JPH0949069A - 溶融アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

溶融アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の製造方法

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JPH0949069A
JPH0949069A JP13300796A JP13300796A JPH0949069A JP H0949069 A JPH0949069 A JP H0949069A JP 13300796 A JP13300796 A JP 13300796A JP 13300796 A JP13300796 A JP 13300796A JP H0949069 A JPH0949069 A JP H0949069A
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JP
Japan
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dross
bath
steel sheet
plating bath
zinc alloy
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JP13300796A
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Masahiro Arai
正浩 荒井
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融アルミニウム−亜鉛合金めっき浴の底部に
堆積するボトムドロスの発生を防止することにより、表
面疵の少ない溶融アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を
製造する方法を提供する。 【解決手段】重量%で、Mn:0.05〜3.0%、Ti:0.0
5〜 3.0%、Ni:0.003〜1.0%およびCr:0.003〜1.
0%のうちの少なくとも1種を含有する溶融アルミニウ
ム−亜鉛合金めっき浴中に、母材の鋼板を浸漬すること
により、溶融アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として建材や家電
製品などの用途に広く適用されているアルミニウム−亜
鉛合金めっき鋼板、特に約55%のAlを含有するアルミ
ニウム−亜鉛合金の溶融めっき鋼板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】Alを約55重量%含有するアルニミウム
−亜鉛合金(組成の中心値が、Al:55%と Si:1.6
%で、残部はZnと不可避的不純物からなる合金。以
下、「アルミニウム−亜鉛合金」と記す場合は、特に断
らない限りこの組成の合金を示す)めっき鋼板は、通常
の溶融亜鉛めっき鋼板に比較して、同じめっき付着量で
3〜 6倍の耐食性があり、耐熱性にも優れ、銀白色の美
麗な外観を備えている。したがって、屋根や壁などの建
材用をはじめ、家電製品用などに広く使用されており、
今後さらに需要の増加が見込まれている。
【0003】アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板は、通
常の溶融亜鉛めっき鋼板と同様な製造工程によって製造
される。すなわち、水素と窒素の混合ガス雰囲気中での
焼鈍等により、表面を活性化させた母材の鋼板を、溶融
したアルミニウム−亜鉛合金めっき浴に浸漬し、この合
金の被膜を付着させ、めっき層を形成させることによっ
て製造される。
【0004】このような母材の鋼板へのめっき処理を継
続していくと、めっき浴中に不溶性の固体粒子が発生し
てくる。この不活性の固体が凝集すると、ドロスと称さ
れる半凝固状、言い換えれば泥状の塊が生成してくる。
ドロスには、めっき浴の上部に浮上するトップドロス
と、めっき浴の底に堆積するボトムドロスとがある。
【0005】母材の鋼板がめっきされる際、めっき浴中
には鋼板からわずかづつFeが溶け出す現象が起こる。
そのために、めっき処理の進行に伴って、浴中には、こ
の溶け出したFeが蓄積され、Feが浴中の他の化学成
分と反応して金属間化合物が形成される。この金属間化
合物が析出して凝集したものがドロスであり、溶融めっ
きには避けがたいものとされている。
【0006】トップドロスが多くなると、めっき後の鋼
板(製品)の表面に付着して残存し外観を損ねる。この
ようなトップドロスの付着を防止するために、通常操業
中にトップドロスを除去する作業が行われる。また、ボ
トムドロスは、めっき浴の底に堆積して固化し塊状化す
るとともに徐々に肥大するので、浴中を通過する鋼板と
接触して表面に擦り疵を発生させるようになる。表面疵
は製品の鋼板の評価を著しく損なうので、塊状化する前
にこのボトムドロスを除去する必要がある。そのため
に、定期的に操業を中断し、除去作業を行わなければな
らない。
【0007】現在、大量に生産されている通常の溶融亜
鉛めっき鋼板の製造については、浴中のボトムドロスを
効果的に除去するための様々な技術開発が進められてき
た。例えば、ボトムドロスの主成分がFeZn7 である
ことに注目し、Feに対する親和力がZnよりも大きい
Alを浴中に添加して、下記式の置換反応を起こさ
せ、ボトムドロスを、亜鉛浴より密度の小さいFe2
5 に変えて浮上させ、トップドロスに変える方法があ
る。
【0008】 2FeZn7 +5Al → Fe2 Al5 +14Zn この方法によれば、操業を中断することなく、比較的容
易にボトムドロスを排除することができる。
【0009】また、設備面での対策の例として、箱型の
装置をめっき浴槽の底部に設置し、その金属露出面にド
ロスを付着凝集させ、一定時間経過後に引き上げること
により効率よく除去しようとする手段(特開平4-337056
号公報参照)や、めっき浴槽とは別にドロス回収用の槽
を設置し、そこにボトムドロスを集めようとする手段
(特開平4-221050号公報参照)なども提案されている。
【0010】アルミニウム−亜鉛合金めっきの場合は、
浴中に十分なAlが存在している点が溶融亜鉛めっきの
場合と異なる。仮に、上記式で示される反応が生じて
いるとすると、右辺の状態となり、比較的密度の小さい
Fe2Al5粒子が生成しているはずである。しかし、A
lの割合が55%前後を占めるので、亜鉛浴に比べて、浴
そのものの密度が小さい。したがって、Fe2Al5粒子
の密度が浴の密度より大きく、式の反応を活用してボ
トムドロスを排除することはできない。
【0011】一方、設備面での対策については、通常の
溶融亜鉛めっきのめっき浴の温度が460℃前後であるの
に対し、アルミニウム−亜鉛合金浴の温度は 550〜 650
℃と高温であるので、Alを多く含む高温の溶湯に耐え
る適当な材料がないという難題がある。また、設備面の
対策については、一般に大幅な設備投資を要するという
問題がある。
【0012】さらに、めっき浴の温度が通常の溶融亜鉛
めっきの場合より高温であるので、それに応じて、母材
の鋼板からめっき浴へ溶け出すFeの量が多く、ドロス
の発生量も多くなる。そのために、操業を中断してボト
ムドロスを除去する作業の頻度が増し、生産性が大幅に
低下する。したがって、アルミニウム−亜鉛合金めっき
鋼板の製造におけるボトムドロス対策は、従来の溶融亜
鉛めっき鋼板の製造の場合より解決することが困難な重
要な課題となっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶融
アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を製造する際、めっ
き浴の底部に堆積するボトムドロスの発生を防止するこ
とにより、表面疵の少ない表面性状に優れた溶融アルミ
ニウム−亜鉛合金めっき鋼板を製造する方法を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は下記のと
おりである。
【0015】「重量%で、Mn:0.05〜3.0%、Ti:
0.05〜 3.0%、Ni:0.003〜1.0%およびCr:0.003
〜1.0%のうちの少なくとも1種を含有する溶融アルミ
ニウム−亜鉛合金めっき浴中に、母材の鋼板を浸漬する
ことにより、溶融アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を
製造する方法。」 本発明者らは、上記の課題を解決するために様々な検討
を行い、下記の結果を基に本発明を完成させた。
【0016】本発明者らは、ボトムドロスの発生を防止
するためには、ボトムドロスを構成する化合物をめっき
浴より密度の小さい化合物、すなわち、トップドロスに
変換することが必要と考えた。トップドロスは浴表面に
浮上しているので、操業中に容易に除去可能であり、ボ
トムドロスのように除去するための操業停止を必要とし
ないからである。
【0017】まず、このアルミニウム−亜鉛合金めっき
の浴中で発生するドロスについて調査した。その結果、
ボトムドロスの主成分は、θ−Al13Fe4 として表さ
れるAl−Fe金属間化合物であり、トップドロスは、
主としてτ5 −Al20Fe5Si2 として表されるAl
−Fe−Si金属間化合物であることが明らかになっ
た。
【0018】アルミニウム−亜鉛合金めっき浴には、め
っきを施す母材の鋼板(以下、単に母材と記す)とめっ
き層の界面から成長する脆い合金層の生成を抑制するた
め、1.6%程度のSiを含有させている。脆い合金層が
生成すると、製品の鋼板の加工性や耐食性を劣化させる
からである。そのために、上記のようなSiを含む金属
間化合物が生成する。
【0019】密度については、めっき浴の合金が3.75g
/cm3 であるのに対し、ボトムドロスの主成分であるθ
−Al13Fe4 は3.81g/cm3 である。また、トップド
ロスのτ5 −Al20Fe5 Si2 には、六方晶のτ5H
と、立方晶のτ5C相が認められ、その密度はそれぞれ3.
38g/cm3 、3.62g/cm3 である。このように同一組成
のめっき浴のなかで、2種類の金属間化合物が発生し、
その密度の差によってボトムドロスとトップドロスとに
分かれることがわかった。
【0020】これからまず考えられるのは、この浴にS
iをさらに多く添加して、ボトムドロスをSiを含む金
属間化合物に変えることである。ところが、このめっき
浴に対するSiの溶解度は高くないので、多量に添加し
ても遊離し、しかも密度が小さいため浴表面に偏在し
て、浴底部のボトムドロスをトップドロスに変換するま
でには至らない。
【0021】次に、既にSiを少量含有しているアルミ
ニウム−亜鉛合金めっき浴にその他の元素を加えて、ボ
トムドロスを浴よりも小さい密度の金属間化合物に変
え、トップドロス化する可能性について検討をおこなっ
た。その結果、Mn、Ti、NiおよびCrのうちの少
なくとも1種を少量添加することが有効であることを知
見した。
【0022】なお、本発明が対象としている溶融めっき
浴は、重量割合で52〜58%(主として55%前後)程度の
Alと少量のSiを含み、残部は主としてZnからな
る。ただし、めっき層の性能を向上させるための元素、
不可避的に含まれる不純物としての元素等、Mn、T
i、NiおよびCr以外の元素が少量存在していても差
し支えない。また、溶融めっき方法としては、母材の表
面を酸化した後還元して活性化させるいわゆるゼンジマ
ー方式ばかりでなく、フラックスを用いる方式などもあ
るが、母材を溶融めっき浴に浸漬させてめっきする方法
であれば、どのような方式であっても、本発明の方法は
適用可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の溶融アルミニウム−亜鉛
合金めっき鋼板の製造方法について、以下に具体的に説
明する。なお、めっき浴の化学成分の含有量の%表示
は、重量%を意味する。
【0024】アルミニウム−亜鉛合金めっき浴中に含ま
せるMn、Ti、NiおよびCrについては、これらの
4種の元素のうちの少なくとも1種でよい。これらの元
素単独で、十分にボトムドロスの発生を防止することが
可能であり、2種ないし4種を同時に含んでいても、そ
の効果はほとんど変わらない。
【0025】これらの元素の効果を発揮させるために必
要なめっき浴中の含有量は、次のとおりである。
【0026】MnとTiは、いずれについても、0.05%
未満の含有量ではボトムドロスの生成を防止する効果が
得られない。その効果を発揮させるには、どちらの元素
も 0.05%以上必要である。さらに顕著な効果を発揮さ
せるためには、0.1%以上とするのが望ましい。しか
し、いずれの元素も3.0%を超えて含有させると効果が
飽和するばかりでなく、めっき層に取り込まれたMnや
Tiが、酸化物としてめっき表面に濃化し、鋼板の外観
を悪くする。また、トップドロスが多くなりすぎる傾向
がある。したがって、MnとTiの上限は、それぞれ3.
0%とした。
【0027】NiとCrは、いずれについても、0.003
%未満の含有量ではボトムドロスの生成を防止する効果
が得られない。その効果を発揮させるには、どちらの元
素も0.003%以上必要である。さらに顕著な効果を発揮
させるためには、0.005%以上とするのが望ましい。し
かし、いずれの元素も1.0 %を超えて含有させると効果
が飽和するばかりでなく、めっき層に取り込まれたNi
やCrが、酸化物としてめっき表面に濃化し、鋼板の外
観を悪くする。また、トップドロスが多くなりすぎる傾
向がある。したがって、NiとCrの上限は、それぞれ
1.0%とした。
【0028】これらの元素を同時に2種以上含む場合に
は、各元素の含有量の合計値の上限は、次のような量と
することが望ましい。すなわち、各元素の組み合わせそ
れぞれについては、つぎのとおりである。
【0029】Mn+Ti+Ni+Cr≦5.0% Mn+Ti+(NiまたはCr)≦5.0% (MnまたはTi)+Ni+Cr≦3.0% (MnまたはTi)+(NiまたはCr)≦4.0% Mn+Ti≦5.0% これらの元素をめっき浴に含ませることによって、密度
が小さい金属間化合物が生成し、ボトムドロスの生成が
抑制される理由は、次のように考えられる。
【0030】浴中にMnが存在する場合は、まずAl6
Mnの金属間化合物が生成し、母材から溶け出したFe
はこのMnと置換されて、Al6 (Mn1-x Fex )の
形のAl−Mn−Fe金属間化合物が生じる。この金属
間化合物はめっき浴よりも密度が小さい。浴中にTiが
存在する場合は、まずAl3 Tiが生成し、この場合も
FeがTiの一部と置換されて、めっき浴より密度が小
さいAl3 (Ti1-xFex )の形のAl−Ti−Fe
金属間化合物が形成される。
【0031】このように、MnまたはTiをめっき浴に
少量含有させると、ボトムドロスを形成するθ−Al13
Fe4 ができにくくなり、めっき浴より密度の小さいA
l−Mn−FeやAl−Ti−Fe金属間化合物が生成
する。そのために、ボトムドロスが形成されずに、トッ
プドロスとしてめっき浴の表面に浮上する。この場合、
MnとTiが共存していても、相互に干渉することがな
い。
【0032】一方、浴中にNiあるいはCrが存在する
場合には、θ−Al13Fe4 ができにくくなり、めっき
浴より密度の小さいAl−Fe−SiにNiあるいはC
rが固溶した金属間化合物が生成する。したがって、こ
の場合にも、ボトムドロスの形成が抑制される。
【0033】なお、アルミニウム−亜鉛合金めっき浴に
は、約 1.6%のSiが存在しているが、このSiは、M
n、Ti、NiおよびCrのボトムドロス抑制効果には
特に影響を及ぼさない。
【0034】
【実施例】
(実施例1)MnとTiの効果を確認するため、実験室
的な試験をおこなった。めっき浴(溶湯)の組成は、A
lが55%、Siが 1.6%、残部Znである合金を基準と
し、この中のMnとTiの含有量を変えた。溶湯は、カ
ーボンるつぼを用いて合計量10kgを溶解し、 600℃まで
加熱した。その溶湯に、低炭素冷延鋼板を 0.5kg浸漬
し、溶解させた。この溶湯を温度 600℃で30日間保持
し、ドロスを生成させた。その状態で冷却固化した後、
凝固塊を上部と下部に2分割し、それぞれを10%の塩酸
溶液で溶解してドロスを抽出し、その体積を計量した。
ドロスの発生量は、ドロスを含む溶湯に対するドロスの
体積割合として表した。
【0035】表1に、MnおよびTiの溶湯中の含有量
と、ボトムドロスまたはトップドロスの発生量の計量結
果を示す。表1の本発明例から明らかなように、溶湯
(めっき浴)が本発明に規定する範囲のMnまたはTi
を含んでいる場合には、ボトムドロスが少なく、トップ
ドロスが多いことがわかった。
【0036】一方、MnおよびTiを含まない試験No.8
の比較例の場合には、ボトムドロスの発生量が著しく多
い。また、MnまたはTiの含有量が 3%を超える比較
例の場合には、トップドロスの発生が著しくなり、めっ
き鋼板への付着による欠陥発生が懸念された。
【0037】
【表1】
【0038】(実施例2)実施例1と同様な方法で、M
nとTiに代えてNiまたはCrを含有させ、めっき浴
中のNiおよびCrの効果を調査した。
【0039】表2に、その結果を示す。溶湯(めっき
浴)中のNiとCrのいずれか一方または両者の含有量
が、本発明で規定する範囲内の場合には、表2の本発明
例から明らかなように、ボトムドロスが少なく、トップ
ドロスが多いことが確認された。
【0040】一方、NiおよびCrを含まない試験No.1
9の比較例の場合には、ボトムドロスの発生量が著しく
多い。また、NiまたはCrの含有量が 1%を超える比
較例の場合には、トップドロスの発生が著しくなり、め
っき鋼板への付着による欠陥発生が懸念された。
【0041】
【表2】
【0042】(実施例3)実施例1、実施例2と同様な
方法で、めっき浴中にMn、Ti、NiおよびCrの4
種の元素のうち少なくとも2種を含む場合の効果を調査
した。
【0043】表3に、その結果を示す。上記の4種の元
素の組み合わせがどのような場合であっても、それらの
元素の含有量が本発明で規定する範囲内の場合には、実
施例1あるいは2と同様な結果が得られた。
【0044】一方、これらの元素の組み合わせがどのよ
うな場合であっても、少なくとも1種の元素の含有量が
本発明で規定する範囲を超える場合には、実施例1ある
いは2と同様に、トップドロスの発生量が著しく多くな
ることが確認された。
【0045】
【表3】
【0046】(実施例4)ゼンジマー方式の連続溶融め
っきラインを利用して、溶融アルミニウム−亜鉛合金め
っき鋼板を製造した。めっき浴の組成は、Al:55%、
Si: 1.6%、残部:実質的にZnを基準とした。めっ
きする鋼板(母材)は、板厚 0.8〜 1.6mmで、0.04%C
−0.15%MnのAlキルド鋼の冷延鋼板であり、母材へ
の標準めっき付着量は両面で 150 g/m2とした。また、
めっき浴の温度は600 ℃とした。
【0047】このめっきの際、めっき浴中のMn、T
i、NiおよびCrの含有量を変えて操業した。めっき
処理は、連続操業ではなく間欠的であるが、1週間当た
りの鋼板処理量はほぼ一定となるようにした。
【0048】めっき処理後の鋼板について、めっき浴底
部に堆積したドロスと鋼板との接触によって生じる鋼板
表面の擦り疵の発生状況を観察した。
【0049】表4に調査結果を示す。
【0050】表4から明らかなように、めっき浴中のM
n、Ti、NiおよびCrの含有量が本発明で規定する
範囲内である本発明例の場合、6週間使用後も鋼板表面
の擦り疵の発生が認められなかった。
【0051】これに対して、めっき浴のMn、Ti、N
iおよびCrの含有量が本発明で規定する範囲外に比較
例の場合には、2週後または4週後には、鋼板の表面に
擦り疵が発生した。
【0052】
【表4】
【0053】
【発明の効果】本発明の方法によれば、Al約55%を含
む溶融アルミニウム−亜鉛合金めっき浴中のボトムドロ
スの発生を顕著に抑制することができる。したがって、
本発明の方法によって製造される溶融アルミニウム−亜
鉛合金めっき鋼板については、めっき浴中で塊状化した
ボトムドロスに起因する擦り疵の発生が大幅に減るの
で、製品の歩留まりが向上する。また、めっき浴からボ
トムドロスを除去するための操業の中断を減らせるの
で、生産性が向上する。このように、本発明の溶融アル
ミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の製造に対する寄与は極
めて大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材の鋼板を溶融アルミニウム−亜鉛合金
    めっき浴に浸漬することにより、溶融アルミニウム−亜
    鉛合金めっき鋼板を製造する方法において、前記めっき
    浴中に、重量%で、Mn:0.05〜3.0%、Ti:0.05〜
    3.0%、Ni:0.003〜1.0%およびCr:0.003〜1.0%
    のうちの少なくとも1種を含有させることを特徴とする
    溶融アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の製造方法。
JP13300796A 1995-05-31 1996-05-28 溶融アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の製造方法 Pending JPH0949069A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003293108A (ja) * 2002-04-04 2003-10-15 Nippon Steel Corp 表面平滑性に優れる溶融めっき鋼材
JP2008261024A (ja) * 2007-04-13 2008-10-30 Nippon Steel Corp 耐食性及びめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
CN116377365A (zh) * 2022-12-16 2023-07-04 桂林理工大学 一种镀铝硼钛合金钢的制备方法

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