JP2001046083A - 肝臓に発現している新規トランスポーター遺伝子 - Google Patents
肝臓に発現している新規トランスポーター遺伝子Info
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Abstract
の作製に有用な新規蛋白質、および該蛋白質をコードす
るDNAを提供する。 【解決手段】 配列表の配列番号2のアミノ酸番号1か
ら691で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質。
Description
輸送に関与する新規蛋白質、該蛋白質をコードするDN
A、該DNAを含む組換えベクター、該組換えベクター
を保持する宿主細胞および該蛋白質の用途に関する。
を取り込み、代謝・解毒し、胆汁へ排除する機構をつか
さどり、生体の恒常性維持に欠くべからざる重要な役割
を果たしている。種々の内因・外因性物質のうち、胆汁
酸をはじめとする有機陰イオンの肝臓への取り込みに
は、ナトリウム非依存性の有機陰イオントランスポータ
ーと呼ばれる膜蛋白質が関与していることが、摘出臓器
かん流法、遊離肝細胞、初代培養肝細胞、および単離細
胞膜小胞系などを用いた実験により知られていた。これ
らの研究は、主として胆汁生成メカニズムの生理学的研
究や有機陰イオン系色素を用いた肝機能診断の分野で盛
んに行われてきたが、近年、薬物の中に有機陰イオント
ランスポーターを介して肝臓に取り込まれるもののある
ことが報告されてきている。
陰イオントランスポーターの詳細な機能解析をすること
を目的に、ラット肝臓で発現している有機陰イオントラ
ンスポーター遺伝子oatp1(Hagenbuchら、Proc. N
atl. Acad. Sci. USA、第88巻、10629頁、1991年)、o
atp2(Jacqueminら、Proc. Natl. Acad. Sci. US
A、第91巻、133頁、1994年)およびoatp3(Abe
ら、J. Biol. Chem.、第273巻、22395頁、1998年)がク
ローニングされた。さらに、ヒト肝臓より、ラットoa
tp類に相同性の高いOATP(Kullak-Ublickら、Gas
troentelogy、第109巻、1274頁、1995年)がクローニン
グされた。しかし、OATPは主として脳に存在してお
り、肝臓での発現はきわめて低いことから、ヒト肝臓に
は別の有機陰イオントランスポーターが存在していると
推察されていたが、そのようなものは未だ得られていな
い。ヒト組織試料を実験目的で自由に入手することは困
難であるうえに、肝細胞を単離し初代培養すると有機陰
イオントランスポーター活性は急速に失活してしまうこ
と、また、トランスポーターの発現や活性には動物間種
差のあることが知られている。さらに、肝細胞を単離し
た後、凍結したり初代培養した場合も有機陰イオントラ
ンスポーター活性は急速に失活してしまうことが知られ
ている。
グは主として実験動物が用いられているが、必ずしもそ
れらの結果がヒトに当てはまるわけではない。その原因
として、種々の薬物代謝酵素やトランスポーター活性に
種差が存在することが挙げられる。近年、凍結ヒト肝臓
が実験に用いられはじめているが、凍結による活性の消
失が認められており、また倫理的・経費的・ウイルス感
染の危険性等の問題がある。
療は不完全ながら肝臓機能を代行する血漿交換治療ある
いは肝臓移植しかないのが現状であるが、医療経済学的
問題や深刻なドナー不足により広く普及するに至ってい
ない。肝不全原因物質の除去を目的とした各種の吸着剤
・イオン交換樹脂を用いた人工肝補助装置の作製が試み
られているが、このような非特異的除去方法では有害物
質の除去が不完全である。一方、ブタやヒヒ肝細胞を培
養して人工肝臓として代用する試みがなされてきたが、
機能的、特に解毒の面で良好な結果が得られておらず、
臨床応用に至るまで具体化されていない。このように、
現時点では肝不全治療に対する満足な肝機能補助治療法
がなく、効果的な人工肝臓の開発が望まれている。
遺伝子を単離し適当な発現系に組み込むことにより、肝
臓機能の詳細な機構解析、人工肝臓の構築、および肝臓
に選択的に取り込まれ作用する薬物のスクリーニングな
どが可能になることから、ヒト肝臓に特異的な有機陰イ
オントランスポーター遺伝子の単離が望まれていた。
有機陰イオントランスポーター遺伝子を、株化したヒト
培養肝細胞に導入し、ヒトの生体肝臓に近い薬理学的特
性を有する不死化培養細胞系を樹立することにより、動
物実験よりも信頼性の高い肝臓透過性薬物のスクリーニ
ングが可能である。
ランスポーター遺伝子を、不死化したヒト肝臓細胞株に
導入して、有機陰イオンを含む肝不全原因物質の取り込
み・排出能を維持した肝細胞系を確立し、それを大量培
養することにより、バイオ人工肝臓を作製し、新たな肝
不全治療システムを構築することが可能である。
利用が可能な、ヒト肝臓の血管側膜における有機陰イオ
ン輸送に関与する新規な有機陰イオントランスポーター
遺伝子、および該遺伝子がコードするポリペプチドであ
る有機陰イオントランスポーターを提供することにあ
る。
臓から、有機陰イオンを輸送する能力を有する新規蛋白
質の遺伝子をクローニングし、さらに、この遺伝子の産
物をアフリカツメガエルの卵母細胞で発現させて有機陰
イオンの輸送能を確認することに成功し、本発明を完成
するに至った。
列番号2のアミノ酸番号1から691で示されるアミノ
酸配列からなる蛋白質、または配列表の配列番号2のア
ミノ酸番号1から691で示されるアミノ酸配列におい
て1個もしくは2個以上のアミノ酸が欠失、置換および
/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ有機陰
イオンを輸送する能力を有する蛋白質、(2) 肝臓組
織由来である(1)記載の蛋白質、(3) ヒト由来で
ある(1)または(2)記載の蛋白質、(4) 形質転
換大腸菌株E.coli pH1 SANK 7109
9(FERM BP−6743)に保持される組換えベ
クターに挿入されているDNAにコードされていること
を特徴とする、(1)乃至(3)のいずれか一つに記載
の蛋白質、(5) (1)乃至(4)のいずれか一つに
記載の蛋白質をコードするDNA、(6) 配列表の配
列番号1のヌクレオチド番号92から2164で示され
るヌクレオチド配列からなるDNA、(7) 配列表の
配列番号1のヌクレオチド番号92から2164で示さ
れるヌクレオチド配列からなるDNAとストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズし、かつ有機陰イオンを輸
送する能力を有する蛋白質をコードするDNA、(8)
肝臓組織由来である、(5)乃至(7)のいずれか一
つに記載のDNA、(9) ヒト由来である、(5)乃
至(8)のいずれか一つに記載のDNA、(10) 形
質転換大腸菌株E.coli pH1 SANK 71
099(FERM BP−6743)に保持される組換
えベクターに挿入されているDNA、(11) 形質転
換大腸菌株E.coli pH1 SANK 7109
9(FERM BP−6743)に保持される組換えベ
クターに挿入されているDNAとストリンジェントな条
件下でハイブリダイズし、かつ有機陰イオンを輸送する
能力を有する蛋白質をコードするDNA、(12)
(5)乃至(11)のいずれか一つに記載のDNAを含
む組換えベクター、(13) 発現ベクターである、
(12)記載の組換えベクター、(14) (12)ま
たは(13)記載の組換えベクターを保持する宿主細
胞、(15) 形質転換大腸菌株E.coli pH1
SANK 71099(FERM BP−674
3)、(16) (1)乃至(4)のいずれか一つに記
載の蛋白質を特異的に認識する抗体、(17) (1)
乃至(4)のいずれか一つに記載の蛋白質を動物細胞に
発現させ、該蛋白質の有する有機陰イオンを輸送する能
力を利用して被検物質の肝臓透過性を検定する方法、に
関する。
る能力」とは、細胞膜にあって、有機陰イオン、例えば
タウロコール酸(タウロコレート)を細胞外から細胞内
へ細胞膜を通過させて取り込む活性をいう。すなわち、
本発明の蛋白質を発現している細胞におけるタウロコー
ル酸の細胞内取りこみ量は、本発明の蛋白質が発現して
いない細胞に比べ有意に高い。ここで有機陰イオンと
は、胆汁酸(タウロコール酸、コール酸)、抱合型ステ
ロイド(デヒドロエピアンドロステロン硫酸抱合体、エ
ストラジオールグルクロン酸抱合体、エストロン硫酸抱
合体)、各種エイコサノイド(プロスタグランジンE
2、トロンボキサンB2、ロイコトリエンC4、ロイコ
トリエンD4、ロイコトリエンE4)、甲状腺ホルモン
(T4、T3)、葉酸誘導体(葉酸、メトトレキセー
ト)、エンケファリン誘導体(DPDPE)およびカル
ボン酸を有する薬物(HMG−CoA還元酵素阻害剤:
プラバスタチン、ACE阻害剤:テモカプリル)を挙げ
ることができる。より好適には、タウロコール酸、デヒ
ドロエピアンドロステロン硫酸抱合体、エストラジオー
ルグルクロン酸抱合体、エストロン硫酸抱合体、プロス
タグランジンE2、トロンボキサンB2、ロイコトリエ
ンC4、ロイコトリエンE4、甲状腺ホルモンT4、同
T3およびプラバスタチンを挙げることができる。
する新規蛋白質、すなわちヒト肝臓有機陰イオントラン
スポーター(LST−1:Liver Specific Transporter
-1)は、生体内においては主として肝臓で発現してお
り、また、その有機陰イオン輸送能(発現細胞への有機
陰イオン取り込み)が細胞外のナトリウムイオンの存在
によって影響を受けない、いわゆるナトリウムイオン非
依存性の有機陰イオントランスポーターである。
ポーターLST−1は、既に報告されているヒトの有機
陰イオントランスポーターOATPならびにプロスタグ
ランジントランスポーターPGT(Kanaiら、Science、
第268巻、866頁、1995年)の双方にわずかな相同性を有
する新規な分子種である。さらに、ヒト腎臓からクロー
ニングされた、有機陰イオンとジカルボン酸の交換輸送
を行う有機陰イオントランスポーターOAT1(Hosoya
madaら、Am.J.Physiol.、第276巻、F122頁、1999年)と
は相同性がなく、全く別の分子種である。
NAは、哺乳動物の肝臓の組織や細胞を遺伝子源として
用いてスクリーニングを行うことにより単離取得でき
る。ここで用いられる哺乳動物としては、好ましくはイ
ヌ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、サル、ブタ、ウサギ、
ラット、マウスまたはヒトを挙げることができるが、最
も好適にはヒトである。
リーニングおよび単離は、ライブラリースクリーニング
法により実施できる。例えば、エクスプレスド・シーク
エンス・タグ(以下「EST」という)を含むデーター
ベースを用い、ヒトOATPならびにヒトPGTのアミ
ノ酸配列に対して相同的な配列を検索する。得られた配
列を増幅するためのポリメラーゼ連鎖反応(以下「PC
R」という)用プライマーを作製し、ヒト肝臓mRNA
(クロンテック社)を逆転写したcDNAを鋳型として
PCRを行う。反応後のサンプルをアガロースゲルにて
電気泳動を行い、増幅されたバンドをゲルより切り出
し、pBluescript(ストラタジーン社製)に
サブクローンニングする。サブクローニングされたイン
サートをそれぞれ切り出し、32Pで放射標識化し、スク
リーニング用プローブとする。
ンテク社製)を遺伝子源として、Gubler 法に従
ってヒトcDNAライブラリーを作製する。ヒト肝臓c
DNAライブラリーを、直径15cmのプレートあたり
2×104個のプラークが形成されるように分散させ
る。定法に従い、ナイロンフィルターに、ファージプラ
ークを移しとる。得られたフィルターを、上記32P標識
プローブを用いて、ハイブリダイゼーションを行う。反
応終了後、オートラジオグラフィーを行い、陽性クロー
ンを選択する。得られたクローンについてさらに2次あ
るいは3次スクリーニングまで実施して、完全長に相当
するcDNAを有するクローンを単離する。
チド配列の決定は、例えば、マキサム―ギルバートの化
学修飾法(Maxam, A. M. and Gilbert, W. (1980) : "M
ethods in Enzymology" 65, 499-559)やM13ファー
ジを用いるジデオキシヌクレオチド鎖終結法(Messing,
J. and Vieira, J. (1982) Gene 19, 269-276)などに
より行うことができる。また、ラジオアイソトープの代
わりに蛍光色素を用いた自動DNA配列解析装置(例え
ば、パーキンエルマー・ジャパン・アプライドバイオシ
ステムズ社製モデル373A等)を使用することもでき
る。
のをコードするcDNAが挿入されたプラスミドを保持
する形質転換大腸菌株E.coli pH1 SANK
71099は、平成11(1999)年6月3日付で
工業技術院生命工学工業技術研究所に国際寄託され、受
託番号FERM BP−6743が付されている。した
がって、本発明の蛋白質をコードする遺伝子は、該菌株
から取得することが可能である。
て得られたcDNAを用い、遺伝子組換え技術により生
産することができる。例えば、cDNAを適当な発現ベ
クターに組み込み、得られた組換えDNAを適当な宿主
細胞に導入することができる。ポリペプチドを生産する
ための発現系(宿主−ベクター系)としては、例えば、
細菌、酵母、昆虫細胞および哺乳動物細胞の発現系等が
挙げられる。このうち、機能タンパクを得るためには、
昆虫細胞および哺乳動物細胞を用いることが好ましい。
(Escherichia coli)や枯草菌(Bacillus subtilis)
などが挙げられる。目的の遺伝子をこれらの宿主細胞内
で形質転換させるには、宿主と適合し得る種由来のレプ
リコンすなわち複製起点と、調節配列を含んでいるプラ
スミドベクターで宿主細胞を形質転換させる。また、ベ
クターとしては、形質転換細胞に表現形質(表現型)の
選択性を付与することができる配列を有するものが好ま
しい。
く用いられ、ベクターとしては、一般にpBR322や
pUC系のプラスミドが用いられるが、これらに限定さ
れず、公知の各種菌株、およびベクターがいずれも使用
できる。
は、トリプトファン(trp)プロモーター、ラクトース
(lac)プロモーター、トリプトファン・ラクトース(t
ac)プロモーター、リポプロテイン(lpp)プロモータ
ー、ポリペプチド鎖伸張因子Tu(tufB)プロモーター等
が挙げられ、どのプロモーターも本発明の蛋白質の産生
に使用することができる。
好ましく、ベクターとしてはpTUB228(Ohmura,
K. et al. (1984) J. Biochem. 95, 87-93)などが用い
られるが、これに限定されるものではない。枯草菌のα
−アミラーゼのシグナルペプチド配列をコードするDN
A配列を連結することにより、菌体外での分泌発現も可
能となる。
虫、酵母などの細胞が含まれ、脊椎動物細胞としては、
例えば、サルの細胞であるCOS細胞(Gluzman, Y. (1
981) Cell 23, 175-182、ATCC CRL−165
0)やチャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO細
胞、ATCC CCL−61)のジヒドロ葉酸還元酵素
欠損株(Urlaub, G. and Chasin, L. A. (1980) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 77, 4126-4220)等がよく用いら
れているが、これらに限定されない。
現させる場合には、cDNAを適当な発現ベクター(例
えば、レトロウイルス系ベクター、パピローマウイルス
ベクター、ワクシニアウイルスベクター、SV40系ベ
クター等)中の適当なプロモーター(例えば、SV40
プロモーター、LTRプロモーター、エロンゲーション
1αプロモーター等)の下流に挿入して発現ベクターを
構築する。次に、得られた発現ベクターで適当な動物細
胞を形質転換し、形質転換体を適当な培地で培養するこ
とによって、目的とするポリペプチドが生産される。宿
主とする哺乳動物細胞としては、サルCOS−7細胞、
チャイニーズハムスターCHO細胞、ヒトHeLa細胞
または、腎臓組織由来の初代培養細胞やブタ腎由来LL
C−PK1細胞、フクロネズミ腎由来OK細胞等の細胞
株等が挙げられる。
を例に挙げると、発現ベクターとしては、SV40複製
起点を有し、COS細胞において自立増殖が可能であ
り、さらに、転写プロモーター、転写終結シグナル、お
よびRNAスプライス部位を具えたものを用いることが
できる。該発現ベクターは、ジエチルアミノエチル(D
EAE)−デキストラン法(Luthman, H. and Magnusso
n, G. (1983) Nucleic Acids Res, 11, 1295-1308)、リ
ン酸カルシウム−DNA共沈殿法(Graham, F. L. and
van der Eb, A. J. (1973) Virology 52, 456-457)、
および電気パルス穿孔法(Neumann, E. et al. (1982)
EMBO J. 1, 841-845)などによりCOS細胞に取り込ま
せることができ、かくして所望の形質転換細胞を得るこ
とができる。また、宿主細胞としてCHO細胞を用いる
場合には、発現ベクターと共に、抗生物質G418耐性
マーカーとして機能するneo遺伝子を発現し得るベク
ター、例えばpRSVneo(Sambrook, J. et al. (1
989) Molecular Cloning: ALaboratory Manual, Cold S
pring Harbor Laboratory, NY)やpSV2−neo(S
outhern, P. J. and Berg, P. (1982) J. Mol. Appl. G
enet. 1, 327-341)などをコ・トランスフェクトし、G
418耐性のコロニーを選択することにより、本発明の
蛋白質を安定に産生する形質転換細胞を得ることができ
る。
は、鱗翅類ヤガ科のSpodoptera frugiperdaの卵巣細胞
由来株化細胞(Sf−9またはSf−21)やTrichopl
usia niの卵細胞由来High Five細胞(Wickham, T. J. e
t al, (1992) Biotechnol. Prog. I: 391-396)などが
宿主細胞としてよく用いられ、バキュロウイルストラン
スファーベクターとしてはオートグラファ核多角体ウイ
ルス(AcNPV)のポリヘドリン蛋白質のプロモータ
ーを利用したpVL1392/1393がよく用いられ
る(Kidd, I. M. and V.C. Emery (1993) The use of b
aculoviruses as expression vectors. Applied Bioche
mistry and Biotechnology 42, 137-159)。この他に
も、バキュロウイルスのP10や同塩基性蛋白質のプロ
モーターを利用したベクターも使用できる。さらに、A
cNPVのエンベロープ表面蛋白質GP67の分泌シグ
ナル配列を目的蛋白質のN末端側に繋げることにより、
組換え蛋白質を分泌蛋白質として発現させることも可能
である(Zhe-mei Wang, et al. (1998) Biol. Chem., 3
79, 167-174)。
は、酵母が一般によく知られており、その中でもサッカ
ロミセス属酵母、例えばパン酵母Saccharomyces cerevi
siaeや石油酵母Pichia pastorisが好ましい。該酵母な
どの真核微生物の発現ベクターとしては、例えば、アル
コール脱水素酵素遺伝子のプロモーター(Bennetzen,J.
L. and Hall, B. D. (1982) J. Biol. Chem. 257, 301
8-3025)や酸性フォスファターゼ遺伝子のプロモーター
(Miyanohara, A. et al. (1983) Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 80, 1-5)などを好ましく利用できる。また、
分泌型蛋白質として発現させる場合には、分泌シグナル
配列と宿主細胞の持つ内在性プロテアーゼあるいは既知
のプロテアーゼの切断部位をN末端側に持つ組換え体と
して発現することも可能である。例えば、トリプシン型
セリンプロテアーゼのヒトマスト細胞トリプターゼを石
油酵母で発現させた系では、N末端側に酵母のαファク
ターの分泌シグナル配列と石油酵母の持つKEX2プロ
テアーゼの切断部位をつなぎ発現させることにより、活
性型トリプターゼが培地中に分泌されることが知られて
いる(Andrew, L. Niles,et al. (1998) Biotechnol.Ap
pl. Biochem. 28,125-131)。
常法に従い培養することができ、該培養により細胞内、
または細胞外に本発明の蛋白質が産生される。該培養に
用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じて慣
用される各種のものを適宜選択でき、例えば、上記CO
S細胞であれば、RPMI1640培地やダルベッコ改
変イーグル培地(以下「DMEM」という)などの培地
に、必要に応じウシ胎児血清などの血清成分を添加した
ものを使用できる。
機陰イオントランスポーターをコードするcDNAであ
ること、すなわち、cDNAにコードされた遺伝子産物
が有機陰イオントランスポーターであることは、例え
ば、下記実施例で示すように、得られたcDNAから調
製したcRNAをアフリカツメガエル卵母細胞内に導入
して発現させ、有機陰イオンであるタウロコール酸を基
質として用い、細胞に取り込まれる基質量が、cDNA
の代わりに水のみをアフリカツメガエル卵母細胞内に導
入した陰性対照と比較して明らかに亢進している事を確
認する試験により検証できる。
実験を応用して、本発明の蛋白質の特性、例えば、輸送
のナトリウムイオン依存性や基質特異性などを調べるこ
とができる。
Aを用いて、異なる遺伝子源で作製された適当なcDN
AライブラリーまたはゲノミックDNAライブラリーを
スクリーニングすることにより、異なる組織、異なる生
物由来の相同遺伝子や染色体遺伝子等を単離することが
できる。
オチド配列(配列番号1に示されたヌクレオチド配列、
もしくはその一部)の情報に基づいて設計された合成プ
ライマーを用い、通常のPCR法によりcDNAライブ
ラリーまたはゲノミックDNAライブラリーから遺伝子
を単離することができる。
NAライブラリー等のDNAライブラリーは、例えば、
「モレキュラークローニング(Molecular Cloning)」
[Sambrook, J., Fritsch, E.F.およびManiatis, T.
著、Cold Spring Harbor Laboratory Pressより1989年
に発刊]に記載の方法により調製することができる。あ
るいは、市販のライブラリーがある場合はこれを用いて
もよい。
号1で示されるヌクレオチド配列を有するDNAを含む
もののほか、配列番号1で示されるヌクレオチド配列を
有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズし得るDNAを含むものが挙げられる。このように
ハイブリダイズし得るDNAは、そのDNAにコードさ
れる蛋白質が有機陰イオンを輸送する能力を有するもの
であればよい。このようなDNAは、配列番号1で示さ
れたヌクレオチド配列と、通常、70%以上、好ましく
は80%以上のヌクレオチド配列のホモロジーを有す
る。このようなDNAとしては、自然界で発見される変
異型遺伝子、人為的に改変した変異型遺伝子、異種生物
由来の相同遺伝子等が含まれる。
下でのハイブリダイゼーションは、通常のストリンジェ
ントな条件(ローストリンジェントな条件)では、ハイ
ブリダイゼーションを、5×SSC(0.75M 塩化
ナトリウム、0.075Mクエン酸ナトリウム)または
これと同等の塩濃度のハイブリダイゼーション溶液中、
37−42℃の温度条件下、約12時間行い、5×SS
Cまたはこれと同等の塩濃度の溶液等で必要に応じて予
備洗浄を行った後、1×SSCまたはこれと同等の塩濃
度の溶液中で洗浄を行うことにより実施できる。また、
より高いストリンジェンシーを有する条件(ハイストリ
ンジェントな条件)では、前記において、洗浄を0.1
×SSCまたはこれと同等の塩濃度の溶液中で行うこと
により実施できる。
伝子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
ヌクレオチド(オリゴヌクレオチドもしくポリヌクレオ
チド)は、有機陰イオントランスポーター遺伝子を検出
するためのプローブとして使用できるほか、有機陰イオ
ントランスポーター遺伝子の発現を変調させるために、
例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドや、リボザイ
ム、デコイとして使用することもできる。このようなヌ
クレオチドとしては、例えば、配列番号1または2で示
されるヌクレオチド配列の中の通常、連続する14ヌク
レオチド以上の部分配列もしくはその相補的な配列を含
むヌクレオチドを用いることができ、ハイブリダイズを
より特異的とするためには部分配列としてより長い配
列、例えば20ヌクレオチド以上あるいは30ヌクレオ
チド以上の配列を用いてもよい。
て、遺伝子工学的手法により得られる物質が、有機陰イ
オンを輸送する能力を発現するためには、必ずしも配列
表の配列番号2のアミノ酸番号1から691のアミノ酸
配列の全てを有するものである必要はなく、例えばその
部分配列であっても、それが有機陰イオンを輸送する能
力を示す限り、それらのアミノ酸配列もまた本発明の蛋
白質に包含される。また、該蛋白質をコードするDNA
も本発明に含まれる。
有する蛋白質としては、配列表の配列番号2に示される
アミノ酸配列のアミノ酸番号1のメチオニン残基をN末
端とする691個のアミノ酸からなる蛋白質を例示でき
る。また、該蛋白質をコードするDNAとして好適なも
のとしては、配列表の配列番号1のヌクレオチド番号9
2から2164で示されるヌクレオチド配列からなるD
NAを挙げることができる。
ロン遺伝子などで知られているように、多型現象(poly
morphism)を示すと考えられ(例えば、Nishi, T. et a
l. (1985) J. Biochem. 97, 153-159を参照)、この多
型現象によって、一個またはそれ以上のアミノ酸が置換
される場合もあれば、ヌクレオチド配列の置換はあって
もアミノ酸は全く変わらない場合もある。配列表の配列
番号2のアミノ酸番号1から691に示されるアミノ酸
配列からなる本発明の蛋白質の前駆体、あるいは同アミ
ノ酸番号1から691に示されるアミノ酸配列からなる
本発明の蛋白質の成熟体のアミノ酸配列中の、一つもし
くは二つ以上の部位において、一つもしくは二つ以上の
アミノ酸残基が欠失、付加、挿入もしくは置換されてい
る蛋白質でも、有機陰イオンを輸送する能力を有するこ
とが多い(天然型のアミノ酸配列が置換したアミノ酸配
列を有する蛋白質が、天然型蛋白質と同等の活性を有す
る例として、例えば、インターロイキン2(IL−2)
遺伝子のシステインに相当するヌクレオチド配列をセリ
ンに相当するヌクレオチド配列に変換して得られた蛋白
質が、IL−2活性を保持することが知られている(Wa
ng, A. et al. (1984) Science 224, 1431-1433))。
それらの蛋白質は、有機陰イオンを輸送する能力を有す
る限り、全て本発明に含まれる。また、これらの蛋白質
をコードする、同効のヌクレオチド配列からなるDNA
も全て本発明に含まれる。
有機陰イオンを輸送する能力を有する蛋白質の情報に基
づいて、例えばホスファイト・トリエステル法(Hunkap
iller, M. et al. (1984) Nature 310, 105-111)など
の常法に従い、化学合成により製造することもできる。
は、その選択も任意でよく、例えば利用する宿主のコド
ン使用頻度を考慮して常法に従い決定できる。(Granth
am, R.et al. (1981) Nucleic Acids Res. 9, 143-17
4)。さらに、これらヌクレオチド配列のコドンの一部
改変は、常法に従い、所望の改変をコードする合成オリ
ゴヌクレオチドからなるプライマーを利用した、部位特
異的変異導入法(site specific mutagenesis)(Mark,
D. F. et al. (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 8
1, 5662-5666)などに従うことができる。また、任意の
一つもしくは二つ以上のアミノ酸残基を欠失させた改変
体を作製するためには、エキソヌクレアーゼBal31
等を用いてDNAを末端から削る方法(岸本 利光ら
“続生化学実験講座1・遺伝子研究法II”335-354)、
カセット変異法(岸本 利光、“新生化学実験講座2・
核酸III 組換えDNA技術 ”242-251)などに従う
ことができる。
ターまたはこれと免疫学的同等性を有するポリペプチド
を用いて、その抗体を取得することができ、抗体は、有
機陰イオントランスポーターの検出や精製などに利用で
きる。抗体は、本発明の有機陰イオントランスポータ
ー、その断片、またはその部分配列を有する合成ペプチ
ド等を抗原として用いて製造できる。ポリクローナル抗
体は、宿主動物(例えば、ラットやウサギ等)に抗原を
接種し、免疫血清を回収する、通常の方法により製造す
ることができる。
モノクローナル抗体は、以下に記載する方法で取得する
ことができる。
一般に下記のような作業工程が必要である。すなわち、
(a)抗原として使用する生体高分子の精製、(b)抗
原を動物に注射することにより免疫した後、血液を採取
しその抗体価を検定して脾臓摘出の時期を決定してか
ら、抗体産生細胞を調製する工程、(c)骨髄腫細胞
(以下「ミエローマ」という)の調製、(d)抗体産生
細胞とミエローマとの細胞融合、(e)目的とする抗体
を産生するハイブリドーマ群の選別、(f)単一細胞ク
ローンへの分割(クローニング)、(g)場合によって
は、モノクローナル抗体を大量に製造するためのハイブ
リドーマの培養、またはハイブリドーマを移植した動物
の飼育、(h)このようにして製造されたモノクローナ
ル抗体の生理活性、およびその認識特異性の検討、ある
いは標識試薬としての特性の検定、等である。
工程に沿って詳述するが、該抗体の作製法はこれに制限
されず、例えば脾細胞以外の抗体産生細胞およびミエロ
ーマを使用することもできる。
蛋白質またはその一部を使用することができる。さら
に、本発明により本発明の蛋白質の全一次構造が明らか
にされたので、当業者に周知の方法により、配列表の配
列番号2のアミノ酸番号1から691に示されるアミノ
酸配列の部分ペプチドを化学合成し、これを抗原として
使用することもできる。
不完全アジュバント、またはカリミョウバンのような助
剤とを混合し、免疫原として実験動物に免疫する。実験
動物としては、マウスが最も好適に用いられるが、これ
に限定されない。
射、腹腔内注射、静脈内注射、皮内注射、筋肉内注射い
ずれでもよいが、皮下注射または腹腔内注射が好まし
い。
ましくは1週間から5週間間隔で)複数回繰返し行なう
ことができる。その後、免疫した動物の血清中の抗原に
対する抗体価を測定し、抗体価が十分高くなった動物を
抗体産生細胞の供給源として用いれば、以後の操作の効
果を高めることができる。一般的には、最終免疫後3〜
5日後の動物由来の抗体産生細胞を後の細胞融合に用い
ることが好ましい。
は、放射性同位元素免疫定量法(以下「RIA法」とい
う)、固相酵素免疫定量法(以下「ELISA法」とい
う)、蛍光抗体法、受身血球凝集反応法など種々の公知
技術があげられるが、検出感度、迅速性、正確性、およ
び操作の自動化の可能性などの観点から、RIA法また
はELISA法がより好適である。
LISA法によれば、以下に記載するような手順により
行うことができる。まず、精製または部分精製した抗原
をELISA用96穴プレート等の固相表面に吸着さ
せ、さらに抗原が吸着していない固相表面を抗原と無関
係な蛋白質、例えばウシ血清アルブミン(以下「BS
A」という)により覆い、該表面を洗浄後、一次抗体と
して段階希釈した試料(例えばマウス血清)に接触さ
せ、上記抗原に試料中のモノクローナル抗体を結合させ
る。さらに二次抗体として酵素標識されたマウス抗体に
対する抗体を加えてマウス抗体に結合させ、洗浄後該酵
素の基質を加え、基質分解に基づく発色による吸光度の
変化等を測定することにより、抗体価を算出する。
化細胞、例えば8−アザグアニン耐性マウス(BALB
/c由来)ミエローマ株P3X63Ag8U.1(P3-U1)(Yelton,
D.E. et al. Current Topics in Microbiology and Imm
unology, 81, 1-7(1978))、P3/NSI /1-Ag4-1(NS-1)
(Kohler, G. et al. European J. Immunology, 6, 511
-519 (1976))、Sp2 /O-Ag14 (SP-2)(Shulman, M. et
al. Nature, 276, 269-270 (1978))、P3X63Ag8.653
(653)(Kearney, J. F. et al. J.Immunology, 123, 15
48-1550 (1979))、P3X63Ag8(X63)(Horibata, K. and
Harris, A. W. Nature, 256, 495-497 (1975))などを
用いることが好ましい。これらの細胞株は、適当な培
地、例えば8−アザグアニン培地[RPMI1640培
地にグルタミン、2−メルカプトエタノール、ゲンタマ
イシン、およびウシ胎児血清(以下「FCS」という)
を加えた培地に8−アザグアニンを加えた培地] 、イス
コフ修正ダルベッコ培地(Iscove's Modified Dulbecc
o's Medium ;以下「IMDM」という)、またはDM
EMで継代培養するが、細胞融合の3〜4日前に正常培
地(例えば、10% FCSを含むASF104培地
(味の素(株)社製))で継代培養し、融合当日に2×
107以上の細胞数を確保しておく。
リンパ球であり、これは個体のいずれの部位から得ても
よく、一般には脾、リンパ節、末梢血、またはこれらを
適宜組み合わせたもの等から得ることができるが、脾細
胞が最も一般的に用いられる。
スから抗体産生細胞が存在する部位、例えば脾臓を摘出
し、抗体産生細胞である脾細胞を調製する。この脾細胞
と工程(c)で得られたミエローマを融合させる手段と
して現在最も一般的に行われているのは、細胞毒性が比
較的少なく融合操作も簡単なポリエチレングリコールを
用いる方法である。この方法は、例えば以下の手順より
なる。
ばRPMI1640)、またはPBSでよく洗浄し、脾
細胞とミエローマの細胞数の比が5:1〜10:1程度
になるように混合し、遠心分離する。上清を除去し、沈
澱した細胞群をよくほぐした後、撹拌しながら1mlの
50%(w/v)ポリエチレングリコール(分子量10
00〜4000)を含む無血清培地を滴下する。その
後、10mlの無血清培地をゆっくりと加えた後遠心分
離する。再び上清を捨て、沈澱した細胞を適量のヒポキ
サンチン・アミノプテリン・チミジン(以下「HAT」
という)液およびマウスインターロイキン−2(以下
「IL−2」という)を含む正常培地(以下「HAT培
地」という)中に懸濁して培養用プレート(以下「プレ
ート」という)の各ウェルに分注し、5% 炭酸ガス存
在下、37℃で2週間程度培養する。途中適宜HAT培
地を補う。
場合、すなわち、ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリ
ボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)欠損株である
場合、融合しなかった該ミエローマ細胞、およびミエロ
ーマ細胞どうしの融合細胞は、HAT含有培地中では生
存できない。一方、抗体産生細胞どうしの融合細胞、あ
るいは、抗体産生細胞とミエローマ細胞とのハイブリド
ーマは生存することができるが、抗体産生細胞どうしの
融合細胞には寿命がある。従って、HAT含有培地中で
の培養を続けることによって、抗体産生細胞とミエロー
マ細胞とのハイブリドーマのみが生き残り、結果的にハ
イブリドーマを選択することができる。
について、HAT培地からアミノプテリンを除いた培地
(以下「HT培地」という)への培地交換を行う。以
後、培養上清の一部を採取し、例えば、ELISA法に
より抗体価を測定する。
いる方法を例示したが、その他の細胞株もハイブリドー
マの選択方法に応じて使用することができ、その場合使
用する培地組成も変化する。
により、特異的抗体を産生することが判明したハイブリ
ドーマを、別のプレートに移しクローニングを行う。こ
のクローニング法としては、プレートの1ウェルに1個
のハイブリドーマが含まれるように希釈して培養する限
界希釈法、軟寒天培地中で培養しコロニーを回収する軟
寒天法、マイクロマニュピレーターによって1個づつの
細胞を取り出し培養する方法、セルソーターによって1
個の細胞を分離する「ソータクローン」などが挙げられ
るが、限界希釈法が簡便でありよく用いられる。
ば限界希釈法によるクローニングを2〜4回繰返し、安
定して抗体価の認められたものを本発明のモノクローナ
ル抗体産生ハイブリドーマ株として選択する。
ーナル抗体の調製 クローニングを完了したハイブリドーマは、培地をHT
培地から正常培地に換えて培養される。大量培養は、大
型培養瓶を用いた回転培養、あるいはスピナー培養で行
われる。この大量培養における上清を、ゲル濾過等、当
業者に周知の方法を用いて精製することにより、本発明
の蛋白質に特異的に結合するモノクローナル抗体を得る
ことができる。また、同系統のマウス(例えば、上記の
BALB/c)、あるいはNu/Nuマウスの腹腔内で
該ハイブリド−マを増殖させることにより、本発明のモ
ノクローナル抗体を大量に含む腹水を得ることができ
る。精製の簡便な方法としては、市販のモノクローナル
抗体精製キット(例えば、MAbTrap GIIキッ
ト;ファルマシア社製)等を利用することもできる。
本発明の蛋白質に対して高い抗原特異性を有する。
よびサブクラスの決定は以下のように行うことができ
る。まず、同定法としてはオクテルロニー(Ouchterlon
y )法、ELISA法、またはRIA法が挙げられる。
オクテルロニー法は簡便ではあるが、モノクローナル抗
体の濃度が低い場合には濃縮操作が必要である。一方、
ELISA法またはRIA法を用いた場合は、培養上清
をそのまま抗原吸着固相と反応させ、さらに二次抗体と
して各種イムノグロブリンアイソタイプ、サブクラスに
対応する抗体を用いることにより、モノクローナル抗体
のアイソタイプ、サブクラスを同定することが可能であ
る。また、さらに簡便な方法として、市販の同定用のキ
ット(例えば、マウスタイパーキット;バイオラッド社
製)等を利用することもできる。
リー法、および280nmにおける吸光度[1.4(O
D280)=イムノグロブリン1mg/ml]より算出
する方法により行うことができる。
ーナル抗体は、その特異性を利用した本発明の蛋白質の
検出や分離精製に用いることができる。
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、下記実施例において、遺伝子操作に関する各
操作は特に明示がない限り、「モレキュラークローニン
グ(MolecularCloning)」[Sambrook, J.,Fritsch, E.
F.およびManiatis, T. 著、Cold Spring Harbor Labora
tory Pressより1989年に発刊]に記載の方法により行う
か、または、市販の試薬やキットを用いる場合には市販
品の指示書に従って使用した。
ターLST−1のクローニング (1)ヒト有機陰イオントランスポーターLST−1の
クローニング 1)プローブの調製 ヒトOATPならびにヒトPGTのアミノ酸配列に対し
て相同的な配列を得るために、EST法(Adams ら、Sc
ience、第252巻、1651頁、1991年; Adams ら、Nature、
第355巻, 632頁、1992年)により作成されたESTを含
むデータベースを、TBLASTN アルゴリズムを用
いて検索した( HYPERLINK http://www.ncbi.nlm.nih.g
ov/BLAST/blast#references.html http://www.ncbi.nl
m.nih.gov/BLAST/blast#references.html)。その結果
3種類のクローン(Genbank accession no.H6289
3、T73863およびR29414)が、OATPな
らびにPGTの両者に対して相同的な配列として同定さ
れた。そこで、報告されているこれらH62893、T
73863およびR29414それぞれの部分配列を増
幅するためのPCRプライマー: 5'- gttcttggca gctctgtca -3' (プライマー1:H62893のヌクレオチド番号17
8−196のセンスプライマー:配列表の配列番号
3); 5'- cgattccaat taactttgg -3' (プライマー2:H62893のヌクレオチド番号37
1−389のアンチセンスプライマー:配列表の配列番
号4); 5'- tcccctgtat gttatgtttg -3' (プライマー3:T73863のヌクレオチド番号10
96−1115のセンスプライマー:配列表の配列番号
5); 5'- caattccaac ggtgttca -3' (プライマー4:T73863のヌクレオチド番号12
96−1313のアンチセンスプライマー:配列表の配
列番号6); 5'- tcagttgccg gactaaccat -3' (プライマー5:R29414のヌクレオチド番号13
91−1410のセンスプライマー:配列表の配列番号
7);および 5'- ttcccattga ctttcatcac -3' (プライマー6:R29414のヌクレオチド番号14
85−1504:配列表の配列番号8) を合成した。プライマー1と2、プライマー3と4、お
よびプライマー5と6の3種類のプライマーの組み合わ
せで、ヒト肝臓mRNA(クロンテック社製)を逆転写
して得られたcDNA[下記2)参照]を鋳型とし、P
CR(94℃で1分、50℃で2分、72℃で2分を3
0回)を行った。反応後の3種類の反応液について0.
8%アガロースゲルにて電気泳動を行い、増幅されたバ
ンドをゲルより切り出し、pBluescript(ス
トラタジーン社製)にサブクローニングした。挿入断片
のヌクレオチド配列の解析を行い、3種類の挿入断片の
ヌクレオチド配列が目的のもの、すなわちH6289
3、T73863およびR29414の部分配列である
ことを確認した。これら挿入断片をそれぞれ切り出し、
DNAラベリングキット(ランダムプライマーDNAラ
ベリングキット:宝酒造(株)社製)を用いて32Pで標
識したものを、下記3)以下のスクリーニングに用いる
ためのプローブとした。
肝臓ポリ(A)+RNA(クロンテック社製)を用いて
作製したヒトcDNAライブラリーを用いた。cDNA
ライブラリーの作製は、Gubler法に従って行っ
た。すなわち、5μgのポリ(A)+RNA、および2
4単位の逆転写酵素(SuperscriptII:ギ
ブコ・ビーアールエル社製)を50μlの反応液(50
mM トリス−塩酸(pH8.3)、8mM 塩化マグ
ネシウム、30mM 塩化カリウム、0.3mM ジチ
オスレイトール(DTT)、2mM dATP、2mM
dGTP、2mM dTTP、10mCi[α−
32P]dCTP、1mg オリゴ(dT)プライマー中
で42℃、1時間反応させた。次にその相補的(2nd
strand)DNAを200μlの反応液(20mM
トリス−塩酸(pH7.5)、5mM 塩化マグネシ
ウム、1000mM 塩化カリウム、10mMジチオス
レイトール(DTT)、E.coli DNAポリメラ
ーゼ 36単位(宝酒造(株)社製)、リボヌクレアー
ゼH 3単位(宝酒造(株)社製)中で16℃、2.5
時間反応させた。このようにして得られたcDNAの末
端を平滑化し、EcoRIアダプター(プロメガ社製)
を付加した後、リン酸化した。得られたcDNAを、超
遠心チューブ中に作成した酢酸カリウムの密度勾配(5
−20%)に重層して、50000rpm、22℃で3
時間遠心した。遠心終了後、チューブの底部までガラス
キャピラリーを上からさし込み、ペリスタポンプで吸引
しながら300μlずつの画分16本を採取した。各画
分にアクリルキャリアを入れた後エタノール沈殿し(Ga
illard, C.とStrauss, F.、Nucleic Acids Research 第
18巻第2号、378頁、1990年)得られた沈殿を5μlに
溶解して、その1μlを0.8%アガロースで電気泳動
して各画分に含まれるcDNAの長さを調べた。その結
果、2kbp以上のサイズのcDNAを含む画分を集め
てファージベクターλZAPII(ストラタジーン社
製)の制限酵素EcoRI切断部位に組み込んだ。この
組み込んだファージDNAをギガパックIII(ストラ
タジーン社製)を用いてファージにパッケージングし、
50万の独立クローンを含むcDNAライブラリーを得
た。
ー(5×105プラーク)を、直径15cmのプレート
あたり2×104個のプラークが形成されるように分散
させた。ナイロンフィルターを、プレートにのせて、フ
ァージプラークを移しとった。5分間放置した後、フィ
ルターを剥がして、アルカリ溶液(0.1N 水酸化ナ
トリウム、1.5M 塩化ナトリウム)で5分間、中性
溶液(1M トリス−塩酸(pH7.5)、1.5M
塩化ナトリウム)で5分間処理した後、室温で1時間風
乾した。風乾後、80℃にて2時間乾燥させた。
ド、5×SSC(0.75M 塩化ナトリウム、0.0
75M クエン酸ナトリウム)、5×デンハルト溶液
(1%ウシ血清アルブミン、1% ポリビニルピロリド
ン、1% フィコール400)、1% SDS、100
mg/mlの変性サケ精子DNAを含む溶液中で、42
℃、12時間プレハイブリダイゼーションした後、32P
で放射標識化したプローブを含む50%ホルムアミド、
5×SSC、5×デンハルト溶液、1% SDS、10
0mg/mlの変性サケ精子DNAを含む反応液中で、
42℃、一晩ハイブリダイゼーションを行った。
C、1%SDSを含む溶液で、68度で1時間洗浄し
た。次にハイブリダイゼーションしたフィルターをオー
トラジオグラフィー用フィルム(XOMAT−AR、コ
ダック社)に−80度で一晩感光させたのち現像した。
その結果、一次スクリーニングで52ヶの陽性プラーク
が検出された。この時、3種類のESTクローンより作
成したプローブを用いたスクリーニングにより得られた
シグナルは、すべて共通していた。
の操作を繰り返すことにより、二次および三次スクリー
ニングを行って、制限酵素EcoRIで消化して得られ
る挿入断片が最も長いクローン(以下「pH1」とい
う)を単離した。このプラスミドpH1を保持する形質
転換大腸菌株E.coli pH1 SANK 710
99は、平成11(1999)年6月3日付で工業技術
院生命工学工業技術研究所に国際寄託され、受託番号F
ERM BP−6743が付された。
Aの全ヌクレオチド配列をジデオキシ法により決定し
た。なお、一部配列は自動DNAシークエンサー(AB
Iプリズム377:(株)パーキンエルマー・ジャパン
・アプライドバイオシステムズ社製)を用いて解析し
た。その結果、配列表の配列番号1に示されるヌクレオ
チド配列が得られた。pH1に挿入されているcDNA
は、2781bpからなり、メチオニンで始まる691
個のアミノ酸から成るオープン・リーディング・フレー
ム(ORF)を有することが明らかとなった。また、O
RFにコードされているアミノ酸配列について、EMB
LおよびGenBankのヌクレオチドデータベース、
NBRFおよびSWISSプロテインデータベースを検
索したところ、ヒト有機陰イオントランスポーターOA
TPと42.2%、プロスタグランジントランスポータ
ーPGTと34.9%の相同性を持つ、新規なポリペプ
チドをコードすることが明らかとなった。このORFに
コードされるアミノ酸配列を配列表の配列番号2に示
す。
thy analysis:Kyte J と Doolittle R.F.J.、J.Mol.Bi
ol.、第157巻、105頁、1982年)により、配列表の配列
番号2に示されるアミノ酸配列を解析した結果、12個
の膜貫通領域(membrane-spanning domains)の存在が
予測された。
で、ノーザンブロット解析を行った。(1)で得られた
cDNA挿入断片より3’末端側非翻訳部位のEcoR
I−EcoRI消化断片(838bp)を調製し、DN
Aラベリングキット(ランダムプライマーDNAラベリ
ングキット:宝酒造(株)社製)を用いて、32Pにて標
識したものをプローブとして用いた。ヒト組織ノーザン
ブロットフィルター(クローンテック社製)を、5×S
SC、1%SDS、5×デンハルト溶液、50%ホルム
アミド、100mg/mlの変性サケ精子DNAを含む
溶液中で、42℃、12時間プレハイブリダイゼーショ
ンした後、上記標識プローブ、5×SSC、5×デンハ
ルト溶液、50%ホルムアミド、1%SDSおよび10
0mg/ml 変性サケ精子DNAを含む溶液中で、4
2℃、一晩ハイブリダイゼーションを行った。反応終了
後、フィルターを室温で、2×SSC、1%SDSを含
む溶液で10分、さらに0.2×SSC、1% SDS
を含む溶液で65度で1時間洗浄した後、オートラジオ
グラフィーを行った。その結果、図1に示すように、ヒ
ト肝臓(Liver)にバンドが観察され、そのサイズは、
分子量マーカーによる検量線より、約3kbであること
が明らかとなった。一方、心臓(Heart)、脳(Brai
n)、胎盤(Placenta)、肺(Lung)、骨格筋(Skeleta
l muscle)、腎臓(Kidney)、膵臓(Pancreas)、脾臓
(Spleen)、胸腺(Thymus)、前立腺(Prostate)、精
巣(Testis)、卵巣(Ovary)、小腸(Small intestin
e)、大腸(Colon)および白血球(Leukocyte)ではバ
ンドは認められず、本発明の蛋白質は肝臓に特異的に発
現していることが明らかとなった。
32Pで標識したプローブを用いて、ラット組織ノザンブ
ロットフィルターおよびマウス組織ノザンブロットフィ
ルター(いずれもクローンテック社製)のノーザンブロ
ット解析を行った。フィルターを、ヒト組織の場合と同
様にプレハイブリダイゼーションした後、32Pで標識し
たプローブを含む、5×SSC、5×デンハルト溶液、
25%ホルムアミド、1% SDS、100mg/ml
の変性サケ精子DNAを含む溶液中で、42℃、一夜ハ
イブリダイゼーションを行った。反応終了後、フィルタ
ーを2×SSC、1% SDSを含む溶液で、55度で
1時間洗浄した後、オートラジオグラフィーを行った。
(図3)のいずれにおいても、肝臓にのみ一本のバンド
が検出され、本発明の蛋白質のホモローグが肝臓に特異
的に発現していることが明らかとなった。
製し、阿部らの方法(阿部ら、J. Biol. Chem.、第273
巻、22395頁、1998年)に準じて、アフリカツメガエル
の卵母細胞に注入し本発明の蛋白質を発現させ、基質の
取り込み実験を行った。
酵素NotIで消化して直鎖状にしたものを鋳型とし
て、T7 RNAポリメラーゼ(ストラタジーン社製)
を用いて合成された。なお、反応にはmCAP RNA
キャッピングキット(ストラタジーン社製)を用いた。
s:浜松生物教材(株)社より購入)を、氷冷した0.
1% 3−アミノ安息香酸エチルエステル(MS−22
2)/0.3% 重炭酸カリウム溶液に浸し麻酔した。
腹部を切開し、片側の卵巣を適当量取り出した後、OR
2緩衝液(82.5mM 塩化ナトリウム、2mM 塩
化カリウム、1mM 塩化マグネシウム、5mM HE
PES、pH7.5)を浸したシャーレに入れ、卵母細
胞20−30個程度に細切した。2% コラゲナーゼ溶
液(OR2緩衝液に溶解)中で30分間ゆっくり振とう
した後、新しいコラゲナーゼ溶液に交換し、ほとんどの
卵母細胞がバラバラになるまで、さらに60乃至90分
間振とうした。卵母細胞をバースの溶液(Barth's Solu
tion)(88mM 塩化ナトリウム、1mM 塩化カリ
ウム、0.33mM 硝酸カルシウム、0.41mM
塩化カルシウム、0.82mM 塩化マグネシウム、
2.4mM 炭酸水素ナトリウム、10mM HEPE
S、50μg/ml ゲンタマイシン、10単位/ml
ペニシリン、10μg/ml ストレプトマイシン、
2.5mM ピルビン酸、pH7.4)を浸したシャー
レに移し、実体顕微鏡下で段階Vおよび段階VIの卵母
細胞(Dumontら、J. Morphol.、第136巻、153頁、1972
年)を選別した。
(MN−153:ナリシゲ社製)を用いて、上記cRN
A溶液または水のみを50nlずつ卵母細胞に注入した
後、バースの溶液を満たした20mlのガラスバイアル
に移し、3日間培養した。すべての操作は、18℃に調
節された恒温室内で行なった。
り込み実験、および培養液に添加する塩の影響を調べ
た。すなわち、卵母細胞をバースの溶液を満たした栄研
チューブに6乃至10個ずつ移し、室温(21℃〜22
℃)に静置した。バースの溶液をアスピレーターを用い
て取り除いた後、3H−タウロコレート(NENライフ
サイエンスプロダクツ社製)30μMを含む取り込み溶
液100μlを添加して室温で培養した。1時間後、氷
冷した緩衝液で卵母細胞を洗浄し、一つずつシンチレー
ションバイアルに移し、10% SDS溶液 500μ
lで溶解した後、シンチレーションカクテル(ピコフロ
ー:パッカード社製)4mlを加え、放射能を測定し
た。放射能の測定には、シンチレーションカウンター
(2250CA:パッカード社製)を用いた。コントロ
ールには等量の水を注入した卵母細胞を用いた。ただ
し、塩として塩化コリンイオンを添加した場合の影響を
みる場合には、ナトリウム取り込み溶液(100mM
塩化ナトリウム、2mM 塩化カリウム、1mM 塩化
カルシウム、1mM 塩化マグネシウム、10mM H
EPES、pH7.5)に代えて、塩化コリン取り込み
溶液(100mM 塩化コリン、2mM 塩化カリウ
ム、1mM 塩化カルシウム、1mM 塩化マグネシウ
ム、10mM HEPES、pH7.5)を用いた。
注入した卵母細胞への3H−タウロコレートの取り込み
は、コントロールとして水を注入した卵母細胞への取り
込みに比べ10倍高かった。また、細胞外のナトリウム
をコリンと置換しても、タウロコレート取り込みに何ら
影響を与えなかった。このことから、本発明の蛋白質は
ナトリウムイオン非依存性にタウロコレートを取り込む
活性を有することが示された。
によるタウロコレートの取り込み率の変化を調べる動力
学試験を行った。上記cRNAを注入した卵母細胞への
3H−タウロコレートの取り込みから、水を注入した卵
母細胞への取り込みを差し引いた値を、本発明の蛋白質
に依存性の取りこみとした。ただし、3H−タウロコレ
ート取り込みは30分間測定した。その結果、本発明の
蛋白質に依存性のタウロコレートの取りこみは、基質濃
度の上昇とともに飽和するミカエリス−メンテン式に従
う速度論的性質を示し、3例の試験より得られた、本発
明の蛋白質に依存性の取りこみのKm値は13.6±
5.6μMであった。
識された下記に示す各種の化合物(S−アデノシル−14
C−メチオニンはアマシャム・ライフサイエンス社製、
それ以外は全てNENライフサイエンスプロダクツ社
製)を用い、上記(1)記載の方法で取り込み実験を実
施した。陰性対照には水のみを注入した卵母細胞を用い
た。その結果を表1に示す。
ほか、抱合型ステロイド(3H−エストラジオール−1
7β−グルクロニド、3H−エストロン−サルフェート
および3H−デヒドロエピアンドロステロン−サルフェ
ート)、エイコサノイド(3H−プロスタグランジンE
2、3H−トロンボキサンB2、3H−ロイコトリエンC
4および3H−ロイコトリエンE4)および14C−プラ
バスタチンを取り込んだが、アミノ酸(14C−フェニル
アラニン、14C−トリプトファン、 14C−チロシンおよ
びS−アデノシル−14C−メチオニン)、非抱合型ステ
ロイド(3H−アルドステロン、3H−テストステロンお
よび3H−エストラジオール)、脂溶性ビタミン(3H−
ビオチン、3H−レチノイン酸および3H−ヒドロキシビ
タミンD3)および3H−馬尿酸は取り込まなかった。
3)取り込みのミカエリス−メンテン動力学試験を行っ
た。cRNAを注入した卵母細胞への125I−T4およ
び125I−T3の取り込みから、水を注入した卵母細胞
への取り込みを差し引いた値を、本発明の蛋白質に依存
性の取りこみとした。ただし、取り込みは20分間測定
した。その結果、3例の試験より得られた、本発明の蛋
白質に依存性の取りこみのKm値はそれぞれ3.0±
1.3μMおよび2.7±1.1μMであった。
や抱合型ステロイドのほかエイコサノイド類を取り込む
能力を有し、有機陰イオントランスポーターOATPと
プロスタグランジントランスポーター(PGT)の中間
的な基質選択性を有することが明らかとなった。また、
本発明の蛋白質は生理活性物質である甲状腺ホルモン
(T4およびT3)や、薬物であるプラバスタチンも取
り込んでおり、広い基質選択性を有することが示され
た。
ターをヒト培養肝細胞HepG2(アメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクション(ATCC) HB−80
65。なおHepG2では既に有機陰イオントランスポ
ーター活性は消失していることが知られている)に電気
穿孔法による遺伝子導入装置を使用して導入し、ベクタ
ーの選択マーカーの発現(例えば抗生物質G418耐
性)を指標にして選択・クローニングを行い、該DNA
が導入された細胞を単離する。このようにして単離され
た形質転換細胞株における実施例1で得られたDNAの
発現は、ノーザンブロット法,ウエスタンブロット法に
より確認する。
で培養し、培地中に種々の薬物またはその誘導体(放射
標識または蛍光標識されたもの等)を加えて、一定時間
培養後、培地を除去し、細胞内への薬物またはその誘導
体の取り込みを測定することにより、薬物またはその誘
導体の肝臓における透過性を検討する。
ーをヒト培養肝細胞HepG2に電気穿孔法による遺伝
子導入装置を使用して導入し、ベクターの選択マーカー
の発現(例えば抗生物質G418耐性)を指標にして選
択・クローニングを行い、該DNAが導入された細胞を
単離する。このようにして単離された形質転換細胞株に
おける実施例1で得られたDNAの発現は、ノーザンブ
ロット法,ウエスタンブロット法により確認する。例え
ば形質転換細胞株をダブルチャンバーシステム(例え
ば、コースター社製トランスウェル)内に培養し、一方
のチャンバーに入れた種々の有機アニオン(放射標識ま
たは蛍光標識されたもの等)の細胞内取り込み・分泌
を、対側チャンバーへの輸送を測定することにより検討
する。また、総胆管結紮モデルラットの血清を用いて、
形質転換細胞に閉塞性黄疸時の血清を添加し、培養液中
ビリルビン・コール酸・デオキシコール酸等の肝不全物
質の排出能力を評価する。さらに、細胞外マトリックス
でコートしたホロファイバー大量培養系と組み合わせる
ことで、生体肝臓に代替する肝不全物資排出システムで
ある人工肝臓を構築する。
特異的有機陰イオントランスポーターおよびそれをコー
ドするDNAが提供された。本発明は肝臓透過性薬物の
スクリーニングや人工肝臓の作製に有用である。
ロット解析の結果を表す図
ブロット解析の結果を表す図
ブロット解析の結果を表す図
陰イオン取り込み実験の結果を表す図
Claims (17)
- 【請求項1】 配列表の配列番号2のアミノ酸番号1か
ら691で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、また
は配列表の配列番号2のアミノ酸番号1から691で示
されるアミノ酸配列において1個もしくは2個以上のア
ミノ酸が欠失、置換および/または付加されたアミノ酸
配列からなり、かつ有機陰イオンを輸送する能力を有す
る蛋白質。 - 【請求項2】 肝臓組織由来である請求項1記載の蛋白
質。 - 【請求項3】 ヒト由来である請求項1または2記載の
蛋白質。 - 【請求項4】 形質転換大腸菌株E.coli pH1
SANK 71099(FERM BP−6743)
に保持される組換えベクターに挿入されているDNAに
コードされていることを特徴とする、請求項1乃至3の
いずれか一つに記載の蛋白質。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の
蛋白質をコードするDNA。 - 【請求項6】 配列表の配列番号1のヌクレオチド番号
92から2164で示されるヌクレオチド配列からなる
DNA。 - 【請求項7】 配列表の配列番号1のヌクレオチド番号
92から2164で示されるヌクレオチド配列からなる
DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
し、かつ有機陰イオンを輸送する能力を有する蛋白質を
コードするDNA。 - 【請求項8】 肝臓組織由来である、請求項5乃至7の
いずれか一つに記載のDNA。 - 【請求項9】 ヒト由来である、請求項5乃至8のいず
れか一つに記載のDNA。 - 【請求項10】 形質転換大腸菌株E.coli pH
1 SANK 71099(FERM BP−674
3)に保持される組換えベクターに挿入されているDN
A。 - 【請求項11】 形質転換大腸菌株E.coli pH
1 SANK 71099(FERM BP−674
3)に保持される組換えベクターに挿入されているDN
Aとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、か
つ有機陰イオンを輸送する能力を有する蛋白質をコード
するDNA。 - 【請求項12】 請求項5乃至11のいずれか一つに記
載のDNAを含む組換えベクター。 - 【請求項13】 発現ベクターである、請求項12記載
の組換えベクター。 - 【請求項14】 請求項12または13記載の組換えベ
クターを保持する宿主細胞。 - 【請求項15】 形質転換大腸菌株E.coli pH
1 SANK 71099(FERM BP−674
3)。 - 【請求項16】 請求項1乃至4のいずれか一つに記載
の蛋白質を特異的に認識する抗体。 - 【請求項17】 請求項1乃至4のいずれか一つに記載
の蛋白質を動物細胞に発現させ、該蛋白質の有する有機
陰イオンを輸送する能力を利用して被検物質の肝臓透過
性を検定する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000165254A JP2001046083A (ja) | 1999-06-03 | 2000-06-02 | 肝臓に発現している新規トランスポーター遺伝子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-156750 | 1999-06-03 | ||
JP15675099 | 1999-06-03 | ||
JP2000165254A JP2001046083A (ja) | 1999-06-03 | 2000-06-02 | 肝臓に発現している新規トランスポーター遺伝子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001046083A true JP2001046083A (ja) | 2001-02-20 |
Family
ID=26484419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000165254A Pending JP2001046083A (ja) | 1999-06-03 | 2000-06-02 | 肝臓に発現している新規トランスポーター遺伝子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001046083A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4838961B2 (ja) * | 1999-09-21 | 2011-12-14 | 中外製薬株式会社 | トランスポーター遺伝子oatp−b、c、d、およびe |
-
2000
- 2000-06-02 JP JP2000165254A patent/JP2001046083A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4838961B2 (ja) * | 1999-09-21 | 2011-12-14 | 中外製薬株式会社 | トランスポーター遺伝子oatp−b、c、d、およびe |
US8748128B2 (en) | 1999-09-21 | 2014-06-10 | Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha | Transporter genes OATP-B, C, D, and E |
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