JP2001517078A - Spα:新規なスカベンジャー受容体であるシステインが豊富なドメインを含有するポリペプチドおよび該ポリペチドに対するモノクローナル抗体 - Google Patents

Spα:新規なスカベンジャー受容体であるシステインが豊富なドメインを含有するポリペプチドおよび該ポリペチドに対するモノクローナル抗体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、本明細書中Spαと称されるスカベンジャー受容体であるシステインが豊富なファミリー由来の新規ポリペプチド、並びにSpαをコードするポリヌクレオチドおよびその組換え産生方法を開示する。加えて、Spαとの反応性を有する抗体、並びにSPαおよび該受容体間の相互作用をモジュレートするためにSpαと結合する抗体を用いた方法を提供する。抗−SPα抗体を含有するイムノアッセイキットをも提供する。

Description

【発明の詳細な説明】Spα: 新規なスカベンジャー受容体であるシステインが豊富なドメインを 含有するポリペプチドおよび該ポリペチドに対するモノクローナル抗体 技術背景 本発明は一般的に免疫調節ポリペプチドに関する。特に、本発明はSpαと命 名される新規なスカベンジャー受容体であるシステインが豊富なドメインを含有 するポリペプチド、および該Spαポリペプチドをコードするオリゴヌクレオチ ドに関する。加えて、本発明はSpαとの反応性を有する抗体、並びに該抗体を 用いてSpαと該受容体間の相互作用をモジュレートし、および本相互作用をモ ジュレートする他の分子を同定する方法に関する。 背景技術 多くの別個の細胞表面抗原および分泌抗原は白血球の機能を調節することが知 られている。特に、該抗原は白血球の活性化、増殖、生存、細胞付着および細胞 移動、エフェクター機能を支配している。白血球の機能を調節することが分かっ ている該抗原は、スカベンジャー受容体であるシステインが豊富な(scavenger receptor cysteine−rich;“SRCR”)ドメインを含有するタンパク質ファ ミリーの一員である。本タンパク質ファミリーの一員は短く、ジスルフィドで安 定化されたドメインにより特徴付けられる保存配列モチーフを有している。 該SRCRドメインは最初にI型マクロファージ・スカベンジャー受容体の構 造分析の間に認識され、該分析においておよそ101個のアミノ酸残基のモチー フが同定されている。該SRCRドメインは古く、非常によく保存されたシステ インが豊富なタンパク質のファミリーと定義されており、このものはCD5およ びCD6分子中に存在している(フリーマン(Freeman)らによる(1990)、Proc.N atl.Acad.Sci USA 87:8810)。 タンパク質の該SRCRファミリーは群Aおよび群Bと称される2個の群に分 類することができる。該群は主に各SRCRドメイン中に、位置的に保存された システイン残基が6個(群Aでは)または8個(群Bでは)存在することによっ て区別することが可能であるが、しかしながら、各SRCRドメイン中に該残基 を6個有するタンパク質もまたC1およびC4位にシステイン残基が存在すること で、少なくとも部分的に群Bタンパク質と特徴付けられている(レスニック(Res nick)らによる(1994)、Trends Biochem.Sci.19:5-8)。群AおよびBにおける 独立したSRCR共通配列も複合配列と同様に同定されている(レスニックらに よる(1994)上述を参照)。群Bとしては細胞表面タンパク質CD5(ジョーンズ (Jones)らによる(1986)、Nature 323:346-349)およびCD6(アルフォ(Aruffo )らによる(1991)、J.Exp.Med.174:949-952)が挙げられ、これらは胸腺細胞 、成熟T細胞並びにB細胞の部分集合、WC1(ウインガード(Wijngaard)らに よる(1992)、J.Immunol.149:3273-3277;ウインガードらによる(1994)、J.Im munol.152:3476-3482)(このものはウシのγδT細胞によって発現する)およ びM130(ローラ(Law)らによる(1993)、Eur.J.Immunol.23:2320-2325)(こ のものは活性化単球によって発現する)によって優先して発現する。 架橋モノクローナル抗体(mAb)の架橋研究により、CD5およびCD6が 共にT細胞の活性化をモジュレートすることができる補助分子として機能し得る と示唆されている(ガンゲミ(Gangemiらによる(1989)、J.Immunol.143:2439-2 447;レッドベター(Ledbetter)らによる(1985)、J.Immunol.135:2331-2336) 。T細胞機能の調節におけるCD5およびCD6の本役割は、T細胞の活性化に 続き、該2個のタンパク質の細胞質ドメインにおけるチロシン残基が一時的にホ スホリル化されるという発見により支持されている。このため、CD5およびC D6両方の細胞質ドメインがシグナル形質導入に関係するタンパク質を含有した 細胞内SH2と相互作用可能であるという分子機構を提供する(ラブ(Raab)らに よる(1994)、Mol.Cell.Biol.14:2862-2870)。その上、CD5−欠損マウス 菌株の表現型分析により、該T細胞が刺激に対してより高い反応性を有すること が示され(タラクホフスキー(Tarakhovsky)らによる(1994)、Eur.J.Immunol.2 4 :1678-1684;タラクホフスキーらによる(1995)、Science.269:535-537)、こ のことはT細胞受容体が媒介するT細胞の活性化の正常な調節に対 してCD5の発現が必要であることを示唆している。加えて、野生型もしくはC D5−欠損マウス由来のB−1およびB−2細胞における抗−免疫グロブリンM に誘起される成長応答を比較することにより、CD5がB−1a細胞における膜 免疫グロブリンMが媒介した信号発信の負の調節因子として働くことが示唆され ている。ビカー(Bikah)らによる(1996)、Science 274:1906-1909。該筆者らはあ る自己免疫状態はCD5が媒介した膜IgM信号発信の負の調節における欠点に 起因し得ると提案している。 CD5およびCD6は、タンパク質における群BのSRCRファミリーのなか で、構造的に最も密接に関連した一員である(レスニックらによる、上述)。そ れらのものは共にI型膜タンパク質であり、該細胞該領域は各8個のシステイン 残基を持つ3個のSRCR似ドメインからなり、これらのものは鎖内ジスルフィ ド結合を形成すると考えられている。CD5およびCD6の細胞外ドメインは疎 水性貫膜ドメインおよび長い細胞膜ドメインを介して細胞膜にアンカーしている 。CD5がB細胞抗原CD72およびCDSLに結合していること、活性化B細 胞によって一時的に発現される抗原がいまだ完全には特徴付けられていないこと が報告されている。CD6は白血球活性化抗原、活性化白血球付着分子(“AL CAM”)に結合していることが分かっている。密接に関連したCD5およびC D6と違って、CD72およびALCAMは相同ではない。CD72はC型レク チンと相同であるII型膜タンパク質であるが、しかしながらCD72に対するレ クチン活性はいまだ報告されていない。ALCAMはI型膜タンパク質であり、 該細胞外領域は5個のIg似ドメインからなる(ボーエン(Bowen)らによる(1995 )、J.Exp.Med.181:2213-2220)。該相互作用に関係するCD5およびCD7 2の領域はいまだ同定されていない。CD6およびALCAMの両方の先端を切 った(truncated)形態を用いた研究により、該2個のタンパク質間の相互作用が 主にCD6の膜近位SRCRドメインおよびALCAMのアミノ末端Ig−似ド メインによって媒介されることが分かっている(ホワイトニー(Whitney)らによ る(1995)、J.Biol.Chem.270:18187-18190;ボーエンらによる(1996)、J.Bio l.Chem.271:17390-17396)。 白血球の機能に関係する新規分子を同定することにより、免疫調節機能の追跡 および該分子との治療学的介入のための新規な標的を提供する。 本発明の要約 発明者らは、“Spα”と命名される新規なSRCRドメインを含有するポリ ペプチドを同定し、クローン化した。Spαは分泌タンパク質であり、CD5お よびCD6と相同である。SpαはCD5およびCD6の細胞外領域と全く同一 のドメイン構成を有しており、3個のSRCRドメインからなる。本明細書中に 示す通り、SpαをコードするRNA転写物はヒトの骨髄、脾臓、リンパ節、胸 腺および胎児の肝臓にみられるが、非−リンパ組織中にはみられない。Spα− 免疫グロブリン(Ig)融合タンパク質を用いた結合研究により、Spαがエル トリエーションしたばかりの単球、前単球細胞系K−562および骨髄様細胞系 THP−1をはじめとした単球系統の細胞に結合可能であると分かった。Spα はまたB細胞系RajiおよびT細胞系Hut78に結合する。Spαは単球の 活性化、機能化および/または生存の調節に関係していると思われ、ゆえに免疫 調節システムにおける重要な成分である。 したがって、1実施態様において、本発明はSpαポリペプチドをコードする ポリヌクレオチドを目的とする。 別の実施態様において、本発明は該ポリヌクレオチド分子からなる組換えベク ターを目的とする。 さらに他の実施態様において、本発明はDNAからなるベクターを用いて形質 転換した組換え宿主細胞および該形質転換した細胞を用いた組換えポリペプチド を産生する方法を目的とする。 別の実施態様において、本発明は単離Spαポリペプチドを目的とする。 本発明の別の実施態様において、Spαポリペプチドに対する抗体を提供する 。 更なる実施態様において、本発明はSpαポリペプチドおよび該Spαポリペ プチド受容体間での相互作用をモジュレートする方法を目的とする。 本発明の該および他の実施態様は本明細書における開示を考えると当業者が容 易に思いつくであろう。 図面の簡単な説明 図1A〜1Bは、SpαをコードするDNA配列(配列番号:_)および対応 する推定アミノ酸配列(配列番号:_)を示す。下線部のアミノ酸配列はSRC Rドメインを表している。共通システイン残基を太文字のイタリックで示す。ポ リアデニル化部位を二重下線部で表し、アデニル酸塩/ウリジル酸塩が豊富な要 素(“AREs”)には影をつける。図2はSpα、M130およびCD6にお けるSPCRドメインのアミノ酸配列(配列番号:_〜_)の比較を示す。個々 のドメインはD1、D2などを示唆する。相同性を最小化するのにギャップを導 入し、ドットで表す。アミノ酸を1文字コードで表す。共通システイン残基をボ ックスで囲む。灰色に目立たせた領域は15個のアミノ酸のうち11個が相同で ある領域である。 図3はRNAメッセージがSpαに対してハイブリダイゼーションしているこ とを示す組織ノーザンブロット分析の結果を示す。A、BおよびCの記号はSp αに対してハイブリダイゼーションしている3個のバンドを示唆する。 図4Aは実施例4に記載のSpα融合免疫グロブリン構成物を示す。D1、D 2およびD3はSRCRドメインであり、mIgはヒンジ、CH2およびCH3 ドメインを含有するマウス免疫グロブリン部である。図4Bは融合ポリペプチド の12%SDSポリアクリルアミドゲル(page)電気泳動の写真である。 図5はK−562細胞に対するSpα−mIg(ソリッド・サークル)および WC1−mIg(オープン・サークル)の結合力の比較を例示したグラフである 。相対平均蛍光値をフローサイトメトリーのデータから得た。 発明の詳細な説明 特に指示がなければ、本発明を実施するに際し、当分野の技術範囲内である通 常のタンパク質化学および生化学、微生物学および組換えDNAテクノロジーの 技法を使用する。該技法は文献内で十分に説明されている。例えば、サンブルッ ク(Sambrook)、フリッチ(Fritsch)&マニアティス(Maniatis)による、分子クロー ニング(Molecular Cloning):実験マニュアル(A Laboratory manual)、第2版(1 989);DNAクローニング(DNA Clonimg)、IおよびII巻(D.N.グローバー (Glover)らによる(1985));オリゴヌクレオチド合成(Oligonucleotide Synthesi s)(M.J.ガイト(Gait)による(1984));核酸ハイブリダイゼーション(Nuclei c Acid Hubridization)(B.D.ハーメス(Hames)&S.J.ヒギンス(Higgins)らに よる(1984);動物細胞の培養(Animal Cell Culture)(R.K.フレシュニー(Fresc hney)らによる(1986);固定化細胞および酵素(Immobilized Cells and Enzymes) (IRL出版社、1986);パーバル(Perbal),B.による、分子クローニングの実施指 針(A Practical Guide to Molecular Cloning)(1984);酵素学の方法(Methods i n Enzymology)のシリーズ(S.コロウィック(Colowick)およびN.カプラン(Kapla n)らによるアカデミック・プレス社)を参照。 本明細書および添付した請求の範囲で使用する際、単数形“a、“an”およ び“the”は、内容が特に明らかに指示しないならば、複数の引例を含むもの とする。 A.定義 本明細書を記載する際、以下の語句を使用し、以下に示唆する通り定義するこ とを意図する。 語句“ポリペプチド”、“ペプチド”および“タンパク質”とは、相互に変換 可能で使用し、ペプチド結合で連結したアミノ酸のいかなる高分子(ジペプチド またはそれ以上)をも称する。したがって、語句“ポリペプチド”、“ペプチド ”および“タンパク質”とは、オリゴペプチド、タンパク質フラグメント、アナ ローグ、突然変異タンパク質、融合タンパク質などが挙げられる。したがって、 “Spαポリペプチド”とは、単離、組換えまたは合成したものに関わらず、図 1に示すものと同一のアミノ酸配列および該フラグメント(これらは生物学的活 性、例えば触媒および/または免疫学的活性を保持するために該ポリペプチドに とって必要な大部分の分子を含有する)、併せて該ペプチドにとって実質的に相 同なアナローグ、突然変異または変異型タンパク質および該活性を保持したもの などを意味する。 2個のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列は、ヌクレオチドまたはアミ ノ酸の少なくとも約85%(少なくとも約85%〜約90%が好ましく、および 少なくとも約95%であることが最も好ましい)が分子内の定義した鎖上で一致 している場合、“実質的に相同”である。本明細書中で使用する通り、実質的に 相同とはまた特定のポリペプチド配列との同一性を示す配列を称する。実質的に 相同である核酸配列を、特定のシステムについて定義する際、例えばストリンジ ェント条件下、サザン・ハイブリダイゼーション実験において同定可能である。 定義した適当なハイブリダイゼーションの条件は当技術分野の範囲内である。例 えば、サンブルックらによる、上述;DNA Cloning、I&II巻、上述;Nucleic Aci d Hybridization、上述を参照。PCR産物を直接配列決定することで、該配列 をまた確認し、さらに特徴付けることも可能である。核酸およびアミノ酸配列の 同一性を決定するための他の技法が該分野で公知であり、関心ある遺伝子(通常 、cDNA中間体を介して)に対するmRNAのヌクレオチド配列の決定および 該遺伝子をコードするアミノ酸配列の決定およびこのものと第2アミノ酸配列と の比較が挙げられる。2個のポリヌクレオチド間での同一性並びに2個のポリペ プチド配列間での同一性および類似性の両方を計算するプログラムをウィスコン シン配列分析パッケージ、バージョン8(Wisconsin Sequence Analysis Package ,Version 8)(ジェネテック・コンピューター・グループ(Genetic Computer Gro up)、マディソン、ウィスコンシンから入手可能)、例えばギャップ・プログラム を入手可能である。配列間の同一性および類似性を計算する他のプログラムが該 分野で公知である。 語句“縮退変異型”とは、該ポリヌクレオチドにおける核酸配列の変化、例え ば挿入、欠損もしくは置換などを含むポリヌクレオチドであって、縮退変異菌株 が派生した参照ポリペプチドと全く同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを コードするポリヌクレオチドを意味する。 語句“Spαポリペプチドとの反応性を有する抗体”とは、Spαポリペプチ ドにとって特異的、または該抗体に相同なタンパク質にとって特異的なポリクロ ーナルまたはモノクローナルな抗体を意味する。該反応性を当分野で公知の方法 を用いて免疫沈降およびウエスタン・ブロット分析によって決定可能である。該 抗体はSpαポリペプチドに対する特異性を保持した無傷の細胞だけでなく該活 性フラグメントを意味する。(抗体フラグメントの産生に関する記述として、例 えば、ボールドウィン,R.W.らによる癌検出および治療におけるモノクローナ ル抗体(Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy)(アカデミ ック・プレス(1985)を参照)。該語句はまた、問題のSpαタンパク質に対する 特異性を保持したキメラ抗体を意図する。特に、該抗体はSpα分子に対する特 異性を保持した可変領域または該可変領域のフラグメントを含有してもよい。残 りの抗体は抗体を使用する種から誘導可能である。したがって、抗体をヒトに用 いるならば、該抗体は免疫原性を減少するが活性を保持するために“ヒト化”し 得る。キメラ抗体に関する記述としては、ウインター(Winter)、G.およびミル スタイン(Milstein)、C.による(1991)、Nature 349:293-299;ジョーンズ(Jone s)らによる(1986)、Nature 321:522-525;リッチマンらによる(1988)、332:323- 327;およびカーター(Carter)らによる(1992)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89 :4285-4289を参照。該語句はまた一本鎖抗体をはじめとしたSpαに結合する他 の組換え抗原−結合分子、少なくとも1個の可変領域がSpαに結合した二重特 異的な抗原−結合分子などが挙げられる。 ポリヌクレオチドを記載するために本明細書中で使用する“組換え”とは、ゲ ノム、cDNA、半合成的または合成起源のポリペプチドを意味し:該起源また は操作によって(1)本来会合しているポリヌクレオチドの全部またはその一部 と会合している;および/または(2)本来連結しているもの以外のポリヌクレ オチドに連結している、ポリペプチドを意味する。タンパク質またはポリペプチ ドに関して使用する際の語旬“組換え”とは組換えポリヌクレオチドの発現によ って産生するポリペプチドを意味する。“組換え宿主細胞”、“宿主細胞”、“ 細胞”、“細胞系”、“細胞培養”および培養する原核微生物または真核細胞系 を示す単細胞の実体などの他の語句は、相互交換可能に使用され、組換えベクタ ーもしくは他の転移DNAに対する受容体として現在もしくはこれまで使用可能 であった細胞を称し、このものはトランスフェクトされた本来の細胞の子孫を含 有する。偶発的もしくは意図的な突然変異により、単一親細胞の子孫は必ずしも 形態学的に、または本来の母細胞に対するゲノムもしくは全DNA補体において 必ずしも完全に同一であるとは限らない。母細胞の子孫(このものは目的のペプ チドをコードしたヌクレオチド配列の存在などの適性によって特徴付けられる ように該親に対して十分に類似している)としては、本定義によって意図する子 孫が挙げられ、上記の語句によって包含されるものである。 “ベクター”とは、レプリコン、すなわちプラスミド、ファージもしくはコス ミドなどの細胞内にあるポリヌクレオチドレプリコンの自律性単位として作用す る遺伝要素であり、このものは接合セグメントのレプリコンを生じるために別の DNAセグメントに結合可能である。 DNA“コード配列”または特定のタンパク質を“コードしたヌクレオチド配 列”とは、適当な調節配列のコントロール下に置いた時、インビボもしくはイン ビトロでポリペプチド中に転写および翻訳されるDNA配列である。コード配列 の境界は5'(アミノ)末端位の出発コドンおよび3'(カルボキシ)末端位の翻訳停 止コドンによって決定される。該コード配列としては、cDNA配列、ゲノムD NA配列および合成DNA配列でさえも含まれるが、これらのものに限定される ものではない。転写末端配列は通常コード配列に対して3'位に位置する。 DNA“コントロール配列”とは、全体としてプロモーター配列、リボソーム 結合部位、ポリアデニル化信号、転写末端配列、上流調節ドメイン、エンハンサ ーなどを称し、このものは全体として宿主細胞中のコード配列の転写および翻訳 を提供する。 “操作可能に連結した(Operably linked)”とは、記載した成分が該通常の機 能を行なうように配置された要素の配列を称する。したがって、コード配列に操 作可能に連結したコントロール配列はコード配列の発現に影響を及ぼすことが可 能である。該コントロール配列は、それらが該発現を目的に機能する限り、コー ド配列と相接(contiguous)させる必要がない。したがって、例えば未翻訳である が転写された介在配列はプロモーター配列とコード配列の間に存在可能であり、 該プロモーター配列は該コード配列に“操作可能に連結した”とさらにみなされ 得る。 DNA組成物の“異種の”領域とは、別のDNA分子(このものは本来他の分 子と会合していない)中の、または結合したDNAの同定可能なセグメントであ る。したがって、該異種領域がヒト遺伝子をコードする場合、該遺伝子は通常D NA(このものはヒトゲノム中のヒト遺伝子をフランクする)によってフランク される。異種コード配列の別例としては、コード配列自身が天然に存在しない組 成物(例えば、天然の遺伝子とは違ったコドンを有する合成配列)が挙げられる 。アレリックな変化または自然に起こる突然変異的な事象は本明細書中で使用す る通り、DNAの異種領域では起こらない。 以下の1文字表記アミノ酸の略号は本明細書全般にわたって使用可能である: アラニン A アルギニン R アスパラギン N アスパラギン酸 D システイン C グルタミン Q ヒスチジン H イソロイシン I ロイシン L リシン K メチオニン M フェニルアラニン F プロリン P セリン S トレオニン T トリプトファン W チロシン Y バリン V B.一般法 本発明の主要部は、Spαポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発見 である。該分泌ポリペプチドは3個のSRCRドメインを含有するものとして特 徴付けられてきた。Spαは腫瘍細胞系および単球由来の細胞に結合することが できる。RNAブロット分析により、Spαをコードする転写物がリンパ球組織 中で排他的に発現し、およびSpαがリンパ様区画の発生および維持の両方につ いての工程に関係することが示唆されている。 Spαが末梢単球に結合することの観察およびサイトカインなどの他の分泌ポ リペプチドが免疫調節機能を有していることの認識は、Spαにおける同様の機 能を明らかに暗示している。 加えて、SpαまたはSpαが関係する相互作用のモジュレーションを炎症応 答を調節する場合に使用可能である。Spαは単球様THP1細胞上のSpαポ リペプチド受容体における調節を上昇(upregulate)させ、かつ非接着状態と接着 状態にあるTHP1細胞を区別することができる。血管内皮は接着分子および化 学誘引物質サイトカインの発現を介した炎症性リンパ球の補強において活発な役 割を果たしている。該誘導可能なエフェクターは急性および慢性炎症反応の特徴 の重要な決定因子であると思われる。したがって、Spαと該リガンド、例えば 適当な標的の抗体または他の分子との相互作用を抑制することは細胞表面上の接 着分子における調節の上昇を抑制することになる。細胞表面の接着分子における 調節の増大を抑制することにより、末梢から周囲の組織までの該細胞の動きを抑 制し、ゆえに単球/マクロファージに関連する創傷治癒および炎症応答などの事 象を調節する手段を提供する。 本発明のSpαポリペプチドは該分野で公知の通常の技法、例えば固相ペプチ ド合成などの化学的合成法によって合成可能である。一般的に、該方法は固相ま たは液相合成法のどちらかで使用可能である。例えば、固相ペプチド合成に関し ては、J.M.スチュワート(Stewart)およびD.ヤング(Young)による、固相ペプ チド合成(Solid Phase Peptide Synthesis)、2巻;Pierce Chemical社,Rockfo rd,IL(1984)およびG.バラニー(Barany)およびR.B.メリフィールド(Merrifie ld)による、ペプチド:分析、合成、生物学(The Peptides:Analysis,Synthesis ,Biology)、E.グロス(Gross)およびJ.マイエンホファー(Meienhofer)監修、 2巻、アカデミック・プレス、ニューヨーク(1980)、p.3-245;古典的な溶液合 成に関しては、M.ボダンスキー(Bodansky)によるペプチド合成の原理(Principl es of Peptide Synthesis)、Springer-Verlag、Berlin(1984)およびE.グロスお よびJ.マインホーファーらによる、ペプチド:分析、合成、生物学、上述、I 巻を参照。L−またはD−アミノ酸のいずれかを含有するポリペプチドを本様式 で合成可能である。ポリペプチド組成物を定量アミノ酸分析によって確認し、各 ペプチドの特定の配列を配列分析によって決定可能である。 または、ATG開始コドンと共にSpαポリペプチドをコードするDNAを供 した組換え法によって、該Spαポリペプチドを産生可能である。アミノ酸配列 の知識に基づいて、コードするDNAを合成により、または技法の組合わせによ り製造したゲノムまたはcDNAから、Spαを誘導することが可能である。次 いで、該DNAを当分野で公知の方法(サンブルックらによる、上述を参照)を 用いて、Spαを発現するためまたはRNA製造用の鋳型として使用可能である 。 特に一層、SpαをコードするDNAを適当なDNAライブラリーまたはcD NAライブラリー(このものは適当な源、例えばヒト脾臓mRNAから単離した mRNAより製造)から得ることができる。DNAライブラリーはグランスタイ ン(Grunstein)ら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 73:3961(1975))により記載の 製法を用いてスクリーニングすることが可能である。合成オリゴヌクレオチドを 、ワルナー(Warner)(DNA 3:401(1984))により記載のものなどの自動化オリゴヌ クレオチド合成装置を用いて製造可能である。 一旦Spαポリペプチドに対するコード配列が合成または単離されると、それ らは発現用のいずれの適当なベクター中でもクローン化することが可能である。 莫大のクローニングベクターが当業者によって知られており、適当なクローニン グベクターを選択することが選択上の問題である。クローニング用組換えDNA ベクターおよび形質転換可能な宿主細胞としては、例えばバクテリアファージλ (大腸菌)、pBR322(大腸菌)、pACYC177(大腸菌)、pKT2 30(グラム陰性菌)、pGV1106(グラム陰性菌)、pLAFR1(グラ ム陰性菌)、pME290(非−大腸菌グラム陰性菌)、pHV14(大腸菌お よび枯草菌)、pBD9(バチルス)、pIJ61(ストレプトミセス)、pU C6(ストレプトミセス)、YIp5(サッカロミセス)、YCp19(サッカ ロミセス)およびウシパピローマウイルス(哺乳類細胞)が挙げられるが、これ らに限定されるものではない。一般的にDNAクローニング(DNA cloning):I& II巻、上述;サンブルックらによる上述;B.パーバル(Perbal)上述を参照。バ キュロウイルス系などの昆虫細胞発現系をまた使用可能であり、これらは当業者 にとって公知であり、例えばサマーズ(Summers)およびスミス(Smith)によるTexa s Agricultural Experiment Station Bulletin番号1555(1987)に記載されている 。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系用の物質および方法は、なかんずくInvitr ogen、San Diego CA(“MaxBac”キット)からキットの形態で商業的に入手可能 である。 該遺伝子をプロモーター、リボソーム結合部位(細菌を発現する場合)および 任意にオペレーター(本明細書中ではまとめて“コントロール”要素と称する) のコントロール下におくことが可能であり、その結果目的のポリペプチドをコー ドするDNA配列は、本発現組成物を含有するベクターによって形質転換された 宿主細胞中におけるRNAに転写される。該コード配列はシグナルペプチドまた はリーダー配列を含有しても、しなくてもよい。宿主有機体から発現したポリペ プチドの分泌を引き起こすコード配列に、異種のリーダー配列を加えることが可 能である。リーダー配列を翻訳後プロセシング状態にある宿主によって除去する ことが可能である。米国特許第4,431,739、4,425,437、4,338,397号参照。 他の調節的配列もまた望むことが可能であり、該配列は宿主細胞の増殖に相対 的なタンパク質配列の発現の調節を許容する。該調節配列は当業者にとって知ら れており、例えば化学的または物理的刺激(例えば、調節化合物の存在)に応答 する際、遺伝子の発現を引き起こしたり、引き起こさなかったりするものが挙げ られる。他の型の調節要素もまたベクター中、例えばエンハンサー配列に存在し 得る。 該コントロール配列および他の調節配列を上記に記載のクローニングベクター などのベクター内に挿入する前に、コード配列に連結することが可能である。ま たは、該コード配列をコントロール配列および適当な制限部位を既に含む発現ベ クター中に直接にクローン化することも可能である。 場合により、該コントロール配列が適当な配向で結合できるように、コード配 列を改良、すなわち適当な読み枠を維持することも必要となる。また、関心のあ るポリペプチドの突然変異物質またはアナローグの産生を望むことも可能である 。タンパク質をコードする配列の一部の欠損によって、配列の挿入によって、お よび/または該配列内での1個以上のヌクレオチドの置換によって、突然変異物 質またはアナローグを製造可能である。部位−指向突然変異物質などのヌクレオ チド配列の改良法は当業者にとって公知である。例えば、サンブルックらによる 、上述;DNA Cloning、I&II巻、上述;Nucleic Acid Hybridization、上述を参 照。 次いで、発現ベクターを適当な宿主細胞を形質転換するのに使用する。多くの 哺乳類細胞系が当分野で公知であり、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレク ション(ATCC)から入手可能な不老死細胞系が挙げられ、例えば、チャイニ ーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒーラ細胞、乳児ハムスター腎臓(BH K)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞性癌細胞(例えば、Hep G 2)、マディン−ダービー・ウシ腎臓(“MDBK”)細胞、併せて他のものが 挙げられるが、これらに限定されるものではない。同様に、細菌性宿主、例えば 大腸菌、枯草菌および連鎖球菌などは本発現組成物と共に使用する。本発明にお いて有用な酵母菌としては、なかんずくサッカロミセス・セレビシエ(Saccharom yces cerevisiae)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・マ ルトーサ(Candida maltosa)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha )、クリーベロミセス・フラジリス(Kluyveromyces fragilis)、クリーベリミセ ス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、ピヒア・ギレリモンディー(Pichia gu illerimondii)、ピヒア・パストリス(Pichia pastoris)、スキゾサッカロミセス ・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)およびヤロウイア・リポリティカ(Yarrow ia lipolytica)が挙げられる。バキュロウイルス発現ベクターと共に使用する昆 虫細胞としては、なかんずくエイデス・エジプチ(Aedes aegypti)、オートグラ ファ・カリフォルニカ(Autographa californica)、ボンビクス・モリ(Bombyx mo ri)、ショジョウバエ・メラノガスター(Drosophila melanogaster)、スポドプテ ラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)およびトリコプラシア(Trichoplusia )niが挙げられる。該タンパク質をまたトリパノソーマ中で発現することも可 能である。 選択した発現系および宿主に従い、関心あるタンパク質が発現される条件下、 上記に記載の発現ベクターによって形質転換された宿主細胞を増殖することで、 本発明のタンパク質を産生する。次いで、該タンパク質を宿主細胞から単離し、 精製した。該発現系が成長培地中にタンパク質を分泌する場合、該タンパク質を 培地から直接に精製することも可能である。タンパク質が分泌しないならば、細 胞溶解液から単離する。適用な培養条件および回収法の選択は該技術分野の範囲 内である。一旦精製すると、エドマン分解の反復繰り返し、続いて高速液体クロ マトグラフィー(“HPLC”)などのアミノ酸分析によって、タンパク質のアミ ノ酸配列を決定可能である。アミノ酸の配列決定における他の方法もまた当分野 で公知である。 加えて、他の種、組織および細胞型(例えば、クローニングおよび診断の目的 用)内でのSpαもしくは他の種の存在を検出するのに、オリゴヌクレオチドプ ローブを設計するのに、本明細書中に開示の配列をまた使用可能である。特に、 目的の組織から誘導したゲノムおよびcDNAライブラリーを当分野で公知の技 法を用いて製造可能である。決定配列の一部に対するコドンを含有するオリゴヌ クレオチドプローブを、Spα遺伝子および該異種体に関するライブラリーのス クリーニングするのに製造可能である。オリゴヌクレオチドプローブおよびDN Aライブラリーを製造するための基本戦略は、核酸ハイブリダイゼーションによ るスクリーニングと併せて、当業者にとって公知である。例えば、DNA Cloning: I巻、上述;Nucleic Acid Hybridization、上述;Oligonucleotide Synthesis 、上述;サンブルックらによる上述を参照。該スクリーニングされたライブラリ ー由来のクローンを正(positive)ハイブリダイゼーションによって一旦同定する ならば、特定のライブラリー挿入断片が実際にSpα遺伝子を含有しており、お よび該遺伝子が単離可能であるという事実を、制限酵素分析およびDNA配列決 定によって確認することが可能である。例えば、サンブルックらによる上述を参 照。Spαポリペプチドをコードする単離遺伝子を上記に記載の通り、いずれの 適当な発現用ベクター中でもクローン化することができる。 Spαポリペプチドを例えば自己免疫病、ウイルス感染、移植拒絶反応の抑制 、腫瘍細胞の増殖反応の抑制、様々な免疫不全の組合せなどの免疫応答をモジュ レートするために医薬組成物中で使用可能である。本発明のSpαポリペプチド を様々な投与形態で治療学的組成物中に処方することができるが、該投与形態と してはたとえば、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、散剤、坐剤、高分子マイクロカプ セルまたは微小賦形剤(microvesicle)、リポソームおよび注入もしくは注射液剤 が挙げられるが、これらのものに限定されるものではない。好ましい形態は、投 与様式および標的にされた特定の癌型に依る。該組成物としてはまた当分野で公 知の医薬的に許容し得る賦形剤、担体もしくはアジュバンドが好ましく、これら のものとしてはヒト血清アルブミン、イオン交換剤、アルミナ、レシチン、緩衝 物質が挙げられ、該緩衝物質としてはホスフェート、グリシン、ソルビン酸、ソ ルビン酸カリウムなどの塩または硫酸プロタミンなどの電解質が挙げられる。適 当な賦形剤としては、例えば水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタ ノールおよび該組み合わせがある。該組成物を製造する実施の方法は当業者にと って公知であり、明白であろう。例えば、Remington's Pharamaceutical Scienc es、Mack Publishing Company、Easton、Pennsylvania、18刊、1990を参照。 静脈内、腹腔内、経口、リンパ管内、もしくは皮下投与をはじめとする通常の デリバリ様式を用いて、上記の組成物を投与することが可能である。問題の腫瘍 または炎症部位に対する局部投与、例えば関節炎の関節部位に対する直接注入を また本発明と共に使用可能である。 治療学的に有効な薬用量は、当業者によって容易に決定可能であり、病気の痛 みの程度および経過、処置に対する患者の健康状態および応答、並びに処置する 医者の判断に依る。 本発明のSpαポリペプチドもしくは該フラグメントをまた、ポリクローナル およびモノクローナルな両抗体を産生するのに使用可能である。ポリクローナル 抗体を望むならば、選択した哺乳類(例えばマウス、兎、ヤギ、馬、ブタなど) を本発明の抗原もしくは該フラグメント、または突然変異抗原を用いて免疫化す る。該免疫化した動物由来の血漿を収集し、公知の方法にしたがって処置した。 ポリクローナル抗体を含有する血漿を使用する場合、該ポリクローナル抗体を公 知の製法を用いたイムノアフィニティー・クロマトグラフィーなどの様々な方法 によって精製可能である。 Spαタンパク質および該フラグメントに対するモノクローナル抗体をまた、 例えばハイブリドーマ・テクノロジーを用いて当業者によって容易に産生可能で ある。ハイブリドーマ・テクノロジーを用いることによるモノクローナル抗体を 作る一般的な方法論は公知である。例えば、不死の抗体産生細胞系を細胞融合、 併せて発癌性DNAを用いたBリンパ球の形質転換、またはエプスタインーバー ウイルスを用いたトランスフェクションなどの他の技法により作製することがで きる。例えば、シュライヤー(Schreier)らによる、ハイブリドーマ法(Hybridoma Techniques)(1980);ハマーリング(Hammerling)らによるモノクローナル抗体お よびT−細胞ハイブリドーマ(Monoclonal Antibodies and T-cell Hybridomais)(1981);ケネット(Kennett)らによるモノクローナル抗体(Monoclon al Antibodies)(1980);米国特許番号第4,341,761;4,399,121;4,427,783;4,4 44,887;4,452,570;4,466,917;4,472,500;4,491,632;および4,493,890を参 照。Spαタンパク質に対して産生したモノクローナル抗体のパネルを様々な特 性、すなわちイソ型、エピトープ、親和力などについてスクリーニングすること が可能である。 Spαタンパク質に対して生成させた抗体を、診断薬として、標準イムノアッ セイにおいて、該タンパク質の存在の有無に関してもしくは異常なSpαタンパ ク質の有無に関して組織および/または腫瘍をスクリーニングするために、また はSpαと該リガンド間の相互作用をモジュレートする分子をスクリーニングす るために使用可能である。加えて、Spαに結合する抗体自身をSpαの免疫調 節効果をモジュレートすることによって、Spαおよび該リガンド間での相互作 用をモジュレートするために使用可能である。 例えば、Spαタンパク質の存在を、競争的、直接反応もしくはサンドイッチ 型アッセイをはじめとする標準電気泳動および免疫診断技法を用いて検出可能で ある。該アッセイとしてはウエスタン・ブロット;凝集試験;酵素−標識および 媒介イムノアッセイ、例えば酵素結合免疫吸着定量法(“エライザ法”);ビオ チン/アビジン型アッセイ;ラジオイムノアッセイ;免疫電気泳動法;免疫沈降 法などが挙げられるが、これらのものに限定されるものではない。該反応として は一般的に、蛍光、化学発光、放射線活性または酵素標識または染色分子などの 表示標識、または上記に記載の通りSpαタンパク質と該抗体間での複合体の形 成を検出する他の方法が挙げられる。 Spαタンパク質および該タンパク質への抗体が沈降反応条件下、複合体を形 成するように、アッセイをまた溶液中で行なうことも可能である。次いで、該沈 降した複合体を試験試料から、例えば遠心分離によって分離することも可能であ る。反応混合物を上記に記載の通り免疫診断法などの多くの標準法のいずれかを 用いて、抗体−Spα複合体の存在の有無を決定するのに分析可能である。 上記に記載の通り免疫検定を行なうために、Spαタンパク質およびそれに対 する抗体を適当な装置および他の必要な試薬を備えたキット中で供することがで きる。該キットはまた、使用する特定の免疫アッセイに従って適当な標識および 他のパッケージ試薬および物質(すなわち、洗浄用緩衝液(wash buffer)など) を含有してもよい。該キットを用いて、上記に記載したものなどの標準イムノア ッセイを行なうことができる。 C.実施例 以下に、本発明を実行する場合における特定の実施態様の例を挙げる。該実施 例は単に例示的な目的で供するのであり、とにかく本発明の範囲を限定すること を意図するものではない。 使用した数字(例えば、量、温度など)に関しては精度を確認するように努力 を払うが、いくつかの実験誤差および偏差は当然許容されるべきである。 Spαのクローニング:完全鎖cDNAをヒト脾臓ライブラリー(クロンテッ ク(Clontech)HL5011a)からプラーク・ハイブリダイゼーションによっ てクローン化した。およそ1×106個のクローンを20プレート上にプレート し、商標主の指示に従い、ハイボンド(Hybond)N+ナイロン膜(アマーシャム(A mersham)rpn132b)にトランスフェクトした。紫外線放射に被曝させること で膜は架橋化し、次いでチャーチ(Church)らの方法によってハイブリダイゼーシ ョンを行なった。全ハイブリダイゼーションを、発現配列tag(expressed se quencetag;“EST”)クローン番号201340(リサーチ・ジェネティクス)から 得た部分的Spα・cDNAから消化された放射線標識EcoR1フラグメント を用いて行なった。該EcoR1フラグメントは塩基対1〜1594を含有する が、このものをランダムに標識化したキット(a random labeling kit)(Boehring er Mannheim)を用いたγ−[32P]−dCTP(Amersham)を使用することで標 識化した。高ストリンジェンシーな洗浄用緩衝液を用いて60℃で洗浄し、コダ ックX−線フィルム(X−OMAT AR)に被曝させた。次いで、正プラーク の部分集合を再プレートし、再スクリーニングを行なった。スクリーニングを3 回繰り返した後、10個の独立したクローンを得、そのうちの2個は完全鎖であ った。該完全鎖クローンの両方をジデオキシ法(サンガー(Sanger)ら による(1977)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463)を用いて両方向について 配列決定を行なった。 ノーザンブロット法:2個の組織および1個の細胞系ノーザンブロットをクロ ーンテック(Clontech)(各々、カタログ番号7766−1、7754−1および7757−1) から購入し、商業主の指示に従い、50%ホルムアミド中、42℃でハイブリダ イゼーションを行なった。放射線標識化したノーザンブロットプローブはGAP DHもしくはβ−アクチンである。正ブロットを高ストリンジェンシー条件下で 洗浄した。ブロットをコダックX−線フィルム(X−OMAT AR)に被曝させ た。 融合タンパク質組成物:Spαの翻訳領域に対応するDNAを、鋳型として完 全鎖Spα cDNAを用いたポリメラーゼ連鎖反応(“PCR”)によって得 た。Spα CをマウスIgG2a(mIg)におけるヒンジ、CH2およびCH 3ドメインに末端ライゲーション可能な制限部位を有するように設計する。配列 および読み枠の正しさを証明するために、全構成物を配列決定した。Spα−m Ig(CDM8発現ベクター中)をCOS細胞中で一時的に発現させた(アルフ ォらによる(1990)、Cell 61:1303-1313)。可溶性Spα−mIgをタンパク質 −AカラムクロマトグラフィーによってCOS細胞上澄みから精製した。タンパ ク質−Aを結合させ、続いて該カラムをホスフェート緩衝塩液(“PBS”)( pH7.0、溶出液:4.0Mイミダゾール、pH8.0、MgCl2およびCaC l2(各1mM)を含有)を用いて広く洗浄した。PBSを用いて溶出したタンパ ク質を広く透析した。 細胞培養:イスコブ改良ダルベッコ培地(Iscove's Modified Dulbecco's Med ium(“ISDM”)、10%ウシ胎児血清を含有)中、0.5〜0.9×106細胞/m lにまで、ヒト細胞系を増殖した。ヒト末梢血液T、Bおよび単球細胞を向流遠 心分離エルトリエーションによって分離した。 フローサイトメトリー:氷上、Spα−mIg融合タンパク質(20μg/m l)およびヒトIgG(シグマカタログ番号I−8640)(200μg/ml)を含有 した染色緩衝液(PBS含有2%ウシ血清アルブミン、フラクションV、0.05 %アジ化ナトリウム、MgCl2およびCaCl2を各々1mM)(100μl)中 で1時間、およそ5×105細胞をインキュベートした。次いで、染色緩衝液を 用いて細胞を洗浄し、遠心分離し、吸引した。2回目の洗浄に続き、氷上、染色 緩衝液(1:100に希釈したフルオロセイン・イソチオシアネート(“FIT C”)で標識化したウサギ抗−マウスIgG2a抗体(発酵(Zymed)カタログ番号 61−0212を含有)中で1時間、細胞をインキュベートした。次いで、細胞 を2回洗浄し、染色緩衝液(0.5ml)中で再度懸濁した。試料をベクトンーデ ィキンソンFacscan上で実験を行なった。試料を実験する前に、プロピジ ウム・ヨージド(“PI”)を1μg/mlだけ加えた。死亡細胞をPI正と同定 し、除き(gate out)、分析には使用しなかった。CD3(64.1ジェフ、レッ ドベッター(Jeff Ledbetter)、Ph.D.)、ブリストルーマイヤー・スクイブによっ て寛大に寄与された、T細胞)、CD19(IOB4a Amak 1313、B細胞)および CD14(MY4 Coulter 6602622、単球)をエルトリエーションした細胞を確認 するために使用した。該抗体を染色するための第2の工程は、FITCで標識化 したヤギ抗−マウスIgG(バイオサイエンス(Bioscience)4408)である。 実施例1 Spαのクローニング タンパク質のSRCRファミリーにおける新規な一員を以下の通り単離した。 DNAデーターベースのスクリーニングにより、CD5、CD6、M130およ びWC1を含有するSRCR群Bタンパク質の一員と相同な延長(extensive)配 列を示す、ヒトESTデータベース由来のcDNAフラグメントを同定した。該 EST配列(胎児肝臓−脾臓由来)を、ヒト脾臓から単離したmRNAから製造 したcDNAライブラリーをスクリーニングするために、プローブとして使用し た。このことにより、10個のcDNAクローンの単離を行なった。2個の最長 クローン、1804bpおよび2152bpは各々両配向において配列決定し、 347個のアミノ酸ポリペプチドをコードする長鎖オープン・リーディング・フ レーム、いわゆるSpα(このものは分泌タンパク質の特徴を有する)を含有し ていることが分かった。Spαをコードする該cDNA配列および該推定アミノ 酸配列を図1A〜1B(配列番号:_〜_)に示す。 COS細胞によって産生されるSpα免疫グロブリン融合タンパク質のN−末 端配列によって指示されている通り、Spαは分泌シグナル配列として作用し、 および成熟タンパク質から除去された19個の疎水性アミノ酸のアミノ末端配列 を含有する。本推定上の分泌シグナル配列は3個のシステインが豊富なドメイン (このものは各々およそ100個のアミノ酸である)を伴う。図2に示す通り、 該システインが豊富なドメインはタンパク質のSRCR群Bファミリー中に見出 される該システインが豊富なドメインに非常に相同である(レスニック(Resnic k)らによる(1994)、生化学の傾向(Trends Biochem.Sci.19:5-8))。SPαの 第3のSRCRドメインはインフレーム停止コドンを伴う。 該SPαのSRCRドメインはおよそ40%〜48%の同一性、すなわちCD 5、CD6、WC1およびM130における対応するドメインとの同一アミノ酸 一同一位という同一性を示す。加えて、Spαは群Bフェミリーの一員として同 定する8個の保存システイン残基を含有する。しかしながら、群Bファミリーの 他の一員と違って、Spαはトランスメンブラン・ドメインを含有しない。その 上、Spαの予想アミノ酸配列は推定上のN−連結グリコシル化部位を含有しな い。 該2個のSpαクローンは二つの面で互いに相違している。第1に、968位 での該2個のクローン間には塩基対の相違が1個存在している。TからCへの変 化はコード配列中に位置するものであるが、Spαの予想アミノ酸配列中の変化 を生じさせるものではない。第2に、該2個のクローンは該3'未翻訳領域の鎖 において相違しており、1個のクローンが他よりも348bp長い3'UTRを 有している。短い方のクローンはポリアデニル化共通配列由来の18塩基上流を 開始とするポリ−A配列を有している。該長い方のクローンは、2個のポリアデ ニル化共通配列を有し:第1の配列は短い方のクローン中で見出されたポリアデ ニル化共通配列と同一であり;および第2の配列は最初のポリアデニル化部位か ら351bp下流に位置している。該長い方のクローンはまた3'未翻訳配列中 に3個のアデニル酸塩/ウリジル酸塩が豊富な要素(AREs;AUUUA)を 含有している。該3個のAREsは2個のポリアデニル化部位の間に位置してい る。ARE要素はmRNAの3'未翻訳領域中に位置しており、およびRNA安 定性の最も通常の決定因子であることが分かった(シャウ(Shaw)らによる(1986) 、Cell 46:659-667;チェン(Chen)らによる(1995)、Trends Biochem.Sci.20:4 65-470)。サイトカインをコードするメッセンジャーRNAおよび転写因子は互 いに該要素を含有しており、該要素は該たんぱく質をコードするmRNAの安定 性つまりは半減期を目的とすることによって、タンパク質の発現の調節に関する 機構をさらに提供するものである。SpαをコードするmRNAの少なくとも1 個がAREモチーフを含有しているという発見は、本タンパク質の発現がしっか りと調節されている可能性を示唆している。 SPαとSRCR群Bファミリーの他の一員との比較により、該SRCRドメ インがM130中に見出されるものと最も密接に関連していることが分かった( 図2)。しかしながら、Spαは該ドメインの構成の点でCD5およびCD6と 非常によく類似している。CD5およびCD6の両方とも細胞該ドメインが3個 のSRCRドメインからなる細胞表面タンパク質である。 実施例2 SpαをコードするmRNA転写物を発現する組織の同定 プローブとしてSpαフラグンメントを使用するRNAブロット分析により、 SpαをコードするmRNAが脾臓、リンパ節、胸腺、脊髄および胎児の肝臓だ けでなく、前立腺、睾丸、子宮、小腸、結腸、末梢血液白血球および虫垂におい ても発現することを示した(図3)。全ての場合において、Spαをコードする mRNA転写物を発現する組織は3個のハイブリダイゼーションした転写物を発 現する。該転写物はおよそ2.4、2.1および1.8kbp(キロベースペア)/ 鎖である。鎖中、2個の最も長いcDNAに相当する1.8kbpおよび2.1k bp転写物を牌臓cDNAライブラリーから単離した。該単離した2個のcDN AがRNAブロット中に見られるものと大きさが一致するという発見により、そ れらが全てSpαをコードし得るが、該未翻訳領域の鎖中においては互いに相違 していることが示唆される。1個以上の該転写物が密接に関連したタンパク質を コードし得る可能性は、該データによって排除することができないと断るべきで ある。どの細胞がSpαを産生するかを決定するために、いくつかの細胞系をノ ーザンブロット分析によって分析する。Spαに関するRNAメッセンジャーは 以下の細胞系:HL60、K562、Raji、Molt4、A549、SW4 80、GA36 1、ヒーラS3および末梢血液白血球中においては検出されな い。 該RNAブロット分析により、Spαをコードする転写物はリンパ系組織中で は排他的に発現することが示唆される。それに対して、白血球は本タンパク質を 発現しないように思われる。本発見により、Spαがリンパ球組織における特殊 化した上皮および内皮細胞によって産生し得ることが示唆される。Spαが脊髄 、胸腺および胎児の肝臓併せて脾臓およびリンパ節において発現することを観察 することにより、本タンパク質が該工程においてリンパ区画の発展および維持の 両方に関与することが暗示される。 実施例3 骨髄性細胞系および単球に対するSpα−mIgの結合 以前に、免疫グロブリン(Ig)融合アプローチはCD6リガンドを発現する細 胞を同定するのに使用していた(ウィー(Wee)らによる、細胞免疫学(Cell.Immun ol.)158:353-364)。該研究により、ALCAM(ボーエン(Bowen)らによる、J. Exp.Med.181:2213-2220)と称されるCD6リガンドをコードするcDNAを単 離することができた。本同一のアプローチを用いて、CD6の膜近位SRCRド メインのみを含有したIg融合タンパク質、CD6D3−IgがALCAMに結 合可能であることが分かった(ホワイトニー(Whitney)らによる(1995)、J.Biol .Chem.270:18187-18180)。本同一のアプローチを本明細書中でSpα受容体 を発現するタンパク質を同定するのに使用した。 完全鎖Spα−mIg融合タンパク質(図4A)を、COS細胞中で一時的に 発現させることで産生し、および共有結合ホモ二量体として発現させた(図4B )。 Spα−mIg融合タンパク質のヒト細胞系に結合する能力を組織的に調べる ために、フローサイトメトリーを使用した。Spα−mIgに結合し、コントロ ールタンパク質(このものは、ウシWC1におけるアミノ末端の3個のSRCR ドメインを含有)に結合していない骨髄腫細胞系K−562を、マウスIgG2 a、WC1−mIgの同一の定常ドメインに融合させる。Spα−mIgの結合 をまたリンパ腫B細胞系RajiおよびT細胞系Hut78上で観察した。WE 1−mIg以外の該Spα−mIg融合タンパク質を末梢性血球単核細胞(PB MC)に結合させた。エルトリエーションしたB細胞のみならずエルトリエーシ ョンした末梢性血球T細胞上でも、Spα−mIgの結合はみられなかった。S pα−mIgの異なる供与体由来のエルトリエーションした単球に対する結合は 常に検出可能であるが、ある程度の変異性を示す。 実施例4 抗−Spαモノクローナル抗体の製造 免疫化:年齢6〜8週の雌性バルブシー・マウス(Tagonic,Germantown,NY )を、マウスIgG2a抗体のヒンジ、CH2およびCH3ドメインに融合させ た完全鎖Spαからなる精製Spα−mIg融合タンパク質を用いて免疫した。 第1および第2の接種を、Ribiアジュバンド(R−730;Ribi Immuno Ch em Research,Inc.,Hamilton,MT)中に乳化させたタンパク質を用いて、腹膜 内投与して行なった。細胞融合の3日前に、該マウスに融合タンパク質PBS溶 液を血管内投与にて接種した。 ハイブリドーマの生成に関しては、脾臓および同定可能な全リンパ節から収集 した細胞を、レーン(Lane)によるJ.Imnunol.Methods 81:223-228に記載の方法 に従い、X63−Af8.65骨髄腫細胞を用いて、白血球:骨髄腫細胞(3:1 )の割合で融合した。生成した融合後の細胞懸濁液を、イスコブの改良ダルベッ コ培地(L−グルタミン(2mM)、ペニシリン(100U/モル)、ストレプトマ イシン(100μg/ml)(全てGIBCO製)、10%胎児仔ウシ血清、1 0%ハイブリドーマ・クローニング因子(BM-Condimed H1;Boehringer-Mannhei m,Indianapolis,IN)およびハイブリドーマ用選択剤としてのHAT(GIBC O)を捕捉)からなる96−ウェル培地プレート(コスター(Costar))中にシー ドした。 マスターウェルスクリーン:Spαに対する抗体に関して正のマスターウェル を、エライザアッセイを用いてスクリーニングを行なった。該アッセイで用いた 組換えSpαタンパク質組成物を以下に示し、該中、D1、D2およびD3は図 1に示す通りSRCRドメインを表す。該フラッグ・テイル(flag tail)は該 Spαタンパク質のC−末端部に位置する長さ:8個のアミノ酸のペプチド(コ ダック(Kodak))である。組換えタンパク質はCOS細胞中での一時的な発現によ って産生し(例えば、アルフオらによる(1990)、Cell 61:1303-1313を参照)、 タンパク質−Aカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。細菌アルカリ性ホ スファターゼ(BAP)コントロールタンパク質(コダック番号、IB13201) を負のコントロールとして使用した。マスターウェルを完全鎖Spα組成物のみ を用いてスクリーニングを行なった。次いで、抗−Spα−正マスターウェルを 、下記のドメインに特異的なSpα組成物を用いてドメイン特異性について再ス クリーニングを行なった。 ドメインに特異的なSpα−フラッグ組成物 エライザアッセイ:Spα−フラッグ(PBS中で希釈)(300ng/ml )の100μl/ウェルをミクロタイター・プレート(微量定量プレート)中に 加え、4℃で終夜インキュベートした。次いで、該プレートを洗浄用緩衝液(0 .05%ツイーンを含有したPBS)を用いて2回洗浄した。検体希釈剤(ジェ ネティック・システムズ・インコーポレイティッド)を各ウェルに加え、該プレ ートを室温で1時間インキュベートし、次いで洗浄用緩衝液で2回洗浄した。マ スターウェル上積み液(100μl/ウェル)を各ウェルに加え、該プレートを 室温で1時間インキュベートした。上記に記載の通り2回洗浄後、1/5000 に希釈したヤギ−抗−マウスIgG−ホース・ラッディシュ・ペルオキシダーゼ (バイオソース4404)(100μl)を各ウェルに加え、室温で1時間インキュベ ートした。該プレートを再度、洗浄用緩衝液で2回洗浄した。各ウェルに、1/ 100に希釈した色素原試薬(100μl)(ジェネティック・システムズ・イ ンコーポレイティッド)を加えた。着色が現れた後、1.0N H2SO4(50μ l)を加え、該プレートをエライザ読み取り機を用いて450nmおよび630 nmで走査した。 該エライザスクリーンにより、抗−Spα抗体に関して正の173マスターウ ェルを得た。全173正ウェルについてSpαドメイン特異性に関してエライザ 法によってスクリーニングを行なった。 モノクローナルマウス抗体を限界希釈によって、マスターウェルからクローン 化した。Spαに対してクローン化した抗体を表1に示す。 本発明を実施する際に有用な菌株の寄託 以下の菌株の生物学的に純粋な培養菌株の寄託を、アメリカン・タイプ・カル チャー・コレクション(12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland)を用い て、ブタベスト条約の規定の下に行なった。生存可能性を十分に試験後、示され た相続数を分譲し、必要な金額を払った。該指示された寄託は寄託日から30年 間、または最終の寄託要請後5年間維持されるが、どちらも長い。培養菌が生存 し得なくなるか、不注意にこわされるか、プラスミドを含有する菌株において、 該プラスミドが失われた場合には、分類上同一の生存培養菌で交換する。寄託さ れたハイブリドーマ細胞系の社会へのアベイラビリティー上でのあらゆる制限が 本特許が付与される際、取返しのつかないぐらい除かれる。 雑多な配列決定の間違いのため、本出願において提出される配列と該寄託プラ スミド中の関心ある遺伝子配列の間に矛盾が存在する場合、該寄託プラスミドに おける配列をコントロールする。 従って、新規なSRCRドメインを含有するポリペプチドを開示する。主題の 本発明における好ましい実施態様については詳細に記載するが、添付した請求の 範囲によって定義する通り、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、明 白な変更を行なうことが可能であると理解する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 A61P 35/00 // A61K 38/00 C12N 15/00 ZNAA A61P 19/02 5/00 B 35/00 A61K 37/02 (72)発明者 アルフォ,アレハンドロ・エイ アメリカ合衆国08502ニュージャージー州 ベル・ミード、チェストン・コート33番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.Spαポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド。 2.該ポリヌクレオチドが図1に示すアミノ酸配列(配列番号:_)を有するS pαポリペプチドをコードする、請求の範囲1に記載の単離ポリヌクレオチド。 3.該ポリヌクレオチドが図1に示す核酸配列(配列番号:_)を有する、請求 の範囲1に記載の単離ポリヌクレオチド。 4.該ポリヌクレオチドを宿主細胞中で発現させることによって該ポリヌクレオ チドの転写を目的とするコントロール配列に操作可能に連結させた、請求の範囲 1〜3のいずれかに記載のポリヌクレオチドからなる発現ベクター。 5.請求の範囲4に記載の発現ベクターからなる宿主細胞。 6.単離Spαポリペプチド。 7.図1に示すアミノ酸配列(配列番号:_)からなる請求の範囲6に記載のS pαポリペプチド。 8.Spαポリペプチドを産生し得る条件下で請求の範囲5に記載の宿主細胞を 培養し、次いで該SPαポリペプチドを回収することからなる、Spαポリペプ チドを産生する方法。 9.Spαポリペプチドとの反応性を有する抗体。 10.該抗体がポリクローナル抗体である請求の範囲9に記載の抗体。 11.該抗体がモノクローナル抗体である請求の範囲9に記載の抗体。 12.該モノクローナル抗体がSpαポリペプチドにおける特異的なスカベンジ ャー受容体であるシステインが豊富な(“SRCR”)ドメインに特異的に結合 する、請求の範囲11に記載のモノクローナル抗体。 13.該特異的なSRCRドメインがD1ドメイン、D2ドメインおよびD3ド メインからなる群から選ばれる、請求の範囲12に記載のモノクローナル抗体。 14.該SRCRドメインがD2SRCRドメインである、請求の範囲13に記 載のモノクローナル抗体。 15.該SRCRドメインがD3SRCRドメインである、請求の範囲13に記 載のモノクローナル抗体。 16.SPαおよび該受容体間での相互作用をモジュレートする方法であって、 該SPαポリペプチドに請求の範囲9〜15のいずれかに記載の抗体を結合させ ることからなる方法。 17.(a)SPαポリペプチドに特異的にハイブリダイゼーションすることが 可能な抗体;および (b)イムノアッセイを遂行する指示体 からなるイムノアッセイキット。
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