JPH0938972A - 繊維複合シートの製造方法 - Google Patents
繊維複合シートの製造方法Info
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- JPH0938972A JPH0938972A JP19464595A JP19464595A JPH0938972A JP H0938972 A JPH0938972 A JP H0938972A JP 19464595 A JP19464595 A JP 19464595A JP 19464595 A JP19464595 A JP 19464595A JP H0938972 A JPH0938972 A JP H0938972A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 連続強化繊維束に粉体状熱可塑性樹脂を含浸
させた、厚みムラの少ない、品質のすぐれた繊維複合シ
ートの製造方法を提供する。 【解決手段】 多数の連続モノフィラメントよりなる強
化繊維束Fを、凸状曲面Aを有する振動部材3と、該振
動部材3に対して交互に配置されかつ凸状曲面Bを有す
るガイド部材2とに圧接させながら通過せしめるととも
に、粉体状熱可塑性樹脂を連続的に供給して、強化繊維
束Fを開繊させるとともに、粉体状熱可塑性樹脂を各モ
ノフィラメント相互間に捕捉させて含浸させる。含浸工
程後の樹脂付着連続強化繊維を、側面よりみて千鳥状に
配置された複数の凸状曲面Cを有する固定部材10に圧
接させながら通過せしめ、強化繊維束Fの振動を微振動
に低減させ、該繊維上にさらに粉体状熱可塑性樹脂に供
給して、先の振動によって落下した粉体状熱可塑性樹脂
を補い、厚みムラの少ない繊維複合シートを得る。
させた、厚みムラの少ない、品質のすぐれた繊維複合シ
ートの製造方法を提供する。 【解決手段】 多数の連続モノフィラメントよりなる強
化繊維束Fを、凸状曲面Aを有する振動部材3と、該振
動部材3に対して交互に配置されかつ凸状曲面Bを有す
るガイド部材2とに圧接させながら通過せしめるととも
に、粉体状熱可塑性樹脂を連続的に供給して、強化繊維
束Fを開繊させるとともに、粉体状熱可塑性樹脂を各モ
ノフィラメント相互間に捕捉させて含浸させる。含浸工
程後の樹脂付着連続強化繊維を、側面よりみて千鳥状に
配置された複数の凸状曲面Cを有する固定部材10に圧
接させながら通過せしめ、強化繊維束Fの振動を微振動
に低減させ、該繊維上にさらに粉体状熱可塑性樹脂に供
給して、先の振動によって落下した粉体状熱可塑性樹脂
を補い、厚みムラの少ない繊維複合シートを得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維複合シートの
製造方法に関するものである。
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維複合シートの製造方法として
は、流動床中でバーに強化繊維束を擦り付けるととも
に、粉体状熱可塑性樹脂をいわゆる擦り込みによって各
モノフィラメント間に侵入させて含浸させる方法が採ら
れており、このような擦り込み方法だけでは、粉体状熱
可塑性樹脂が強化繊維の各モノフィラメント間に安定し
て確実に侵入することができず、またその結果、各モノ
フィラメントが個々に独立してきれいに分散及び開繊せ
ずに、部分的に熱可塑性樹脂の含浸不良が発生するとい
う問題があった。
は、流動床中でバーに強化繊維束を擦り付けるととも
に、粉体状熱可塑性樹脂をいわゆる擦り込みによって各
モノフィラメント間に侵入させて含浸させる方法が採ら
れており、このような擦り込み方法だけでは、粉体状熱
可塑性樹脂が強化繊維の各モノフィラメント間に安定し
て確実に侵入することができず、またその結果、各モノ
フィラメントが個々に独立してきれいに分散及び開繊せ
ずに、部分的に熱可塑性樹脂の含浸不良が発生するとい
う問題があった。
【0003】そこで、振動体に丸棒状の凸状曲面を形成
して、該凸状曲面に連続モノフィラメントよりなる強化
繊維束を接触させながら通過させ、その通過中に強化繊
維束上に粉体状熱可塑性樹脂を散布供給して、各モノフ
ィラメント間に侵入及び含浸させる方法(特開平6−3
35920号公報参照)が提案された。この従来法は、
各モノフィラメント自身を振動させることにより、モノ
フィラメント表面に付着した粉体状熱可塑性樹脂を一緒
に振動させて、フィラメント間に粉体状熱可塑性樹脂が
侵入する力を補足し、含浸性を向上させようとするもの
である。
して、該凸状曲面に連続モノフィラメントよりなる強化
繊維束を接触させながら通過させ、その通過中に強化繊
維束上に粉体状熱可塑性樹脂を散布供給して、各モノフ
ィラメント間に侵入及び含浸させる方法(特開平6−3
35920号公報参照)が提案された。この従来法は、
各モノフィラメント自身を振動させることにより、モノ
フィラメント表面に付着した粉体状熱可塑性樹脂を一緒
に振動させて、フィラメント間に粉体状熱可塑性樹脂が
侵入する力を補足し、含浸性を向上させようとするもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、フィラメント間に侵入、及び表面に付着
した粉体状熱可塑性樹脂が、振動による影響で部分的に
落下することが多く、厚みムラ発生の原因となるという
問題があった。
来の方法では、フィラメント間に侵入、及び表面に付着
した粉体状熱可塑性樹脂が、振動による影響で部分的に
落下することが多く、厚みムラ発生の原因となるという
問題があった。
【0005】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、連続強化繊維束に粉体状熱可塑性樹脂を含浸さ
せた繊維複合シートを製造するにあたって、厚みムラの
少ない、品質のすぐれた繊維複合シートの製造方法を提
供しようとするにある。
解決し、連続強化繊維束に粉体状熱可塑性樹脂を含浸さ
せた繊維複合シートを製造するにあたって、厚みムラの
少ない、品質のすぐれた繊維複合シートの製造方法を提
供しようとするにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による繊維複合シ
ートの製造方法は、多数の連続モノフィラメントよりな
る強化繊維束を、凸状曲面Aを有する振動部材と、該振
動部材に対して交互に配置されかつ凸状曲面Bを有する
ガイド部材とに圧接させながら通過せしめるとともに、
振動している強化繊維束上に粉体状熱可塑性樹脂を連続
的に供給して、繊維束を開繊させるとともに、粉体状熱
可塑性樹脂を各モノフィラメント相互間に捕捉させて含
浸せしめる工程と、含浸工程を経た後の樹脂付着連続強
化繊維を、側面よりみて千鳥状に配置された複数の凸状
曲面Cを有する固定部材に圧接させながら通過せしめる
とともに、樹脂付着連続強化繊維上にさらに粉体状熱可
塑性樹脂に供給して、粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィ
ラメント相互間に捕捉させる工程と、開繊された多数の
樹脂付着連続強化繊維の熱可塑性樹脂を加熱溶融してシ
ート状となし、ついでこれを冷却固化する工程とを含む
ことを特徴とするものである。
ートの製造方法は、多数の連続モノフィラメントよりな
る強化繊維束を、凸状曲面Aを有する振動部材と、該振
動部材に対して交互に配置されかつ凸状曲面Bを有する
ガイド部材とに圧接させながら通過せしめるとともに、
振動している強化繊維束上に粉体状熱可塑性樹脂を連続
的に供給して、繊維束を開繊させるとともに、粉体状熱
可塑性樹脂を各モノフィラメント相互間に捕捉させて含
浸せしめる工程と、含浸工程を経た後の樹脂付着連続強
化繊維を、側面よりみて千鳥状に配置された複数の凸状
曲面Cを有する固定部材に圧接させながら通過せしめる
とともに、樹脂付着連続強化繊維上にさらに粉体状熱可
塑性樹脂に供給して、粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィ
ラメント相互間に捕捉させる工程と、開繊された多数の
樹脂付着連続強化繊維の熱可塑性樹脂を加熱溶融してシ
ート状となし、ついでこれを冷却固化する工程とを含む
ことを特徴とするものである。
【0007】上記において、強化繊維としては、使用す
る熱可塑性樹脂の溶融温度において熱的に安定な繊維が
用いられる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊
維、セラミックス長繊維等の無機繊維や、アラミド繊
維、ポリエステル繊維、ビニロン等の有機繊維等が用い
られる。モノフィラメントの直径は取り扱い性を考慮す
れば1〜50μm程度であるのが好ましい。
る熱可塑性樹脂の溶融温度において熱的に安定な繊維が
用いられる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊
維、セラミックス長繊維等の無機繊維や、アラミド繊
維、ポリエステル繊維、ビニロン等の有機繊維等が用い
られる。モノフィラメントの直径は取り扱い性を考慮す
れば1〜50μm程度であるのが好ましい。
【0008】また、粉体状熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリス
ルホン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
粉体状樹脂粒子の径は、強化繊維のモノフィラメント径
に対する比率、また強化繊維束間に侵入及び捕捉される
こと等を考慮すると10〜300μm程度であるのが好
ましい。
ば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリス
ルホン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
粉体状樹脂粒子の径は、強化繊維のモノフィラメント径
に対する比率、また強化繊維束間に侵入及び捕捉される
こと等を考慮すると10〜300μm程度であるのが好
ましい。
【0009】なお、粉体状でない熱可塑性樹脂を用いる
場合には、これを常温粉砕、冷凍粉砕などの方法によっ
て適度な粒子径にすることにより、使用可能である。
場合には、これを常温粉砕、冷凍粉砕などの方法によっ
て適度な粒子径にすることにより、使用可能である。
【0010】凸状曲面Aを有する振動部材は、強化繊維
束に対して、粉体状熱可塑性樹脂の侵入を促進するもの
であれば良い。
束に対して、粉体状熱可塑性樹脂の侵入を促進するもの
であれば良い。
【0011】また、振動部材の振動数及び振幅が経時的
に変化すると、それに連れて、粉体状熱可塑性樹脂がフ
ィラメント間に侵入する力が変化し、成形品厚みなどに
ムラが発生するので、好ましくは、振動部材の振動数及
び振幅が経時的に変化することのない一定の振動を繰り
返すようにすることが望ましい。
に変化すると、それに連れて、粉体状熱可塑性樹脂がフ
ィラメント間に侵入する力が変化し、成形品厚みなどに
ムラが発生するので、好ましくは、振動部材の振動数及
び振幅が経時的に変化することのない一定の振動を繰り
返すようにすることが望ましい。
【0012】凸状曲面Aを有する振動部材の振幅は、強
化繊維束に対して確実に振動が伝わる程度の微弱なもの
でもよいが、粉体状熱可塑性樹脂の強化繊維束間への侵
入を向上させるためには0.1〜10mm程度であるの
が好ましい。ここで、凸状曲面Aを有する振動部材の振
幅が0.1mm未満であれば、強化繊維束に対して振動
を確実に伝えることができないので、好ましくない。ま
た凸状曲面Aを有する振動部材の振幅が10mmを越え
ると、モノフィラメント単位で破断してしまうおそれが
あるので、好ましくない。また凸状曲面Aを有する振動
部材(振動体)の振動数は、通常15〜300Hzが好
ましい。ここで、振動体の振動数は、小さすぎると含浸
性の効果が低く、また振動体の振動数は、大きすぎる
と、粉体状熱可塑性樹脂が全体的に下部の方へ移動し、
繊維複合シート表面において、一方は樹脂が多く、他方
はガラス繊維が表面に浮き出ている状態になり、シート
断面内でムラが発生するので、好ましくない。
化繊維束に対して確実に振動が伝わる程度の微弱なもの
でもよいが、粉体状熱可塑性樹脂の強化繊維束間への侵
入を向上させるためには0.1〜10mm程度であるの
が好ましい。ここで、凸状曲面Aを有する振動部材の振
幅が0.1mm未満であれば、強化繊維束に対して振動
を確実に伝えることができないので、好ましくない。ま
た凸状曲面Aを有する振動部材の振幅が10mmを越え
ると、モノフィラメント単位で破断してしまうおそれが
あるので、好ましくない。また凸状曲面Aを有する振動
部材(振動体)の振動数は、通常15〜300Hzが好
ましい。ここで、振動体の振動数は、小さすぎると含浸
性の効果が低く、また振動体の振動数は、大きすぎる
と、粉体状熱可塑性樹脂が全体的に下部の方へ移動し、
繊維複合シート表面において、一方は樹脂が多く、他方
はガラス繊維が表面に浮き出ている状態になり、シート
断面内でムラが発生するので、好ましくない。
【0013】また、凸状曲面Aを有する振動部材の振動
数は、小さすぎると含浸性の効果が低く、また大きすぎ
ると、モノフィラメントに付着、及び含浸した粉体状熱
可塑性樹脂が降り落ちることがあるので、通常15〜2
50Hzが好ましい。
数は、小さすぎると含浸性の効果が低く、また大きすぎ
ると、モノフィラメントに付着、及び含浸した粉体状熱
可塑性樹脂が降り落ちることがあるので、通常15〜2
50Hzが好ましい。
【0014】凸状曲面Aを有する振動部材の形状は、振
動を強化繊維束に伝達できる形状であればよく、横断面
が凸状曲面に形成された面部材でもよいし、横断面が円
形、半円形、略三角形、略四角形等に形成された棒状部
材でもよい。横断面が略三角形及び略四角形の場合に
は、強化繊維束の接触する角部は、モノフィラメントを
傷つけずかつ破断させないように、もちろん丸くなされ
ている。
動を強化繊維束に伝達できる形状であればよく、横断面
が凸状曲面に形成された面部材でもよいし、横断面が円
形、半円形、略三角形、略四角形等に形成された棒状部
材でもよい。横断面が略三角形及び略四角形の場合に
は、強化繊維束の接触する角部は、モノフィラメントを
傷つけずかつ破断させないように、もちろん丸くなされ
ている。
【0015】振動部材の凸状曲面Aの曲率は、接触通過
する強化繊維が切れない程度のものであればよく、半径
5〜300mm程度が好ましく、振動させることを考慮
すると、10〜50mm程度が望ましい。凸状曲面Aを
有する振動部材の数は1つでは効果が低く、多すぎて
も、粉体状熱可塑性樹脂が強化繊維束に入り込むのに飽
和状態となり効果がなくなるので、2〜20個程度があ
ればよい。
する強化繊維が切れない程度のものであればよく、半径
5〜300mm程度が好ましく、振動させることを考慮
すると、10〜50mm程度が望ましい。凸状曲面Aを
有する振動部材の数は1つでは効果が低く、多すぎて
も、粉体状熱可塑性樹脂が強化繊維束に入り込むのに飽
和状態となり効果がなくなるので、2〜20個程度があ
ればよい。
【0016】繊維強化束のテンションは、小さすぎると
強化繊維束表面に粉体状熱可塑性樹脂が付着するだけで
含浸性が悪く、その結果、曲げ強度の低下を招き、また
大きすぎるとモノフィラメント単位で破断する恐れがあ
るので、100g〜2000g/本程度が望ましい。
強化繊維束表面に粉体状熱可塑性樹脂が付着するだけで
含浸性が悪く、その結果、曲げ強度の低下を招き、また
大きすぎるとモノフィラメント単位で破断する恐れがあ
るので、100g〜2000g/本程度が望ましい。
【0017】凸状曲面Aを有する振動部材の材料は、金
属、プラスチック等のフィラメントを傷つけず、かつ破
断させない表面状態のものが好ましいが、これらには限
定されない。
属、プラスチック等のフィラメントを傷つけず、かつ破
断させない表面状態のものが好ましいが、これらには限
定されない。
【0018】一方、凸状曲面Bを有するガイド部材の形
状、曲率、材料等は、凸状曲面Aを有する振動部材と同
様のものでよい。また凸状曲面Bを有するガイド部材
は、振動させずに固定してもよいし、凸状曲面Aを有す
る振動部材と同様に振動させてもよい。ガイド部材の設
置数は、凸状曲面Aを有する振動部材の数に応じて適宜
設定される。
状、曲率、材料等は、凸状曲面Aを有する振動部材と同
様のものでよい。また凸状曲面Bを有するガイド部材
は、振動させずに固定してもよいし、凸状曲面Aを有す
る振動部材と同様に振動させてもよい。ガイド部材の設
置数は、凸状曲面Aを有する振動部材の数に応じて適宜
設定される。
【0019】なおここで、凸状曲面Aを有する振動部材
と、凸状曲面Bを有するガイド部材とが交互に配置され
るとは、振動部材とガイド部材とが1つずつ交互に配置
される場合だけでなく、振動部材の1つ〜3つと、ガイ
ド部材の1つ〜3つとが交互に配置される場合も含まれ
るものとする。
と、凸状曲面Bを有するガイド部材とが交互に配置され
るとは、振動部材とガイド部材とが1つずつ交互に配置
される場合だけでなく、振動部材の1つ〜3つと、ガイ
ド部材の1つ〜3つとが交互に配置される場合も含まれ
るものとする。
【0020】振動装置としては、一般に、モーターカ
ム、エアー弁、油圧弁を使用したものや、高周波振動を
与えるバイブレーターなどを用い、あるいはまた、これ
らを組み合わせた振動装置を使用する。
ム、エアー弁、油圧弁を使用したものや、高周波振動を
与えるバイブレーターなどを用い、あるいはまた、これ
らを組み合わせた振動装置を使用する。
【0021】振動している強化繊維束上に、一定量の粉
体状熱可塑性樹脂を供給するには、一般的な供給装置を
用いればよく、具体例には、一定目開きの篩い、ベルト
フィーダ、スクリューフィーダ等が挙げられる。
体状熱可塑性樹脂を供給するには、一般的な供給装置を
用いればよく、具体例には、一定目開きの篩い、ベルト
フィーダ、スクリューフィーダ等が挙げられる。
【0022】また、粉体状熱可塑性樹脂の繊維モノフィ
ラメントへの侵入を容易にするために、空気と粉体状熱
可塑性樹脂とを混合した後、これを強制的に強化繊維束
の上方より、あるいはまた上下左右方向より吹き付けて
供給する場合がある。これらの場合には、例えばエゼク
タフィーダや、エアスライドフィーダ等を用いれば良
い。
ラメントへの侵入を容易にするために、空気と粉体状熱
可塑性樹脂とを混合した後、これを強制的に強化繊維束
の上方より、あるいはまた上下左右方向より吹き付けて
供給する場合がある。これらの場合には、例えばエゼク
タフィーダや、エアスライドフィーダ等を用いれば良
い。
【0023】粉体状熱可塑性樹脂の供給量は、特には限
定されないが、樹脂粉体の特性(粒子径、粒度分布等)
や、強化繊維束のモノフィラメントの直径や、必要な強
化繊維束の含有率や、強化繊維への付着率に応じて適宜
調節される。
定されないが、樹脂粉体の特性(粒子径、粒度分布等)
や、強化繊維束のモノフィラメントの直径や、必要な強
化繊維束の含有率や、強化繊維への付着率に応じて適宜
調節される。
【0024】粉体状熱可塑性樹脂の供給量の調節は、例
えば篩いの場合、篩いの振動数の調節により、エゼクタ
フィーダやエアスライドフィーダの場合には、空気圧
や、空気中の熱可塑性樹脂濃度の調節により行なう。
えば篩いの場合、篩いの振動数の調節により、エゼクタ
フィーダやエアスライドフィーダの場合には、空気圧
や、空気中の熱可塑性樹脂濃度の調節により行なう。
【0025】粉体状熱可塑性樹脂を強化繊維束のモノフ
ィラメント相互間に、より充分にかつ容易に侵入させる
ために、強化繊維束を中心として粉体状熱可塑性樹脂供
給装置と反対側に吸引装置を対向状に配置し、供給され
た粉体状熱可塑性樹脂の混合空気を強化繊維束を介して
吸引するようにすればよい。ここで吸引は、吸引装置に
真空ポンプ、局部排気装置、サイクロン装置等を接続す
ることによって行なわれる。
ィラメント相互間に、より充分にかつ容易に侵入させる
ために、強化繊維束を中心として粉体状熱可塑性樹脂供
給装置と反対側に吸引装置を対向状に配置し、供給され
た粉体状熱可塑性樹脂の混合空気を強化繊維束を介して
吸引するようにすればよい。ここで吸引は、吸引装置に
真空ポンプ、局部排気装置、サイクロン装置等を接続す
ることによって行なわれる。
【0026】さらに、凸状曲面Cを有する固定部材によ
り、振動が低減させられた含浸工程後の強化繊維束上
に、粉体状熱可塑性樹脂が散布されるわけであるが、こ
こで、凸状曲面Cを有する固定部材は、固定しているこ
とが必要であるが、これは強化繊維束を微振動に低減さ
せるためである。というのは、含浸後に厚み制御用の粉
体状熱可塑性樹脂を散布して供給する時、凸状曲面Aを
有する振動部材によって振動せしめられる強化繊維束の
振動が大き過ぎると、粉体状熱可塑性樹脂が再び落下し
て厚みムラが改善されないからである。
り、振動が低減させられた含浸工程後の強化繊維束上
に、粉体状熱可塑性樹脂が散布されるわけであるが、こ
こで、凸状曲面Cを有する固定部材は、固定しているこ
とが必要であるが、これは強化繊維束を微振動に低減さ
せるためである。というのは、含浸後に厚み制御用の粉
体状熱可塑性樹脂を散布して供給する時、凸状曲面Aを
有する振動部材によって振動せしめられる強化繊維束の
振動が大き過ぎると、粉体状熱可塑性樹脂が再び落下し
て厚みムラが改善されないからである。
【0027】また、凸状曲面Cを有する固定部材の形
状、曲率、材料等は、凸状曲面Aを有する振動部材と同
様のものでよく、またその設置数は擦り込み効果を上げ
るために必要な本数であり、通常2本以上が好ましい。
状、曲率、材料等は、凸状曲面Aを有する振動部材と同
様のものでよく、またその設置数は擦り込み効果を上げ
るために必要な本数であり、通常2本以上が好ましい。
【0028】含浸工程後の粉体状熱可塑性樹脂の散布
は、成形品の厚み制御に関するものなので、成形品の幅
方向に対して、ポイント的に散布量を調整できるように
しておくのが望ましい。
は、成形品の厚み制御に関するものなので、成形品の幅
方向に対して、ポイント的に散布量を調整できるように
しておくのが望ましい。
【0029】ここで、散布された粉体状熱可塑性樹脂
は、強化繊維束の微振動によって、強制的に厚みの薄い
箇所に分配供給され、厚みムラ解消の効果を向上させ
る。
は、強化繊維束の微振動によって、強制的に厚みの薄い
箇所に分配供給され、厚みムラ解消の効果を向上させ
る。
【0030】開繊された多数の樹脂付着連続強化繊維の
熱可塑性樹脂を加熱溶融する場合、加熱源の具体例とし
ては、加熱ロール、熱風、遠赤外線ヒーター等の汎用の
加熱手段が挙げられ、加熱ロールを用いる場合は、樹脂
付着連続強化繊維をロール間でピンチして成形してもよ
い。加熱温度及び加熱時間は、粉体状熱可塑性樹脂の種
類及びその配合に応じて適宜定められる。
熱可塑性樹脂を加熱溶融する場合、加熱源の具体例とし
ては、加熱ロール、熱風、遠赤外線ヒーター等の汎用の
加熱手段が挙げられ、加熱ロールを用いる場合は、樹脂
付着連続強化繊維をロール間でピンチして成形してもよ
い。加熱温度及び加熱時間は、粉体状熱可塑性樹脂の種
類及びその配合に応じて適宜定められる。
【0031】樹脂付着連続強化繊維の熱可塑性樹脂を加
熱溶融してシート状としたのち、これを冷却固化する方
法は、用いる粉体状熱可塑性樹脂の種類及び配合に応じ
て適宜定められるが、例えば常温での自然冷却や、水
冷、循環水等を用いた冷却ロール等の汎用されている方
法等が挙げられ、冷却ロールを用いる場合、加熱された
樹脂付着連続強化繊維をロール間でピンチしてもよい。
冷却時間、および冷却温度等は、用いる粉体状熱可塑性
樹脂の材質の温度が軟化点以下の温度に下がるように設
定するのが好ましい。
熱溶融してシート状としたのち、これを冷却固化する方
法は、用いる粉体状熱可塑性樹脂の種類及び配合に応じ
て適宜定められるが、例えば常温での自然冷却や、水
冷、循環水等を用いた冷却ロール等の汎用されている方
法等が挙げられ、冷却ロールを用いる場合、加熱された
樹脂付着連続強化繊維をロール間でピンチしてもよい。
冷却時間、および冷却温度等は、用いる粉体状熱可塑性
樹脂の材質の温度が軟化点以下の温度に下がるように設
定するのが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
図面を参照して説明する。
【0033】まず図1を参照すると、本発明による繊維
複合シートの製造方法は、多数の連続モノフィラメント
よりなる強化繊維束(F) を、凸状曲面Aを有する振動部
材(3) と、該振動部材(3) に対して交互に配置されかつ
凸状曲面Bを有するガイド部材(2) とに圧接させながら
通過せしめるとともに、振動している強化繊維束(F)上
に粉体状熱可塑性樹脂を連続的に供給して、繊維束(F)
を開繊させるとともに、粉体状熱可塑性樹脂を各モノフ
ィラメント相互間に捕捉させて含浸させるが、振動によ
って粉体状熱可塑性樹脂が落下することがある。
複合シートの製造方法は、多数の連続モノフィラメント
よりなる強化繊維束(F) を、凸状曲面Aを有する振動部
材(3) と、該振動部材(3) に対して交互に配置されかつ
凸状曲面Bを有するガイド部材(2) とに圧接させながら
通過せしめるとともに、振動している強化繊維束(F)上
に粉体状熱可塑性樹脂を連続的に供給して、繊維束(F)
を開繊させるとともに、粉体状熱可塑性樹脂を各モノフ
ィラメント相互間に捕捉させて含浸させるが、振動によ
って粉体状熱可塑性樹脂が落下することがある。
【0034】そのため、含浸工程を経た後の樹脂付着連
続強化繊維を、側面よりみて千鳥状に配置された複数の
凸状曲面Cを有する固定部材(10)に圧接させながら通過
せしめ、強化繊維束(F) の振動を微振動に低減させると
ともに、樹脂付着連続強化繊維上にさらに粉体状熱可塑
性樹脂に供給して、粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラ
メント相互間に捕捉させる。
続強化繊維を、側面よりみて千鳥状に配置された複数の
凸状曲面Cを有する固定部材(10)に圧接させながら通過
せしめ、強化繊維束(F) の振動を微振動に低減させると
ともに、樹脂付着連続強化繊維上にさらに粉体状熱可塑
性樹脂に供給して、粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラ
メント相互間に捕捉させる。
【0035】図3は、粉体状熱可塑性樹脂(R1)の含浸工
程後の強化繊維束(F) 上に、粉体状熱可塑性樹脂(R2)が
再び散布された直後の繊維複合シート成形中間品を示
し、図4は、さらにこの繊維複合シート成形中間品が、
凸状曲面Cを有する固定部材(10)に圧接しながら通過し
た後の状態を示している。
程後の強化繊維束(F) 上に、粉体状熱可塑性樹脂(R2)が
再び散布された直後の繊維複合シート成形中間品を示
し、図4は、さらにこの繊維複合シート成形中間品が、
凸状曲面Cを有する固定部材(10)に圧接しながら通過し
た後の状態を示している。
【0036】このように、微振動に振動する強化繊維束
(F) 上に供給された粉体状熱可塑性樹脂は、強制的に厚
みの薄い箇所に分配供給され、厚みムラの少ない、品質
のすぐれた繊維複合シートが得られる。
(F) 上に供給された粉体状熱可塑性樹脂は、強制的に厚
みの薄い箇所に分配供給され、厚みムラの少ない、品質
のすぐれた繊維複合シートが得られる。
【0037】なお、凸状曲面Aを有する振動部材(3) の
形状は、振動を強化繊維束に伝達できる形状であればよ
く、図2aに示す横断面円形の棒状振動部材(3) の他
に、図2bに示す横断面半円形の棒状振動部材(3) 、図
2cに示す横断面略三角形の棒状振動部材(3) 、あるい
はまた図2dに示す横断面略四角形の棒状振動部材(3)
を使用することができる。
形状は、振動を強化繊維束に伝達できる形状であればよ
く、図2aに示す横断面円形の棒状振動部材(3) の他
に、図2bに示す横断面半円形の棒状振動部材(3) 、図
2cに示す横断面略三角形の棒状振動部材(3) 、あるい
はまた図2dに示す横断面略四角形の棒状振動部材(3)
を使用することができる。
【0038】また、凸状曲面Cを有する固定部材(10)
は、粉体状熱可塑性樹脂をフィラメント間に侵入させる
擦り込み作用を向上させる効果がある。
は、粉体状熱可塑性樹脂をフィラメント間に侵入させる
擦り込み作用を向上させる効果がある。
【0039】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を、図面を参照し、
比較例と対比して説明する。
比較例と対比して説明する。
【0040】なお、以下の説明において、前とは図1の
左方向をいうものとする。
左方向をいうものとする。
【0041】実施例 図1において、複数の強化繊維束巻き戻しロール(1) の
前方に、凸状曲面Bを有するガイド部材(2) と、振動装
置(5) によって振動させられる凸状曲面Aを有する振動
部材(3) とが配置され、これらの上方には粉体状熱可塑
性樹脂供給装置(4) を備えた含浸設備が配置されてい
る。
前方に、凸状曲面Bを有するガイド部材(2) と、振動装
置(5) によって振動させられる凸状曲面Aを有する振動
部材(3) とが配置され、これらの上方には粉体状熱可塑
性樹脂供給装置(4) を備えた含浸設備が配置されてい
る。
【0042】さらに含浸設備の前方に、順次、側面より
みて千鳥状に配置された複数の凸状曲面Cを有する固定
部材(10)と、これらの上方に位置する厚み制御用の粉体
状熱可塑性樹脂供給装置(4')と、加熱ロール(6) と、冷
却ロール(7) と、引き取りロール(8) と、巻き取り機
(9) とが配置されている。
みて千鳥状に配置された複数の凸状曲面Cを有する固定
部材(10)と、これらの上方に位置する厚み制御用の粉体
状熱可塑性樹脂供給装置(4')と、加熱ロール(6) と、冷
却ロール(7) と、引き取りロール(8) と、巻き取り機
(9) とが配置されている。
【0043】ところで、凸状曲面Bを有するガイド部材
(2) 、凸状曲面Aを有する振動部材(3) 、および凸状曲
面Cを有する固定部材(10)は、いずれも鉄製で、かつ直
径50mmの横断面略円形を有しかつ長さ600mmを
有するものである。
(2) 、凸状曲面Aを有する振動部材(3) 、および凸状曲
面Cを有する固定部材(10)は、いずれも鉄製で、かつ直
径50mmの横断面略円形を有しかつ長さ600mmを
有するものである。
【0044】これらのうち、凸状曲面Aを有する6本の
振動部材(3) は、互いに平行に、かつ強化繊維束(F) の
移動方向と直行する方向に160mm間隔で配置されて
いる。各振動部材(3) は、フレーム(11)に垂直状に取り
付けられた左右一対の支持部材(12)(12)の上端部に渡し
止められており、フレーム(11)が振動装置(5) と接触せ
しめられていて、振動装置(5) からの振動がフレーム(1
1)および支持部材(12)(12)を介して振動部材(3) に伝わ
るようになされている。
振動部材(3) は、互いに平行に、かつ強化繊維束(F) の
移動方向と直行する方向に160mm間隔で配置されて
いる。各振動部材(3) は、フレーム(11)に垂直状に取り
付けられた左右一対の支持部材(12)(12)の上端部に渡し
止められており、フレーム(11)が振動装置(5) と接触せ
しめられていて、振動装置(5) からの振動がフレーム(1
1)および支持部材(12)(12)を介して振動部材(3) に伝わ
るようになされている。
【0045】また、凸状曲面Bを有する6本のガイド部
材(2) は、連続強化繊維を介して凸状曲面Aを有する振
動部材(3) と反対側にかつ振動部材(3) に対して交互に
配置されるとともに、互いに平行で、強化繊維束(F) の
移動方向と直行する方向に160mm間隔で配置されて
いる。
材(2) は、連続強化繊維を介して凸状曲面Aを有する振
動部材(3) と反対側にかつ振動部材(3) に対して交互に
配置されるとともに、互いに平行で、強化繊維束(F) の
移動方向と直行する方向に160mm間隔で配置されて
いる。
【0046】さらに、静止した凸状曲面Cを有する4本
の固定部材(10)は、凸状曲面Aを有する振動部材(3) 、
及び凸状曲面Bを有するガイド部材(2) を経た後に、側
面よりみて千鳥状に、かつ強化繊維束(F) の移動方向と
直交する方向に120mm間隔で配置されている。
の固定部材(10)は、凸状曲面Aを有する振動部材(3) 、
及び凸状曲面Bを有するガイド部材(2) を経た後に、側
面よりみて千鳥状に、かつ強化繊維束(F) の移動方向と
直交する方向に120mm間隔で配置されている。
【0047】なお、上記の凸状曲面Bを有するガイド部
材(2) と凸状曲面Aを有する振動部材(3) との位置関係
は、側面よりみて千鳥状配置であり、凸状曲面Aを有す
る振動部材の間隔160mmの中間位置に、凸状曲面B
を有するガイド部材(2) が入り込むような位置となさ
れ、またガイド部材(2) と振動部材(3) の間の上下の間
隔は、凸状曲面Aを有する振動部材(3) の径の中心軸
と、凸状曲面Bを有するガイド部材(2) の径の中心軸と
の間隔が、25mmとなるようにした。
材(2) と凸状曲面Aを有する振動部材(3) との位置関係
は、側面よりみて千鳥状配置であり、凸状曲面Aを有す
る振動部材の間隔160mmの中間位置に、凸状曲面B
を有するガイド部材(2) が入り込むような位置となさ
れ、またガイド部材(2) と振動部材(3) の間の上下の間
隔は、凸状曲面Aを有する振動部材(3) の径の中心軸
と、凸状曲面Bを有するガイド部材(2) の径の中心軸と
の間隔が、25mmとなるようにした。
【0048】なお、凸状曲面Aを有する振動部材(3) 、
凸状曲面Bを有するガイド部材(2)、および凸状曲面C
を有する固定部材(10)は、いずれも回転すれば、連続強
化繊維の切断状態のものが絡みつくことが多くなり、ト
ラブルの発生源ともなり得るので、いずれも非回転とな
っている。
凸状曲面Bを有するガイド部材(2)、および凸状曲面C
を有する固定部材(10)は、いずれも回転すれば、連続強
化繊維の切断状態のものが絡みつくことが多くなり、ト
ラブルの発生源ともなり得るので、いずれも非回転とな
っている。
【0049】また、上記振動装置(5) にはバイブレータ
ーが用いており、これにより、凸状曲面Aを有する振動
部材(3) は、上下方向に振幅0.3mm、振動数240
Hzの高周波振動を与えることができる。
ーが用いており、これにより、凸状曲面Aを有する振動
部材(3) は、上下方向に振幅0.3mm、振動数240
Hzの高周波振動を与えることができる。
【0050】なお、粉体状熱可塑性樹脂は、供給装置
(4) を3台と、厚み制御用の供給装置(4')を用いて供給
した。
(4) を3台と、厚み制御用の供給装置(4')を用いて供給
した。
【0051】上記図1の装置を用い、各巻き戻しロール
(1) から多数の連続フィラメントよりなる強化繊維束
(F) を、振動、及び引き取り力によって余分の強化繊維
束(F)が巻き出されない程度のバックテンション(本実
験では500g/本の力)をかけながら、16本巻き戻
し、凸状曲面Bを有するガイド部材(2) と、振動装置
(5) に接続された凸状曲面Aを有する振動部材(3) の間
を圧接せしめながら通過させ、強化繊維束(F) を開繊さ
せるとともに、開繊された強化繊維束(F) に供給装置
(4) から供給された粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラ
メントに付着させるとともに、モノフィラメント相互間
に捕捉する。その後、1台の厚み制御用の供給装置(4')
で粉体状熱可塑性樹脂を散布し、凸状曲面Cを有する固
定部材(10)で樹脂をフィラメント間に擦り込み、再侵
入、及び再付着させた。
(1) から多数の連続フィラメントよりなる強化繊維束
(F) を、振動、及び引き取り力によって余分の強化繊維
束(F)が巻き出されない程度のバックテンション(本実
験では500g/本の力)をかけながら、16本巻き戻
し、凸状曲面Bを有するガイド部材(2) と、振動装置
(5) に接続された凸状曲面Aを有する振動部材(3) の間
を圧接せしめながら通過させ、強化繊維束(F) を開繊さ
せるとともに、開繊された強化繊維束(F) に供給装置
(4) から供給された粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラ
メントに付着させるとともに、モノフィラメント相互間
に捕捉する。その後、1台の厚み制御用の供給装置(4')
で粉体状熱可塑性樹脂を散布し、凸状曲面Cを有する固
定部材(10)で樹脂をフィラメント間に擦り込み、再侵
入、及び再付着させた。
【0052】この場合、最初の供給装置(4) から供給さ
れた粉体状熱可塑性樹脂量は1台あたり750g/分、
厚み制御用の供給装置(4')から供給された粉体状熱可塑
性樹脂量は300g/分であった。
れた粉体状熱可塑性樹脂量は1台あたり750g/分、
厚み制御用の供給装置(4')から供給された粉体状熱可塑
性樹脂量は300g/分であった。
【0053】ここで、粉体状熱可塑性樹脂としては、粉
体状塩化ビニル樹脂(平均重合度=800、平均粒子径
100μm)100重量部に対して、安定剤2.0重量
部、滑剤0.5重量部とをスーパーミキサーにて混合
し、かつ120℃まで昇温させた後、冷却ミキサーで1
5分間冷却したものを用いた。
体状塩化ビニル樹脂(平均重合度=800、平均粒子径
100μm)100重量部に対して、安定剤2.0重量
部、滑剤0.5重量部とをスーパーミキサーにて混合
し、かつ120℃まで昇温させた後、冷却ミキサーで1
5分間冷却したものを用いた。
【0054】強化繊維束(F) としては、ガラスロービン
グ(日東紡#4400、平均繊維径23μm)のものを
用いた。
グ(日東紡#4400、平均繊維径23μm)のものを
用いた。
【0055】つぎに、樹脂付着連続強化繊維を、凸状曲
面Cを有する固定部材(10)の最終曲面で全体がシート状
になるように揃えた後、ロール表面温度が206℃の一
対の加熱ロール(6) 表面に沿わせて加熱、及びピンチし
て、樹脂付着連続強化繊維の熱可塑性樹脂を177℃ま
で加熱溶融してシート状に一体化した後、ロール表面温
度39℃の冷却ピンチロールで冷却、及びピンチして、
シート状繊維複合シートを72℃まで冷却し、引き取り
ロール(8) により引き取った後、巻き取り機(9) により
巻き取った。
面Cを有する固定部材(10)の最終曲面で全体がシート状
になるように揃えた後、ロール表面温度が206℃の一
対の加熱ロール(6) 表面に沿わせて加熱、及びピンチし
て、樹脂付着連続強化繊維の熱可塑性樹脂を177℃ま
で加熱溶融してシート状に一体化した後、ロール表面温
度39℃の冷却ピンチロールで冷却、及びピンチして、
シート状繊維複合シートを72℃まで冷却し、引き取り
ロール(8) により引き取った後、巻き取り機(9) により
巻き取った。
【0056】比較例 つぎに比較のために、厚み制御用の供給装置(4')を用い
ずに成形したこと以外は、上記実施例の場合と同様にし
て、繊維複合シートを製造した。
ずに成形したこと以外は、上記実施例の場合と同様にし
て、繊維複合シートを製造した。
【0057】実施例、及び比較例の方法によりそれぞれ
連続的に得た繊維複合シート300mの成形品につき、
以下のようにして評価試験を行った。
連続的に得た繊維複合シート300mの成形品につき、
以下のようにして評価試験を行った。
【0058】肉厚測定 上記実施例、及び比較例の各繊維複合シートを、その幅
方向に20点、長手方向に10m毎に30箇所、合計6
00枚に分割し、これらの分割成形品の肉厚をマイクロ
メーターを用いて測定し、CV値(変動係数)を算出し
た。表1には各点、各箇所のそれぞれ幅方向及び長手方
向の変動係数の最大値を記載するとともに、全体のCV
値を併記した。
方向に20点、長手方向に10m毎に30箇所、合計6
00枚に分割し、これらの分割成形品の肉厚をマイクロ
メーターを用いて測定し、CV値(変動係数)を算出し
た。表1には各点、各箇所のそれぞれ幅方向及び長手方
向の変動係数の最大値を記載するとともに、全体のCV
値を併記した。
【0059】
【表1】 上記表1の肉厚分布量測定の結果より、本発明の実施例
で得られた繊維複合シートは、その幅方向、及び長手方
向の肉厚分布においてCV値が小さく、優れた品質を有
するものであることがわかる。これに対し、比較例得ら
れた繊維複合シートは、同様に幅方向、及び長手方向の
肉厚分布においてCV値が大きく、品質が劣るものであ
った。
で得られた繊維複合シートは、その幅方向、及び長手方
向の肉厚分布においてCV値が小さく、優れた品質を有
するものであることがわかる。これに対し、比較例得ら
れた繊維複合シートは、同様に幅方向、及び長手方向の
肉厚分布においてCV値が大きく、品質が劣るものであ
った。
【0060】
【発明の効果】本発明の繊維複合シートの製造方法は、
上述の次第で、多数の連続モノフィラメントよりなる強
化繊維束を、凸状曲面Aを有する振動部材と、該振動部
材に対して交互に配置されかつ凸状曲面Bを有するガイ
ド部材とに圧接させながら通過せしめるとともに、振動
している強化繊維束上に粉体状熱可塑性樹脂を連続的に
供給して、繊維束を開繊させるとともに、粉体状熱可塑
性樹脂を各モノフィラメント相互間に捕捉させて含浸さ
せるが、このときフィラメント間に侵入、及び付着した
粉体状熱可塑性樹脂が振動による影響で部分的に落下す
る。従ってついで、含浸工程を経た後の樹脂付着連続強
化繊維を、側面よりみて千鳥状に配置された複数の凸状
曲面Cを有する固定部材に圧接させながら通過せしめ、
強化繊維束を微振動に低減させるとともに、樹脂付着連
続強化繊維上にさらに粉体状熱可塑性樹脂に供給して、
粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラメント相互間に捕捉
させることにより、微振動に振動する強化繊維束上に供
給された粉体状熱可塑性樹脂は、強制的に厚みの薄い箇
所に分配供給されて、該箇所へ粉体状熱可塑性樹脂が埋
められることにより、部分的に落下した粉体状熱可塑性
樹脂の影響を防ぎ、厚みムラの少ない繊維複合シートを
安定して製造することができるという効果を奏する。
上述の次第で、多数の連続モノフィラメントよりなる強
化繊維束を、凸状曲面Aを有する振動部材と、該振動部
材に対して交互に配置されかつ凸状曲面Bを有するガイ
ド部材とに圧接させながら通過せしめるとともに、振動
している強化繊維束上に粉体状熱可塑性樹脂を連続的に
供給して、繊維束を開繊させるとともに、粉体状熱可塑
性樹脂を各モノフィラメント相互間に捕捉させて含浸さ
せるが、このときフィラメント間に侵入、及び付着した
粉体状熱可塑性樹脂が振動による影響で部分的に落下す
る。従ってついで、含浸工程を経た後の樹脂付着連続強
化繊維を、側面よりみて千鳥状に配置された複数の凸状
曲面Cを有する固定部材に圧接させながら通過せしめ、
強化繊維束を微振動に低減させるとともに、樹脂付着連
続強化繊維上にさらに粉体状熱可塑性樹脂に供給して、
粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラメント相互間に捕捉
させることにより、微振動に振動する強化繊維束上に供
給された粉体状熱可塑性樹脂は、強制的に厚みの薄い箇
所に分配供給されて、該箇所へ粉体状熱可塑性樹脂が埋
められることにより、部分的に落下した粉体状熱可塑性
樹脂の影響を防ぎ、厚みムラの少ない繊維複合シートを
安定して製造することができるという効果を奏する。
【図1】本発明の繊維複合シートの製造方法を実施する
装置の概略側面図である。
装置の概略側面図である。
【図2】図1の装置において使用する凸状曲面Aを有す
る振動部材の拡大断面図で、図2aは横断面円形の棒状
振動部材を示し、図2bは横断面半円形の棒状振動部材
を示し、図2cは横断面略三角形の棒状振動部材を示
し、図2dは横断面略四角形の棒状振動部材を示してい
る。
る振動部材の拡大断面図で、図2aは横断面円形の棒状
振動部材を示し、図2bは横断面半円形の棒状振動部材
を示し、図2cは横断面略三角形の棒状振動部材を示
し、図2dは横断面略四角形の棒状振動部材を示してい
る。
【図3】図1のAーA線に沿う拡大断面図で、含浸工程
後の強化繊維束上に、粉体状熱可塑性樹脂が再び散布さ
れた直後の繊維複合シート成形中間品の拡大断面図であ
る。
後の強化繊維束上に、粉体状熱可塑性樹脂が再び散布さ
れた直後の繊維複合シート成形中間品の拡大断面図であ
る。
【図4】図1のBーB線に沿う拡大断面図で、含浸工程
後の強化繊維束上に、粉体状熱可塑性樹脂が再び散布さ
れた繊維複合シート成形中間品が、凸状曲面Cを有する
固定部材に圧接しながら通過した後の拡大断面図であ
る。
後の強化繊維束上に、粉体状熱可塑性樹脂が再び散布さ
れた繊維複合シート成形中間品が、凸状曲面Cを有する
固定部材に圧接しながら通過した後の拡大断面図であ
る。
1 強化繊維巻き戻しロール 2 凸状曲面Bを有するガイド部材 3 凸状曲面Aを有する振動部材 4 粉体状熱可塑性樹脂供給装置 4´ 厚み制御用粉体状熱可塑性樹脂供給装置 5 振動装置 6 加熱ロール 7 冷却ロール 8 引き取りロール 9 巻き取り機 10 凸状曲面Cを有する固定部材
Claims (1)
- 【請求項1】 多数の連続モノフィラメントよりなる強
化繊維束を、凸状曲面Aを有する振動部材と、該振動部
材に対して交互に配置されかつ凸状曲面Bを有するガイ
ド部材とに圧接させながら通過せしめるとともに、振動
している強化繊維束上に粉体状熱可塑性樹脂を連続的に
供給して、繊維束を開繊させるとともに、粉体状熱可塑
性樹脂を各モノフィラメント相互間に捕捉させて含浸せ
しめる工程と、含浸工程を経た後の樹脂付着連続強化繊
維を、側面よりみて千鳥状に配置された複数の凸状曲面
Cを有する固定部材に圧接させながら通過せしめるとと
もに、樹脂付着連続強化繊維上にさらに粉体状熱可塑性
樹脂に供給して、粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラメ
ント相互間に捕捉させる工程と、開繊された多数の樹脂
付着連続強化繊維の熱可塑性樹脂を加熱溶融してシート
状となし、ついでこれを冷却固化する工程とを含むこと
を特徴とする繊維複合シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19464595A JPH0938972A (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | 繊維複合シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19464595A JPH0938972A (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | 繊維複合シートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0938972A true JPH0938972A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16327963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19464595A Pending JPH0938972A (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | 繊維複合シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0938972A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US12018410B2 (en) | 2017-09-21 | 2024-06-25 | Teijin Limited | Fixed carbon fiber bundle and method for producing fixed carbon fiber bundle |
-
1995
- 1995-07-31 JP JP19464595A patent/JPH0938972A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US12018410B2 (en) | 2017-09-21 | 2024-06-25 | Teijin Limited | Fixed carbon fiber bundle and method for producing fixed carbon fiber bundle |
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