JP2003117338A - 吸着処理装置 - Google Patents

吸着処理装置

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JP2003117338A
JP2003117338A JP2001313180A JP2001313180A JP2003117338A JP 2003117338 A JP2003117338 A JP 2003117338A JP 2001313180 A JP2001313180 A JP 2001313180A JP 2001313180 A JP2001313180 A JP 2001313180A JP 2003117338 A JP2003117338 A JP 2003117338A
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Japan
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adsorption
adsorption tower
adsorbent
tower
gas
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JP2001313180A
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English (en)
Inventor
Yuichi Eto
祐一 江藤
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Idemitsu Engineering Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Engineering Co Ltd
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】効率的に排ガス中の除去成分を回収し、運転コ
ストや設備費のかからない経済的な吸着処理装置を提供
すること。 【解決手段】吸着処理装置1は、排ガス中の除去成分を
吸着する吸着剤が充填された吸着塔21、補助吸着塔2
2と、この吸着塔21内の吸着剤の再生を行うための真
空ポンプ31と、脱着した除去成分を冷却凝縮する凝縮
器32と、凝縮した除去成分を回収する凝縮液受槽33
と、冷却凝縮後の未凝縮除去成分を吸着するベントガス
吸着塔34とを備えている。吸着塔21の吸着剤が十分
除去成分を吸着した後、真空ポンプ31を起動し、吸着
剤から除去成分を脱着し、凝縮液受槽33で液体として
回収する。吸着塔21の再生時に、排ガスが発生する場
合には、補助吸着塔22で排ガス中の除去成分を吸着す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶剤等、揮発
性の物質を貯蔵する貯蔵設備や、これらの有機溶剤を使
用する反応設備等から発生する排ガス中の除去成分を吸
着し、処理するための吸着処理装置に関する。
【0002】
【背景技術】従来から、有機溶剤は機器製造業を始め、
様々な業種で幅広く使用されている。有機溶剤は揮発性
であるため、有機溶剤を貯蔵する貯蔵設備や有機溶剤を
使用する反応設備からは、揮発した有機溶剤等の排ガス
が排出される。このような、排ガス中には、大気に放出
すると地球温暖化等の環境問題となる除去成分が含まれ
ていることから、厳しい規制が設けられようとしてい
る。排ガス中の除去成分を回収する手段としては、例え
ば、特開平11−71584号公報に記載されているも
のがある。この発明では、吸着と脱着とを交互に行う二
つの吸着塔を設け、一方の吸着塔に除去成分であるガス
状炭化水素を含む廃棄ガスを通過させ、その間に他方の
吸着塔を脱着に切り替えている。脱着したガス状炭化水
素は冷却処理され、液体として回収される。冷却処理後
の未凝縮炭化水素を含むガスは、廃棄ガスを通過せしめ
る吸着塔に戻され、この吸着塔は破過する前に脱着に切
り替えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような回収方法で
は、廃棄ガス中の炭化水素負荷が周期的に変化するよう
な場合、例えば、反応設備から廃棄ガスが排出されるよ
うな場合において、脱着と吸着の切り替えのインターバ
ルは条件が最も厳しい時点(廃棄ガス中の炭化水素負荷
が最も高くなる時点)に対応できるように設定される。
従って、廃棄ガス中の炭化水素負荷が低下した状態で
も、廃棄ガス中の炭化水素負荷が最も高くなる時点と同
一のインターバルで吸着と脱着とが交互に行われる。こ
のため、廃棄ガス中の炭化水素負荷が時間とともに大き
く変化するような場合では、炭化水素負荷が最も高くな
る条件に合わせて、吸着塔や脱着に使用される真空ポン
プ等の機器を設計する必要があり、設備費が高くなると
いう問題があった。さらに、廃棄ガス中の炭化水素負荷
が低い場合であっても、炭化水素負荷が最も高くなる条
件に合わせて、吸着、脱着が繰り返されることから、効
率的でなく、真空ポンプ等の機器の運転時間が必要以上
に長くなり、運転費がかかるという問題もあった。
【0004】本発明の目的は、効率的に排ガス中の除去
成分を回収し、運転コストや設備費のかからない経済的
な吸着処理装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は、以
下の構成を採用して前記目的を達成しようとするもので
ある。本発明の吸着処理装置は、排ガス中に含まれる除
去成分を吸着するための吸着剤を有する吸着手段と、前
記吸着剤の再生を行うための再生手段とを有する吸着処
理装置であって、前記吸着手段は、前記吸着剤が充填さ
れた吸着塔を備え、前記再生手段は、前記吸着塔内部を
減圧して、前記吸着塔の吸着剤に吸着した前記除去成分
を脱着するための真空ポンプと、脱着した除去成分を冷
却凝縮する凝縮器と、凝縮した除去成分を回収する凝縮
液受槽と、冷却凝縮後の未凝縮除去成分を吸着する吸着
剤が充填されたベントガス吸着塔とを有し、これらが一
体化されていることを特徴とする。
【0006】ここで、凝縮器と凝縮液受槽は、別体のも
のでもよく、一体的に成形されているものでもよい。ま
た、吸着剤としては、シリカゲル、ゼオライト、アルミ
ナゲル、活性炭等の吸着剤を使用できるが、安全性の観
点からは、シリカゲル、ゼオライト、アルミナゲルが好
ましい。さらには、高温焼成か、疎水化処理剤で処理さ
れたシリカゲル、あるいは、シリカ/アルミナ比が80
以上のハイシリカゼオライトが好ましい。吸着剤が空気
中の水分を吸着してしまうと回収した凝縮除去成分から
水を分離することが必要になるため、水分は吸着しにく
いが、除去成分は吸着するという疎水性の吸着剤が好ま
しいからである。
【0007】この構成の本発明では、排ガス中の除去成
分の濃度が一定でないような場合において、排ガスの排
出サイクルに応じた量、例えば、反応設備からの排ガス
1バッチ分を処理できる量の吸着剤を吸着塔に充填して
おき、原則として、排ガスの発生しない間に吸着剤の再
生を行う。これにより、吸着剤に除去成分を十分吸着さ
せてから脱着を行うことができ、従来の吸着、脱着とを
交互に繰り返す装置のように、吸着容量が余ったまま、
過剰に脱着されることがないので、真空ポンプの運転時
間が必要以上に長くなったり、真空ポンプの能力を必要
以上に高くしたりする必要がない。従って、運転コスト
や設備費がかからず経済的である。
【0008】また、吸着剤が破過する直前に再生を行
い、吸着剤に除去成分が十分吸着されないまま、再生を
行うことがないので、効率的に除去成分を回収すること
ができる。さらに、吸着塔から脱着した除去成分のう
ち、凝縮できなかった未凝縮除去成分は、ベントガス吸
着塔に吸着されるため、除去成分が大気中に放出される
ことがなく、確実に除去成分の処理を行うことができ
る。さらに、再生手段は、一体化されて形成されている
ため、再生手段と吸着手段とを分離したり、再生手段の
みを可搬式にすることも可能である。
【0009】この際、前記吸着手段は、排ガス発生源
毎、または、関連する複数の排ガス発生源の集合毎に設
けられた複数の吸着塔を備えていることが好ましい。原
則として吸着剤の再生は、排ガスが発生しない時間を選
定して行われる。従って、吸着塔が排ガス発生源毎、ま
たは、関連する複数の排ガス発生源の集合毎に設けられ
ていれば、排ガスが発生しない時間を合わせることが容
易であり、効率よく再生を行うことができる。
【0010】さらに、前記再生手段は運搬可能な構造と
されていることが好ましい。本発明では、吸着塔毎に再
生手段を固定して設けてもよいが、再生手段を運搬可能
な構造とすれば、一つの再生手段で、複数の吸着塔の吸
着剤を処理することができ、吸着塔毎に再生手段を設け
る場合に比べ、設備費の削減を図ることができる。さら
に、再生を行う吸着塔まで、再生手段を運搬することが
できるので、再生手段と、吸着塔とを結ぶ配管が短いも
のとなり、配管用の設置スペースを小さくすることがで
きる。また、再生手段を使用しない時間は、再生手段を
他の場所に移すこともできる。
【0011】前記各吸着塔と前記再生手段とがバルブが
設けられた配管で接続され、前記バルブを切り替えるこ
とで各吸着塔と前記再生手段とが連結されることが好ま
しい。吸着塔と、再生手段とが配管で接続され、バルブ
を切り替えることで、各吸着塔の吸着剤の再生が行われ
る構造とすれば、一つの再生手段で、複数の吸着塔の吸
着剤を処理することができ、吸着塔毎に再生手段を設け
る場合に比べ、設備費の削減を図ることができる。さら
に、それぞれの吸着塔と再生手段とを配管で接続し、バ
ルブを切り替えることにより各吸着塔が再生手段に連結
されるため、吸着塔と再生手段との連結に手間がかから
ない。
【0012】この際、前記吸着手段は、前記吸着塔の吸
着剤の再生を行う間に発生する排ガスの除去成分を吸着
するための補助吸着塔を有することが好ましい。原則と
して、吸着剤の再生は、排ガスが発生しない時間を選定
して行われるが、排ガスが連続的に発生する場合でも、
吸着塔の再生を行う間に発生する排ガスを吸着する補助
吸着塔を設ければ、排ガスが排出される任意の時期に再
生操作を行うことができる。
【0013】また、補助吸着塔の吸着剤も再生手段によ
って、吸着塔が排ガスを吸着している間に再生されれ
ば、連続的に排出される排ガスを連続的に処理すること
ができる。さらに、補助吸着塔の再生は、吸着塔の再生
に使用される再生手段が用いられるため、新たな再生手
段を設ける必要がなく、設備費を削減することができ
る。
【0014】前記吸着塔の排出口には、前記吸着塔内部
への大気の逆流を防止する逆流防止手段が設けられてい
ることが好ましい。吸着剤に大気からの水分が吸着され
てしまうと、除去成分の吸着容量が減少してしまうとと
もに、脱着時の真空ポンプの負担が増加してしまう。こ
れにより、真空ポンプ等の動力費の増加や設備の大型化
を招くこととなる。これに対し、逆流防止手段を設ける
ことにより、大気の逆流を防止し、吸着剤への水分吸着
を防ぐことができるので、動力費の増加や設備の大型化
を防ぐことができる。
【0015】この際、前記真空ポンプは前記ベントガス
吸着塔内の吸着剤の脱着を行うように構成され、前記再
生手段は、前記ベントガス吸着塔の吸着剤の再生を行う
間に発生する前記未凝縮除去成分を吸着するための補助
ベントガス吸着塔を備えていることが好ましい。ベント
ガス吸着塔の吸着剤を再生する際、凝縮液受槽内の未凝
縮除去成分を吸着塔により処理することも考えられる
が、このような構造とすることができない場合には、ベ
ントガス吸着塔の吸着剤の再生を行う間に対応した補助
ベントガス吸着塔を設け、未凝縮除去成分を吸着させれ
ばよい。
【0016】また、前記凝縮器には、熱交換用冷媒を冷
却するチラーユニットが設けられていることが好まし
い。熱交換用冷媒を冷却するチラーユニットを設けれ
ば、安定的に冷水を供給することができ、真空ポンプに
より脱着された除去成分を効率的に凝縮することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1を参照して本発明の実施形態に
係る吸着処理装置を説明する。本実施形態の吸着処理装
置1は、反応設備Rから排出された排ガス中の除去成分
を吸着するための吸着手段2と、吸着手段2を再生する
ための再生手段3とを有している。
【0018】吸着手段2は、排ガス中の除去成分を吸着
するための吸着剤が充填された二つの吸着塔21と、吸
着剤が充填された二つの補助吸着塔22とを有してい
る。吸着剤は、例えば、高温焼成又は疎水化処理剤で処
理されたシリカゲル、あるいは、シリカ/アルミナ比が
80以上のハイシリカゼオライトある。なお、吸着塔2
1及び補助吸着塔22は、排ガス発生源である二つの反
応設備Rにそれぞれ一つずつ設けられており、同一機能
の機器には同一の符号を付している。
【0019】吸着塔21は、反応設備Rに設けられた排
ガス送気管51から分岐した排ガス送気管51Aを介し
て反応設備Rと連結されており、補助吸着塔22は、排
ガス送気管51から分岐した排ガス送気管51Bによっ
て、反応設備Rと接続されている。排ガス送気管51A
及び排ガス送気管51Bは吸着塔21及び補助吸着塔2
2の下部に接続されている。
【0020】吸着塔21及び補助吸着塔22の塔頂部に
は、清浄ガス排出ライン52A,52Bが形成され、清
浄ガス排出ライン52A,52Bの下流側端部は合流
し、清浄ガスを大気へ排出するための排出口である清浄
ガス排出ライン52が形成されている。この清浄ガス排
出ライン52には逆流防止手段23、例えば、チェッキ
バルブが設けられており、大気が逆流することを防止し
ている。
【0021】清浄ガス排出ライン52A,52Bには、
それぞれ、パージガス導入ライン56A,56Bが形成
されており、脱着時には、パージガスが吸着塔21又は
補助吸着塔22へ導入される。パージガスは一般的には
窒素等が使用されるが、空気が使用可能な場合には、清
浄ガス排出ライン52より導入することができる。この
パージガスの流量は吸着塔21又は補助吸着塔22に導
入される排ガスの流量の1/10以下が好ましく、さら
には、1/10から1/20が好ましい。
【0022】吸着塔21と補助吸着塔22の下部には、
それぞれ配管53A,53Bが設けられており、この配
管53Aと配管53Bは合流して配管53となってい
る。配管53には、バルブ40が設けられており、配管
53により、吸着塔21及び補助吸着塔22が再生手段
3に接続される。具体的には、吸着塔21及び補助吸着
塔22は、配管53設けられたバルブ40を切り替える
ことで、後述する真空ポンプ31に連結される。
【0023】また、吸着塔21の内部には、冷却コイル
211が設置されている。なお、排ガス送気管51A,
51B、清浄ガス排出ライン52A,52B、パージガ
ス導入ライン56A,56B、配管53A,53Bに
は、それぞれバルブ511A,511B,521A,5
21B,561A,561B,531A,531Bが設
けられている。
【0024】再生手段3は、吸着塔21及び補助吸着塔
22の吸着剤に吸着した除去成分を脱着する真空ポンプ
31と、脱着した除去成分を冷却凝縮する凝縮器32
と、凝縮した除去成分を回収する凝縮液受槽33と、冷
却凝縮後の未凝縮除去成分を吸着するベントガス吸着塔
34と、ベントガス吸着塔34内に充填された吸着剤の
再生を行う間に使用される補助ベントガス吸着塔36と
から構成されている。再生手段3を構成するこれらの機
器は一体化されており、再生手段3は、台車37が取り
付けられることで、運搬可能な構造となっている。
【0025】真空ポンプ31は、吸着塔21、補助吸着
塔22に連結され、吸着塔21、補助吸着塔22内を減
圧し、吸着剤を再生する。この真空ポンプ31は、ドラ
イ型真空ポンプである。真空ポンプ31を使用して脱着
する際、吸着塔21または補助吸着塔22の真空度は絶
対圧で6000Pa以下が好ましく、さらに好ましく
は、絶対圧で3333Pa以下である。
【0026】凝縮器32は、真空ポンプ31を介して配
管53につながっている。凝縮器32には、熱交換用冷
媒を冷却するチラーユニット35が設けられ、7℃から
12℃の冷却水が供給されている。凝縮液受槽33に
は、図示しないが液面計が取り付けられており、凝縮し
た除去成分が液体となって凝縮液受槽33に溜まる。凝
縮液受槽33の上部には、凝縮液受槽33内の未凝縮除
去成分が送気される未凝縮ガス送気管61が取り付けら
れている。この未凝縮ガス送気管61は、二つに分岐し
ており、一方の未凝縮ガス送気管61Aはベントガス吸
着塔34の下部に、他方の未凝縮ガス送気管61Bは補
助ベントガス吸着塔36の下部に連結されている。未凝
縮ガス送気管61A、未凝縮ガス送気管61Bの中間に
はそれぞれバルブ611A,611Bが設けられてい
る。
【0027】未凝縮ガス送気管61Bのうちバルブ61
1Bが設けられている部分と補助ベントガス吸着塔36
と連結されている部分との間には、除去成分送気管64
が接続され、この除去成分送気管64は、配管53のバ
ルブ40と真空ポンプ31との間の部分まで延びて配管
53に接続されている。除去成分送気管64には、ベン
トガス吸着塔34の下部に設けられた管63が接続さ
れ、この管63には、バルブ631が設けられている。
除去成分送気管64のうち、管63との連結部分と、未
凝縮ガス送気管61Bとの連結部分との間には、バルブ
641が設けられている。
【0028】ベントガス吸着塔34及び補助ベントガス
吸着塔36の上部には、それぞれ清浄ガス排出ライン6
2A,62Bが設けられている。ベントガス吸着塔34
及び補助ベントガス吸着塔36内の吸着剤も真空ポンプ
31により、脱着されることで再生され、脱着の際、清
浄ガス排出ライン62A,62Bにそれぞれ設けられた
パージガス導入ライン66A,66Bからパージガスが
導入される。真空ポンプ31により、ベントガス吸着塔
34及び補助ベントガス吸着塔36内の吸着剤から脱着
された除去成分は、除去成分送気管64を通って、凝縮
液受槽33で回収される。なお、清浄ガス排出ライン6
2A,62B、パージガス導入ライン66A,66Bに
はそれぞれ、バルブ621A,621B,661A,6
61Bが設けられている。
【0029】次に、この吸着処理装置1を用いた排ガス
中に含まれる除去成分の吸着処理方法について説明す
る。なお、同一機能の機器には反応設備毎に同一の符号
が付しているが、同時に同じ操作を行わなければならな
いのではなく、実際には、反応設備Rごとに必要な時期
に同一の操作を行う。
【0030】(吸着塔21の吸着工程)まず、吸着塔2
1内の冷却コイル211を作動させる。次に、バルブ5
11B,521Bを閉めて、補助吸着塔22へつながる
排ガス送気管51B、補助吸着塔22からの清浄ガス排
出ライン52Bを遮断する。また、バルブ531A,5
31Bを閉め、吸着塔21及び補助吸着塔22と再生手
段3とを結ぶ配管53A,53Bを遮断する。さらに、
バルブ561A,561Bを閉め、吸着塔21及び補助
吸着塔22へのパージガス導入ライン56A,56Bを
遮断する。バルブ511A,521Aを開くことで、反
応設備Rから排出された排ガスは、吸着塔21を通り、
除去成分が除去された清浄ガスが清浄ガス排出ライン5
2Aから排出される。
【0031】(吸着塔21の脱着再生工程)吸着塔21
内の吸着剤が十分除去成分を吸着したら、吸着剤の再生
を行う。まず、再生手段3のチラーユニット35を起動
し、バルブ621A,611Aを開いて、未凝縮ガス送
気管61Aからの未凝縮除去成分がベントガス吸着塔3
4を通って、清浄ガス排出ライン62Aから大気へ放出
されるラインを開放する。次に、バルブ631,641
を閉め、管63及び除去成分送気管64を遮断する。ま
た、バルブ611B,621Bを閉めて未凝縮ガス送気
管61B及び清浄ガス排出ライン62Bを遮断し、補助
ベントガス吸着塔36を閉鎖する。
【0032】次に、吸着手段2において、バルブ511
B,521Bを開き、バルブ531Bを閉め、排ガス送
気管51Bからの排ガスが、補助吸着塔22を通り、清
浄ガスとなって清浄ガス排気ライン52Bから大気へ放
出される経路を形成する。さらに、バルブ511A,5
21Aを閉め、排ガス送気管51A及び清浄ガス排出ラ
イン52Aを遮断し、吸着塔21を閉鎖する。また、バ
ルブ531Aを開き、吸着塔21から脱着された除去成
分が配管53A及び配管53を通り、凝縮液受槽33で
回収される経路を形成する。真空ポンプ31を起動し、
バルブ40を開いて吸着塔21と真空ポンプ31とを連
結し、吸着塔21内を減圧する。吸着塔21内の圧力が
10000Pa以下に達したら、バルブ561Aを開
き、パージガスを吸着塔21内に導入する。これによ
り、吸着塔21内の吸着剤の再生が開始され、脱着した
除去成分は、凝縮器32で凝縮され、凝縮液受槽33で
回収される。
【0033】凝縮液受槽33内に生じた未凝縮除去成分
は、未凝縮ガス送気管61Aを通り、ベントガス吸着塔
34内の吸着剤に吸着され、清浄ガス排出ライン62A
から排出される。吸着塔21内を3333Paに保ち、
5分から20分経過したらバルブ561Aを微開状態ま
で絞り、吸着塔21内が大気圧と等しくなった時点でバ
ルブ561Aを完全に閉め、再生を終了する。さらに、
バルブ531A及びバルブ40を閉め、再生手段3と吸
着手段2との接続を遮断する。バルブ511A,521
Aを開き、排ガスが吸着塔21を通って清浄ガスとな
り、清浄ガス排出ライン52Aから排出される経路を形
成する。最後に、バルブ511B,521B,531B
を閉め補助吸着塔22を閉鎖する。
【0034】(補助吸着塔22の脱着再生工程)吸着塔
21の再生の場合と同じく、再生手段3において、清浄
ガスが排出されるよう経路を形成する。まず、バルブ5
11A,521Aを開き、排ガスが排ガス送気管51A
を通り、吸着塔21を介して清浄ガスとなり、清浄ガス
排出ライン52Aから大気へ排出されるようにする。バ
ルブ511B,521Bを閉め、排ガス送気管51B及
び清浄ガス排出ライン52Bを遮断し、補助吸着塔22
を閉鎖する。また、バルブ531Bを開いて補助吸着塔
22から脱着された除去成分が配管53B及び配管53
を通り、凝縮液受槽33で回収される経路を形成する。
【0035】次に、真空ポンプ31を起動し、バルブ4
0を開いて、補助吸着塔22と真空ポンプ31とを連結
し、補助吸着塔22内を減圧する。補助吸着塔22内の
圧力が10000Pa以下に達したら、バルブ561B
を開き、パージガス導入ライン56Bからパージガスを
補助吸着塔22内に導入する。これにより、補助吸着塔
22内の吸着剤の再生が開始され、脱着した除去成分
は、凝縮器32で凝縮され、凝縮液受槽33で回収され
る。補助吸着塔22内を3333Paに保ち、5分から
20分経過後にバルブ561Bを微開状態まで絞り、補
助吸着塔22内が大気圧になった時点で、バルブ561
Bを完全に閉止し、再生を終了する。バルブ531B、
バルブ40を閉め、配管53A及び配管53を遮断す
る。補助吸着塔22を使用する必要がなければ、バルブ
511B,521Bは閉めたままにしておき、補助吸着
塔22を閉鎖しておく。
【0036】(ベントガス吸着塔34の再生工程)ベン
トガス吸着塔34は、吸着塔21を数回から数十回再生
した時点で再生する。チラーユニット35を起動し、バ
ルブ40を閉め再生手段3と吸着塔21及び補助吸着塔
22とを遮断する。バルブ661A,661Bを閉め、
パージガス導入ライン66A,66Bを遮断する。さら
に、バルブ621A,611Aを閉めて、未凝縮ガス送
気管61A及び清浄ガス排出ライン62Aを遮断し、ベ
ントガス吸着塔34を閉鎖する。バルブ641を閉め、
バルブ611B,621Bを開き、未凝縮除去成分が、
未凝縮ガス送気管61Bを通り、補助ベントガス吸着塔
36に吸着され、清浄ガスとなって清浄ガス排出ライン
62Bから排出される経路を形成する。さらに、バルブ
631を開き、真空ポンプ31によりベントガス吸着塔
34の吸着剤から脱着された除去成分が管63を介して
除去成分送気管64へ排出される経路を形成する。
【0037】真空ポンプ31を稼働し、ベントガス吸着
塔34内が10000Pa以下に達したら、バルブ66
1Aを開き、パージガスを導入する。ベントガス吸着塔
34の吸着剤から脱着された除去成分は、管63を通
り、除去成分送気管64を通って、凝縮液受槽33で回
収される。凝縮液受槽33内に生じた未凝縮除去成分
は、補助ベントガス吸着塔36に吸着される。ベントガ
ス吸着塔34内の圧力を3333Paに保ち、5分から
20分経過後にバルブ661Aを微開状態まで絞り、バ
ルブ631を閉止する。ベントガス吸着塔34内が大気
圧になった時点でバルブ661Aを完全に閉止し再生を
終了する。さらに、バルブ611B,621Bを閉めて
補助ベントガス吸着塔36を閉鎖し、必要がなければ、
再生手段3を停止する。
【0038】(補助ベントガス吸着塔36の再生工程)
補助ベントガス吸着塔36は、ベントガス吸着塔34の
再生が数回から数十回行われた時点で再生を行う。チラ
ーユニット35を起動し、バルブ40、バルブ631,
661A,661Bを閉め、管63、パージガス導入ラ
イン66A,66Bを遮断する。バルブ611B,62
1Bを閉めて、未凝縮ガス送気管61B及び清浄ガス排
出ライン62Bを遮断し、補助ベントガス吸着塔36を
閉鎖する。バルブ611A,621Aを開いて、未凝縮
除去成分が、未凝縮ガス送気管61Aを通り、ベントガ
ス吸着塔34に吸着され、清浄ガスが清浄ガス排出ライ
ン62Aを通って排出されるよう経路を形成する。さら
に、バルブ641を開いて、補助ベントガス吸着塔36
の吸着剤から脱着された除去成分が、除去成分送気管6
4を通って凝縮液受槽33に回収される経路を形成す
る。
【0039】真空ポンプ31を稼働し、補助ベントガス
吸着塔36内が10000Pa以下に達したら、バルブ
661Bを開き、パージガスを導入する。補助ベントガ
ス吸着塔36の吸着剤から脱着された除去成分は、除去
成分送気管64を通って、凝縮液受槽33で回収され
る。凝縮液受槽33内に生じた未凝縮除去成分は、ベン
トガス吸着塔34に吸着される。3333Paで5分か
ら20分後にバルブ661Bを微開状態まで絞り、バル
ブ641を閉止する。補助ベントガス吸着塔36が大気
圧となった時点でバルブ661Bを完全に閉め、再生を
終了する。バルブ611A,661B,621Aを閉
め、必要がなければ、再生手段3を停止する。
【0040】従って、本実施の形態によれば、以下の効
果を奏することができる。吸着塔21の吸着剤が十分除
去成分を吸着した後、脱着が行われるため、従来の吸
着、脱着とを交互に繰り返す装置のように、吸着容量が
余ったまま、過剰に脱着されることがないので、真空ポ
ンプ31の運転時間が必要以上に長くなったり、真空ポ
ンプ31の能力を必要以上に高くしたりする必要がな
い。従って、運転コストや設備費がかからず経済的であ
る。
【0041】吸着剤に除去成分が十分吸着されないま
ま、再生を行うことがないので効率的に、除去成分を回
収することができる。さらに、吸着塔21から脱着した
除去成分のうち、凝縮できなかった未凝縮除去成分は、
ベントガス吸着塔34に吸着されるため、除去成分が大
気中に放出されることがなく、確実に除去成分の処理を
行うことができる。
【0042】除去成分が吸着剤に吸着した際に、吸着熱
が発生するが、一般的に、吸着塔21内が吸着熱により
45℃程度になると吸着剤の吸着能力が低下してしま
う。本実施形態では、吸着塔21の内部には、冷却コイ
ル211が設けられているため、吸着塔21内の温度上
昇を防止することができ、吸着剤の吸着能力の低下を防
ぐことができる。
【0043】吸着塔21を反応設備R毎に設けたため、
各反応設備Rに応じた時間に吸着塔21の再生を行うこ
とができる。さらに、各吸着塔21にはそれぞれ補助吸
着塔22とが設けられているため、反応設備Rから排ガ
スが連続的に発生する場合でも、排ガスが排出される任
意の時期に再生操作を行うことができる。また、補助吸
着塔22の吸着剤も再生手段3によって、吸着塔21が
排ガスを吸着している間に再生されるため、連続的に排
出される排ガスを連続的に処理することができる。
【0044】さらに、再生手段3内のベントガス吸着塔
34の吸着剤を再生する際、ベントガス吸着塔34の吸
着剤の再生を行う間に使用する補助ベントガス吸着塔3
6を設けたため、連続的に未凝縮除去成分を吸着させる
ことができ、再生手段3においても任意の時間にベント
ガス吸着塔34の再生を行うことができるため、吸着処
理装置1の管理が容易となる。
【0045】補助吸着塔22の再生は、吸着塔21の再
生に使用される再生手段3が用いられるため、新たな再
生手段を設ける必要がなく、設備費を削減することがで
きる。また、ベントガス吸着塔34,補助ベントガス吸
着塔36も吸着塔21、補助吸着塔22の再生に使用さ
れる真空ポンプ31等を用いて再生が行われるため、別
途真空ポンプ等の設備を用意する必要がなく、設備費の
削減を図ることができる。
【0046】さらに、吸着剤に大気からの水分が吸着さ
れてしまうと、除去成分の吸着容量が減少してしまうと
ともに、脱着時の真空ポンプ31の負担が増加してしま
う。これにより、真空ポンプ等の動力費の増加や設備の
大型化を招くこととなる。これに対し、清浄ガス排出ラ
イン52には、逆流防止手段23が設けられているた
め、大気の逆流を防止し、吸着剤への水分吸着を防ぐこ
とができるので、真空ポンプ31の動力費の増加や吸着
塔21等の設備の大型化を防ぐことができる。
【0047】吸着剤の再生時には、吸着塔21、補助吸
着塔22、ベントガス吸着塔34、補助ベントガス吸着
塔36内の圧力を絶対圧で3333Pa以下としてお
り、絶対圧が低いほど吸着剤から除去成分を脱着しやす
くなるため、完全に吸着剤の再生が行われ、吸着剤の除
去成分の吸着効率の低下を防止することができる。さら
に、吸着剤の再生時には、吸着塔21、補助吸着塔2
2、ベントガス吸着塔34、補助ベントガス吸着塔36
へパージガスを導入することにより、除去成分の分圧が
低下し、除去成分の脱着が行われやすくなる。しかし、
単純にパージガスを増やすと、除去成分の濃度が減少し
て、冷却凝縮による回収が困難になるため、吸着時に導
入される排ガスまたは、未凝縮除去成分のガスの流量の
1/10以下が好ましく、さらには、1/10から1/
20が最適値となっている。
【0048】複数の吸着塔21及び補助吸着塔22と、
真空ポンプ31とを配管53で接続し、バルブ40を切
り替えることで、吸着塔21及び補助吸着塔22と真空
ポンプ31とが連結され、吸着剤の再生が行われる構造
としたため、一つの再生手段3で、複数の吸着塔21、
補助吸着塔22の吸着剤を処理することができ、吸着塔
毎に再生手段を設ける場合に比べ、設備費の削減を図る
ことができる。さらに、それぞれの吸着塔21及び補助
吸着塔22と再生手段3とを配管53で接続し、バルブ
40を切り替えることにより各吸着塔21等が再生手段
3に連結されるため、吸着塔21等と再生手段との連結
に手間がかからない。
【0049】吸着塔21、補助吸着塔22,ベントガス
吸着塔34、補助ベントガス吸着塔36はすべて下部側
から、排ガスや未凝縮除去成分が導入され、その塔頂部
から清流ガスが排出される構造となっており、脱着の際
には、その塔頂部からパージガスが導入され、下部側が
真空ポンプ31に接続される構造となっている。これに
より、各塔内の吸着剤のうち、清流ガスが排出される上
部側に位置する吸着剤が高度に再生されるため、除去成
分の除去効率が向上し、除去効率の高い吸着処理装置1
とすることができる。
【0050】再生手段3は一体的に形成されており、こ
の再生手段3に台車37を設け、運搬可能な構造とした
ため、再生手段3を使用しない時間は、再生手段3を他
の場所に移すこともできる。熱交換用冷媒を冷却するチ
ラーユニット35を設けたため、安定的に冷水を供給す
ることができ、真空ポンプ31により脱着された除去成
分を効率的に凝縮することができる。
【0051】なお、本発明は前述の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での
変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、
前記実施形態では、再生手段3にチラーユニット35を
設けたが、安定的に30℃以下の冷却水を使用できる場
合、あるいは、凝縮する除去成分の性質によっては、チ
ラーユニット35を設けなくてもよい。また、通常、真
空ポンプ31の吐出側では除去成分は80度以上に達す
るため、一次冷却水を工業用水とし、二次冷却水をチラ
ーユニットにより冷却された水として使用してもよい。
このようにすれば、チラーユニットの負荷を低減するこ
とができる。さらに、凝縮する除去成分の凝固点が低い
場合には、不凍液を用いた冷凍機を設けてもよい。これ
によれば、凝固点が低い除去成分であっても確実に回収
することができ、吸着処理装置の精度の向上を図ること
ができる。
【0052】再生手段3には、ベントガス吸着塔34の
吸着剤の再生を行う間に発生する未凝縮除去成分を吸着
するための補助ベントガス吸着塔36を設けたが、ベン
トガス吸着塔34の吸着剤の再生を行う間に発生する未
凝縮除去成分を吸着塔21または、補助吸着塔22に吸
着させてもよい。このようにすれば、補助ベントガス吸
着塔36を設ける必要がないため、設備費の削減を行う
ことができる。
【0053】清浄ガス排出ライン52には、逆流防止手
段23を設けたが、逆流防止手段23はなくてもよい。
ただし、逆流防止手段23を設ければ、吸着塔21、補
助吸着塔22内への大気の逆流を防止でき、吸着剤への
水分の吸着を防止することができる。さらに、吸着手段
2において、吸着塔21毎に補助吸着塔22を設けた
が、複数の吸着塔に対し、一つの補助吸着塔を設けても
よい。このようにすれば、補助吸着塔の数を削減するこ
とができ、設備費の削減を図ることができる。また、排
ガスが連続的に発生するものでなく、吸着塔内の吸着剤
の再生時間を確保できるようなものであれば、補助吸着
塔を設けなくてもよい。このようにすれば、設備コスト
をより削減することができる。
【0054】反応設備R毎に一つの吸着塔21が設けら
れていたが、複数の反応設備から同時に排ガスが排出さ
れるような場合には、関連する複数の反応設備ごとに吸
着塔を設けてもよい。このようにすれば、排ガスの排出
時間の調整を図ることが容易であり、吸着処理装置1の
管理が容易となるからである。また、排ガスの排出時間
の調整を図ることができ、吸着塔の再生時間等を確保で
きるようであれば、全く関連のない複数の反応設備に一
つの吸着塔を設けてもよい。
【0055】さらに、吸着塔21と真空ポンプ31と
は、バルブ40が設けられた配管53で連結されている
ものとしたが、吸着塔21の再生の度に、真空ポンプ3
1と連結してもよい。また、前記実施形態では、再生手
段3に台車37を設け運搬可能なものとしていたが、台
車37を設けなくてもよい。ただし、台車37を設けれ
ば、再生手段3を使用しない間には、再生手段3を別の
場所に移すこともでき、スペースの有効利用を図ること
ができる。前記実施形態では、凝縮器32と、凝縮液受
槽33とを別体のものとしたが、シェルアンドチューブ
型の熱交換器を有する凝縮器とすれば、熱交換器の下部
に凝縮液受槽を一体的に設けることも可能である。
【0056】
【実施例】本発明の効果を確かめるために、次のような
比較実験を行った。 (実施例1)前記実施形態で説明した吸着処理装置1と
略同じ構造の吸着処理装置1Aを用いて、図2に示すベ
ンゼン貯蔵用CRTタンクT(容量1000kl)、3基
における排ガスの吸着処理を行った。発生風量はCRT
タンクT、1基分からの気温上昇時の発生ガス量30m
/hr、タンクランダウン相当分20m/hrであ
る。1週間、吸着塔21を運転し、2時間かけて順次3
基の吸着塔21内の吸着剤の再生を行った。なお、本実
施例で使用した吸着処理装置1Aには、補助吸着塔2
2、補助ベントガス吸着塔36は設けられていない。
【0057】(比較例1)図3に示すような吸着処理装
置100を用いて、同様のCRTタンクT、3基におけ
る排ガスの吸着処理を行った。この吸着処理装置100
は、吸着と脱着とを交互に行う二つの吸着塔101が設
けられた従来型のものである。この吸着塔101は6分
から10分毎に脱着が行われ、脱着した除去成分は冷却
処理され、液体として回収される構造となっており、冷
却処理後の未凝縮除去成分を含むガスは、廃棄ガスを通
過せしめる吸着塔101に戻されるものとなっている。
【0058】吸着処理装置1A,100のどちらにおい
ても、大気へ排出する清浄ガスの除去成分の含有濃度
は、30ppm以下となっていた。吸着処理装置1A及び
吸着処理装置100の建設費、運転費は下記の表1のよ
うになった。
【0059】
【表1】
【0060】本発明の吸着処理装置1Aと、吸着処理装
置100とを比較すると、吸着処理装置1Aは吸着処理
装置100に比べ、吸着剤の量が増えるものの、真空ポ
ンプ31の能力が低いものを使用することができ、さら
に、運転時間も短くすることができるので、建設費及び
運転費を大きく削減することができ、本発明の効果が顕
著に示された。
【0061】(実施例2)図4に示す吸着処理装置1A
を用いて、2つの異なる反応釜A,Bにおける排ガスの
吸着処理を行った。この吸着処理装置1Aは実施例2で
使用したものと同じ構造であるが、再生手段3は予め二
つの反応釜A,Bに接続されている。表2にそれぞれの
反応釜A,Bから発生する排ガスの量を示す。
【0062】
【表2】
【0063】反応釜Aでは1バッチ8時間であり、反応
釜Bでは、1バッチ6時間となっている。1日にそれぞ
れ2バッチ運転が行われている。吸着塔21内の吸着剤
の再生は反応釜A,Bバッチ分の運転後、30分かけて
行った。
【0064】(比較例2)図5に示す吸着処理装置10
0を用いて実施例2と同じ反応釜A,Bにおける排ガス
の吸着処理を行った。反応釜A,Bから発生する排ガス
量は、表2に示した通りである。吸着処理装置100は
比較例1で使用したものと同様の構造である。吸着処理
装置100の運転時間は、1日平均20時間であり、年
間330日稼働させた。吸着処理装置1A及び吸着処理
装置100の建設費、運転費は下記の表3のようになっ
た。
【0065】
【表3】
【0066】本発明の吸着処理装置1Aと、従来の吸着
処理装置100とを比較すると、実施例1及び比較例1
と同様、吸着処理装置1Aは吸着処理装置100に比
べ、吸着剤の量が増えるものの、真空ポンプ31の能力
が低いものを使用することができ、さらに、運転時間も
短くすることができるので、建設費及び運転費を大きく
削減することができ、本発明の効果が顕著に示された。
【0067】
【発明の効果】このような本発明によれば、効率的に排
ガス中の除去成分を回収し、運転コストや設備費のかか
らない経済的な吸着処理装置を提供できるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる吸着処理装置の概略
図である。
【図2】実施例1にかかる吸着処理装置の概略図であ
る。
【図3】比較例1にかかる吸着処理装置の概略図であ
る。
【図4】実施例2にかかる吸着処理装置の概略図であ
る。
【図5】比較例2にかかる吸着処理装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1,1A 吸着処理装置 2 吸着手段 21 吸着塔 22 補助吸着塔 23 逆流防止手段 3 再生手段 31 真空ポンプ 32 凝縮器 33 凝縮液受槽 34 ベントガス吸着塔 35 チラーユニット 36 補助ベントガス吸着塔 40 バルブ 53 配管

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガス中に含まれる除去成分を吸着する
    ための吸着剤を有する吸着手段と、前記吸着剤の再生を
    行うための再生手段とを有する吸着処理装置であって、 前記吸着手段は、前記吸着剤が充填された吸着塔を備
    え、 前記再生手段は、前記吸着塔内部を減圧して、前記吸着
    塔の吸着剤に吸着した前記除去成分を脱着するための真
    空ポンプと、脱着した除去成分を冷却凝縮する凝縮器
    と、凝縮した除去成分を回収する凝縮液受槽と、冷却凝
    縮後の未凝縮除去成分を吸着する吸着剤が充填されたベ
    ントガス吸着塔とを有し、これらが一体化されているこ
    とを特徴とする吸着処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の吸着処理装置において、 前記吸着手段は、排ガス発生源毎、または、関連する複
    数の排ガス発生源の集合毎に設けられた複数の吸着塔を
    備えることを特徴とする吸着処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の吸着処理装置に
    おいて、 前記再生手段は運搬可能な構造とされていることを特徴
    とする吸着処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の吸着処理装置に
    おいて、 前記各吸着塔と前記再生手段とがバルブが設けられた配
    管で接続され、前記バルブを切り替えることで各吸着塔
    と前記再生手段とが連結されることを特徴とする吸着処
    理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4の何れかに記載の吸着処
    理装置において、 前記吸着手段は、前記吸着塔の吸着剤の再生を行う間に
    発生する排ガスの除去成分を吸着するための補助吸着塔
    を有することを特徴とする吸着処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5の何れかに記載の吸着処
    理装置において、 前記吸着塔の排出口には、前記吸着塔内部への大気の逆
    流を防止する逆流防止手段が設けられていることを特徴
    とする吸着処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6の何れかに記載の吸着処
    理装置において、 前記真空ポンプは前記ベントガス吸着塔内の吸着剤の脱
    着を行うように構成され、 前記再生手段は、前記ベントガス吸着塔の吸着剤の再生
    を行う間に発生する前記未凝縮除去成分を吸着するため
    の補助ベントガス吸着塔を備えていることを特徴とする
    吸着処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7の何れかに記載の吸着処
    理装置において、 前記凝縮器には、熱交換用冷媒を冷却するチラーユニッ
    トが設けられていることを特徴する吸着処理装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011078973A (ja) * 2004-12-22 2011-04-21 Mitsubishi Electric Corp ガス状炭化水素の処理・回収装置及び方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011078973A (ja) * 2004-12-22 2011-04-21 Mitsubishi Electric Corp ガス状炭化水素の処理・回収装置及び方法

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