JPH0947635A - 廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・回収装置及びその方法 - Google Patents

廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・回収装置及びその方法

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JPH0947635A
JPH0947635A JP8086517A JP8651796A JPH0947635A JP H0947635 A JPH0947635 A JP H0947635A JP 8086517 A JP8086517 A JP 8086517A JP 8651796 A JP8651796 A JP 8651796A JP H0947635 A JPH0947635 A JP H0947635A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・
回収装置及びその方法を提供すること。 【解決手段】 吸着塔2,3からなる二塔式連続吸着装
置を用い、この吸着塔2,3は、孔径を異にする次の吸
着剤を充填した3層からなる吸着剤層(A),(B),(C)
で構成されている。 ・吸着剤層(A):約5オングストロ−ムの孔径を持つ合
成ゼオライト ・吸着剤層(B):約7オングストロ−ムの孔径を持つ合
成ゼオライト ・吸着剤層(C):約80オングストロ−ムの孔径を持つ疎
水性シリカゲル ガス状炭化水素含有廃棄ガスを上記吸着塔2,3で処理
することで、該ガス状炭化水素の濃度の如何にかかわら
ず、1VOL%以下のクリ−ンなガスとして大気中に排出
することができる。また、本発明に係る装置は、可搬可
能なポ−ダブル式の装置とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃棄ガスに含まれるガ
ス状炭化水素の処理・回収装置及びその方法に関し、特
に、光化学スモックの原因物質の一つであるガス状炭化
水素の濃度を1VOL%以下にして大気中に放出するため
の工業的装置及び方法に係る、廃棄ガスに含まれるガス
状炭化水素の処理・回収装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大気汚染の原因の一つである光化学スモ
ックがNOXとガス状炭化水素の反応によって生じるこ
とは、従来から知られている。このため、以前から日
本、米国、欧州をはじめとする先進国、最近では台湾、
メキシコ、中国、韓国等にいたるまで、発生源の要因と
なるNOX及び大気中に含まれる揮発性炭化水素の排出
濃度を法的に厳しく規制されており、この規則値をクリ
ヤ−するための工業的規模の装置が各地に多数設置され
ている。
【0003】ところで、ガス状炭化水素の発生源として
特に問題視されているのは、揮発性炭化水素類を貯蔵す
る際の荷揚げ時や積み卸し時に貯蔵タンク又は油槽船か
ら発生する廃棄ガスであり、また、タンクロ−リ−に積
む時にロ−リ−車から発生する廃棄ガスである。
【0004】このようなガス状炭化水素含有廃棄ガスの
処理・回収法として、従来から広く用いられている方法
は、(1) 特公昭54−8632号公報、特公昭54−5789号公
報、特公昭58−022503号公報等に記載の手段による吸収
法、(2) ガス分離膜を用いる方法(ガス分離膜法)、(3)
−60〜−70℃に深冷して液化する方法、(4) 活性炭や合
成ゼオライトを用いる吸着法、等である。
【0005】上記(1)〜(4)の方法のうち、(1)の吸収法
によるガス状炭化水素含有廃棄ガスの処理・回収法は、
日本ではもっとも広く使用されている方法である。この
吸収法による処理・回収法について、以下説明すると、
この方法は、 ・吸収塔にガス状炭化水素含有廃棄ガスを導入し、該廃
棄ガスと有機液体の吸収液とを向流的に気液接触せし
め、廃棄ガス中のガス状炭化水素を吸収液に吸収させる
工程、 ・吸収後のガスを吸収塔の頂部から大気中に放出する工
程、 ・ガス状炭化水素を吸収した吸収液を真空容器中にフラ
ッシュ蒸発させ、該吸収液からガス状炭化水素を分離・
回収する工程、 ・分離・回収後の吸収液を再度吸収塔に戻し、循環使用
する工程、を含む方法である(前掲の特公昭58−022503
号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の“吸収法に
よるガス状炭化水素含有廃棄ガスの処理・回収法”で
は、吸収塔の頂部から大気中に放散されるガス状炭化水
素の濃度は、真空容器の真空度によって決定される。従
って、吸収塔頂部から大気中に放出されるガス状炭化水
素濃度を、例えば日本の各都府県が制定した公害防止条
例に基づいて5VOL%以下にするためには、30mmHg以下
の真空度に保持する必要がある。
【0007】ところで、日本を除く欧米先進国、台湾、
メキシコ等の諸国では、米国の環境保護局(EPA)が定
めた1VOL%以下(38mg/L以下)の排出濃度にすることを
義務づけられている。この規制値をクリヤ−するために
は、前記(1)の吸収法を例に取れば、真空容器の真空度
を7mmHg以下にする必要があり、特に配管中を流れる吸
収液の抵抗ロスを考慮すると2mmHgないしはそれ以下に
する必要がある。
【0008】しかしながら、このような真空度で操作す
る場合、吸収液自身も一部蒸発し、循環使用に耐えられ
ない。一方、2mmHg程度の高真空で、しかも100〜2000
3/Hrの大量の放散ガスを処理する真空ポンプは見当
らない。従って、前記(1)の吸収法では、放散ガス中の
炭化水素濃度を1VOL%以下にすることは至難であり、
未だに実現されていない。
【0009】また、前記(2)のガス分離膜を用いる方法
(ガス分離膜法)についても同様であって、廃棄ガス中の
炭化水素濃度を1VOL%以下にする技術は、未だ完成さ
れていない。
【0010】一方、前記(3)の−60〜−70℃に深冷して
液化する方法では、露点に達する迄はガス状炭化水素は
液化しない。この方法について詳細に説明すると、廃棄
ガス中のガス状炭化水素の濃度が50〜100VOL%と高濃度
であって、その中のメタン、エタン、プロパン等の軽い
成分が少量である場合には、−70℃以下に深冷すれば辛
うじてメタン、エタンを除いて露点に達し、1VOL%を
キ−プできる可能性がある。
【0011】しかしながら、廃棄ガス中の炭化水素濃度
は、ガソリンなどの炭化水素を貯蔵ないしは出荷する場
合、通常5〜50VOL%であって低濃度である。そして、ガ
ソリンの場合についていえば、−100℃近くまで深冷し
ないと1VOL%以下をキ−プすることができない。な
お、−70℃程度であれば冷媒としてメチルクロライドが
使用できるが、この冷媒については、最近その毒性が問
題となっており、まして−100℃を達成できる冷媒とし
て経済的に使用可能なものが見当らない。
【0012】従って、廃棄ガス中の炭化水素濃度を1VO
L%以下にキ−プし得る方法としては、現状では、前記
(4)の活性炭や合成ゼオライトを用いる吸着法である
が、この方法においても、以下のような問題がある。即
ち、活性炭を用いてガス状炭化水素を吸着させる場合の
吸着熱は、ガソリンベ−パ−を例にとれば、10〜15KCAL
/モルであり、このガス量(ガソリン量)が多いと発生す
る吸着熱は莫大な量となる。このため、活性炭吸着塔の
温度が上昇し、しばしば発火する事故が生じる。
【0013】この事故を防止する手段として、(A)吸着
塔に導入する廃棄ガスに空気を混合し、単位時間当りの
吸着熱を減少させ、該吸着塔の温度上昇を約60℃以内に
保持することが考えられる。しかしながら、廃棄ガスに
わざわざ空気で薄めることは、不経済であり、しかも空
気の混合による被処理ガスの増加量に比例して吸着塔及
び付属装置が大きくなり、経済的に成立しない。
【0014】また、(B)吸着塔を水で冷却し、除熱する
ことも考えられるが、冷却水を使用してもこの水の顕熱
しか利用できないので、さほどの冷却効果は期待できな
いものである。なお、冷却面積を大きくすることも、単
に冷却効果のみの理由で吸着塔を必要以上に大きくする
ことは、経済的ではない。
【0015】更に、(C)四塩化炭素のような沸点の低い
不燃性の冷媒による除熱方法も考えられるが、この方法
を採用すると、吸着熱を奪って蒸発した四塩化炭素を大
気中に放出することができず、この四塩化炭素ベ−パ−
を沸点以下に冷却して再度元の液体四塩化炭素に戻す必
要があり、この方法も経済的ではない。
【0016】一方、活性炭吸着塔の除熱手段として、蒸
発潜熱の大きな液状炭化水素(例えば液体ガソリン)を冷
媒として使用する方法が開発されており、諸外国で広く
採用されている。この方法は、吸着塔の内外部に液状炭
化水素の通路を配設し、この中に液状炭化水素を通し、
その蒸発潜熱を利用して熱除去を行い、蒸発した炭化水
素ガスを同種の液体炭化水素で洗浄して回収する方法で
ある。
【0017】上記方法は、冷却水を使用する場合に比し
て冷却効果が優れているが、若し液体炭化水素の通路が
破損した場合、火災事故につながる恐れがあり、このた
め、家屋から遠く離して設置する必要があるという欠点
を有している。なお、この方法は、消防庁の危政令その
他の法令で厳しく規制されており、それによれば、処理
ガス中のガソリンベ−パ−の濃度は、爆発下限値(約1V
OL%)以下とし、脱着装置には水蒸気又は不燃性ガスを
使用しなければならない、とされている。
【0018】また、吸着塔の操作方法としては、吸着工
程及び脱着工程を交互に切り換えながら運転するのが一
般的である。この方法として、 ・PSA(Pressure Swing Adsorption)サイクル方式、 ・PTSA(Pressure and Temperature Swing Adsorpti
on)サイクル方式、が従来より知られている。
【0019】PSAサイクル方式とは、脱着工程におけ
るパ−ジガスとして出口ガスの一部を用いる方法である
が、パ−ジ量が増大して濃縮後の処理が難しいという欠
点を有している。また、PTSAサイクル方式とは、脱
着手段として電熱加熱などを用いて加熱する方法である
が、この方法では、脱着は加熱によって行われるので、
吸着塔全体を加温、冷却する結果になり、熱の損失が多
く、伝熱に長時間を要する欠点を有している。
【0020】ところで、ガス状炭化水素の濃度が1VOL
%以下の希薄な廃棄ガスの処理法については、公知の活
性炭や合成ゼオライトを用いる吸着法が有効であり、こ
のような低濃度の廃棄ガスの処理法としては、この吸着
法が一般的である。しかしながら、濃厚なガス状炭化水
素を含み、しかも100m3/Hr以上という多量の廃棄ガス
を処理し、該廃棄ガスから効率よく炭化水素を回収し、
且つ大気中に排出するガス中の残存濃度を1VOL%以下
にするための経済的な処理・回収装置や処理・回収法が
現存しない。
【0021】本発明は、上記の点に鑑み成されたもので
あって、その目的は、ガス状炭化水素含有廃棄ガスを処
理し、該ガス状炭化水素を補集・回収する装置及びその
方法において、該廃棄ガスから効率よく炭化水素を回収
すると共に、大気中に排出するガス中の残存濃度を1VO
L%以下にし得る、廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素
の処理・回収装置及びその方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、光化学スモックの原因物質の一
つであるガス状炭化水素の濃度を1VOL%以下にして放
出するための工業的装置及びその方法を提供することに
ある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、単塔式ないしは多塔式の吸着装置を使用
し、 ・該吸着装置に充填する吸着剤として、孔径が4〜100オ
ングストロ−ムの合成ゼオライト及び/又は疎水性シリ
カゲルを用い、そして、 ・該吸着剤からなる吸着層として、孔径を異にする前記
吸着剤を混合した混合層又は孔径を異にする前記吸着剤
をそれぞれ多層に充填した吸着剤層からなる ことを特徴とする。
【0023】そして、本発明によれば、廃棄ガス中のガ
ス状炭化水素濃度が希薄である場合はもとより、これま
での吸着法のみでは実現が困難であった「約30VOL%以
上の濃度のガス状炭化水素を含む廃棄ガス」をも処理す
ることができ、このような高濃度の場合についても、大
気に排出するガス中の残存炭化水素濃度を1VOL%以下
にすることが容易であり、しかも、本発明に係る装置に
ついては、これを小型化することができ、可搬可能なポ
−ダブル式の装置とすることができるものである。
【0024】即ち、本発明に係る装置は、「単塔式ない
しは多塔式の吸着装置を用いて廃棄ガスに含まれるガス
状炭化水素を処理・回収する装置において、該吸着装置
に充填する吸着剤として、孔径が4〜100オングストロ−
ムの合成ゼオライト及び/又は疎水性シリカゲルを用
い、かつ該吸着剤からなる吸着層が、孔径を異にする前
記吸着剤を混合してなる混合層又は孔径を異にする前記
吸着剤をそれぞれ多層に充填してなる吸着剤層からなる
ことを特徴とする廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の
処理・回収装置。」(請求項1)を要旨とする。
【0025】また、本発明に係る方法は、「単塔式ない
しは多塔式の吸着装置を用いて廃棄ガスに含まれるガス
状炭化水素を処理・回収する方法において、該吸着装置
に充填する吸着剤として、孔径が4〜100オングストロ−
ムの合成ゼオライト及び/又は疎水性シリカゲルを用
い、かつ該吸着剤からなる吸着層が、孔径を異にする前
記吸着剤を混合してなる混合層又は孔径を異にする前記
吸着剤をそれぞれ多層に充填してなる吸着剤層からな
り、前記吸着層にガス状炭化水素含有廃棄ガスを導入し
て該廃棄ガスを処理し、脱着時に、前記吸着層から排出
されるクリ−ンなガスの一部及び/又は空気でパ−ジ
し、該パ−ジガスからガス状炭化水素を回収することを
特徴とする廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・
回収方法。」(請求項3)を要旨とする。
【0026】以下、本発明に係る装置及びその方法につ
いて詳細に説明する。本発明者等は、単塔式ないしは多
塔式の吸着装置を用いて廃棄ガスに含まれるガス状炭化
水素を処理・回収する装置及びその方法について、鋭意
研究を重ねた結果、この吸着装置に充填する吸着剤の気
孔径が、ガス状炭化水素の吸着量に影響を与え、また、
このガス状炭化水素の分子の大きさにも関係することを
見い出し、そして、「気孔径が所定範囲内にある不燃性
の吸着剤(孔径が4〜100オングストロ−ムの合成ゼオラ
イト及び/又は疎水性シリカゲル)を用いることを特徴
とする」本発明を完成したものである。
【0027】即ち、ガス状炭化水素の分子の大きさが一
定している場合は、一定の孔径を有する吸着剤を使用す
ればよいが、例えばガソリンベ−パ−のようにイソパラ
フィン、ノルマルパラフィン、オレフィン、ナフテン、
アロマテイック等分子の大きさがそれぞれ異なる成分か
らなるガスを処理する場合、それぞれの大きさに吸着孔
を合わせる必要が生じる。
【0028】ところで、活性炭のように孔径の分布が広
い範囲にわたっている場合には、上記のような成分をす
べて吸着させることができるが、吸着量が多すぎるた
め、この吸着に伴って多量の吸着熱が発生し、その結果
として、吸着層の温度が急激に上昇し、発火する危険性
を伴う。従って、活性炭の場合は、前述したように熱を
除去する手段が必須要件であるけれども、この熱の除去
が容易ではない。
【0029】これに対して、本発明は、前記したよう
に、吸着剤として、所定孔径範囲(4〜100オングストロ
−ム)の孔径を異にする合成ゼオライト及び/又は疎水
性シリカゲルを用いるものであり、これにより、廃棄ガ
ス中のガス状炭化水素を構成する各分子のそれぞれの大
きさに合わせた孔径をもつ合成ゼオライト及び/又は疎
水性シルカゲルを組合せて使用することができる。その
ため、本発明によれば、廃棄ガス中のガス状炭化水素の
吸着量、ひいては吸着熱をコントロ−ルすることがで
き、その結果、吸着装置全体の吸着層の熱分布を一様に
することができ、吸着熱による急激な温度上昇を防止し
て該吸着装置の安全性に万全を期すことができる、とい
う作用効果が生じる。
【0030】活性炭を使用する従来法では、この吸着層
内に砂利や石或いは不燃性で熱容量の大きな粒状無機物
質等を混入し、これにより吸着層内で生じる局部加熱を
分散させる方法が提案されている。しかし、「使用する
吸着剤の吸着孔径を被吸着分子に合わせる」ことを意図
する本発明に係る装置及びその方法において、実プラン
トを運転させて吸着層内の温度分布を詳細に調査してみ
ると、吸着層全体にわたって温度がほぼ均一になってい
ることが分かった。
【0031】この「吸着層全体にわたる温度の均一化」
について、後記する本発明に係る方法の実施例を参照し
て更に説明すると、吸着剤層(A)[孔径:約5オングス
トロ−ムの合成ゼオライトからなる吸着剤層]でガス状
炭化水素を吸着する時に発生する熱は、吸着孔径の制限
によって決まったガス状炭化水素の分子しか吸着しな
い。そのため、この吸着剤層(A)で発生する熱量は、た
いした量ではない。同様なことが次の吸着剤層(B)、吸
着剤層(C)についてもいえる。即ち、本発明によれば、
吸着熱の分散化が図られており、吸着層内を流れるガス
流の中で混然一体化することで、吸着装置の上から下迄
ほぼ均一な温度になっているものである。
【0032】本発明では、前記したように、これまでの
吸着法のみでは実現が困難であった約30VOL%以上の高
濃度のガス状炭化水素を含む廃棄ガスをも処理すること
ができ、この場合においても、吸着層全体にわたって温
度をほぼ均一にすることができるばかりでなく、このよ
うな高濃度の被処理ガス(廃棄ガス)の場合においても、
大気に排出するガス中の残存炭化水素濃度を1VOL%以
下にすることができるものである。
【0033】これに対して、公知の吸収法又はガス分離
膜法は、濃厚なガス状炭化水素を含む放散ガスを処理す
るのに好適であるが、前記したとおり、放散ガス中の炭
化水素濃度を1VOL%以下にする技術は完成されていな
い。なお、この吸収法又はガス分離膜法によれば、処理
後に大気中に放出するガス中の該濃度は、通常2〜5VOL
%である。
【0034】また、公知の吸着法の利点は、吸着熱の発
生が少ない希薄なガス状炭化水素を含む放散ガスを処理
する場合に有効であり、この場合、通常入口の該濃度が
1VOL%以下、出口の該濃度がPPMのオ−ダである。この
吸着法の欠点は、前記したとおり、濃厚なガス状炭化水
素を含む放散ガスを処理する場合、多量の吸着熱が発生
するということである。
【0035】この吸着熱を除去する冷媒として、蒸発潜
熱の大きな液体炭化水素(例えば液体ガソリン)を用いる
方法が開発されているが、前記したとおり危険を伴う。
また、冷媒として、水又は低沸点で不燃性の四塩化炭素
等を用いることも考えられるが、前記したとおり、水の
場合、所望する冷却効果が期待できず、また、四塩化炭
素等の場合、吸着熱を奪って蒸発した四塩化炭素等を大
気中に放出することができず、沸点以下に冷却して再度
元の液体に戻す必要があり、経済的ではない。
【0036】本発明では、単塔式ないしは多塔式の吸着
装置を用いて廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素を処理
・回収する装置及びその方法において、前記したよう
に、吸着熱の発生による吸着層での急激な温度上昇をさ
けるため、吸着剤を従来から汎用されている可燃性の活
性炭から「所定孔径範囲(4〜100オングストロ−ム)で孔
径を異にする不燃性の合成ゼオライト及び/又は疎水性
のシリカゲル」に換え、そして、この合成ゼオライト及
び/又は疎水性シリカゲルからなる吸着剤の孔径と吸着
量とを制御することによって、吸着層の温度を任意にコ
ントロ−ルすることができるようにしたものである。
【0037】本発明において、吸着剤として使用する
“合成ゼオライト”としては、特に限定するものではな
いが、シリカリッチの合成ゼオライト(特に活性シリカ)
が好ましい。一方、本発明で使用する“疎水性シリカゲ
ル”は、水分は吸着しない疎水性のものであって、親油
性のものである。この疎水性シリカゲルの孔径は、通常
はランダムであり、不燃性であることを除けば、その吸
着孔の分布は、ほぼ活性炭に似ており、吸着挙動も活性
炭と相似している。
【0038】従って、本発明において、孔径を異にする
吸着剤を多段に充填する場合には、疎水性シリカゲルを
被処理ガス(廃棄ガス)の吸着層の最終段(排出側)に配置
することがより効果的である。これによって、吸着工程
を簡素化し、且つ装置自体を小型化することが可能とな
り、そして、これまで実現が困難であった濃厚なガス状
炭化水素を含む廃棄ガスについても、希薄ガスの場合と
同様、大気中に排出するガスの残存炭化水素濃度を1VO
L%以下にすることが容易であり、極めて経済的に有利
なシステムを構築することができる。
【0039】特に、本発明に係る上記システムは、現在
日本で法的規制の下に行われている「ガソリンスタンド
と油槽所を往復するタンクロ−リ−車が荷を降ろした際
に空になった車にガソリンベ−パ−を戻して油槽所に戻
す場合(リタ−ン方式)」や、既にアメリカでは排出規制
が始められている「町なかのガソリンスタンドで自動車
に給油する場合」及び「自動車の給油口から発生するガ
ソリンベ−パ−を処理する場合」などに好適に利用でき
る。
【0040】即ち、ガソリンスタンドにおいては、設備
の監視体制まで手が回らないため、安全性と操作の簡便
性が最も重視される。要するに、監視していなくとも、
ボタン一つで自動的に発・停止し、且つ安価で場所をと
らない安全性の高い公害防止機器の開発が望まれている
が、本発明に係る装置及びその方法は、この要望に完全
に沿うものである。
【0041】なお、本発明に係る装置及びその方法にお
いて、前記した公知のPSA法やPTSA法を適用する
ことができ、その他VSA法、VTSA法なども適用す
ることができ、これらの適用も本発明に包含されるもの
である。また、本発明は、ガソリン蒸気含有放散ガスの
処理・回収に好適であるが、その他ベンゼン、アセト
ン、メタノ−ルなどの低沸点の炭化水素を含む放散ガス
にも適用でき、これらへの適用も本発明に包含されるも
のである。さらに、本発明は、単塔式ないしは多塔式の
吸着装置を用いたものであり、具体的には、次の実施例
に記載の二塔式連続吸着装置への適用が好ましいが、本
発明は、この二塔式連続吸着装置にのみ限定されるもの
ではない。
【0042】
【実施例】次に、本発明に係る装置及びその方法の実施
例を挙げ、本発明を詳細に説明するが、本発明は、以下
の実施例に限定されるものではない。
【0043】(本発明に係る第1の実施例装置)図1
は、本発明の一実施例(第1の実施例装置)であるガス状
炭化水素の処理・回収装置のフロ−シ−トを示す図であ
る。この第1の実施例装置は、実験室規模の装置であっ
て、図1に示すように、吸着塔2及び吸着塔3からなる
二塔式連続吸着装置であって、この吸着塔2、同3は、
孔径を異にする吸着剤(孔径:4〜100オングストロ−ム
のシリカリッチの合成ゼオライト)を用いた3層からな
る吸着剤層(A),(B),(C)で構成されている。
【0044】なお、図1において、1はガソリンベ−パ
−含有廃棄ガス発生源、4は脱着後のパ−ジガスを吸引
する真空ポンプ、5はガソリン回収器、6は脱着後のパ
−ジガスをガソリン回収器5に分配するための分配管、
7は液面計である。また、11,11’は廃棄ガス送気管、
12,12’は排出管、13,13’はパ−ジ用ガス送気管、1
4,14’は脱着後のパ−ジガス送気管、15はガソリン回
収器5からの排気ガスを廃棄ガス送気管11に戻す返送管
である。
【0045】(第1の実施例装置を用いた第1の実施
例)次に、本発明に係る方法の第1の実施例について説
明する。なお、この実施例は、上記図1に示す第1の実
施例装置を使用し、5〜30VOL%のガソリンベ−パ−を含
む廃棄ガスを処理して1VOL%以下のクリ−ンなガスと
して大気に放出し、一方、この廃棄ガス中のガソリンベ
−パ−を回収する例である。
【0046】第1の実施例では、吸着剤として孔径の異
なったシリカリッチの合成ゼオライトを使用し、図1に
示すように、3層からなる吸着剤層(A),(B),(C)で
構成される吸着塔2,3を使用した。具体的には、ガソ
リンベ−パ−含有廃棄ガスの流れに沿って、 ・最初の吸着剤層(A)は、約5オングストロ−ムの孔径
を持つシリカリッチの合成ゼオライト[東ソ−社製の
“ZSM5(商品名)”:X型ゼオライト] ・次の吸着剤層(B)は、約7オングストロ−ムの孔径を
持つシリカリッチの合成ゼオライト[東ソ−社製のY型
ゼオライト] ・最後の吸着剤層(C)は、約80オングストロ−ムの孔径
を持つ疎水性シリカゲル[富士シリシア化学社製の“Q
−10(商品名)”] から成っている。
【0047】第1の実施例では、5〜30VOL%のガソリン
ベ−パ−を含む廃棄ガス発生源1から排出される廃棄ガ
スを、ブロア−(図示せず)又は自圧で、廃棄ガス送気管
11,11’より上記吸着剤層(A),(B),(C)から成る吸
着塔2,3に送気する。なお、吸着塔2,3は、吸着工
程と脱着工程とを交互に切り替えながら運転するが、こ
の切り替え時間は3〜10分である。
【0048】吸着工程を終えた処理済みの廃棄ガスは、
吸着塔2(脱着工程に切り替えた後は吸着塔3)の頂部か
ら、排出管12(または排出管12’)を介して、1VOL%以
下のガソリンベ−パ−を含む湿分のある空気(クリ−ン
なガス)として大気中に放出する。
【0049】一方、吸着工程を終えた後の吸着塔2(吸
着工程に切り替えた後は吸着塔3)にパ−ジ用ガス送気
管13’(又は同13)を介してパ−ジ用ガス(空気)を送気
し、真空ポンプ4で吸引することにより脱着させる。
(この真空ポンプ4は、約25TORRで運転した。)脱着後
のガソリンベ−パ−含有パ−ジガスは、送気管14’(又
は同14)を介してガソリン回収器5に送気し、分配管6
を通して液体ガソリンと接触させ、液体(ガソリン回収
液)としてパ−ジガス中のガソリンベ−パ−を回収す
る。
【0050】ガソリン回収器5からの排気ガス中には、
僅かのガソリンベ−パ−が残存するので、返送管15を介
して再度廃棄ガス送気管11に戻し、廃棄ガスと一緒にし
て吸着処理を行う。なお、ガソリン回収器5には、液体
ガソリンの位置を検出するための液面計7が取り付けら
れている。また、吸着剤層(A),(B),(C)の温度は、
いずれも運転中は約40℃に保たれている。即ち、吸着剤
層(A),(B),(C)において、吸着熱の分散化が図られ
ており、吸着塔2(同3)の上から下迄ほぼ均一な温度
(約40℃)に保持されている。
【0051】図2は、第1の実施例による運転デ−タ−
を示す図である。この図2から明らかなように、第1の
実施例によれば、廃棄ガス中のガソリンベ−パ−濃度が
5〜20VOL%の範囲内で変化しても、いずれの場合でも大
気中に放出されるガス中のガソリンベ−パ−濃度は、0
%であった。
【0052】(本発明に係る第2の実施例装置)図3
は、本発明の他の実施例(第2の実施例装置)であるガス
状炭化水素の処理・回収装置のフロ−シ−トを示す図で
ある。この第2の実施例装置は、前掲の図1に示す実験
室規模の装置と異なり、商業規模の実動プラントにおけ
るガス状炭化水素の処理・回収装置(実装置)である。
【0053】この第2の実施例装置(商業規模の実動プ
ラント)は、図3に示すように、吸着塔C-01及びC-02か
らなる二塔式連続吸着装置であって、それぞれの容量は
径が1100mm,高さが2500mmである。この内部は二重
円筒で構成されており、外側の円筒の厚みは415mmで
あり、この外側の円筒中に孔径を異にする吸着剤が三層
に充填されている。
【0054】具体的に説明すると、最下層に約5オング
ストロ−ムの孔径を持つZSM5(東ソ−社製のX型合
成ゼオライト:商品名)、中段に約7オングストロ−ム
の孔径を持つY型合成ゼオライト(東ソ−社製)、最上段
に平均で約50オングストロ−ムの孔径を持つ疏水性シリ
カゲルであるCARIACT Q-10(富士シリシア化学
社製:商品名)が合計で約1200Kg充填されている。ま
た、内側の円筒中には、上記吸着剤層を外側から冷却す
るための冷却水が循環しており、更に吸着剤層の中心部
には、8インチ(20.32cm)の冷却水用蛇管が埋め込ま
れている。冷却水量は合計で約100L/分である。
【0055】(第2の実施例装置を用いた第2の実施
例)次に、本発明に係る方法の第2の実施例について説
明する。なお、この第2の実施例は、上記図3に示す第
2の実施例装置(実装置)を使用し、最大50VOL%の濃厚
なガソリンベ−パ−を含む廃棄ガス約120m3/Hrを処
理して、ガス状炭化水素が0.1VOL%以下のクリ−ンなガ
スとして大気に放出し、一方、この廃棄ガス中のガソリ
ンベ−パ−を回収する例(実装置を使用し商業規模で行
った例)である。
【0056】図3では省略しているが、第2の実施例で
は、廃棄ガス(HCガス)は、タンクロ−リ−車へガソリン
の積み込みが開始されると、出荷用ロ−デイングア−ム
と併設されているベ−パ−補集配管を経て、自圧にて吸
着塔C-01(脱着に切り換え後はC-02)に送り込まれる。そ
して、ロ−リ−へのガソリン積み込みが始まると同時に
ベ−パ−補集管に取り付けた駆動弁の差圧信号によって
直ちに始動する。
【0057】図3に示した実装置の運転では、平均で約
80m3/Hrの廃棄ガス(HCガス)が吸着塔内に流入し、
三層に充填された吸着剤に順次接触して、廃棄ガス中の
炭化水素ベ−パ−の99.9%以上が吸着される。一方、炭
化水素ベ−パ−を殆ど含まない廃棄ガス(HCガス)は、吸
着塔上部よりFA(フレ−ムアレスタ−)を通って大気中
に排出される。
【0058】C-01とC-02の2つの吸着塔は、吸着操作と
脱着操作が交互に自動的に切り換えられる。即ち、一方
の吸着塔で吸着運転が行われている間、片方の吸着塔で
は、完全ドライ型の真空ポンプVP-01(堀技研社製:能力
10m3/分)によって、吸着した炭化水素ベ−パ−の脱着
運転が行われる。この際、同時に調整ユニットを通じ
て、吸着塔から大気に排出されるクリ−ンな廃棄ガスの
一部が脱着塔のパ−ジガスとして併用される。
【0059】吸着と脱着の切り換え時間は5分であり、
真空状態にある脱着塔を常圧に戻し、そして、吸着操作
に移行させる際に要する均圧時間は1分である。また、
吸着剤層の温度は、外気温度が36℃に対して+4℃以内
の上昇である。
【0060】パ−ジ排ガスから炭化水素ベ−パ−を回収
するガソリンベ−パ−回収塔C-03(以下単に“回収塔C-0
3”という)は、前述した真空ポンプVP-01が稼働すると
同時に始動する。そして、ガソリンベ−パ−を約85VOL
%含有するパ−ジ排ガスは、回収塔C-03の頂部から導入
される「フレッシュな液体ガソリン」と、回収塔C-03内
の充填材層(アルミ製ポ−ルリングからなる充填材)を介
して、向流接触し該液体ガソリンに吸収される。なお、
「フレッシュな液体ガソリン」は、既設ガソリン貯槽
(図示せず)からガソリン供給ポンプP-01により5KL/Hr
の割合で回収塔C-03の頂部に導入される。
【0061】ガソリンベ−パ−を吸収した液体ガソリン
は、回収塔C-03の塔底に溜まり、ガソリン回収ポンプP-
02により、既設ガソリン貯槽(図示せず)へ回収製品(回
収ガソリン)として移送される。
【0062】更に具体的に、図3に示す実装置の自動運
転の手順に基づいて、第2の実施例を詳細に説明する。
まず、図3に示す実装置を稼働させる前に、回収塔C-03
へ「フレッシュな液体ガソリン」を供給する供給元弁及
び回収ガソリン貯槽の元弁を“開”にし、液体ガソリン
を装置まで導入しておく。同時にユ−テイリテイ−ライ
ン[計装空気,窒素(N2),補給水(水)]の元弁を開いて
装置にまで導入しておく。
【0063】次に、制御盤(図示せず)の自動運転ボタン
を押して始動準備を完了させる。そして、タンクロ−リ
−車へのガソリンの積み込みが開始されると、ベ−パ−
捕集管の差圧信号により装置が自動的に始動し、吸着塔
C-01及びC-02において、廃棄ガス中に含まれるガソリン
ベ−パ−の吸着が行われる。吸着系始動とほぼ同時に真
空ポンプVP-01が順次起動し、脱着を必要とする側の吸
着塔内のガソリンベ−パ−の脱着が行われる。この際、
前記したパ−ジガスが併用される。
【0064】真空ポンプVP-01が運転されると、少し遅
れてガソリン供給ポンプP-01が始動し、供給ガソリンラ
インの自動弁HCVが開き、回収塔C-03の頂部から「フレ
ッシュな液体ガソリン」が散布され、該塔C-03の底部か
ら導入されるパ−ジ排ガスと、アルミ製のポ−ルリング
を介して、向流接触しながら回収運転が開始される。
【0065】回収塔C-03の塔底に溜まった液体ガソリン
は、回収塔C-03の液面を上昇させ、液面スイッチLISが
“H”レベルになれば、ガソリン回収ポンプP-02が始動
し、“L”レベルになれば、停止する間欠運転が行われ
る。パ−ジ排ガス中のガソリンベ−パ−を吸収した液体
ガソリンは、既設ガソリン貯槽(図示せず)に移送する。
【0066】タンクロ−リ−へのガソリンの出荷が終了
し、ガソリン出荷ポンプが停止した時点より15分間は、
吸着塔の脱着を目的として装置の運転を継続し、その後
自動停止になる。なお、ガソリン回収ポンプP-02は、回
収塔C-03の液面が“L”レベル以上にあった場合、
“L”レベルになる迄運転される。装置が自動停止する
と、バキュ−ムブレ−ク操作が自動的に行われる。
【0067】バキュ−ムブレ−ク弁は、吸着塔の圧力ス
イッチPISにより大気圧になる迄空気を供給し、自動閉
止される。バキュ−ムブレ−ク終了後は、「バキュ−ム
ブレ−ク表示灯」とガソリン回収ポンプP-02の「運転表
示灯」が消灯したことを確認し、制御盤のメインスイッ
チを“OFF”にする。続いて、ガソリン供給ライン等
の各元弁を閉止して、廃棄ガスに含まれるガス状炭化水
素の処理・回収作業を終了する。
【0068】この第2の実施例(実装置を使用し商業規
模で行った例)においても、前記第1の実施例(実験室規
模の例)の場合と同様の運転デ−タ−(前掲の図2参照)
実測され、最大50VOL%の濃厚なガソリンベ−パ−を含
む廃棄ガス約120m3/Hrを処理して、ガス状炭化水素
が0.1VOL%以下のクリ−ンなガスとして大気に放出しう
ることが確認された。
【0069】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり単塔式な
いしは多塔式の吸着装置を使用し、 ・該吸着装置に充填する吸着剤として、孔径が4〜100オ
ングストロ−ムのシリカリッチの合成ゼオライト及び/
又は疎水性シリカゲルを用い、そして、 ・該吸着剤からなる吸着層として、孔径を異にする前記
吸着剤を混合した混合層又は孔径を異にする前記吸着剤
をそれぞれ多層に充填した吸着剤層からなる ことを特徴とし、これにより、濃度の如何にかかわら
ず、ガス状炭化水素を含む廃棄ガスを処理し、大気中に
排出するガス中の残存炭化水素を1VOL%以下にするこ
とが容易にできる、という顕著な効果が生じる。
【0070】しかも、本発明に係る装置は、可搬可能な
ポ−ダブル式の装置とすることもでき、その工業的価値
は極めて大きいものである。また、本発明によれば、大
気汚染物質であるガス状炭化水素の処理において、従来
法では到底達成できなかった「米国の環境保護局(EP
A)が定めた1VOL%以下の規制値」を完全にクリヤ−で
きるのみならず、更に厳しくこの数値を半分以下にする
ことを発表したEPAの措置に対しても、充分対応でき
る運転実績を得たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるガス状炭化水素の処理
・回収装置(第1の実施例装置)のフロ−シ−トを示す
図。
【図2】本発明の第1の実施例による運転デ−タ−を示
す図。
【図3】本発明の他の実施例であるガス状炭化水素の処
理・回収装置(第2の実施例装置)のフロ−シ−トを示す
図。
【符号の説明】
1 廃棄ガス発生源 2,3 吸着塔 4 真空ポンプ 5 ガソリン回収器 6 分配管 7 液面計 11,11’廃棄ガス送気管 12,12’排出管 13,13’パ−ジ用ガス送気管 14,14’脱着後のパ−ジガス送気管 15 返送管 (A),(B),(C) 孔径を異にする吸着剤を用いた吸着剤
層 C-01,C-02 吸着塔 C-03 回収塔 FA フレ−ムアレスタ− VP-01 完全ドライ型の真空ポンプ P-01 ガソリン供給ポンプ P-02 ガソリン回収ポンプ HCV 供給ガソリンラインの自動弁 LIS 液面スイッチ PIS 吸着塔の圧力スイッチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単塔式ないしは多塔式の吸着装置を用い
    て廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素を処理・回収する
    装置において、該吸着装置に充填する吸着剤として、孔
    径が4〜100オングストロ−ムの合成ゼオライト及び/又
    は疎水性シリカゲルを用い、かつ該吸着剤からなる吸着
    層が、孔径を異にする前記吸着剤を混合してなる混合層
    又は孔径を異にする前記吸着剤をそれぞれ多層に充填し
    てなる吸着剤層からなることを特徴とする廃棄ガスに含
    まれるガス状炭化水素の処理・回収装置。
  2. 【請求項2】 前記の孔径を異にする吸着剤をそれぞれ
    多層に充填してなる吸着剤層が、廃棄ガス導入側を孔径
    の小さな吸着剤からなる層とし、順次孔径の大きな吸着
    剤からなる層とする構成からなることを特徴とする請求
    項1に記載の廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理
    ・回収装置。
  3. 【請求項3】 単塔式ないしは多塔式の吸着装置を用い
    て廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素を処理・回収する
    方法において、該吸着装置に充填する吸着剤として、孔
    径が4〜100オングストロ−ムの合成ゼオライト及び/又
    は疎水性シリカゲルを用い、かつ該吸着剤からなる吸着
    層が、孔径を異にする前記吸着剤を混合してなる混合層
    又は孔径を異にする前記吸着剤をそれぞれ多層に充填し
    てなる吸着剤層からなり、前記吸着層にガス状炭化水素
    含有廃棄ガスを導入して該廃棄ガスを処理し、脱着時
    に、前記吸着層から排出されるクリ−ンなガスの一部及
    び/又は空気でパ−ジし、該パ−ジガスからガス状炭化
    水素を回収することを特徴とする廃棄ガスに含まれるガ
    ス状炭化水素の処理・回収方法。
  4. 【請求項4】 前記脱着手段が、吸着層から排出される
    クリ−ンなガスの一部及び/又は空気でパ−ジしながら
    同時に真空を併用することを特徴とする請求項3に記載
    の廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理・回収方
    法。
  5. 【請求項5】 前記パ−ジガスからガス状炭化水素を回
    収する手段として、廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素
    と同質の液体炭化水素を用いて洗浄し、該液体炭化水素
    にガス状炭化水素を吸収せしめることを特徴とする請求
    項3に記載の廃棄ガスに含まれるガス状炭化水素の処理
    ・回収方法。
  6. 【請求項6】 前記吸着層から大気に排出されるクリ−
    ンなガス中の炭化水素濃度を1VOL%以下にすることを
    特徴とする請求項3に記載の廃棄ガスに含まれるガス状
    炭化水素の処理・回収方法。
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