JPH1044253A - 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents
繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法Info
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- JPH1044253A JPH1044253A JP8201847A JP20184796A JPH1044253A JP H1044253 A JPH1044253 A JP H1044253A JP 8201847 A JP8201847 A JP 8201847A JP 20184796 A JP20184796 A JP 20184796A JP H1044253 A JPH1044253 A JP H1044253A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 繊維強化樹脂成形品の成形に使用される繊維
強化熱可塑性樹脂シートの製造方法であって、上下粉体
状熱可塑性樹脂付着繊維束を加熱・押圧して重ね合わせ
る際、これらの繊維束に幅方向の振動を与えることによ
り、樹脂の付着量を均一化し、幅方向に肉厚が均一でか
つ表面平滑性の良い繊維強化熱可塑性樹脂シートを得る
ことができる方法を提供する。 【解決手段】 粉体状樹脂付着繊維束2,2 を上下2系列
より誘導し、上側樹脂付着繊維束2 をこれの上面側を上
部押圧部材によって押圧しながら上面側より加熱すると
ともに、下側樹脂付着繊維束2 をこれの下面側を下部押
圧部材によって押圧しながら下面側より加熱し、上下樹
脂付着繊維束2,2 を重ね合わせる際、これらに幅方向の
振動を与えながら重ね合わせて、加熱面と反対の重ね合
わせ面側の未溶融ないし溶融状態の粉体状樹脂4,4 を均
一に分散させる。
強化熱可塑性樹脂シートの製造方法であって、上下粉体
状熱可塑性樹脂付着繊維束を加熱・押圧して重ね合わせ
る際、これらの繊維束に幅方向の振動を与えることによ
り、樹脂の付着量を均一化し、幅方向に肉厚が均一でか
つ表面平滑性の良い繊維強化熱可塑性樹脂シートを得る
ことができる方法を提供する。 【解決手段】 粉体状樹脂付着繊維束2,2 を上下2系列
より誘導し、上側樹脂付着繊維束2 をこれの上面側を上
部押圧部材によって押圧しながら上面側より加熱すると
ともに、下側樹脂付着繊維束2 をこれの下面側を下部押
圧部材によって押圧しながら下面側より加熱し、上下樹
脂付着繊維束2,2 を重ね合わせる際、これらに幅方向の
振動を与えながら重ね合わせて、加熱面と反対の重ね合
わせ面側の未溶融ないし溶融状態の粉体状樹脂4,4 を均
一に分散させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化樹脂成形
品の成形に使用される繊維強化熱可塑性樹脂シートの製
造方法に関する。
品の成形に使用される繊維強化熱可塑性樹脂シートの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化熱可塑性樹脂シートの製
造方法としては、例えば特開平3−270909号公報
に記載のように、多数の連続モノフィラメントからなる
複数本の繊維束を、粉体状熱可塑性樹脂が充填された流
動層内においてモノフィラメント状に開繊させ、開繊し
た繊維に粉体状樹脂を付着させたのち、加熱・押圧装置
に導いてシート化し、冷却して、繊維強化熱可塑性樹脂
シートを製造する方法が知られていた。
造方法としては、例えば特開平3−270909号公報
に記載のように、多数の連続モノフィラメントからなる
複数本の繊維束を、粉体状熱可塑性樹脂が充填された流
動層内においてモノフィラメント状に開繊させ、開繊し
た繊維に粉体状樹脂を付着させたのち、加熱・押圧装置
に導いてシート化し、冷却して、繊維強化熱可塑性樹脂
シートを製造する方法が知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来法で
は、粉体状樹脂を付着させる流動床を上下2段に設け、
上下樹脂付着繊維束を加熱ロール部にて加熱・押圧しつ
つ重ね合わせて、1枚の繊維強化樹脂シートを作成して
いるが、加熱ロール部において付着樹脂を加熱により溶
融させる際、繊維束に付着している粉体状樹脂の付着量
が、各繊維束毎に異なるため、得られる繊維強化樹脂シ
ートには幅方向に不均一な肉厚分布が生じ、均一な肉厚
を有する繊維強化樹脂シートを得ることが困難であり、
かつシートは表面平滑性に劣るという問題があった。
は、粉体状樹脂を付着させる流動床を上下2段に設け、
上下樹脂付着繊維束を加熱ロール部にて加熱・押圧しつ
つ重ね合わせて、1枚の繊維強化樹脂シートを作成して
いるが、加熱ロール部において付着樹脂を加熱により溶
融させる際、繊維束に付着している粉体状樹脂の付着量
が、各繊維束毎に異なるため、得られる繊維強化樹脂シ
ートには幅方向に不均一な肉厚分布が生じ、均一な肉厚
を有する繊維強化樹脂シートを得ることが困難であり、
かつシートは表面平滑性に劣るという問題があった。
【0004】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、上下粉体状熱可塑性樹脂付着繊維束を加熱・押
圧して重ね合わせる際、これらの繊維束に幅方向の振動
を与えることにより、樹脂の付着量を均一化し、幅方向
に肉厚が均一でかつ表面平滑性の良い繊維強化熱可塑性
樹脂シートを得ることができる方法を提供しようとする
にある。
解決し、上下粉体状熱可塑性樹脂付着繊維束を加熱・押
圧して重ね合わせる際、これらの繊維束に幅方向の振動
を与えることにより、樹脂の付着量を均一化し、幅方向
に肉厚が均一でかつ表面平滑性の良い繊維強化熱可塑性
樹脂シートを得ることができる方法を提供しようとする
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、多数の連続モノフィラメントよりなる
複数本の繊維束に粉体状熱可塑性樹脂を付着させ、樹脂
付着繊維束を加熱して、樹脂を溶融するとともに押圧
し、冷却後に、繊維強化熱可塑性樹脂シートを得る方法
であって、粉体状熱可塑性樹脂が付着した繊維束を上下
2系列より誘導し、上側樹脂付着繊維束をこれの上面側
を上部押圧部材によって押圧しながら上面側より加熱す
るとともに、下側樹脂付着繊維束をこれの下面側を下部
押圧部材によって押圧しながら下面側より加熱し、上下
樹脂付着繊維束を重ね合わせる際、これらに幅方向の振
動を与えながら重ね合わせることを特徴としている。
めに、本発明は、多数の連続モノフィラメントよりなる
複数本の繊維束に粉体状熱可塑性樹脂を付着させ、樹脂
付着繊維束を加熱して、樹脂を溶融するとともに押圧
し、冷却後に、繊維強化熱可塑性樹脂シートを得る方法
であって、粉体状熱可塑性樹脂が付着した繊維束を上下
2系列より誘導し、上側樹脂付着繊維束をこれの上面側
を上部押圧部材によって押圧しながら上面側より加熱す
るとともに、下側樹脂付着繊維束をこれの下面側を下部
押圧部材によって押圧しながら下面側より加熱し、上下
樹脂付着繊維束を重ね合わせる際、これらに幅方向の振
動を与えながら重ね合わせることを特徴としている。
【0006】上記において、繊維束としては、粉体状熱
可塑性樹脂の溶融温度において熱的に安定なものを好適
に使用し得る。繊維束の具体例としては、ガラス繊維、
カーボン繊維、セラミック繊維等の無機繊維、ポリアミ
ド繊維、ポリエチレン繊維等の有機繊維等が挙げられ、
引張弾性率が10GPa以上の繊維であれば、使用可能
である。
可塑性樹脂の溶融温度において熱的に安定なものを好適
に使用し得る。繊維束の具体例としては、ガラス繊維、
カーボン繊維、セラミック繊維等の無機繊維、ポリアミ
ド繊維、ポリエチレン繊維等の有機繊維等が挙げられ、
引張弾性率が10GPa以上の繊維であれば、使用可能
である。
【0007】上記繊維束を構成するモノフィラメントの
直径は、1〜50μmが好ましく、2〜30μmが特に
好ましい。ここで、モノフィラメントの直径が1μm未
満であれば、加熱溶融工程までの引張り力(引き取り
力)や振動で生じる張力に耐え得る強度が得られず、ま
た製造された繊維強化熱可塑性樹脂シートの強度が充分
でないので、好ましくない。また逆に、モノフィラメン
トの直径が50μmを越えると、流動層中で粉体状樹脂
を付着させるのに、充分な開繊状態とすることができ
ず、樹脂の付着量が不足し、繊維強化熱可塑性樹脂シー
トとして要求される強度を得ることが難しくなる傾向に
あるので、好ましくない。
直径は、1〜50μmが好ましく、2〜30μmが特に
好ましい。ここで、モノフィラメントの直径が1μm未
満であれば、加熱溶融工程までの引張り力(引き取り
力)や振動で生じる張力に耐え得る強度が得られず、ま
た製造された繊維強化熱可塑性樹脂シートの強度が充分
でないので、好ましくない。また逆に、モノフィラメン
トの直径が50μmを越えると、流動層中で粉体状樹脂
を付着させるのに、充分な開繊状態とすることができ
ず、樹脂の付着量が不足し、繊維強化熱可塑性樹脂シー
トとして要求される強度を得ることが難しくなる傾向に
あるので、好ましくない。
【0008】また繊維束は、上記フィラメントの集合
を、通常、ポリ酢酸ビニル、デンプン、ポリエステル等
の収束剤により、結束して繊維束としたものであるが、
繊維に粉体状熱可塑性樹脂を均一に含浸させるために
は、モノフィラメント状への開繊が容易である必要があ
り、収束剤は少量の方がよく、その量は通常0.1〜5
重量%が好ましい。
を、通常、ポリ酢酸ビニル、デンプン、ポリエステル等
の収束剤により、結束して繊維束としたものであるが、
繊維に粉体状熱可塑性樹脂を均一に含浸させるために
は、モノフィラメント状への開繊が容易である必要があ
り、収束剤は少量の方がよく、その量は通常0.1〜5
重量%が好ましい。
【0009】なおここで、開繊とは、繊維束がモノフィ
ラメント状に均一に分散して開いた状態を言い、開繊状
態では、各フィラメントに粉体状樹脂が付着し、かつフ
ィラメント間に粉体状樹脂を捕捉することができる。
ラメント状に均一に分散して開いた状態を言い、開繊状
態では、各フィラメントに粉体状樹脂が付着し、かつフ
ィラメント間に粉体状樹脂を捕捉することができる。
【0010】また本発明の方法において用いる粉体状熱
可塑性樹脂としては、粉体状となされた熱可塑性樹脂で
あれば、いずれも使用可能であるが、具体的には、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等
の他、熱可塑性エラストマーが挙げられる。また粉体と
して得られない樹脂でも粉砕等による粉末化が可能であ
れば、利用可能である。
可塑性樹脂としては、粉体状となされた熱可塑性樹脂で
あれば、いずれも使用可能であるが、具体的には、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等
の他、熱可塑性エラストマーが挙げられる。また粉体と
して得られない樹脂でも粉砕等による粉末化が可能であ
れば、利用可能である。
【0011】上記粉体状熱可塑性樹脂の平均粒子径は、
10〜300μmであるのが好ましい。ここで、平均粒
子径が10μm未満であれば、粉体状樹脂の付着量が少
なく、逆に、平均粒子径が300μmを越えると、フィ
ラメントが粉体の粒子径以上に開繊しにくくなり、粉体
状樹脂の含浸が悪くなる傾向がある。
10〜300μmであるのが好ましい。ここで、平均粒
子径が10μm未満であれば、粉体状樹脂の付着量が少
なく、逆に、平均粒子径が300μmを越えると、フィ
ラメントが粉体の粒子径以上に開繊しにくくなり、粉体
状樹脂の含浸が悪くなる傾向がある。
【0012】また、上記熱可塑性樹脂は単独で使用して
も、2種以上のものを併用してもよく、該樹脂には、そ
の他、熱安定剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、顔料、炭酸カルシウム等の無機充填材、補強短繊
維等の添加剤、加工助剤、改質剤等を添加してもよい。
も、2種以上のものを併用してもよく、該樹脂には、そ
の他、熱安定剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、顔料、炭酸カルシウム等の無機充填材、補強短繊
維等の添加剤、加工助剤、改質剤等を添加してもよい。
【0013】また、繊維束に粉体状熱可塑性樹脂を付着
させる方法としては、特には限定されず、例えば槽内に
所定量の粉体状樹脂を入れ、該槽の底部に設けられた多
孔板から空気を噴出させることにより粉体状樹脂を流動
化状態として、流動層を形成し、その流動層の中に、ガ
イドロールにより誘導された繊維束を通過させることに
より、繊維束に粉体状樹脂を付着させる方法や、粉体状
樹脂を繊維束上に散布すると同時に、繊維束に対し複数
本のバーで打撃を与えることにより振動を与えて、モノ
フィラメント状に開繊するとともに、各モノフィラメン
トに粉体状樹脂を付着させる方法等が挙げられる。
させる方法としては、特には限定されず、例えば槽内に
所定量の粉体状樹脂を入れ、該槽の底部に設けられた多
孔板から空気を噴出させることにより粉体状樹脂を流動
化状態として、流動層を形成し、その流動層の中に、ガ
イドロールにより誘導された繊維束を通過させることに
より、繊維束に粉体状樹脂を付着させる方法や、粉体状
樹脂を繊維束上に散布すると同時に、繊維束に対し複数
本のバーで打撃を与えることにより振動を与えて、モノ
フィラメント状に開繊するとともに、各モノフィラメン
トに粉体状樹脂を付着させる方法等が挙げられる。
【0014】また、流動層を有する槽内において、流動
層を通過中の繊維束に対してバーで打撃を加えることに
より振動を与えるようにしても良い。ここで、バーによ
る繊維束の打撃回数は、成形速度、必要肉厚により適宜
選択されるが、通常、500〜3000回/分とする。
層を通過中の繊維束に対してバーで打撃を加えることに
より振動を与えるようにしても良い。ここで、バーによ
る繊維束の打撃回数は、成形速度、必要肉厚により適宜
選択されるが、通常、500〜3000回/分とする。
【0015】そして、この場合、打撃装置としては、モ
ータと偏心カムを用いた振動機構や、エアー弁、油圧弁
を用いた振動機構等も使用可能である。なお、繊維束に
与える振動は、例えば100〜3000回/分、好まし
くは400〜2000回/分の振動数と、0.1〜20
mm程度の幅方向の振幅を有するものである。
ータと偏心カムを用いた振動機構や、エアー弁、油圧弁
を用いた振動機構等も使用可能である。なお、繊維束に
与える振動は、例えば100〜3000回/分、好まし
くは400〜2000回/分の振動数と、0.1〜20
mm程度の幅方向の振幅を有するものである。
【0016】フィラメントに付着した粉体状熱可塑性樹
脂を加熱溶融する加熱装置としては、加熱ロール、熱
風、遠赤外線ヒーター等の汎用加熱手段を使用する。
脂を加熱溶融する加熱装置としては、加熱ロール、熱
風、遠赤外線ヒーター等の汎用加熱手段を使用する。
【0017】また押圧部材としては、加熱ロールを用い
る場合は、樹脂付着繊維束の所定の面をロール表面に圧
接するだけでよく、熱風、遠赤外線ヒーターを用いる場
合には、樹脂付着繊維束をガイドバーやベルトに圧接さ
せながら加熱を行なう。
る場合は、樹脂付着繊維束の所定の面をロール表面に圧
接するだけでよく、熱風、遠赤外線ヒーターを用いる場
合には、樹脂付着繊維束をガイドバーやベルトに圧接さ
せながら加熱を行なう。
【0018】ここで、加熱温度は、粉体状熱可塑性樹脂
の種類、加熱時間等に応じて適宜選択される。
の種類、加熱時間等に応じて適宜選択される。
【0019】加熱後、上下2系列のシート状の樹脂付着
繊維束同士を重ね合わせて貼り合わせる際に、これらに
幅方向の振動(いわゆる横振動)を与えるが、このと
き、振動装置としては、モータと偏心カムを用いた振動
機構や、エアー弁、油圧弁を用いた振動機構、あるいは
また高周波数を与えるバイブレータ等を用いる。
繊維束同士を重ね合わせて貼り合わせる際に、これらに
幅方向の振動(いわゆる横振動)を与えるが、このと
き、振動装置としては、モータと偏心カムを用いた振動
機構や、エアー弁、油圧弁を用いた振動機構、あるいは
また高周波数を与えるバイブレータ等を用いる。
【0020】ここで、樹脂付着繊維束に与える振動は、
例えば500〜3000回/分の振動数と、0.1〜3
mm程度の幅方向の振幅とを有するものである。なお、
振幅が0.1mm未満に小さくなると、肉厚を均一化す
る効果が小さくなり、また振幅が3mmを越えて大きく
なると、ガラス繊維切れやシートに波打ちが生じるの
で、好ましくない。
例えば500〜3000回/分の振動数と、0.1〜3
mm程度の幅方向の振幅とを有するものである。なお、
振幅が0.1mm未満に小さくなると、肉厚を均一化す
る効果が小さくなり、また振幅が3mmを越えて大きく
なると、ガラス繊維切れやシートに波打ちが生じるの
で、好ましくない。
【0021】加熱・押圧によりシート化した繊維強化熱
可塑性樹脂シートを冷却する手段としては、冷却ロー
ル、ブロア等を使用する。
可塑性樹脂シートを冷却する手段としては、冷却ロー
ル、ブロア等を使用する。
【0022】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
図面を参照して説明する。
【0023】図1は、本発明の方法を実施する装置の全
体を示す概略側面図である。
体を示す概略側面図である。
【0024】同図において、本発明の方法により繊維強
化熱可塑性樹脂シートを製造するには、まず多数の連続
モノフィラメントよりなる複数本の繊維束(2)(2)を繰出
し機(1) より繰り出す。一方、上下に配置した槽(3)(3)
内にそれぞれ所定量の粉体状熱可塑性樹脂(4)(4)を入
れ、該槽(3)(3)の底部に設けられた多孔板を通して空気
を噴出させることにより粉体状樹脂(4)(4)を流動化させ
て、流動層を形成する。
化熱可塑性樹脂シートを製造するには、まず多数の連続
モノフィラメントよりなる複数本の繊維束(2)(2)を繰出
し機(1) より繰り出す。一方、上下に配置した槽(3)(3)
内にそれぞれ所定量の粉体状熱可塑性樹脂(4)(4)を入
れ、該槽(3)(3)の底部に設けられた多孔板を通して空気
を噴出させることにより粉体状樹脂(4)(4)を流動化させ
て、流動層を形成する。
【0025】そして、これら上下両槽(3)(3)内の流動層
の中に、ガイドロールにより誘導した上下2系列の繊維
束(2)(2)をそれぞれ通過させることにより、各繊維束
(2) のフィラメントに粉体状樹脂(4) を付着させる。な
お、図示は省略したが、これらの槽(3)(3)内において、
流動層を通過中の繊維束(2)(2)に対してバーで打撃を加
えることにより振動を与えるようにしても良い。
の中に、ガイドロールにより誘導した上下2系列の繊維
束(2)(2)をそれぞれ通過させることにより、各繊維束
(2) のフィラメントに粉体状樹脂(4) を付着させる。な
お、図示は省略したが、これらの槽(3)(3)内において、
流動層を通過中の繊維束(2)(2)に対してバーで打撃を加
えることにより振動を与えるようにしても良い。
【0026】つぎに、粉体状樹脂(4)(4)が付着した繊維
束(2)(2)を上下2系列より誘導し、上側樹脂付着繊維束
(2) をこれの上面側を上部押圧部材によって押圧しなが
ら上面側より加熱するとともに、下側樹脂付着繊維束
(2) をこれの下面側を下部押圧部材によって押圧しなが
ら下面側より加熱し、上下樹脂付着繊維束(2)(2)を重ね
合わせる際、これらに幅方向の振動を与えながら重ね合
わせて、加熱面と反対の重ね合わせ面側の未溶融ないし
溶融状態の粉体状樹脂(4)(4)を均一に分散させるもので
ある。
束(2)(2)を上下2系列より誘導し、上側樹脂付着繊維束
(2) をこれの上面側を上部押圧部材によって押圧しなが
ら上面側より加熱するとともに、下側樹脂付着繊維束
(2) をこれの下面側を下部押圧部材によって押圧しなが
ら下面側より加熱し、上下樹脂付着繊維束(2)(2)を重ね
合わせる際、これらに幅方向の振動を与えながら重ね合
わせて、加熱面と反対の重ね合わせ面側の未溶融ないし
溶融状態の粉体状樹脂(4)(4)を均一に分散させるもので
ある。
【0027】図示のものは、加熱手段として、上下一対
の一次加熱ロール(5a)(5b)および二次加熱ロール(5)(5)
を使用し、かつ振動手段として、一次および二次加熱ロ
ールの中間に配置した上下一対のガイド・ピンチロール
(6a)(6b)、並びに上部ガイド・ピンチロール(6a)に装備
した振動機構を使用している。
の一次加熱ロール(5a)(5b)および二次加熱ロール(5)(5)
を使用し、かつ振動手段として、一次および二次加熱ロ
ールの中間に配置した上下一対のガイド・ピンチロール
(6a)(6b)、並びに上部ガイド・ピンチロール(6a)に装備
した振動機構を使用している。
【0028】従って、フィラメントに付着した粉体状熱
可塑性樹脂(4)(4)を加熱溶融する際、樹脂付着繊維束
(2)(2)の上面または下面を一次加熱ロール(5a)(5b)表面
に圧接するだけで良い。すなわち、上側樹脂付着繊維束
(2) の上面側を上部加熱ロール(5a)表面に圧接すること
によって該繊維束(2) がその上面側より加熱され、下側
樹脂付着繊維束(2) の下面側を下部加熱ロール(5b)表面
に圧接することによって該繊維束(2) がその下面側より
加熱される。
可塑性樹脂(4)(4)を加熱溶融する際、樹脂付着繊維束
(2)(2)の上面または下面を一次加熱ロール(5a)(5b)表面
に圧接するだけで良い。すなわち、上側樹脂付着繊維束
(2) の上面側を上部加熱ロール(5a)表面に圧接すること
によって該繊維束(2) がその上面側より加熱され、下側
樹脂付着繊維束(2) の下面側を下部加熱ロール(5b)表面
に圧接することによって該繊維束(2) がその下面側より
加熱される。
【0029】そしてつぎに、これら上下樹脂付着繊維束
(2)(2)を重ね合わせる際、これらに幅方向の振動(左右
方向の横振動)を与えるが、このとき、一次および二次
加熱ロールの中間に配置した上下一対のガイド・ピンチ
ロール(6a)(6b)のうち、上部ガイド・ピンチロール(6a)
を振動機構によって振動させる。
(2)(2)を重ね合わせる際、これらに幅方向の振動(左右
方向の横振動)を与えるが、このとき、一次および二次
加熱ロールの中間に配置した上下一対のガイド・ピンチ
ロール(6a)(6b)のうち、上部ガイド・ピンチロール(6a)
を振動機構によって振動させる。
【0030】すなわち、図2と図3に詳しく示すよう
に、上部ガイド・ピンチロール(6a)は、これの枢軸(11)
が左右一対の軸受(12)(12)により回転自在にかつ左右に
スライド可能に支持されており、該枢軸(11)の左端部(1
1a) に偏心カム(15)が取り付けられて、該偏心カム(15)
に、モータ(13)の駆動偏心軸(14)の上端部が貫通状に接
続されるとともに、同枢軸(11)の右端部(11b) にコイル
バネ(16)の一端部が連結されて、該コイルバネ(16)の他
端部は固定壁(17)に取り付けられている。
に、上部ガイド・ピンチロール(6a)は、これの枢軸(11)
が左右一対の軸受(12)(12)により回転自在にかつ左右に
スライド可能に支持されており、該枢軸(11)の左端部(1
1a) に偏心カム(15)が取り付けられて、該偏心カム(15)
に、モータ(13)の駆動偏心軸(14)の上端部が貫通状に接
続されるとともに、同枢軸(11)の右端部(11b) にコイル
バネ(16)の一端部が連結されて、該コイルバネ(16)の他
端部は固定壁(17)に取り付けられている。
【0031】このような振動機構においては、コイルバ
ネ(16)の引張り力によって上部ガイド・ピンチロール(6
a)が、常に固定壁(17)側の右方に付勢されており、モー
タ(13)の作動により駆動偏心軸(14)が回転して、偏心カ
ム(15)を介して上部ガイド・ピンチロール(6a)がコイル
バネ(16)の弾発力に抗して左方向に、あるいは同バネ(1
6)の弾発力によって右方向に移動して、樹脂付着繊維束
(2)(2)、とりわけ上部ガイド・ピンチロール(6a)に圧接
する樹脂付着繊維束(2) を幅方向に振動させるものであ
る。
ネ(16)の引張り力によって上部ガイド・ピンチロール(6
a)が、常に固定壁(17)側の右方に付勢されており、モー
タ(13)の作動により駆動偏心軸(14)が回転して、偏心カ
ム(15)を介して上部ガイド・ピンチロール(6a)がコイル
バネ(16)の弾発力に抗して左方向に、あるいは同バネ(1
6)の弾発力によって右方向に移動して、樹脂付着繊維束
(2)(2)、とりわけ上部ガイド・ピンチロール(6a)に圧接
する樹脂付着繊維束(2) を幅方向に振動させるものであ
る。
【0032】なお、場合によっては、ガイド・ピンチロ
ール(6b)を、ガイド・ピンチロール(6a)と同様にして、
樹脂付着繊維束(2) を幅方向に振動させ得るように形成
してもよい。
ール(6b)を、ガイド・ピンチロール(6a)と同様にして、
樹脂付着繊維束(2) を幅方向に振動させ得るように形成
してもよい。
【0033】このようにして、樹脂付着繊維束(2)(2)に
幅方向の振動(左右方向の横振動)を与えることによ
り、上下樹脂付着繊維束(2)(2)のそれぞれ加熱面と反対
の面(重ね合わせ面)において、付着量の多い場所の樹
脂(4)(4)が付着量の少ない場所へ移動して、樹脂(4)(4)
が均一に分散し、シートの幅方向の肉厚の均一化が図ら
れる。
幅方向の振動(左右方向の横振動)を与えることによ
り、上下樹脂付着繊維束(2)(2)のそれぞれ加熱面と反対
の面(重ね合わせ面)において、付着量の多い場所の樹
脂(4)(4)が付着量の少ない場所へ移動して、樹脂(4)(4)
が均一に分散し、シートの幅方向の肉厚の均一化が図ら
れる。
【0034】従って、上下樹脂付着繊維束(2)(2)の重ね
合わせの際には、加熱面と反対の面(重ね合わせ面)側
の樹脂(4)(4)は未溶融の状態であるのが、好ましい。と
いうのは、重ね合わせの際に、加熱面と反対の重ね合わ
せ面側の樹脂(4)(4)は溶融状態でも振動により厚みの均
一化が図られるが、該樹脂(4)(4)が溶融状態であると、
樹脂付着繊維束(2)(2)の厚肉部の樹脂(4)(4)が薄肉部に
移動しにくいからであり、樹脂(4)(4)が未溶融の粉体状
である方が移動しやすく、また繊維強化熱可塑性樹脂シ
ート(9) の幅方向の厚みの均一化が充分に図られる。勿
論、繊維強化熱可塑性樹脂シート(9) は、長手方向にも
肉厚が均一である。
合わせの際には、加熱面と反対の面(重ね合わせ面)側
の樹脂(4)(4)は未溶融の状態であるのが、好ましい。と
いうのは、重ね合わせの際に、加熱面と反対の重ね合わ
せ面側の樹脂(4)(4)は溶融状態でも振動により厚みの均
一化が図られるが、該樹脂(4)(4)が溶融状態であると、
樹脂付着繊維束(2)(2)の厚肉部の樹脂(4)(4)が薄肉部に
移動しにくいからであり、樹脂(4)(4)が未溶融の粉体状
である方が移動しやすく、また繊維強化熱可塑性樹脂シ
ート(9) の幅方向の厚みの均一化が充分に図られる。勿
論、繊維強化熱可塑性樹脂シート(9) は、長手方向にも
肉厚が均一である。
【0035】なお、図示は省略したが、振動手段として
バイブレータを用いる場合は、ガイド・ピンチロール(6
a)の枢軸(11)の端部(11a) に直接接続すると良い。
バイブレータを用いる場合は、ガイド・ピンチロール(6
a)の枢軸(11)の端部(11a) に直接接続すると良い。
【0036】そしてつぎに、所定温度に加熱した上下一
対の二次加熱ロール(5)(5)により、これら上下樹脂付着
繊維束(2)(2)をさらに加熱・押圧して、均一に分散した
未溶融状態の粉体状樹脂(4)(4)を完全に溶融するために
加熱するとともに押圧して、上下樹脂付着繊維束(2)(2)
をシート状に貼り合わせ、その後、上下一対の冷却ロー
ル(7)(7)によって冷却し、ついで上下一対の引取り機
(8)(8)によって所定幅の繊維強化熱可塑性樹脂シート
(9) として引き取り、最後に、この繊維強化樹脂シート
(9) を巻取り機(10)により巻き取るものである。
対の二次加熱ロール(5)(5)により、これら上下樹脂付着
繊維束(2)(2)をさらに加熱・押圧して、均一に分散した
未溶融状態の粉体状樹脂(4)(4)を完全に溶融するために
加熱するとともに押圧して、上下樹脂付着繊維束(2)(2)
をシート状に貼り合わせ、その後、上下一対の冷却ロー
ル(7)(7)によって冷却し、ついで上下一対の引取り機
(8)(8)によって所定幅の繊維強化熱可塑性樹脂シート
(9) として引き取り、最後に、この繊維強化樹脂シート
(9) を巻取り機(10)により巻き取るものである。
【0037】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を比較例と共に説明
する。
する。
【0038】実施例 図1において、直径約23μmのフィラメントにより構
成されるガラスロービングの繊維束(4400tex)
(2)(2)の上下各14本を、ロービング繰出し機(1) より
繰り出した。
成されるガラスロービングの繊維束(4400tex)
(2)(2)の上下各14本を、ロービング繰出し機(1) より
繰り出した。
【0039】一方、上下に配置した槽(3)(3)内に、ポリ
塩化ビニル(溶融粘度2.4×10 5 ポイズ)100重
量部、錫系熱安定剤2重量部、およびポリエチレンワッ
クス0.5重量部により構成される平均粒子径80μm
の粉体状樹脂組成物(4)(4)をそれぞれ所定量入れ、該槽
(3)(3)の底部に設けられた多孔板を通して空気を噴出さ
せることにより粉体状樹脂(4)(4)を流動化させて、流動
層を形成した。
塩化ビニル(溶融粘度2.4×10 5 ポイズ)100重
量部、錫系熱安定剤2重量部、およびポリエチレンワッ
クス0.5重量部により構成される平均粒子径80μm
の粉体状樹脂組成物(4)(4)をそれぞれ所定量入れ、該槽
(3)(3)の底部に設けられた多孔板を通して空気を噴出さ
せることにより粉体状樹脂(4)(4)を流動化させて、流動
層を形成した。
【0040】そして、これら上下両槽(3)(3)内の流動層
の中に、ガイドロールにより誘導した上下2系列のガラ
ス繊維束(2)(2)をそれぞれ通過させることにより、各ガ
ラス繊維束(2) のフィラメントに粉体状樹脂(4) を付着
させた。
の中に、ガイドロールにより誘導した上下2系列のガラ
ス繊維束(2)(2)をそれぞれ通過させることにより、各ガ
ラス繊維束(2) のフィラメントに粉体状樹脂(4) を付着
させた。
【0041】つぎに、粉体状樹脂(4)(4)が付着したガラ
ス繊維束(2)(2)を上下2系列より誘導し、約200℃に
加熱した上下一対の一次加熱ロール(5a)(5b)によって上
下樹脂付着ガラス繊維束(2)(2)を加熱した。このとき、
上側樹脂付着ガラス繊維束(2) の上面側を上部加熱ロー
ル(5a)表面に圧接することによって該ガラス繊維束(2)
をその上面側より加熱し、下側樹脂付着ガラス繊維束
(2) の下面側を下部加熱ロール(5b)表面に圧接すること
によって該ガラス繊維束(2) をその下面側より加熱し
た。
ス繊維束(2)(2)を上下2系列より誘導し、約200℃に
加熱した上下一対の一次加熱ロール(5a)(5b)によって上
下樹脂付着ガラス繊維束(2)(2)を加熱した。このとき、
上側樹脂付着ガラス繊維束(2) の上面側を上部加熱ロー
ル(5a)表面に圧接することによって該ガラス繊維束(2)
をその上面側より加熱し、下側樹脂付着ガラス繊維束
(2) の下面側を下部加熱ロール(5b)表面に圧接すること
によって該ガラス繊維束(2) をその下面側より加熱し
た。
【0042】そしてつぎに、これら上下樹脂付着ガラス
繊維束(2)(2)を一次および二次加熱ロールの中間に配置
した上下一対のガイド・ピンチロール(6a)(6b)に導いて
重ね合わせ、この重ね合わせの際に、これらに幅方向の
振動(左右方向の横振動)を与えるが、このとき、振動
手段として、上部ガイド・ピンチロール(6a)の枢軸(11)
の端部(11a) に直接接続したバイブレータ(図示略)を
用い、またこのバイブレータの振動数を500回/分、
幅方向の振幅を0.3mmとした。
繊維束(2)(2)を一次および二次加熱ロールの中間に配置
した上下一対のガイド・ピンチロール(6a)(6b)に導いて
重ね合わせ、この重ね合わせの際に、これらに幅方向の
振動(左右方向の横振動)を与えるが、このとき、振動
手段として、上部ガイド・ピンチロール(6a)の枢軸(11)
の端部(11a) に直接接続したバイブレータ(図示略)を
用い、またこのバイブレータの振動数を500回/分、
幅方向の振幅を0.3mmとした。
【0043】このような幅方向の振動(左右方向の横振
動)を与えることにより、上下樹脂付着ガラス繊維束
(2)(2)のそれぞれ加熱面と反対の重ね合わせ面におい
て、付着量の多い場所の樹脂(4)(4)が付着量の少ない場
所へ移動して、樹脂(4)(4)が均一に分散し、シートの幅
方向の肉厚の均一化が図られた。なお、この上下樹脂付
着ガラス繊維束(2)(2)の重ね合わせの際には、加熱面と
反対の面(重ね合わせ面)側の塩化ビニル樹脂(4)(4)は
未溶融の粉体状とするのが、好ましい。
動)を与えることにより、上下樹脂付着ガラス繊維束
(2)(2)のそれぞれ加熱面と反対の重ね合わせ面におい
て、付着量の多い場所の樹脂(4)(4)が付着量の少ない場
所へ移動して、樹脂(4)(4)が均一に分散し、シートの幅
方向の肉厚の均一化が図られた。なお、この上下樹脂付
着ガラス繊維束(2)(2)の重ね合わせの際には、加熱面と
反対の面(重ね合わせ面)側の塩化ビニル樹脂(4)(4)は
未溶融の粉体状とするのが、好ましい。
【0044】そしてつぎに、約200℃に加熱した上下
一対の二次加熱ロール(5)(5)により、これら上下樹脂付
着ガラス繊維束(2)(2)をさらに加熱・押圧して、重ね合
わせ面に残存する未溶融状態の粉体状樹脂(4)(4)を完全
に溶融させて、上下樹脂付着ガラス繊維束(2)(2)をシー
ト状に貼り合わせ、その後、上下一対の冷却ロール(7)
(7)によって冷却し、ついで上下一対の引取り機(8)(8)
によって幅490mmを有する繊維強化塩化ビニル樹脂
シート(9) として引き取り、最後に、この繊維強化塩化
ビニル樹脂シート(9) を巻取り機(10)により巻き取っ
た。
一対の二次加熱ロール(5)(5)により、これら上下樹脂付
着ガラス繊維束(2)(2)をさらに加熱・押圧して、重ね合
わせ面に残存する未溶融状態の粉体状樹脂(4)(4)を完全
に溶融させて、上下樹脂付着ガラス繊維束(2)(2)をシー
ト状に貼り合わせ、その後、上下一対の冷却ロール(7)
(7)によって冷却し、ついで上下一対の引取り機(8)(8)
によって幅490mmを有する繊維強化塩化ビニル樹脂
シート(9) として引き取り、最後に、この繊維強化塩化
ビニル樹脂シート(9) を巻取り機(10)により巻き取っ
た。
【0045】比較例 つぎに、比較のために、図1に示す製造工程において上
部ガイド・ピンチロール(6a)を振幅させなかった点を除
いて、上記実施例の場合と同様に処理し、比較用の繊維
強化塩化ビニル樹脂シートを製造した。
部ガイド・ピンチロール(6a)を振幅させなかった点を除
いて、上記実施例の場合と同様に処理し、比較用の繊維
強化塩化ビニル樹脂シートを製造した。
【0046】繊維強化樹脂シートの評価 上記実施例および比較例によって得られた繊維強化塩化
ビニル樹脂シートの幅方向の肉厚を10mm間隔でマイ
クロメーターを用いて測定し、平均値とCV値(変動係
数)を算出した。ここで、CV値とは、標準偏差/平均
肉厚の値を表わす。得られた測定結果を、下記の表1に
示した。
ビニル樹脂シートの幅方向の肉厚を10mm間隔でマイ
クロメーターを用いて測定し、平均値とCV値(変動係
数)を算出した。ここで、CV値とは、標準偏差/平均
肉厚の値を表わす。得られた測定結果を、下記の表1に
示した。
【0047】
【表1】 上記表1から明らかなように、本発明の実施例によって
得られた繊維強化樹脂シート(9) は、その幅方向の肉厚
のCV値が、比較例の繊維強化樹脂シートの同値に比べ
てはるかに小さく、幅方向に肉厚が均一でかつ表面平滑
性が良いものであった。繊維強化樹脂シート(9) は、長
手方向にも勿論、肉厚は均一であった。
得られた繊維強化樹脂シート(9) は、その幅方向の肉厚
のCV値が、比較例の繊維強化樹脂シートの同値に比べ
てはるかに小さく、幅方向に肉厚が均一でかつ表面平滑
性が良いものであった。繊維強化樹脂シート(9) は、長
手方向にも勿論、肉厚は均一であった。
【0048】
【発明の効果】本発明は、上述のように、多数の連続モ
ノフィラメントよりなる複数本の繊維束に粉体状熱可塑
性樹脂を付着させ、樹脂付着繊維束を加熱して、樹脂を
溶融するとともに押圧し、冷却後に、繊維強化熱可塑性
樹脂シートを得る方法であって、粉体状熱可塑性樹脂が
付着した繊維束を上下2系列より誘導し、上側樹脂付着
繊維束をこれの上面側を上部押圧部材によって押圧しな
がら上面側より加熱するとともに、下側樹脂付着繊維束
をこれの下面側を下部押圧部材によって押圧しながら下
面側より加熱し、上下樹脂付着繊維束を重ね合わせる
際、これらに幅方向の振動(左右方向の横振動)を与え
ながら重ね合わせるものであるから、本発明の方法によ
れば、上下樹脂付着繊維束のそれぞれ加熱面と反対の重
ね合わせ面において、付着量の多い場所の未溶融ないし
溶融状態の粉体状樹脂が、付着量の少ない場所へ移動し
て、樹脂が均一に分散し、シートの幅方向の肉厚の均一
化を図ることができて、肉厚が均一でかつ表面平滑性の
良い繊維強化熱可塑性樹脂シートを得ることができると
いう効果を奏する。
ノフィラメントよりなる複数本の繊維束に粉体状熱可塑
性樹脂を付着させ、樹脂付着繊維束を加熱して、樹脂を
溶融するとともに押圧し、冷却後に、繊維強化熱可塑性
樹脂シートを得る方法であって、粉体状熱可塑性樹脂が
付着した繊維束を上下2系列より誘導し、上側樹脂付着
繊維束をこれの上面側を上部押圧部材によって押圧しな
がら上面側より加熱するとともに、下側樹脂付着繊維束
をこれの下面側を下部押圧部材によって押圧しながら下
面側より加熱し、上下樹脂付着繊維束を重ね合わせる
際、これらに幅方向の振動(左右方向の横振動)を与え
ながら重ね合わせるものであるから、本発明の方法によ
れば、上下樹脂付着繊維束のそれぞれ加熱面と反対の重
ね合わせ面において、付着量の多い場所の未溶融ないし
溶融状態の粉体状樹脂が、付着量の少ない場所へ移動し
て、樹脂が均一に分散し、シートの幅方向の肉厚の均一
化を図ることができて、肉厚が均一でかつ表面平滑性の
良い繊維強化熱可塑性樹脂シートを得ることができると
いう効果を奏する。
【図1】本発明の方法を実施する装置の全体を示す概略
側面図である。
側面図である。
【図2】本発明の方法を実施する装置のピンチロール部
分の振動機構の一例を示す概略正面図である。
分の振動機構の一例を示す概略正面図である。
【図3】同振動機構の概略平面図である。
1 ロービング繰り出し機 2 ガラス繊維束 3 流動層を内蔵する樹脂付着用槽 4 粉体状熱可塑性樹脂 5 加熱ロール 5a 上部加熱ロール 5b 下部加熱ロール 6a 上部ガイド・ピンチロール 6b 下部ガイド・ピンチロール 7 冷却ロール 8 引取り機 9 繊維強化熱可塑性樹脂シート 10 巻取り機 11 ピンチロールの枢軸 12 軸受 13 モータ 14 モータの偏心軸 15 偏心カム 16 コイルバネ 17 固定壁
Claims (1)
- 【請求項1】 多数の連続モノフィラメントよりなる複
数本の繊維束に粉体状熱可塑性樹脂を付着させ、樹脂付
着繊維束を加熱して、樹脂を溶融するとともに押圧し、
冷却後に、繊維強化熱可塑性樹脂シートを得る方法であ
って、粉体状熱可塑性樹脂が付着した繊維束を上下2系
列より誘導し、上側樹脂付着繊維束をこれの上面側を上
部押圧部材によって押圧しながら上面側より加熱すると
ともに、下側樹脂付着繊維束をこれの下面側を下部押圧
部材によって押圧しながら下面側より加熱し、上下樹脂
付着繊維束を重ね合わせる際、これらに幅方向の振動を
与えながら重ね合わせることを特徴とする、繊維強化熱
可塑性樹脂シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8201847A JPH1044253A (ja) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8201847A JPH1044253A (ja) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1044253A true JPH1044253A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=16447884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8201847A Pending JPH1044253A (ja) | 1996-07-31 | 1996-07-31 | 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1044253A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104669647A (zh) * | 2015-02-11 | 2015-06-03 | 江苏奇一科技有限公司 | 增厚型连续纤维热塑性预浸带的制备设备及其制备方法 |
-
1996
- 1996-07-31 JP JP8201847A patent/JPH1044253A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104669647A (zh) * | 2015-02-11 | 2015-06-03 | 江苏奇一科技有限公司 | 增厚型连续纤维热塑性预浸带的制备设备及其制备方法 |
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