JPH0943254A - 走査型プローブ顕微鏡においてバックグランド除去データを得る方法及び走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡においてバックグランド除去データを得る方法及び走査型プローブ顕微鏡

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JPH0943254A
JPH0943254A JP7189924A JP18992495A JPH0943254A JP H0943254 A JPH0943254 A JP H0943254A JP 7189924 A JP7189924 A JP 7189924A JP 18992495 A JP18992495 A JP 18992495A JP H0943254 A JPH0943254 A JP H0943254A
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JP
Japan
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microscope
scanning probe
probe microscope
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JP7189924A
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Masanao Kobayashi
正直 小林
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Nissin Electric Co Ltd
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Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走査型プローブ顕微鏡を用いて測定対象物体
表面状態を観察するにあたり、該物体表面のうねりや顕
微鏡におけるメカニカルな凹凸動作に起因するバックグ
ランドノイズを除去して、直接的に該物体表面の原子レ
ベル等の微細な表面状態を示すデータを得る方法、及び
かかるデータを得ることができる走査型プローブ顕微鏡
を提供する。 【解決手段】 走査型プローブ顕微鏡を用いて測定対象
物体4表面の状態を観察するにあたり、物体4表面を顕
微鏡プローブ3で所定方向Pに走査して所定ピッチ間隔
ΔPで物体表面状態に応じた顕微鏡出力f(Pn)をサ
ンプリングし、次いで各隣合うサンプリング出力の差J
(Pn)を求め、該差J(Pn)のうち最小のものを求
め、該最小のJ(Pn)を所定値にするように各J(P
n)を補正して最終バックグランド除去データK(P
n)を求めることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡に
おいてバックグランド除去データを得る方法、及び該デ
ータK(Pn)を得ることができる走査型プローブ顕微
鏡。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体表面上の微細
な凹凸状態、不純物混入状態、格子配列状態その他の物
体表面状態のうち1又は2以上を知るための走査型プロ
ーブ顕微鏡を用いて測定対象物体表面状態を観察するに
あたり、該測定対象物体表面のうねりや顕微鏡における
メカニカルな凹凸動作に起因するバックグランドノイズ
を除去したデータを得る方法、及びかかるデータを得る
ことができる走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡は物体表面の原子
レベル等の微細な凹凸状態、不純物混入状態、格子配列
状態その他の物体表面の微細な状態を検出するために用
いられている。例えば、走査型プローブ顕微鏡の一つで
ある走査型トンネル顕微鏡(STM)では、プローブを
測定対象物体表面に接近させることで発生するトンネル
電流を利用し、該プローブで物体表面を走査し、該表面
の原子レベルの凹凸に起因して生じるトンネル電流の変
動を計測し、これをSTM像としてディスプレイに表示
させて該物体表面の状態を観察する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
走査型トンネル顕微鏡その他の物体表面の微細な状態を
検出するための走査型プローブ顕微鏡において検出され
るデータ乃至信号は、原子レベルの凹凸等に起因する微
細な変動分だけでなく、測定対象物体表面のうねりや顕
微鏡におけるメカニカルな凹凸動作に起因するバックグ
ランドノイズをも含んだものであり、原子レベル等での
微細な変動分を抽出して直接観察することはできず、こ
のバックグランドが目的とする像観察の支障となってい
る。
【0004】そこで本発明は、走査型プローブ顕微鏡を
用いて測定対象物体表面状態を観察するにあたり、該測
定対象物体表面のうねりや顕微鏡におけるメカニカルな
凹凸動作に起因するバックグランドノイズを除去して、
直接的に該物体表面の原子レベル等の微細な表面状態を
示すデータを得る方法、及びかかるデータを得ることが
できる走査型プローブ顕微鏡を提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定対象物体
表面の状態を観察するにあたり、測定対象物体表面を該
顕微鏡のプローブで所定方向Pに走査して所定ピッチ間
隔で該物体表面状態に応じた顕微鏡出力f(Pn)をサ
ンプリングし、前記サンプリング出力f(Pn)のうち
各隣合う出力の差J(Pn)を求め、前記差J(Pn)
のうち最小のものを求め、該最小のJ(Pn)を所定値
にするように前記各J(Pn)を補正して最終バックグ
ランド除去データK(Pn)を求めることを特徴とする
走査型プローブ顕微鏡においてバックグランド除去デー
タを得る方法、及び測定対象物体表面をプローブで走査
して該表面の状態を観察する走査型プローブ顕微鏡であ
って、前記プローブによる前記物体表面の所定方向Pに
おける走査において所定ピッチ間隔で該物体表面状態に
応じた顕微鏡出力f(Pn)をサンプリングする手段
と、、前記サンプリング出力f(Pn)のうち各隣合う
サンプリング出力の差J(Pn)を求める手段と、前記
差J(Pn)のうち最小のものを求め、それを所定値に
するように前記各差J(Pn)を補正して最終バックグ
ランド除去データK(Pn)を求める手段とを備えたこ
とを特徴とする走査型プローブ顕微鏡を提供するもので
ある。
【0006】これら本発明にかかる方法及び顕微鏡にお
いて、前記サンプリング出力f(Pn)(nは正の整
数)は、所定の走査方向Pにおける所定ピッチ間隔ごと
の位置(P1 )、(P2 )、(P3 )・・・・・におけ
る顕微鏡出力f(P1 )、f(P2 )、f(P3 )・・
・・・であり、J(Pn)(nは正の整数)は、J(P
1 )=f(P1 )−f(P2 )、J(P2 )=f
(P2 )−f(P3 )、・・・・・であり、これはバッ
クグランドノイズを除去した顕微鏡出力変動値を表して
いる。また、最終的なバックグランド除去データK(P
n)(nは正の整数)は、代表的にはK(P1 )=J
(P1 )+α、K(P2 )=J(P2 )+α、K
(P3 )=J(P3 )+α、・・・・・で求められる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明に係る走査型プロー
ブ顕微鏡の1例である走査型トンネル顕微鏡の概略構成
を示す図である。図1に示す本発明に係る走査型トンネ
ル顕微鏡は、顕微鏡フレームFを備えており、フレーム
Fの上部にプローブ(探針)駆動ステージ1が支持され
ており、これにプローブホルダ2が取り付けられてい
る。ホルダ2はプローブ3を支持している。フレームF
の下部には測定対象物体4を設置する試料ホルダ5が設
けられている。
【0008】プローブ3には電圧印加用の図示しない電
源が接続されているとともに、トンネル電流を検出する
ための電流計6、アンプ7が順次接続され、さらにイン
ターフェース8を介してコンピュータ13に接続されて
いる。トンネル電流検出のための信号モードとしては定
電流モード又は可変電流モードが採用される。また、プ
ローブ駆動ステージ1にはステージ駆動モータ部9が連
結されており、ステージ1はこのモータ部9の運転によ
り、プローブ3を試料ホルダ5上の測定対象物体4の表
面にきわめて近く接近させ得るように上下方向(Z軸方
向)に可動であり、さらに物体4の表面と略平行な一定
水平面(互いに直交するX軸−Y軸からなり、Z軸に垂
直な水平面)内で所定のP方向に移動できる。
【0009】また、モータ部9にはサーボ回路10、ス
キャン回路11が順次接続され、さらに該スキャン回路
11はインターフェース12を介してコンピュータ13
に接続されている。コンピュータ13には後述する最終
バックグランド除去データK(Pn)を表示するディス
プレイ14も接続されている。コンピュータ13は後ほ
ど説明する処理を行うように構成されている。
【0010】この顕微鏡によると、本発明方法は次のよ
うに実施される。まず、ホルダ5上に測定対象物体4が
設置され、次いでコンピュータ13からの指示に基づく
モータ部9によるプローブ駆動ステージ1のZ軸方向の
駆動によりプローブ3が物体4表面の近くに設置され
る。引き続きプローブ駆動ステージ1が所定走査方向P
に駆動され、それによりプローブ3が測定対象物体4の
表面をP方向に走査する。
【0011】ここでP方向はX軸方向、Y軸方向、XY
方向のいずれでもよく、要するに物体4表面を走査しよ
うとする所定方向である。コンピュータ13は、走査方
向Pにおいて所定ピッチ間隔ΔPごとに、顕微鏡出力f
(Pn)(nは正の整数)をサンプリングするサンプリ
ング処理を実行する。サンプリング出力f(Pn)は、
ここではプローブ3において検出されるトンネル電流値
に基づくものである。図2はこのサンプリング出力の1
例を示している。
【0012】コンピュータ13はさらに、サンプリング
出力f(Pn)のうち各隣合うサンプリング出力の差J
(Pn)、すなわち、ピッチ間隔ΔPをおいた各隣合う
走査位置間での原子レベルの凹凸に起因するトンネル電
流の変動に基づく変動値J(Pn)を求める演算処理を
行う。図3は図2のサンプリング出力例に基づく変動値
J(Pn)を表している。
【0013】この変動値J(Pn)はもはや、測定対象
物体4表面のうねりや顕微鏡におけるメカニカルな凹凸
動作に起因するバックグランドノイズを含まないもので
あるが、多くの負値を含んでいるので、コンピュータ1
3は最小値検索処理を実行し、最小のJ(Pn)を検索
し、これを0値にするように前記各J(Pn)に一定値
αを加算するゼロ値補正を行う。これにより最終的なバ
ックグランド除去データK(Pn)を求め、このデータ
K(Pn)をディスプレイ14に表示する。図4は図2
のサンプリング出力例に基づくデータK(Pn)を表し
ている。
【0014】かくしてデータK(Pn)から走査方向に
おけるピッチ間隔ΔPで隣合う物体4表面上の位置間で
の原子レベルの凹凸に起因するトンネル電流の変動に基
づく変動値を直接的に観察することができ、これに基づ
き物体表面のうねりや顕微鏡におけるメカニカルな凹凸
動作に起因するバックグランドノイズの影響を受けるこ
となく物体4の原子レベルの微細な表面状態を判断する
ことができる。
【0015】データK(Pn)は必要に応じN倍して像
コントラストを変更することもできる。なお、図2から
図4に示すデータは、測定対象物体4をホルダ5上に設
置し、例えば走査範囲:X軸方向に5μm、信号モー
ド:可変電流モード、サンプリング間隔:5Åで該物体
表面を走査したときの例示データで、図4のデータK
(Pn)から物体表面の原子レベルでの凹凸状態を支障
なく観察できる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、走
査型プローブ顕微鏡を用いて測定対象物体表面状態を観
察するにあたり、該測定対象物体表面のうねりや顕微鏡
におけるメカニカルな凹凸動作に起因するバックグラン
ドノイズを除去して、直接的に該物体表面の原子レベル
等の微細な表面状態を示すデータを得る方法、及びかか
るデータを得ることができる走査型プローブ顕微鏡を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の1例であ
る走査型トンネル顕微鏡の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す顕微鏡によるサンプリング出力f
(Pn)の例を示す図である。
【図3】図2のサンプリング出力f(Pn)のうち隣合
う出力の差J(Pn)を示す図である。
【図4】図3に示すJ(Pn)を補正して得られる最終
的なバックグランド除去データK(Pn)を示す図であ
る。
【符号の説明】
F 顕微鏡フレーム 1 プローブ駆動ステージ 2 プローブホルダ 3 プローブ 4 測定対象物体 5 測定対象物体のホルダ 6 電流計 7 アンプ 8 インターフェース 9 モータ部 10 サーボ回路 11 スキャン回路 12 インターフェース 13 コンピュータ 14 ディスプレイ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査型プローブ顕微鏡を用いて測定対象
    物体表面の状態を観察するにあたり、測定対象物体表面
    を該顕微鏡のプローブで所定方向Pに走査して所定ピッ
    チ間隔で該物体表面状態に応じた顕微鏡出力f(Pn)
    をサンプリングし、前記サンプリング出力f(Pn)の
    うち各隣合う出力の差J(Pn)を求め、前記差J(P
    n)のうち最小のものを求め、該最小のJ(Pn)を所
    定値にするように前記各J(Pn)を補正して最終バッ
    クグランド除去データK(Pn)を求めることを特徴と
    する走査型プローブ顕微鏡においてバックグランド除去
    データを得る方法。
  2. 【請求項2】 測定対象物体表面をプローブで走査して
    該表面の状態を観察する走査型プローブ顕微鏡であっ
    て、前記プローブによる前記物体表面の所定方向Pにお
    ける走査において所定ピッチ間隔で該物体表面状態に応
    じた顕微鏡出力f(Pn)をサンプリングする手段と、
    前記サンプリング出力f(Pn)のうち各隣合うサンプ
    リング出力の差J(Pn)を求める手段と、前記差J
    (Pn)のうち最小のものを求め、それを所定値にする
    ように前記各差J(Pn)を補正して最終バックグラン
    ド除去データK(Pn)を求める手段とを備えたことを
    特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
JP7189924A 1995-07-26 1995-07-26 走査型プローブ顕微鏡においてバックグランド除去データを得る方法及び走査型プローブ顕微鏡 Withdrawn JPH0943254A (ja)

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