JPH0949650A - 氷蓄熱用解氷システム - Google Patents

氷蓄熱用解氷システム

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JPH0949650A
JPH0949650A JP7218325A JP21832595A JPH0949650A JP H0949650 A JPH0949650 A JP H0949650A JP 7218325 A JP7218325 A JP 7218325A JP 21832595 A JP21832595 A JP 21832595A JP H0949650 A JPH0949650 A JP H0949650A
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秀樹 長門
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蓄えられた氷の潜熱を解氷終盤まで有効に利用
し、低温度の冷水を長時間安定して取水する。氷蓄熱槽
の容積を有効利用する。水中への空気の溶解を防止す
る。 【解決手段】氷蓄熱槽と解氷機構と取水装置とを備え、
取水装置が氷蓄熱槽内の水面近傍の水中に配置される。
解氷機構は熱負荷側からの還水を氷蓄熱槽内の水面に沿
う二次元の膜状に流入させて解氷を行なう。 【効果】解氷終盤まで氷が存在している水面近傍の水を
取水することができるので、蓄えられた氷の潜熱が解氷
終盤まで有効に利用できる。水中の溶存酸素が増加しな
いので配管や機器等の腐食による破損を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、氷の潜熱を利用し
て冷熱を蓄える氷蓄熱システムにおける解氷システムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】氷蓄熱システムには、パイプ表面等の伝
熱面に着氷させて氷を解氷するスタテイック型と、シャ
ーベット状又は粒状の氷を氷蓄熱槽内に蓄えてこれを解
氷するダイナミック型とが知られている。本発明はダイ
ナミック型の氷蓄熱システムの改良に関する。
【0003】ダイナミック型氷蓄熱システムの氷の解氷
方式においては、蓄熱槽の下部から冷水を取水するのが
一般的である。しかしながら、氷が水に浮くことと、水
の密度が4℃で最大密度となること等、水と氷の物性を
考えた場合、蓄熱槽の下部から冷水を取水する方式で
は、 (1)蓄熱槽内の氷の融解が進むと水槽の底部に空間が
でき、吸い込み付近に氷が存在しなくなるため、氷と接
した低温の冷水を完全に取水することができず、その結
果、水槽内に氷が残っているにもかかわらず解氷後半は
取水される冷水温度が上昇し、氷の潜熱を最後まで有効
に利用することができない
【0004】(2)蓄熱槽に流入させられる熱負荷から
の暖かい還水と氷との熱交換の過程において、4℃まで
冷却された冷水は水の密度差によって水槽の下部に落下
するため、低温度の冷水を取水することができず、氷と
いう低温度の冷熱を最大限に利用することができない、
などの問題点がある。
【0005】一方、熱負荷からの還水を蓄熱槽内に流入
させる解氷機構については、これまで蓄熱槽内の上部空
間からスプレーノズルにより散水し、水槽下部から冷水
を取り出す方式が一般的である。しかしながら、この方
式では、 (1)蓄熱槽の水面上部に、散水ノズルを取り付けるた
めの配管スペースと、散水が広がるための水面からの垂
直距離が必要となるため、水槽の蓄熱に利用できる容積
が少なくなる (2)還水を空中から散水するため、水中の溶存酸素が
増加し、配管や装置の腐食を引き起こす
【0006】(3)均一に還水を散水するためにはノズ
ルを多く設置する必要があり、そのための配管工数や部
材数が多くなり、設置コストがかかる (4)冷水を水槽下部から取水するため、氷層に水みち
ができた場合、冷水の取水温度が上昇する、などの問題
点がある。
【0007】特開平6ー272917号「氷蓄熱システ
ムおよびその制御方法」には、熱負荷からの還水を水槽
内に噴流状に噴出し、直接的に氷を融解させるととも
に、噴流によって槽内を攪拌し、それにより生じた循環
水流によっても間接的に氷を融解させる解氷方式が記載
されている。
【0008】しかしながら、この解氷方式では、 (1)噴流によって氷が不均一に融解するため、直接氷
に衝突して融解できるのは解氷初期だけであり、解氷中
盤以降は、噴流によって生じる循環水流による間接的な
融解となるため、低温の冷水が取り出せない (2)解氷終盤において、循環水流の攪拌効果だけで融
解を促進させるためには、噴流の噴出速度が10m/s
程度必要であり、噴出ノズルの圧力損失が大きく、ポン
プ動力が大きくなる
【0009】(3)噴流状に水槽内に流入させられる負
荷からの還水は、流入後の速度減衰が大きく、解氷初期
と解氷終盤では噴流が氷と直接衝突する時の速度が低下
していくため、氷の融解効果も低下し、冷水の取水温度
が上昇する (4)取水口が水槽下部に設置されるため、氷の融解が
進み残氷量が少なくなった時に取水口の周囲には氷は存
在せず、そのため熱負荷側からの暖かい還水は、噴流に
よる攪拌効果によってある程度の温度には冷却される
が、冷却効果は乏しく、水槽内に氷が残っているにもか
かわらず取水口から取り出される冷水の温度は4℃以上
に上昇し、氷の潜熱を解氷終盤まで有効に利用すること
ができない、などの問題点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、蓄えられた氷の潜熱を解氷終盤まで有効に利用し、
低温度の冷水を長時間安定して取水することにある。本
発明の他の目的は、従来の散水ノズルによる解氷方式に
必要な蓄熱槽内の配管スペースを削減し、蓄熱槽の容積
を有効に利用することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、散水ノズルに
よる解氷方式のような水中への空気の溶解を防止し、配
管、機器等の腐食による破損を防止することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ため、本発明はその一面において、冷熱をシャーベット
状又は粒状の氷として蓄える氷蓄熱槽と、熱負荷側から
の還水を前記氷蓄熱槽に蓄えられた氷に向けて流出させ
る解氷機構と、解氷によって得られる冷水を熱負荷側に
送るための取水装置とを備え、前記取水装置が氷蓄熱槽
の壁面内側で氷蓄熱槽内の水面近傍の水中に位置し、解
氷終盤まで氷が存在している水面近傍の水を取水するこ
とができるようになっているダイナミック式氷蓄熱用の
解氷システムを提供する。
【0013】本発明は他の一面において、冷熱をシャー
ベット状又は粒状の氷として蓄える氷蓄熱槽と、熱負荷
側からの還水を前記氷蓄熱槽に蓄えられた氷に向けて流
出させる解氷機構と、解氷によって得られる冷水を熱負
荷側に送るための取水装置とを備え、前記取水装置が氷
蓄熱槽内の水面近傍の水中に位置しており、前記解氷機
構が、氷蓄熱槽内のシャーベット状又は粒状の氷に対
し、熱負荷側からの還水を氷蓄熱槽内の水面に沿う二次
元の膜状に流入させて解氷を行なう膜状二次元流発生装
置から成っているダイナミック式氷蓄熱用の解氷システ
ムを提供する。
【0014】かかる構成に基づき、本発明の一面によれ
ば、取水装置が水面付近に設置されているので、取水装
置の周囲は常に氷に覆われており、氷層内の低温度の冷
水を取水することができる。また、解氷終盤の氷残量が
少なくなった場合においても、氷の浮力と吸い込み流れ
の作用で、取水装置付近には氷が存在しており、その氷
と接した冷水を取水することができ、取水する冷水の温
度上昇を抑制し、氷の潜熱を最後まで有効に利用するこ
とができる。
【0015】また、本発明の他の一面によれば、解氷機
構として、二次側負荷からの暖かい還水を水面に沿う膜
状二次元流にして氷蓄熱槽内に流入させることのできる
膜状二次元流発生装置を用いるので、さらに良好な解氷
特性が得られる。水面に沿った膜状二次元流は、氷蓄熱
槽の幅に広がった一定の流速をもった流れとなり、均一
に氷に衝突し、氷を解氷機構側から平行に融解させるこ
とができる。
【0016】氷の融解が進むと氷と解氷機構との間の距
離が長くなるが、水面に沿う膜状二次元流は水面での剪
断抵抗が小さく、流速の減衰が初期減衰以降はほとんど
減衰することがないので、負荷からの還水の流入位置と
氷の解氷面との距離が変化しても一定の流速で氷と衝突
し、一定の融解作用をもって氷を解氷することができる
ので、低温度の冷水を長時間安定して取り出すことがで
きる。
【0017】加えて、本発明による解氷システムは、散
水ノズル式解氷システムのように水槽水面上部に配管ス
ペースや散水の広がりスペースを必要としないので、氷
蓄熱槽を有効に利用することができる。また、負荷から
の還水を水中に流入させるので、散水式に比べて水中の
溶存酸素量の増加が少なく、配管や機器などの腐食によ
る破損等を防止することができる。
【0018】本発明による取水装置の取付高さは、一日
の負荷変動や運転休止等による水位の変動をあらかじめ
考慮してセットしておけば、長期間にわたって一定の高
さに保持させておくことができる。建物内の機器の増設
等によって熱負荷が大きく変動したような場合に限っ
て、取付高さを調整すればよいことになる。
【0019】本発明の好適な実施形態として、解氷機構
を氷蓄熱槽の底面に設けた還水流出用開口で構成し、還
水を上方に向けて流出させることにより氷を解氷させる
ように構成することができる。
【0020】本発明における膜状二次元流発生装置は、
氷蓄熱槽の側壁内側に沿って水平方向に延伸しかつその
側面に多数の孔がほぼ密接状態で設けられている多孔ヘ
ッダ管や、側面に水平方向のスリットが設けられている
スリット型ヘッダ管、あるいは側面に複数のノズルが設
けられているノズル型ヘッダ管で構成することができ
る。ノズル型ヘッダ管における各ノズルはその噴出口か
ら偏平扇形の水が吹き出すような形状に作られることが
望ましい。以下、本発明による好適な実施形態を添付図
面を参照しながら説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明に基づいて構成され
た氷蓄熱用解氷システム10の概略を表している。この
解氷システム10は、図示されていない製氷機によって
製氷されたシャーベット状の氷12を蓄えるための氷蓄
熱槽13と、その蓄えられた氷12を熱負荷14で暖め
られた還水により解氷するための解氷機構15と、解氷
により得られた冷水を氷蓄熱槽13から取り出すための
取水装置16と、冷水を再び熱負荷14に送るための水
循環ポンプ17とで構成されている。
【0022】この実施形態における解氷機構15は、氷
蓄熱槽13の底面に設けられた1対の還水流出用開口1
5aで構成されており、還水を上方に向けて流出させる
ことにより氷を解氷させるようになっている。必要に応
じて、解氷機構15は氷蓄熱槽13の上部に配置するこ
ともできる。
【0023】取水装置16は氷蓄熱槽13の壁面19の
内側で氷蓄熱槽内の水面18近傍の水中に位置してい
る。これにより、解氷終盤まで氷が存在している水面近
傍の水を取水することができるようになっている。
【0024】図2は取水装置16の一例を表している。
図2における取水装置は、氷蓄熱槽13の一つの側壁2
0の内側からこれと対向する側壁21の内側まで延伸す
る樋状の隔壁24を備えており、隔壁24の上端24a
は氷蓄熱槽内の水面18近傍の水中で終端し、隔壁24
の下端24bは氷蓄熱槽の壁面19に接している。隔壁
24の上部には氷流入防止用の金網26が取り付けら
れ、隔壁24の後部には、取水用配管28と連通するた
めの開口27が設けられている。
【0025】すなわち、取水装置16は解氷終盤まで氷
が存在する壁面19の水面18近傍の水中に設置されて
いるので、解氷初期から終盤まで氷に覆われることにな
り、氷層を通過した低温度の冷水を持続して取水するこ
とができる。また、解氷終盤の残氷量が少なくなった場
合においても、氷の浮力と吸い込み流れの作用で、取水
装置16付近には氷が存在しており、その氷と接した冷
水を取水することができるので、取水する冷水の温度上
昇を抑制し、最後まで氷の潜熱を有効に利用することが
できる。
【0026】図3は取水装置16の他の例を表してお
り、この取水装置は、氷蓄熱槽13の一つの側壁20の
内側からこれと対向する側壁21の内側まで延伸する管
状の部材34を備えており、部材34は氷蓄熱槽内の水
面18近傍の水中に位置している。部材34の側面には
冷水流入用の孔35が設けられ、その孔35の内側には
氷流入防止用の金網36が取り付けられている。部材3
4の後部には、取水用配管38と連通するための開口3
7が設けられている。このような形状の取水装置を用い
ても、解氷初期から終盤まで氷に覆われることになり、
氷層を通過した低温度の冷水を持続して取水することが
できる。
【0027】図4は、本発明に基づいて構成された氷蓄
熱用解氷システムを用いて解氷を実施したときの解氷特
性と、従来のように取水装置を水槽下部に設置した場合
の解氷特性とを比較したグラフである。解氷流量は10
0リットル/分で解氷を行った。
【0028】解氷特性は、有効蓄熱比と冷水の取水温度
との関係を求め、評価を行っている。有効蓄熱比とは、
解氷開始後のある時間までの放熱量の積算値と実際に蓄
えられた熱量との比として表される。すなわち有効蓄熱
比は、その時点で融解した氷の割合を示すものであり、
有効蓄熱比が1となれば氷は全て融解したことを意味す
る。
【0029】この図から、取水装置を水槽下部に設置し
た場合、有効蓄熱比が0.7で取水温度が上昇している
が、取水装置を水面近傍の水中に設置して冷水を取水し
た場合、有効蓄熱比0.9まで取水温度の上昇が起こら
ず、解氷終盤まで安定した温度の冷水が取水できている
ことがわかる。
【0030】また、取水装置が常に氷が存在する場所に
設置され、氷層内の低温度の冷水を取得できるので、水
面近傍の水中に取水装置を設置した場合、水槽下部に設
置した場合と比較すると、解氷初期から中盤においても
取水温度が低いことがわかる。
【0031】また、取水装置16を水面18近傍の水中
に設置し、解氷機構15として後述する膜状二次元流発
生装置を用いた方式を組み合わせることにより、さらに
低温度の冷水を長時間安定して取水することができるよ
うになる。
【0032】図5は、本発明の好適な実施形態に基づ
き、膜状二次元流発生装置を解氷機構として構成した氷
蓄熱用解氷システム50の概略を表している。図示のよ
うに、この解氷システム50は、図示されていない製氷
機により製氷されたシャーベット状の氷12を蓄えるた
めの氷蓄熱槽53と、その蓄えられた氷12を熱負荷5
4で暖められた還水によって解氷するための解氷機構5
5と、解氷により得られた冷水を氷蓄熱槽53から取り
出すための取水装置56と、冷水を再び熱負荷54に送
るための水循環ポンプ57とで構成されている。
【0033】取水装置56は、氷蓄熱槽53の一つの側
壁の内側からこれと対向する側壁の内側まで延伸する隔
壁で構成されており、解氷終盤まで氷が存在する壁面内
側の水面18近傍の水中に位置している。
【0034】図7に示すように、膜状二次元流発生装置
からなる解氷機構55は、氷蓄熱槽壁面の水中上部に水
平方向に設置され、熱負荷54からの暖かい還水を氷蓄
熱槽53に流入させ、水面18に沿った膜状二次元流7
0を発生させるための機構である。解氷機構55から流
入させられた還水は水面18側に偏流を起こし、水面1
8に沿った膜状二次元流70となる。このような水面1
8に沿った膜状二次元流70は、水面18での剪断抵抗
が小さいため流速の減衰がほとんど起こらず、還水の流
入方向に一定の流速で均一な流れとなる。
【0035】そのような膜状二次元流を発生させる解氷
機構として、図8に示すような配管長手方向に多数の孔
82をほぼ密接状態で穿設した多孔ヘッダ管80を使用
し、その孔82が水面18に対し水平もしくは水面に対
し20度以下の俯角になるように設置することにより、
膜状二次元流を発生させることができる。
【0036】また、そのような膜状二次元流は、図9に
示すようなスリット状の開口86を配管に設けたヘッダ
管84や、図10に示すような偏平扇形水噴き出しノズ
ル90を複数本取り付けたヘッダ管88を用いて、還水
流入開口が水面18に対し水平もしくは水面に対し20
度以下の俯角になるように設置することによって、発生
させることができる。
【0037】偏平扇形水噴き出しノズル90から噴出さ
れた流体は、流れ形状が偏平な扇形となり、広い範囲で
膜状の流れを形成し、多孔ヘッダ管80と同じような水
面18を沿う膜状二次元流を発生させることができる。
【0038】図6(a)(b)(c)は膜状二次元流7
0が氷を融解していく過程を表している。膜状二次元流
70として氷蓄熱槽53内に流入させられた熱負荷54
からの還水は、図6(a)に示すように、蓄えられた氷
12に衝突し氷に沿って氷蓄熱槽53の下部に流れる。
その過程で氷12と熱交換し氷を融解させる。この結
果、蓄えられた氷12は膜状二次元流発生装置55が設
置されている氷蓄熱槽53の壁面側から平行に融解させ
られる。
【0039】また、図6(b)に示すように氷12の融
解が進むにつれて膜状二次元流発生装置55と氷12と
の間の距離が長くなっても、水面18を沿う膜状二次元
流70は流速の速度減衰がほとんど無いので、安定した
解氷効果が得られる。さらに、図6(c)に示すように
残氷量がわずかになっても、氷12は取水装置56へと
押圧されるので、解氷の終盤においても、一定温度の冷
水が安定して得られることになる。
【0040】図11は、解氷機構55として多孔ヘッダ
管80を用いて、水面18に沿う膜状二次元流を実際に
氷蓄熱槽内に発生させ、氷蓄熱槽内の水面18の流速を
測定し、解氷機構55からの流速の速度減衰を示したグ
ラフである。この図から、初期減衰後はほとんど減衰が
起こらず、一定の流速の水流が形成されていることがわ
かる。
【0041】
【実施例】次に本発明に基づいて構成された氷蓄熱用解
氷システム50を用いて、解氷を実施した例について説
明する。氷蓄熱槽として、縦3000mm、横4000
mm、高さ2000mmの繊維強化プラスチック(FR
P)製パネルで水槽を形成した。水槽内に貯められる水
の水深は1700mmである。水槽から取水された冷水
は負荷によって12℃に加熱され、解氷機構を通って氷
蓄熱槽内に戻され氷を融解する。解氷機構としては多孔
ヘッダ管を使用した。解氷特性は有効蓄熱比と冷水の取
水温度の関係で評価を行った。
【0042】解氷流量は、100リットル/分、200
リットル/分でそれぞれ膜状二次元流の流速を変えて解
氷を行った。その時の有効蓄熱比と取水温度との関係を
図12、図13に示した。これらの図から膜状二次元流
の流速が早いほど低温の冷水が取水できることがわか
る。また、解氷後半の残氷量が少なくなった時でも取水
温度は急激に上昇することなく氷が完全に融解するまで
低温の冷水が取り出せていることがわかる。
【0043】解氷流量と膜状二次元流の流速を変化させ
た時の取り出し温度の変化を図14に示す。この図か
ら、水面を流れる膜状噴流の速度と取水温度との関係
は、対数グラフ上で良好な直線関係を示すことがわか
る。このことから、膜状二次元流の流速を調整すること
によって任意の取水温度を得ることも可能であることが
わかる。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明によれ
ば取水装置が水面付近に設置されているので、取水装置
の周囲は氷に覆われており、氷層内の低温度の冷水を取
水することができる。また、解氷終盤の氷残量が少なく
なった場合においても、氷の浮力と吸い込み流れの作用
で取水装置付近には氷が存在しており、その氷と接した
冷水を取水することができ、取水する冷水の温度上昇を
抑制して最後まで氷の潜熱を有効に利用することができ
る。
【0045】また、二次負荷側からの暖かい還水を、解
氷機構によって水面に沿う速度減衰の小さい膜状二次元
流として氷蓄熱槽内に流入させることにより、氷を解氷
機構側から均一に融解するとともに、解氷が進んでも一
定の流速で氷と衝突し、一定の融解作用をもって氷を解
氷することができるので、低温度の冷水を長時間安定し
て取り出すことができる。
【0046】加えて本発明によれば、従来の散水ノズル
式解氷システムのように氷蓄熱槽の水面上部に配管スペ
ースや散水の広がりスペースを必要としないので、氷蓄
熱槽を有効に利用することができる。また、熱負荷から
の還水を水中に流入させるので、散水式に比べて水中の
溶存酸素の増加が少なく、配管や機器などの腐食による
破損等を防止することができる等、その技術的効果には
極めて顕著なものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による氷蓄熱用解氷システムの概略側面
図である。
【図2】取水装置の正面図Bと線A−Aに沿う断面図A
である。
【図3】取水装置の他の例を表す正面図Bと線A−Aに
沿う断面図Aである。
【図4】取水装置の設置位置による解氷特性の相違を表
わすグラフである。
【図5】膜状二次元流発生装置を用いた氷蓄熱用解氷シ
ステムの概略側面図である。
【図6】膜状二次元流発生装置を用いた場合の氷の融解
過程を示す説明図である。
【図7】氷蓄熱槽内での膜状二次元流の流れ形状を示す
概略斜視図である。
【図8】多孔ヘッダ管の概略正面図である。
【図9】スリット型ヘッダ管の概略正面図である。
【図10】ノズル型ヘッダ管の概略正面図及び平面図と
ノズルの斜視図である。
【図11】膜状二次元流の速度減衰を測定したグラフで
ある。
【図12】膜状二次元流が解氷特性に与える影響を示し
たグラフである。
【図13】膜状二次元流が解氷特性に与える影響を示し
たグラフである。
【図14】膜状二次元流の速度と取水温度との関係を示
したグラフである。
【符号の説明】
10,50 氷蓄熱用解氷システム 12 氷 13,53 氷蓄熱槽 14,54 熱負荷 15,55 解氷機構 16,56 取水装置 17,57 水循環ポンプ 18 水面 19 壁面 20、21 側壁 24 隔壁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 氷蓄熱槽内の氷を解氷して冷水を取り出
    す氷蓄熱用解氷システムにおいて、 冷熱をシャーベット状又は粒状の氷として蓄える氷蓄熱
    槽と、 熱負荷側からの還水を前記氷蓄熱槽に蓄えられた氷に向
    けて流出させる解氷機構と、 解氷によって得られる冷水を熱負荷側に送るための取水
    装置とを備え、 前記取水装置は氷蓄熱槽の壁面内側で氷蓄熱槽内の水面
    近傍の水中に位置し、解氷終盤まで氷が存在している水
    面近傍の水を取水することができるようになっているこ
    とを特徴とする氷蓄熱用解氷システム。
  2. 【請求項2】 前記取水装置は氷蓄熱槽の一つの側壁の
    内側からこれと対向する側壁の内側まで延伸する隔壁を
    有し、前記隔壁の上端は氷蓄熱槽内の水面近傍の水中で
    終端し、前記隔壁の下端は氷蓄熱槽の内壁に接している
    請求項1記載のシステム。
  3. 【請求項3】 前記解氷機構は氷蓄熱槽の底面に設けら
    れた還水流出用開口であり、還水を上方に向けて流出さ
    せることにより氷を解氷するようになっている請求項1
    記載のシステム。
  4. 【請求項4】 氷蓄熱槽内の氷を解氷して冷水を取り出
    す氷蓄熱用解氷システムにおいて冷熱をシャーベット状
    又は粒状の氷として蓄える氷蓄熱槽と、 熱負荷側からの還水を前記氷蓄熱槽に蓄えられた氷に向
    けて流出させる解氷機構と、 解氷によって得られる冷水を熱負荷側に送るための取水
    装置とを備え、 前記取水装置は氷蓄熱槽内の水面近傍の水中に位置して
    おり、 前記解氷機構は、氷蓄熱槽内のシャーベット状又は粒状
    の氷に対し、熱負荷側からの還水を氷蓄熱槽内の水面に
    沿う二次元の膜状に流入させて解氷を行なう膜状二次元
    流発生装置から成ることを特徴とする氷蓄熱用解氷シス
    テム。
  5. 【請求項5】 前記膜状二次元流発生装置は、氷蓄熱槽
    の側壁内側に沿って水平方向に延伸しかつその側面に多
    数の孔がほぼ密接した状態で設けられている多孔ヘッダ
    管である請求項4記載のシステム。
  6. 【請求項6】 前記膜状二次元流発生装置は、氷蓄熱槽
    の側壁内側に沿って水平方向に延伸しかつその側面に水
    平方向のスリットが設けられているスリット型ヘッダ管
    である請求項4記載のシステム。
  7. 【請求項7】 前記膜状二次元流発生装置は、氷蓄熱槽
    の側壁内側に沿って水平方向に延伸しかつその側面に複
    数のノズルが設けられているノズル型ヘッダ管であり、
    各ノズルはその噴出口から偏平扇形の水が吹き出すよう
    な形状に作られている請求項4記載のシステム。
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