JP2840563B2 - 放散ガスに含まれる濃厚なガス状炭化水素の処理・回収方法 - Google Patents
放散ガスに含まれる濃厚なガス状炭化水素の処理・回収方法Info
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Description
を含んだままの状態で放散されるガスの処理、並びに該
ガス状炭化水素の補集・回収方法に関する。特に本発明
は、光化学スモックの原因物質の一つであるガス状炭化
水素の濃度を1VOL%以下にして大気中に放出するため
の工業的手段に係る、放散ガスに含まれる濃厚なガス状
炭化水素の処理・回収方法に関する。
ックがNOXとガス状炭化水素の反応によって生じるこ
とは、従来から知られている。このため、以前から日
本、米国、欧州をはじめとする先進国、最近では台湾、
メキシコ、中国、韓国等にいたるまで、発生源の要因と
なるNOX及び大気中に含まれる揮発性炭化水素の排出
濃度を法的に厳しく規制しており、この規則値をクリヤ
−するための工業的規模の装置が各地に多数設置されて
いる。
特に問題視されているのは、揮発性炭化水素類を貯蔵す
る際の荷揚げ時や積み卸し時に貯蔵タンク又は油槽船か
ら発生する放散ガスであり、また、タンクロ−リ−に積
む時にロ−リ−車から発生する放散ガスである。
処理・回収法として、従来から広く用いられているの
は、(1) 特公昭54−8632号公報、特公昭54−5789号公
報、特公昭58−022503号公報等に記載の手段による吸収
法、(2) ガス分離膜を用いる方法(ガス分離膜法)、(3)
−60〜−70℃に深冷して液化する方法、(4) 活性炭や合
成ゼオライトを用いる吸着法、である。
によるガス状炭化水素含有放散ガスの処理・回収法は、
日本ではもっとも広く使用されている方法である。この
吸収法による処理・回収法について、以下説明すると、
この方法は、 ・吸収塔にガス状炭化水素含有放散ガスを導入し、該放
散ガスと有機液体の吸収液とを向流的に気液接触せし
め、放散ガス中のガス状炭化水素を吸収液に吸収させる
工程、 ・吸収後のガスを吸収塔の頂部から大気中に放出する工
程、 ・ガス状炭化水素を吸収した吸収液を真空容器中にフラ
ッシュ蒸発させ、該吸収液からガス状炭化水素を分離・
回収する工程、 ・分離・回収後の吸収液を再度吸収塔に戻し、循環使用
する工程、 を含む方法である(前掲の特公昭58−022503号公報参
照)。
よるガス状炭化水素含有放散ガスの処理・回収法”で
は、吸収塔の頂部から大気中に放散されるガス状炭化水
素の濃度は、真空容器の真空度によって決定される。従
って、吸収塔頂部から大気中に放出されるガス状炭化水
素濃度を、例えば日本の各都府県が制定した公害防止条
例に基づいて5VOL%以下にするためには、30mmHg以下
の真空度に保持する必要がある。
メキシコ等の諸国では、米国の環境保護局(EPA)が定
めた1VOL%以下(38mg/L以下)の排出濃度にすることを
義務づけられている。この規制値をクリヤ−するために
は、前記(1)の吸収法を例に取れば、真空容器の真空度
を7mmHg以下にする必要があり、特に配管中を流れる吸
収液の抵抗ロスを考慮すると2mmHgないしはそれ以下に
する必要がある。
る場合、吸収液自身も一部蒸発し、循環使用に耐えられ
ない。一方、2mmHg程度の高真空で、しかも100〜2000
m3/Hrの大量の放散ガスを処理する真空ポンプは見当
らない。従って、前記(1)の吸収法では、放散ガス中の
炭化水素濃度を1VOL%以下にすることは至難であり、
未だに実現されていない。
(ガス分離膜法)についても同様であって、放散ガス中の
炭化水素濃度を1VOL%以下にする技術は、未だ完成さ
れていない。
液化する方法では、露点に達する迄はガス状炭化水素は
液化しない。例えば、放散ガス中の炭化水素の濃度が50
〜100VOL%の場合、その中のメタン、エタン、プロパン
等の軽い成分が少量であれば、−70℃以下に深冷すれば
辛うじてメタン、エタンを除いて露点に達し、1VOL%
をキ−プできる可能性がある。
は、この炭化水素(ガソリン等)の貯蔵又は出荷の場合を
例にとれば通常5〜50VOL%である。そして、ガソリンの
場合についていえば、−100℃近くまで深冷しないと1V
OL%以下をキ−プできない。なお、−70℃程度であれば
冷媒としてメチルクロライドが使用できるが、最近その
毒性が問題になっており、まして−100℃を達成できる
冷媒として経済的に使用可能なものが見当らない。
L%以下にキ−プし得る方法としては、現状では、前記
(4)の活性炭や合成ゼオライトを用いる吸着法である
が、この方法においても以下のような問題がある。即
ち、活性炭を用いてガス状炭化水素を吸着させる場合の
吸着熱は、ガソリンベ−パ−を例にとれば、10〜15KCAL
/モルであり、このガス量(ガソリン量)が多いと発生す
る吸着熱は莫大な量となる。このため、活性炭吸着塔の
温度が上昇し、しばしば発火する事故が生じる。
塔に導入する放散ガスに空気を混合し、単位時間当りの
吸着熱を減少させ、該吸着塔の温度上昇を約60℃以内に
保持することが考えられる。しかしながら、放散ガスに
わざわざ空気で薄めることは、不経済であり、しかも空
気の混合による被処理ガスの増加量に比例して吸着塔及
び付属装置が大きくなり、経済的に成立しない。
ことも考えられるが、冷却水を使用してもこの水の潜熱
しか利用できないので、さほどの冷却効果は期待できな
いものである。なお、冷却面積を大きくすることも、単
に冷却効果のみの理由で吸着塔を必要以上に大きくする
ことは、経済的ではない。
不燃性の冷媒による除熱方法も考えられるが、この方法
を採用すると、吸着熱を奪って蒸発した四塩化炭素を大
気中に放出することができず、この四塩化炭素ベ−パ−
を沸点以下に冷却して再度元の液体四塩化炭素に戻す必
要があり、この方法も経済的でない。
発潜熱の大きな液状炭化水素(例えば液体ガソリン)を冷
媒として使用する方法が開発されており、諸外国で広く
採用されている。この方法は、吸着塔の内外部に液状炭
化水素の通路を配設し、この中に液状炭化水素を通し、
その蒸発潜熱を利用して熱除去を行い、蒸発した炭化水
素ガスを同種の液体炭化水素で洗浄して回収する方法で
ある。
て冷却効果が優れているが、若し液体炭化水素の通路が
破損した場合、火災事故につながる恐れがあり、このた
め、家屋から遠く離して設置する必要があるという欠点
を有している。なお、この方法は、日本では許可されて
いない。
程及び脱着工程を交互に切り換えながら運転するのが一
般的である。この方法として、 ・PSA(Pressure Swing Adsorption)サイクル方式、 ・TSA(Temperature Swing Adsorption)サイクル方
式、 が従来より知られている。
るパ−ジガスとしてスチ−ムを用いる方法であるが、こ
の方法の欠点は、連続向流接触が難しいため、操作が非
定常化し、また、パ−ジガス中のN2、O2が一部吸着
し、吸着能の低下が生じ、その結果として吸着帯の一部
分でしか仕事をしないので効率が悪い。また、この方法
では、組み立てたままの状態で現地に設置できること、
いわゆる“スキットマウント”ができないという欠点も
有している。
SAサイクル方式は、脱着手段として電熱加熱などを用
いて加熱する方法であるが、この方法では、脱着は加熱
によって行われるので、吸着塔全体を加温、冷却する結
果になり、熱の損失が多く、伝熱に長時間を要する欠点
を有している。
%以下の希薄な放散ガスの処理法については、公知の活
性炭や合成ゼオライトを用いる吸着法が有効であり、こ
のような低濃度の放散ガス処理法としてこの吸着法が一
般的であが、濃厚なガス状炭化水素を含む100m3/Hr以
上の放散ガスを処理し、該ガスから効率よく炭化水素を
回収し、且つ大気中に排出するガス中の残存濃度を1VO
L%以下にするという経済的な方法が現存しない。
って、その目的は、濃厚なガス状炭化水素含有放散ガス
を処理し、該ガス状炭化水素を補集・回収する方法にお
いて、該放散ガスから効率よく炭化水素を回収すると共
に、大気中に排出するガス中の残存濃度を1VOL%以下
にし得る、濃厚なガス状炭化水素含有放散ガスの処理・
回収方法を提供することにある。また、本発明の目的
は、光化学スモックの原因物質の一つであるガス状炭化
水素の濃度を1VOL%以下にして放出するための工業的
手段を提供することにある。
成するため、濃厚なガス状炭化水素を含む放散ガスを処
理し、該放散ガス中のガス状炭化水素濃度を1VOL%以
下にして大気中に放出する手段として、濃厚なガス状炭
化水素を含む放散ガスを、 ・まず、公知の吸収法又はガス分離膜法により処理し、 ・続いて、循環水供給手段を備えた、吸着剤内蔵の吸着
装置により処理する、ことを特徴とし、一方、前記ガス
状炭化水素を回収する手段として、 ・上記吸収法により吸収されたガス状炭化水素、およ
び、上記吸着装置により吸着されたガス状炭化水素を、
真空ポンプで吸引して回収する、ことを特徴とする。
を含む放散ガスを処理し、上記ガス状炭化水素を回収す
る方法において、前記放散ガスを処理する手段として、
吸収法又はガス分離膜法により処理し、続いて、循環水
供給手段を備えた、吸着剤内蔵の吸着装置により処理
し、これにより、前記放散ガス中のガス状炭化水素濃度
を1VOL%以下にして大気中に放出し、一方、前記ガス
状炭化水素を回収する手段として、上記吸収法により吸
収されたガス状炭化水素、および、上記吸着装置により
吸着されたガス状炭化水素を、真空ポンプで吸引して回
収する、ことを特徴とする放散ガスに含まれる濃厚なガ
ス状炭化水素の処理・回収方法。」(請求項1)を要旨と
する。
備えた、吸着剤内蔵の吸着装置”として ・吸着剤層内部に減圧水を導入する内筒、管あるいはコ
イルを埋設した吸着装置を使用し、及び/又は、 ・ジャケットにコイルを巻き付け或いはジャケット内に
該減圧水を供給する吸着装置を使用し、そして、上記減
圧水として大気圧以下(望ましくは約150mmHg)の蒸気圧
を持つ減圧水により、吸着剤層内部の温度を80℃以下
(望ましくは約60℃)に保持するようにした(請求項2)。
じる吸着剤層内部の温度上昇をコントロ−ルする手段と
して、循環水の循環経路内に真空装置を配設し、循環水
の蒸気圧、即ち真空度を任意に変えるようにした(請求
項3)。
が困難であった「濃厚なガス状炭化水素を含む放散ガス
を処理し、大気中に排出するガス中の残存炭化水素濃度
を1VOL%以下にする」ことが容易に、しかも小型装置
により実施することができるものである。
等は、濃厚なガス状炭化水素の分離に広く使われている
吸収法又はガス分離膜法と、希薄なガス状炭化水素の分
離に広く使われている吸着法のそれぞれの長所を考慮に
入れながら、その欠点を克服することを技術的課題とし
て鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成したものであ
る。
濃厚なガス状炭化水素を含む放散ガスを処理するのに好
適であるが、前記したとおり、放散ガス中の炭化水素濃
度を1VOL%以下にする技術は完成されていない。な
お、この吸収法又はガス分離膜法によれば、処理後に大
気中に放出するガス中の該濃度は、通常2〜5VOL%であ
る。
生が少ない希薄なガス状炭化水素を含む放散ガスを処理
する場合に有効であり、この場合、通常入口の該濃度が
1VOL%以下、出口の該濃度がPPMのオ−ダである。この
吸着法の欠点は、前記したとおり、濃厚なガス状炭化水
素を含む放散ガスを処理する場合、多量の吸着熱が発生
するということである。
熱の大きな液体炭化水素(例えば液体ガソリン)を用いる
方法が開発されているが、前記したとおり危険を伴う。
また、冷媒として水又は低沸点で不燃性の四塩化炭素等
を用いることも考えられるが、前記したとおり、水の場
合、所望する冷却効果が期待できず、また、四塩化炭素
等の場合、吸着熱を奪って蒸発した四塩化炭素等を大気
中に放出することができず、沸点以下に冷却して再度元
の液体に戻す必要があり、経済的ではない。
を含む放散ガスの処理法として有効な吸収法又はガス分
離膜法と、希薄なガス状炭化水素を含む放散ガスの処理
法として有効な吸着法とを併用することを意図したもの
である。そして、この吸収法又はガス分離膜法と吸着法
とを併用するシステムを構築するに当たり、この併用の
メリットを生かすため、吸収法の場合は真空容器の真空
度を軽減して、また、ガス分離膜法の場合は膜にかける
放散ガス圧力を軽減して、次工程の吸着塔に導入するガ
ス中の炭化水素濃度を1VOL%に近づけるのではなく、
5VOL%程度の比較的高い炭化水素濃度にすることによ
って、この吸収法又はガス分離膜法による放散ガス処理
工程を極めて簡略化し、且つ小さな処理装置にする。
(以下“吸着工程”という)では、吸着塔に導入するガス
中の炭化水素濃度(5VOL%程度)は、吸着塔の出口濃度
(1VOL%以下)に比べればかなり濃いため、吸着層の温
度が高くなる。しかしながら、本発明は、この吸着工程
で、本発明者等が提案する新規な吸着装置(循環水供給
手段を備えた、吸着剤内蔵の吸着装置)を使用して上記
吸着熱を除去し、これによって吸着工程を簡素にし、且
つ小さな装置にすることが可能となり、その結果、これ
まで実現が困難であった「濃厚なガス状炭化水素を含む
放散ガスを処理し、大気中に排出するガス中の残存炭化
水素濃度を1VOL%以下にする」ことが容易に、しかも
小型装置により実施することができ、極めて経済的に有
利なシステムを構築することができる。
装置(循環水供給手段を備えた、吸着剤内蔵の吸着装置)
による吸着熱除去法について説明する。本発明者等は、
吸着熱を除去するための冷媒として水を用い、吸着熱に
よって際限なく上昇する吸着層内の温度を安全な温度範
囲内にコントロ−ルするべく冷却水の真空度を該温度に
連動させることにより吸着層内の温度を任意に設定し、
そして、冷却水を排出することなく循環使用することが
可能になる方法を見いだした。
って、 ・該吸着塔の内部に冷媒としての水を供給する内筒、管
あるいはコイルを埋設した吸着塔を使用し、及び/又
は、 ・ジャケットにコイルを巻き付け或いはジャケット内に
冷媒としての水を供給する吸着塔を使用し、上記内筒、
管、コイル、ジャケット内に冷媒としての水を循環さ
せ、吸着熱を除去する方法であり、この際、冷却水の真
空度を吸着層内の温度に連動させることにより、吸着層
内の温度を任意に設定できるようにしたものである。
を埋設した吸着塔にあっては、該吸着塔に対して縦断な
いしは横断するように1つ又はその外側にさらに1以上
の内筒を配設した吸着塔であって、該内筒の内・外部に
吸着剤を挿入した吸着塔を使用することができる。ま
た、吸着塔として、その内部に管を埋設した吸着塔にあ
っては、該吸着塔に対して縦断ないしは横断するように
1以上の管を配設した吸着塔であって、該管の外側に吸
着剤を挿入した吸着塔を使用することができる。
グラマブル指示計でTIC(Temperature Indicator Contro
ller)の信号とPIC(Pressure Indicator Controller)と
の信号とを比較し、常時TICの設定値(例えば60℃)をキ
−プするように、PIC弁をコントロ−ルして真空度を調
整するようにしたものである(後記図2参照)。
まり、安全な温度として約60℃が適当であれば、150mmH
gの減圧下で水を循環させることによって、60℃の水の
沸点に基づく蒸発潜熱(〉540Kcal/Kg)を吸着層から
奪って自らは気化する。この気化した水のベ−パ−(水
蒸気)は、循環水の貯槽の上部を真空ポンプ若しくはス
チ−ムエジェクタ−を用いて吸引し、大気中に吐出さ
せ、系外に排出させる。
ば、水の沸点は真空度を変えることにより任意に設定で
きるので、これを吸着塔の温度に連動させて真空度や減
圧水の循環量を変えることにより、吸着層内の温度を安
全な範囲にキ−プすることができる。
着装置を使用する理由は、以下のとおりである。すなわ
ち、従来から用いられている真空再生吸着法(PSA法)
は、放散ガス中の炭化水素を活性炭乃至合成ゼオライト
に吸着させ置換パ−ジを行った後、真空ポンプにて炭化
水素を脱着させることにより、放散ガス中の炭化水素を
高濃度で回収することができるが、真空ポンプで吸引す
る前の予備処理としての置換パ−ジ(N2、O2)の際の置換
ガスは、製品ガス、即ち真空ポンプで吸引したガス状炭
化水素を用いている。
の数倍にもなるため、該ガスの循環に要する動力が非常
に大きなものになる。そこで本発明では、前記した吸着
装置を用いることにより、吸着完了後吸着層をヒ−タ−
或いは熱交換器を用いて加熱し、吸着剤中の高濃度炭化
水素を真空ポンプで吸引して脱着させるものであり、そ
のため置換パ−ジ工程を省略できるという顕著な利点を
有する。
は、限定するものではないが、合成ゼオライト、特に活
性シリカが好適である。また、本発明は、これも限定す
るものではないが、ガソリン蒸気含有放散ガスの処理・
回収に好適であり、その他ベンゼン、アセトン、メタノ
−ルなどの低沸点の炭化水素を含む放散ガスにも適用で
き、これも本発明に包含されるものである。
いて説明する。図1は、本発明の一実施例を説明するた
めの炭化水素処理・回収装置を示したもので、前段に吸
収法を用いた場合の図である。また、図2は、後段の吸
着工程で使用する吸着装置の一例を示す図である。
の貯蔵タンク1から放散される約40VOL%のガソリンベ
−パ−は、導管2を経て吸収塔3に入る。吸収塔3の頂
部では、揮発しない重質な吸収液4が散布され、この中
にガソリンベ−パ−が吸収される。
含む吸収液4′は真空槽5に入る。この槽5は、真空ポ
ンプ6によって約30mmHgの真空度に保たれている。真空
槽5において、ガソリンを蒸発分離した吸収液4は、ポ
ンプ(図示せず)により再度吸収塔3の頂部に戻し、循環
使用する。
ベ−パ−は、100VOL%に近い濃度で回収塔7に導入す
る。回収塔7の頂部には、別に設けられているガソリン
タンク(図示せず)からのフレッシュな液体ガソリンが散
布され、この中にガソリンベ−パ−が溶け込み、そのま
ま元のガソリンタンクに戻して回収する。
は、2〜5VOL%のガソリンベ−パ−を含んでおり、この
ガスをブロワ−9及び水によるク−ラ−10を経て吸着塔
11、12に送る。吸着塔11、12は、吸着工程と脱着工程と
を交互に切り換えながら運転する。この切り換え時間は
3〜10分である。
用交換器で安全な温度範囲まで加熱され、更に真空ポン
プ13で吸引することにより脱着させる。脱着したガソリ
ンベ−パ−は、回収塔7に戻して液体ガソリンとして回
収する。吸着塔11(脱着工程に切り換え後は吸着塔12)の
頂部から排出されるクリ−ンな乾燥ガスは、1VOL%以
下のガソリンベ−パ−を含む湿分のある空気として大気
中に放出する。
を示す図である。図2において、吸着層22を内蔵する吸
着塔20の内部には、コイル21が埋め込まれており、この
中を減圧水23が50〜60℃の沸点を持ったまま循環してお
り、この減圧水23は真空容器24に貯えられる。
とにより一定の真空度に保たれている。真空ポンプ25の
吐出ガスは、水蒸気であるので大気に放出しても差し支
えない。吸着層22の温度は、プログラマブル指示計でTI
C(Temperature Indicator Controller)の信号とPIC(Pre
ssure Indicator Controller)との信号とを比較して、
常時TICの設定値(例えば60℃)をキ−プするように、PIC
V(PIC弁)をコントロ−ルして真空度を調整する。
r)が設けられており、循環水(減圧水23)の途中には水の
補給口26が設けられている。
ガス状炭化水素を、まず、公知の吸収法又はガス分離膜
法により処理し、続いて、循環水供給手段を備えた、吸
着剤内蔵の吸着装置により処理することを特徴とし、こ
れにより、これまで実現が困難であった「濃厚なガス状
炭化水素を含む放散ガスを処理し、大気中に排出するガ
ス中の残存炭化水素濃度を1VOL%以下にする」ことが
容易に、しかも小型装置により実施することができる効
果が生じる。
あるガス状炭化水素を処理・回収する方法において、従
来用いられていた吸収法或いはガス分離膜法では到底達
成できなかった米国の環境保護局(EPA)が定めた1VOL%
以下の規制値を完全にクリヤ−でき、さらに厳しくなる
ことが予想される規制値にも充分対応できるシステムを
構築することができる。
理・回収装置を示したもので、前段に吸収法を用いた場
合の図。
Claims (3)
- 【請求項1】 濃厚なガス状炭化水素を含む放散ガスを
処理し、上記ガス状炭化水素を回収する方法において、 前記放散ガスを処理する手段として、吸収法又はガス分
離膜法により処理し、続いて、循環水供給手段を備え
た、吸着剤内蔵の吸着装置により処理し、これにより、
前記放散ガス中のガス状炭化水素濃度を1VOL%以下に
して大気中に放出し、 一方、前記ガス状炭化水素を回収する手段として、上記
吸収法により吸収されたガス状炭化水素、および、上記
吸着装置により吸着されたガス状炭化水素を、真空ポン
プで吸引して回収する、 ことを特徴とする放散ガスに含まれる濃厚なガス状炭化
水素の処理・回収方法。 - 【請求項2】 前記吸着装置は、吸着剤層内部に大気圧
以下の蒸気圧を持つ減圧水を導入する内筒、管あるいは
コイルを埋設し、及び/又は、ジャケットにコイルを巻
き付け或いはジャケット内に該減圧水を供給する吸着装
置であって、吸着剤層内部の温度を80℃以下に保持する
ことを特徴とする請求項1記載の放散ガスに含まれる濃
厚なガス状炭化水素の処理・回収方法。 - 【請求項3】 前記吸着装置において、吸着熱の発生に
よって生じる吸着剤層内部の温度上昇をコントロ−ルす
る手段として、循環水の循環経路内に真空装置を配設
し、循環水の蒸気圧、即ち真空度を任意に変えるように
することを特徴とする請求項1記載の放散ガスに含まれ
る濃厚なガス状炭化水素の処理・回収方法。
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JP6-54514 | 1994-02-28 | ||
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JPH07284623A (ja) | 1995-10-31 |
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