JPH094451A - 排気管の排気干渉防止構造 - Google Patents
排気管の排気干渉防止構造Info
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Abstract
排気干渉の防止を図る排気干渉防止構造に関し、仕切り
板の熱変形に起因する応力緩和を図ることを目的とす
る。 【構成】 排気マニホールドの下流に接続される排気管
24内部に仕切り板26を配設して、排気管24の内部
空間を領域28と30とに区分する。仕切り板26の両
端を曲げ加工して、排気管24の内壁に接触する接触部
26a,26bを形成する。排気管24内部を径方向に
延在する仕切り部26cと、接触部26a,26bとの
間に、緩やかな曲率を有する案内部26d,26eを設
ける。仕切り板26に生ずる熱膨張・熱収縮は、案内部
26d,26eの近傍に生ずる仕切り板26の弾性変形
により吸収される。
Description
構造に係り、特に、多気筒内燃機関の排気管内で生ずる
排気干渉の防止を図る排気干渉防止構造に関する。
る多気筒内燃機関は、内燃機関の運転に伴う振動を抑制
する等の観点から、各気筒が異なるタイミングで一連の
行程を実行するように構成されている。例えば、4気筒
式内燃機関においては、各気筒が90°CAの位相差で
動作するように、かつ、第1気筒(♯1)と第4気筒
(♯4)とが180°CAの位相差で、また、第2気筒
(♯2)と第3気筒(♯3)とが180°CAの位相差
で、それぞれ動作するように構成されている。
°CA毎に異なる気筒から排気ガスが排出される。この
ようにして各気筒から排出される排気ガスは、排気管内
で互いに干渉し合う場合がある。そして、かかる排気干
渉が生ずると、内燃機関の排気効率が悪化し、出力特性
に悪影響が生ずる。
は、例えば実開昭63−196425号公報に開示され
る構造が知られている。図12は、上記公報に開示され
る排気管の断面図を示す。すなわち、上記公報には、図
12に示す如く、排気管10の内部に仕切り板12を設
けて、排気管内部を♯1と♯4とに連通する領域14
と、♯2と♯3とに連通する領域16とに区分する構造
が開示されている。
排出される排気ガスは領域14に、また、♯2および♯
3から排出される排気ガスは領域16にそれぞれ導かれ
る。この場合、90°CAの位相差で排出される排気ガ
ス同士が同一の領域14,16に排出されることがない
ため、排気管10内での排気干渉が良好に防止されるこ
とになる。
関の運転中に高温の排気ガスが流通する。このため、内
燃機関の運転・停止が繰り返されると、仕切り板12に
は熱膨張・熱収縮が生ずる。上記公報に開示される構造
において仕切り板12が幅方向に熱膨張した場合、排気
管10と仕切り板12とにその熱変形に起因する応力が
作用する。かかる状況下では、仕切り板12に座屈が生
ずる可能性がある。
の座屈を防止するために、従来用いられていた排気管1
0の内部構造を示す。同図に示す如く、仕切り板12の
下端部には弓状の切欠き12aが設けられている。かか
る構成によれば、仕切り板12の中央部近傍に作用する
応力が分散され易くなり、仕切り板12の座屈に対して
有利な状況を形成することができる。従って、図13に
示す構造によれば、仕切り板12の熱変形に起因する弊
害を抑制することができる。
示す構造の如く、仕切り板12に切欠き12aを設けた
場合、排気管10内部の領域14と16との仕切りが不
完全となる。領域14と16との仕切りが不完全となれ
ば、排気干渉を防止する能力が低下する。この意味で、
上記図13に示す構造は、熱変形に対する信頼性を向上
するうえでは有効であるものの、排気干渉を防止する構
造としては必ずしも最適な構造ではなかった。
であり、排気管の内部で仕切り板が熱変形した場合に不
必要な応力が発生しない構造を採ることにより、仕切り
板の熱変形に対する信頼性と、排気干渉防止に関する性
能とを高い水準で両立した排気管の排気干渉防止構造を
提供することを目的とする。
に記載する如く、排気管内部に仕切り板を設けて排気干
渉の防止を図る排気管の排気干渉防止構造において、前
記仕切り板に、その熱膨張方向に弾性変形可能な弾性変
形部を設けた排気管の排気干渉防止構造により達成され
る。
如く、排気管内部に仕切り板を設けて排気干渉の防止を
図る排気管の排気干渉防止構造において、前記排気管に
て前記仕切り板を、その熱膨張方向にスライド可能に保
持した排気管の排気干渉防止構造によっても達成され
る。
設される仕切り板は、熱膨張方向への弾性変形が可能と
なるように設けられている。このため、仕切り板が熱膨
張した際に仕切り板と排気管との間に作用する応力は、
仕切り板の復元力に起因する応力となり、仕切り板と排
気管との間に不必要な応力が作用するのが防止される。
また、仕切り板が熱収縮した場合は、仕切り板が元の形
状に復元し、仕切り板と排気管との間に隙間が形成され
るのが防止される。
内部の空間は、仕切り板によって区分されている。ここ
で、仕切り板は、排気管により、その熱膨張方向にスラ
イドすることができるように保持されている。このた
め、排気管内部で仕切り板に熱膨張、或いは熱収縮が生
じても、仕切り板に不必要な応力が作用することはな
い。
気干渉防止構造を用いて排気系を構成した内燃機関20
の側面図を示す。内燃機関20は、4気筒式内燃機関で
あり、♯1〜♯4の4つの気筒を備えている。4つの気
筒♯1〜♯4の排気ポートには、それぞれ排気マニホー
ルド22の枝管22-1〜22-4が連通している。排気マ
ニホールド22は、鋳造等により形成される部材であ
り、枝管22-1〜22 -4は、内燃機関20に接続される
側の端部で分離し、かつ、他端で一体化されるように形
成されている。
気マニホールド22を切断した際の断面図、すなわち、
排気枝管22-1〜22-4が一体化された部分の断面図を
示す。同図に示す如く、排気枝管22-1〜22-4は、そ
れらが外形状一体化された部分においても、その内部で
は互いに独立した管路を形成している。従って、内燃機
関20の各気筒♯1〜♯4から排出される排気ガスは、
排気枝管22-1〜22 -4の端部に至るまで、排気マニホ
ールド22の内部で干渉することはない。
は、排気枝管22-1〜22-4が一体化された部分におい
て、本実施例の要部である排気管24に接続されてい
る。以下、図3及び図4を参照して、排気管24の内部
構造について説明する。図3は、排気管24の底面図
(図1に示すIII 矢視図に相当する)を示す。また、図
4は、図3に示すIV-IV 直線に沿って排気管24及び排
気マニホールド22を切断した際の断面図を示す。
設されている。仕切り板26は、図3に示す如く、その
両端が互いに反対側に向けて湾曲されている。これらの
湾曲部分は、排気管24の内壁に接触する接触部26
a,26bを構成している。また、仕切り板26は、図
4に示す如く、その外形が排気管24の内壁に沿うよう
に成形されている。すなわち、上述した接触部26a,
26bは、仕切り板26の全長に渡って排気管24の内
壁に接触するように構成されている。尚、本実施例にお
いては、接触部26aを排気管24の内壁に溶接するこ
とにより、仕切り板26の固定を図っている。
間は、仕切り板26によって2つの領域28と30とに
区分されることになる。排気マニホールト22と排気管
24とは、排気枝管22-1及び22-4が領域28に連通
し、かつ、排気枝管22-2及び22-3が領域30に連通
するように組み付けられている。このため、排気枝管2
2-1及び22-4に排出される排気ガスは排気通路24の
領域28に、排気枝管22-2及び22-3に排出される排
気ガスは排気通路24の領域30に、それぞれ導かれる
ことになる。
れぞれ90°CAの位相差で動作するように、かつ、♯
1と♯4とが180°CAの位相差で、また、♯2と♯
3とが180°CAの位相差で、それぞれ動作するよう
に構成されている。従って、♯1又は♯4から排気ガス
が排出される時期と、♯2又は♯3から排気ガスが排出
される時期との間には、90°CAしか位相差が存在し
ないことになる。
から排出される排気ガスと、♯2及び♯3から排出され
る排気ガスとがそれぞれ異なる領域28,30に導かれ
る構成によれば、それらが排出される時期の位相差に因
らず、常に♯1及び♯4から排出される排気ガスと、♯
2及び♯3から排出される排気ガスとの干渉を防止する
ことができる。従って、排気管24によれば、排気干渉
に伴う排気効率の悪化を防止することができ、内燃機関
20に優れた出力特性を付与することができる。
6a,26bと、排気管24の内部を径方向に延在する
部分(以下、仕切り部26cと称す)との間には、緩や
かな曲率を有する部分(以下、案内部26d,26e)
が形成されている。かかる構成によれば、仕切り板26
の仕切り部26cに生ずる熱膨張は、仕切り板26が案
内部26d,26eの近傍で弾性変形することにより吸
収される。また、熱膨張した仕切り板26が熱収縮する
際には、仕切り板26の復元力により、熱膨張が生ずる
以前の状態が復元される。
板26が熱膨張した際に、仕切り板26と排気管24と
の間に作用する応力が、仕切り板26の復元力だけとな
ると共に、仕切り板26の熱膨張が解かれて仕切り板2
6が熱収縮する際に、接触部26a,26bと排気管2
4の内壁との間に隙間が形成されるのを防止することが
できる。
よれば、排気管24に高温の排気ガスが繰り返し供給・
遮断される環境下で、常に排気ガスの干渉を十分に防止
しつつ、仕切り板26および排気管24に不必要に大き
な応力が作用するのを防止することができる。
り板26を排気管24に固定する構造として、接触部2
6aを全長に渡って排気管24の内壁に溶接する構成と
しているが、仕切り板26を固定する構造はこれに限る
ものではなく、例えば、図5に示す如く接触部26a,
26bを千鳥状に溶接する構造、図6に示す如く接触部
26a,26bを対称に部分溶接する構造、或いは仕切
り板26を排気管24内に圧入して溶接を省略する構造
等を採ることも可能である。
26cと接触部26a,26bとの間に形成した案内部
26d,26eによって前記した弾性変形部を実現して
いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、弾性
変形部の形状として図7又は図8に示す如き形状を採用
することも可能である。
の排気干渉防止構造に係る排気管24の底面図を示す。
尚、図7において、上記図3に示す構成部分と同一の部
分には同一の符号を付してその説明を省略する。図7に
示す仕切り板32は、排気管24の内壁に接触する接触
部32a,32bの間に、緩やかな曲率でカーブを描く
仕切り部32cを備えており、その形状が全幅に渡って
S字曲面を描くように形成されている。かかる構成によ
れば、仕切り板32に生ずる熱膨張・熱収縮は、仕切り
板32がほぼ全体的に弾性変形することにより吸収され
る。この場合、弾性変形の生ずる部位が特定の部位に集
中しないため、仕切り板の局部に疲労が集中するのを防
止することができる。
の排気干渉防止構造に係る排気管24の底面図を示す。
尚、図8において、上記図3に示す構成部分と同一の部
分には同一の符号を付してその説明を省略する。図8に
示す仕切り板34は、排気管24の内壁に接触する接触
部34a,34bの間に形成される仕切り部34cに、
突起部34dを備えている。かかる構成によれば、仕切
り板32に生ずる熱膨張・熱収縮は、突起部34d近傍
に生ずる弾性変形により吸収される。従って、本実施例
の構造によっても、上述した他の実施例と同様の効果を
得ることができる。
す構造は、仕切り板26,32,34に生ずる熱膨張
を、仕切り板26,32,34が弾性変形することによ
り吸収する構造である。これに対して、仕切り板の少な
くとも一端を摺動可能に保持することとすれば、仕切り
板に弾性変形を生じさせるまでもなく、その熱膨張を吸
収することができる。
第4実施例である排気管の排気干渉防止構造に係る排気
管24の底面図を示す。尚、図9において、上記図3に
示す構成部分と同一の部分には同一の符号を付してその
説明を省略する。図9に示す構造においては、平板状の
仕切り板36が用いられる。排気管24の内壁には、仕
切り板36の板厚に合わせて対向配置される保持部38
a,38b、及び保持部38c,38dが溶接されてい
る。仕切り板36は、保持部38aと38bとの間にそ
の一辺が、また、保持部38cと38dとの間に他の一
辺がそれぞれ摺動可能に保持されることにより、排気管
24内部に固定されている。更に、仕切り板36の全幅
は、排気管24の内径に比して僅かに小さく設定されて
いる。
間は、仕切り板36と保持部38a,38b,38c,
38dとによって、厳密に2つの領域28と30とに区
分される。このため、本実施例の構造によれば、有効に
排気干渉を防止することができる。また、仕切り板36
に生ずる熱膨張・熱収縮は、仕切り板36の両端部と保
持部38a,38b,38c,38dとの間に生ずる摺
動により吸収される。従って、本実施例の構造によれ
ば、排気管24に高温の排気ガスが繰り返し供給・遮断
される環境下で、仕切り板36に弾性変形を生じさせる
ことなく、十分な排気干渉防止性能と、熱変形に対する
高い信頼性とを確保することができる。
り板36を、その両端において摺動可能に保持すること
で、仕切り板36を排気管24内部でスライド可能に保
持する構成を採用しているが、本発明はこれに限定され
るものではなく、少なくとも一端において仕切り板36
が摺動可能に保持される構成であれば良い。
管の排気干渉防止構造に係る排気管24の底面図を示
す。また、図11は、図10に示すXI-XI 直線に沿って
排気管24を切断した際の断面図を示す。尚、図10及
び図11において、上記図3または図4に示す構成部分
と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略す
る。
に2枚の仕切り板40,42を配設して、排気管24の
内部空間を4つの領域44,46,48,50に分割し
た構造を示す。仕切り板40,42には、互いに嵌合し
合うスリットが設けられており、それらを嵌め合わせる
ことで図10に示す十字状態が実現されている。
排気管24内部に形成される領域44,46,48,5
0が、それぞれ排気枝管22-1〜22-4に連通するよう
に組み付けられる。従って、排気枝管22-1〜22-4に
導かれた排気ガスは、排気管内部で他の何れの気筒から
排出された排気ガスとも干渉することはない。このた
め、本実施例の構造によれば、上述した各実施例の構造
に比して、更に有効に排気管24内での排気干渉を防止
することができる。
示す仕切り板26と同様に、それぞれ排気管24の内壁
に接触する接触部40a,40b;42a,42b、排
気管24内部を径方向に延在する仕切り部40c;42
c、及びそれらの間に形成される案内部40d,40
e;42d,42eを備えている。従って、仕切り板4
0又は42に生ずる熱膨張は、それぞれ案内部40d,
40e;42d,42e近傍に生ずる弾性変形により吸
収される。このため、本実施例の構造によっても、上述
した各実施例の場合と同様に、排気管24に高温の排気
ガスが繰り返し供給・遮断される環境下で、十分に排気
干渉を防止しつつ、仕切り板40,42の熱変形に対し
て高い信頼性を確保することができる。
ば、仕切り板の熱膨張時に仕切り板と排気管との間に不
必要な応力が作用するのを防止すると共に、仕切り板の
熱収縮時に仕切り板と排気管との間に隙間が形成される
のを防止することができる。従って、本発明に係る排気
管の排気干渉防止構造によれば、仕切り板の熱変形に対
する信頼性と、排気干渉防止に関する性能とを高い水準
で両立することができる。
り板に熱膨張、或いは熱収縮が生じた際に仕切り板に不
必要な応力を作用させることなく、排気管の内部空間を
区分することができる。従って、本発明に係る排気管の
排気干渉防止構造によっても、上記請求項1に記載する
発明の場合と同様に、仕切り板の熱変形に対する信頼性
と、排気干渉防止に関する性能とを高い水準で両立する
ことができる。
止構造を用いて排気系を構成した内燃機関の側面図であ
る。
ドを切断した際の断面図である。
止構造に係る排気管の底面図である。
マニホールドを切断した際の断面図である。
排気管の断面図である。
排気管の断面図である。
止構造に係る排気管の底面図である。
止構造に係る排気管の底面図である。
止構造に係る排気管の底面図である。
防止構造に係る排気管の底面図である。
排気マニホールドを切断した際の断面図である。
管の平面断面図である。
管の側面断面図である。
内部 32c 仕切り部 34d 突起部 38a,38b,38c,38d 保持部
Claims (2)
- 【請求項1】 排気管内部に仕切り板を設けて排気干渉
の防止を図る排気管の排気干渉防止構造において、 前記仕切り板に、その熱膨張方向に弾性変形可能な弾性
変形部を設けたことを特徴とする排気管の排気干渉防止
構造。 - 【請求項2】 排気管内部に仕切り板を設けて排気干渉
の防止を図る排気管の排気干渉防止構造において、 前記排気管にて前記仕切り板を、その熱膨張方向にスラ
イド可能に保持したことを特徴とする排気管の排気干渉
防止構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15344795A JP3405857B2 (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 排気管の排気干渉防止構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH094451A true JPH094451A (ja) | 1997-01-07 |
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ID=15562757
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JP15344795A Expired - Fee Related JP3405857B2 (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 排気管の排気干渉防止構造 |
Country Status (1)
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