JPH0939061A - 成型品およびその成型品の製造方法 - Google Patents

成型品およびその成型品の製造方法

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JPH0939061A
JPH0939061A JP7192259A JP19225995A JPH0939061A JP H0939061 A JPH0939061 A JP H0939061A JP 7192259 A JP7192259 A JP 7192259A JP 19225995 A JP19225995 A JP 19225995A JP H0939061 A JPH0939061 A JP H0939061A
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JP
Japan
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contact angle
molded product
water
resin
fluorine
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JP7192259A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yutani
浩 湯谷
Minoru Oshio
実 大塩
Takashi Takahira
孝 高比良
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Nitta Corp
Original Assignee
Nitta Corp
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Publication date
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来にない高い撥水性および撥油性を有する
成型品を提供すること。 【解決手段】 フッ素基含有ポリマーと熱可塑性樹脂と
を含有する樹脂組成物を押出し機から押出し、次いで、
表面にフッ素樹脂加工が施された成型機を用いて、樹脂
組成物の溶融状態で、樹脂組成物を成型する成型品の製
造方法。フッ素基含有ポリマーと熱可塑性樹脂とを含有
する樹脂組成物からなり、その水による接触角が125
°以上である成型品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素基含有ポリ
マーを含有する熱可塑性樹脂組成物にて形成される撥水
性および撥油性に優れた成型品とこの成型品の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子材料の表面を改質する方法に関し
て、例えば、特開昭55−9619号公報、60−22
1410号公報には、フッ素基を含有する重合体部分
と、高分子材料に混和性のある重合体部分とからなるブ
ロック共重合体を高分子材料に添加する方法が開示され
ている。この方法によれば、高分子材料の表面にフッ素
基を存在させて表面特性を改善できると同時にベース樹
脂との混和性を高めることで、表面改質の効果を持続さ
せることができるとされている。しかし、その実施例に
よれば、水による接触角は最高でも115°であって、
さらに優れた撥水性および撥油性を有する成型品が望ま
れている。
【0003】また、特公平5−86430号公報におい
ては、フッ素含有基を有するブロック共重合体を、不飽
和ポリエステル樹脂もしくはビニルエステル樹脂に添加
し、その表面を含フッ素ポリマーと接触させて硬化させ
ることにより得られる、フッ素含有基を表面に配向させ
た不飽和ポリエステル樹脂もしくはビニルエステル樹脂
硬化物が開示されている。
【0004】しかし、この公報に開示された方法によっ
て得られた成型品の水による接触角は最高でも121°
であり(実施例11)、さらに優れた撥水性および撥油
性を有する成型品が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
着目してなされたものであり、その目的とするところ
は、従来にない高い撥水性および撥油性を有する熱可塑
性樹脂製の成型品と、その製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の成型品は、フッ
素基含有ポリマーと熱可塑性樹脂とを含有する樹脂組成
物からなり、その表面の水による接触角が125°以上
であり、そのことにより上記目的が達成される。上記水
による接触角が130°〜150°であるのが好まし
い。
【0007】また、本発明の成型品の製造方法は、フッ
素基含有ポリマーと熱可塑性樹脂とを含有する樹脂組成
物を押出し機から押出し、次いで、表面にフッ素樹脂加
工が施された成型機を用いて、該樹脂組成物の溶融状態
で該樹脂組成物を成型することを特徴とし、そのことに
より上記目的が達成される。
【0008】上記成型機表面のフッ素樹脂加工は、四フ
ッ化エチレン樹脂(以下、PTEFともいう)製シート
を成型機表面に貼り付ける方法であるのが好ましい。
【0009】上記成型機表面のフッ素樹脂加工が、成型
機表面にフッ素樹脂をコートする方法であるのが好まし
い。
【0010】上記フッ素基含有ポリマーが、長鎖パーフ
ルオロアルキル基を側鎖に有するポリマーであるのが好
ましい。
【0011】以下、作用について説明する。
【0012】特公平5−86430号公報に開示された
方法おいては、熱硬化性樹脂を使用してその成型時に架
橋反応を起こさせているので、成型時に圧力をわずかし
か加えることができない。また、樹脂が接触する成型機
の表面温度は比較的低いものである。
【0013】これに対して、本発明では、成型に際して
熱可塑性樹脂は150℃〜230℃に加熱溶融するもの
の化学反応は基本的に行われない。従って、成型時に比
較的高いプレス圧力を加えて充分接触させ、かつ成型機
の表面温度を溶融樹脂温度近くまで高めて成型加工を行
うことにより、フッ素基が表面に配向する。
【0014】例えば、熱可塑性樹脂とフッ素基含有ポリ
マーを含有する樹脂組成物を150℃〜230℃で加熱
溶融し、ロール成型温度を120℃〜200℃として成
型する場合、またはプレス成型時の温度を200℃とし
て加圧成型する場合、撥水性の最高値は130〜150
°の接触角を有する成型品が得られた。
【0015】さらに、成型機表面に加工されたフッ素樹
脂コート面は適度な粗さを有しており、従って、得られ
る成型品表面にもそれが転写されて適度な粗さを有して
いるために、上記フッ素基の表面への配向と併せて高い
表面撥水性、撥油性を発揮する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるフッ素基含有
ポリマーとしては、例えば、フッ素含有基を有する重合
体部分と、メタクリル酸エステル;アクリル酸エステ
ル;脂肪酸ビニルエステル;芳香族ビニル型単量体;ア
ミド基、水酸基またはカルボン酸基含有ビニル型単量
体;メタクリロニトリル;アクリロニトリル;フマル酸
ジエステル;無水マレイン酸;メタクリルグリシジルエ
ーテル;アクリルグリシジルエーテルからなる単量体の
一種または二種以上の重合体である重合体部分と、から
なるブロック共重合体(含フッ素共重合体ポリマー)が
挙げられる。
【0017】上記含フッ素ブロック共重合体のフッ素含
有基を有する重合体部分は、例えば下記一般式(I)な
いし(VI)で示される化合物の1種または2種以上の
重合体を使用することができる。
【0018】一般式
【0019】
【化1】
【0020】式中、R1はHまたはCH3を、R3は直鎖
または分岐状の−Cm2m−基を、R11は−Cn2n+1
示す。ただしmは1〜10、nは1〜16の整数であ
る。
【0021】一般式
【0022】
【化2】
【0023】式中、R1は一般式(I)のものに等し
く、R3は−Ck2k−(OCH2CH2)−1基を、R4
−OCp2pq2qHまたは−OCp2pq2q+1を示
す。ただしkは0〜10、1は0〜10、pは0〜1
0、qは1〜10の整数である。
【0024】一般式
【0025】
【化3】
【0026】式中、R1、R2は一般式(I)のものに等
しく、R12は−Cn2nHを示す。ただし、nは1〜1
6の整数である。
【0027】一般式
【0028】
【化4】
【0029】式中、R5はF,−CHF2,−CH2F,
−CF3,−OCOCH2Fまたは−OCOCF3を示
し、R6は−Cn2n+1,−Cn2n+1または−CnF2n
Hを示す。ただし、nは1〜16の整数である。
【0030】一般式
【0031】
【化5】
【0032】式中、R1,R2,R11は一般式(I)のも
のに等しく、R7は−CmH2m+1を示す。ただし、mは1
〜10の整数である。
【0033】
【化6】
【0034】式中、R1,R2,R11は一般式(I)のも
のに等しく、R7は一般式(V)のものに等しい。
【0035】前記一般式(I)の含フッ素ビニル型単量
体としては具体的に例えば、
【0036】
【化7】
【0037】などがある。
【0038】また、前記一般式(II)の含フッ素ビニ
ル型単量体として具体的には例えば次のものがある。
【0039】
【化8】
【0040】また、前記一般式(III)の含フッ素ビ
ニル型単量体として具体的には、例えば次のものがあ
る。
【0041】
【化9】
【0042】また、前記一般式(IV)の含フッ素ビニ
ル型単量体として具体的には、例えば次のものがある。
【0043】
【化10】
【0044】また、前記一般式(V)の含フッ素ビニル
型単量体として具体的には、例えば次のものがある。
【0045】
【化11】
【0046】また、前記一般式(VI)の含フッ素ビニ
ル型単量体として具体的には、例えば次のものがある。
【0047】
【化12】
【0048】本発明における含フッ素ブロック共重合体
の熱可塑性樹脂と相溶する重合体部分は、メタクリル酸
エステル;アクリル酸エステル;脂肪酸ビニルエステ
ル;芳香族ビニル型単量体;アミド素、水酸基またはカ
ルボン酸基含有ビニル型単量体;メタクリロニトリル;
アクリロニトリル;フマル酸ジエステル;無水マレイン
酸;メタリルグリシジルエーテルおよびアリルグリシジ
ルエーテルからなる単量体の1種または2種以上の重合
体からなる。
【0049】さらに具体的には、例えば(メタ)アクリ
ル酸メチル〔(メタ)アクリル酸メチルとはメタクリル
酸メチルおよびアクリル酸メチルのことを示す。以下同
様。〕、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、
(メタ)アクリル酸グリシジルエステルなどの低級アル
キル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸n−ブ
チル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリ
ル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステ
アリルなどの高級アルキル(メタ)アクリレート;酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニルなどの低級脂肪酸ビニルエ
ステル;酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ステアリン酸
ビニルなどの高級脂肪酸ビニルエステル;スチレン、ビ
ニルトルエン、ビニルビロリドンなどの芳香族ビニル型
単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アク
リルアミドなどのアミド基含有ビニル型単量体;(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、アリルアルコールなどの水酸基含
有ビニル型単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、
クロトン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボン酸基
含有ビニル型単量体;(メタ)アクリロニトリル;フマ
ル酸ジブチル、フマル酸ジイソプロピルなどのフマル酸
ジエステル;無水マレイン酸;(メタ)アリルグリシジ
ルエーテルなどを用いることができる。
【0050】本発明における含フッ素ブロック共重合体
の合成は、例えばポリメリックベルオキシドを開始剤と
して2段階の重合によって得られる。
【0051】すなわち、ポリメリックオキシド
【0052】
【化13】
【0053】を用いて、熱可塑性樹脂に相溶する重合体
となり得る単量体の1種または2種以上を重合する。こ
の際、ポリメリックベルオキシドの活性酸素量を約50
%残存させたところで重合を停止させることにより、ベ
ルオキシ結合を含有する重合体を得ることができる。さ
らに、このものを開始剤として含フッ素単量体の1種ま
たは2種以上を重合することによって、本発明における
フッ素含有基を有する重合体部分と、熱可塑性樹脂と相
溶する重合体部分からなるブロック共重合体を得ること
ができる。
【0054】本発明に使用される熱可塑性樹脂として
は、例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリス
チレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリアミド樹脂、ポリエーテルアミド樹
脂、ポリエステルアミド樹脂、ポリエーテルエステルア
ミド樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、アセタール樹
脂、ポリカーボネート樹脂、繊維素プラスチックなど、
および各種エラストマーが挙げられる。
【0055】上記エラストマーとしては、スチレン系エ
ラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エ
ラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド
系エラストマー、1、2−ポリブタジエン系エラストマ
ー、塩化ビニル系エラストマー、フッ素系エラストマ
ー、シリコーン系エラストマー、アイオノマー樹脂等が
挙げられる。
【0056】フッ素基含有ポリマーは樹脂組成物に対し
て0.1〜30重量%含有することができ、好ましくは
1〜10重量%、さらに好ましくは2〜8重量%であ
る。
【0057】フッ素基含有ポリマーの含有率が0.1重
量%未満のときには、撥水性、撥油性の効果が期待でき
ず、30重量%を超えると得られる成型品の機械的物性
等を低下させるおそれがる。
【0058】本発明に使用される上記樹脂組成物は、必
要に応じて各種の添加剤(例えば、酸化防止剤、着色
剤、帯電防止剤、難燃剤、補強剤、安定剤、加工助剤)
を含有してもよい。
【0059】上記フッ素基含有ポリマーと熱可塑性樹脂
とを含有し、必要に応じて各種添加剤を含有する樹脂組
成物を、次に、押出し機から押出し、該樹脂組成物の溶
融状態で、表面にフッ素樹脂加工が施された成型機で該
樹脂組成物を成型する。押出し機としては、二軸スクリ
ュー押出し機等を使用することができる。
【0060】ここで、成型機としては、ロール、金型、
プレス機等を使用することができる。その成型機表面の
フッ素樹脂加工としては、例えば、ロール表面や金型表
面へのフッ素樹脂シート貼り付け、ロール表面、金型表
面へのフッ素樹脂コート処理などで行うことができる。
特に、上記成型機表面のフッ素樹脂加工は、PTFE製
フッ素樹脂シートを成型機表面に貼り付ける方法である
のが好ましい。
【0061】これらの成型機表面は、該樹脂の溶融温度
以上に加熱するのが好ましい。成型機の表面温度が樹脂
組成物の溶融温度より低すぎる場合には、撥水性、撥油
性を高める効果が低下し、成型機の表面温度が樹脂組成
物の溶融温度より高すぎる場合には得られる成型品が熱
劣化して機械的物性等が低下し、また着色するおそれも
ある。
【0062】従って、成型機表面は樹脂組成物の溶融温
度−10℃〜樹脂組成物の溶融温度+10℃の範囲が好
ましい。
【0063】成型機の表面に加工されるフッ素樹脂とし
ては、上記樹脂組成物に添加したフッ素基含有ポリマー
や各種のフッ素樹脂を使用することができる。該フッ素
樹脂としては、例えば、四フッ化エチレン樹脂(PTE
F)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹
脂(FEP)、四フッ化エチレン−パーフロロアルキル
ビニルエーテル共重合樹脂(ETFE)、三フッ化塩化
エチレン樹脂(PCTEE)、六フッ化ビニリデン樹脂
(PVDF)等が挙げられる。
【0064】成型機表面の粗さは、得られる成型品の撥
水性、撥油性に影響を与えるので、フッ素樹脂コートさ
れた面の粗さは、例えば、次のように設定することがで
きる。JIS B 0601-1982に準拠して測定されるRa(中
心線平均粗さ)が0.2μm以上、Rz(十点平均粗
さ)が1μm以上、Rmax(最大粗さ)が1μm以上が
好ましい。さらに好ましくは、Raが0.3μm以上、
Rzが2μm以上、Rmaxが3μm以上である。
【0065】本発明によって得られた成型品は、フッ素
基が成型品の表面に多数配向しており、かつ適度な表面
粗さを有するので、比較的少量のフッ素基含有ポリマー
の使用によって効果的に撥水性および撥油性を有する成
型品が得られ、しかも水による接触角が125°以上、
特に130°〜150°の成型品が得られる。この成型
品の表面粗さは、通常、Rzが2.0μm以上、好まし
くは4.0μm以上である。
【0066】本発明によって得られた成型品はその表面
の撥水性および撥油性が要求される種々の用途に使用す
ることができる。例えば、搬送用ベルト等に好適に使用
することができる。
【0067】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。
【0068】(実施例1)熱可塑性ウレタンエラストマ
ー(商品名 ミラクトランE590、日本ミラクトラン
(株)社製)95重量部(樹脂ペレット)と、含フッ素
基共重合体ポリマー(商品名 モティパーF600、日
本油脂(株)社製)5重量部(粉末)とを、ドライブレ
ンドし、次いで2軸混合機で210℃で押出し、ロール
成型してシート状成型品を得た。
【0069】なお、使用したロールは、その表面にPT
FE製シート(厚さ0.1mm、淀川化成(株)製、ヨ
ドフロン)が貼り付けられているものを使用し、表面温
度は210℃であった。
【0070】得られた成型品の表面撥水接触角および撥
油接触角(n−ヘキサデカンを使用)を測定したとこ
ろ、次の通りであった。なお、接触角計は協和界面科学
(株)社製を使用した。
【0071】 撥水接触角 138.6°(n=5とし、測定値は次の通りであった。141 .6°、136.4°、139.4°、138.2°、137.6°) 撥油接触角 79.6°(n=5とし、測定値は次の通りであった。79.0 °、79.0°、79.2°、80.4°、80.2°) 表面粗さは次の通りであった。
【0072】 Ra=0.78μm、Rz=4.0μm、Rmax=4.7μm (実施例2〜5)熱可塑性ウレタンエラストマーの使用
量を、99重量部、97重量部、93重量部、90重量
部とし、含フッ素基共重合体ポリマーの使用量を1重量
部、3重量部7重量部、10重量部としたこと以外は、
実施例1と同様にして成型品を得た。
【0073】得られた成型品の表面撥水接触角および撥
油接触角を実施例1と同様にして測定した。それらの結
果を図1および図2に示す(線aは本実施例を示す)。
【0074】(比較例1〜5)ステンレスで作製された
ロールを用いたこと以外は、実施例1〜5と同様にして
シート状成型品を得た。得られた成型品の表面撥水接触
角および撥油接触角を実施例1と同様にして測定した。
それらの結果を図1および図2に併せて示す(線bは本
比較例を示す)。
【0075】(実施例6)熱可塑性ウレタンエラストマ
ー(商品名 ミラクトランE590、日本ミラクトラン
(株)社製)95重量部(樹脂ペレット)と、含フッ素
基共重合体ポリマー(商品名 モティパーF600、日
本油脂(株)社製)5重量部(粉末)とを、ミキサーで
210℃にて加熱混合(HAAKE)し、次いでプレス
成型して成型品を得た。
【0076】なお、使用した金型は、その表面にPTF
Eにてコート処置されているものを使用し、その内面の
温度は210℃とした。
【0077】得られた成型品の表面撥水接触角および撥
油接触角を測定したところ、次の通りであった。
【0078】 (PTFEコート 15.1使用の場合) 撥水接触角 138.6°(n=5とした平均値) 撥油接触角 75.6°(n=5とした平均値) 表面粗さは次の通りであった。
【0079】 Ra=1.2μm、Rz=10.8μm、Rmax=14.7μm (PTFEコート 3.使用の場合) 撥水接触角 124.9°(n=5とした平均値) 撥油接触角 80.2°(n=5とした平均値) 表面粗さは次の通りであった。
【0080】 Ra=2.6μm、Rz=16.0μm、Rmax=22.0μm (比較例6)ステンレスで作製された金型を用いたこと
以外は、実施例2と同様にして成型品を得た。この成型
品について実施例1と同様に表面撥水接触角および撥油
接触角を測定したところ、次の通りであった。
【0081】撥水接触角 112° 撥油接触角 47° 表面粗さは次の通りであった。
【0082】 Ra=0.1μm、Rz=0.8μm、Rmax=1.2μm (比較例7)ポリスチレン樹脂粉末90重量部と含フッ
素基共重合体ポリマー(商品名 モティパーF600、
日本油脂(株)社製)10重量部(粉末)とを押出し成
型機で練り込んで厚さ3mmのシートを得た。
【0083】次に、このシートをプレス成型にて厚さ2
mmのシート(S1)を得た。
【0084】上記シートの一部をフッ素樹脂フィルムに
挟んで150℃で5分間プレスし厚さ1mmのシート
(S2)を得た。得られたシート(S1)および(S
2)について実施例1と同様に表面撥水接触角を測定し
たところ、次の通りであった。
【0085】 (比較例8)ポリメタクリル酸メチル樹脂粉末97重量
部と含フッ素基共重合体ポリマー(商品名 モティパー
F600、日本油脂(株)社製)3重量部(粉末)とを
用いたこと以外は、比較例7と同様にしてシート(S
1)とシート(S2)を得た。得られたシート(S1)
および(S2)について、実施例1と同様に表面撥水接
触角を測定したところ、次の通りであった。
【0086】 (比較例9)ポリ塩化ビニル樹脂粉末95重量部と含フ
ッ素基共重合体ポリマー(商品名モティパーF600、
日本油脂(株)社製)5重量部(粉末)とを用いたこと
以外は、比較例7と同様にしてシート(S1)とシート
(S2)を得た。得られたシート(S1)および(S
2)について、実施例1と同様に表面撥水接触角を測定
したところ、次の通りであった。
【0087】 (比較例10)ポリエチレンテレフタレート樹脂粉末9
5重量部と含フッ素基共重合体ポリマー(商品名 モテ
ィパーF600、日本油脂(株)社製)5重量部(粉
末)とを用いたこと以外は、比較例3と同様にしてシー
ト(S1)とシート(S2)を得た。得られたシート
(S1)および(S2)について、実施例1と同様に表
面撥水接触角を測定したところ、次の通りであった。
【0088】 (実施例7)熱可塑性ウレタンエラストマー(商品名
ミラクトランE390、日本ミラクトラン(株)社製)
92.3重量部(樹脂ペレット)と、含フッ素基共重合
体ポリマー(商品名 モティパーF600、日本油脂
(株)社製)7.7重量部(粉末)とを、ドライブレン
ドし、次いで2軸混合機で210℃で押出し、ロール成
型してシート状成型品を得た。
【0089】なお、使用したロールは、その表面に厚さ
0.05mmのPTFE製シート(日本バルカー工業
(株)社製、バルフロンNo.7900)が貼り付けら
れているものを使用し、表面温度は210℃であった。
【0090】得られた成型品表面の原子濃度(ESCA
により測定)、撥水接触角および表面粗さの測定結果は
次の通りであった。
【0091】 成型品表面の原子濃度(%) F 38.0、C 49.7、O 10.8、N 1.5 成型品内部の原子濃度(%) F 13.2、C 64.9、O 18.2、N 3.7 表面撥水接触角 131.1° 表面粗さ Ra=0.5μm、Rz=3.2μm、Rmax=4.3μm (比較例11)ロールとしてステンレス製のものを使用
したこと以外は、実施例7と同様にしてシート状成型品
を得た。
【0092】得られた成型品表面のESCA、撥水接触
角および表面粗さの測定結果は次の通りであった。
【0093】 成型品表面の原子濃度(%) F 36.2、C 51.0、O 11.5、N 1.3 表面撥水接触角 111.5° 表面粗さ Ra=0.12μm、Rz=0.5μm、Rmax=0.8μm (比較例12)厚さ2mmのPTFE製シートが貼り付
けられたロールを使用したこと以外は、実施例7と同様
にしてシート状成型品を得た。
【0094】得られた成型品表面のESCA、撥水接触
角および表面粗さの測定結果は次の通りであった。
【0095】 成型品表面の原子濃度(%) F 43.7、C 46.1、O 9.0、N 1.2 表面撥水接触角 114.0° 表面粗さ Ra=0.18μm、Rz=1.0μm、Rmax=1.2μm (比較例13)熱可塑性ウレタンエラストマーの含有量
を94.3重量部とし、含フッ素基共重合体ポリマーの
含有量を5.7重量部としたこと以外は、実施例7と同
様にしてシート状成型品を得た。
【0096】得られた成型品表面のESCAおよび撥水
接触角の測定結果は次の通りであった。
【0097】 成型品表面の原子濃度(%) F 33.9、C 52.5、O 12.3、N 1.3 成型品内部の原子濃度(%) F 12.4、C 64.9、O 18.9、N 3.8 表面撥水接触角 107.3° (比較例14)ロールとしてステンレス製のものを使用
したこと以外は、比較例13と同様にしてシート状成型
品を得た。
【0098】得られた成型品表面のESCAおよび撥水
接触角の測定結果は次の通りであった。
【0099】 成型品表面の原子濃度(%) F 31.4、C 51.1、O 15.7、N 1.8 表面撥水接触角 106.9° (実施例8)樹脂組成物として、ABS樹脂ペレット
(旭化成工業(株)社製、スタイラック121)95重
量部と、含フッ素基共重合体ポリマー(商品名 モティ
パーF600、日本油脂(株)社製)5重量部(粉末)
とを使用したこと以外は、実施例7と同様にしてシート
状成型品を得た。
【0100】得られた成型品表面の撥水接触角、撥油接
触角および表面粗さの測定結果は次の通りであった。
【0101】表面撥水接触角 142.5° 表面撥油接触角 54.5° 表面粗さ Ra=0.37μm、Rz=2.3μm、Rmax=3.0μm (比較例15)ロールとしてステンレス製のものを使用
したこと以外は、実施例8と同様にしてシート状成型品
を得た。
【0102】得られた成型品表面の撥水接触角、撥油接
触角および表面粗さの測定結果は次の通りであった。
【0103】表面撥水接触角 106.1° 表面撥油接触角 44.4° 表面粗さ Ra=0.1μm、Rz=0.5μm、Rmax=0.7μm (比較例16)ロールとしてフッ素樹脂がコートされた
もの(3.)を使用したこと以外は、実施例8と同様に
してシート状成型品を得た。
【0104】得られた成型品表面の撥水接触角、撥油接
触角および表面粗さの測定結果は次の通りであった。
【0105】表面撥水接触角 116.1° 表面撥油接触角 73.6° 表面粗さ Ra=2.5μm、Rz=13.7μm、Rmax=15.8μm (実施例9)ロールとしてフッ素樹脂がコートされたも
の(7.)を使用したこと以外は、実施例8と同様にし
てシート状成型品を得た。
【0106】得られた成型品表面の撥水接触角、撥油接
触角および表面粗さの測定結果は次の通りであった。
【0107】表面撥水接触角 127.9° 表面撥油接触角 69.5° 表面粗さ Ra=2.1μm、Rz=10.4μm、Rmax=13.7μm (比較例17)含フッ素基共重合体ポリマーを添加しな
かったこと以外は、実施例8と同様にしてシート状成型
品を得た。
【0108】得られた成型品表面の撥水接触角および撥
油接触角は次の通りであった。
【0109】表面撥水接触角 112.9° 表面撥油接触角 28.0° (比較例18)含フッ素基共重合体ポリマーを添加しな
かったこと以外は、比較例15と同様にしてシート状成
型品を得た。
【0110】得られた成型品表面の撥水接触角および撥
油接触角は次の通りであった。
【0111】表面撥水接触角 87.7° 表面撥油接触角 21.0° (比較例19)含フッ素基共重合体ポリマーを添加しな
かったこと以外は、比較例16と同様にしてシート状成
型品を得た。
【0112】得られた成型品表面の撥水接触角および撥
油接触角は次の通りであった。
【0113】表面撥水接触角 110.7° 表面撥油接触角 66.7° (比較例20)含フッ素基共重合体ポリマーを添加しな
かったこと以外は、実施例9と同様にしてシート状成型
品を得た。
【0114】得られた成型品表面の撥水接触角および撥
油接触角は次の通りであった。
【0115】表面撥水接触角 118.0° 表面撥油接触角 35.0° (実施例10)樹脂組成物として、ナイロン樹脂(宇部
興産(株)社製、ナイロン12,3035U)99.05重量部
と、含フッ素基共重合体ポリマー(商品名 モティパー
F600、日本油脂(株)社製)0.05重量部(粉
末)とを使用したこと以外は、実施例7と同様にしてシ
ート状成型品を得た。
【0116】得られた成型品表面の撥水接触角、撥油接
触角および表面粗さの測定結果は次の通りであった。
【0117】表面撥水接触角 152.4° 表面撥油接触角 50.8° 表面粗さ Ra=0.3μm、Rz=1.7μm、Rmax=2.4μm (比較例21)ロールとしてステンレス製のものを使用
したこと以外は、実施例10と同様にしてシート状成型
品を得た。
【0118】得られた成型品表面の撥水接触角、撥油接
触角および表面粗さの測定結果は次の通りであった。
【0119】表面撥水接触角 92.0° 表面撥油接触角 27.8° 表面粗さ Ra=0.07μm、Rz=0.4μm、Rmax=0.6μm (比較例22)ロールとしてフッ素樹脂がコートされた
もの(3.)を使用したこと以外は、実施例10と同様
にしてシート状成型品を得た。
【0120】得られた成型品表面の撥水接触角、撥油接
触角および表面粗さの測定結果は次の通りであった。
【0121】表面撥水接触角 121.9° 表面撥油接触角 78.0°表面粗さ Ra=2.
4μm、Rz=15.7μm、Rmax=20.7μm (実施例11)ロールとしてフッ素樹脂がコートされた
もの(7.)を使用したこと以外は、実施例10と同様
にしてシート状成型品を得た。
【0122】得られた成型品表面の撥水接触角、撥油接
触角および表面粗さの測定結果は次の通りであった。
【0123】表面撥水接触角 130.8° 表面撥油接触角 63.1° 表面粗さ Ra=2.3μm、Rz=11.9μm、Rmax=14.4μm (比較例23)含フッ素基共重合体ポリマーを添加しな
かったこと以外は、実施例10と同様にしてシート状成
型品を得た。
【0124】得られた成型品表面の撥水接触角および撥
油接触角は次の通りであった。
【0125】表面撥水接触角 92.0° 表面撥油接触角 26.8° (比較例24)含フッ素基共重合体ポリマーを添加しな
かったこと以外は、比較例23と同様にしてシート状成
型品を得た。
【0126】得られた成型品表面の撥水接触角および撥
油接触角は次の通りであった。
【0127】表面撥水接触角 82.5° 表面撥油接触角 21.8°
【0128】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素基含有ポリマー
と熱可塑性樹脂とを含有するポリマーブレンド手法と、
樹脂成型加工手法との組み合わせにより、水との接触角
が125°以上という従来にない高い撥水性および撥油
性を表面に有する成型品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フッ素基含有ポリマーの添加量と成型品の表面
撥水接触角との関係を示すグラフである。
【図2】フッ素基含有ポリマーの添加量と成型品の表面
撥油接触角との関係を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素基含有ポリマーと熱可塑性樹脂と
    を含有する樹脂組成物からなり、その表面の水による接
    触角が125°以上である成型品。
  2. 【請求項2】 前記水による接触角が130°〜150
    °である請求項1記載の成型品。
  3. 【請求項3】 フッ素基含有ポリマーと熱可塑性樹脂と
    を含有する樹脂組成物を押出し機から押出し、次いで、
    表面にフッ素樹脂加工が施された成型機を用いて、該樹
    脂組成物の溶融状態で該樹脂組成物を成型することを特
    徴とする成型品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記成型機表面のフッ素樹脂加工が、四
    フッ化エチレン樹脂製シートを成型機表面に貼り付ける
    方法である請求項3記載の成型品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記成型機表面のフッ素樹脂加工が、成
    型機表面にフッ素樹脂をコートする方法である請求項3
    記載の成型品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記フッ素基含有ポリマーが、長鎖パー
    フルオロアルキル基を側鎖に有するポリマーである請求
    項3記載の成型品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998015598A1 (fr) * 1996-10-09 1998-04-16 Daikin Industries, Ltd. Composition de resine hydrofuge et oleofuge
US6225405B1 (en) 1996-10-09 2001-05-01 Daikin Industries, Ltd. Water and oil-repellent resin composition

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