JPH0939601A - 居眠り運転警報装置 - Google Patents

居眠り運転警報装置

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JPH0939601A
JPH0939601A JP7199374A JP19937495A JPH0939601A JP H0939601 A JPH0939601 A JP H0939601A JP 7199374 A JP7199374 A JP 7199374A JP 19937495 A JP19937495 A JP 19937495A JP H0939601 A JPH0939601 A JP H0939601A
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driver
vehicle
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driving
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JP7199374A
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Keiichi Yamamoto
恵一 山本
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 居眠り運転警報装置において、気象条件など
によるシステムの運転停止を運転者に的確に知らせるこ
とができない。 【解決手段】 画像処理部A2がカメラ2からの路面画
像を検査画像として取り込んで白線のデータを求め、フ
ァジィ推論部Dがこの走行帯区分線のデータから車両の
蛇行率を算出して運転者の覚醒度を推定し、報知部Fは
この覚醒度に応じて警報器7を駆動して運転者の覚醒度
の向上を促す一方、気象条件などによってカメラ2が取
り込んだ路面画像から走行帯区分線のデータが認識でき
ないときは、認識不良判定部Gが覚醒度の推定を停止
し、表示器6が車両の運転状態検出停止を運転者に知ら
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行中の車両の運
転状態を検出してこの車両走行状態から運転者の覚醒度
を検出し、この覚醒度が低下しているときには警報を発
して注意を促す居眠り運転警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、道路網の発達や余暇の増加などに
よって自動車を運転する機会が増えてきており、この自
動車の運転走行に際して運転者は常に安定した心身の健
康が望まれるが、一般に、自己の体調不良を自覚しなが
らもこれを軽視してハンドルを握る傾向がある。自動車
の運転に際し、長時間休みなく連続して運転すると、運
転者に疲労が蓄積して集中力が低下することで、走行が
不安定になる。
【0003】一方、自動車には、ステアリングハンドル
やアクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ウ
インカーレバー、ワイパースイッチ、照明スイッチな
ど、運転者が操作し得る各種操作機器がある。そして、
これらの操作機器の操作が少なくなると、運転が単調と
なり、運転者が居眠りを始める可能性が高まる。
【0004】そこで、従来、例えば、特開昭58−10
5844号公報に示されるように、運転中の時間経過を
カウントし、各種操作手段の操作がないまま一定時間が
経過したとき、そこで居眠りを防ぐための警報を発する
ものがある。また、特開昭58−175094号公報に
示されるように、各種操作機器の操作の回数が所定値に
満たないまま所定時間が経過した場合に、数値データ
“1”を加算し、その加算値がある値に達したところで
居眠りを防ぐための警報を発するものがある。
【0005】更に、車両の蛇行量と覚醒度(ここでは覚
醒を必要とする眠気度を指すものとする)とに関連があ
ることが知られている。この車両の蛇行量に関しては、
例えば、特開平3−273498号公報に関連技術が開
示されている。この公報にあっては、ビデオカメラによ
って前方路面を撮像し、前方道路の車線表示ラインの交
点に基づき走行レーンにおける基準点を算出し、基準点
と現在の車両の進行方向における車線表示ラインの交点
とのずれ(蛇行方向)に応じて旋回指示が正しく出され
ているか否か判断し、旋回指示が正しく無い場合に、警
報を発するようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
先行技術のうち、各種操作機器の操作の頻度より運転者
の単調さを検出する2つのものでは、運転者の単調さが
一定時間毎にサンプリング的に判断されるため、運転者
の継続的な状態変化を捕らえることが難しい。また、基
準点と現在の車線表示ラインの交点とのずれに応じて旋
回指示が正しく出されていない場合に警報を発するもの
では、蛇行量の変化が常に居眠り運転に正しく対応する
とは限らず居眠り判定に限界があり、精度の向上が望ま
れているのが現状である。
【0007】更に、ビデオカメラによって前方道路の車
線表示ラインを撮影する際、雪や霧、豪雨、あるいは、
夜間の照明の反射などによって車線表示ラインを確実に
撮影することが困難となる場合がある。この場合、居眠
り警報装置が車線表示ラインを撮影できずにシステムが
停止しているにもかかわらず、運転者はこのことを知ら
ずに車両を運転していることとなり、運転者にこのシス
テムの停止を知らせる必要がある。
【0008】本発明はこのような問題を解決するもので
あり、運転開始から現在までの運転者の継続的な状態変
化を検出してこの運転者の状態変化から運転者の居眠り
を的確に検出して警報を発すると共に、気象条件によっ
てシステムの運転あるいは停止を的確に知らせることの
できる居眠り運転警報装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の居眠り運転警報装置は、走行中の車両の運
転状態を検出して運転者の覚醒度が低下しているときに
は警報を発する居眠り運転警報装置において、車両に搭
載されたカメラからの前方あるいは後方路面画像を選択
的に検査画像として取り込んで該検査画像に基づいて走
行帯区分線のデータを求める画像処理手段と、該画像処
理手段によって求められた走行帯区分線のデータから車
両のふらつき度合を算出して運転者の覚醒度を推定する
覚醒度推定手段と、運転者の覚醒度の向上を促す警報手
段と、前記覚醒度推定手段によって推定された運転者の
覚醒度に応じて前記警報手段を駆動する報知手段と、前
記画像処理手段によって求められた走行帯区分線のデー
タが認識不良のときには前記車両のふらつき度合の算出
を停止する認識不良判定手段と、該認識不良判定手段に
よって車両のふらつき度合の算出が停止されたときには
車両の運転状態検出停止を運転者に知らせる表示手段
と、を具えたことを特徴とするものである。
【0010】従って、画像処理手段はカメラから車両の
前方あるいは後方路面画像を検査画像として取り込んで
この検査画像に基づいて走行帯区分線のデータを求め、
覚醒度推定手段はこの走行帯区分線のデータから車両の
ふらつき度合を算出して運転者の覚醒度を推定し、報知
手段は推定された運転者の覚醒度に応じて警報手段を駆
動して運転者の覚醒度の向上を促す。このとき、雪や
霧、豪雨、あるいは、夜間の照明の反射などによってカ
メラが取り込んだ路面画像から走行帯区分線のデータが
認識できないときは、認識不良判定手段が車両のふらつ
き度合の算出を停止し、表示手段が車両の運転状態検出
停止を運転者に知らせる。
【0011】また、本発明の居眠り運転警報装置は、前
記認識不良判定手段は、前記画像処理手段によって求め
られた走行帯区分線の候補点の数が所定値より少ないと
きに不良信号を出力し、該不良信号の数が単位時間当た
りのしきい値より多いときに走行帯区分線のデータの認
識不良を判定することを特徴とするものである。
【0012】従って、画像処理手段によって求められた
走行帯区分線の候補点の数が所定値より少ないときには
走行帯区分線の位置を正確に認識できないので不良信号
を出力し、この不良信号の数が単位時間当たりのしきい
値より多いときには走行帯区分線のデータから車両のふ
らつき度合を正確に算出できないので、走行帯区分線の
データが認識不良と判定される。
【0013】また、本発明の居眠り運転警報装置は、前
記画像処理手段によって求められた走行帯区分線のデー
タが認識不良で、前記認識不良判定手段が車両のふらつ
き度合の算出を停止したときには、前記カメラの前方に
装着されたワイパを作動させることを特徴とするもので
ある。
【0014】従って、認識不良判定手段が車両のふらつ
き度合の算出を停止した場合、雪や霧、豪雨などによっ
てカメラのレンズやフロントガラスに水滴等が付着する
ことで、カメラが路面画像を取り込んで走行帯区分線の
データを認識することができない虞があり、この場合、
カメラの前方に装着されたワイパを作動させることによ
り、この水滴等を除去し、カメラによる路面画像を取り
込みを可能とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0016】図1に本発明の一実施例に係る居眠り運転
警報装置の概略構成、図2に走行位置検出部が処理する
検査画像の概略、図3に走行位置検出部が処理する白線
候補点の説明、図4に走行位置検出部が処理する白線候
補点の微分フィルタ処理後の特性線図、図5に車両に取
付けられたカメラに対する道路勾配の影響を表す説明、
図6に操舵角に及ぼす車速の影響を表すグラフ、図7に
蛇行率に及ぼす操舵角の影響を表すグラフ、図8に蛇行
率に対する補正係数を表すグラフ、図9に運転者の眠気
時と覚醒時との各蛇行量を表す特性線図、図10に車両
の車線変更の説明、図11に車両の車線変更時における
白線中心位置の経時変化を表す特性線図、図12乃至図
15に本実施例の居眠り運転警報装置による制御処理の
フローチャート、図16に画像処理装置による制御処理
のフローチャート、図17に本実施例の居眠り運転警報
装置による覚醒器の動作を実行するための制御処理のフ
ローチャート、図18に居眠り運転警報装置付きの車両
における一例としての単調度変化を表す特性線図を示
す。
【0017】本実施例の居眠り運転警報装置は、図1に
示すように、車両の前部に取付けられて前方の路面1
(図2参照)を撮影するカメラ2と、このカメラ2に接
続される画像処理装置3と、車両走行状態を検出して居
眠り運転を警報するためのコントロールユニット4と、
警報及び表示手段としての表示器6及び覚醒部7とを具
備している。なお、居眠り運転警報用コントロールユニ
ット4は画像処理装置3に通信回線で接続され、両者間
での信号の授受を行なえるように構成されている。
【0018】カメラ2は、図2に示すように、車両の走
行方向前方の路面1の画像を画面A 0 内に写すように取
付けられ、このカメラ2からの路面画像は画像処理装置
3に入力される。この画像処理装置3は周知の画像処理
機能を有し、特に、走行位置検出部Aの一部である画像
データ記憶部A1と画像処理部A2の機能を備えてい
る。そして、画像データ記憶部A1はカメラ2からの路
面画像データを所定時間毎に静止した検査画像P1とし
て選択的に取り込み、順次、この検査画像P1の画像デ
ータを所定の画像記憶装置内の最新検査画像データ収容
エリアにファイルすることができる。
【0019】一方、画像処理部A2は検査画像P1の画
像データに基づいて走行帯区分線としての白線画像を抽
出してその座標を求めるような画像処理工程を順次実行
するものである。即ち、図2に示すように、適時に最新
検査画像データの収容エリアより最新検査画像P1のデ
ータを取り込み、各検査画像のうちでY軸方向(垂直方
向)における予め設定された6つの水平位置n1
2 ,n3 ,n4 ,n5 ,n6 にそれぞれ位置すると共
にX軸方向(水平方向)に並ぶ各ライン(n1 ,n 2
3 ・・・n511 )上の全画素(本実施例では511画
素)で光電変換された検出信号がA/D変換され、図3
に示すように、濃淡値に変換される。次いで、このX軸
方向における各ラインn1 ,n2 ,n3 ・・・上の全画
素の濃淡値は各検査画像の照度の変化(ずれ)に対応す
べく、各ライン上の各画素は、順次、下記(1)式を用
いて微分フィルタ処理される。
【0020】 f(i,j)=-1×f(i-3,j)-1×f(i-2,j)-1×f(i-1,j)+0×f(i,j) +1×f(i+1,j)+1×f(i+2,j)+1×f(i+3,j) ・・・(1)
【0021】この微分フィルタ処理によって各ラインn
1 ,n2 ,n3 ・・・上の全画素の濃淡値は平滑化さ
れ、図4に示すように、濃淡値差に変換される。その
後、画像処理部A2は白線候補点の検出を行なうべく、
ここでは、確定した各ラインn1,n2 ,n3 上・・・
の全画素の濃淡値差を予め設定されたスライスレベルS
1と比較し、白線候補点paを検索する。
【0022】そして、Y軸方向における6つの水平位置
1 ,n2 ,n3 ,n4 ,n5 ,n 6 に対応するX軸方
向での各ラインn1 ,n2 ,n3 ・・・n12上の各白線
候補点paのデータに基づいて左右の白線LR ,LL
推定する演算を実行する。ここでは、最小二乗法によっ
て各ラインn1 ,n2 ,n3 ・・・上の各白線候補点p
aのデータを演算処理し、この白線LR',LL のX,Y
軸座標上の位置(YRn=aXR n+b)、(YL n=
cXL n+d)を決定し、居眠り運転警報用コントロー
ルユニット4に出力する。
【0023】この居眠り運転警報用コントロールユニッ
ト4は、図1に示すように、その制御部8に自動車の各
種操作機器の操作を検知するための、車速センサ10、
ブレーキ操作検知手段11、エキブレ検知手段12、シ
フト操作検知手段13、ウインカー操作検知手段14、
ワイパー操作検知手段15、照明操作検知手段16及び
操舵角センサ17が接続されている。
【0024】車速センサ10は自動車の車速Vを検知す
るものであり、ブレーキ操作検知手段11はブレーキペ
ダルの操作を検知し、エキブレ検知手段12はエキゾー
ストブレーキスイッチの操作を検知する。また、シフト
操作検知手段13はトランスミッションのシフトレバー
の操作を検知し、ウインカー操作検知手段14はウイン
カーレバーの操作を検知し、ワイパー操作検知手段15
はワイパースイッチの操作を検知する。更に、照明操作
検知手段16は照明スイッチの操作を検知し、操舵角セ
ンサ17はステアリングの操舵角Qを検知する。
【0025】更に、居眠り運転警報用コントロールユニ
ット4の制御部8には、タイマ18、カウンタ19,2
0、メモリ21、及び表示器6、覚醒部7が接続されて
いる。表示器6は求められた運転者の覚醒度の必要量を
表示すると共に、雪や霧、豪雨、あるいは、夜間の照明
の反射などによってカメラ2が取り込んだ路面画像から
走行帯区分線のデータが認識できないときに車両の運転
状態検出停止を表示するものである。また、覚醒部7は
運転者に対する覚醒作用の強弱が異なる4つの覚醒器7
a,7b,7c,7dを有している。この覚醒器7aは
動作時に臭い又は弱風を発するもので、覚醒作用が最も
弱い。そして、覚醒器7bは動作時に光又は強風を発す
るもので、覚醒作用が覚醒器7aより強い。また、覚醒
器7cは動作時に音又は振動を発するもので、覚醒作用
が覚醒器7bより強い。更に、覚醒器7dは動作時に臭
い、光、風、音、振動のうち複数を合わせて発したり、
あるいは電気的な衝撃を発するもので、覚醒作用が最も
強い。
【0026】タイマ18は運転中の各種時間カウント及
び制御サイクルタイムのカウントなどに用いられる。メ
モリ21は各操作機器の操作に対する重み付け値ni
(i=1,2,3・・・・)を記憶するための記憶手段
であり、その重み付け値niが各操作機器に対応付けて
予め記憶されている。また、このメモリ21には他にも
各種設定値データが記憶されるようになっている。そし
て、この重み付け値niは、操作の実行によって解消さ
れる単調感が操作の種類に応じて異なることを考慮して
定められている。例えば、車線変更のためのウインカー
レバー操作は、重み付け値niとして“1”が設定され
る。停止または減速のためのブレーキ操作は、単調度の
解消量が大きいことから重み付け値niとして“2.
5”が設定される。つまり、ウインカーレバーの一回の
操作はそのまま操作回数“1”として検出されるが、ブ
レーキの1回の操作は操作回数“2.5”として検出さ
れるようになっている。なお、他の操作についても同様
に、単調度の解消量を考慮した重み付け値niがそれぞ
れ設定される。
【0027】ところで、居眠り運転警報用コントロール
ユニット4は要部がマイクロコンピュータによって構成
され、走行位置検出部Aとして蛇行量演算部A3の機能
を備え、且つ、運転操作検出部B及びステアリング操作
検出部C、運転者の覚醒度を推定するファジィ推論部
D、基準値設定部E、報知部F、認識不良判定部Gとし
ての各機能を備えている。
【0028】走行位置検出部Aの一部をなす蛇行率演算
部A3は、画像処理部A2からの白線画像の座標データ
を所定回数取り込むことによってその水平座標軸上のず
れの標準偏差SDを検出する蛇行量演算部A3aと、こ
の標準偏差SDをカメラ2における車線幅相当の画素値
で除算して蛇行率MR’を設定する蛇行率設定部A3b
と、操舵角センサ17によって検出されたステアリング
操舵角の絶対値Sa’を車速センサ10によって検出さ
れた車速Vに応じて補正する操舵角絶対値補正部A3c
と、蛇行率MR’を補正操舵角絶対値Saに応じて補正
して補正蛇行率MRを求める蛇行率補正部A3dとを有
している。
【0029】即ち、画像処理装置3より白線LR ,LL
のX,Y座標上の位置(YR n=aXR n+b)、(Y
L n=cXL n+d)データを所定回数取り込み、これ
ら各白線画像のX座標(XRn1 ,XLn1 )、(XRn2
Ln2 )、(XRn3 ,XLn3)を順次演算し、その各白
線画像のX座標でのずれ、即ち、標準偏差SDを演算す
る。そして、下記(2)式を用いて蛇行率MR’を演算
する。このとき、標準偏差はSD、車線幅相当のカメラ
2の画素値の平均値はWで表すものとする。この場合、
図5に示すように、自動車の前部に取付けられたカメラ
2に対して路面1が、上り傾斜面1a、あるいは下り傾
斜1bと勾配があるとき、標準偏差SDには誤差が発生
する。そのため、この標準偏差はSDをカメラ2の画素
値で除算して求めた蛇行率MR’を用いる。
【0030】 MR’=(SD/W)×100 ・・・(2)
【0031】一方、操舵角センサ17によって検出され
たステアリング操舵角絶対値(平均値)Sa’から車速
センサ10によって検出された車速Vに応じて補正した
補正操舵角絶対値Saを下記(3)式を用いて演算す
る。 Sa=Sa’+KS ×(VS −V) ・・・(3) ここで、車速係数KS は、予め、走行試験に基づいて設
定されたものであり、図6に示すように、車速に対する
操舵角の割合から算出され、本実施例では、0.43を
使用する。また、車速基準値VS は操舵角絶対値Sa’
の補正対象速度であり、本実施例では、90を使用す
る。なお、図6に示す4つの線は、車種や走行路の走行
条件が異なるデータを表している。
【0032】そして、求められた蛇行率MR’をこの補
正操舵角絶対値Saに応じて補正することで、下記
(4)式を用いて補正蛇行率MRを算出する。 MR=MR’−KV ×(Sa−SaS ) ・・・(4) なお、操舵角係数KV は、予め、走行試験に基づいて設
定されたものであり、図7に示すように、操舵角絶対値
に対する蛇行率の割合から算出され、本実施例では、
0.1を使用する。また、SaS は屈曲路の最小限度値
であり、本実施例では、5を使用する。
【0033】このように、蛇行率演算部A3は道路形状
に対するトレース性において車速による影響を排除して
いる。即ち、同じ道路形状にあっても、車速の増加に伴
って操舵角は大きくなるものであり、求められた蛇行率
MR’を車速基準値VS における補正蛇行率MRに換算
している。なお、前述の各実施例では、各式(2),
(3),(4)によって補正操舵率MRを求めたが、図
8に示すような補正係数KMRを用いて求めてもよいもの
である。
【0034】この場合、図9に示すように、覚醒時の蛇
行率MRに対して眠気時の蛇行率MRはその量が大幅に
大きくなっていることが明らかである。
【0035】更に、運転操作検出部Bは次の(1)〜
(8)区分の各機能を有している。 (1)タイマ18で運転時間t2 及び覚醒度判定時間t
3 のカウントをそれぞれ開始する。 (2)単調度設定部B1として、制御サイクルタイムで
あるところの1/10秒ごとに一定値Toをカウンタ1
9で積算し、単調度Tを設定する。 (3)各種操作機器のうちステアリングを除く少なくと
も1つが操作されたとき、この操作機器に対応する重み
付け値niをメモリ21から読みだす。 (4)読出される重み付け値niをカウンタ19で加算
(n=Σni)し、加算値nを初期運転後の全操作回数
Nとして保持する。 (5)運転時間t2 を全操作回数Nで除算することによ
り、運転中の各操作間の時間経過の平均値(=t2
N)を求める。 (6)時間経過の平均値に一定値Toを乗算することに
より、運転中の各操作間の単調度増加量〔=(t2
N)・To〕を算出する。 (7)単調度増加量に重み付け値n(=n1の加算値)
を乗算することにより、現時点の操作に基づく単調度解
消量〔=(t2 /N)・To・n〕を求める。 (8)単調度補正部B2として、単調度解消量だけカウ
ンタ19の積算値を減じて補正単調度Tを補正する。
【0036】また、ステアリング操作検出部Cは次の
(1)〜(2)区分の各機能を有している。
【0037】(1)操舵角センサ17の検知結果に基づ
く操舵角データをメモリ21に蓄積する。 (2)最新の単位時間(現在は1分間を単位としてい
る)の操舵角Qデータに基づき、その所定時間における
操舵量SQを(5)式より求める。 この場合、制御サイクルタイムであるところの1/10
秒(dt)ごとに操舵角データの前回値di+1 と今回値
i の差分を求めて順次加算し、単位時間の加算値を操
舵量SQとして算出する。
【0038】また、基準値設定部Eは、運転開始から一
定時間の初期運転に関して働くもので、次の(1)、
(2)区分の機能を有している。 (1)運転開始から一定時間ts1を初期運転として設定
する。 (2)初期運転の終了時、操舵量SQの平均値(標準偏
差)、蛇行率MRをそれぞれ基準値としてメモリ21に
記憶する。
【0039】ファジィ推論部Dは初期運転の経過後働く
もので、次の機能を有している。即ち、運転操作検出部
Bからの補正単調度T、ステアリング操作検出部Cから
操舵量SQ、走行位置検出部Aからの蛇行率MRに対応
するメンバーシップ関数に基づいて運転者の覚醒度を推
定する。なお、このファジィ推論部Dは1分間毎に判定
サイクルを実行して覚醒度を更新するが、各判定サイク
ルで使用するデータは各判定サイクル直前の一定の時間
範囲(例えば、5分間)で取り込まれ、そのデータ範囲
は1分ずつずらせて順次取り込まれることとなる。
【0040】報知部Fは初期運転の経過後に働くもの
で、次の機能手段を有している。即ち、覚醒度に応じて
各覚醒器7a,7b,7c,7dを選択的に作動せしめ
る。
【0041】また、認識不良判定部Gは雪や霧、豪雨、
あるいは、夜間の照明の反射などによってカメラ2が取
り込んだ路面画像から走行帯区分線のデータが認識でき
ないとき、即ち、カメラ2による最新検査画像P1のデ
ータから算出し得る白線候補点paの数が所定数位置で
あるときに、蛇行率演算部A3によって算出した蛇行率
MRの出力を停止するようにしている。
【0042】ここで、上述の本実施例の居眠り運転警報
装置の作用について、図12乃至図17のフローチャー
トに基づいて説明する。
【0043】図12乃至図17に示すように、イグニッ
ションスイッチがオンされてエンジンが始動されると、
カメラ2と画像処理装置3及び居眠り運転警報用のコン
トロールユニット4とがシステム起動し、制御部8によ
って車速センサ10によって検出された車速Vが監視さ
れる(ステップ101)。そして、この車速Vが一定値
1 を越えると(ステップ101のYes)、タイマ1
8で初期運転時間t1(秒)のカウントが開始され(ス
テップ102)、路面撮影指令をカメラ2及び画像処理
装置3に発する(ステップ103)。これによって、画
像処理装置3が後述の処理に入る。ここで、車速の一定
値V1 としては、運転者が単調感を覚えやすい高速道路
を想定しており、例えば、60Km乃至70Kmの値に
設定される。
【0044】そして、ステアリングが操作されると、操
舵角Qが操舵角センサ17によって検出される。このス
テアリング操舵があると(ステップ104のYes)、
その検出された操舵角Qに基づき前述した(5)式より
操舵量SQが求められ、メモリ21に順次記憶される
(ステップ105)。
【0045】ステップ106では、画像処理装置3から
の白線LR ,LL のX,Y座標上の位置(YR n=aX
R n+b)、(YL n=cXL n+d)が初期運転時間
1中順次取り込まれ、メモリ21に順次記憶される。
そして、初期運転時間t1 が一定時間ts1(例えば、2
0分)を越えると(ステップ107)、そこで、初期運
転の終了となる。
【0046】一方、画像処理装置3は路面撮影指令を受
けた時点から一定時間の初期運転において、図16のフ
ローチャートで示すように白線推定処理に入る。ここで
は、路面撮影指令の入力を待ち(ステップ300)、指
令が入力されるとカメラ2からの路面画像データを所定
時間毎に静止した検査画像P1(図4参照)として撮影
して取り込み、この検査画像P1データを所定の画像記
憶装置3内の最新検査画像データ収容エリアにファイル
する。
【0047】ステップ302では、最新検査画像データ
の収容エリアより最新検査画像P1のデータを取り込
み、検査画像の内で、n1 ,n2 ,n3 ・・・にそれぞ
れ位置する全画素の濃淡値データを求める(ステップ3
03)。ステップ304,305では、全画素の濃淡値
を前述の(1)式によって微分フィルタ処理し、全画素
の濃淡値差を予め設定されたスライスレベルS1と比較
し、ステップ306では、白線候補点paを検索する。
そして、ステップ307では、Y軸上の全ての水平ライ
ン、即ち、本実施例ではn1 ,n2 ,n3 ,n4
5 ,n6 (図2参照)で検索が終了したかどうかを判
定し、検索が終了していなければ、ステップ301に戻
って前述の処理を繰り返す。一方、検索が終了していれ
ば、ステップ308にて、白線の認識不良判定を行う。
【0048】即ち、本実施例では、画像データ記憶部A
1はカメラ2からの路面画像データを1秒間に10回の
検査データP1として取り込み、画像処理部A2は各検
査データP1におけるY軸上の6つの水平ラインn1
2 ,n3 ,n4 ,n5 ,n 6 に対する白線候補点pa
を12個検索している。従って、0.1秒間には12個
の、10秒間には120個の白線候補点paを検索する
こととなる。ところが、図2に示すように、6つの水平
ラインn1 ,n2 ,n3 ,n4 ,n5 ,n6 上に白線が
存在しない場合や雪や霧、豪雨、あるいは、夜間の照明
の反射などによってカメラ2が取り込んだ路面画像から
白線のデータを認識できないときがある。そのため、こ
のステップ308では白線の検索不良率が50%以下だ
ったら、即ち、0.1秒間には6個の白線候補点paを
検索できたらステップ309に移行し、一方、6個の白
線候補点paを検索できなかったらステップ301に戻
って前述の処理を繰り返す。そして、ステップ309で
は、最小二乗法に沿って各ラインn1 ,n2 ,n3 ・・
・上の各白線候補点paのデータを演算処理し、白線L
R ,LL のX,Y座標上の位置(YR n=aXR n+
b)、(YL n=cX L n+d)を決定(ステップ30
7)し、ステップ310にて同値を制御部8に出力す
る。
【0049】一方、メインルーチンでのステップ107
では、初期運転が終了したと判断してステップ108に
移行する。ここでは、所定回数分の白線LR ,LL の位
置(YR n=aXR n+b)、(YL n=cXL n+
d)データより、各白線のX座標(XRn1 ,XLn1 )、
(XRn2 ,XLn2 )、(XRn3 ,XLn3 )を順次演算
し、その各白線画像のX座標でのずれ、即ち、初期運転
時の運転者固有の標準偏差SDを演算する。そして、前
述した(2)式を用いて蛇行率MR’を演算すると共
に、操舵角センサ17によって検出されたステアリング
操舵角絶対値(平均値)Sa’から車速センサ10によ
って検出された車速Vに応じて補正した補正操舵角絶対
値Saを前述した(3)式から演算する。そして、蛇行
率MR’をこの補正操舵角絶対値Saに応じて補正する
ことで、前述の(4)式を用いて補正蛇行率MRS を算
出する。
【0050】ステップ109では、メモリ21に記憶さ
れている各操舵量SQが読出され、その初期運転時の操
舵量の加算値SQmが算出される。そして、初期運転時
の操舵量(標準値)SQm、初期運転時の蛇行率MRS
をそれぞれ基準値としてメモリ21に保持される(ステ
ップ110)。このようにして、一定時間ts1にわたる
初期運転の間に、運転者毎の個人レベルの運転操作デー
タが取り込まれる。
【0051】初期運転の終了後、ステップ111では、
タイマ18で運転時間t2 、覚醒度判定用時間t3 のカ
ウントが開始される。そして、車速Vが一定値V1 を越
えると(ステップ112のYes)ステップ113に進
み、ウインカを操作中か否か判断し、操作中であるとき
はウインカ操作が終了するまで路面画像取込指令を中止
する。即ち、このステップ114において、ウインカ操
作期間中には、例えば、図10に示すように、左側車線
走行中の車両が右側車線に車線変更し、再度、左側車線
に変更がなされた場合、図12に示すように、白線画像
(YR n=aX R n+b)、(YL n=cXL n+d)
の中心位置の軌跡が変化し、この場合、中心位置はa線
よりb線(右側車線の右白線画像)に大きく変更し、再
度、a線に戻るという変位が生じるので、このウインカ
作動期間中は路面画像データの取込みを行わないように
している。
【0052】また、前述のステップ113にて、ウイン
カを操作中でないとの判断を行なうとステップ119に
移行し、画像処理装置3より白線画像の位置(YR n=
aX R n+b)、(YL n=cXL n+d)を取り込
み、ステップ116にて、所定時間(例えば、1分間)
の白線のX座標(XRn1 ,XLn1 )、(XRn2
Ln2)、(XRn3 ,XLn3 )を順次演算し、その各白
線のX座標のずれである標準偏差SDを演算する。そし
て、この標準偏差SDから蛇行率MR’を演算すると共
に、ステアリング操舵角絶対値(平均値)Sa’から車
速Vに応じて補正した補正操舵角絶対値Saを演算し、
蛇行率MR’及び補正操舵角絶対値Saから補正蛇行率
MRを算出する。そして、この蛇行率MRをメモリ21
に蓄積する。なお、ウインカ操作があった場合でも、そ
のとき(例えば、10秒間)のデータを演算の対象から
除外するだけであり、残りのデータによって前記標準偏
差SDの演算を行い、補正蛇行率MRの算出は行われ
る。そして、ステップ117では、操舵角センサ17の
検出した操舵角Qデータに基づき前述の(5)式より操
舵量SQが求められ、操舵量データがメモリ21に蓄積
される。
【0053】更に、ステップ118では、カウンタ19
で一定値Toが積算され、単調度Tが求められる。 T=T+To この一定値Toの積算は、制御サイクルタイムであると
ころの1/10秒ごとに繰返し実行される。車両の運転
中、ステアリング操作を除く少なくとも1つの操作が実
行されると(ステップ119のYes)、その操作機器
に対して予め定められている重み付け値niがメモリ2
1から読出され、その重み付け値niが加算される(ス
テップ120)。そして、加算値nが運転中の全操作回
数Nとしてカウンタ19で積算される(ステップ12
1)。 n=Σni N=N+n 運転時間t2 がこの全操作回数Nで除算され、初期運転
経過後の各操作間の時間経過の平均値〔=t2 /N〕が
求められる。更に、この時間経過の平均値に1秒当たり
の単調度増加量(=10・To)が乗算され、現時点の
操作に基づく単調度解消量〔=(t2 /N)・10・T
o・n〕が求められる。この単調度解消量だけカウンタ
19の積算値が減じられ、単調度Tが補正される(ステ
ップ122)。 T=T−〔(t2 /N)・10・To・n〕 従って、この単調度Tは、図18の実験データから判る
ように、操作がなければ増大を続け、操作がなされるご
とにその操作に応じた分だけ解消される。
【0054】この単調度Tが負の値に成った場合(ステ
ップ123のYes)、単調度Tは零に修正される(ス
テップ124)。こうして覚醒度判定時間t3 が所定時
間に達するまで(ステップ125)、単調度Tの係数、
操舵量SQ及び蛇行率MRの蓄積が繰り返される。
【0055】ところで、前述したステップ112におい
て、車速Vが一定値V1 を下回った場合はステップ12
6に移行し、それまで蓄積されたメモリ21内の操舵量
SQがクリアされる。同時に、覚醒度判定時間t3 がク
リアされて零に戻される(ステップ127)。また、車
速Vが零まで下がると(ステップ128のYes)、即
ち、車両が停止すると、後述する覚醒度の表示がオフさ
れる(ステップ129)。ただし、この場合、単調度T
及び前回白線のX座標は保持される。
【0056】一方、ステップ125において、覚醒度判
定時間t3 が所定時間を超える(ステップ125のYe
s)と、ステップ130にて白線の認識不良判定を行
う。即ち、本実施例では、前述したように、Y軸上の6
つの水平ラインn1 ,n2 ,n 3 ,n4 ,n5 ,n6
対する白線候補点paを12個検索しており、あらかじ
め設定された白線候補点paの所定数に対する、所定時
間内に検索できなかった白線候補点paの数の割合を不
良率として算出し、この白線の検索不良率が50%以下
だったらステップ132に移行し、一方、検索不良率が
50%以上だったらステップ131以降でワイパを作動
させる処理を行う。
【0057】白線候補点paが所定数検索できない原因
がフロントガラスに付着した水滴や汚れ等による視界不
良である場合、ワイパによってこれを除去する。即ち、
ステップ131にてワイパが作動したかどうかを検出
し、作動していなければステップ132にてワイパを作
動し、ステップ133でワイパ作動フラグをセットし、
ステップ112に戻って前述の処理を繰り返す。一方、
ステップ131にてワイパを作動していれば、視界不良
の原因がフロントガラスの水滴や汚れでないものであ
り、ステップ134でワイパ作動フラグをリセットし、
ステップ135にて、後述する平均蛇行率MR1の算出
を停止して運転状態検出停止を表示器6に表示する。こ
の表示を見ることにより、運転者はシステムの停止状態
を把握することができる。
【0058】ステップ136では、前述した所定時間に
記憶された各白線画像(YR n=aXR n+b)、(Y
L n=cXL n+d)のX座標のずれである蛇行率MR
の平均値MR1が求められる。同じく、所定時間に蓄え
られた操舵角Qnデータに基づき、最新の所定時間にお
ける操舵量が加算されSQn(=ΣQn)がメモリ21
に蓄積される(ステップ137)。そして、ステップ1
38に達すると、蛇行率MR、単調度T、操舵量SQm
(SQn)についての3つのメンバーシップ関数がメモ
リ21に記憶されている。
【0059】これらメンバーシップ関数は予め設定され
ており、基本的には、初期運転で得られた各基準値(平
均蛇行率MRs、操舵量SQm)により形状が決定され
る。そして、初期運転の経過後に得られた蛇行率MR、
単調度T、操舵量SQmに応じてファジィ推論される。
なお、メンバーシップ関数やファジィ制御については一
般的なものであり、ここでの説明は省略する。
【0060】従って、ファジィ制御によって覚醒度Xの
必要量が求まると、それが表示器6で表示される(ステ
ップ139)。この表示を見ることにより、運転者は自
身の運転状態を把握することができる。また、同乗者は
運転者が居眠りしないように、運転者に話しかけたり、
注意を与えたり、適切な処置をとることができる。その
後、運転停止で無い限り、覚醒度判定時間t3 が強制的
に60秒にセットされ(ステップ141)、ステップ1
12に戻って運転停止でシステムが停止となる。
【0061】一方、図17のフローチャートに示すよう
に、ファジィ推論によって求められる覚醒度Xの必要量
と、予めメモリ21に記憶されている設定値“4”
“3”“2”“1”とが逐次に比較される(ステップ2
01〜204)。ここで、設定値“4”は殆ど居眠り状
態に相当するレベルである。設定値“3”は居眠り、蛇
行運転が時々見られるレベルである。“2”はあくびが
頻発するなど、かなり眠気を催しているレベルである。
設定値“1”はやや眠気を催しているレベルである。覚
醒度Xの必要量が設定値“4”より大きければ(ステッ
プ210のYes)、覚醒器7dが所定時間だけ動作し
(ステップ205)、光、風、音、振動が合わせて発せ
られたり、または電気的な衝撃が運転者の体に加えられ
る。覚醒度Xの必要量が設定値“3”より大きければ
(ステップ202のYes)、覚醒器7cが所定時間だ
け動作し(ステップ206)、音が発せられたり、また
は、振動が運転者の体に加えられる。
【0062】この覚醒度Xの必要量が設定値“2”より
大きければ(ステップ203のYes)、覚醒器7bが
所定時間だけ動作し(ステップ207)、光が発せられ
たり、強風が運転者の体に吹き付けられる。覚醒度Xの
必要量が設定値“1”より大きければ(ステップ204
のYes)、覚醒器7aが所定時間だけ動作し(ステッ
プ208)、臭いが発せられたり、弱風が運転者の体に
吹き付けられる。覚醒度Xの必要量が設定値“1”より
小さい場合(ステップ204のNo)、覚醒器は作動し
ない。
【0063】このように、覚醒度Xの必要量に応じたレ
ベルの覚醒作用を運転者に与えることにより、運転者の
居眠りを未然に防ぐことが出来、安全性が向上する。特
に、運転者の継続的な状態変化を単調度として捕らえ、
しかも、居眠り運転につながるステアリング操作の特徴
を加え、カメラによって捕らえた前方路面の白線位置の
ずれ量に応じた蛇行率を捕らえ、これらをファジィ推論
の入力とすると共に、まだ居眠り運転の心配の無い初期
運転時に、運転者毎に個人レベルの運転操作データを取
り込み、それをファジィ推論の基準値として盛り込むよ
うにしたので、運転者の居眠りを的確にしかも、常に把
握出来、信頼性にすぐれたものとなる。更に、段階的に
覚醒度に応じた覚醒手段を起動することができ、最適な
覚醒処理が可能となる。
【0064】なお、前述した覚醒器7a,7b,7c,
7dとしては上述の実施例のものに限らず、シートに振
動を与える等、種々のものが使用可能である。その他、
この発明は上述の実施例に限定されるものではなく、要
旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。
【0065】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに本発明の居眠り運転警報装置によれば、画像処理手
段がカメラからの路面画像を検査画像として取り込んで
走行帯区分線のデータを求め、覚醒度推定手段がこの走
行帯区分線のデータから車両のふらつき度合を算出して
運転者の覚醒度を推定し、報知手段は推定された運転者
の覚醒度に応じて警報手段を駆動して運転者の覚醒度の
向上を促す一方、気象条件などによってカメラが取り込
んだ路面画像から走行帯区分線のデータが認識できない
ときは、認識不良判定手段が車両のふらつき度合の算出
を停止し、表示手段が車両の運転状態検出停止を運転者
に知らせるようにしたので、走行中の車両の運転状態か
ら運転者の覚醒度を検出して居眠りを的確に検出して警
報を発することができると共に、気象条件などに対応し
てシステムの運転あるいは停止を運転者に的確に知らせ
ることができ、その結果、車両走行時の安全性の向上を
図ることができる。
【0066】また、本発明の居眠り運転警報装置によれ
ば、認識不良判定手段が、画像処理手段によって求めら
れた走行帯区分線の候補点の数が所定値より少ないとき
に不良信号を出力し、この不良信号の数が単位時間当た
りのしきい値より多いときに走行帯区分線のデータの認
識不良を判定するようにしたので、走行帯区分線のデー
タの認識不良判定を簡単、且つ、迅速に行うことができ
る。
【0067】また、本発明の居眠り運転警報装置によれ
ば、画像処理手段によって求められた走行帯区分線のデ
ータが認識不良で、認識不良判定手段が車両のふらつき
度合の算出を停止したときに、カメラの前方に装着され
たワイパを作動させるようにしたので、雪や霧、豪雨な
どによってカメラのレンズやフロントガラスに水滴等が
付着することによる走行帯区分線のデータの認識不良の
発生を防止し、高精度な運転者の覚醒度検出をを可能と
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る居眠り運転警報装置の
概略構成図である。
【図2】走行位置検出部が処理する検査画像の概略図で
ある。
【図3】走行位置検出部が処理する白線候補点の説明図
である。
【図4】走行位置検出部が処理する白線候補点の微分フ
ィルタ処理後の特性線図である。
【図5】車両に取付けられたカメラに対する道路勾配の
影響を表す説明図である。
【図6】操舵角に及ぼす車速の影響を表すグラフを示
す。
【図7】蛇行率に及ぼす操舵角の影響を表すグラフを示
す。
【図8】蛇行率に対する補正係数を表すグラフを示す。
【図9】運転者の眠気時と覚醒時との各蛇行量を表す特
性線図である。
【図10】車両の車線変更の説明図である。
【図11】車両の車線変更時における白線中心位置の経
時変化を表す特性線図である。
【図12】本実施例の居眠り運転警報装置による制御処
理のフローチャートである。
【図13】本実施例の居眠り運転警報装置による制御処
理のフローチャートである。
【図14】本実施例の居眠り運転警報装置による制御処
理のフローチャートである。
【図15】本実施例の居眠り運転警報装置による制御処
理のフローチャートである。
【図16】画像処理装置による制御処理のフローチャー
トである。
【図17】本実施例の居眠り運転警報装置による覚醒器
の動作を実行するための制御処理のフローチャートであ
る。
【図18】居眠り運転警報装置付きの車両における一例
としての単調度変化を表す特性線図である。
【符号の説明】
2 カメラ 3 画像処理装置 4 居眠り運転警報用コントロールユニット 6 表示部 7 警報部 A 走行位置検出部 A1 画像データ記憶部 A2 画像処理部 A3 蛇行率演算部 A3a 蛇行量演算部 A3b 蛇行率設定部 A3c 操舵角絶対値補正部 A3d 蛇行率補正部 B 運転操作検出部 C ステアリング操作検出部 D ファジィ推論部 F 報知部 G 認識不良判定部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行中の車両の運転状態を検出して運転
    者の覚醒度が低下しているときには警報を発する居眠り
    運転警報装置において、 車両に搭載されたカメラからの前方あるいは後方路面画
    像を選択的に検査画像として取り込んで該検査画像に基
    づいて走行帯区分線のデータを求める画像処理手段と、 該画像処理手段によって求められた走行帯区分線のデー
    タから車両のふらつき度合を算出して運転者の覚醒度を
    推定する覚醒度推定手段と、 運転者の覚醒度の向上を促す警報手段と、 前記覚醒度推定手段によって推定された運転者の覚醒度
    に応じて前記警報手段を駆動する報知手段と、 前記画像処理手段によって求められた走行帯区分線のデ
    ータが認識不良のときには前記車両のふらつき度合の算
    出を停止する認識不良判定手段と、 該認識不良判定手段によって車両のふらつき度合の算出
    が停止されたときには車両の運転状態検出停止を運転者
    に知らせる表示手段と、を具えたことを特徴とする居眠
    り運転警報装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の居眠り運転警報装置にお
    いて、前記認識不良判定手段は、前記画像処理手段によ
    って求められた走行帯区分線の候補点の数が所定値より
    少ないときに不良信号を出力し、該不良信号の数が単位
    時間当たりのしきい値より多いときに走行帯区分線のデ
    ータの認識不良を判定することを特徴とする居眠り運転
    警報装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の居眠り運転警報装置にお
    いて、前記画像処理手段によって求められた走行帯区分
    線のデータが認識不良で、前記認識不良判定手段が車両
    のふらつき度合の算出を停止したときには、前記カメラ
    の前方に装着されたワイパを作動させることを特徴とす
    る居眠り運転警報装置。
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