JPH09145722A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents
走査型プローブ顕微鏡Info
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- JPH09145722A JPH09145722A JP31076895A JP31076895A JPH09145722A JP H09145722 A JPH09145722 A JP H09145722A JP 31076895 A JP31076895 A JP 31076895A JP 31076895 A JP31076895 A JP 31076895A JP H09145722 A JPH09145722 A JP H09145722A
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- sample
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 損傷や汚染等による探針の劣化度を客観的に
判断できる走査型プローブ顕微鏡を提供する。 【解決手段】 スキャンコントローラ4bは、測定対象
となる試料1aを試料ホルダ1にセットした後、Z軸ド
ライバ2a、Z軸微動機構2を介して標準試料1aと探
針5bの間を所定の距離に調整し、Z軸ドライバ2aを
サーボ機構7の制御下に置くと共に、XY走査ドライバ
3aを介してXY微動機構3を駆動し、試料1a表面を
左端から右端方向に走査し、得られた検出データを画像
メモリ4aに記憶する。次に、試料1aを右端方向から
左端方向への走査を行い、得られた検出データを画像メ
モリ4a’に記憶する。演算部4cは、画像メモリ4
a,4bに記憶された検出データそれぞれの2乗和を算
出し、両2乗和の差の絶対値と予め定めた所定の閾値ε
とを比較して、両2乗和の差の絶対値が予め定めた所定
の閾値εと比べて同一又は大きい値である場合は、探針
5bが劣化したものとしてモニタ9にその旨表示する。
判断できる走査型プローブ顕微鏡を提供する。 【解決手段】 スキャンコントローラ4bは、測定対象
となる試料1aを試料ホルダ1にセットした後、Z軸ド
ライバ2a、Z軸微動機構2を介して標準試料1aと探
針5bの間を所定の距離に調整し、Z軸ドライバ2aを
サーボ機構7の制御下に置くと共に、XY走査ドライバ
3aを介してXY微動機構3を駆動し、試料1a表面を
左端から右端方向に走査し、得られた検出データを画像
メモリ4aに記憶する。次に、試料1aを右端方向から
左端方向への走査を行い、得られた検出データを画像メ
モリ4a’に記憶する。演算部4cは、画像メモリ4
a,4bに記憶された検出データそれぞれの2乗和を算
出し、両2乗和の差の絶対値と予め定めた所定の閾値ε
とを比較して、両2乗和の差の絶対値が予め定めた所定
の閾値εと比べて同一又は大きい値である場合は、探針
5bが劣化したものとしてモニタ9にその旨表示する。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は走査型トンネル顕微
鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)等に代表され
る走査型プローブ顕微鏡に関する。
鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)等に代表され
る走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来技術】走査型プローブ顕微鏡は、試料とこれに対
向配置した探針とを近接させ、探針又は試料を走査する
ことにより、探針と試料表面との間の相互作用により生
じる物理量を検出して試料表面の形状を原子レベルの分
解能で測定するもので、走査型トンネル顕微鏡(ST
M)や原子間力顕微鏡(AFM)等がこれに該当する。
走査型トンネル顕微鏡は、試料とこれに対向配置した探
針との間に電圧を印加し、両者間に流れるトンネル電流
が一定になるよう探針又は試料を走査することにより、
試料表面の形状を原子レベルの分解能で観察するもので
ある。すなわち、上記トンネル電流が探針と試料との距
離によって一義的に定まるという性質を利用し、このト
ンネル電流が一定になるように探針又は試料の高さを圧
電素子等による精密駆動機構により制御しながら、この
探針又は試料を水平方向に走査することにより試料表面
の凹凸形状を原子レベルで測定するものである。
向配置した探針とを近接させ、探針又は試料を走査する
ことにより、探針と試料表面との間の相互作用により生
じる物理量を検出して試料表面の形状を原子レベルの分
解能で測定するもので、走査型トンネル顕微鏡(ST
M)や原子間力顕微鏡(AFM)等がこれに該当する。
走査型トンネル顕微鏡は、試料とこれに対向配置した探
針との間に電圧を印加し、両者間に流れるトンネル電流
が一定になるよう探針又は試料を走査することにより、
試料表面の形状を原子レベルの分解能で観察するもので
ある。すなわち、上記トンネル電流が探針と試料との距
離によって一義的に定まるという性質を利用し、このト
ンネル電流が一定になるように探針又は試料の高さを圧
電素子等による精密駆動機構により制御しながら、この
探針又は試料を水平方向に走査することにより試料表面
の凹凸形状を原子レベルで測定するものである。
【0003】また、原子間力顕微鏡は、カンチレバー等
によって支持される探針を試料表面に近づけることによ
り、探針先端の原子と試料表面の原子との間に生じる微
小な原子間力を測定し、上記原子間力が探針と試料との
距離によって一義的に定まるという性質を利用し、試料
表面に沿って走査しながらその原子間力が一定となるよ
う探針と試料間の距離を調節して、探針又は試料の高さ
方向の軌跡により試料表面の凹凸形状を原子レベルで測
定するものである。
によって支持される探針を試料表面に近づけることによ
り、探針先端の原子と試料表面の原子との間に生じる微
小な原子間力を測定し、上記原子間力が探針と試料との
距離によって一義的に定まるという性質を利用し、試料
表面に沿って走査しながらその原子間力が一定となるよ
う探針と試料間の距離を調節して、探針又は試料の高さ
方向の軌跡により試料表面の凹凸形状を原子レベルで測
定するものである。
【0004】ここで、かかる走査型プローブ顕微鏡の性
能は探針の微妙な形状に敏感に影響するため、探針先端
の損傷や汚染は、測定精度に多大な悪影響を与え、本来
四角の形状を有する穴が円形状に測定される等といった
問題を引き起こす。
能は探針の微妙な形状に敏感に影響するため、探針先端
の損傷や汚染は、測定精度に多大な悪影響を与え、本来
四角の形状を有する穴が円形状に測定される等といった
問題を引き起こす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、探針先
端の損傷や汚染は肉眼では判断することができないた
め、従来では、使用者が実際に測定した試料表面の画像
の劣化等から自己の経験等によって探針の良否を判断し
ていた。このため、その判断は専ら使用者の主観による
ところが多くなり、測定された試料表面の画像は、探針
の形状に依存した信頼性の低いものとなる。一方、測定
された画像の信頼性を向上させるためには、頻繁に探針
の交換を行わねばならず、不必要な探針の交換によるコ
ストの向上と探針交換による作業の煩雑化が生じる。
端の損傷や汚染は肉眼では判断することができないた
め、従来では、使用者が実際に測定した試料表面の画像
の劣化等から自己の経験等によって探針の良否を判断し
ていた。このため、その判断は専ら使用者の主観による
ところが多くなり、測定された試料表面の画像は、探針
の形状に依存した信頼性の低いものとなる。一方、測定
された画像の信頼性を向上させるためには、頻繁に探針
の交換を行わねばならず、不必要な探針の交換によるコ
ストの向上と探針交換による作業の煩雑化が生じる。
【0006】そこで、本発明はこれらの問題点を解消す
るために創案されたものであって、損傷や汚染等による
探針の劣化度を客観的に判断できる走査型プローブ顕微
鏡を提供することを目的とする。
るために創案されたものであって、損傷や汚染等による
探針の劣化度を客観的に判断できる走査型プローブ顕微
鏡を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、試料とこれに
対向配置した探針とを近接させ、探針又は試料を走査す
ることにより、探針と試料表面との間の相互作用により
生じる物理量を検出して試料表面の形状を原子レベルの
分解能で測定する走査型プローブ顕微鏡において、前記
試料を所定方向から走査し得られたデータと、これとは
異なる方向から走査し得られたデータとを比較すること
で、前記探針の劣化の有無を判断する演算手段を備えた
ことを特徴とする。
対向配置した探針とを近接させ、探針又は試料を走査す
ることにより、探針と試料表面との間の相互作用により
生じる物理量を検出して試料表面の形状を原子レベルの
分解能で測定する走査型プローブ顕微鏡において、前記
試料を所定方向から走査し得られたデータと、これとは
異なる方向から走査し得られたデータとを比較すること
で、前記探針の劣化の有無を判断する演算手段を備えた
ことを特徴とする。
【0008】前記演算手段は、試料を所定方向から走査
し検出されたデータの和と、これとは異なる方向から走
査し検出されたデータの和とを求め、両データ和の差が
予め定めた所定の閾値と比べて同一又は大きい値である
場合に、探針が劣化したものと判断し、表示手段にその
旨表示させることを特徴とする。
し検出されたデータの和と、これとは異なる方向から走
査し検出されたデータの和とを求め、両データ和の差が
予め定めた所定の閾値と比べて同一又は大きい値である
場合に、探針が劣化したものと判断し、表示手段にその
旨表示させることを特徴とする。
【0009】また、前記演算手段は、試料を所定方向か
ら走査し検出されたデータの2乗和と、これとは異なる
方向から走査し検出されたデータの2乗和とを求め、両
データの2乗和の差が予め定めた所定の閾値と同一又は
大きい値である場合に、探針が劣化したものと判断し、
表示手段にその旨表示させることを特徴とする。
ら走査し検出されたデータの2乗和と、これとは異なる
方向から走査し検出されたデータの2乗和とを求め、両
データの2乗和の差が予め定めた所定の閾値と同一又は
大きい値である場合に、探針が劣化したものと判断し、
表示手段にその旨表示させることを特徴とする。
【0010】また、前記演算手段は、試料を所定方向か
ら走査し検出されたデータf(x,y)と、これとは異
なる方向から走査し検出されたデータg(x,y)との
残差の2乗和、すなわち、ΣΣ(f(x,y)−g
(x,y))2 を求め、この値が予め定めた所定の閾値
と同一又は大きい値である場合に、探針が劣化したもの
と判断し、表示手段にその旨表示させることを特徴とす
る。
ら走査し検出されたデータf(x,y)と、これとは異
なる方向から走査し検出されたデータg(x,y)との
残差の2乗和、すなわち、ΣΣ(f(x,y)−g
(x,y))2 を求め、この値が予め定めた所定の閾値
と同一又は大きい値である場合に、探針が劣化したもの
と判断し、表示手段にその旨表示させることを特徴とす
る。
【0011】さらに、前記演算手段は、試料を所定方向
から走査し検出されたデータf(x,y)と、これとは
異なる方向から走査し検出されたデータg(x,y)と
から規格化された相関値、すなわち、 ΣΣ(f(x,y)・g(x,y))/Σf(x,y)2 を求め、この値が1と比べて所定範囲内にない場合に、
探針が劣化したものと判断し、表示手段にその旨表示さ
せることを特徴とする。
から走査し検出されたデータf(x,y)と、これとは
異なる方向から走査し検出されたデータg(x,y)と
から規格化された相関値、すなわち、 ΣΣ(f(x,y)・g(x,y))/Σf(x,y)2 を求め、この値が1と比べて所定範囲内にない場合に、
探針が劣化したものと判断し、表示手段にその旨表示さ
せることを特徴とする。
【0012】上述した試料を走査することで得られた測
定データの和又は2乗和等の計算は、試料上で予め複数
に分割されたエリア毎に行い、それぞれ対応するエリア
毎に両走査により検出されたデータの和又は2乗和を比
較し、少なくとも一エリアにおいて予め定めた所定の閾
値を超えている場合に、探針が劣化したものと判断し、
表示手段にその旨表示させるよう構成してもよい。
定データの和又は2乗和等の計算は、試料上で予め複数
に分割されたエリア毎に行い、それぞれ対応するエリア
毎に両走査により検出されたデータの和又は2乗和を比
較し、少なくとも一エリアにおいて予め定めた所定の閾
値を超えている場合に、探針が劣化したものと判断し、
表示手段にその旨表示させるよう構成してもよい。
【0013】前記試料を走査する2つの方向とは、例え
ば、互いに対向した方向、即ち一方向からの走査に対し
て、他方が180度回転した方向からの走査である。
ば、互いに対向した方向、即ち一方向からの走査に対し
て、他方が180度回転した方向からの走査である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1〜
図4に基づいて説明する。
図4に基づいて説明する。
【0015】図1は、本発明にかかる走査型プローブ顕
微鏡の全体図を示したもので、試料ホルダ1には、測定
対象となる試料1aが載置されている。探針5bは、探
針ホルダ5aに取り替え可能に装着されており、探針5
bが、破損した場合などに交換可能となっている。
微鏡の全体図を示したもので、試料ホルダ1には、測定
対象となる試料1aが載置されている。探針5bは、探
針ホルダ5aに取り替え可能に装着されており、探針5
bが、破損した場合などに交換可能となっている。
【0016】Z軸微動機構2は、探針5bに対して試料
ホルダ1に固定された試料1aをZ軸方向に、また、X
Y微動機構3は、Z軸微動機構2と試料ホルダ1を介し
て試料1aをX,Y軸平面内で微動走査させるためのも
ので、それぞれZ軸ドライバ2a、XY走査ドライバ3
aにより駆動される。
ホルダ1に固定された試料1aをZ軸方向に、また、X
Y微動機構3は、Z軸微動機構2と試料ホルダ1を介し
て試料1aをX,Y軸平面内で微動走査させるためのも
ので、それぞれZ軸ドライバ2a、XY走査ドライバ3
aにより駆動される。
【0017】変位検出器6は、探針5bと試料1a間に
流れるトンネル電流又は探針5bと試料1a間に生じる
原子間力等の物理量の所定の値に対する変位を計測し、
サーボ機構7は、探針5bと試料1a表面との相互相関
で生じる物理量が常に一定になるように変位検出器6の
出力を基にZ軸ドライバ2aを介してZ軸微動機構2を
駆動制御する。
流れるトンネル電流又は探針5bと試料1a間に生じる
原子間力等の物理量の所定の値に対する変位を計測し、
サーボ機構7は、探針5bと試料1a表面との相互相関
で生じる物理量が常に一定になるように変位検出器6の
出力を基にZ軸ドライバ2aを介してZ軸微動機構2を
駆動制御する。
【0018】ここで、探針5bと試料1a表面間の距離
は、例えば、走査型トンネル顕微鏡では、探針5bと試
料1a表面間に流れるトンネル電流を、また、原子間力
顕微鏡では、探針5bと試料1a表面間に生じる原子間
力を計測することで求められる。これは、トンネル電流
又は原子間力が探針5bと試料1a表面との距離によっ
て一義的に定まるという性質を利用したものである。
は、例えば、走査型トンネル顕微鏡では、探針5bと試
料1a表面間に流れるトンネル電流を、また、原子間力
顕微鏡では、探針5bと試料1a表面間に生じる原子間
力を計測することで求められる。これは、トンネル電流
又は原子間力が探針5bと試料1a表面との距離によっ
て一義的に定まるという性質を利用したものである。
【0019】A/D変換部8は、サーボ機構7の出力を
A/D変換し、演算制御手段4に出力する。なお、サー
ボ機構7の出力信号は、Z軸ドライバ2aの駆動信号で
あるため、探針5bと試料1aとの距離情報を示す信号
となる。
A/D変換し、演算制御手段4に出力する。なお、サー
ボ機構7の出力信号は、Z軸ドライバ2aの駆動信号で
あるため、探針5bと試料1aとの距離情報を示す信号
となる。
【0020】演算制御手段4は、A/D変換部8から入
力される試料1aの表面形状の情報を示す信号を記憶す
る複数の画像メモリ4a,4a’・・・、上述したZ軸
ドライバ2a及びXY走査ドライバ3aを駆動制御する
と共に、測定対象となる試料1aのXY平面での軌跡情
報を画像メモリ4a,4a’・・・に出力するスキャン
コントローラ4b、及び計測されたデータを演算処理
し、短針の良否を判断する演算部4cとから構成され
る。スキャンコントローラ4bは、同時に表示手段10
に試料1aの表面形状の示す信号を出力することもでき
る。
力される試料1aの表面形状の情報を示す信号を記憶す
る複数の画像メモリ4a,4a’・・・、上述したZ軸
ドライバ2a及びXY走査ドライバ3aを駆動制御する
と共に、測定対象となる試料1aのXY平面での軌跡情
報を画像メモリ4a,4a’・・・に出力するスキャン
コントローラ4b、及び計測されたデータを演算処理
し、短針の良否を判断する演算部4cとから構成され
る。スキャンコントローラ4bは、同時に表示手段10
に試料1aの表面形状の示す信号を出力することもでき
る。
【0021】表示手段10は、計測された試料表面の形
状やや、探針5bが劣化しており交換する必要があるこ
と等を表示するCRTである。
状やや、探針5bが劣化しており交換する必要があるこ
と等を表示するCRTである。
【0022】次に、本発明の作用を演算制御手段4の動
作を示す図2のフローチャートに基づいて説明する。ま
ず、測定対象となる試料1aを試料ホルダ1にセットし
た後、Z軸ドライバ2a、Z軸微動機構2を介して試料
1aと探針5bの間を所定の距離に調整する(S1)。
作を示す図2のフローチャートに基づいて説明する。ま
ず、測定対象となる試料1aを試料ホルダ1にセットし
た後、Z軸ドライバ2a、Z軸微動機構2を介して試料
1aと探針5bの間を所定の距離に調整する(S1)。
【0023】そして、Z軸ドライバ2aをサーボ機構7
の制御下に置くと共に、XY走査ドライバ3aを介して
XY微動機構3を駆動し、図3aに示されるように試料
1a表面を左端X(−)から右端X(+)方向に走査
し、サーボ機構7、A/D変換部8を介して得られた検
出データを画像メモリ4aに記憶する(S2)。
の制御下に置くと共に、XY走査ドライバ3aを介して
XY微動機構3を駆動し、図3aに示されるように試料
1a表面を左端X(−)から右端X(+)方向に走査
し、サーボ機構7、A/D変換部8を介して得られた検
出データを画像メモリ4aに記憶する(S2)。
【0024】試料1a表面の左端X(−)から右端X
(+)方向への走査が終了すると、次に、図3bに示さ
れるように、試料1aを右端X(+)方向から左端X
(−)方向へ走査し、同様に、サーボ機構7、A/D変
換部8を介して得られた検出データを画像メモリ4a’
に記憶する(S3)。
(+)方向への走査が終了すると、次に、図3bに示さ
れるように、試料1aを右端X(+)方向から左端X
(−)方向へ走査し、同様に、サーボ機構7、A/D変
換部8を介して得られた検出データを画像メモリ4a’
に記憶する(S3)。
【0025】両方向からの走査が終了すると、演算部4
cは、画像メモリ4a,4bに記憶された検出データそ
れぞれの2乗和Xa ,Xb を算出する(S4)。
cは、画像メモリ4a,4bに記憶された検出データそ
れぞれの2乗和Xa ,Xb を算出する(S4)。
【0026】そして、両2乗和の差の絶対値と予め定め
た所定の閾値εとを比較し(S5)、両2乗和の差の絶
対値が予め定めた所定の閾値εと比べて同一又は大きい
値である場合は、探針5bが劣化したものとしてモニタ
9にその旨表示し(S6)、逆に、両2乗和の差の絶対
値が予め定めた所定の閾値εよりも小さい場合は、画像
メモリ4a又は4a’のいずれかに記憶された測定デー
タをモニタ9に表示する(S7)。
た所定の閾値εとを比較し(S5)、両2乗和の差の絶
対値が予め定めた所定の閾値εと比べて同一又は大きい
値である場合は、探針5bが劣化したものとしてモニタ
9にその旨表示し(S6)、逆に、両2乗和の差の絶対
値が予め定めた所定の閾値εよりも小さい場合は、画像
メモリ4a又は4a’のいずれかに記憶された測定デー
タをモニタ9に表示する(S7)。
【0027】ここで、探針5bが劣化している場合に
は、同じ試料1aを走査した場合であっても、探針5b
の走査方向に応じて得られるデータが異なる場合が非常
に多いため、異なる方向から走査し得られた測定データ
の2乗和を比較することで、探針5bが劣化しているか
否かを定量的に判断することが可能となる。
は、同じ試料1aを走査した場合であっても、探針5b
の走査方向に応じて得られるデータが異なる場合が非常
に多いため、異なる方向から走査し得られた測定データ
の2乗和を比較することで、探針5bが劣化しているか
否かを定量的に判断することが可能となる。
【0028】なお、予め定めた所定の閾値εは経験的に
定まる値であるが、高精度に試料表面形状の計測を行う
必要がある場合、劣化度の判断を厳しくすべく、閾値ε
は通常より小さい値とすればよく、それほど精度の高い
試料表面計測が要求されない場合は、閾値εは通常より
大きい値とすればよい。
定まる値であるが、高精度に試料表面形状の計測を行う
必要がある場合、劣化度の判断を厳しくすべく、閾値ε
は通常より小さい値とすればよく、それほど精度の高い
試料表面計測が要求されない場合は、閾値εは通常より
大きい値とすればよい。
【0029】また、上述した実施例では、図3aに示さ
れるように、左端X(−)から右端X(+)方向及び右
端X(+)から左端X(−)方向の2方向の走査により
得られた測定データを比較したが、図3bに示されるよ
うに、これらに加え、下端Y(−)から上端Y(+)方
向及び上端Y(−)から下端Y(+)方向の2方向の走
査により得られる測定データをも比較の対象とし、それ
ぞれ4方向から得られた検出データの2乗和を比べ、い
ずれかの組合せの差が所定の閾値を超えたとき探針が劣
化したものとすればより精度よく探針の劣化度を判断す
ることができる。
れるように、左端X(−)から右端X(+)方向及び右
端X(+)から左端X(−)方向の2方向の走査により
得られた測定データを比較したが、図3bに示されるよ
うに、これらに加え、下端Y(−)から上端Y(+)方
向及び上端Y(−)から下端Y(+)方向の2方向の走
査により得られる測定データをも比較の対象とし、それ
ぞれ4方向から得られた検出データの2乗和を比べ、い
ずれかの組合せの差が所定の閾値を超えたとき探針が劣
化したものとすればより精度よく探針の劣化度を判断す
ることができる。
【0030】上述した実施例では、走査した試料1a上
の全エリアで得られた検出データの2乗和を求めたが、
図4に示されるように、試料1a上を複数エリア1〜n
に分割し、それぞれのエリア毎に得られた検出データの
2乗和を個別に求めるよう構成しても良い。
の全エリアで得られた検出データの2乗和を求めたが、
図4に示されるように、試料1a上を複数エリア1〜n
に分割し、それぞれのエリア毎に得られた検出データの
2乗和を個別に求めるよう構成しても良い。
【0031】かかる場合、探針5bの良否の判定は、左
端X(−)から右端X(+)方向及び左端X(−)から
右端X(+)方向の2方向の走査により得られた測定デ
ータの各エリア1〜n毎の2乗和をそれぞれ比較し、す
べてが閾値ε’以下であれば、正常と判断し、一つでも
閾値ε’と同一又は大きい値がある場合は、劣化してい
るものと判断すれば、より正確に探針5bの劣化の有無
を判断することが可能となる。
端X(−)から右端X(+)方向及び左端X(−)から
右端X(+)方向の2方向の走査により得られた測定デ
ータの各エリア1〜n毎の2乗和をそれぞれ比較し、す
べてが閾値ε’以下であれば、正常と判断し、一つでも
閾値ε’と同一又は大きい値がある場合は、劣化してい
るものと判断すれば、より正確に探針5bの劣化の有無
を判断することが可能となる。
【0032】以上の実施例では、検出データそれぞれの
2乗和Xa ,Xb を求めて比較したが、試料を所定方向
から走査し検出されたデータf(x,y)と、これとは
異なる方向から走査し検出されたデータg(x,y)と
の残差の2乗和、すなわち、 ΣΣ(f(x,y)−g(x,y))2 を求め、この値が予め定めた所定の閾値と同一又は大き
い値である場合に、探針が劣化したものと判断し、表示
手段にその旨表示させてもよい。なお、上述した式は、
試料表面上の点(x,y)についての和を求めることを
意味する。
2乗和Xa ,Xb を求めて比較したが、試料を所定方向
から走査し検出されたデータf(x,y)と、これとは
異なる方向から走査し検出されたデータg(x,y)と
の残差の2乗和、すなわち、 ΣΣ(f(x,y)−g(x,y))2 を求め、この値が予め定めた所定の閾値と同一又は大き
い値である場合に、探針が劣化したものと判断し、表示
手段にその旨表示させてもよい。なお、上述した式は、
試料表面上の点(x,y)についての和を求めることを
意味する。
【0033】さらに、試料を所定方向から走査し検出さ
れたデータf(x,y)と、これとは異なる方向から走
査し検出されたデータg(x,y)とから規格化された
相関値、すなわち、 ΣΣ(f(x,y)・g(x,y))/Σf(x,y)2 を求め、この値が1と比べて所定範囲内にない場合に、
探針が劣化したものと判断し、表示手段にその旨表示さ
せてもよい。
れたデータf(x,y)と、これとは異なる方向から走
査し検出されたデータg(x,y)とから規格化された
相関値、すなわち、 ΣΣ(f(x,y)・g(x,y))/Σf(x,y)2 を求め、この値が1と比べて所定範囲内にない場合に、
探針が劣化したものと判断し、表示手段にその旨表示さ
せてもよい。
【0034】以上の実施例では、試料表面形状の計測時
毎に探針の劣化度を判断する手法を採用したが、本発明
は、これに限定されるものではなく、定期的、例えば、
装置の起動時のみ上述した探針の劣化の有無を判断する
ようにしてもよい。また、試料を移動させるのではな
く、探針を移動させるよう構成しても良い。
毎に探針の劣化度を判断する手法を採用したが、本発明
は、これに限定されるものではなく、定期的、例えば、
装置の起動時のみ上述した探針の劣化の有無を判断する
ようにしてもよい。また、試料を移動させるのではな
く、探針を移動させるよう構成しても良い。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、試料を異なる方向から
走査し得られたデータを比較することで、前記探針の劣
化の有無を判断するよう構成したため、観察対象となる
試料から得られた測定データを用いて、損傷や汚染など
による探針の劣化の有無をより客観的に判断することが
可能となる。このため、信頼性の高い試料の表面形状の
計測が可能になると共に、不必要な探針の交換によるコ
ストの向上と探針交換による作業の煩雑化を排除でき
る。
走査し得られたデータを比較することで、前記探針の劣
化の有無を判断するよう構成したため、観察対象となる
試料から得られた測定データを用いて、損傷や汚染など
による探針の劣化の有無をより客観的に判断することが
可能となる。このため、信頼性の高い試料の表面形状の
計測が可能になると共に、不必要な探針の交換によるコ
ストの向上と探針交換による作業の煩雑化を排除でき
る。
【図1】本発明の一実施例を示した全体図である。
【図2】本発明にかかる制御手段の動作を示したフロー
チャートである。
チャートである。
【図3】試料の走査方向を示す図である。
【図4】試料表面を複数のエリアに分割した状態を示す
概念図である。
概念図である。
1・・・・試料ホルダ 1a・・・試料 2・・・・Z軸微動機構 3・・・・XY微動機構 4・・・・演算制御手段 5a・・・探針ホルダ 5b・・・探針 6・・・・変位検出器 7・・・・サーボ機構 8・・・・A/D変換部 9・・・・表示手段
Claims (1)
- 【請求項1】 試料とこれに対向配置した探針とを近接
させ、探針又は試料を走査することにより、探針と試料
表面との間の相互作用により生じる物理量を検出して試
料表面の形状を原子レベルの分解能で測定する走査型プ
ローブ顕微鏡において、 前記試料を所定方向から走査し得られたデータと、これ
とは異なる方向から走査し得られたデータとを比較する
ことで、前記探針の劣化の有無を判断する演算手段を備
えたことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31076895A JPH09145722A (ja) | 1995-11-29 | 1995-11-29 | 走査型プローブ顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31076895A JPH09145722A (ja) | 1995-11-29 | 1995-11-29 | 走査型プローブ顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09145722A true JPH09145722A (ja) | 1997-06-06 |
Family
ID=18009249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31076895A Pending JPH09145722A (ja) | 1995-11-29 | 1995-11-29 | 走査型プローブ顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09145722A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100679317B1 (ko) * | 2004-09-01 | 2007-02-07 | 노우철 | 엘씨디구동 아이씨의 검사 보조장치 |
CN103063881A (zh) * | 2011-10-18 | 2013-04-24 | Fei公司 | 用于利用探针扫描样品的扫描方法 |
WO2024150494A1 (ja) * | 2023-01-11 | 2024-07-18 | 株式会社島津製作所 | 探針劣化判定方法、探針劣化判定装置、および、探針劣化判定用プログラム |
-
1995
- 1995-11-29 JP JP31076895A patent/JPH09145722A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100679317B1 (ko) * | 2004-09-01 | 2007-02-07 | 노우철 | 엘씨디구동 아이씨의 검사 보조장치 |
CN103063881A (zh) * | 2011-10-18 | 2013-04-24 | Fei公司 | 用于利用探针扫描样品的扫描方法 |
WO2024150494A1 (ja) * | 2023-01-11 | 2024-07-18 | 株式会社島津製作所 | 探針劣化判定方法、探針劣化判定装置、および、探針劣化判定用プログラム |
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