JP2001137646A - 排ガスの吸着処理装置及び方法 - Google Patents

排ガスの吸着処理装置及び方法

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JP2001137646A
JP2001137646A JP32425099A JP32425099A JP2001137646A JP 2001137646 A JP2001137646 A JP 2001137646A JP 32425099 A JP32425099 A JP 32425099A JP 32425099 A JP32425099 A JP 32425099A JP 2001137646 A JP2001137646 A JP 2001137646A
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Japan
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adsorbent
temperature
exhaust gas
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JP32425099A
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English (en)
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Yukihisa Sudo
幸壽 須藤
Seiichi Ito
清一 伊藤
Naoki Aihara
直樹 相原
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Kureha Techno Engineering Co Ltd
Original Assignee
Kureha Techno Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストの増大を抑えつつ、排ガス中に含まれ
る被除去成分を従来に比して極めて高い効率で除去で
き、処理後の排ガスを被除去成分の濃度が十分に低減さ
れた清浄ガスとして排出できる連続式の排ガスの吸着処
理装置を提供する。 【解決手段】 本発明の排ガス処理装置100(排ガス
の吸着処理装置)は、吸着材90と排ガス1とが向流接
触して排ガス1中の有機成分9が吸着される吸着部11
と、吸着材90から有機成分9を低温で脱着して吸着材
90を再生する低温脱着部12と、低温再生吸着材90
Lの一部から有機成分9を高温で更に脱着して吸着材9
0を再生する高温脱着部22と、低温再生吸着材90L
の残部を吸着部11の返送部11Lに返送する搬送部1
7と、高温再生吸着材90Hを吸着部11の返送部11
Hに返送する搬送部27とを備え、排ガス1中の有機成
分9の濃度が十分に低減された清浄ガス10を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガスの吸着処理
装置及び方法に関し、詳しくは、有機成分等の被除去成
分を含む排ガスからそれらの被除去成分を除去する処理
を連続して行う排ガスの吸着処理装置及び方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、有機成分等の被除去成分を含む排
ガスを活性炭等の吸着材を用いて処理する排ガス処理装
置又は方法としては、大別して、バッチ処理型(バッチ
切換え型)と連続処理型が挙げられる。バッチ処理型
は、いわゆる固定床方式の処理を行うものであり、処理
槽に充填した破砕炭又は粒状炭、固定した繊維状活性炭
等を用いて被除去成分の吸着及び脱着を行う方法であ
る。この方式の装置としては、特開昭52−13487
4号公報、特公昭58−18131号公報等に記載のも
のがある。一方、連続処理型は、被除去成分の吸着部と
脱着部との間で吸着材を循環させ、排ガスを吸着部に連
続して通気する方式であり、例えば、特公昭53−86
64号公報、特開昭54−145374号公報、特公昭
63−40772号公報に、球状活性炭を用いた多段流
動床吸着・移動床脱着式の方法及び装置が開示されてい
る。
【0003】ところで、近年、オゾン層破壊や地球温暖
化といった地球レベルの環境問題が危倶されており、地
球環境保全のために、排ガス中に含まれる有機成分等の
濃度をこれまで以上に低減する技術が熱望されている。
これに対し、従来のバッチ処理型の装置又は方法では、
吸着材が破過に至るまで、処理した排ガス中の被除去成
分は概ね低濃度に抑えられる。しかし、再生した吸着材
の温度が十分に低下せず、被除去成分の濃度が高くなっ
てしまうことがあった。その結果、処理した排ガス中の
被除去成分の濃度を、今日望まれるレベルまで十分に低
減できなかった。また、水溶性の被除去成分の回収が困
難であったり、重装備な水処理設備が必要になるといっ
た課題があった。
【0004】他方、従来の連続処理型の装置又は方法で
は、活性炭の循環量、脱着用ガスの種類、脱着温度(通
常は、250℃未満の比較的低温)等の処理条件を被除
去成分の物性に応じて適宜選択することにより、処理し
た排ガス中の被除去成分が所望の濃度となるようにして
いる。処理した排ガス中の被除去成分の濃度は、少なく
とも再生された球状活性炭中に残留する被除去成分と吸
着平衡に達する濃度(平衡濃度)以下とはならない。よ
って、排ガス中の被除去成分の除去効率をより高めるに
は、活性炭中の残留量を極力減らす必要がある。このた
めの有効な手段としては、脱着温度を従来よりも極めて
高温にすることが考えられるが、設備が複雑化且つ大型
化してしまい、処理コストが大幅に増大するといった問
題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、こ
のような事情に鑑みてなされたものであり、コストの増
大を抑えつつ、排ガス中に含まれる被除去成分を従来に
比して極めて高い効率で除去でき、処理後の排ガスを被
除去成分の濃度が十分に低減された清浄ガスとして排出
できる連続式の排ガスの吸着処理装置及び方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、活性炭は熱伝
導率が低いことから、高温で脱着させる場合には、高温
脱着部の熱交換部の構造及び加熱方法に問題があって大
型化が非常に困難であり、経済的でもないことを見出し
た。また、排ガスの処理効率を更に高めるために活性炭
の循環量を増大させると、高温までの加熱は極めて困難
であることを確認した。これらの知見に基づき、本発明
者らは、連続処理型の排ガスの吸着処理装置において、
活性炭の循環量や脱着温度等と排ガス中の被除去成分濃
度との関係を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の排ガスの吸着処理装置
は、被除去成分を含む排ガスが吸着材に接触して被除去
成分が吸着材に吸着され、吸着材に吸着された被除去成
分が脱着されて吸着材が再生され、再生された吸着材が
再び排ガスと接触することにより排ガスを連続して処理
するものであって、吸着材を排ガスが流通する方向と対
向する方向に流動させつつ流下させて排ガス中の被除去
成分が吸着材に吸着される吸着部と、吸着部で被除去成
分を吸着した吸着材の少なくとも一部が移送され、この
吸着材から被除去成分を250℃未満の温度で脱着して
吸着材を再生する低温脱着部と、 (1)吸着部で被除去成分を吸着した吸着材の全部が低
温脱着部に移送されたときに、低温脱着部で再生された
吸着材の一部が移送され、この吸着材から被除去成分を
250℃以上の温度で脱着して吸着材を再生し、又は、 (2)吸着部で被除去成分を吸着した吸着材の一部が低
温脱着部に移送されたときに、吸着部で被除去成分を吸
着した吸着材の残部が移送され、この吸着材から被除去
成分を250℃以上の温度で脱着して吸着材を再生す
る、高温脱着部と、高温脱着部で再生された吸着材を、
吸着部において排ガスが流通する下流側の端部に返送す
る高温再生吸着材搬送部と、上記(1)の場合に、低温
脱着部で再生された吸着材の残部を、又は、上記(2)
の場合に、低温脱着部で再生された吸着材の全部を、吸
着部において、高温脱着部で再生された吸着材が返送さ
れる位置よりも排ガスが流通する上流側の所定位置に返
送する低温再生吸着材搬送部と、を備えることを特徴と
する。
【0008】このように構成された排ガスの吸着処理装
置においては、吸着部において排ガスと吸着材とが互い
に対向する方向に移動しながら接触(いわゆる向流接
触)し、排ガス中の被除去成分が吸着材に効率的に吸着
される。被除去成分を吸着した吸着材の全部又は一部
は、低温脱着部に移送され、250℃未満の温度(以
下、「低温」という)、好ましくは100〜230℃、
より好ましくは105〜180℃で被除去成分が脱着さ
れる。
【0009】一方、低温で再生された吸着材(以下、
「低温再生吸着材」という)中の被除去成分の残存量
は、従来と同程度まで低減される。一方、高温脱着部に
は、吸着部から直接、又は、低温脱着部を経て吸着材が
移送される。この吸着材は、250℃以上の温度(以
下、「高温」という)、好ましくは300〜600℃、
より好ましくは350〜500℃で被除去成分が脱着さ
れるので、高温で再生された吸着材(以下、「高温再生
吸着材」という)中の被除去成分は十分に低減されて実
質的にほぼゼロとなり得る。
【0010】高温再生吸着材は、吸着部において排ガス
が流通する下流側の端部、例えば、吸着部が多段流動床
を有するものであればその最上段に返送される。また、
低温再生吸着材は、高温再生吸着材が返送された位置よ
りも排ガスが流通する上流側の所定位置、例えば、吸着
部が多段流動床を有するものであればその中段部に返送
される。
【0011】よって、低温再生吸着材が返送される吸着
部内の位置では、排ガス中の被除去成分の濃度は少なく
とも低温再生吸着材中に残留する被除去成分と吸着平衡
に達する濃度以下にはならない。この濃度は、従来の低
温で活性炭(吸着材)を再生する装置又は方法で達成さ
れる濃度と同程度となる。したがって、被除去成分を低
濃度で含む排ガスが、低温再生吸着材の返送位置よりも
上流側に返送される。
【0012】そして、この被除去成分を低濃度で含む排
ガスは、高温再生吸着材と接触する。高温再生吸着材は
低温再生吸着材に比して、残留する被除去成分の量が極
めて少なくされるので、排ガス中に少量含まれる被除去
成分のほぼ全量が高温再生吸着材に吸着されうる。よっ
て、吸着部を通過した排ガス中の被除去成分の濃度は、
従来に比して格段に低減されて実質的にほぼゼロとな
る。
【0013】ここで、上記(1)で述べた場合には、高
温吸着部で再生される吸着材が低温再生吸着材のみとな
るので、高温脱着部のエネルギー消費量が低減され、或
いは、高温脱着部の小型化が図られる。また、上記
(2)で述べた場合には、低温脱着部における負荷は従
来と同等であるため、低温脱着部は従来と同等規模とさ
れ、これに高温脱着部が追加設置される。この高温脱着
部は、吸着材の全てを高温で再生する場合に比して極め
て小さな規模とすることができる。
【0014】また、高温脱着部で再生される吸着材の割
合が、低温脱着部で再生される吸着材の0.5〜20質
量%であるとより好ましい。この割合が20質量%を超
えると、高温脱着部で消費されるエネルギー量が顕著に
増大するので、排ガス処理におけるエネルギー効率が低
下する傾向にある。一方、この割合が0.5質量%未満
であると、吸着部において、ある程度被除去成分が除去
された排ガス中の被除去成分の濃度を十分に低減するこ
とが困難な傾向にある。
【0015】さらに、吸着材が球状活性炭であると一層
好ましい。このようにすれば、吸着材の流動性が高めら
れ、特に真球状とすれば流動性が一層高められる。ま
た、破砕炭等に比して粒度の揃った小粒径のものとし易
いので、吸着効率が高められて排ガスの処理速度が向上
される。
【0016】また、本発明の排ガスの吸着処理方法は、
本発明の排ガスの吸着処理装置を用いたときに好適な排
ガスの吸着処理方法である。すなわち、本発明の排ガス
の吸着処理方法は、被除去成分を含む排ガスを吸着材に
接触させて被除去成分を吸着材に吸着させ、吸着材に吸
着された被除去成分を脱着して吸着材を再生し、再生さ
れた吸着材を再び排ガスと接触させることにより排ガス
を連続して処理する排ガスの吸着処理方法であって、吸
着材を流動させながら、吸着材が流下する方向と対向す
る方向に排ガスを流通させて吸着材と接触させて排ガス
中の被除去成分を吸着材に吸着せしめ、被除去成分を吸
着した吸着材の少なくとも一部から被除去成分を低温で
脱着してこの吸着材を再生し、被除去成分を吸着した吸
着材の残部、又は、低温脱着部で再生された吸着材の一
部、から被除去成分を高温で脱着して吸着材を再生し、
高温で再生された吸着材を、排ガスが流通する下流側の
端部に返送し、低温で再生された吸着材の少なくとも一
部を、高温で再生された吸着材が返送される位置よりも
排ガスが流通する上流側の所定位置に返送することを特
徴とする。
【0017】さらに、低温で再生される吸着材の0.5
〜20質量%の吸着材を高温で再生すると好ましく、加
えて、吸着材として球状活性炭を用いるとより好まし
い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して詳細に説明する。なお、同一の要素には
同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】図1は、本発明による排ガスの吸着処理装
置の第1実施形態の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、排ガス処理装置100(排ガスの吸
着処理装置)は、吸着部11と二つの脱着部12,22
を備えており、各脱着部12,22にそれぞれ回収部1
3,23が接続されたものである。吸着部11は、内部
で吸着材90(後述する高温再生吸着材90H及び低温
再生吸着材90L)が流動されており、吸着材90が流
動する方向と対向する方向に有機成分(被除去成分)を
含む排ガス1が流通されている。すなわち、排ガス1
は、吸着部11内で吸着材90と向流接触するようにな
ってり、吸着材90に排ガス1中の有機成分が吸着され
る。そして、吸着部11を通過した排ガス1は、清浄ガ
ス10となって排ガス処理装置100の外部へ排出され
るようになっている。
【0020】一方、被除去成分を吸着した吸着材90
は、順次連続して低温脱着部12へ移送され、低温で有
機成分が脱着されて再生される。低温で再生された吸着
材90(低温再生吸着材90L)の一部は、吸着部11
に設けられた返送部11Lへ返送され、返送部11Lか
ら吸着部11の内部へ入る。これら吸着部11及び低温
脱着部12は、後述する処理塔110内に配置されてい
る。他方、吸着部11へ搬送された残りの低温再生吸着
材90Lは、高温脱着部22へ移送され、高温で有機成
分が更に脱着されてより再生される。高温で再生された
吸着材90(高温再生吸着材90H)は、吸着部11に
設けられた返送部11Hへ返送され、返送部11Hから
吸着部11の内部へ入る。また、高温脱着部22は、後
述する処理塔120内に配置されている。
【0021】返送部11Hは、吸着部11において排ガ
ス1が流通する下流側の端部に設けられており、返送部
11Lは、返送部11Hよりも排ガス1が流通する上流
側で、具体的には吸着部11の中段部に設けられてい
る。なお、上述の如く、低温再生吸着材90L及び高温
再生吸着材90Hは、再生状態が異なるのみであり、説
明の便宜上付した名称であって、以下、両者をまとめて
いうときには、「吸着材90」と記す。
【0022】図2は、図1に示す排ガス処理装置100
のより詳細な構成を示す模式断面図である。図2に示す
ように、排ガス処理装置100は、滞留部14、低温脱
着部12、吸着部11及び排気部15が結合された処理
塔110と、滞留部24上に高温脱着部22が結合され
た処理塔120とを備えている。また、低温再生吸着材
90Lの搬送部17(低温再生吸着材搬送部)が処理塔
110に設けられており、処理塔110,120にわた
って高温再生吸着材90Hの搬送部27(高温再生吸着
材搬送部)が設けられている。さらに、処理塔110,
120には、それぞれ被除去成分の回収部13,23が
接続されている。また、吸着材90としては、好ましく
は球状活性炭、特に好ましくは石油ピッチ系の球状活性
炭が用いられる。
【0023】処理塔110に配置された吸着部11は、
いわゆる多段流動床式の構成を成しており、吸着材90
が流動する多段トレイ11aを有している。また、吸着
部11は返送部11Lよりも上方で且つ返送部11Hが
設けられた上段部と、返送部11Lを含む下段部に分割
されている。さらに、吸着部11と低温脱着部12との
結合部には、吸着材90が流通できる流通管16a、及
び、排ガス1が流通できる分散部16bが設けられてい
る。
【0024】この流通管16aの側方の処理塔110側
壁には、配管41を通して排ガス1を供給するためのブ
ロアP1が接続されている。低温脱着部12は、複数の
中空管から成る熱交換部12aを有しており、中空管の
外部には熱源4から配管44を通してスチーム等の熱媒
が供給される。この熱交換部12aにおいて、吸着材9
0は、250℃未満、好ましくは100〜230℃、よ
り好ましくは105〜180℃に加熱される。また、低
温脱着部12の下端部にはブロアP5aが設けられた配
管45aが接続されており、キャリアガス5が、熱交換
部12a内で且つ中空管の内部へ供給されるようになっ
ている。低温脱着部12の上端部には、キャリアガス5
を循環させるための配管45cが設けられている。
【0025】また、処理塔110の最下部に位置する滞
留部14は、低温脱着部12を流下してきた低温再生吸
着材90Lを一時的に滞留させるためのものである。低
温再生吸着材90Lは、この滞留部14から、配管5
1,52,53、搬送器3a及び分離器3cで構成され
る搬送部17を通して吸着部11に設けられた返送部1
1Lを通しての吸着部11の中段へ返送される。搬送器
3aには、低温再生吸着材90Lの搬送用ガス2を搬送
器3aへ供給するためのブロアP2aが接続されてい
る。
【0026】さらに、処理塔110に接続された回収部
13は、低温脱着部12から配管47aを通して送気さ
れるキャリアガス5中の有機成分9(被除去成分)を凝
縮する凝縮部7aを有している。凝縮部7aには、有機
成分9を液化するために冷媒6が流されている。また、
回収部13は、凝縮された有機成分9を回収するための
回収槽8aを有している。さらに、配管48aから分岐
する配管47cは、キャリアガス5を低温脱着部12へ
送気するためのものである。そして、回収槽8aに回収
された有機成分9は配管49を通して排ガス処理装置1
00の外部へ排出されるようになっている。
【0027】一方、処理塔120に配置された高温脱着
部22には、先述した搬送部17を構成する分離器3c
に接続された配管60を通して低温再生吸着材90Lの
一部が移送される。また、高温脱着部22は、熱交換部
22aを有しており、高温脱着部22の周囲には、熱交
換部22aに接続された電気ヒーター等の熱源70が設
けられている。この熱交換部22aにおいて、移送され
てきた低温再生吸着材90Lは、250℃以上、好まし
くは300〜600℃、より好ましくは350〜500
℃に加熱される。さらに、高温脱着部22の下端部には
ブロアP5bが設けられた配管45bが接続されてお
り、キャリアガス5が熱交換部22a内へ供給されるよ
うになっている。高温脱着部22の上端部には、キャリ
アガス5を循環させるための配管45dが設けられてい
る。
【0028】また、高温脱着部22の下方に結合された
滞留部24は、高温脱着部22を流下してきた高温再生
吸着材90Hを一時的に滞留させるためのものである。
高温再生吸着材90Hは、この滞留部24から、配管6
1,62,63、搬送器3b及び分離器3dから構成さ
れる搬送部27を通して処理塔110の吸着部21へ搬
送され、返送部11Hから吸着部11内へ返送される。
また、搬送器3bには、高温再生吸着材90Hの搬送用
ガス2を搬送器3bへ供給するためのブロアP2bが接
続されている。
【0029】さらに、処理塔120に接続された回収部
23は、処理塔110に設けられた回収部13と同等の
構成を有している。すなわち、高温脱着部22から配管
47bを通して送気されるキャリアガス5中の有機成分
9を冷媒6により凝縮する凝縮部7b、及び、液化され
た有機成分9を、配管48bを通して回収するための回
収槽8bを備えている。また、キャリアガス5を高温脱
着部22へ送気するための配管47dが、配管48bか
ら分岐して設けられ、回収槽8bには、回収された有機
成分9を排ガス処理装置100の外部へ排出するための
配管49が接続されている。
【0030】次に、図2を参照して本発明による排ガス
の吸着処理方法の好適な実施形態について説明する。ま
ず、有機成分9として、例えば、n−ヘキサン等を含む
排ガス1を、ブロアP1によって吸着部11へ導入す
る。排ガス1は、分散部16bを通して、多段流動床を
構成する多段トレイ11aを通って上方へ移動する。吸
着部11の上段部及び下段部の多段トレイ11aには、
上方から下方へ向かって高温再生吸着材90Hを流動さ
せ、また、下段部の多段トレイ11aには低温再生吸着
材90Lも流動させる。
【0031】このとき、循環される高温再生吸着材90
Hの低温再生吸着材90Lに対する割合を、好ましく
は、0.5〜20質量%、より好ましくは2.5〜10
質量%とする。すなわち、図2に示す配管53を通して
吸着部11の中段に返送される低温再生吸着材90Lの
吸着材全量に対する割合を、好ましくは80〜99.5
質量%、より好ましくは90〜97.5質量%とする。
【0032】こうして、排ガス1を、順次、低温再生吸
着材90L及び高温再生吸着材90Hと向流接触させ
る。吸着部11の下段部に流動する低温再生吸着材90
Lは、後段の低温脱着部12において低温で脱着再生さ
れたものであり、従来と同程度の量の有機成分9を吸着
している。また、高温再生吸着材90Hは、高温脱着部
22において有機成分9の吸着量が低温再生吸着材90
Lに比して極めて低減されるが、吸着部11の上段部を
流動する間に有機成分9を吸着するので、吸着部11の
下段部に流動する高温再生吸着材90H中は、低温再生
吸着材90Lと同程度の有機成分9を吸着している。
【0033】これら吸着材90と接触した排ガス1は、
有機成分9の大部分が除去される。次いで、この排ガス
1を吸着部11の上段部へ導入し、上段部の多段流動床
を構成する多段トレイ11aに沿って流通させる。排ガ
ス1は、高温再生吸着材90Hと向流接触し、残存する
有機成分9が高温再生吸着材90Hにほぼ完全に吸着さ
れる。有機成分9が除去された排ガス1は、清浄ガス1
0として排気部15から排ガス処理装置100の外部へ
排出される。なお、図中黒丸で示す吸着材90は吸着状
態を示し、白丸は脱着状態を示す。
【0034】一方、吸着部11で有機成分9を吸着した
吸着材90を、流通管16aを通して自重で低温脱着部
12へ落下させる。吸着材90は、下方へ徐々に移動
し、熱交換部12aへ達する。熱交換部12aには、熱
源4から熱媒であるスチームを供給し、熱交換部12a
内の温度が、250℃未満、好ましくは100〜230
℃、より好ましくは105〜180℃となるように加熱
し、吸着材90から有機成分9を脱着させる。これによ
り、吸着材90を全て低温再生吸着材90Lとして再生
させ、図示しない間接冷却部によって冷却した後、滞留
部14へ導入する。なお、スチームが冷却されて生じた
水は、図示しないドレインへ排出させる。
【0035】そして、一時的に滞留させた低温再生吸着
材90Lを搬送器3aへ移送し、ブロアP2aにより圧
縮空気等の搬送用ガス2を搬送器3aに供給して低温再
生吸着材90Lを更に分離器3cへ移送する。このと
き、低温再生吸着材90Lの移送量は、搬送器3aの移
送量調整部で調整することができる。分離器3cへ吹き
上げられた搬送用ガス2及び低温再生吸着材90Lは分
離器3cで失速し、一部は吸着部11へ返送されて再び
吸着部11の下段部の多段トレイ11aを流動する。
【0036】また、ブロアP5aにより、低温脱着部1
2の下部にキャリアガス5として、被除去成分の物性に
影響を及ぼさないガス、例えば窒素ガスを供給する。キ
ャリアガス5は、熱交換部12aを流通し、脱着された
有機成分9を伴って上方へ移動する。このキャリアガス
5を凝縮部7aへ導入し、凝縮部7aに、例えばチラー
水といった冷媒6を供給して有機成分9を液化させ、回
収槽8aへ導入して回収する。回収された有機成分9は
必要に応じて回収槽8aから外部へ排出させる。
【0037】他方、分離器3cから分岐された低温再生
吸着材90Lの一部を、処理塔120の高温脱着部22
へ移送する。高温脱着部22では、低温再生吸着材90
Lを流下させ、熱交換部22a内の温度が、250℃以
上、好ましくは300〜600℃、より好ましくは35
0〜500℃となるように電気ヒーター等の熱源70で
加熱する。こうして、低温再生吸着材90Lに残存する
有機成分9をほぼ完全に脱着して高温再生吸着材90H
として再生する。また、脱着させた有機成分9をキャリ
アガス5によって凝縮部7bへ移送し、冷却して液化さ
せ、回収槽8bへ回収する。また、再生された高温再生
吸着材90Hを、搬送器3bへ移送し、搬送器3bの移
送量調整部で量を調整して搬送用ガス2によって更に分
離器3dへ移送した後、吸着部11の最上段へ搬送す
る。
【0038】以上説明した本発明の排ガスの吸着処理装
置及び方法によれば、吸着部11の下段部において、低
温再生吸着材90Lに排ガス1中の有機成分9の大部分
が吸着され、更に、残りの有機成分9が、吸着部11の
上段部において、低温再生吸着材90Lよりも有機成分
9の吸着容量が高められた高温再生吸着材90Hに吸着
される。これにより、排ガス1中の有機成分9をほぼ完
全に除去できる高度な排ガス処理が可能となり、従来に
比して有機成分9の濃度が格段に低減された(実質的に
ほぼゼロとなった)清浄ガス10を得ることができる。
また、吸着部11において排ガス1と吸着材90とが向
流接触するので、排ガス1中の有機成分9が吸着材90
に効率的に吸着される。したがって、排ガス1中の有機
成分9を高度に除去し、高効率で回収することができ
る。
【0039】また、このような従来よりも極めて高い有
機成分の除去効率を、高温脱着のみではなく、低温脱着
を併用して達成できるので、排ガス処理装置100全体
のエネルギー効率が高められて、処理コストの増大を抑
制できる。さらに、吸着材90を全て高温で脱着するに
は、スチーム等の比較的低温で且つ熱容量の大きな熱媒
とその熱源4を用いることができない。この場合、電気
ヒーター等の高温熱源を使用せざるを得ず、設備コスト
及び運転コストが顕著に増大してしまう傾向にある。特
に吸着材90として活性炭等の熱伝導率の小さい吸着材
を用いる場合には、熱交換部及び熱源の構造が複雑とな
ったり、また、複数台を並設する必要が生じて、設備コ
ストが莫大に増大するおそれがある。
【0040】これに対し、本発明の排ガス処理装置10
0では、低温脱着部12において吸着材90を脱着再生
する温度(低温)が、250℃未満、好ましくは100
〜230℃、より好ましくは105〜180℃とされて
いるので、低温脱着部12に用いる熱媒として、電気ヒ
ーター等の熱源70に比して経済性に優れる(コストが
安価)なスチーム等を用いることができる。よって、全
ての吸着材90を高温で脱着させる場合に比して、熱源
の設備費が少なくて済むとともに、高温脱着部22の小
型化が図られる。したがって、排ガス処理装置100の
設備コスト及び運転コストの増大を抑制できる。
【0041】さらに、高温脱着部22で再生される吸着
材90、すなわち高温再生吸着材90Hの割合が、低温
再生吸着材90Lの好ましくは0.5〜20質量%とさ
れているので、大部分(好ましくは80〜99.5質量
%)の吸着材90が、低温脱着部12のみで再生され
る。よって、高温脱着部22の規模を更に縮小できるの
で、排ガス処理装置100の設備コストの増大を一層抑
制できる。
【0042】またさらに、この高温再生吸着材90Hの
割合が20質量%を超えると、高温脱着部22で消費さ
れるエネルギー量の顕著な増大を招くおそれがある。一
方、この高温再生吸着材90Hの割合が0.5質量%未
満であると、吸着部11の下段部を流通してきた排ガス
1中に残存する有機成分9を十分に低減することが困難
な傾向にある。したがって、高温再生吸着材90Hの割
合を、低温再生吸着材90Lの好ましくは0.5〜20
質量%とすることにより、排ガス処理におけるエネルギ
ー効率の低下を十分に防止できる。
【0043】さらにまた、高温脱着部22において低温
再生吸着材90Lを脱着再生する温度(高温)が、25
0℃以上の温度、好ましくは300〜600℃、より好
ましくは350〜500℃とされているので、低温再生
吸着材Lに残留した有機成分9の脱着を確実に行うこと
ができる。
【0044】また、吸着材90として球状活性炭を用い
た場合には、吸着材90の流動性が高められるので、排
ガス1と吸着材90との接触効率が良好となり、吸着効
率が向上される。その結果、排ガス1の処理速度を高め
ることが可能となる。特に、球状活性炭として真球状の
ものを用いると、この傾向が更に顕著となる。また、球
状活性炭を用いると、破砕炭等に比して粒度の揃った小
粒径のものとし易いので、吸着速度が高められて有機成
分9との吸着平衡に達する時間が短縮される。
【0045】ここで、吸着部11を構成する多段トレイ
11aの段数、低温再生吸着材90L及び高温再生吸着
材90Hの返送位置(返送部11L,11Hに相当する
位置)は、排ガス1中の被除去成分である有機成分9の
濃度(原ガス濃度)、処理目標の濃度、有機成分9の吸
着特性等から適宜決定することができる。具体例として
は、被除去成分としての有機成分9の吸着特性曲線(吸
着等温線)に吸着効率及び段効率を考慮した図表に、原
ガス濃度及び処理目標濃度(例えば、1ppm以下)を
当てはめて、多段トレイの必要段数が決定される。
【0046】また、低温再生吸着材90Lの返送量は、
被除去成分の負荷量に対する操作吸着量(原ガスと平衡
な吸着量と低温再生吸着材90Lに残る被除去成分量の
差)で決定される。よって、この負荷量を吸着除去する
のに必要十分な量の低温再生吸着材90Lを、吸着部1
1の中段(中段トレイに相当する位置)に返送すること
により、従来の濃度域での吸着除去がなされる。
【0047】一方、高温再生吸着材90Hの返送量は、
低温再生吸着材90Lが返送された位置における排ガス
1中の被除去成分濃度及び排ガス1の量で決まる負荷量
に対する操作吸着量(中段トレイにおける排ガス1中の
被除去成分濃度と平衡な吸着量と高温再生吸着材90H
に残る被除去成分量の差)で決定される。よって、この
負荷量を吸着除去するのに必要十分な量の高温再生吸着
材90H(被除去成分が殆ど残っていない(ほぼゼロ)
もの)を、吸着部11の最上段に返送することにより、
処理後の排ガス1は被除去成分の濃度が十分に低減され
た清浄ガス10として排出される。なお、高温再生吸着
材90Hは、吸着部11の上段部で低濃度の吸着を行っ
た後、中段以降のより高濃度の吸着も行うことから操作
吸着量が大きく効率が高められる。
【0048】また、吸着部11における低温再生吸着材
90Lの返送位置は、排ガス1中の被除去成分の濃度が
低温再生吸着材90Lに残る被除去成分量と平衡な濃度
に近い多段トレイ11aの段とし、且つ、低温再生吸着
材90Lが返送されることにより目標濃度を十分に達成
できる段とする。一方、吸着部11における高温再生吸
着材90Hの返送位置は、高温再生吸着材90Hを返送
することによって排ガス1中の被除去成分の濃度が十分
に低減された清浄ガス10として排出できる段数の最上
段とする。このようにして、原ガス中の被除去成分濃度
及び処理目標濃度に応じて、吸着部11を構成する多段
トレイ11aの段数、低温再生吸着材90L及び高温再
生吸着材90Hの返送量並びに返送位置を最適化でき
る。
【0049】図3は、本発明による排ガスの吸着処理装
置の第2実施形態を示すの概略構成を示すブロック図で
ある。排ガス処理装置200(排ガスの吸着処理装置)
は、吸着部11で排ガス1中の有機成分(被除去成分)
を吸着した吸着材90の一部が低温脱着部12に、残部
が高温脱着部22へそれぞれ移送されるものである。他
の構成は図1及び2に示す排ガス処理装置100と同様
である。また、この排ガス処理装置200においても、
高温脱着部22へ移送されて高温で再生される吸着材9
0の割合は、好ましくは低温再生吸着材90Lの0.5
〜20質量%、より好ましくは同2.5〜10質量%と
することができる。
【0050】このように構成された排ガス処理装置20
0によれば、低温再生吸着材90Lが返送部11Lへ返
送されて吸着11内で有機成分が吸着される。低温再生
吸着材90Lで吸着されなかった有機成分は、吸着部1
1の上段側に返送される高温再生吸着材90Hによって
十分に吸着除去される。したがって、排ガス処理装置2
00においても、排ガス処理装置100同様に、従来に
比して有機成分の除去効率が格段に高められた高度な排
ガス処理が可能となる。また、高温脱着部22で再生さ
れる吸着材90は、吸着材90の一部、好ましくは低温
再生吸着材90Lの0.5〜20質量%、より好ましく
は同2.5〜10質量%であるので、高温脱着部22の
小型化が図られ、設備規模及びエネルギー消費量の増大
を抑制できる。したがって、コストの増大を十分に抑え
ることが可能となる。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0052】〈実施例1〉被除去成分として、n−ヘキ
サン2000volppmを含む温度25℃、相対湿度
(RH)50%の空気を、図1及び図2に示す構成の排
ガス処理装置100に連続して供給した。この空気の体
積流量は3000m3/h(標準状態)とした。また、
処理塔110の塔径(外径;以下同様)を1100mm
φとし、吸着部11は12段の多段トレイ11aを有す
る多段流動床式の構成とした(上段部6段、下段部6
段)。この吸着部11に、吸着材として石油ピッチ系球
状活性炭(呉羽化学工業(株)製;製品名G−BAC)
を流動させた。このときの球状活性炭の全循環流量(質
量流量)は、新炭換算で400kg/hとした。
【0053】また、低温脱着部12の塔径を1000m
mφとし、熱交換部12aには熱媒としてスチームを供
給して間接加熱を行った。このときの脱着温度は160
℃であり、キャリアガス5として窒素ガスを38m3
h(標準状態)の体積流量で循環させた。低温脱着部1
2で再生した球状活性炭は、吸着部11の多段トレイ1
1aの下から6段目のトレイに返送して循環させた。こ
のときの球状活性炭の循環流量(質量流量)は、新炭換
算で380kg/h(全循環流量の95%)とした。
【0054】一方、高温脱着部22の塔径を300mm
φとし、電気ヒーターによる間接加熱を行った。このと
きの脱着温度は400℃であり、キャリアガス5として
窒素ガスを2m3/h(標準状態)の体積流量で循環さ
せた。高温脱着部22で再生した球状活性炭は、吸着部
11の多段トレイ11aにおける最上段のトレイに返送
して循環させた。このときの球状活性炭の循環流量(質
量流量)は、新炭換算で20kg/h(低温脱着部12
における循環流量の5.3%)とした。
【0055】その結果、吸着部11の中段位置(多段ト
レイ11aの下から6段目の上方)におけるn−ヘキサ
ンの濃度は100volppmであり、吸着部11から
排出される排ガス(清浄ガス10)中のn−へキサン濃
度は、1volppm以下となった。また、低温脱着部
12に接続された回収部13では、n−ヘキサンが2
0.0kg/h、水が3.0kg/hの質量流量で回収
された。一方、高温脱着部22に接続された回収部23
では、n−ヘキサンが3.0kg/hの質量流量で回収
された。こうしてn−ヘキサンが合計23.0kg/h
の質量流量で回収された。
【0056】このように、排ガス中のn−ヘキサンの濃
度は1volppm以下となり、実質的に略ゼロとする
ことができた。このことから、本発明の排ガスの吸着処
理装置及び方法によれば、低温脱着部12と小型の高温
脱着部22とを設けることにより、排ガス中の被除去成
分を極めて高い除去効率で除去して回収することができ
ることが確認された。
【0057】〈実施例2〉図2に示す構成の排ガス処理
装置200を用いたこと以外は、上記実施例1と同様に
して排ガス処理を行った。この装置では、吸着部11か
ら低温脱着部12及び高温脱着部22へ吸着材90を分
岐して移送し、このときの低温脱着部12における球状
活性炭の循環流量(質量流量)は、新炭換算で380k
g/h(全循環流量の95%)とし、高温脱着部22に
おける球状活性炭の循環流量(質量流量)は、新炭換算
で20kg/h(低温脱着部12における循環流量の
5.3%)とした。
【0058】その結果、吸着部11の中段位置(多段ト
レイ11aの下から6段目の上方)におけるn−ヘキサ
ンの濃度は100volppmであり、吸着部11から
排出される排ガス(清浄ガス10)中のn−へキサン濃
度は、1volppm以下となった。また、低温脱着部
12に接続された回収部13では、n−ヘキサンが1
8.9kg/h、水が3.0kg/hの質量流量で回収
された。一方、高温脱着部22に接続された回収部23
では、n−ヘキサンが4.1kg/hの質量流量で回収
された。こうして実施例1と同様にn−ヘキサンが合計
23.0kg/hの質量流量で回収された。
【0059】〈比較例1〉高温脱着部22の運転を行わ
ず、吸着部と低温脱着部との間で球状活性炭の全量を循
環(循環流量(質量流量)は新炭換算で400kg/
h)させたこと以外は、実施例1と同様にして排ガス処
理を行った。その結果、吸着部11から排出される排ガ
ス中のn−へキサン濃度は、100volppmであっ
た。また、低温脱着部12に接続された回収部13で
は、n−ヘキサンが21.3kg/h、水が3.0kg
/hの質量流量で回収された。この結果より、排ガス中
のn−ヘキサンの濃度は原ガスの5%まで低減できるも
のの、排出ガス中の濃度は100volppmであり、
実施例1と比較すると、その除去性は十分なものではな
いことが確認された。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
排ガス中の被除去成分を吸着した吸着材を低温脱着部及
び高温脱着部において、それぞれ250℃未満及び25
0℃以上の温度で脱着させることにより、吸着材が低温
再生吸着材及び高温再生吸着材として再生される。そし
て、高温再生吸着材を吸着部において排ガスが流通する
下流側の端部に返送し、且つ、低温再生吸着材をより上
流側の所定位置に返送して循環させることにより、コス
トの増大を抑えつつ、排ガス中に含まれる被除去成分を
従来に比して極めて高い効率で連続して除去できる。し
たがって、処理後の排ガスを被除去成分の濃度が十分に
低減された(実質的にほぼゼロ)清浄ガスとして排出で
きる連続式の排ガスの吸着処理装置及び方法を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による排ガスの吸着処理装置の第1実施
形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による排ガスの吸着処理装置の第1実施
形態の構成を示す模式断面図である。
【図3】本発明による排ガスの吸着処理装置の第2実施
形態の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…排ガス、3a,3b…搬送器,3c,3d…分離
器、4,7…熱源、9…有機成分(被除去成分)、10
…清浄ガス、11…吸着部、11a…多段トレイ、12
…低温脱着部、11L…返送部、11H…返送部、12
a,22a…熱交換部、13,23…回収部、17…搬
送部(低温再生吸着材搬送部)、27…搬送部(高温再
生吸着材搬送部)、22…高温脱着部、90…吸着材、
90H…高温再生吸着材(吸着材)、90L…低温再生
吸着材(吸着材)、100,200…排ガス処理装置
(排ガスの吸着処理装置)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 8/12 311 B01D 53/34 117A 20/20 20/34 Fターム(参考) 4D002 AA33 AB03 AC10 BA04 BA13 BA15 CA08 DA41 DA70 EA03 EA08 GA01 GA02 GB01 GB02 GB03 GB06 GB11 4D012 CA11 CA12 CC07 CC14 CD01 CE01 CE03 CF04 CF08 CF10 CG01 CJ04 CK07 4G066 AA05B CA51 DA02 DA03 GA01 GA22 GA32 GA35 GA37 GA39 4G070 AA01 AB06 BB21 CA13 CB11 CB19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被除去成分を含む排ガスが吸着材に接触
    して該被除去成分が該吸着材に吸着され、該吸着材に吸
    着された該被除去成分が脱着されて該吸着材が再生さ
    れ、再生された吸着材が再び前記排ガスと接触すること
    により該排ガスを連続して処理する排ガスの吸着処理装
    置であって、 前記吸着材を前記排ガスが流通する方向と対向する方向
    に流動させつつ流下させて該排ガス中の前記被除去成分
    が該吸着材に吸着される吸着部と、 前記吸着部で前記被除去成分を吸着した吸着材の少なく
    とも一部が移送され、該吸着材から該被除去成分を25
    0℃未満の温度で脱着して該吸着材を再生する低温脱着
    部と、 前記吸着部で前記被除去成分を吸着した吸着材の残部、
    又は、前記低温脱着部で再生された吸着材の一部が移送
    され、該吸着材から該被除去成分を250℃以上の温度
    で脱着して該吸着材を再生する高温脱着部と、 前記高温脱着部で再生された吸着材を、前記吸着部にお
    いて前記排ガスが流通する下流側の端部に返送する高温
    再生吸着材搬送部と、 前記低温脱着部で再生された吸着材の少なくとも一部
    を、前記吸着部において、前記高温脱着部で再生された
    吸着材が返送される位置よりも前記排ガスが流通する上
    流側の所定位置に返送する低温再生吸着材搬送部と、を
    備えることを特徴とする排ガスの吸着処理装置。
  2. 【請求項2】 前記高温脱着部で再生される吸着材の割
    合が、前記低温脱着部で再生される吸着材の0.5〜2
    0質量%であることを特徴とする請求項1記載の排ガス
    の吸着処理装置。
  3. 【請求項3】 前記吸着材が球状活性炭であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の排ガスの吸着処理装
    置。
  4. 【請求項4】 被除去成分を含む排ガスを吸着材に接触
    させて該被除去成分を該吸着材に吸着させ、該吸着材に
    吸着された該被除去成分を脱着して該吸着材を再生し、
    再生された吸着材を再び前記排ガスと接触させることに
    より該排ガスを連続して処理する排ガスの吸着処理方法
    であって、 前記吸着材を流動させながら、該吸着材が流下する方向
    と対向する方向に前記排ガスを流通させて該吸着材と接
    触させて該排ガス中の前記被除去成分を該吸着材に吸着
    せしめ、 前記被除去成分を吸着した吸着材の少なくとも一部から
    該被除去成分を250℃未満の温度で脱着して該吸着材
    を再生し、 前記被除去成分を吸着した吸着材の残部、又は、前記低
    温脱着部で再生された吸着材の一部、から該被除去成分
    を250℃以上の温度で脱着して該吸着材を再生し、 前記250℃以上の温度で再生された吸着材を、前記排
    ガスが流通する下流側の端部に返送し、 前記250℃未満の温度で再生された吸着材の少なくと
    も一部を、前記250℃以上の温度で再生された吸着材
    が返送される位置よりも前記排ガスが流通する上流側の
    所定位置に返送する、ことを特徴とする排ガスの吸着処
    理方法。
  5. 【請求項5】 前記250℃未満の温度で再生される吸
    着材の0.5〜20質量%の吸着材を250℃以上の温
    度で再生することを特徴とする請求項4記載の排ガスの
    吸着処理方法。
  6. 【請求項6】 前記吸着材として球状活性炭を用いるこ
    とを特徴とする請求項4又は5に記載の排ガスの吸着処
    理方法。
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