JPS6321685Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関（エンジン）の消音装置の
改良に関する。

従来のエンジン用消音装置は、通常、第１図に
示すように構成されている。同図において、０１
は前後端を、端板０２で密閉された円筒状の消音
器本体、０３は、該消音器本体０１の前後の端板
０２を流体密に貫通して、該消音器本体０１の軸
心と平行に延びる排気導入管で、同排気導入管０
３の上流側開口端は、図示しないエンジンの排気
マニホールドに接続されており、また、その下流
側開口端は大気に開放されている。０４は消音器
本体０１内において、排気導入管０３の上流側の
適所から分岐され、その軸心が該排気導入管０３
の軸心と平行なチユーニングパイプで、同チユー
ニングパイプ０４の下流側開口は、消音器本体０
１の密閉室（共鳴室）０５内に開口している。

上記従来のエンジンの消音装置では、アクセル
を踏み込んでの加速中のように、排気ガスの流れ
が速いときには、チユーニングパイプ０４を通じ
て、共鳴室０５に十分に圧力平面波を作用させる
ことができず、十分な消音効果を得ることができ
ないという欠点があつた。

本考案は、上記従来装置の欠点を解消し、エン
ジンを加速しているときのように、排気ガスの流
れが速い場合においても、音波減衰効果が極めて
良好で、優れた消音効果を発揮するエンジンの消
音装置を提供することを目的として提案されたも
ので、両端に端板を流体密に固着された筒状の消
音器本体と、同消音器本体の両端板を流体密に貫
通し、上流端開口を内燃機関の排気マニホールド
に接続され、かつ下流端開口を大気に開放された
排気導入管と、上記消音器本体内において、上記
排気導入管の上流側適所から分岐され、下流端開
口が、消音器本体内に形成された密閉室（共鳴
室）内に開口するチユーニングパイプとを具備す
る内燃機関の消音装置において、上記排気導入管
の消音器本体内における上流側適所に曲がり部を
設け、同曲がり部から上記チユーニングパイプ
を、その軸心が、排気導入管の上流側の軸心線の
延長線上にあるように分岐させてなることを特徴
とする内燃機関の消音装置に係るものである。

以下、第２図に示す実施例により、本考案につ
き具体的に説明する。同図において、１は円筒状
の消音器本体で、同消音器本体１の前後端開口に
は、端板２が流体密に固着されている。３は該消
音器本体１の前端板２を流体密に貫通してその内
部に延び、上流側に曲がり部３ａ，３ｂを有し、
下流側の曲がり部３ｂ以降は、再び消音器本体１
の軸心と平行な軸心を保持して、後端板２を流体
密に貫通して外部に延びる排気導入管で、同排気
導入管３の上流側開口端は、図示しないエンジン
の排気マニホールドに接続され、また、後流側の
開口端は大気に開放されている。４は該排気導入
管３の上流側曲がり部３ａにおいて、排気導入管
３から分岐され、消音器本体１の密閉室（共鳴
室）５内に、後流端開口されたチユーニングパイ
プで、同チユーニングパイプ４の軸心は排気導入
管３の消音器本体１への入口側（曲がり部３ａの
上流側）の軸心の延長線上に設定される。

本考案装置の一実施例は、上記の如く構成され
ており、エンジンからの排気ガスは、矢印Ａの如
く排気導入管３の上流側から入り、下流端から矢
印Ｂの如く排出されるが、この場合、排気導入管
３の入口部より進入してくる排気ガスの音圧エネ
ルギは、その軸心が、排気導入管３の上流側の軸
心と同一軸心線上に配設されたチユーニングパイ
プ４を通じて共鳴室５にて直接弱められるため、
エンジンを加速しているときのように、排気ガス
の流れが速い場合でも、該音波エネルギの減衰効
果が極めて良好になる。このことは、第４図に示
す実験結果からも明らかである。なお、第４図に
おいて、実線ｘは本装置の場合、破線ｙは従来装
置によるものを、それぞれ示す。

本考案装置は、上記のような構成、作用を具有
するものであるから、本考案によれば、上記従来
装置の欠点を解消し、消音効果の優れたエンジン
の消音装置を実現できるという実用的効果を挙げ
ることができる。

つぎに、第３図に示す本考案の他の実施例は、
上記実施例に比し、排気導入管３の後流側曲がり
部３ｂ以降を分割し、アウトレツトパイプ６を図
示の如く圧入した点で異なるが、本例の場合、上
記実施例と同様の作用、効果を奏するほか、排気
ガスによる排気導入管３の熱膨脹時、アウトレツ
トパイプ６の排気導入管３への圧入部の長さの変
化によつて、消音器本体１の端板２にかゝる負担
を軽減し、その破損を防ぐことができる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の一例の略示的縦断面図、第
２図は本考案の一実施例の概略縦断面図、第３図
は本考案の他の実施例の概略縦断面図、第４図は
本考案装置と従来装置との音波減衰効果の比較試
験結果のグラフである。 １：消音器本体、２：端板、３：排気導入管、
３ａ，３ｂ：曲がり部、４：チユーニングパイ
プ、５：共鳴室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端に端板を流体密に固着された筒状の消音器
   本体と、同消音器本体の両端板を流体密に貫通
   し、上流端開口を内燃機関の排気マニホールドに
   接続され、かつ下流端開口を大気に開放された排
   気導入管と、上記消音器本体内において、上記排
   気導入管の上流側適所から分岐され、下流端開口
   が、消音器本体内に形成された密閉室（共鳴室）
   内に開口するチユーニングパイプとを具備する内
   燃機関の消音装置において、上記排気導入管の消
   音器本体内における上流側適所に曲がり部を設
   け、同曲がり部から上記チユーニングパイプを、
   その軸心が、排気導入管の上流側の軸心線の延長
   線上にあるように分岐させてなることを特徴とす
   る内燃機関の消音装置。