JPH09502614A - 新規ヒト蛋白質チロシンホスファターゼをコードするcDNA - Google Patents
新規ヒト蛋白質チロシンホスファターゼをコードするcDNAInfo
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- JPH09502614A JPH09502614A JP7509265A JP50926595A JPH09502614A JP H09502614 A JPH09502614 A JP H09502614A JP 7509265 A JP7509265 A JP 7509265A JP 50926595 A JP50926595 A JP 50926595A JP H09502614 A JPH09502614 A JP H09502614A
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- C12Q1/34—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving hydrolase
- C12Q1/42—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving hydrolase involving phosphatase
Abstract
(57)【要約】
新規ヒト蛋白質チロシンホスファターゼ(PTP)を単離し、そのcDNAを単離した。PTP−OBと命名されたこの新規PTPは受容体様の三次元構造を有し、骨芽細胞に存在する。PTP−OBは骨芽細胞の分化に関与し、PTP−OB活性のモジューレーターは骨芽細胞分化、破骨細胞分化および破骨細胞活性を変調する。
Description
【発明の詳細な説明】新規ヒト蛋白質チロシンホスファターゼをコードするcDNA
発明の背景
蛋白質チロシンのリン酸化は細胞シグナルの変換、細胞増殖および分化の調節
で重要な役割を演じる。チロシンのリン酸化は、蛋白質チロシンキナーゼ(PT
K)および蛋白質チロシンホスファターゼの活性の均衡によって制御される(C
antley,L.C.ら,1991,Cell,64,pp281−302;
Fisher,E.H.ら,1991,Science,253,pp.401
−406;Alexander,D.R.およびCantrell,D.A.,
1989,Immunol.Today,10,pp.200−205;Ton
ks,N.R.およびCharbonneau,H.,1989,Trends
Biochem.Sci,14,pp.497−500;Saito,H.お
よびStreuli,M.1991,Cell Growth And Dif
ferentiation,2,pp.59−65;Gautier,J.ら,
1991,Cell,67,pp.197−211;Zheng,X.M.ら,
Nature,359,pp.
336−339)。チロシンキナーゼ活性が骨細胞の成長および分化で重要な役
割を演じていることはよく記載されている。M−CSFおよびその受容体c−f
msは破骨細胞の発育で極めて重要であることが示された。最近、Sorian
oらは、相同組換えによって、c−srcプロトオンコジーンの破壊が、破骨細
胞機能が損なわれることによる骨吸収によって特徴付けられる大理石骨病を誘導
したことを報告した(Soriano,P.ら,1991,Cell,64,p
p.693−702;Boyce,B.F.ら,1992,J.Clin.In
vest.,90,pp.1622−1627)。in vivoおよびin
vitro両実験において、FGF、IGF−IおよびIGF−IIが破骨細胞機
能で重要であることが証明された。これらの知見は、チロシンのリン酸化は明ら
かに骨細胞で重要であることを示唆する。
前記したごとく、蛋白質チロシンのリン酸化は蛋白質チロシンキナーゼと蛋白
質チロシンホスファターゼの対立する作用によって密接に均衡されている。PT
Pse阻害剤であるオルトバナデートでの骨細胞の処置の結果、細胞増殖および
骨コラーゲンの合成が刺激される(Lauら,Endocrinol
ogy,1988,123,pp.2858−2867)。器官培養において、
バナデート酸塩処置はPTHでの処置によって誘導される骨吸収の刺激を阻害し
た(KriegerおよびTashjian,Endocrinology,1
983,113,pp.324−328)。これらを総合すると、上記所見はP
TPアーゼが骨細胞において重要な機能を奏していることを示唆する。
発明の概要
ポリメラーゼ連鎖反応を用いて、骨細胞におけるいくつかのPTPseについ
てのcDNA分子を同定した。PTP−OBと命名した、cDNAクローンのう
ちの1つは、蛋白質チロシンホスファターゼファミリーの新規なメンバーをコー
ドしていた。ヒトcDNAライブラリーから、全開放読み枠DNAをその蛋白質
につきクローン化した。PTP−OBは1911個のアミノ酸残基よりなる。配
列分析は、推定シグナルペプチドおよび膜貫通ドメインよりなる疎水性アミノ酸
残基の2つの領域を明らかにし、かくして、受容体様PTPaseとしてのPT
P−OBが示された。PTP−OBのアミノ酸配列は、LARおよびLAR関連
PTPaseと比べての良好な類似性を示す。
LARについて記載されるごとく、3つの免疫グロブリン様および8つのフィブ
ロネクチンIII型様ドメインが細胞外ドメインで、およびPTPaseの2のタ
ンデムリピートが細胞質領域で同定できる。ヒト脳ライブラリーから単離された
cDNAクローンは開放読み枠を維持した1227bpの欠失を含有したが、4
09アミノ酸残基だけ短い細胞外領域および1のアミノ酸置換を持つそれをコー
ドしていた。ハイブリダイゼーション実験は、PTP−OBは骨および脳組織で
7.3キロベース(kb)mRNAとして発現されることを明らかにした。PT
P−OB転写体の組織分布は、この受容体様PTPaseが骨芽細胞および脳細
胞の成長および分化に関与することを示唆した。
図面の簡単な説明
図1
PTP−OB重複cDNAクローンの模式的構造を種々のヒトライブラリーか
ら取り出した;ヒト胎児肺ライブラリーからのPTP−OB−17、PTP−O
B−10ヒトジァイアント細胞腫瘍ライブラリーおよびヒト胎児脳ライブラリー
からのPTP−OB−133を示し、シグナルペプチドを持つ細胞外
領域、免疫グロブリン様ドメイン(Ig−様)、フィブロネクチン(FN)III
型様ドメイン、膜貫通(TM)ドメインおよびPTPaseドメインを持つ細胞
質領域を描く。
図2
PTP−OBcDNAのヌクレオチド配列を示す。
図3
PTP−OBのアミノ酸配列を示す。
図4
ヒト骨肉腫(レーン1)、ヒトジァイアント細胞腫瘍(レーン2−5)、およ
びラット脛骨(レーン6)細胞からのRNAのノーザンブロットを示す。
図5
ヒト組織からのRNAのノーザンブロットを示す。
図6
ヒト組織からのRNAのノーザンブロットを左側に、および右側の2つのレー
ンにはヒト腫瘍組織[骨肉腫(OS)およびジァイアント細胞腫瘍(GCT)]
からのRNAを示す。
図7
in vitro破骨細胞形成における蛋白質チロシンホス
ファターゼおよび蛋白質チロシンキナーゼの効果を示す。
図8
破骨細胞融合に対するオルトバナデート酸塩の時間依存性効果を示す。
図9
in vitro骨吸収に対する蛋白質チロシンホスファターゼおよび蛋白質
チロシンキナーゼの効果を示す。
発明の詳細な記載
本発明は、PTP−OBと称する新規蛋白質チロシンホスファターゼをコード
するcDNAに関する。また、本発明は、組換え発現プラスミドに含まれるPT
P−OBをコードするDNAを発現する組換え宿主細胞に関する。また、本発明
は、PTP−OB蛋白質活性を変調する基質をスクリーニングする方法に関する
。本発明のDNAはPTP−OB産生細胞から単離される。本明細書で用いるP
TP−OBとは、骨および脳細胞で特異的に発現される蛋白質チロシンホスファ
ターゼをいう。また、本発明は、PTP−OB産生細胞から単離された、PTP
−OBとしても記載される、ユニークな蛋白質チロシンホスファターゼ蛋白質に
関する。本明細書でいうPTP−OB蛋白質
とは、骨および脳細胞で特異的に産生される蛋白質チロシンホスファターゼ蛋白
質をいう。
PTP−OBを産生できる哺乳動物細胞は、限定されるものではないが、MB
1.8のごとき骨に由来する細胞、U340のごとき脳細胞を包含する。本発明
でPTP−OBを産生する形質転換哺乳動物細胞系は、限定されるものではない
が、NIH 3T3細胞を包含する。本発明で好ましい細胞は、正常ヒトHEL
A、NIH 3T3、U2およびCHO細胞を包含し、最も好ましいのはヒト2
93細胞である。
他の細胞および細胞系もPTP−OBcDNAを単離するための使用に適し得
る。適当な細胞の選択は、細胞によって産生されるPTP−OBにつきスクリー
ニングすることによってなすことができる。PTP−OB活性を検出する方法は
当該分野でよく知られており(Maniatis,T.,Fritsch,E.
F.,Sambrook,J.,Molecular Cloning ;A L
aboratory Manual,Cold Spring Harbor
Laboratory,Cold Spring Harbor,New Yo
rk,1982)、細胞によって産生されたPTP−OB R
NAのレベルを測定する。このアッセイにおいてPTP−OB活性を保有する細
胞は、PTP−OB cDNAの単離に適するであろう。
種々の方法のうちいずれもPTP−OB cDNAをクローン化するのに用い
ることができる。これらの方法は、限定されるものではないが、適当な発現ベク
ター系におけるPTP−OB含有cDNAライブラリーの構築後におけるPTP
−OB cDNAの直接的機能的発現を含む。もう1つの方法は、PTP−OB
蛋白質のアミノ酸配列から設計した標識オリゴヌクレオチドプローブで、バクテ
リオファージまたはプラスミドシャトルベクター中に構築したPTP−OB含有
cDNAライブラリーをスクリーニングすることである。好ましい方法は、PT
P−OB蛋白質をコードする部分的cDNAで、バクテリオファージまたはプラ
スミドシャトルベクター中に構築したPTP−OB含有cDNAライブラリーを
スクリーニングすることよりなる。この部分的cDNAは、PTP−OB蛋白質
に関連する他のPTP−OB−ファミリー蛋白質チロシンホスファターゼにつき
知られているアミノ酸配列からの縮重オリゴヌクレオチドプライマーの設計を通
じて、PTP−OB DNA
断片の特異的PCR増幅によって得られる。
他のタイプのライブラリー、ならびに他の細胞または細胞型から構築したライ
ブラリーは、PTP−OBをコードするDNAを単離するのに有用であり得るこ
とは当業者に明らかである。他のタイプのライブラリーは、限定されるものでは
ないが、マウスまたはラット細胞のごときヒト以外の他の細胞または細胞系に由
来するcDNAライブラリー、およびゲノムDNAライブラリーを含む。
適当なcDNAライブラリーはPTP−OB活性を有する細胞または細胞系か
ら調製できることは当業者に明らかであろう。cDNAライブラリーを調製した
PTP−OB cDNAを単離する際における細胞または細胞系の選択は、上記
し、また本発明で用いる公知の細胞関連PTP−OB活性をまず測定することに
よってなすことができる。
cDNAライブラリーの調製は、当該分野でよく知られた標準的な技術によっ
てなすことができる。よく知られたcDNAライブラリー構築技術は、例えば、
Maniatisらの前掲書に見い出すことができる。
また、PTP−OBをコードするDNAも適当なゲノム
DNAライブラリーから単離できることは当業者に明らかである。
ゲノムDNAライブラリーの構築は当該分野でよく知られた標準的な技術によ
ってなすことができる。よく知られたゲノムDNAライブラリー構築技術は、M
aniatis,らの前掲書に見い出すことができる。
好ましい方法のうちの1つによってPTP−OB遺伝子をクローン化するため
には、PTP−OBまたは相同蛋白質のアミノ酸配列またはDNA配列の知識が
必要であろう。これを達成するためには、PTP−OB蛋白質または相同蛋白質
を精製し、自動配列決定機によって部分的アミノ酸配列を決定することができる
。全アミノ酸配列を決定する必要はなく、6ないし8個のアミノ酸の2つの領域
の直線的配列を決定し、これを部分的PTP−OB DNA断片のPCR増幅に
利用できる。
一旦アミノ酸配列が同定されれば、それらをコードできるDNA配列を合成す
る。遺伝暗号は縮重しているので、特定のアミノ酸をコードする2以上のコドン
があり得、従って、アミノ酸配列は同様のDNAオリゴヌクレオチドのセットの
うちのいずれによってもコードされ得る。該セットのうちの1つの
みがPTP−OB配列と同一であるが、該セットのうちの他のものも、たとえ不
整合を持つDNAオリゴヌクレオチドが存在しても、PTP−OB DNAにハ
イブリダイズできる。不整合したDNAオリゴヌクレオチドでも、PTP−OB
DNAにハイブリダイズして、PTP−OBをコードするDNAの同定および
単離に十分である。
好ましい方法のうちの1つを用い、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を基礎と
する技術およびcDNAライブラリースクリーニングを使用する2段階アプロー
チでPTP−OBをコードするcDNAクローンが単離される。第1の段階にお
いて、精製したPTP−OBまたは相同蛋白質からのNH2−末端および内部ア
ミノ酸配列の情報を用いて、PTP−OB特異的DNA断片の増幅用の縮重オリ
ゴヌクレオチドプライマーを設計する。第2の段階において、これらの断片をク
ローン化して、ヒト骨肉腫または脳細胞に由来するcDNAライブラリーからの
全長cDNAの単離のためのプローブとして供する。
PTP−OBをコードするほぼ全長のcDNAについての配列を図2に示し、
クローンPTP−OBと命名した。クローン化cDNAからのPTP−OBの推
定アミノ酸配列を図3に示
す。決定したcDNA配列を見ると、ほぼ1911アミノ酸の蛋白質をコードす
る単一の大きな開放読み枠がある。
前記した方法により得られたクローン化PTP−OBcDNAは、適当なプロ
モーターおよび他の適当な転写調節エレメントを含有する発現ベクターに分子ク
ローラングすることによって、組換え的に発現することができ、原核生物または
真核生物宿主細胞に移入して、組換えPTP−OBを産生させることができる。
かかる操作についての技術はManiatisらの前掲書に記載されており、ま
た、当該分野でよく知られている。
本明細書では、発現ベクターとは、適当な宿主におけるクローン化DNAの転
写およびそのmRNAの翻訳に必要なDNA配列と定義される。かかるベクター
は、細菌、藍色植物、植物細胞、昆虫細胞および動物細胞のごとき種々の宿主で
真核生物DNAを発現させるのに使用できる。
特別に設計したベクターは、細菌−酵母または細菌−動物細胞のごとき宿主間
のDNAの往来を可能とする。適当に構築された発現ベクターは、宿主細胞にお
ける自己複製のための複製起点、選択マーカー、限定数の有用な制限酵素部位、
高コピー
数の可能性、および活性プロモーターを含有すべきである。プロモーターは、R
NAポリメラーゼにDNA結合するように指示し、RNA合成を開始させるDN
A配列と定義される。強力なプロモーターはmRNAをして高頻度で開始される
ようにするものである。発現ベクターは、限定されるものではないが、クローニ
ングベクター、修飾されたクローニングベクター、特別に設計されたプラスミド
またはウイルスを包含できる。
種々の哺乳動物発現ベクターを哺乳動物細胞における組換えPTP−OBの発
現に使用できる。組換えPTP−OB発現に適し得る商業的に入手可能な哺乳動
物ベクターは、限定されるものではないが、pMC1neo(Stratage
ne)、pXT1(Stratagene)、pSG5(Stratagene
)、pcDNAI、pcDNAIamp(Invitrogen)、EBO−p
SV2−neo(ATCC37593)、pBPV−1(8−2)(ATCC3
7110)、pdBPV−MMTneo(342−12)(ATCC37224
)、pRSVgpt(ATCC37199)、pRSVneo(ATCC371
98)、pSV2−dhfr(ATCC37146)、pUCTag(ATCC
37460)、および
IZD35(ATCC37565)を包含する。
また、PTP−OBをコードするDNAを宿主細胞における発現のために発現
ベクターにクローン化することができる。宿主細胞は原核生物または真核生物で
あり得、限定されるものではないが、ヒト、ウシ、ブタ、サルおよび齧歯類起源
の細胞系を含み、また、限定されるものではないがショウジョウバエ由来細胞系
を含めた昆虫細胞を含む。適当であって商業的に入手可能な哺乳動物種に由来す
る系は、限定されるものではないが、CV−1(ATCC CCL70)、CO
S−1(ATCC CRL 1650)、COS−7(ATCC CRL 16
51)、CHO−K1(ATCC CCL61)、3T3(ATCC CCL9
2)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC
CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS−C−1(A
TCC CCL 26)およびMRC−5(ATCC CCL171)を含む。
限定されるものではないが、形質転換、トランスフェクション、プロトプラス
ト融合およびエレクトロポレーションを含めた多数の技術のうちのいずれかによ
り、発現ベクターを宿主細
胞に導入することができる。発現ベクターを含有する細胞は個々に分析して、こ
れらがPTP−OB蛋白質を発現するか否かを判断する。PTP−OB発現細胞
の同定は、限定されるものではないが、抗−PTP−OB抗体との免疫学的反応
性、および宿主細胞関連PTP−OB活性の存在を含めたいくつかの手段によっ
てなすことができる。
また、PTP−OB DNAの発現はin vitro産生された合成mRN
Aを用いて行うことができる。合成mRNAは、限定されるものではないが、麦
芽エキスおよび網状赤血球抽出物を含めた種々の無細胞系で効果的に翻訳でき、
また、限定されるものではないが、カエル卵母細胞へのマイクロインジェクショ
ンを含めた細胞ベース系(カエル卵母細胞へのマイクロインジェクションが好ま
しい)にて効果的に翻訳できる。
最適レベルのPTP−OB蛋白質を生じるPTP−OB cDNAを決定する
ために、限定されるものではないが以下のものを含めたPTP−OB cDNA
分子を構築できる:PTP−OB cDNAの全長開放読み枠および蛋白質の特
異的ドメインのみまたは蛋白質の再配置されたドメインをコードするcDNAの
部分を含有する種々の構築体。全ての構築体は、
PTP−OB cDNAの5’および/または3’非翻訳領域を含まない、また
は全部もしくは一部を含むように設計できる。PTP−OB活性および蛋白質発
現のレベルは、これらの構築体を適当な宿主細胞に、単独でまたは組み合わせて
導入することによって判断できる。一過性アッセイにおいて最適発現を生じるP
TP−OB cDNAカセットの決定により、このPTP−OB cDNA構築
体を、限定されるものではないが、哺乳動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、卵母細
胞、細菌および酵母細胞用のものを含めた(組換えウイルスを含む)種々の発現
ベクターに移入する。
PTP−OB蛋白質の宿主細胞におけるレベルは、限定されるものではないが
、免疫親和性および/またはリガンド親和性技術を含めた種々の技術によって定
量される。PTP−OB特異的アフィニティービーズまたはPTP−OB特異的
抗体を用いて、35S−メチオニン標識または未標識PTP−OB蛋白質を単離す
る。標識PTP−OB蛋白質の場合はSDS−PAGEによって分析する。未標
識PTP−OB蛋白質では、PTP−OB特異的抗体を用いてウェスタンブロッ
ト、ELISAまたはRIAアッセイによって検出される。
宿主細胞におけるPTP−OBの発現により、PTP−OB蛋白質を回収して
活性形のPTP−OBを得る。いくつかのPTP−OB精製手法が利用でき、使
用するのに適する。組換えPTP−OBは、塩分別、イオン交換クロマトグラフ
ィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト吸着クロマトグラ
フィーおよび疎水性交換クロマトグラフィーの種々の組合せによって、あるいは
個々の適用によって、細胞の溶解物または抽出物または調整培養培地から精製で
きる。
加えて、組換えPTP−OBは、全長PTP−OB、またはPTP−OBのポ
リペプチド断片に特異的なモノクローナルまたはポリクローナル抗体で作成した
免疫アフィニティーカラムの使用によって他の細胞蛋白質から分離できる。
PTP−OBに対するモノ特異的抗体は、PTP−OBに対して反応性の抗体
を含有する哺乳動物抗血清から精製され、あるいは、KohlerおよびMil
stein(Nature256:495−497(1975))の技術を用い
てPTP−OBに対して反応性のモノクローナル抗体として調製される。本明細
書で用いるモノ特異的とは、PTP−OBに対する同種結合特性を持つ単一抗体
種または多重抗体種と定義される。本
明細書で用いる同種結合とは、前記したごとき、PTP−OBに関連するものの
ごとき、特異的抗原またはエピトープに結合する抗体種の能力をいう。PTP−
OB特異的抗体は、免疫アジュバントを含むまたは含まない適当な濃度のPTP
−OBにて、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ウマ等のごとき動物
を免疫することによって生起される。
免疫前血清を第1免疫化に先立って収集する。許容される免疫アジュバントと
共に、約0.1μgと約1000μgの間のPTP−OBを各動物に摂取させる
。適当なアジュバントは限定されるものではないが、フロイントの完全アジュバ
ント、フロイントの不完全アジュバント、ミョウバン沈殿物、Coryneba
cterium parvumおよびtRNAを含有する油中水型エマルジョン
を包含する。最初の免疫化は、好ましくは、皮下(SC)投与、腹腔内投与(I
P)またはその双方にての、多重部位での、フロイントの完全アジュバント中の
PTP−OB蛋白質による。規則的間隔で、好ましくは毎週、各動物から血液採
取して抗体力価を測定する。動物には最初の免疫化に続いて追加注射をしてもし
なくてもよい。追加注射を摂取させる動物は一般に同一の経路によってフロイ
ントの不完全アジュバント中の同量のPTP−OBを投与する。追加注射は最適
力価が得られるまで約3週間間隔で与える。各追加免疫化の後約7日に、または
単一免疫化約1週間後に、動物から血液採取し、血清を収集し、アリコートを約
−20℃で保存する。
PTP−OBと反応性のモノクローナル抗体(mAb)はPTP−OBで純系
マウス、好ましくはBalb/cを免疫化することによって調製される。同容量
の前記したごとき許容されるアジュバント中に配合した約0.5ml緩衝液また
は生理食塩水中の約1μgないし約100μg、好ましくは約10μgのPTP
−OBにて、マウスをIPまたはSC経路で免疫する。フロイントの完全アジュ
バントが好ましい。第0日にマウスに初期免疫を与え、約3ないし約30週間休
ませる。静脈内(IV)経路によって、リン酸緩衝生理食塩水のごとき緩衝溶液
中の約1ないし約100μgのPTP−OBの1回またはそれ以上の追加免疫化
を免疫したマウスに与える。抗体陽性マウスからのリンパ球、好ましくは脾臓リ
ンパ球は、当該分野で公知の標準的な手法によって免疫化マウスから脾臓を摘出
することによって得られる。ハイブリドーマ細胞は、安定なハイブ
リドーマの形成を可能とする条件下、脾臓リンパ球を適当な融合パートナー、好
ましくは骨髄腫細胞と混合することによって産生される。融合パートナーは限定
されるものではないが、マウス骨髄腫P3/NS1/Ag4−1;MPC−11
;S−194およびSp2/0を包含し、Sp2/0が好ましい。抗体産生細胞
および骨髄腫細胞を、約30%ないし約50%の濃度の、ポリエチレングリコー
ル分子量約1000中で融合させる。融合したハイブリドーマ細胞は、当該分野
で公知の手法によって、ヒポキサンチン、チミジンおよびアミノプテリンを補足
したダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)中での増殖によって選択される
。上清流体を約14、18および21日に増殖陽性ウェルから収集し、PTP−
OBを抗原として用いて固相免疫ラジオアッセイ(SPIRA)のごときイムノ
アッセイによって抗体産生についてスクリーニングする。また、培養流体をオク
タロニー沈殿アッセイでテストして、mAbのイソタイプを決定する。抗体陽性
細胞からのハイブリドーマ細胞を、MacPherson,Soft Agar
Techniques(Tissue Culture Methos an
d Applications,Kruse and Pat
erson編,Academic Press,1973)のごとき技術によっ
てクローン化する。
モノクローナル抗体は、初回免疫後約4日後に約2×106ないし約6×106
ハイブリドーマ細胞を、マウス当たりほぼ0.5mlにて、プリスタン初回免疫
Balb/cマウスに注射することによってin vivoで産生される。細胞
移入後ほぼ8〜12日に腹水流体を収集し、モノクローナル抗体を当該分野で公
知の技術によって精製する。
抗−PTP−OBmAbのin vitro産生は、約2%胎児ウシ血清を含
有するDMEM中でハイブリドーマを増殖させて十分量の特異的mAbを得るこ
とによって行われる。mAbは当該分野で公知の技術によって精製する。
腹水またはハイブリドーマ培養流体の抗体力価は、限定されるものではないが
、沈殿、受動凝集、酵素結合イムノ溶媒検定法(ELISA)技術およびラジオ
イムノアッセイ(RIA)技術を含めた種々の血清学的または免疫学的アッセイ
によって測定される。同様のアッセイを用いて、体液または組織および細胞抽出
物中のPTP−OBの存在を検出する。
モノ特異的抗体の産生のための前記記載の方法を用いて、
PTP−OBポリペプチド断片、または全長PTP−OBポリペプチドに特異的
な抗体を産生させることができるのは当業者に明らかであろう。
PTP−OB抗体アフィニティーカラムは、抗体がアガロースゲルビーズ支持
体と共有結合を形成するよう、Affigel−10(Biorad)(N−ヒ
ドロキシスクシンイミドエステルで予め活性化したゲル支持体)に抗体を添加す
ることによって作成される。次いで、抗体をスペーサーアームでアミド結合を介
してゲルにカップリングさせる。次いで、残存する活性化エステルを1Mエタノ
ールアミンHCl(pH8)で失活する。カラムを水、続いて0.23Mのグリ
シンHCl(pH2.6)で洗浄して、非結合抗体または外来性蛋白質を除去す
る。次いで、カラムをリン酸緩衝生理食塩水(pH7.3)で平衡化し、細胞培
養上清またはPTP−OBまたはPTP−OB断片を含有する細胞抽出物をカラ
ムに通す。次いで、カラムを、光学密度(A280)がバックグラウンドまで低下
するまでリン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、次いで蛋白質を0.23Mグリシン−
HCl(pH2.6)で溶出させる。次いで、精製したPTP−OB蛋白質をリ
ン酸緩衝生理食塩水ら対して透析
する。
本発明の新規PTP−OB蛋白質チロシンホスファターゼは、PTP−OB活
性を変調する化合物を選定するためのアッセイ手法で用いるのに適し、ここでい
う変調は本明細書に記載するごとくに、蛋白質の阻害および活性化を含み、また
、PTP−OB活性の正常調節に直接または間接に影響することを含む。PTP
−OB活性を変調する化合物は、作動剤、拮抗剤、およびPTP−OB活性の調
節に直接または間接に影響する化合物を含む。
本発明のPTP−OB蛋白質チロシンホスファターゼは、PTP−OBモジュ
レーターを選定するアッセイ手法で用いるため天然および組換え源から得られる
。一般に、PTP−OBモジュレーターを選定するアッセイ手法は、本発明のP
TP−OB−蛋白質、および推定PTP−OBモジュレーターを含有するテスト
化合物または試料を含有する。該テスト化合物または試料は、例えば、天然物ま
たは組換え物を問わず、精製されたPTP−OB蛋白質、天然物または組換え物
を問わずPTP−OB産生細胞の細胞下画分、および/または天然物または組換
え物を問わずPTP−OBを発現する全細胞について直接テ
ストすることができる。該テスト化合物または試料は、公知のPTP−OBモジ
ュレーターの存在下または不存在下でPTP−OBに添加することができる。テ
スト化合物または試料の変調活性は、例えば、PTP−OB蛋白質に結合する、
該蛋白質を活性化する、PTP−OB活性を阻害する、PTP−OB蛋白質に他
の化合物が結合するのを、受容体を修飾するのを、または細胞内活性を修飾する
のを阻害もしくは増強するテスト化合物または試料の能力を分析することによっ
て測定される。
PTP−OB活性変調剤の選定は、骨粗鬆症のごときPTP−OB活性に関係
する病的状態を治療するのに有用である。他の化合物は、受容体の活性を刺激ま
たは阻害するのに有用である。これらの化合物は、骨喪失の予防および治療なら
びに骨形成の刺激に有用である。かかる化合物は、PTP−OB蛋白質の活性化
または不活化の結果、細胞増殖、細胞死滅、非増殖、細胞新生物形質転換または
転移性腫瘍増殖の誘導となる病気の治療に使用でき、また、肺癌および骨肉腫の
ごとき癌の予防および/または治療に使用できる。PTP−OBをコードするD
NA分子の単離および精製は、PTP−OBの組織分布を確立するのに、また、
PTP−OB活性を変調する化合物を同定
するプロセスを確立するのに有用であろう。
また、単離し精製されたPTP−OBは、大量のPTP−OB蛋白質の組換え
生産で有用であろう。大量のPTP−OB蛋白質を生産できれば、PTP−OB
蛋白質からなる治療剤の生産に有用であろう。PTP−OB蛋白質からなる治療
剤は、PTP−OB応答性であるPTP−OB関連の疾患または障害の治療に有
用であろう。
分子クローニングおよびDNA配列決定によって、PTP−OBと命名された
、蛋白質チロシンホスファターゼ遺伝子ファミリーの新しいメンバーが同定され
た。PTB−OBは受容体様構造を有し、特徴的な細胞質蛋白質チロシンホスフ
ァターゼ領域を有する。該蛋白質は1912個のアミノ酸残基よりなり、チロシ
ンホスファターゼLAR、PTPδおよび他の公知のLRA関連PTPaseと
類似性を有する。配列分析は、PTP−OB蛋白質において3つの高度に疎水性
の領域を明らかにした。1つはアミノ末端に位置し、シグナルペプチドのようで
ある。続いて正の荷電残基がある第2の高度に疎水性セグメントは膜貫通ドメイ
ンとして働くようである。細胞質領域において、PTB−OBはPTPaseフ
ァミリーで見い出され
る2つのタンデムPTPase様ドメインを含有する。公知のPTPaseと配
列比較すると、PTB−OBはLARおよびPTPδに相同であることが示され
た(Streuli,M.ら,1988,J.Exp.Med.,168,pp
.1523−1530;Krueger,N.X.ら,1990,EMBO J
.,9,pp.3241−3252)。総じてのアミノ酸配列相同性は、各々、
68%および59%に達する。細胞外領域の一次アミノ酸はLARのものと異っ
ていたが、PTB−OBの細胞外領域は、LARで見い出された3つのIg−様
ドメインおよび8つのフィブロネクチンIII型様ドメイン(Streuli,M
.前掲)を含有することが観察された。
種々の細胞および組織からのRNAでのノーザンハイブリダイゼーション実験
は、PTB−OBおよびPTPδは共に骨および脳由来の細胞または組織で発現
されることを示した。相対的に高レベルのPTB−OBおよびPTPδ転写体が
ヒト骨肉腫腫瘍、ヒトジャイアント細胞腫瘍、ラット脛骨、マウス頭蓋冠から単
離した比較的成熟した培養骨芽細胞から単離したRNAで見い出された。骨肉腫
腫瘍は骨芽細胞が豊富であって、ジァイアント細胞腫瘍は多核破骨細胞様細胞お
よび破骨細胞な
らびに他のはっきりしていない細胞の混合細胞集団であるので、骨においては、
骨芽細胞はPTP−OBおよびPTPδRNAの源であるようである。PTP−
OBおよびPTPδをコードする骨RNAにおける発現に加え、ヒト脳において
、同様にヒト神経膠芽細胞腫細胞系U340から単離されたRNAの発現があっ
た。総じて、PTP−OBの発現は、PTPδのそれよりも、脳由来の細胞およ
び組織により限定されていた。脳および骨での発現に加え、低レベルのPTPδ
が肺、肝臓、腎臓および膵臓から単離されたRNAで見い出された。PTPδの
完全な配列は知られていないが、利用可能な配列より、PARおよびPTP−O
Bに構造的に関連しているようであった。ショウジョウバエにおける同様のPT
Paseの実験は、細胞接着分子に関する構造的特徴を有するこれらの受容体様
PTPaseは細胞と細胞、または細胞とマトリックスの相互作用に関与するこ
とを示唆した。脳および骨両者において、細胞と細胞、または細胞とマトリック
スの接触は、プロセス進行中に継続的に修飾される。骨においては、これらの受
容体様PTPaseは、骨芽細胞相互または骨芽細胞と骨マトリックスとの相互
作用を調節しているらしい。培養した骨芽細胞での
実験は、PTPase阻害剤であるバナデート酸塩が細胞増殖および骨コラーゲ
ンの合成を刺激することを示した(Lauら,前掲)。これらの知見は、これら
のPTPaseが骨芽細胞において重要な機能を演じるらしいことを示唆するが
、その正確な機能はまだ確立されていない。
以下の実施例は本発明の説明として供するが、本発明を限定するものではない
。
実施例1
プライマーの設計
典型的なチロシンホスファターゼドメインの保存されたアミノ酸残基の暗号領
域を認識するように縮重DNAプライマーを設計した。センスプライマーPH4
は、保存されたアミノ酸残基KCAQYWP(配列番号2)に従って調製された
縮重オリゴマー5’ CTTATAGAA(A/G)TG(T/C)GC(G/
T/C/A)CA(A/G)TA(T/C)TGGCC(配列番号1)であった
。アンチセンスプライマーPH2a5’ GAAGCTTCC(C/A)A(C
/T)(G/C/T/A)CCTGCAC(T/A)(A/G)CA(G/A)
TG(C/G/T/A)AC9(配列番号3)は、チロシンホ
スファターゼドメインのアミノ酸残基VHCSA(V/I)G(配列番号4)に
ついてコードするDNA配列に相補的になるよう設計した。
cDNA増幅
一本鎖のランダム起点からのcDNAは、ヒト骨肉腫Saos−2/B10細
胞(Rodanら,1987,1989)から単離したRNAからMo−MLV
逆転写酵素(BRL)で調製した。cDNA反応物(25μl)を300μl水
に希釈し、95℃で5分間変性し、素早く氷上で冷却した。Amplitaqキ
ットおよびDNA熱サイクラー(Perkin Elmer,Cetus)での
増幅反応で、該cDNA(5μl)および前記プライマー対PHaおよびPH4
(各々0.5μM)を使用した。増幅サイクルは以下の通りであった:94℃、
70秒間の変性;50℃、135秒間のアニーリング;3分かけての温度72℃
までのゆっくりとした上昇;72℃、4分間の延長を40サイクル。増幅した断
片を5%ポリアクリルアミドゲル上の電気泳動によって分離し、プラスミドにク
ローン化し、配列決定した。次いで、該cDNAクローンを用いて、λgt11
cDNAライブラリー
をスクリーニングし、陽性クローンを単離し、その2つのDNA鎖を配列決定し
た。
cDNAライブラリーのスクリーニング
19週および21週齢の胎児および26週齢男児のヒト胎児脳の混合物から調
製したヒト胎児肺のcDNAライブラリーは購入した(Clontech,CA
)。オリゴdTおよびランダムプライマー(Super Script Cho
ice System,BRL,MD)の混合物を用い、ヒトジァイアント細胞
腫瘍およびヒトU340脳腫瘍細胞cDNAライブラリーをλgt11中で構築
した。該cDNAライブラリーを150mmプレート当たり30000プラーク
の密度で平板培養し、ナイロンフィルター(Hybond N,Amersha
m)に移した。100万または50万の各ライブラリーの組換体を32P−標識プ
ローブを用いてスクリーニングした。陽性プラークを同定し、選択したクローン
をプラスミドに挿入し、配列決定した。
PTP−OBcDNAのクローニング
骨由来細胞で発現されるPTPaseを同定するために、ポリメラーゼ連鎖反
応(PCR)法を使用した。TPAまたは対
照溶液での処理6時間後、全RNAをヒト骨肉腫SAOS−2/B10から単離
した。cDNAを調製し、PTPファミリーのメンバーで見い出されたチロシン
ホスファターゼドメインの保存されたアミノ酸残基に従って合成されたDNAプ
ライマーでのPCR増幅に付した。5%ポリアクリルアミドゲルで増幅産物を分
離後、サイズ範囲が290−315bpの多種のDNA断片が、TPA処理細胞
のcDNAを含有する反応で観察された。対照細胞からのcDNAを鋳型として
用いた場合、検出可能なハイブリダイズするDNA断片は観察されなかった。該
DNA断片をプラスミドベクターにクローン化し、その全長について配列決定し
た。配列分析の後、本発明者らは、種々のcDNAクローンが5つの異なるPT
PaseのDNA断片を表すことを見い出した。これらのPTPaseのうち4
つは、公知のPTPδ(Kruegerら、前掲)、PTPγ(Sapら,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,87,pp.6112−6
116;Kaplanら,前掲)、PTPα(Matthewsら,1990,
Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,89,pp.2980
−2984;Kaplanら、前掲)、
およびPTP MEG(Gu,M.ら,1992,Proc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.,89,pp.2980−2984)であった。第5
番目のクローンをPTP−OBと命名し、これは新規でまだ報告されていないP
TPase遺伝子産物である。
ヒトPTP−OBについての完全なcDNA配列を得るために、購入するかま
たは標準的な方法によって調製したいくつかのcDNAラスブラリーをスクリー
ニングした。ヒト胎児肺ラスブラリーから、PTP−OBの増幅された283b
pDNA断片とハイブリダイズする3つのcDNAクローンが得られた。該DN
A配列の分析は、これらの3つのクローンは同一であって、この配列はPTP−
OBのものに一致することが明らかとされた。クローンPTP−OB−17の完
全なDNA配列決定は、推定停止コドンによつて終るPTP様蛋白質にをコード
する開放読み枠を含有する1714bpのcDNAを明らかにした(図1)。
さらなるcDNA配列を見つけるために、本発明者らは、PTP−OB−17
のcDNAでジァイアント細胞腫瘍のcDNAライブラリーをスクリーニングし
た。7つのcDNA
クローンを同定し、最長のcDNAであるPTP−OB−10を分析した。配列
分析は、1204個のアミノ酸残基をコードする3613bp開放読み枠を明ら
かとした(図1)。PTP−OBの発現が脳組織で見い出されたので、クローン
PTP−OB−10の最も5’側端部に対応する350bpDNA断片でヒト脳
cDNAライブラリーをスクリーニングした。60の推定クローンを同定し、サ
イズ選択およびいくつかのλクローンの部分的配列決定の後、5’末端の推定開
始コドンでスタートする開放読み枠を含有する3588bpのクローン、PTP
−OB−133を同定した。総じて、組み立てたcDNA配列の分析は、191
1個アミノ酸残基(図3)をコードする5733bpの長い開放読み枠を含有す
る5988個のヌクレオチド(図2)のcDNAを明らかにした。該cDNAの
5’末端において、3つの開始コドンが同定された。最初のメチオニンコドンが
最も適当な翻訳開始部位である。PTP−OB蛋白質と公知のPTPaseとを
比較するとそれがPTPaseLARおよびLAR関連PTPaseに最も似て
いることを示した。PTP−OBのアミノ酸配列は、LARと68%の相同性お
よびPTPδと59%の相同性を示した。LARと同様
に、PTP−OBは受容体様構造を有する。高度に疎水性の領域が推定開始コド
ンの次に位置し、恐らく、シグナルペプチドであろう。シグナルペプチド切断の
ついての共通則によると、30番目の高度のアミノ酸残基が恐らく成熟蛋白質の
最初のアミノ酸であろう。2番目の高度に疎水性のドメインが1253および1
277アミノ酸残基の間で見い出され、それはおそらく膜貫通ドメインとして機
能するようである。LARの観察と同様に、推定細胞外領域の一次アミノ酸配列
は、免疫グロブリン様ドメインの3つの反復および8つのフィブロネクチンIII
型様反復(Steuliら,1998)を示した。共通のグリコシル化部位とし
て250、721および919位において3つの可能なN−結合グリコシル化部
位が同定された。PTP−OBの細胞外ドメインはLARの平行ドメインと58
%同一であって、DLARと40%同一であり、他のLAR関連PTPase蛋
白質に密接に関連する。
PTP−OBの細胞質ドメインは626個のアミノ酸残基よりなる。この領域
において、蛋白質チロシンホスファターゼドメインの2つのタンデムリピートが
認めるられる。該細胞質ドメインは高度に保存されており、LARおよびPTP
δの平行
ドメインに対して、各々、95%および87%同一である。
PTP−OB−10およびPTP−OB−133の重複配列の比較は、脳ライ
ブラリーから単離したクローンが、開放読み枠をなす完全な配列の1828−3
055の間の1225個ヌクレオチドの欠失を含有することを明らかとした。脳
ライブラリーから得られたいくつかの他のクローンの部分的分析は、それら全て
が同様の欠失を有し、かくして、409個だけ短いアミノ酸残基(残基604−
1013の間)、イソロイシン残基I1014がバリン残基V1014に置換し
ている細胞外ドメインを持つ蛋白質をコードすることを明らかとした。
実施例2
PTP−OB発現の組織分布
RNAハイブリダイゼーション
RNAは改良塩酸グアニジウム法またはイソチオシアン酸グアニジウム法(1
1.12)によって単離した。合計RNA(20〜30μg)およびポリA選択
RNA(2〜5μg)をホルムアルデヒドアガロースゲルで分離し、ナイロンフ
ィルター(Hybond N,Amersham)に移し、ハイブリダイゼーシ
ョンに付した。種々のヒト組織のポリA+RNAの
ノーザンブロットは、Clontech,CAから購入した。
ハイブリダイゼーション溶液は40〜50%ホルムアミド(Hybrisol
IおよびII、Oncor)を含有するものであった。ハイブリダイゼーションの
後、該フィルターを0.1%SDSを含有する2×SSCの溶液中で洗浄し、最
後に55℃で0.2×SSC/0.1%SDS溶液中で洗浄し、−70℃で増感
スクリーンを用いX線フィルム(XAR−2、コダック)に10日間暴露した。
PTP−OB mRNAの発現
PTP−OBcDNAを種々の細胞および組織から単離したRNAにハイブリ
ダイズさせた。ノーザンハイブリダイゼーション実験は、PTP−OBについて
のmRNAがほぼ7.3Kbであることを明らかとした。PTP−OB RNA
の高定常状態レベルが、ヒト骨肉腫、ジァイアント細胞腫瘍(GCT)、および
ヒト脳から調製したmRNAで見い出された(図4および図5)。ラット組織に
おいて、高レベルのPTP−OBRNAの発現が脛骨から調製したRNAで見い
出された。非常に低い発現レベルが1週齢ラットの肺から単離したRNAで検出
された。
PTPδについてのcDNAでのハイブリダイゼーション実験は、PTP−O
Bに匹敵する組織分布を示した。PTPδは脳で高度に発現することが見い出さ
れた。より低レベルのPTPδ転写体が肺から単離したRNAで見い出されたが
、非常に低いが検出可能なレベルが肝臓、腎臓および膵臓で観察された。骨由来
細胞において、PTPδの高発現レベルがヒト骨肉腫およびヒトジァイアント細
胞腫瘍で見い出された(図6)。培養細胞において、マウス頭蓋冠から単離した
骨芽細胞およびヒト神経膠芽細胞腫脳腫瘍U340でPTP−OBおよびPTP
δ両者における高発現レベルがあった。
実施例3
PTP−OBcDNAのE.coli発現ベクターへのクローニング
限定されるものではないが、pETシリーズ(Novagen)を含めたE.
coli発現ベクターへ、PTP−OBをコードするDNAを移入することによ
って、組換えPTP−OBがE.coliで産生される。該pETベクターはP
TP−OBの発現を密接に調節されたバクテリオファージT7プロモーターの制
御下に置く。誘導可能なlacプロモーターによっ
て駆動されるT7 RNAポリメラーゼ遺伝子の染色体コピーを含有するE.c
oli宿主へこの構築体を移入することにより、適当なlac基質(IPTG)
を培養に添加すると、PTP−OBの発現が誘導される。発現されたPTP−O
Bのレベルは、前記したアッセイによって測定される。
PTP−OBについての全開放読み枠をコードするcDNAをpET 11a
のNdeI部位に挿入する。陽性に配向した構築体を配列分析によって同定し、
発現宿主株BL21を形質転換するのに用いる。次いで、形質転換体を用いて、
PTP−OB蛋白質の産生用の培養に接種する。培養はM9またはZB培地で増
殖させることができ、その処方は当業者に公知である。ほぼOD600=1.5ま
で増殖させた後、PTP−OBの発現を37℃で1mM IPTGで3時間誘導
する。これらの細胞からの不溶性封入体画分で、真正なPTP−OBが見い出さ
れる。可溶性PTP−OBを、50mMトリス−HCl(pH8)および100
mMジチオトレイトールを含有する緩衝液中の5Mグアニジン−HClで、封入
体画分から抽出する。25mM HEPES(pH7.5)、5mMジチオトレ
イトール、10%スクロースに対する透析の後、活性PTP−OBがこの
抽出物から得られる。
実施例4
PTP−OB mRNAのin vitro翻訳およびアフリカツメガエル卵 母細胞発現
PTP−OB cDNA構築体を、合成mRNAの生産のためのin vit
ro転写ベクター(pGEMシリーズ、Promega)に結ぶ。
PTP−OB mRNAをコードする二本鎖DNAをバクテリオファージプロ
モーターを含有するプラスミドベクターにクローン化し、クローン化したPTP
−OBをコードするDNAを線状化し、プラスミドベクター上のバクテリオファ
ージプロモーターを特異的に認識するバクテリオファージからのDNA−依存性
RNAポリメラーゼを用いてクローン化DNAをin vitroで転写させる
ことによって、合成mRNAがin vitroで大量に生産される。
バクテリオファージDNA−依存性RNAポリメラーゼによって認識されるバ
クテリオファージプロモーターを含有する種々のプラスミドが利用可能であり、
プラスミドpSP64、pSP65、pSP70、pSP71、pSP72、p
SP
73、pGEM−3Z、pGEM−4Z、pGEM−3Zf、pGEM−5Zf
、pGEM−7Zf、pGEM−9Zf、およびpGEM−11Zfを含むがこ
れらの限定されず、これらプラスミドの全シリーズはPromegaから商業的
に入手できる。
PTP−OB DNAをクローニングするのに便宜で適したベクター上の利用
可能な1以上の制限エンドヌクレアーゼクローニング部位を用い、適当な向きで
バクテリオファージプロモーターを含有するベクターに二本鎖のPTP−OBを
コードするDNAをクローン化する。連結したPTP−OB DNAを持つベク
ターを用いて細菌を形質転換し、適当な向きのPTP−OB DNAを持っベク
ターの存否につきクローナル単離体を分析する。
一旦、適当な向きのPTP−OBをコードするDNAを含有するベクターを同
定し単離したならば、PTP−OB転写単位よりも下流の部位にてPTP−OB
転写単位を破壊することなく制限エンドヌクレアーゼで切断して、それを線状化
する。線状化したプラスミドを単離し、PTP−OB mRNAのin vit
ro転写のための鋳型として用いる。
次いで、PTP−OB mRNAを形成するDNA鋳型の転写が可能な反応混
合物中で、鋳型DNAを、バクテリオファージ特異的DNA−依存性RNAポリ
メラーゼと混合する。種々のバクテリオファージ特異的DNA−依存性RNAポ
リメラーゼが利用でき、T3、T7およびSP6 RNAポリメラーゼを含むが
それらに限定されない。次いで、合成PTP−OBmRNAを単離し精製する。
mRNA安定性を改良するために、5’末端キャップ構造および3’ポリAテ
ールを含有するmRNAを合成するのが有利である。DNA鋳型と共に7−メチ
ルグアノシンを反応混合物に添加するだけで、キャップ構造、即ち7−メチルグ
アノシンをmRNAの5’末端に導入することができる。DNA−依存性RNA
ポリメラーゼは、それがmRNAを合成する際、5’末端にキャップ構造を一体
化させる。ポリAテールは多くのcDNAで天然に生じるとされるが、ポリA−
テールをコードするDNAをDNA鋳型の3’末端に挿入するだけで、mRNA
の3’末端に付加することができる。
限定されるものではないがウサギ網状赤血球溶解物および麦芽抽出物(共に、
PromegaおよびNew Englan
d Nuclearから商業的に入手可能)を含めた無細胞系、または限定され
るものではないがアフリカツメガエル卵母細胞へのマイクロインジェクションを
含めた細胞ベース系(アフリカツメガエルへのマイクロインジェクションが好ま
しい)のいずれかで、単離し精製したPTP−OB mRNAが翻訳される。
アフリカツメガエル卵母細胞を、十分量の合成PTP−OB mRNAでマイ
クロインジェクションして、PTP−OB蛋白質を得る。マイクロインジェクシ
ョンした卵母細胞をインキュベートしてPTP−OB mRNAの翻訳を可能な
らしめ、PTP−OB蛋白質を得る。
標準的な手法によって[Gurdon,J.B.およびWickens,M.
D.Methods in Enzymol.101:370−386(198
3)]、これらの合成mRNAをアフリカツメガエル卵母細胞(ステージ5〜6
)に注射する。卵母細胞を収穫し、PTP−OB発現について分析する。
実施例6
哺乳動物発現ベクターへのPTP−OB cDNAのクローニング
PTP−OB cDNA発現カセットを、適当な制限エンド
ヌクレアーゼ部位にて、強力で普遍的な哺乳動物プロモーター;pBC12BI
[Cullen,B.R.Methods in Enzymol.152:6
84−704 1988]、およびpEE12(CellTech EP 0
338,841)ならびにその誘導体pSZ9016−1およびp9019を含
有するベクターに連結する。p9019は、SV40初期プロモーターによつて
駆動されるジヒドロ葉酸レダクターゼ(mDHFR)[Simonsen,C.
C.およびLevinson,A.D.Proc.Natl.Acad.Sci
USA 80:2495−2499、1983]についての突然変異遺伝子よ
りなる選択マーカー/増幅系と共にhCMVIEプロモーター、ポリリンカーお
よびSV40ポリAを含有する哺乳動物発現ベクターの構築体を表す。SV40
ポリアデニル化配列は、鋳型としてpD5(BerkerおよびSharp,N
ucl.Acid Res.13:841−857[1985])を用い、プラ
イマー13978−120および139778−121によるPCR反応によっ
て生成される。得られた0.25Kb PCR産物をClaIおよびSpeIで
消化し、同様に既に消化されているpEE12の6.7Kb
断片に連結する。得られたプラスミドをBglIIおよびSfiIで消化して、S
V40初期プラスミドの3’部分およびベクターからのGScDNAを遊離させ
る。プラスミドpFR400(Simonsenら,前掲)から単離した0.7
3KbSfiI−XhoII断片を前記した5.6Kbベクターに連結して、SV
初期プロモーターを再構成し、mDHFR遺伝子を挿入する。このプラスミドを
p9019と命名する。pSZ9016−1は、huCMVIEプロモーターの
代わりにHIV LTRで置換されていることを除きp9019と同一である。
このベクターは、p9019をXbaIおよびMluIで消化してhuCMVI
Eプロモーターを除去することによって得られる。HindIIIおよびXbaI
部位を3’側に付加しつつ、産物MluIおよびSpeI制限部位の末端に付加
するオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、残基−117ないし+80(HI
V−1 LTRの一部を含有するベクターpCD23に見い出される(Cull
en,Cell46:973[1986]))からのHIV LTRプロモータ
ーを、プラスミドpCD23からPCR増幅する。得られた0.2Kb PCR
産物の酵素MluIおよびXbaIでの消化に続き、該断片をア
ガロースゲル精製し、4.3Kbの無プロモーターDNA断片に連結してベクタ
ーpSZ9016−1を得る。
プロモーターに陽性に配向したPTP−OB cDNAを含有するカセットを
、プロモーターの3’側の適当な制限部位に連結し、制限酵素マッピングおよび
/または配列決定によって同定する。限定されるものではないがエレクトロポー
レーション、または化学的手法(カチオン性リポソーム、DEAEデキストラン
、リン酸カルシウム)を含む標準的な方法によって、限定されるものではないが
[COS−7(ATCC♯CRL1651)、CV−1 tat[Sackev
itzら, Science 238:1575(1987)]、293、L(
ATCC♯CRL6362)]を含む種々の宿主細胞に、これらのcDNA発現
ベクターを導入する。トランスフェクトした細胞および細胞抽出物を収穫し、後
記するごとくPTP−OB発現について分析する。
哺乳動物一過性発現に用いるベクターは全て、PTP−OBを発現する安定な
細胞系を確立するのに用いることができる。発現ベクターにクローン化された変
化させていないPTP−OB cDNA構築体は、宿主細胞が細胞内PTP−O
B蛋白
質を作るようにプログラムされていると予期される。トランスフェクション宿主
細胞は、限定されるものではないが、CV−1−P[Sackevitzら,前
掲]、tk−L[WiglerらCell 11:223(1977)]、NS
/O、およびdHFr−CHO[KaufmanおよびSharp,J.Mol
.Biol.159:601(1982)]を包含する。
限定されるものではないが、G418、アミノグリコシドホスホトランスフェ
ラーゼ、pLNCX[Miller,A.D.およびRosman,G.J.B
iotech News 7:980−990(1989)];ヒグロマイシン
、ヒグロマイシン−Bホスホトランスフェラーゼ、pLG90[Gritz,L
.およびDavies,J.,GENE25:179(1983)];APRT
、キサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、pMAM(Clo
ntech)[Murrayら,Gene31:233(1984)]を含めた
薬物選択プラスミドと共にするPTP−OB cDNAを含有するいずれかのベ
クターとの共トランスフェクションは、安定にトランスフェクトされたクローン
の選択を可能とする。PTP−OBのレベルは、前記したアッセイによって定量
される。
哺乳動物細胞クローンの産生用の薬物耐性マーカーを含有す
るベクターにPTP−OB cDNA構築体を連結し、できるだけ高いレベルの
PTP−OBを合成する。これらの構築体の細胞への導入に続き、クローン含有
ベクターを適当な剤で選択し、高コピー数のプラスミドでの過剰発現クローンの
単離を、増大させる用量の剤での選択によって達成する。以下の系を利用する:
DHFR−CHO細胞にトランスフェクトし、かつメトトレキセートで選択され
た、突然変異DHFR遺伝子を含有する9016または9019プラスミド[S
imonsenら、前掲];NS/O細胞にトランスフェクトされ、かつメチオ
ニンスルホキシミン(CellTech 国際出願2089/10404)で選
択された、グルタミンシンテターゼ遺伝子を含有するpEE12プラスミド;お
よびAPRTおよびTK欠失L細胞にて、チミジンキナーゼ遺伝子を含有するp
DLAT−3[ColbereおよびGaropin,F.Proc.Natl
.Acad.Sci.76:3755(1979)]で共トランスフェクトされ
、APRT(0.05mM アザセリン、0.1mM アデニン、4μg/ml
アデノシン)で選択され、HAT(100μMヒポキサンチン、0.4μMアミ
ノプテリン、16μMチミジン)で増幅した、9016または他のCMVプロモ
ーターベクター。
実施例7
昆虫細胞における発現のためのバクロウイルス発現ベクターへのPTP−OB cDNAのクローニング
昆虫細胞系のSf9(ATCC CRL#1711)でcDNAが高レベル発
現するように、AcNPVウイルスのゲノムに由来するバクロウイルスベクター
を設計した。PTP−OB cDNAを発現する組換えバクロウイルスは以下の
標準的な方法によって産生される(In Vitrogen Maxbac M
anual):pAC360およびBlueBacベクター(In Vitro
gen)を含めた、種々のバクロウイルス移入ベクターにおけるポリヘドリンプ
ロモーターの下流に、PTP−OB cDNA構築体を連結する。組換えバクロ
ウイルスは、バクロウイルス移入ベクターおよび線状化AcNPVゲノムDNA
[Kitts,P.A.,Nuc.Acid.Res.18:5667(199
0)]のSf9細胞への共トランスフェクションによる相同組換えによって得ら
れる。組換えpAC360ウイルスは感染細胞における封入体の不存在によって
同定し(Summers,M.D.およびSmith,G.E.,Texas.
Agriculture Exp.
Station.Bulletin No.1555)、組換えpBlueBa
cウイルスはβ−ガラクトシダーゼ発現に基づき同定する(Vialardら1
990,J.Virol.,64,pp37−50)。プラーク精製およびsf
9細胞のPTP−OB組換えバクロウイルスでの感染により、PTP−OB発現
を前記したアッセイによって測定する。
PTP−OBについての全開放読み枠をコードするcDNAをpBlueBa
cIIのBamHI部位に挿入する。ポリヘドリンプロモーターに陽性に配向した
構築体を配列分析によって同定し、これを用いて線状AcNPV温和タイプDN
Aの存在下でSf9細胞をトランスフェクトする。
実施例8
PTP−OB cDNAの酵母発現ベクターへのクローニング
異種蛋白質の細胞内発現をもたらすように設計した発現ベクターへの最適PT
P−OB cDNA構築体の挿入によって、組換えPTP−OBを酵母S.ce
revisiaeで産生させる。細胞内発現には、EmBLyex4等のごとき
ベクターをPTP−OBシストロンに連結する[Rinas,U.ら,
Biotechnology 8:543−545(1990);Horowi
tz,B.ら,J.Biol.Chem.265:4189−4192(198
9)]。発現されたPTP−OBのレベルは、前記したアッセイによって測定す
る。
実施例9
組換えPTP−OBの精製
組換え法で産生されたPTP−OBは、抗体アフィニティークロマトグラフィ
ーによってさらに精製することができる。
PTP−OB抗体アフィニティーカラムは、抗−PTP−OB抗体をAffi
gel−10(Biorad)(抗体がアガロースゲルビーズ支持体と共有結合
を形成するようにN−ヒドロキシスクシンイミドエステルで予め活性化したゲル
支持体)に添加することによって作成される。次いで、抗体を、スペーサーアー
ムにてアミド結合を介してゲルにカップリングさせる。次いで、残存する活性化
エステルを1MエタノールアミンHCl(pH8)で失活する。カラムを水、続
いて0.23MグリシンHCl(pH2.6)で洗浄して、非結合抗体または外
来性蛋白質を除去する。次いで、カラムを、要すれば洗剤のごとき適当な膜可溶
化剤と共にリン酸緩衝化生理食塩水(pH
7.3)にて平衡化し、PTP−OBまたはPTP−OB断片を含有する細胞培
養上清または細胞抽出物をゆっくりとカラムを通過させる。次いで、カラムを、
要すれば光学密度(A280)がバックグラウンドまで低下するまで、洗剤と共に
リン酸緩衝化生理食塩水で洗浄し、次いで、要すれば洗剤と共に0.23Mグリ
シン−HCl(pH2.6)で蛋白質を溶出させる。次いで、精製したPTP−
OB蛋白質をリン酸緩衝化生理食塩水に対して透析する。
実施例10
PTP活性のモジュレーターを選定するためのスクリーニングアッセイ
前記したごとく(Tanakaら)骨髄腫細胞および頭蓋冠骨芽細胞を一緒に
培養することによって、マウス破骨細胞を産生した。骨芽細胞をマウス頭蓋冠か
ら単離し、24時間培養した。次いで、新たに単離した骨髄腫細胞を培養した骨
芽細胞に添加し、10nM1,25(OH)2D3(D3)で7日処理した。こ
れらの条件下、骨髄腫細胞は多核破骨細胞様細胞に分化し、これは、tarta
rat耐性アルカリ性ホスファターゼ(TRAP)および他の破骨細胞特異的マ
ーカー(Taka
hashi,N.T.ら,1988,Endocrinol.,123,pp.
2600−2602)につき陽性に染色される。D3および種々の阻害剤を、共
培養の2および4日目に新鮮な培地と共に細胞に添加した。
D3依存性プロセスにて新生児頭蓋冠骨芽細胞と共に培養することによって、
マウス骨髄腫細胞を誘導して破骨細胞様細胞に分化させた。これらの細胞をta
rtrat耐性酸性ホスファターゼによって染色すると、カルシトニン受容体お
よびビトロネクチン受容体のごとき、破骨細胞に関連するマーカーを有した。さ
らに、破骨細胞と同様、該細胞は細胞融合活性の結果として複数の核を含有して
いた(Takahashi,N.T.ら,前掲)。多核TRAP陽性細胞は共培
養の4日と早く認識できるが、多核破骨細胞様細胞の大部分(70〜80%)は
、共培養の6および7日に生じた。該プロセスはビタミンD3での処理に完全に
依存しており、D3、骨芽細胞または骨髄腫細胞いずれかが不存在であると破骨
細胞は形成されなかった(Takahashi,N.T.ら,前掲)。
破骨細胞の生成におけるPTPase活性の重要性をテストするために、本発
明者らは、破骨細胞における骨髄腫細胞の分
化に対するPTPase阻害剤の影響を調べた。これらの実験において、共培養
細胞へのオルトバナデートの添加は、多核化TRAP陽性細胞の形成を完全に阻
害し、IC50は2μMであった(図7)。同様に、酸化フェニルアルシン(PA
O)での処理は、多核化TRAP陽性細胞の形成を強力に阻害し、IC50は0.
2μMであった(図7)。融合したTRAP陽性細胞の形成を顕著に阻害したオ
ルトバナデート(10μM)または酸化フェニルアルシン(0.2μM)での処
理は、単核TRAP陽性細胞を生じた。かくして、阻害剤の主要な影響は、細胞
融合のプロセスに対するもののようである。さらに、PTPase阻害剤のこれ
らの濃度では、共培養した骨芽細胞に対して悪影響は観察されなかった。破骨細
胞形成に対するPTPaseの重要性をさらに裏付けるために、オルトバナデー
トを共培養の異なる日に添加し、融合したTRAP陽性細胞の形成を測定した。
これらの実験において、共培養の第6日に添加すると、オルトバナデートは、
多核TRAP陽性細胞の80%をブロックすることができた(図8)。主要な細
胞融合が起こる前に共培養の初期の日にPTPase阻害剤を添加すると、多少
効果が上
昇した。破骨細胞形成におけるチロシンリン酸化の役割をさらに調べるために、
破骨細胞の形成に対するゲルダナマイシン(チロシンキナーゼ阻害剤)の影響を
調べた。これらの実験において、ゲルダナマイシンは破骨細胞形成の優れた阻害
剤であり、IC50は50ng/mlであった(図7)。しかし、PTPase阻
害剤とは対照的に、それは、単核trap陽性細胞の出現を完全にブロックした
。
PTPase活性が破骨細胞活性に影響するか否かをテストするために、PT
Pase阻害剤の影響をin vitro骨吸収アッセイでテストした。これら
のアッセイにおいて、新たに単離したラット破骨細胞を骨スライス上に24時間
置き、骨スライスにおける吸収小窩の数に対するPTPase阻害剤の影響を観
察した。オルトバナデートおよび酸化フェニルアルシンは骨吸収の優れた阻害剤
であることが判明し(図9)、IC50はオルトバナデートにつき2μM、酸化フ
ェニルアルシンにつき0.05μMであった。
実施例11
組換え蛋白質チロシンホスファターゼPTP−OBを、天然形態でまたは融合
蛋白質のハイブリッドとして、(実施例1〜
10におけるごとくに)組換え宿主細胞で発現させる。次いで、PTP−OBを
、適当な緩衝液(0.1Mトリス−HCl、pH7.4;1mM EDTA;5
0mM NaCl;1mM DTT)中のチロシンホスファターゼ活性のための
酵素アッセイで用いる。基質として、リン酸化ペプチドまたは蛋白質を添加し、
ならびにリン酸化チロシンまたは同様の分子を添加する。比色アッセイまたは放
射能標識したリン酸塩によってリン酸塩の放出を測定する。種々の阻害剤をアッ
セイ反応に添加して、PTP−OBの酵素活性に対する阻害効果を測定した。本
アッセイで用いる優れた阻害剤は合成で生成され、あるいは天然源から単離され
る。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年6月26日
【補正内容】
請求の範囲
1. 骨細胞で特異的に発現される膜結合蛋白質である、単離され精製されたP
TP−OB蛋白質。
2. 該蛋白質がアミノ酸配列:
によって特徴付けられる請求項1記載の単離され精製されたPTP−OB蛋白質
。
7. (a)請求項5記載の発現ベクターを適当な宿主細胞に移入し;次いで、
(b)該発現ベクターからの受容体蛋白質の発現を可能とする条件下で工程(
a)の宿主細胞を培養することを特徴とする、組換え宿主細胞でPTP−OB蛋
白質を発現させる方法。
8. (a)PTP−OB蛋白質活性のモジュレーターをPTP−OB蛋白質と
組合せ、ここに、該PTP−OB蛋白質は請求項2記載のアミノ酸配列の全部ま
たは一部によって特徴付けられ、次いで、
(b)PTP−OB蛋白質に対するモジュレーターの効果を測定することを特
徴とする、PTP−OB蛋白質活性のモジュレーターを選定する方法。
9. PTP−OB蛋白質に特異的に結合する抗体であって、該蛋白質が請求項
2記載のアミノ酸配列によって特徴付けられる該抗体。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
//(C12N 5/10
C12R 1:91)
(C12N 9/16
C12R 1:91)
(72)発明者 ラトリツジ,スー・ジエーン
アメリカ合衆国、ペンシルバニア・18041、
イースト・グリーンビル、ジエリービル・
パイク、ピー・オー・ボツクス・1886
(72)発明者 シユミツト,アズリエル
アメリカ合衆国、ペンシルバニア・19010、
ブリン・モール、ヘイマーケツト・レイ
ン・54
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 骨細胞で特異的に発現される単離され精製されたPTP−OB蛋白質。 2. 該蛋白質がアミノ酸配列: によって特徴付けられる請求項1記載の単離され精製されたPTP−OB蛋白質 。 3. PTP−OB蛋白質をコードする単離された精製されたDNA分子であっ て、該蛋白質が請求項2記載のアミノ酸配列によって特徴付けられる該DNA分 子。 4. PTP−OB蛋白質をコードする単離された精製されたDNA分子であっ て、該DNA分子がヌクレオチド配列: によって特徴付けられる該DNA分子。 5. 組換え宿主細胞でPTP−OB蛋白質を発現させるための発現ベクターで あって、該発現ベクターが請求項4記載のDNA分子を含有する該発現ベクター 。 6. 組換えPTP−OB蛋白質を発現する宿主細胞であって、請求項5記載の 発現ベクターを含有する該宿主細胞。 7. (a)請求項5記載の発現ベクターを適当な宿主細胞に移入し;次いで、 (b)該発現ベクターからの受容体蛋白質の発現を可能とする条件下で工程( a)の宿主細胞を培養することを特徴とする、組換え宿主細胞でPTP−OB蛋 白質を発現させる方法。 8. (a)PTP−OB蛋白質活性のモジュレーターをPTP−OB蛋白質と 組合せ、ここに、該PTP−OB蛋白質は請求項2記載のアミノ酸配列の全部ま たは一部によって特徴付けられ、次いで、 (b)PTP−OB蛋白質に対するモジュレーターの効果を測定することを特 徴とする、PTP−OB蛋白質活性のモジュレーターを選定する方法。 9. PTP−OB蛋白質に特異的に結合する抗体であって、 該蛋白質が請求項2記載のアミノ酸配列によって特徴付けられる該抗体。
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