型冷蔵庫に貯蔵し、 調製後種々の時間間隔(日数)をおいて試験した。リポソーム製剤の下記の規準 を試験した:モル浸透圧濃度(mmole/kg);製剤pH(約6.5);外 観(白から灰色がかった白色までの不透明分散規格への一致);過酸化物含有量 (mEq/kg);粒径(ミクロン);遊離(取り込まれなかった)ゲンタマイ シン(有効ゲンタマイシンの%);卵ホスファ チジルコリン(EPC)純度;ヘッドスペース酸素含有量(リポソーム製剤を含 むバイアル中のヘッドスペース、つまり空間、における酸素%);脂質完全性( 加水分解生成物又は非EPC脂質としての全リン脂質の%)。結果を表7,8, 9,10,11,12,13,14,15及び16に示す(以下参照);それぞ れの表には、リポソームの異なるロットから得られたデータ、つまり同一の仕様 及び条件のもとで異なる時に調製されたリポソーム、から得られたデータが示さ れている。表17,18,19及び20には、製剤pHが約4.5で他は同一条 件のもとで調製されたリポソームの規準が示されている。 実施例28 23匹のオスのSprague−Dawleyラット(350〜400g)を無作為に二つ の処置グループに割り当てた。それぞれのグループを、ゲンタマイシン〔尾静脈 へ巨丸剤として(i.v.(tail bolus)〕のi.v.投与量20mg/kgで 処置した。一方のグループには、pHが約4.5(低pH製剤;ロット#CO3 41、ゲンタマイシン4.8mg/ml、全リン脂質53.1mg/ml)であ るリポソームゲンタマイシンを与えた。第2のグループには、pHが約6.5( 高pH製剤;ロットNo.S0266、ゲンタマイシン6.0mg/ml、全リ ン脂質43.7mg/ml)であるリポソームゲンタマイシンを与えた。 使用した装置及び試薬、薬品投与及びサンプル収集、ゲンタマイシン分析並び に薬物動態学評価は以下の通りであった。 2.4 装置及び試薬 2.4.1 TDxアナライザー(Serial #17734,Abbott Laboratories,Ch icago,IL) 2.4.2 TDxゲンタマイシンアッセイキット、対照、キャリブレータ及 び緩衝液(Abbott Laboratories,Chicago,ILから取得) 2.4.3 ペントバルビタールナトリウム(Fort Dodge Laboratories,INC .,Fort Dodge,Iowa) 2.4.4 AMICON Corporation Scientific System Division,Danvers,MA からのセントリコン−30(Centricon-30)マイクロコンセントレーター(3 0,000MWカットオフ)製品、#4209 2.5 薬剤投与及びサンプル採取 薬剤投与に先立ち、基線になる血漿と尿を各ラットから採取した。一つのラッ ト群(グループB)には、20mg/kgの静脈(尾静脈)内 巨丸剤投与量のG−65低塩化メチレン製剤(Lot#CO341)を投与し、 一方、第2のグループ(グループB)には、同量のG−65pH調整製剤(Lo t#SO266)を投与した。各ラットにおける薬剤投与の後、0.083、0 .25、0.50、1.00、2.00、4.00、6.00、8.00、10 .00、12.00、16.00、20.00、24.00、36.00及び4 8.00時間において、クエン酸塩で洗浄した1ccの注射器を用いて、100 から500μlの血液を抜き取った。採取した血液サンプルを、マイクロ遠心分 離器で2分間遠心分離した。血漿を集め、処理して、2.6項に記載されている ように、全ゲンタマイシン及び遊離ゲンタマイシンを測定した。 TDx希釈緩衝液(TDx Dilution Buffer)で代謝ケージを洗った後、4.0 0、8.00、12.00、24.00、36.00、48.00、60.00 、72.00、96.00及び120時間に、各ラットが排泄した尿を採取した 。採取した尿の量を、各ラット及び採取期間ごとに記録した。尿サンプルを5分 間遠心分離して、粒状破片を除去した。次いで、2.6項に記載されているよう に、尿サンプルを測定して、ゲンタマイシン濃度を求めた。 サンプル採取が終了した時点で、二酸化炭素(ドライアイス)により動物を安 楽死させた。 2.6 ゲンタマイシンアッセイ 血漿及び尿サンプル中のゲンタマイシンの濃度を、TDxシステムの蛍光偏光 イムノアッセイ技術(Abbott Diagnostic Laboratories)を用いて、生物科学レ ポート(Biological Sciences Report)G65−009に記載されているように 測定した。 2.7 薬物動態学評価 ゲンタマイシンの薬物動態学は、モデルインデペンデント(model-independen t)法を用いて求めた。パラメーターは、血漿濃度−時間曲線(AUC)及び台 形法(trapezoidal method)により算出されたそれらの一次モーメント(AUM C)によって、面積から求めた。排泄半減期(t1/2β)、平均滞留時間(MR T)、ボディクリアランス(body clearance)(Clt)及び定常状態における 分布量(Vss)は、次の関係から算出された。 t1/2β=0.693/β MRT=AUMC/AUC Clt=投与量/AUC Vss=投与量(AUMC)/(AUC)2 尿データからゲンタマイシン狩性を評価するに際しては、累積ゲンタマイシン 尿排泄と採取時間の各中間点における排泄速度を使用した。腎臓クリアランス( renal clearance)(Clr)及び排泄半減期(t1/2β)は、下記の関係から計 算した。 Clr=XU/AUC t1/2β=0.693/β ここで、XUは、XU=XU120+(dxu/dt)/βから算出された 、無限大における尿排泄量である。ここで、XU120は、5日間の累積尿排泄量 、dxu/dtは、120時間における排泄速度、βは、排泄中間点における対 数dxu/dt対時間の最終勾配である。 2つの処置グループ間のゲンタマイシン薬物動態学パラメーターの差違を求め るに際しては、General Linear Model(SAS Institute Inc.,NC)を使用した。 薬品投与の後、連続血液(基線、.083、.25、.50、1、2、4、6 、8、10、12、16、20、24、30、36及び48時間)及び尿サンプ ル(基線、4、8、12、24、36、48、60、72、 96及び120時間)を、蛍光偏光イムノアッセイ(TDx,Abbor Labs.)を用い て測定した。結果を表21,22,23及び24並びに図7〜13に示す。 全ゲンタマイシン及び遊離ゲンタマイシンについて、平均薬物動態学パラメー ターを評価するために血漿濃度を用いた。高pH製剤では、AUC、Clt及び Vssが、それぞれ809.02±377.25マイクログラム−時間/ml、 29.39±12.15ml/時間/kg、0.132±0.029 l/kg であるのに比較して、低PH製剤では、AUC、Clt及びVssが、それぞれ 795.34±278.78マイクログラム−時間/ml、27.80±8.6 5ml/時間/kg、0.110±0.035 l/kgであった。高pHグル ープにおける全ゲンタマイシンのMRT及びT1/2は、低pHグループのもの よりも長かった(P<0.05)(それぞれ、4.79±1.39時間及び5. 04±1.91時間対3.72±0.79時間及び4.10±1.15時間)。 遊離ゲンタマイシン画分は、高pHグループでは、Cmax及びAUClast 値が、それぞれ57.31及び29.00マイクログラム/ml、44.39± 6.778マイクログラム−時間/mlであるのに比較して、低pHグループで は、それぞれ115.67±51.42マイクログラム/ml、90.842± 51.42マイクログラム−時間/mlであり、低pHグループの方が多かった 。尿中に排泄された投与ゲンタマイシンの割合(%)は、低pH、高pHグルー プで、それぞれ81.58±10.96、76.16±11.81であった。最 終排泄速度(β)は、高pH処置グループの方が著しく低く(高pH製剤と低p H製剤では、それぞれ0.017±0.004/時間対0.021±0.005 /時間)、これに対応して半減期も長かっ た(高pHグループと低pHグループでは、それぞれ43.31±13.26時 間対35.11±9.96時間)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エドガリー−プフルグ,ローラ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08884,スポッツウッド,ワイオミングア ベニュー 266 (72)発明者 ボニ,ローレンス アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08852,モンマウスジャンクション,ヘム ロックコート 1010

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)脂質及び水と混合しない溶剤を含む有機相と水性相とを、水性相に対 する有機相の容量比が3:1より小さくなるように一緒にすること、及び (b)一緒にされた相を、リポソームを製造するのに十分な混合速度、不活性ガ ス流量及び反応温度を含む処理条件下にて、反応容器内で処理すること からなるリポソームの製造方法。 2.水性相に対する有機相の容量比が、0.2:1から1.0:1である特許請 求の範囲1の方法。 3.一緒にされた相のpHを、脂質に適合した水準に調整することを含む特許請 求の範囲1の方法。 4.一緒にされた相のpHが、5.5から7.5である特許請求の範囲3の方法 。 5.一緒にされた相のpHが、6.5である特許請求の範囲4の方法。 6.リポソームが、マルチラメラリポソームである特許請求の範囲1の方法。 7.その水性区画に取り込まれた溶質を含み、マルチラメラリポソームの各区画 内の溶質の濃度が実質的に等しい特許請求の範囲6のマルチラメラリポソーム。 8.生物活性剤をリポソームに結合させることを更に含む特許請求の範囲1の方 法。 9.生物活性剤が、アミノグリコシド抗生物質である特許請求の範囲1の方法。 10.アミノグリコシド抗生物質が、ゲンタマイシン、ストレプトマイシン、ジ ヒドロストレプトマイシン、トブラマイシン、ネオマイシンB、パロマイシン、 リボスタマイシン、リビドマイシン、カナマイシン、バイオマイシン、シソマイ シン、ネチルマイシン及びアミカシンからなる群から選ばれる特許請求の範囲9 の方法。 11.アミノグリコシド抗生物質が、ゲンタマイシンである特許請求の範囲10 の方法。 12.合わされた相を、式(1)による混合速度、不活性ガス流量及び反応温度 を含む処理条件下にて、反応容器内で処理することを更に含む特許請求の範囲1 の方法。 y=B0+B11+B22+B33+B1212+B1313+B2323+ B112 1+B222 2+B332 3 (1) ここで、 y=目的とする平均粒径 X1=混合速度 X2=不活性ガス流量 X3=反応温度 B0=定数 B1=混合速度の主効果の回帰係数 B2=不活性ガス流量の主効果の回帰係数 B3=反応温度の主効果の回帰係数 B12=混合速度と不活性ガス流量との間の相互作用の回帰係数 B13=混合速度と反応温度との間の相互作用の回帰係数 B23=不活性ガス流量と反応温度との間の相互作用の回帰係数 B11=混合速度の二次効果の回帰係数 B22=不活性ガス流量の二次効果の回帰係数 B33=反応温度の二次効果の回帰係数 13.不活性ガス流量が、0.4リットル/分から1.2リットル/分である特 許請求の範囲12の方法。 14.反応温度が、20℃から80℃である特許請求の範囲12の方法。 15.混合速度が、2,000rpmまでの範囲内である特許請求の範囲12の 方法。 16.(a)リポソームの目的とする平均粒径を選択すること、 (b)式(1)による処理条件の関係に基づく処理条件のそれぞれの値を選択す ること、 (c)工程(b)で選択された値に基づいて、式(1)から計算された平均粒径 を求めること、 (d)計算された平均粒径と目的とする平均粒径とを比較し、十分に近似してい れば、有機相と水性相を一緒にすること、及び (e)工程(b)で選ばれた処理条件下で、一緒にされた相を処理すること を更に含む特許請求の範囲12の方法。 17.残りの処理条件を一定に保ちながら、式(1)による該処理条件の少なく とも一つを変更することにより新しく計算された平均粒径を得ることを更に含む 特許請求の範囲16の方法。 18.混合速度と反応温度を一定に保ちながら、不活性ガス流量を変更すること を含む特許請求の範囲17の方法。 19.反応温度を一定に保ちながら、不活性ガス流量と混合速度を変更すること を更に含む特許請求の範囲18の方法。 20.脂質の量が、一緒にされた相に対して、少なくとも10mg/mlである 特許請求の範囲1の方法。 21.一緒にされた相が粘稠ゲルを形成した時点で、工程(b)を終了すること を含む特許請求の範囲1の方法。 22.生物活性剤を粘稠ゲルと結合させることを更に含む特許請求の範囲21の 方法。 23.特許請求の範囲21の方法により製造されたゲル。 24.温血動物に特許請求の範囲23のゲルを投与することからなる温血動物の 感染を治療又は予防する方法において、該ゲルが抗感染有効量の抗生物質を含み 、該投与が局所投与を含む方法。 25.抗生物質が、ゲンタマイシンである特許請求の範囲24の方法。 26.生物活性剤、脂質を含む脂質二重層及び安定性を高めるpHを有する水溶 液を含む区画を含み、脂質が実質的に純粋な脂質である貯蔵安定性リポソーム。 27.リポソームが、マルチラメラリポソームである特許請求の範囲26の貯蔵 安定性リポソーム。 28.マルチラメラリポソームが、その水性区画に取り込まれた溶質を含み、マ ルチラメラリポソームの各水性区画内の溶質の濃度が実質的に等しい特許請求の 範囲27の貯蔵安定性リポソーム。 29.生物活性剤が、アミノグリコシド抗生物質である特許請求の範囲26の貯 蔵安定性リポソーム。 30.アミノグリコシド抗生物質が、ゲンタマイシン、アミカシン、ストレプト マイシン、ジヒドロストレプトマイシン、トブラマイシン、ネオマイシン、カナ マイシン、リビドマイシン、パロマイシン、リボスタマイシン、バイオマイシン 、シソマイシン及びネチルマイシンからなる 群から選ばれる特許請求の範囲29の貯蔵安定性リポソーム。 31.アミノグリコシド抗生物質が、ゲンタマイシンである特許請求の範囲30 の貯蔵安定性リポソーム。 32.アミノグリコシド抗生物質が、アミカシンである特許請求の範囲30の貯 蔵安定性リポソーム。 33.アミノグリコシド抗生物質が、トブラマイシンである特許請求の範囲30 の貯蔵安定性リポソーム。 34.実質的に純粋な脂質は、純度が少なくとも85%である特許請求の範囲2 6の貯蔵安定性リポソーム。 35.実質的に純粋な脂質は、純度が少なくとも90%である特許請求の範囲3 4の貯蔵安定性リポソーム。 36.実質的に純粋な脂質は、純度が少なくとも95%である特許請求の範囲3 5の貯蔵安定性リポソーム。 37.脂質が、実質的にリソリピドを含まない特許請求の範囲26の貯蔵安定性 リポソーム。 38.脂質が、5%未満のリソリピドを含む特許請求の範囲37の貯蔵安定性リ ポソーム。 39.脂質が、2%未満のリソリピドを含む特許請求の範囲38の貯蔵安定性リ ポソーム。 40.実質的に純粋な脂質が、リン脂質を含む特許請求の範囲26の貯蔵安定性 リポソーム。 41.リン脂質が、卵ホスファチジルコリンである特許請求の範囲40の貯蔵安 定性リポソーム。 42.脂質に対する生物活性剤の比(w/w)が、少なくとも1:20である特 許請求の範囲26の貯蔵安定性リポソーム。 43.脂質に対する生物活性剤の比(w/w)が、1:5から1:15である特 許請求の範囲42の貯蔵安定性リポソーム。 44.脂質に対する生物活性剤の比(w/w)が、1:10である特許請求の範 囲43の貯蔵安定性リポソーム。 45.水溶液が、生理食塩水である特許請求の範囲26の貯蔵安定性リポソーム 。 46.安定性を高めるpHが、5.5から7.5である特許請求の範囲26の貯 蔵安定性リポソーム。 47.安定性を高めるpHが、6.5である特許請求の範囲46の貯蔵安定性リ ポソーム。 48.アミノグリコシド抗生物質、実質的に純粋な卵ホスファチジルコリン及び pHが6.5の食塩水溶液を含有し、リポソームが、その水性区画に取り込まれ た溶質を含むマルチラメラリポソームであり、マルチラメラリポソームの各区画 内の溶質の濃度が実質的に等しく、実質的に純粋な卵ホスファチジルコリンが、 少なくとも85%純度であり、実質的にリソホスファチジルコリンを含まず、E PCに対するアミノグリコシド抗生物質の比(w/w)が、1:15〜1:5で ある特許請求の範囲26の貯蔵安定性リポソーム。 49.アミノグリコシド抗生物質が、ゲンタマイシンである特許請求の範囲48 の貯蔵安定性リポソーム。 50.アミノグリコシド抗生物質が、アミカシンである特許請求の範囲48の貯 蔵安定性リポソーム。 51.アミノグリコシド抗生物質が、トブラマイシンである特許請求の範囲48 の貯蔵安定性リポソーム。
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