JP2004121921A - 有機溶剤回収システム - Google Patents

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Abstract

【課題】環境への有機溶剤の拡散を安定的に低減することができる、有機溶剤含有ガスから有機溶剤を回収する効率の良い有機溶剤回収システム及びその方法を提供する。
【解決手段】有機溶剤を吸着処理し、脱着・回収処理することができる有機溶剤回収装置に、該有機溶剤回収装置から排出される吸着処理済ガスを受け入れ、該処理済ガス中にリークしている有機溶剤の吸着処理及び脱着処理ができ、且つ前記有機溶剤回収装置へ搬送することができるバックアップ処理装置を組み合わせる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶剤含有ガスを処理する方法に関し、殊に排気ガスの有機溶剤濃度を低減するための処理システム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有害大気汚染物質に対する排出濃度規制が強化されてきており、有機溶剤含有ガス処理装置からの排ガス濃度を低減することが望まれている。
【0003】
従来、上記のガス処理装置としては例えば活性炭素繊維材で有機溶剤含有ガス(被処理ガス)中の有機溶剤を吸着する一対の吸着槽と、各吸着槽に対する被処理ガス供給手段と脱着用ガス供給手段を設け、前記吸着吸着槽に被処理ガスを供給する吸着処理状態と、脱着用ガスを供給する脱着処理状態とに切り換える切り換え手段を設けて構成してあったが、さらに吸着後の排ガス濃度を低減し、しかも有機溶剤の回収効率を向上させるために、特許文献1では3個以上の吸着槽を設け、前記3個以上の吸着槽の内の複数の吸着槽が直列接続されて吸着処理状態になり、前記3個以上の吸着槽の内の少なくとも1個の吸着槽が脱着処理状態になるよう構成構成するとともに、前記脱着処理状態にある少なくとも1個の吸着槽は脱着処理状態に切り換えられる前において、前記複数の直列吸着状態の内の上手側に位置する吸着槽であるよう構成してある装置が提案されている。即ち、脱着処理後の有機溶剤成分の少ない吸着槽を複数の直列吸着槽の下手側に配し、バックアップとすることにより排気ガス中の有機溶剤濃度を安定的に低く抑えるものである。
【0004】
しかしながら、前記装置で有機溶剤を回収する場合の脱着処理は通常、スチームによって行うのでバックアップとなる下手側の吸着槽の吸着材は吸着処理工程に切り換わり後には、高温でしかも湿潤状態にあり、吸着初期には吸着材中の有機溶剤の微少な残存成分が吸着ガスによって押し出されたり、吸着材の湿りによって吸着効率が低下したり吸着ガスが素抜けたりし易い。
【0005】
特に、直列吸着によるバックアップ処理を行う場合は通常、被処理ガス濃度が数千〜数万ppmの高濃度であることと、直列の2回吸着であることから、脱着処理前の吸着材中の吸着量は低濃度、一段吸着処理の場合に比べて多く、前記押し出しによる排気濃度上昇が顕著になる。
【0006】
また、沸点が低く活性炭素材への吸着性が低い溶剤や水溶性の溶剤の場合は、吸着材の湿りによる吸着効率の低下や素抜けの程度が大きく、下手側のバックアップ槽にて処理後の排ガスであっても、脱着処理から切り換わり直後の吸着初期に、排気濃度が高くなる程度が大きく、排出濃度基準が非常に厳しい場合は要求を満足できなくなる。
【0007】
さらに、特許文献2では、環境への有機溶剤の拡散をできるだけ低減する目的で、被処理ガスの吸着とスチームによる脱着をバッチ処理で行う溶剤回収装置において、前記有機溶剤回収装置から排出される処理済ガスを、吸着材を担持したハニカム構造の管状孔を有機溶剤含有ガスの通路とした回転ドラム型有機溶剤処理装置に導入し、前記有機溶剤回収装置から排出される微少な有機溶剤をバックアップ処理すると共に、前記回転ドラム型有機溶剤処理装置の脱着処理ガスを前記有機溶剤回収装置に戻すよう構成されるシステムが提案されている。
【0008】
しかしながら、前記システムは以下に示すような不具合がある。
(1)前段の有機溶剤回収装置がスチーム脱着であるため、脱着スチームの凝縮水が吸着材(活性炭素繊維又は粒状活性炭)残留するため、脱着処理から切り換わり後の吸着処理においてスチーム凝縮水のミストが飛散しバックアップ装置の吸着性能を低下させる。また、ミストによる性能低下を防ぐためには、有機溶剤回収装置とバックアップ処理装置との間に水蒸気を冷却・除去できる冷却機構(例えばコンデンサー)を設ける必要があり、余分な設備コスト、ランニングコストかかる。
【0009】
(2)前段の有機溶剤回収装置がスチーム脱着であるため、有機溶剤回収装置から多量のスチームドレン水が回収されるので回収溶剤を再利用する場合の分離コストが非常に大きい。また、回収液を産業廃棄物として処理する場合でも処理コストが嵩む。
【0010】
(3)前段の有機溶剤回収装置がバッチ処理のため、吸着と脱着が切り替わる際に圧力変動が生じ、一次側(被処理ガス側)の圧力変動が許容されない工程の処理には適用できない。また、バックアップ処理装置の吸着工程に圧力変動が生じるのでバックアップ処理装置が吸着材を担持したハニカム構造の管状孔を有機溶剤含有ガスの通路とした回転ドラム型有機溶剤処理装置の場合には吸着と脱着の圧力バランス変動が前記バックアップ処理装置の性能低下を引き起こす原因となる。
【0011】
【特許文献1】
特開平2001−179041
【特許文献2】
特開平2009−308814
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
有機溶剤回収装置で処理した処理ガス中からリークした有機溶剤をバックアップ処理 装置によって環境に対して安全に対処する有機溶剤回収システム及び有機溶剤回収方法 において、有機溶剤回収装置がスチーム脱着であってバッチ式の場合は、有機溶剤回収 装置の排ガス中の有機溶剤濃度が不安定になり易い。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、環境への有機溶剤の拡散を安定的に低減することができる、有機溶剤含有ガスから有機溶剤を回収する効率の良い有機溶剤回収システム及びその方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、 下記A及びBを有する事を特徴とする有機溶剤回収システムである。
A:固体吸着剤粒子を有機溶剤含有ガス吸着部に連続的に供給し、該部で溶剤成分を吸着した吸着剤粒子を該装置の吸着剤再生部に送り、これを再生し、再生された吸着剤粒子を再び有機溶剤含有ガス吸着部に供給して連続的にガスを浄化すると共に、吸着剤の再生部で脱着した有機溶剤を液化回収するための凝縮部を備えた有機溶剤回収装置。
B:前記有機溶剤回収装置で吸着処理された処理済ガス中にリークした有機溶剤を連続又はバッチで吸着・脱着処理を行うことができ、該脱着処理された有機溶剤含有ガスが前記有機溶剤回収装置の吸着部に戻されるように構成されるバックアップ処理装置。
また本発明は、有機溶剤回収装置が多段流動層吸着装置であることを特徴とする有機溶剤回収システムである。また本発明は、バックアップ処理装置が、円柱状又は円筒状に形成されたハニカム状吸着体が吸着領域、再生領域を巡回し連続的に有機溶剤の吸・脱着処理を行うよう構成されている連続式吸・脱着装置であることを特徴とする有機溶剤回収システムである。また本発明は、バックアップ処理装置が、吸着とスチームによる脱着をバッチ処理で交互に行う2槽以上の吸着槽と脱着された有機溶剤を液化回収するための凝縮器)を備える有機溶剤回収装置であることを特徴とする有機溶剤回収システムである。また本発明は、吸着とスチームによる脱着を交互に切り換えて行うバッチ式バックアップ処理装置のコンデンサーの出口ガスラインを前記有機溶剤回収装置の有機溶剤含有ガスラインに合流させ、前記バックアップ処理装置のコンデンサーからの未凝縮ガスを前記有機溶剤回収装置にて吸着処理する有機溶剤回収システムである。またさらに本発明は、前記有機溶剤回収装置とバックアップ処理装置との間に、ガスクーラーを設け該有機溶剤回収装置からの処理済みガスの冷却を行うことを特徴とする有機溶剤回収システムである。
つまり、上記目的を達成し得た本発明の処理システム及び処理方法とは、固体吸着剤粒子を有機溶剤含有ガス吸着部に連続的に供給し、該部で溶剤成分を吸着した吸着剤粒子を該装置の吸着剤再生部に送り、これを再生し、再生された吸着剤粒子を再び有機溶剤含有ガス吸着部に供給して連続的にガスを浄化すると共に、吸着剤の再生部で脱着した有機溶剤を液化回収するための凝縮部を備えた有機溶剤回収装置と、前記有機溶剤回収装置で吸着処理された処理済ガス中にリークした有機溶剤を連続又はバッチで吸着・脱着処理を行うことができ、該脱着処理された有機溶剤含有ガスが前記有機溶剤回収装置の吸着部に戻されるように構成されるバックアップ処理装置とを有する点に要旨を有するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明の好ましい実施の一形態の例を示す有機溶剤回収システムフロー図である。本発明の有機溶剤回収システムは、大きく分けて有機溶剤含有ガスを導入することができ、有機溶剤を吸着処理し、脱着・回収処理することができる有機溶剤回収装置と、該有機溶剤回収装置から排出される吸着処理済ガスを受け入れ、該処理済ガス中にリークしている有機溶剤の吸着処理及び脱着処理ができ、且つ前記有機溶剤回収装置へ搬送することができるバックアップ処理装置とから構成される。
【0015】
図1において、工場、作業場からの排出ガス等の有機溶剤含有ガスは、送風機1により被処理ガス導入ライン2を搬送されて吸着塔3へ導入される。吸着塔3の上部に接続された吸着剤導入ライン4から吸着剤搬送ブロワ5の気流によって固体吸着剤粒子(例えば球形活性炭粒子)6が吸着塔3に導入される。
【0016】
吸着塔3の内部は複数の多孔板7からなる皿形段によって仕切られており、前記固体吸着剤粒子は多孔板7の持つ勾配に沿って流動層を形成しながら重力移動を行う。固体吸着材粒子の移動が上下向かい合う段で左右反対向きになるように段の勾配も上下の段で逆向きになっている。
【0017】
被処理ガス導入ライン2から導入された有機溶剤含有ガスは吸着塔3内を鉛直上向する気流となり、多孔板7からなる皿形段に沿って流動降下する固体吸着剤粒子6と向流接触することによって有機物が吸着除去される。
【0018】
有機溶剤含有ガスと接触し有機溶剤を吸着した固体吸着剤粒子6は、吸着塔3の下部に接続された吸着剤排出ライン8を通って、前記吸着剤搬送ブロワ5の気流によって吸着剤搬送ライン9、脱着部導入ライン10を経て脱着部11に導入される。
【0019】
脱着部11は電気ヒーター12によって外部から加熱され、脱着部を固体吸着剤 粒子が重力降下する間に吸着した有機溶剤を脱着できる温度まで加熱される。尚、前記ヒーターは固体吸着剤を効率よく加熱するのが目的であり、加熱方法は電気に限らず、オイルやスチームを熱媒とするヒーターであってもよい。
【0020】
前記脱着部の下方には脱着用ガス導入ライン13が接続されており、例えば窒素ガスを該脱着用ガス導入ライン13に導入し、脱着部で有機溶剤が脱着可能な温度まで加熱された固体吸着剤粒子6と接触し、固体吸着剤から有機溶剤を脱離する。前記脱着操作によって、有機溶剤を含む窒素ガスは脱着ガス排出ライン14を経てコンデンサー15に導入される。コンデンサーで冷却され凝縮した有機溶剤は有機溶剤回収タンク16で溜められ、溜まった溶剤はオーバーフローにて排出される。一方、未凝縮の有機溶剤を含む窒素ガスは未凝縮ガス排出ライン17を経て脱着部11の固体吸着剤導入部に導入され、ここで未凝縮の溶剤分が吸着される。尚、吸着処理する溶剤が不燃性である場合には脱着用ガスは空気でも良い。
【0021】
脱着部で脱着処理された固体吸着剤は、脱着部の底部から前記吸着材搬送ブロワ5によって吸着塔3の上部に接続された吸着材導入ライン4を経て吸着塔に導入され、再び有機溶剤を吸着する。以上説明したように固体吸着剤は、吸着部と脱着部を重力降下及び搬送ガスによって循環している。
【0022】
前記有機溶剤回収装置から排出される処理済ガスは、処理済ガス導入ライン18を通じて、円柱状又は円筒状に形成されたハニカム状吸着体が吸着領域、再生領域を巡回し連続的に有機溶剤の吸・脱着処理を行うことのできるバックアップ処理装置19に導入され、該処理済ガス中にリークしている有機溶剤は吸着され、同時に該バックアップ処理装置19で処理されたガスは清浄ガスとして排出される。
【0023】
さらに、バックアップ処理装置19は、濃縮された有機溶剤含有脱着ガスを溶剤回収装置の吸着塔3に戻す機能を有する(図1のア)。このシステムによって装置からの有機排出濃度を低減できるばかりでなく、有機溶剤回収装置、バックアップ処理装置とも脱着にスチームを用いないので、回収溶剤中の水分を最小限に抑えることができ、回収有機溶剤と共に回収される廃水処理費が非常に少なく、コストパフォーマンスの高いシステムである。
【0024】
前記有機溶剤回収システムはバックアップ処理のコストパフォーマンスを考えると被処理ガスの風量が中〜大風量(数百〜数千m/min)の場合に好適であるが、一方、被処理ガスの風量が小風量(数十m/min程度)で高濃度(数万ppm以上)の場合にはバックアップ処理装置はバッチ式の溶剤回収装置の方が有利となる場合が多い。また、バックアップ処理装置で発生する脱着スチームのドレン水の量も小風量の場合は装置が小型になるので少なくて済む。
【0025】
図2に、バックアップ処理装置として、吸着材22を充填した吸着槽23を備え処理ガス導入ダンパー24、25及び処理ガス排出ダンパー26、27の交互切り換えによって吸着とスチームによる脱着をバッチ処理で行い、脱着された有機溶剤を液化回収するための凝縮器(コンデンサー)を備える有機溶剤回収装置を用いた場合のシステムフロー図を示す。
【0026】
前記バッチ式バックアップ処理装置は、該バックアップ処理装置が脱着処理工程に切り換わる度毎に脱着スチームによって吸着槽内のデッドボリューム分の空気が押し出され、その空気がコンデンサーを経由することによって発生する、コンデンサー内の飽和溶剤分を含む高濃度の溶剤ガスを、前記有機溶剤回収装置の吸着塔3に戻す機能を有する(図2のイ)。
【0027】
図1、図2において、有機溶剤回収装置とバックアップ処理装置との間に有機溶剤回収装置から排出される処理済ガスを冷却するためのガスクーラーを設けても良い。前記有機溶剤回収装置は脱着にスチームを用いないので、処理済ガスと同伴するミスト分は無く、また、有機溶剤回収装置によって被処理ガス中の水分が吸着されているので、処理済ガス中の絶対湿度は非常に低く、ガスクーラーで冷却してもドレン水は生じず、ドレンの排出は不要である。
【0028】
有機溶剤回収装置に用いられる固体吸着剤粒子は球形のものが好ましく、素材は有機溶剤を吸着できるものであって、活性炭、ゼオライト、シリカゲル等が好ましい。また、バックアップ処理装置に用いられる吸着剤は、連続回転式のハニカム状吸着体であれば活性炭、ゼオライト、シリカゲルが好ましく、バッチ式であれば活性炭素繊維、粒状活性炭が好ましい。
【0029】
[実施例1]
図1に示される有機溶剤回収システムにおいて、以下に示す条件で被処理ガスを清浄化処理し、有機溶剤を回収した。
【0030】
除去成分として、メチルエチルケトン(MEK)1000ppmを含む温度25℃、相対湿度50%、被処理ガス風量50Nm/minで有機溶剤回収装置の吸着塔に供給した。また、吸着塔の塔径は1100mmφとし、吸着部は12段の多段トレイを有する多段流動床式の構成とした。これらの吸着部に、吸着剤として石油ピッチ系球状活性炭を流動させた。球状活性炭の循環流量は400kg/hとした。
【0031】
また、脱着部の塔径を800mmφとし、熱交換部には熱媒としてスチームを供給し間接加熱を行った。この時の脱着温度は140℃であり、キャリアガスとして窒素ガスを86m/hの体積流量で循環させた。さらに、凝縮部には冷媒として7℃のチラー水を流し、脱着された被除去成分を冷却して液化させた。その結果、吸着塔の出口における処理済ガスのMEK濃度は50ppmであった。
【0032】
この処理済ガスを継続的にバックアップ処理装置に導入した。バックアップ処理装置は、粒状活性炭を担持した直径770mm、厚み450mmのディスク型有機溶剤吸着濃縮装置を使用し、脱着処理は濃縮倍率が3倍となるように加熱空気量をコントロールした。バックアップ処理装置において脱着したMEK含有ガスを吸着塔に戻した。本実施例1のシステムにより清浄化されたガス(バックアップ処理装置での処理後のガス)中のMEK濃度は、1.8〜2.2ppm(平均2.0ppm)までに低減された。
【0033】
[実施例2]
図2に示される有機溶剤回収システムにおいて、以下に示す条件で被処理ガスを清浄化処理し、有機溶剤を回収した。
【0034】
除去成分として塩化ビニルモノマー(VCM)10000ppmを含む温度25℃、相対湿度50%、被処理ガス風量50Nm/minで有機溶剤回収装置の吸着塔に供給した。また、吸着塔の塔径は1100mmφとし、吸着部は16段の多段トレイを有する多段流動床式の構成とした。これらの吸着部に、吸着剤として石油ピッチ系球状活性炭を流動させた。球状活性炭の循環流量は540kg/hとした。
【0035】
また、脱着部の塔径を800mmφとし、熱交換部には熱媒としてスチームを供給し間接加熱を行った。この時の脱着温度は140℃であり、キャリアガスとして窒素ガスを60m/hの体積流量で循環させた。さらに、凝縮部には冷媒として7℃のチラー水を流し、脱着された水分を凝縮除去して、高濃度のVCMガスを得た。高濃度のVCMガスは工程に戻して再利用した。吸着塔の出口における処理済ガスのVCM濃度は480ppmであった。
【0036】
この処理済ガスを継続的にバックアップ処理装置に導入した。バックアップ処理装置は、一塔につき20kgの活性炭素繊維を充填した吸着塔を2塔使用し、吸着時間8分間、スチームによる脱着時間6分間の交互切り換え方式で、VCMの吸着と脱着を行った。脱着により得られたVCMとスチームの混合ガスはコンデンサーに導入し、スチームを凝縮させ、未凝縮のVCMガスは多段流動層吸着装置の吸着塔に戻した。本実施例2のシステムにより清浄化されたガス(バックアップ処理装置での処理後のガス)中のVCM濃度は、平均9.6ppmまでに低減された。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の有機溶剤回収システム及び有機溶剤回収方法は、環境への有機溶剤の拡散を安定的に低減することができ、有機溶剤含有ガスから有機溶剤を効率良く回収し、回収液の処理コストも安くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の一形態の例である、バックアップ処理装置としてディスク型有機溶剤吸着濃縮装置を用いた場合の有機溶剤回収システムフロー図である。
【図2】本発明の好ましい実施の一形態の例である、バックアップ処理装置としてスチーム脱着のバッチ切り換え式の有機溶剤回収装置を用いた場合の有機溶剤処理システムフロー図である。
【符号の説明】
1    送風機
2    被処理ガス導入ライン
3    吸着塔
4    吸着剤導入ライン
5    吸着材搬送ブロワ
6    固体吸着材
7    多孔板
8    吸着剤排出ライン
9    吸着剤搬送ライン
10    脱着部導入ライン
11    脱着部
12    電気ヒーター
13    脱着用ガス導入ライン
14    脱着ガス排出ライン
15    コンデンサー
16    有機溶剤回収タンク
17    未凝縮ガス排出ライン
18    処理済ガス導入ライン
19    バックアップ処理装置
20    ハニカム状吸着体
21    ヒーター
22    吸着材
23    吸着槽
24、25 処理ガス導入ダンパー
26、27 処理ガス排出ダンパー
28    スチーム導入ライン
29    回収ガスライン
30    コンデンサー

Claims (6)

  1. 下記A及びBを有する事を特徴とする有機溶剤回収システム。
    A:固体吸着剤粒子を有機溶剤含有ガス吸着部に連続的に供給し、該部で溶剤成分を吸着した吸着剤粒子を該装置の吸着剤再生部に送り、これを再生し、再生された吸着剤粒子を再び有機溶剤含有ガス吸着部に供給して連続的にガスを浄化すると共に、吸着剤の再生部で脱着した有機溶剤を液化回収するための凝縮部を備えた有機溶剤回収装置。
    B:前記有機溶剤回収装置で吸着処理された処理済ガス中にリークした有機溶剤を連続又はバッチで吸着・脱着処理を行うことができ、該脱着処理された有機溶剤含有ガスが前記有機溶剤回収装置の吸着部に戻されるように構成されるバックアップ処理装置。
  2. 有機溶剤回収装置が多段流動層吸着装置であることを特徴とする請求項1に記載の有機溶剤回収システム。
  3. バックアップ処理装置が、円柱状又は円筒状に形成されたハニカム状吸着体が吸着領域、再生領域を巡回し連続的に有機溶剤の吸・脱着処理を行うよう構成されている連続式吸・脱着装置であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の有機溶剤回収システム。
  4. バックアップ処理装置が、吸着とスチームによる脱着をバッチ処理で交互に行う2槽以上の吸着槽と脱着された有機溶剤を液化回収するための凝縮器)を備える有機溶剤回収装置であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の有機溶剤回収システム。
  5. 吸着とスチームによる脱着を交互に切り換えて行うバッチ式バックアップ処理装置のコンデンサーの出口ガスラインを前記有機溶剤回収装置の有機溶剤含有ガスラインに合流させ、前記バックアップ処理装置のコンデンサーからの未凝縮ガスを前記有機溶剤回収装置にて吸着処理する請求項4に記載の有機溶剤回収システム。
  6. 前記有機溶剤回収装置とバックアップ処理装置との間に、ガスクーラーを設け該有機溶剤回収装置からの処理済みガスの冷却を行うことを特徴とする請求項1乃至5に記載の有機溶剤回収システム。
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