JP2834379B2 - 塩化ビニル系樹脂シートの製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂シートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空形成や圧空成形等
の熱成形性に優れ、且つ、艶消しを施した塩化ビニル系
樹脂シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、種々の分野の塩化ビニル系樹脂成
形品において、表面光沢を消した艶消し成形品が高級感
があり、触感がよいことから好まれるようになってき
た。このような成形品は、通常、塩化ビニル系樹脂シー
トを成形し、このシートを用いて真空成形、圧空成形等
の熱成形により成形品に二次加工を施していた。
【0003】従来、上記の如き要望に対応する塩化ビニ
ル系樹脂成形品の艶消し技術としては、たとえば、 1)塩化ビニル系樹脂に艶消し剤を添加する方法、 2)二次加工前の塩化ビニル系樹脂シートにプレス板や
ロールによりエンボス加工する方法、等があった。 1)の方法に用いられてきた艶消し剤としては例えば、 部分的に架橋化された架橋塩化ビニル系共重合体(特
公平1─42291号公報、特開昭61─118226
号公報等) 微粉状のマイカ(特開昭63─176128号公報) などがあった。
【0004】しかし、1)の方法は、押出成形で得られ
たフィルムをロールを用いてシートにするので、表面の
艶消し剤がロールの押圧によって樹脂マトリックス内に
押し込められ、艶消し剤による表面の凹凸が消えてしま
っていた。そして、このシートを真空成形等の熱成形し
たとき、成形品の表面の艶消し効果は艶消し剤の表面ポ
ップアップ効果により現れていた。
【0005】しかしながら、原反シートの製造メーカー
と二次加工メーカーは異なるのが普通であり、二次加工
メーカーは、成形品の艶消し度の目安として、原反シー
トの艶消し度と略同じことを期待して二次加工を行うの
が一般である。又、真空成形や圧空成形時等の熱成形時
に、ポップアップ効果により成形品の表面の艶消しが可
能であるとしても、目的とする成形品の形状や寸法等に
よりそれぞれ二次加工条件が異なるので、艶消し度が二
次加工条件に左右されてしまい、艶消し度が一定の成形
品を安定して得ることが難しいという問題点があった。
【0006】一方、2)の方法によると、シートの艶消
しは機械的に付けられたエンボスの凹凸の山の高さによ
って決定される。このシートを用いた場合、真空成形等
の熱成形時に、シートの表面に機械的に賦形された凹凸
は失われ易く、シートと略同一の艶消しを施した成形品
を得ることができないという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
従来の問題点を解消し、耐衝撃性及び熱成形性に優れ、
真空成形等の熱成形を行ったときに略同一の艶消しを施
した成形品を得ることのできる塩化ビニル系樹脂シート
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明において、未架橋
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル樹脂、及び塩化
ビニルとその塩化ビニルと共重合可能な1種以上の単量
体との共重合した塩化ビニル系共重合体等が挙げられ
る。
【0009】塩化ビニルと共重合可能な単量体として
は、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレ
フィン類、酢酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニル
エステル類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等
のアクリル酸エステル類、フマル酸、マレイン酸等のエ
ステル類及びこの無水物、フェニルマレイミド、シクロ
ヘキシルマレイミド等のN置換マレイミド類、セシルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル
等のニトリル化合物、塩化ビニリデン等のビニリデン化
合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用さ
れる。
【0010】これらの単量体の塩化ビニル系共重合体中
の含有量は、多くなると塩化ビニル系樹脂の特性が損な
われるので、20重量%未満が好ましい。
【0011】又、エチレン─酢酸ビニル共重合体、エチ
レン─エチルアクリレート共重合体、エチレン─メチル
メタクリレート共重合体、エチレン─酢酸ビニル─一酸
化炭素共重合体、ポリウレタン等に塩化ビニルをグラフ
ト重合したグラフト共重合体であってもよい。
【0012】未架橋塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、
低くなると塩化ビニル系樹脂シートの強度が低下する傾
向があり、高くなると塩化ビニル系樹脂シートの真空成
形性や圧空成形性が悪くなる傾向があるので、500〜
1500が好ましい。
【0013】本発明において、架橋塩化ビニル系樹脂と
は、上記の塩化ビニル系樹脂が部分的に架橋されている
ものである。塩化ビニル系樹脂の架橋は、その重合時や
重合後に、架橋剤によりおこなわれる。
【0014】架橋剤としては、例えば、ジアリルフタレ
ート、ジアリルテレフタレート、ジアリルマレエート、
ジビニルベンゼン等のジアリル化合物、ポリエチレング
リコールジアクリレート、1,3─ブチレンジメタクリ
レート等のジメタクリレート化合物、ジエチングリコー
ルジアクリレート、1,3─ブチレンジアクリレート等
のジアクリレート化合物、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレ
ート等のトリアクリレート化合物、テトラメチロールメ
タントリアクリレート等が挙げられる。
【0015】架橋塩化ビニル系樹脂の架橋前の平均重合
度は、低くなると塩化ビニル系樹脂シートの耐衝撃強度
が低下する傾向があり、高くなると塩化ビニル系樹脂シ
ートの熱成形性が悪くなる傾向があるので500〜20
00が好ましい。
【0016】架橋塩化ビニル系樹脂の架橋後のゲル分率
は、低くなると充分に艶消しされた成形品が得られない
傾向があり、高くなると塩化ビニル系樹脂シートの耐衝
撃強度が低下する傾向があるので0.3〜40重量%が
好ましく、さらに好ましくは1〜30重量%である。
【0017】架橋塩化ビニル系樹脂は、粉末で使用され
る。粉末の平均粒子径は、小さくなると充分に艶消しさ
れた成形品が得られない傾向があり、大きくなると成形
加工性が悪くなり、押出機のモーター負荷が上昇し易く
なる傾向があるので、1〜50μmが好ましい。
【0018】架橋塩化ビニル系樹脂の添加量は、多くな
ると得られる塩化ビニル系樹脂シートの耐衝撃強度が低
下し、少なくなると充分に艶消しされた成形品が得られ
ないので、未架橋塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て10〜50重量部である。
【0019】本発明において、未架橋塩化ビニル系樹脂
と、架橋塩化ビニル系樹脂を溶融押し出しする際には、
必要に応じて、耐衝撃改良剤としてアクリル系強化剤が
添加されてもよい。アクリル系強化剤としては、例え
ば、特公昭39─14064号公報に記載の如く、アル
キル(メタ)アクリレートを主成分とする共重合体及び
/又は多段グラフト重合体や、必要に応じて架橋したも
のが使用される。
【0020】その具体例としては、アルキル(メタ)ク
リレートとしては、ブチルアクリレート、2─エチルヘ
キシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレト、プロピルメタクリレート等が挙げられ、必
要に応じてアクリルニトリル、ハロゲン化ビニル、スチ
レンを併用することができる。
【0021】架橋剤としては、ジアリルフタレート、ジ
アリルテレフタレート、ジアリルマレエート、ジビニル
ベンゼン等のジアリル化合物、ポリエチレングリコール
ジメタクリレート、1,3─ブチレンメタアクリレート
等のジメタクリレート等のジメタクリレート化合物が挙
げられる。
【0022】又、さらに必要に応じて、安定剤、滑剤、
加工助剤、改質剤、酸化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤
等が併用される。
【0023】安定剤としては、例えば、ジオクチル錫マ
レエート、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫マレエー
トポリマー等の有機錫系安定剤、二塩基性ステアリン酸
鉛、三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸鉛等の鉛系安定剤、
バリウム─亜鉛、カルシウム─亜鉛等の複合安定剤、無
機安定剤等が使用される。
【0024】滑剤としては、例えば、ステアリルアルコ
ール等のアルコール系滑剤、ポリエチレンワックス、カ
ルシウム─ステアリン酸、マグネシウム─ステアリン酸
等の有機金属系滑剤等が使用される。
【0025】加工助剤としては、例えば、メチルメタア
クリレート─アクリルニトリル─スチレン共重合体、メ
チルメタアクリレート等のアクリル系加工助剤が使用さ
れる。
【0026】改質剤としては、例えば、塩素化ポリエチ
レン、エチレン─酢酸ビニル共重合体、アクリルニトリ
ル─スチレン─ブタジエン共重合体等が使用される。酸
化防止剤としては、例えば、ビスフェノールA、ブチル
ヒドロキシトルエン等が使用される。
【0027】可塑剤としては、例えば、ジ─2─エチル
ヘキシルフタレート、ジ─2─エチルヘキシルアジペー
ト等が使用される。充填剤としては、例えば、炭酸カル
シウム、タルク等が使用される。紫外線吸収剤として
は、例えば、サルシレートエステル、ベンゾエートエス
テル、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等が使
用される。
【0028】本発明においては、上記未架橋塩化ビニル
系樹脂、架橋塩化ビニル系樹脂及び必要に応じて耐衝撃
改良剤、安定剤、滑剤、加工助剤、改質剤、酸化防止
剤、充填剤、紫外線吸収剤等からなるシートを溶融押出
する。シートの表面には凹凸の山の高さが架橋塩化ビニ
ル系樹脂粉末の平均粒子径、つまりその直径の5〜20
%となるような凹凸加工を施す。
【0029】本発明においては、押し出しと同時又は押
し出し後に、凹凸加工を施す。このシート表面の凹凸加
工は、例えば、押出機の金型吐出口から押し出された直
後のシートを、エンボスロール間を通過させることによ
り、凹凸加工を施してもよく、又、押出機の金型吐出口
にて、従来公知のいわゆるリップエンボス方式にて、押
し出しと同時にシートの表面に凹凸加工を施してもよ
い。
【0030】エンボスロールの表面は、塩化ビニル系樹
脂シートの表面に架橋塩化ビニル系樹脂の平均粒子径の
5〜20%となるような凹凸加工を施すことが可能な凹
凸面とされている。エンボスロールの表面の凹凸の山の
高さは、未架橋塩化ビニル系樹脂や架橋塩化ビニル系樹
脂の種類や押出成形条件等により異なるが、塩化ビニル
系樹脂シートの表面に形成する凹凸の山の高さの100
〜150倍とするのが好適である。
【0031】シートの表面の凹凸の山の高さは、凸部の
最頂点と凹部の最底点との間の高さを意味する。その凹
凸の山の高さは架橋塩化ビニル系樹脂粉末の平均粒子径
の5〜20%である。この範囲を外れる場合と、シート
の艶消し度と、そのシートを真空成形等の熱成形した後
の成形品の艶消し度を略同一にすることができない。
【0032】得られた塩化ビニル系樹脂シートから成形
体を得るには、熱成形による。熱成形とは、シートを加
熱して軟化させ、これに外力を加えて成形する方法であ
り、真空成形、圧空成形等の成形法が使用される。真空
成形とは、シートを型の上にクランプしたまま加熱軟化
させ、型とシートとの隙間を真空にして、シートを型に
密着させて成形し、冷却後真空をきって成形品を取り出
す方法である。塩化ビニル系樹脂シートの片面のみに凹
凸加工が施された場合は、凹凸加工されていない面と型
との隙間を真空にする。上記加熱温度は、ヒーター温度
300〜400℃で1〜3分加熱することにより、シー
トの表面が160〜200℃に加熱され、シートの艶消
し度と、真空成形した後の成形品の艶消し度を略同一に
することができる。
【0033】次に、本発明の塩化ビニル系樹脂シートの
製造方法の一例を図面を参照して説明する。図1は本発
明の一例における、塩化ビニル系樹脂シートの表面に凹
凸加工を施す状態を説明する正面図である。上記の樹脂
組成物を図示しない押出機に供給し、押出機にて混練し
て、その先端の金型1の吐出口よりシートを押し出し、
そのシートを縦型3本ロール2に導き通過させる。縦型
3本ロール2はエンボスロール21、22と冷却ロール
23とからなる。エンボスロール21、22の表面に
は、シートの表面に凹凸加工を施すための凹凸面が形成
されている。エンボスロール表面の凹凸の山の高さはシ
ートに施す凹凸の山の高さの100〜150倍とされて
いる。
【0034】エンボスロール21、22間を通過したシ
ート3は、エンボスロール22、冷却ロール23間を通
過して、図2に示す如く、その表面に、架橋塩化ビニル
系樹脂粉末3Aが完全に押し込まれることなく存在する
部分に対応して凸部31が形成されると共に、架橋塩化
ビニル系樹脂粉末3A間を埋めた未架橋塩化ビニル系樹
脂3Bに対応する部分に凹部32が形成される如くして
凹凸加工が施されている。その凹凸の山の高さは、架橋
塩化ビニル系樹脂粉末3Aの平均粒子径の5〜20%と
されており、シート3の表面は艶消しが充分に行われて
いる。
【0035】このシート3を用いて真空成形を行った成
形品4は、図3に示す如く、その表面に、架橋塩化ビニ
ル系樹脂粉末4Aの一部が突出する凸部41が形成され
ると共に、架橋塩化ビニル系樹脂粉末4A間を埋めた未
架橋塩化ビニル系樹脂4Bの部分に対応する部分に凹部
42が形成される如くして凹凸加工が施されている。そ
の凹凸の山の高さは、シート3の表面に施された凹凸の
山の高さと略同一とされ、シート4の表面の艶消し状態
が充分に維持されて、艶消しが充分に施されている。
【作用】本発明の塩化ビニル系樹脂シートの製造方法
は、未架橋塩化ビニル系樹脂100重量部と、架橋塩化
ビニル系樹脂10〜50重量部からなる樹脂組成物をシ
ートに押し出すことにり、得られる塩化ビニル系樹脂シ
ートは耐衝撃性及び熱成形性に優れており、且つ、押し
出しと同時又は押し出し後に、そのシートの表面に凹凸
の山の高さが前記架橋塩化ビニル系樹脂粉末の平均粒子
径の5〜20%となるような凹凸加工を施すことによ
り、得られる塩化ビニル系樹脂シートは、その表面は、
架橋塩化ビニル系樹脂粉末の存在する部分に対応する凸
部とその粒子間の未架橋塩化ビニル系樹脂の部分に対応
する凹部が形成される如くして粗面化され表面光沢が消
されて艶消しが充分に行われている。そして、この艶消
し塩化ビニル系樹脂シートは、真空成形や圧空成形等の
熱成形により成形品に二次加工した場合に、破損するこ
となく成形性良く熱成形することができると共に、シー
トの表面に形成された表面の粗面が二次加工後も所謂艶
戻りする現象がなく、そのまま成形品の表面に維持させ
て、シートの艶消し度と略同じ充分な艶消し度を有する
艶消し成形品を成形することができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例1〜3、比較例1〜5 樹脂組成物として、粘度平均重合度800の塩化ビニル
樹脂(徳山積水社製:商品名「TS−800E」)10
0重量部に、表1に示した平均粒子径を有する架橋塩化
ビニル系樹脂粉末(鐘淵化学社製:商品名「XEL−
D」)を表1に示した量を添加し、混合したものを用い
た。
【0037】押出機として、2軸異方向回転押出機を用
いた。金型としては、幅1000mmのTダイを用い
た。シートの作成には、図1に示した縦型3本ロール2
を用いた。縦型3本ロール2はエンボスロール21、2
2と冷却ロール23とからなる。エンボスロール21、
22ロール表面には、表1に示した山の高さを有する凹
凸加工がされている。エンボスロール21、22、冷却
ロール23の表面温度は全て120℃とした。エンボス
ロール21、22間、エンボスロール22冷却ロール2
3間はそれぞれ3mmとした。引取速度は50cm/m
inで行った。
【0038】上記の樹脂組成物を押出機に供給し、押出
機にて混練して、表1に示した押出し樹脂温度にて金型
吐出口からシートに押し出し、そのシートをエンボスロ
ール21、22間を経て、エンボスロール22冷却ロー
ル23間に導き通過させて引き取り、両面に凹凸加工が
施された肉厚3mmの塩化ビニル系樹脂シートを得た。
押出し成形時のモーター負荷を表1に示した。
【0039】得られた塩化ビニル系樹脂シートから試料
を切り出し、光沢度、表面凹凸の山の高さ、アイゾット
衝撃強度を測定し、表面凹凸の山の高さHと架橋塩化ビ
ニル系樹脂粉末の平均粒子径Rの比(H/R)を表1に
示した。このシートを矩形のキャビティを有する型に固
定し、型上から350℃のヒーターで170秒間加熱し
てシートを軟化させ、さらにシートの一面を型上の4隅
から真空で吸引し、得られた成形品の光沢度、真空で吸
引した面と反対の面の表面凹凸の山の高さを測定した。
その結果を表1に示した。尚、アイゾット衝撃強度は、
JIS K 6745に準じて測定した。光沢度は、J
IS K 7141に準じて、平板表面の60度鏡面光
沢度を測定した。
【0040】
【表1】
【0041】表1からも明らかな如く、本発明の実施例
の場合には、いずれも、塩化ビニル系樹脂シートの凹凸
面の山の高さ及び光沢度と、熱成形した成形品の表面凹
凸の山の高さ及び光沢度とが略同一であり、且つ成形品
の耐衝撃性が高い。これに対して、比較例1〜3の如
く、シートに凹凸の山が形成されていないか、又は凹凸
の山の高さが架橋塩化ビニル系樹脂粉末の平均粒子径の
5〜20%を外れている場合には、シートの表面の凹凸
の山の高さと、このシートを用いて熱成形した成形品の
表面の凹凸の山の高さとが一著しく異なっている。又、
比較例4、5の如く、架橋塩化ビニル系樹脂の添加量が
少な過ぎたり又は多過ぎる場合には、得られた塩化ビニ
ル系樹脂シートの耐衝撃性が低下している。
【0042】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂シートの製造
方法は、上記の如き構成とされているので、シートの艶
消し度と略同じ充分な艶消し度を有する塩化ビニル系樹
脂成形品を成形することができる。又、本発明の製造方
法で得られた塩化ビニル系樹脂シートは熱成形性に優
れ、このシートから得られた塩化ビニル系樹脂成形品
は、耐衝撃性に優れ、且つ艶消しを充分に施すことがで
きる。従って本発明の製造方法で得られた塩化ビニル系
樹脂シートを、真空成形や圧空成形等の熱成形すること
によって得られた塩化ビニル系樹脂成形品は輸送機材、
住宅設備、園芸用品、電子機器部品、航空機部品、照明
用品等の艶消し成形品として好適に使用することができ
る。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例における、塩化ビニル系樹脂シー
トの表面に凹凸加工をする状態を示す正面図である。
【図2】本発明の一例により得られた塩化ビニル系樹脂
シートの表面の凹凸状態を示す断面図である。
【図3】本発明の一例により得られた塩化ビニル系樹脂
シートを用いて熱成形した成形品の表面の凹凸状態をを
示す断面図である。
【符号の説明】
1 金型 2 縦型3本ロール 3 シート 4 成形品 3A、4A 架橋塩化ビニル系樹脂粉末 3B、4B 未架橋塩化ビニル系樹脂 31、41 凸部 32、42 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 59/00 - 59/04 B29C 47/00 - 47/96 C08J 5/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未架橋塩化ビニル系樹脂100重量部
    と、架橋塩化ビニル系樹脂10〜50重量部からなり、
    架橋塩化ビニル系樹脂が粉末の状態で存在しているシー
    トを溶融押し出しし、押し出しと同時又は押し出し後
    に、シートの少なくとも片面に、凹凸を形成する塩化ビ
    ニル系樹脂シートの製造方法であって、凹凸の山の高さ
    が前記架橋塩化ビニル系樹脂粉末の平均粒子径の5〜2
    0%であることを特徴とする塩化ビニル系樹脂シートの
    製造方法。
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