JPH0941922A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

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JPH0941922A
JPH0941922A JP19625695A JP19625695A JPH0941922A JP H0941922 A JPH0941922 A JP H0941922A JP 19625695 A JP19625695 A JP 19625695A JP 19625695 A JP19625695 A JP 19625695A JP H0941922 A JPH0941922 A JP H0941922A
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intake
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electromagnetic actuator
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Akira Hidaka
章 日高
Keisuke Takeda
敬介 武田
Seinosuke Hara
誠之助 原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作動機構の構造の簡素化と製造作業能率の向
上を図りつつトルク変動による衝突打音の発生を防止す
る。 【構成】 駆動軸とカムシャフトとの間に設けられた制
御機構の同心−偏心揺動に伴い相対的な角速度を変化さ
せて、駆動軸とカムシャフトとの回転位相差による吸気
弁の作動角を制御する。前記制御機構を制御する作動機
構4は、制御機構に連係する制御シャフト27の回転位
置をコントロールプレート34とピン43を介して制御
する油圧シリンダ28と、機関運転状態に応じて油圧回
路29の流路を切り換える切換弁30を作動させる比例
ソレノイド型の電磁アクチュエータ31と、該電磁アク
チュエータ31を制御するコントローラ33とを備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用内
燃機関の運転状態に応じて吸気・排気弁の開閉時期を可
変制御する吸排気弁駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の吸排気弁駆動制御装置と
しては、本出願人が先に出願した特開平6−2516号
公報に記載されているものが知られている。
【0003】図11に基づいて概略を説明すれば、機関
のクランク軸から回転力が伝達される駆動軸1と、該駆
動軸1の外周に一定の隙間をもって同軸上に配置され、
かつ各気筒毎に分割されて、外周に図外の吸気弁を作動
するカム2aを有するカムシャフト2と、該各カムシャ
フト2の端部と駆動軸1との間に設けられて、両者の相
対的な角速度を変化させる可変制御機構3と、該制御機
構3を機関運転状態に応じて偏心動させる作動機構4と
を備えている。
【0004】前記可変制御機構3は、カムシャフト2の
端部と駆動軸1とに夫々設けられた第1,第2フランジ
部5,6と、該両フランジ部5,6間に設けられて内周
に環状ディスク7を回転自在に保持するディスクハウジ
ング8と、前記環状ディスク7と各フランジ部5,6と
の間に介装されて駆動軸1の回転力を各カムシャフト2
に伝達する摺動自在な係止ピン9,10とを有してい
る。
【0005】また、作動機構4は、図10に示すよう
に、ディスクハウジング8の図外の偏心カムに連結され
て、端部にピニオン11が設けられた制御シャフト4a
と、ボディ12内に摺動自在に設けられて、上面に前記
ピニオン11と噛合するラック13が設けられたスライ
ド部材14と、スライド部材14の内部に有するシリン
ダ15内に油圧を給排してピストン16を介してスライ
ド部材14を摺動させる油圧回路17と、該油圧回路1
7の流路を切り換えるスプール弁18を軸方向に摺動さ
せるリニア型のステッピングモータ19とを備えてい
る。
【0006】そして、機関運転状態の変化に伴い、コン
トローラ20からステッピングモータ19に制御パルス
信号が出力されて、スプール弁18を作動させ、これに
よってシリンダ15のピストン16を挟んだ両受圧室1
5a,15b内に相対的に油圧を給排させる。このた
め、スライダ部材14が、図10中左右方向へ摺動する
ことによりラック13,ピニオン11を介して制御シャ
フト4aを回転させて、ディスクハウジング8を揺動さ
せる。これにより、環状ディスク7の中心が、駆動軸1
の軸心と同心あるいは偏心動して駆動軸1と各カムシャ
フト2との相対的な角速度を変化させて、回転位相差を
生じさせる。この結果、吸気弁の開閉時期を機関運転状
態に応じて進遅制御するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の装置にあっては、制御機構3を揺動制御する作動機
構4が、スライド部材14やスプール弁18等の多くの
構成部品をボディ12内に一緒に収納したいわゆるメカ
ニカルサーボ機構になっているため、構造が複雑になる
と共に、ピニオン11の回転距離はスライド部材14の
左右ストロークと等しく、これに伴って比例ソレノイド
で駆動されるスプール18のストロークも比較的大きく
設定しなければならない。従って比例ソレノイドを採用
する際には、前記した比較的大きなスプールのストロー
クを得るために大型のソレノイドを使用しなければなら
ない。また前述のように、高価なリニア型のステップモ
ータ19を用いなければならず、この結果、製造コスト
の高騰が余儀なくされている。
【0008】また、スライド部材14の直線運動を制御
シャフト4aの回転運動に変換するためにバックラッシ
隙間を介して噛合するラック13とピニオン11を用い
ている。したがって、制御シャフト4aから伝達された
トルク変動によりラック・ピニオン11,13間に大き
な打音が発生する。即ち、機関の駆動に伴いカムシャフ
ト2には、バルブスプリングのばね力等に起因して正負
の大きな回転トルク変動が生じることは一般に知られて
おり、この回転トルク変動が制御機構3を介して制御シ
ャフト4aに伝達される。このため、バックラッシ隙間
を有するラック・ピニオン11,13の各歯の歯側面が
衝突して打音が発生すると共に、該各歯間に摩耗が生じ
易くなる。この結果、制御シャフト4aの回転位置制御
精度が低下するおそれがある。
【0009】また、スタイド部材14の左右ストローク
の方向は、制御シャフト4aに作用する回転トルク変動
の方向と一致する。このため、スライド部材14には回
転トルク変動が直接作用することとなり、スライド部材
14は容易にストロークされ、装置の回転位置制御が頻
繁に行われてしまう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の課
題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、
機関によって回転駆動される駆動軸と、該駆動軸の同軸
上に相対回転自在に設けられ、外周に吸排気弁を作動さ
せるカムを有するカムシャフトと、前記駆動軸の軸心に
対して同心あるいは偏心動して駆動軸とカムシャフトと
の相対的な角速度を変化させることにより、前記吸排気
弁の作動角を可変制御する制御機構と、機関運転状態に
応じて前記制御機構を同心あるいは偏心方向へ揺動させ
る作動機構とを備えた吸排気弁駆動制御装置において、
前記作動機構は、前記制御機構に連係して偏心量を制御
する制御シャフトと、該制御シャフトの回転位置を制御
する油圧シリンダと、該油圧シリンダに対して油圧を給
排する油圧回路と、機関運転状態に応じて前記油圧回路
の流路を切り換える切換弁を作動させる比例ソレノイド
型の電磁アクチュエータと、該電磁アクチュエータを制
御するコントローラとを備えたことを特徴としている。
【0011】請求項2の発明は、前記コントローラは、
前記制御シャフトの回転位置を検出する位置検出センサ
からの情報信号を入力して前記電磁アクチュエータを制
御することを特徴としている。
【0012】請求項3の発明は、前記制御シャフトに、
先端側に切割状溝を有するコントロールプレートを固定
する一方、前記油圧シリンダを制御シャフトに対して軸
直角方向に配置すると共に、該油圧シリンダのピストン
ロッドに前記切割状溝に係合するピンを設けたことを特
徴としている。
【0013】
【実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて
詳述する。尚、制御機構等の基本構成は従来と同様であ
るから、図2及び図3に基づいて簡単に説明する。
【0014】即ち、図中1は、内部中空状の駆動軸、2
は駆動軸1の外周に同軸上に配置されて各気筒毎に分割
形成されたカムシャフト、3は制御機構である。前記カ
ムシャフト2は、外周にバルブスプリング23のばね力
に抗してバブルリフター24を介して吸気弁25を開作
動させる一気筒当たり2つのカム2aが設けられてい
る。
【0015】前記制御機構3は、第1,第2フランジ部
5,6と、両者5,6間に配置された略円環状のディス
クハウジング8と、ディスクハウジング8の内周に回転
自在に保持された環状ディスク7と、一端が環状ディス
ク7の直径方向位置にカムシャフト軸方向に沿って回転
可能に固定され、先端部が各フランジ部5,6のU字状
係合溝5a,6aに摺動自在に係合した係止ピン9,1
0とから主として構成されている。また、ディスクハウ
ジング8は、図3に示すように、一端側のボス部8aに
形成された支持孔8c内に挿通した支軸21を支点とし
て他端部が上下方向へ揺動自在に支持されていると共
に、他端側のボス部8bに形成されたカム溝8d内に配
置された偏心カム22の回動によって揺動するようにな
っている。この偏心カム22は、円環状を呈し、軸方向
に貫通形成された貫通孔22aに作動機構4の制御シャ
フト27の一端部27aが固定されている。
【0016】前記作動機構4は、図1及び図4に示すよ
うにカムシャフト2と略平行に配設された前記制御シャ
フト27と、該制御シャフト27の他端部27b側に軸
直角方向に沿って設けられた油圧シリンダ28と、該油
圧シリンダ28に油圧を給排する油圧回路29と、油圧
回路29の途中に設けられて流路を切り換える切換弁3
0と、該切換弁30を作動させる比例ソレノイド型の電
磁アクチュエータ31と、制御シャフト27の他端部2
7bに設けられて、該制御シャフト27の回転位置を検
出する位置検出センサであるポテンショメータ32と、
機関運転状態を検出すると共に、ポテンショメータ32
からフィードバックされた情報信号に基づいて電磁アク
チュエータ31を制御するコントローラ33とから構成
されている。
【0017】前記制御シャフト27は、内部中空状に形
成され、他端部27bに略雨滴状のコントロールプレー
ト34が固定されている。このコントロールプレート3
4は、図5に示すように略円環状の基部中央に有する固
定用孔34aを介して他端部27bに圧入固定されてい
ると共に、該基部から下方へ垂下して先端部に制御シャ
フト27の軸直角方向に沿って切欠された切割状溝35
と該切割状溝35に直交する方向から形成された係止用
溝36が夫々形成されている。
【0018】前記油圧シリンダ28は、円筒状を呈し、
前端部がベースプレート37を介してシリンダヘッド上
部に固定されていると共に、内部に摺動自在に設けられ
たピストン38によって前後の第1受圧室39と第2受
圧室40に隔成されている。また、ピストン38には、
ベースプレート37を液密的に貫通したピストンロッド
41の一端部が連結されている。このピストンロッド4
1は、図5に示すように先端部側が前記係止用溝36内
に係入する2面巾状の平坦部41aが形成されていると
共に、該平坦部41aの長手方向の略中央位置に有する
挿通孔42に前記コントロールプレート34の切割状溝
35に係合するピン43が回転自在に設けられている。
このピン43は、切割状溝35に挿通可能な平板状を呈
し、両側面中央位置に前記挿通孔42に回転自在に支持
される外面円弧状の突部43a,43aが形成されて、
横断面円形状に形成されている。尚、ピストンロッド4
1は、先端部が図8に示すように保持部材80の摺動孔
80a内に保持されている。
【0019】前記油圧回路29は、図4に示すように図
外のオイルポンプから油圧が圧送されるオイルメインギ
ャラリ44に連通する油圧供給通路45と、該油圧供給
通路45の下流側に形成された後述する弁孔46を介し
て分岐されて一端部が第1,第2受圧室39,40に連
通する第1,第2油通路47,48と、弁孔46の前端
部と後端部に接続されたドレン通路49,50とから主
として構成されている。
【0020】前記切換弁30は、図4及び図5に示すよ
うに油圧シリンダ28の側部に固定された有底矩形筒状
のバルブボディ51と、該バルブボディ51内に固定さ
れた筒状部52内に有する前記弁孔46内に摺動自在に
設けられたスプール弁体53とを備えている。
【0021】前記バルブボディ51は、一側部に油圧供
給通路45と弁孔46とを連通する供給孔54が形成さ
れていると共に、他側部に第1,第2油通路47,48
と弁孔46とを連通する第1,第2連通孔55,56が
形成されている。また、一側部の後端部及び前端側底壁
に第1,第2ドレン通路49,50と弁孔46とを連通
する第1,第2ドレン孔57,58が形成されている。
前記筒状部52は、一端部が電磁アクチュエータ31の
ケーシング59に固定されていると共に、バルブボディ
51の各供給孔54や各連通孔55,56等に対応する
位置に通孔60〜64が形成されている。
【0022】前記スプール弁体52は、図6及び図7に
も示すように、略中央の外周面に供給孔54と各第1,
第2連通孔55,56とを通孔53,61を介して適宜
連通する環状溝65が形成されていると共に、前後端外
周に各ドレン孔57,58と各連通孔55,56を相対
的に開閉する弁部66,67が形成されている。また、
筒状部52の前端に固定されたリテーナ68に弾持され
たコイルスプリング69のばね力で図中右方向つまり弁
部66,67で供給孔54と第1連通孔55を連通し、
第2連通孔56と第2ドレン孔50とを連通する位置に
付勢されるようになっている。
【0023】前記電磁アクチュエータ31は、バルブボ
ディ51に固定されたケーシング70の内部に電磁コイ
ル71と固定コア72,可動コア73等の各構成部品が
収納されていると共に、可動コア73の先端に、先端部
74aがスプール弁体54の端部中央を押圧する駆動ロ
ッド74が設けられている。
【0024】前記ポンテンショメータ32は、図1に示
すように制御シャフト27の他端部27bにボルト75
によって固定されたカム76のカム面76aに摺動ロッ
ド77が当接し、カム76の回動位置に応じて進退する
摺動ロッド77の摺動位置によって抵抗電圧を変化させ
るようになっている。
【0025】そして、前記コントローラ33は内部のコ
ンピュータが図外のクランク角センサやエアーフローメ
ータ,水温センサ,スロットルバルブ開度センサ等の各
種センサ類からの情報信号を入力して現在の機関運転状
態を検出すると共に、前記ポンテンショメータ32から
の制御シャフト27回転位置情報信号を入力して電磁ア
クチュエータ31に制御パルス信号を出力するようにな
っている。また、このコントローラ33は、ポンテンシ
ョメータ32からの情報信号に基づいてカムシャフト2
のカム作動角を推定するようになっている。
【0026】以下、本実施例の作用を図9のコントロー
ラ33の制御フローに基づいて説明する。まず、セクシ
ョンS1では、クランク角センサからのクランク軸の回
転数Nとエアーフローメータからの吸入空気量Q及びス
ロットル開度センサからのスロットル開度θTを夫々読
み込む。次に、セクションS2で、前記各情報信号に基
づいて図外の燃料噴射弁の基本噴射量TPを演算し、さ
らにセクションS3では、N,TPによって予め設定さ
れているマップからバルブタイミングの作動角の目標値
Tを読み取る。続いて、セクションS4では、ポンテ
ンショメータ32からの情報信号に基づいて現在のカム
シャフト2のカムシャフト作動角つまり駆動軸1に対す
る作動角Sを推定する。尚、このカムシャフト作動角S
は、クランク回転信号KPとセンサにより検出されたカ
ムシャフト2の回転位置信号CPとによって演算により
求めることも可能である。
【0027】さらに、セクションS5では作動角目標値
Tからカムシャフト作動角Sを減算して差値△Sを求
める。続いて、セクションS6では、差値△Sが所定値
α以下か否かを判別し、以下ではない場合は、セクショ
ンS7で差値△Sが0より大きいか否か、つまり正か負
かを判別する。ここで、差値△Sが負の場合つまりカム
シャフト作動角Sが目標値STを超えている場合は、例
えば低回転低負荷域であるから、セクションS8におい
てデューティ比を0%にする処理を行い、電磁アクチュ
エータ31の電磁力を零に制御する。
【0028】したがって、スプール弁体53は、図6の
上半分で示すようにコイルスプリング69のばね力によ
って図中右方向に付勢されて、弁部66,67が供給孔
54と第1連通孔55を連通すると共に、第2連通孔5
6と第2ドレン孔58を連通する。
【0029】このため、第2受圧室40内の作動油が排
出されて低圧状態になると共に、オイルポンプから圧送
された作動油が第1受圧室39に供給されて高圧状態に
なり、これによってピストン38を図8に示すように最
大左方向位置に摺動させる。したがって、ピストンロッ
ド41がピン43を介してコントロールプレート34を
図示のように左方向へ傾動させ、これによって制御シャ
フト27は図中時計方向へ最大に回転し、偏心カム22
を同方向へ回転させる。
【0030】したがって、ディスクハウジング8は、図
3に示すようにカム溝8dを介して支持軸21を支点と
して上方に揺動し、環状ディスク7の中心Yが駆動軸1
の中心Xから最大に偏心する。よって、各係止ピン9,
10等を介して環状ディスク7の角速度が変化して不等
角速度回転になる。これにより、カムシャフト2は、駆
動軸1に対して部分的に増速された状態になり、吸気弁
は小作動角に制御される。したがって、前記低速低負荷
域には、吸気弁25と排気弁とのバルブオーバラップが
小さくなって燃費の向上と、早い閉時期に伴う吸気充填
効率の向上によって出力トルクを高めることができる。
【0031】また、セクションS7で、差値△Sが正で
あると判別した場合、つまりカムシャフト作動角Sが目
標値STに達していない場合は、高回転高負荷域である
からセクションS9で電磁アクチュエータ31へのデュ
ーティ比を100%に増加する処理を行い、電磁力を増
加させて、駆動ロッド74を最大に進出させる。このた
め、スプール弁体53は、図6の下半分に示すようにコ
イルスプリング69のばね力に抗して最大左方向に移動
し、弁部66,67が第1連通孔55と第1ドレン孔5
7を連通し、第2連通孔56と供給孔54を夫々連通す
る。
【0032】したがって、今度は第1受圧室39内の作
動油が排出されて低圧となり、第2受圧室40内に作動
油が供給されて高圧になり、これによって、ピストン3
8は、図8の最大右方向へ移動し、ピストンロッド41
がピン43を介してコントロールプレート34を一点鎖
線で示すように最大右方向へ傾動させる。このため、制
御シャフト41は、図中反時計方向へ最大に回転し、偏
心カム22を同方向へ回転させる。
【0033】したがって、ディスクハウジング8は、下
方に揺動し、環状ディスク7の中心Yが駆動軸1の中心
Xから前述とは逆の方向へ偏心する。このため、環状デ
ィスク7に対し、カムシャフト2の角速度が前述とは反
対に小さくなり、カムシャフト2は駆動軸1に対して部
分的に減速された状態になり、吸気弁は大作動角に制御
される。よって、バルブオーバラップが大きくなって、
吸気充填効率が向上して高出力トルク等が得られる。
【0034】そして、前記セクションS6において、差
値△Sが所定値以下であると判別した場合は、現在の機
関運転状態にカムシャフト作動角Sが略合致している場
合であるから、セクションS10に移行する。ここで
は、デューティ比を50%に固定する処理を行う。この
ため、スプール弁体53は、図7に示すように弁孔46
の略中間位置に保持されて各弁部66,67が各連通孔
55,56を閉止する。したがって、各受圧室29,4
0への作動油の供給や排出が阻止されて、ピストン38
を所定の任意の移動位置に保持する。この結果、制御シ
ャフト27及び制御機構3を介して吸気弁25を略中間
の作動角に制御することが可能になる。
【0035】また、各受圧室39,40から不用意に作
動油がリークしてしまった場合でも、制御シャフト27
の回転位置がポテンショメータ32からコントローラ3
3に常にフィードバックされるため、制御機構3の揺動
位置を補正することが可能になる。この結果、吸気弁2
5の高精度な作動角制御が得られる。
【0036】さらに、本実施例では、従来のようにスラ
イド部材等を用いたメカニカルサーボ機構ではなく、単
に油圧シリンダ28等を利用しているだけであるから、
構造が簡素化できると共に、ピストン38のストローク
を十分に小さくすることが可能になる。この結果、比較
的安価な比例ソレノイド型の電磁アクチュエータ31を
用いることができるので、製造コストの低廉化が図れ
る。また、構造の簡素化に伴い全体のシール機構も簡単
になるので、シール性能が向上する。
【0037】しかも、油圧シリンダ28の作動をラック
ピニオンではなく、単にピストンロッド41のピン43
とコントロールプレート34によって直線運動から回転
運動に変換させることが可能となり、両者34,43間
の隙間を十分に小さく設定できるので、カムシャフト2
から制御シャフト27に伝達された回転トルク変動によ
る衝突打音の発生を確実に防止できる。特に、ピン43
の平坦な前後端部がコントロールプレート34の切割状
溝35に挟まれて固定され、ピン43は突物43a,4
3aを介して挿通孔42内で回転するようになっている
ため、両者間の隙間はほとんど存在しない。
【0038】また、図8に示す通り、制御シャフト27
に作用するバルブスプリングのばね力に起因した正負の
回転トルク変動T1はコントロールプレート34の回転
力に変換される。
【0039】本発明の作動機構4は油圧室38の直線運
動をピン43,コントロールプレート34の切割状溝3
5を介して制御シャフト27の回転力に変換する構成で
あることから、前記回転トルク変動T1が油圧シリンダ
38に作用するときは制御シャフト27の作動角度に対
する分力T2となって作用する。
【0040】したがって、回転トルク変動によって制御
シャフト27の作動角制御の保持位置が変化することを
可能な限り防止できる。
【0041】また、制御シャフト27の作動角制御位置
が変化することにより、頻繁に装置のフィードバック制
御を行う必要がない。
【0042】ところで、前記ピストン38には、本実施
例の特有の現象として制御シャフト41からコントロー
ルプレート34を介して前述のようなトルク変動荷重が
作用するが、このトルク変動荷重は制御シャフト27が
一体に駆動する機関の気筒数Sと、機関回転数Nとに関
係し、本実施例のような例えば4ストローク機関では次
式の周波数fRを有する。
【0043】 本実施例においては、油圧制御を行うスプール弁体53
をデューティ制御する比例ソレノイド型電磁アクチュエ
ータ31を用いる構成のため、前記変動荷重周波数とデ
ューティ制御周波数が一致した場合に、スプール弁体5
3が共振現象を起こし、作動が不安定になる可能性があ
る。
【0044】したがって、デューティ制御の周波数fd
は、常にfRに対して異なる値にする必要がある。ここ
で、fR>fdとすると、機関低回転時にfdが小さく
なるための、デューティ制御による電磁アクチュエータ
31の電磁コル71への印加電流の変動がスプール弁体
53の振動に現れ、ひいては制御シャフト27が変動し
てしまうおそれがある。このため、fdは常にfR<f
dになるような可変デューティ制御することにより、前
記共振現象を回避することができる。
【0045】 デューティ制御としてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る吸排気弁駆動制御装置によれば、とりわけ制御機構
を制御する作動機構の構造が従来のメカニカルサーボ機
構に比較して簡素化される。つまり、従来のボディ内に
スライド部材やピストン、スプール弁等を一体に構成す
るのではなく、油圧シリンダと切換弁及び電磁アクチュ
エータを別個に設けることができるので、それぞれの構
造が簡素化できる。したがって、製造作業能率の向上と
製造コストの低廉化が図れると共に、全体構造の簡素化
に伴いシール構造も簡素化できるため、シール性能の向
上が図れる。
【0047】また、従来のようにメカニカルサーボ機構
のスライド部材全体を摺動させるのではなく、単に油圧
シリンダのピストンを移動させるために切換弁によって
油圧回路の流路を切り換えるだけであるから、切換弁の
スプール弁体のストロークを十分に小さくすることがで
きる。この結果、従来のような大きなストロークを確保
するために高価なステッピングモータを用いる必要がな
く、比較的安価な比例ソレノイド型の電磁アクチュエー
タを用いることができる。したがって、この点でも製造
コストの低廉化が図れる。
【0048】しかも、油圧シリンダの直線運動を、従来
のようにラッピニオンによって回転運動に変換するので
はなく、コントロールプレートとピンによって変換する
ため、該両者間の隙間を十分に小さくすることが可能に
なる。したがって、カムシャフトから伝達されたトルク
変動による衝突打音や摩耗の発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に供される作動機構を示す斜視
図。
【図2】本実施例の要部断面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】作動機構の一部を示す断面図。
【図5】作動機構の要部斜視図。
【図6】作動機構の切換弁と電磁アクチュエータの作用
を示す断面図。
【図7】同切換弁と電磁アクチュエータの別の作用を示
す断面図。
【図8】作動機構の作用を示す説明図。
【図9】本実施例のコントローラの制御フローチャート
図。
【図10】従来の作動機構を示す断面図。
【図11】従来の吸排気弁駆動制御装置を示す要部断面
図。
【符号の説明】
1…駆動軸 2…カムシャフト 3…制御機構 4…作動機構 25…吸気弁 27…制御シャフト 28…油圧シリンダ 29…油圧回路 30…切換弁 31…電磁アクチュエータ 32…ポテンショメータ 33…コントローラ 34…コントロールプレート 35…切割状溝 36…係合用溝 43…ピン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関によって回転駆動される駆動軸と、
    該駆動軸の同軸上に相対回転自在に設けられ、外周に吸
    排気弁を作動させるカムを有するカムシャフトと、前記
    駆動軸の軸心に対して同心あるいは偏心動して駆動軸と
    カムシャフトとの相対的な角速度を変化させることによ
    り、前記吸排気弁の作動角を可変制御する制御機構と、
    機関運転状態に応じて前記制御機構を同心あるいは偏心
    方向へ揺動させる作動機構とを備えた吸排気弁駆動制御
    装置において、 前記作動機構は、前記制御機構に連係して偏心量を制御
    する制御シャフトと、該制御シャフトの回転位置を制御
    する油圧シリンダと、該油圧シリンダに対して油圧を給
    排する油圧回路と、機関運転状態に応じて前記油圧回路
    の流路を切り換える切換弁を作動させる比例ソレノイド
    型の電磁アクチュエータと、該電磁アクチュエータを制
    御するコントローラとを備えたことを特徴とする内燃機
    関の吸排気弁駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記コントローラは、前記制御シャフト
    の回転位置を検出する位置検出センサからの情報信号を
    入力して前記電磁アクチュエータを制御することを特徴
    とする請求項1記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御シャフトに、先端側に切割状溝
    を有するコントロールプレートを固定する一方、前記油
    圧シリンダを制御シャフトに対して軸直角方向に配置す
    ると共に、該油圧シリンダのピストンロッドに前記切割
    状溝に係合するピンを設けたことを特徴とする請求項1
    または2記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
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CN109372830A (zh) * 2018-12-12 2019-02-22 重庆凯瑞汽车试验设备开发有限公司 伺服油源装置

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