JP3994157B2 - 有機汚染物を含有するガスを清浄化するための方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機汚染物をガス状で含有するガスを清浄化するための方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機溶剤等の有機汚染物をガス状で含有するガスを清浄化するために、内部に活性炭素繊維シートや粒状の活性炭等の吸着剤を充填した吸着剤室内に、有機汚染物含有ガスを導入して該汚染物を該吸着剤に吸着させた後、該吸着剤室内にスチーム又は温風を導入して該吸着剤に吸着した汚染物を脱離(脱着)させる方法が知られている。
しかし、このようなスチームを用いる方法は、一般に装置が大掛かりとなり、蒸気管理を必要とし、またスチームによる該吸着剤の加熱は伝熱によっているために、その加熱効率は余り高くなく、さらに装置全体における熱のロスを考慮に入れると、その加熱効率はかなり低く、ランニングコストが高くつくのが現状であった。また、溶剤等の汚染物の回収にはその溶剤を水から分離せねばならないため、公害防止のための厳しい水管理が必要であった。さらに、温風による加熱の場合、その熱容量が小さいため、液化回収にいたる濃度には十分に濃縮されず、効率が著しく低いのが現状であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有機汚染物をガス状で含有するガスを清浄化するために吸着剤を用いる方法及び装置において、該ガスを効率よく清浄化するための方法及び装置を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す有機汚染物をガス状で含有するガスを清浄化するための方法及び装置が提供される。
(1)有機汚染物をガス状で含有するガスを清浄化する方法において、
(i)該ガスを冷却して、該ガス中に含まれている該有機汚染物の一部を液化する冷却工程と、該冷却工程からのガスを吸着剤と接触させて、該ガス中に含まれている該有機汚染物を該吸着剤に吸着させる吸着工程からなる有機汚染物の除去工程Aと、
(ii)該有機汚染物を吸着した吸着剤を通電加熱するか或いは該吸着剤にマイクロ波を照射するか又は高周波電圧を印加することにより該吸着剤を発熱させて、該吸着剤中の該有機汚染物を脱着させる脱着工程と、該脱着工程で脱着された該有機汚染物を該冷却工程に移送する工程と、該冷却工程に存在するガスを該脱着工程へ移送する工程からなる吸着剤の再生工程B、を包含することを特徴とする有機汚染物含有ガスの清浄化方法。
(2)該再生工程Bにおいて、該脱着された該有機汚染物の該冷却工程への移送を、ポンプ又はファンで行う前記(1)に記載の方法。
(3)有機汚染物をガス状で含有するガスを導入する導入手段、該導入手段によって導かれた前記ガスを冷却して該ガス中に含まれている有機汚染物を液化する冷却手段、該冷却手段によって冷却されて液化した前記有機汚染物を液状で回収する回収手段、前記冷却手段によって液化されずに残留する前記有機汚染物ガスを導出する導出手段、該導出手段によって誘導された前記ガスを吸着剤と接触させて該ガス中に含まれている有機汚染物を前記吸着剤に吸着させる吸着手段、前記吸着剤を通電加熱するか或いは前記吸着剤にマイクロ波を照射するか又は高周波電圧を印加することにより該吸着剤を発熱させて、該吸着剤に吸着された前記有機汚染物を脱着させる脱着手段、該脱着手段で脱着された前記有機汚染物ガスを前記冷却手段にフィードバックさせる移送手段を備え、該移送手段の前に三方弁を設け、前記吸着手段が作動するときは該三方弁を大気へ放出する側に切り替えるとともに、その他のときは前記冷却手段側へ切り替えることにより、有機汚染ガスを再度冷却手段へ移送するようにしたことを特徴とする有機汚染物含有ガスの清浄化装置。
(4)有機汚染物を脱着させる脱着手段を経たガスを大気側または冷却手段側へ選択導出する三方弁が冷却手段側に切り替えられたとき、未浄化の有機汚染物ガスを強制的に冷却手段へ導入するポンプ又はファン装置を設けたことを特徴とする前記(3)に記載の有機汚染物含有ガスの清浄化装置。
(5)有機汚染物をガス状で含有するガスを清浄化する方法において、
(i)該ガスを複数の吸着剤室を有しその内の1つは常に加熱装置内に位置する吸着装置の、該加熱装置内に位置しない残りの複数の吸着剤室に導入し、該ガス中に含まれている該有機汚染物を該吸着剤に吸着させる吸着工程からなる有機汚染物の除去工程Aと、
(ii)前記有機汚染物を吸着した吸着剤室の1つを前記加熱装置内に位置させて当該吸着剤室内の前記吸着剤を通電加熱するか或いは該吸着剤にマイクロ波照射するか又は高周波電圧を印加することにより該吸着剤を発熱させて、前記吸着剤中の前記有機汚染物を脱着させる脱着工程と、該脱着工程で脱着された前記有機汚染物を該冷却工程に移送する工程と、該冷却工程に存在するガスを、前記脱着工程の吸着剤室を介して該冷却工程に循環させる工程からなる吸着剤の再生工程B、を包含し、該有機汚染物除去工程Aにおいては、該吸着剤室における吸着工程の終了後、他の吸着剤室において該吸着工程を行なうことを特徴とする有機汚染物含有ガスの清浄化方法。
(6)該再生工程Bにおいて、該脱着された該有機汚染物の該冷却工程への移送を、ポンプ又はファンで行う前記(5)に記載の方法。
(7)有機汚染物をガス状で含有するガスを導入する導入手段、該導入手段によって誘導された前記ガスを、複数の吸着剤室を有しその内の1つは常に加熱装置内に位置する吸着装置の、該加熱装置内に位置しない残りの複数の吸着剤室に導入し、吸着剤と接触させて該ガス中に含まれている有機汚染物を前記吸着剤に吸着させる吸着手段、前記有機汚染物を吸着した吸着剤室の1つを前記加熱装置内に位置させて当該吸着剤室内の前記吸着剤を通電加熱するか或いは該吸着剤にマイクロ波を照射するか又は高周波電圧を印加することにより該吸着剤を発熱させて、該吸着剤に吸着された前記有機汚染物を脱着させる脱着手段、該脱着手段で脱着された前記有機汚染物ガスを冷却して該ガス中に含まれている有機汚染物を液化する冷却手段、該冷却手段によって冷却されて液化した前記有機汚染物を液状で回収する回収手段、前記冷却手段によって液化されずに残留する前記有機汚染物ガスを前記吸着手段にフィードバックさせる移送手段を備えたことを特徴とする有機汚染物含有ガスの清浄化装置。
(8)該脱着された有機汚染物を該吸着剤室に存在するガスとともに該冷却装置へ移送させるための配管又は該冷却装置に存在するガスを該吸剤室に移送させるための配管に、ポンプ又はファンを介在させた前記(7)に記載の装置。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のガス清浄化方法の第1の態様は、冷却工程と吸着工程とからなるガス中に含まれるガス状の有機汚染物を除去する工程Aと、脱着工程と冷却工程とガス移送工程からなる有機汚染物を吸着した吸着剤から該有機汚染物を脱着させる吸着剤の再生工程Bを包含する。
以下、これらの工程について詳述する。
【0006】
(冷却工程)
この工程は、ガスを冷却して、それに含まれるガス状の有機汚染物を液化(凝縮)させてガス中から分離回収する工程である。
冷却温度は、ガス中に含まれている有機汚染物が液化する温度であり、通常、その沸点および系の温度よりも10℃以上低い温度、好ましくは30℃以上低い温度である。
【0007】
有機汚染物には、各種の揮発性有機化合物(VOC)、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物の他、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、トリクレン、メチレンクロライド等クロロカーボン類、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、HFC134a、PFC等の代替フロン類等が包含される。その有機汚染物の沸点は、通常、−50〜+250℃、特に−20〜+150℃の範囲である。
【0008】
有機汚染物を含むガスは、通常は空気であるが、他のガス(N2やアルゴン、水素、メタン等)であってもよい。ガス中に含まれる有機汚染物の割合は、通常、1volppm〜100vol%、特に、200volppm〜100vol%程度であるが、特に制限されない。
【0009】
冷却装置としては、その有機汚染物を液化し得るものであればどのようなものでよく、従来公知の各種のものを用いることができる。
【0010】
(吸着工程)
この工程は、前記冷却工程で大部分の有機汚染物が除去された後の通常、1volppm〜30vol%、好ましくは、100volppm〜5vol%の有機汚染物を含むガスを吸着剤に接触させて、それに含まれている有機汚染物を吸着分離する工程である。
吸着剤としては、有機汚染物に対して吸着性を示すものであればどのようなものでもよく、従来公知の各種のものを用いることができる。このようなものには、シリカ、アルミナ、マグネシア、ゼオライト、活性炭等が包含される。吸着剤の形態は、粉末状、顆粒状、シート状等の各種の形態であることができる。装置の構成によって適宜選定される。
【0011】
本発明で用いる好ましい吸着剤を例示すると、通電加熱、マイクロ波照射或いは高周波電圧の印加により発熱しうるように改良されたものであって、以下の通りである。
(i)繊維状活性炭、
(ii)表面に磁性体又は誘電体を被覆した粒状活性炭、
(iii)磁性体又は誘電体を内包した非炭素系吸着剤、
(iv)磁性体又は誘電体中に分散された吸着剤。
【0012】
(脱着工程)
この工程は、有機汚染物を飽和吸着した吸着剤を通電加熱するか或いは該吸着剤にマイクロ波を照射するか又は高周波電圧を印加することにより該吸着剤を発熱させて、それに含まれる有機汚染物を脱着させ、それによって吸着剤を再生する工程である。
前記吸着剤を発熱させる方法としては、例えば、下記の方法を示すことができる。
【0013】
(1)吸着剤として繊維状活性炭からなるシートを用い、このシートの両端に電極を付設し、その電極間に通電してその吸着剤シートを発熱させる方法。
(2)表面に磁性体又は誘電体を被覆した粒状活性炭を用い、これにマイクロ波を照射するか又は高周波電圧を印加して該粒状活性炭を発熱させる方法。
(3)非炭素系吸着剤に磁性体又は誘電体を分散させた吸着剤を用い、これにマイクロ波を照射するか又は高周波電圧を印加して、該吸着剤を発熱させる方法。
(4)基材が磁性体又は誘電体のハニカム型吸着剤にマイクロ波を照射するか又は高周波電圧を印加して、該吸着剤を発熱させる方法。
(5)磁性体又は誘電体を吸着剤の中に分散させた吸着層にマイクロ波を照射するか高周波電圧を印加して、該吸着剤を発熱させる方法。
【0014】
前記加熱方法のうち、特に(2)の方法が好ましい。この方法は、活性炭を基本にしている吸着剤を用いることから、高表面積でかつ安価に実施することができ、被覆剤として磁性体を用いる場合、その加熱温度を、その磁性体のキューリー点によりコントロールすることができるので特に好ましい方法である。
即ち、その吸着剤の温度が該磁性体のキューリー点に達すると、該磁性体は発熱しなくなる。従って、その加熱温度の上限を磁性体のキューリー点に制限することができ、吸着剤を、そのキューリー点の温度に均一に加熱することが可能となる。また、この磁性体で表面を被覆した粒状活性炭は、難燃性のものであることから、その取扱いが安全であるという利点を有する。
【0015】
また、(4)の方法で基材を磁性体で構成した吸着剤を用いる方法も好ましい方法である。この方法は、前記同様、キューリー制御が可能である。
【0016】
前記吸着剤の加熱温度は、吸着剤から脱着させる有機汚染物の種類によって決まり、その有機汚染物の沸点よりも高い温度であり、通常、その沸点よりも10〜150℃高い温度、好ましくは30〜100℃高い温度であり、脱着効率等を見て適宜選定する。例えば、有機汚染物がトルエン(bp:110℃)の場合、150〜200℃であり、アセトン(bp:56℃)の場合、80〜120℃程度である。
【0017】
(脱着された有機汚染物を冷却工程へ移送する工程)
この工程は、脱着工程で得られたガス状の有機汚染物を、該脱着工程に存在するガスとともに冷却工程へ移送させる工程である。
前記のようにして脱着工程を実施する場合、その脱着工程からは、脱着された有機汚染物を含むガスが生成される。このガス中に含まれる有機汚染物をガスから分離回収するために、該ガスを前記冷却工程へ移送し、ここでその有機汚染物を液化除去する。
該移送ガス中に含まれる有機汚染物の濃度は、通常、0.1〜100vol%、特に、5〜90vol%程度である。
【0018】
該有機汚染物を含有するガスを脱着工程から冷却工程へ移送させるには、脱着工程と吸着工程の間を配管で連結すればよい。この場合、そのガスの移送を完璧に行うために、ポンプやファン(ブロワー)等のガス移送手段を用い、これを脱着工程と冷却工程を連結する配管に介在させるのが好ましい。また、これらのポンプやファンは、冷却工程と脱着工程とを連結する配管に介在させることもできる。
【0019】
(冷却工程から脱着工程へのガスの移送工程)
この工程は、冷却工程に存在するガスを脱着工程へ移送させる工程である。
冷却工程から脱着工程に移送されたガスは、その脱着工程を通過するとともに、その間に脱着工程で脱着された有機汚染物を同伴し、さらに、脱着工程と冷却工程を連結する配管を通って冷却工程へ循環される。
【0020】
吸着剤に吸着した有機汚染物を吸着剤から脱着する操作中には、前記のように、冷却工程、脱着工程及び冷却工程を通るガスの循環流が生じる。これによって、脱着工程で脱着された有機汚染物は、迅速に冷却工程に移送され、ここで液化され、ガス中から分離回収される。
【0021】
次に本発明の第1の態様について、図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明を実施する場合のフローシートの1例を示す。
図1において、1はマイクロ波照射装置、2は表面に磁性体をコーティングした粒状活性炭(平均粒径:2mm)を石英管に充填した吸着剤容器、3は冷却装置、4は有機汚染物回収容器、5はファン、6、7は三方弁バルブ、8は有機汚染物含有ガス供給管、9は清浄化ガス排出管、10、11はガス移送用配管を示す。
【0022】
図1に示したフローシートに従って有機汚染物含有ガス(5vol%トルエン含有空気)を清浄化するには、該ガスをガス供給管8及び3方バルブ7を通って冷却装置3に導入する。冷却装置3は、2℃の水で冷却されており、その温度での飽和蒸気圧(トルエン濃度:1,000ppm)以上の濃度のトルエンは冷却されて液体となり、回収容器4に回収される。残った1,000ppmのトルエンを含む空気は、吸着剤容器2に導入され、ここでその空気中に含まれているトルエンが、その磁性体被覆粒状活性炭に吸着される。トルエン濃度がゼロになったガスは配管9を通って大気中に放出される。
吸着剤にトルエンが飽和吸着した時点で、3方バルブ6、7を切換えて、さらにポンプ5を駆動させるとともに、マイクロ波照射装置1より充填塔2の吸着剤にマイクロ波を照射する。吸着剤容器2内の吸着剤は磁性体損失によって200℃に加熱され、それに吸着されていたトルエンは脱着される。
【0023】
吸着剤から脱着したトルエンは、空気とともにファン5を有する配管11を通り、三方バルブ7を介して冷却装置3に導入され、ここで冷却される。この冷却により、空気中に含まれているトルエンは液化され、回収容器4に回収される。
冷却装置3内の空気は、配管10を通って吸着剤容器2内に導入され、その吸着剤容器2の吸着剤充填層を通過し、3方バルブ6、ファン5を有する配管11を通って冷却装置3に循環される。吸着剤容器2の吸着剤から脱着された有機汚染物は、この循環空気流に同伴して冷却装置3に導入される。
【0024】
本発明のガス清浄化方法の第2の態様は、吸着工程からなるガス中に含まれる有機汚染物を除去する工程Aと、脱着工程と冷却工程とガス移送工程からなる吸着剤再生工程Bを包含する。
以下、これらの工程について詳述する。
【0025】
(吸着工程)
この工程は、ガスを吸着剤に接触させて、ガス中に含まれる有機汚染物を吸着除去する工程である。吸着剤の具体例としては、前記した各種のものが挙げられる。
【0026】
(脱着工程)
この工程は、有機汚染物を吸着した吸着剤を電気的に直接加熱して、それに含まれる有機汚染物を脱着させ、それによって吸着剤を再生する工程である。この脱着工程を実施するための具体的方法としては、前記した各種の方法を示すことができる。
【0027】
(冷却工程)
この工程は、脱着工程からのガスを冷却して、それに含まれるガス状の有機汚染物を液化させてガス中から分離回収する工程である。この工程は、図1との関連で示した前記冷却工程と同様にして実施することができる。
【0028】
(脱着工程から冷却工程へのガスの移送工程)
この工程は、脱着工程に存在するガスを冷却工程へ移送する工程である。
脱着工程では、吸着剤に吸着されていた有機汚染物が過熱により脱着するが、この有機汚染物は、冷却工程へ移送され、ここで冷却液化され、液化された有機汚染物は回収される。
脱着工程から冷却工程へ移送されるガス中の有機汚染物の濃度は、0.1〜100vol%、特に、5〜90vol%である。
【0029】
(冷却工程から脱着工程へのガスの移送工程)
この工程は、冷却工程に存在するガスを脱着工程へ移送させる工程である。
冷却工程から脱着工程に移送されたガスは、その脱着工程を通過するとともに、その間に脱着工程で脱着された有機汚染物を同伴し、さらに、脱着工程と冷却工程を連結する配管を通って冷却工程へ循環される。
【0030】
吸着剤に吸着した有機汚染物を吸着剤から脱着する操作中には、前記のように、冷却工程、脱着工程及び冷却工程を通るガスの循環流が生じる。これによって、脱着工程で脱着された有機汚染物は、迅速に冷却工程に移送され、ここで液化され、ガス中から分離回収される。
【0031】
有機汚染物を含有するガスを脱着工程から冷却工程へ移送させるには、脱着工程と吸着工程の間を配管で連結すればよい。この場合、そのガスの移送を完璧に行うために、ポンプやファン(ブロワー)等のガス移送手段を用い、これを脱着工程と冷却工程を連結する配管に介在させるのが好ましい。また、これらのポンプやファンは、冷却工程と脱着工程とを連結する配管に介在させることもできる。
【0032】
次に本発明の第2の態様について、図面を参照しながら詳述する。
図2は本発明を実施する場合のフローシートの1例を示す。
図2において、20は吸着装置、21はマイクロ波照射装置、22は内部表面に吸着剤を塗布した磁性体で作られたハニカム形状の吸着層(吸着剤室)、23は冷却装置、24は有機汚染物回収容器、25はファン、26、27は脱離用蓋、28は有機汚染物含有ガス供給部、29は清浄化ガス排出部、30、31はガス移送用配管を示す。
【0033】
図2に示したフローシートに従って有機汚染物含有ガス(5vol%トルエン含有空気)を清浄化するには、該ガスをガス供給部28より、複数(4つ)の吸着剤室のうちの3つの吸着剤室22に導入する。ここでその空気中に含まれているトルエンが、そのハニカム内部表面に塗布された吸着剤に吸着される。トルエン濃度がゼロになったガスは反対側の清浄化ガス排出部29より大気中に放出される。
この吸着剤室を構成するハニカム状吸着層は回転しており、その吸着剤室22が脱離用蓋26、27の所にきた時点で、ファン25を駆動させるとともに、マイクロ波照射装置21より吸着剤室としてのハニカム形状吸着層22にマイクロ波を照射する。ハニカム形状吸着層の基材は磁性体損失によって200℃に加熱され、それに塗布された吸着剤に吸着されていたトルエンは脱着される。
【0034】
吸着剤から脱着したトルエンは、空気とともにファン25を有する配管30を通り、冷却装置23に導入され、ここで冷却される。この冷却により、空気中に含まれているトルエンは液化され、回収容器24に回収される。
冷却装置23内の空気は、配管31を通って脱離用蓋26からハニカム状吸着層22内に導入され、その吸着層を通過し、脱離用蓋27、ファン25を有する配管30を通って冷却装置23に循環される。ハニカム状吸着層22の吸着剤から脱着された有機汚染物は、この循環空気流に同伴して冷却装置23に導入される。
【0035】
以上のようにして、空気中に有機汚染物として含まれていたガス状のトルエンは、空気中から液体トルエンとして分離回収される。
前記した一連の吸着工程と脱着工程の操作終了後には、再び前記のようにして有機汚染物含有ガスの清浄化を行うことができる。特に、図2に示した装置を用いる清浄化方法は、セミ連続式であり、極めて効率的に実施することができる。
また、図2に示した装置を用いる清浄化方法は、吸着、脱着が一回でできる排出総量が小さい発生源で、装置自体が安価にできるため、特に優れた方法である。
【0036】
本発明においては、前記のように、冷却装置23、配管31、吸着層22及び配管30を通る循環ガス流を形成するが、これにより、ガス中から有機汚染物を、迅速かつ高率で回収することが可能となる。
吸着剤に吸着されていた有機汚染物を吸着剤から脱着させた後でも、前記循環ガス流を適当時間継続することにより、その脱着操作時の加熱により温度上昇した吸着剤を迅速に冷却することができる。
【0037】
冷却装置23は、クーラーのフィン形式のような冷却効率の良いものが望ましいが、有機汚染物によっては水で冷却するだけでも良い。冷却温度は冷却効率によって適宜選択される。例えば、トルエンの場合は、その冷却温度は20℃以下が望ましい。
【0038】
図2に示した吸着装置20は、4つの吸着剤室を持つ回転方式のものであるが、本発明で用いる吸着装置20は、このような回転方式に限定されるものではなく、他の方式、例えば、複数の吸着剤室を有する堅型又は横型の塔方式等であることができる。この場合の塔方式のものにおいては、吸着剤室は移動せずに、ガス流の流れが、配管と切替バルブによってコントロールされる。
【0039】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳述する。
【0040】
実施例1
図1に示したフローシートに従って、トルエンを5vol%含む空気を清浄化処理した。この場合の主要な操作条件を以下に示す。
【0041】
(A:有機汚染物の除去工程)
(1)ガス導入管8
トルエン濃度:5vol%
(2)冷却装置3
冷却温度:2℃
(3)配管10
トルエン濃度:1000 volppm
(4)吸着剤容器2
温度 25℃
(5)ガス排出管9
トルエン濃度:実質的にゼロ%
【0042】
[B:吸着剤再生工程(脱着工程)]
(6)吸着剤容器2
温度:200℃
(7)配管11
脱着開始時でのトルエン濃度:1000 volppm
(8)冷却装置3
濃度:2℃
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、有機汚染物をガス状で含むガス中から、該有機汚染物を液体として効率的に分離除去をするための方法及び装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する場合のフローシートの1例を示す。
【図2】本発明の方法を実施する場合の他のフローシートの1例を示す。
【符号の説明】
1 マイクロ波照射装置
2 吸着剤容器
3 冷却装置
4 液状有機汚染物回収容器
5 ファン
6、7 三方バルブ1、2
8 排ガス導入管
9 ガス排出管
10、11 ガス移送用配管
20 ガス吸着装置
21 マイクロ波照射装置
22 吸着剤室
23 冷却装置
24 有機汚染物回収容器
25 ファン
26、27 脱離用蓋
28 有機汚染物含有ガス供給部
29 清浄化ガス排出部
30、31 ガス移送用配管
Claims (8)
- 有機汚染物をガス状で含有するガスを清浄化する方法において、
(i)該ガスを冷却して、該ガス中に含まれている該有機汚染物の一部を液化する冷却工程と、該冷却工程からのガスを吸着剤と接触させて、該ガス中に含まれている該有機汚染物を該吸着剤に吸着させる吸着工程からなる有機汚染物の除去工程Aと、
(ii)該有機汚染物を吸着した吸着剤を通電加熱するか或いは該吸着剤にマイクロ波を照射するか又は高周波電圧を印加することにより該吸着剤を発熱させて、該吸着剤中の該有機汚染物を脱着させる脱着工程と、該脱着工程で脱着された該有機汚染物を該冷却工程に移送する工程と、該冷却工程に存在するガスを該脱着工程へ移送する工程からなる吸着剤の再生工程B、を包含することを特徴とする有機汚染物含有ガスの清浄化方法。 - 該再生工程Bにおいて、該脱着された該有機汚染物の該冷却工程への移送を、ポンプ又はファンで行う請求項1に記載の方法。
- 有機汚染物をガス状で含有するガスを導入する導入手段、該導入手段によって導かれた前記ガスを冷却して該ガス中に含まれている有機汚染物を液化する冷却手段、該冷却手段によって冷却されて液化した前記有機汚染物を液状で回収する回収手段、前記冷却手段によって液化されずに残留する前記有機汚染物ガスを導出する導出手段、該導出手段によって誘導された前記ガスを吸着剤と接触させて該ガス中に含まれている有機汚染物を前記吸着剤に吸着させる吸着手段、前記吸着剤を通電加熱するか或いは前記吸着剤にマイクロ波を照射するか又は高周波電圧を印加することにより該吸着剤を発熱させて、該吸着剤に吸着された前記有機汚染物を脱着させる脱着手段、該脱着手段で脱着された前記有機汚染物ガスを前記冷却手段にフィードバックさせる移送手段を備え、該移送手段の前に三方弁を設け、前記吸着手段が作動するときは該三方弁を大気へ放出する側に切り替えるとともに、その他のときは前記冷却手段側へ切り替えることにより、有機汚染ガスを再度冷却手段へ移送するようにしたことを特徴とする有機汚染物含有ガスの清浄化装置。
- 有機汚染物を脱着させる脱着手段を経たガスを大気側または冷却手段側へ選択導出する三方弁が冷却手段側に切り替えられたとき、未浄化の有機汚染物ガスを強制的に冷却手段へ導入するポンプ又はファン装置を設けたことを特徴とする請求項3に記載の有機汚染物含有ガスの清浄化装置。
- 有機汚染物をガス状で含有するガスを清浄化する方法において、
(i)該ガスを複数の吸着剤室を有しその内の1つは常に加熱装置内に位置する吸着装置の、該加熱装置内に位置しない残りの複数の吸着剤室に導入し、該ガス中に含まれている該有機汚染物を該吸着剤に吸着させる吸着工程からなる有機汚染物の除去工程Aと、
(ii)前記有機汚染物を吸着した吸着剤室の1つを前記加熱装置内に位置させて当該吸着剤室内の前記吸着剤を通電加熱するか或いは該吸着剤にマイクロ波を照射するか又は高周波電圧を印加することにより該吸着剤を発熱させて、前記吸着剤中の前記有機汚染物を脱着させる脱着工程と、該脱着工程で脱着された前記有機汚染物を該冷却工程に移送する工程と、該冷却工程に存在するガスを、前記脱着工程の吸着剤室を介して該冷却工程に循環させる工程からなる吸着剤の再生工程B、を包含し、該有機汚染物除去工程Aにおいては、該吸着剤室における吸着工程の終了後、他の吸着剤室において該吸着工程を行なうことを特徴とする有機汚染物含有ガスの清浄化方法。 - 該再生工程Bにおいて、該脱着された該有機汚染物の該冷却工程への移送を、ポンプ又はファンで行う請求項5に記載の方法。
- 有機汚染物をガス状で含有するガスを導入する導入手段、該導入手段によって誘導された前記ガスを、複数の吸着剤室を有しその内の1つは常に加熱装置内に位置する吸着装置の、該加熱装置内に位置しない残りの複数の吸着剤室に導入し、吸着剤と接触させて該ガス中に含まれている有機汚染物を前記吸着剤に吸着させる吸着手段、前記有機汚染物を吸着した吸着剤室の1つを前記加熱装置内に位置させて当該吸着剤室内の前記吸着剤を通電加熱するか或いは該吸着剤にマイクロ波を照射するか又は高周波電圧を印加することにより該吸着剤を発熱させて、該吸着剤に吸着された前記有機汚染物を脱着させる脱着手段、該脱着手段で脱着された前記有機汚染物ガスを冷却して該ガス中に含まれている有機汚染物を液化する冷却手段、該冷却手段によって冷却されて液化した前記有機汚染物を液状で回収する回収手段、前記冷却手段によって液化されずに残留する前記有機汚染物ガスを前記吸着手段にフィードバックさせる移送手段を備えたことを特徴とする有機汚染物含有ガスの清浄化装置。
- 該脱着された有機汚染物を該吸着剤室に存在するガスとともに該冷却装置へ移送させるための配管又は該冷却装置に存在するガスを該吸剤室に移送させるための配管に、ポンプ又はファンを介在させた請求項7に記載の装置。
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