JP2005307407A - ガラスチョップドストランドマット及び成形材 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車成形天井材等として必要な剛性を確保し、ロールから引き出した際にマットがちぎれること無く、プレス成形した後に裂けないガラスチョップドストランドマットと、それを用いた自動車成形天井材等に使用できる成形材を提供する。
【解決手段】本発明のガラスチョップドストランドマットは、目付が150〜250g/m2で、JIS R3420に従う引張破断試験におけるマット幅方向の引張強さの平均値が250N以下、標準偏差が100N以下で、かつマット長手方向の引張強さの平均値が200N以上である。また本発明の成形材は、発泡ポリウレタンシートの表面にチョップドストランドマットが接着された成形材で、前記本発明のマットの少なくとも一方は、目付が150〜250g/m2、JIS R3420に従う引張破断試験におけるマット幅方向の引張強さの平均値250N以下で、標準偏差100N以下であり、かつマット長手方向の引張強さの平均値200N以上である。

Description

本発明は、ガラス繊維強化プラスチック(以下、GFRPという)の補強材や自動車成形天井材料等の発泡ポリウレタンの補強材として使用されるガラスチョップドストランドマット及びそれを用いた成形材に関する。
ガラスチョップドストランドマットは、多数本のガラスフィラメント表面に付着量が0.1〜2重量%程度となるよう集束剤を塗布し、これらを集束することによって得られたガラスストランドを所定長に切断し、ガラスチョップドストランドの多数本を、均等無秩序にシート状に堆積した後、その上から結合剤として粉末ポリエステル樹脂を散布し、次いでこれらの粉末ポリエステル樹脂を加熱溶融した後にプレス成形して冷却固化するか、あるいはシート状堆積物に樹脂を乳化したエマルジョンを塗布後に乾燥することによって製造される。通常、ガラスチョップドストランドマットを製造する場合、単繊維直径が11μm、ストランド番手が45テックス(テックスは長さ1000m当たりのグラム単位での重量)のガラスストランドを約50mm長に切断し、目付が300〜900g/m2となるように均等無秩序に堆積し、粉末ポリエステル樹脂付着量が1〜6質量%となるように散布して加熱溶融後に冷却固化するか、あるいは樹脂乳化エマルジョン付着量が1〜6質量%となるように塗布し、乾燥して各ガラスチョップドストランド同士を接着する方法が採用されている。
このようなガラスチョップドストランドマットは、浴槽、浄化槽等のGFRP成形品の補強材として用いられ、主にハンドレイアップ法と呼ばれる不飽和ポリエステル樹脂を含浸して成形する方法に多用されてきた。しかし、近年では、これまで段ボールやフェルト等で成形されていた自動車成形天井材の代替として、発泡ポリウレタンシートの両表面にガラスチョップドストランドマットを接着することによって、その剛性や寸法安定性を向上させたものが開発されている。
ところで自動車成形天井材には、剛性、寸法安定性、断熱性、遮音性等の特性が必要とされるが、これ以外にも、自動車全体の重量を軽減することを目的として、単位面積当たりの重量が軽いことが要求される。またガラスチョップドストランドマットを発泡ポリウレタンシートと接着する際、フェノール、メラミン、イソシアネート等の接着剤を使用するが、接着剤がガラスチョップドストランドマットの裏面まで浸透しないと、成形された自動車成形天井材の剛性が不足するという問題や、接着後に発泡ポリウレタンシートからガラスチョップドストランドが剥がれ落ちるという問題があるため、必ずマットの裏面まで接着剤を浸透させる必要がある。
成形天井材重量を軽減し、かつ接着剤の浸透性を向上させるためには、ガラスチョップドストランドマットの目付を小さくすれば良いが、目付が小さくなるほど、ガラスチョップドストランドマットのストランド分布が不均一な状態となってマットの引張強度が低下し、マットを巻き芯に巻き取った後、その外層から引っ張ってほどき出す時にその途中で破断する危険性が高くなり、作業性が大幅に低下するという問題がある。
また、軽量のガラス繊維補強材としては、直径が15〜24μm程度のガラスフィラメント(単繊維)を50〜100本程度束ね、連続繊維状態で渦状に堆積させたガラスコンティニアスストランドマットや、直径が6〜13μmのガラスフィラメントを数十本から数百本束ね、長さ3〜25mmに切断したガラスチョップドストランドを白水中でモノフィラメントに分散し、抄紙したガラスペーパーが知られている。しかしガラスコンティニアスストランドマットは、製造効率が低く、高価であるという問題がある。またガラスペーパーは、ガラス繊維がモノフィラメント状態であるため、補強効果が小さく、自動車成形天井材としては剛性が不足するという問題がある。
チョップドストランドマットについて、その強度を向上しようという改善はこれまでにも種々行われてきており、特許文献1には、ニードルパンチング処理に適応することができる圧縮強度と曲げ強度を合わせ持つ繊維複合体についての発明が提示されている。また、特許文献2には、ガラスチョップドストランドの形態を規定することによって、搬送コンベヤからの崩落を防ぐだけの強度を実現することができる旨の発明が行われている。さらに特許文献3では、強熱減量値を大きくすることによって引張強度を150kgf以上に大きくすることができるという発明が開示されている。
特開平5−24781号公報 特開平6−93546号公報 特開2003−175777号公報
従来、自動車成形天井材には、単繊維直径10〜14μm、ストランド平均番手20〜40texのガラスストランドを約50mmの長さに切断しチョップドストランドとし、目付が80〜150g/m2となるように均等無秩序に堆積し、粉末ポリエステル樹脂を、付着量8〜16質量%となるように散布してから加熱溶融して冷却固化するか、あるいは樹脂を乳化したエマルジョンを、付着量6〜10質量%となるよう塗布して乾燥し、各ガラスチョップドストランド同士を接着して得られるガラスチョップドストランドマットが使用されてきた。そしてこのマットは、所定長のロールとして巻き取られた形態で流通している。
近年、発泡ポリウレタンシートの表裏両面にガラスチョップドストランドマットが接着された自動車用天井材では、一方の面に目付が150〜250g/m2のガラスチョップドストランドマットが使用されるようになってきた。このようなマットでは、ガラスチョップドストランドにフェノール、メラミン、イソシアネート等の接着剤を塗布する際には、マットが断裂する危険性があった。また、接着剤を塗布したガラスチョップドストランドマットを表皮(自動車の室内側)、ガラスチョップドストランドマット、発泡ポリウレタンシート、ガラスチョップドストランドマット及び保護シート(自動車の天井側)の順に重ねるため、ロールからマットを引き出す際にしばしばマットが強度不足で断裂する、即ち、千切れる場合があるという問題点もあった。
また、前記したマットでは、前記のように重ね合わせた材料を、成形天井の形状にプレス成形すると、天井材が複雑な形状の場合や、深絞り成形される場合には、マットが裂けるという不具合が5%程度の発生率で生じた。
本発明は、上記事情に鑑み行われたものであり、自動車成形天井材として必要な剛性を確保し、ロールから引き出した際にマットが千切れること無く、プレス成形した際に裂けるようなことがないガラスチョップドストランドマットと、それを用いた自動車成形天井材に適する成形材を提供することを課題とするものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく、種々の実験を行った結果、目付が150〜250g/m2であり、JIS R3420(1999)付属書13記載の引張破断試験で、マット幅方向の引張強さの平均値とマット長手方向引張強さの平均値の値が、いずれも所定の値であって、しかもマット幅方向の引張強さの標準偏差が特定の値以下となることで自動車成形天井材として必要な剛性が得られ、ガラスチョップドストランドマットにフェノール、メラミン、イソシアネート等の接着剤を塗布する際や、接着剤を含浸させたチョップドストランドマットを表皮(自動車の室内側)、ガラスチョップドストランドマット、発泡ポリウレタンシート、ガラスチョップドストランドマット及び保護シート(自動車の天井側)の順に重ね合わるためにロールから引き出す際にマットが千切れたりすることがなく、さらに、前記したようにラミネートした材料をプレス成形した際に、天井材の形状が複雑な場合や深絞りの場合でもマットが裂けることがないことを見出し、本発明を提案するに到った。
すなわち本発明のガラスチョップドストランドマットは、目付が150〜250g/m2であり、JIS R3420(1999)付属書13に従う引張破断試験におけるマット幅方向の引張強さの平均値が250N以下で、標準偏差が100N以下であり、かつマット長手方向の引張強さの平均値が200N以上であることを特徴とする。
ここで、ガラスチョップドストランドの目付が150〜250g/m2とした理由は、以下のようなものである。すなわち、目付は単位面積当たりのガラスチョップドストランドの質量を表すものであるが、目付が150g/m2より小さいと、大型の自動車用成形天井材として必要な剛性が得られず、一方、目付が250g/m2より大きいと、自動車成形天井材の重量を軽減し、かつ接着剤の浸透性を向上することが困難となる。
また、マット幅方向の引張強さの平均値が250N以下であるとは、マットの幅方向について前記のJIS R3420(1999)付属書13に従う引張破断試験を行うことによって、その測定値の算術平均値が250N以下であることを意味している。マットの幅方向とは、一般に連続生産されるガラスチョップドストランドマットがロール状に巻き取られた状態で1つの製品形態となるが、このロール状に巻き取り方向に垂直な方向を意味している。そして、マット幅方向の引張強さの平均値については、その測定回数が少なくとも10回以上であることが必要であり、好ましくは20回以上の計測を行うことである。
さらに、マット幅方向の引張強さの標準偏差が100N以下であるとは、前記したマットの幅方向についてのJIS R3420(1999)付属書13に従う引張破断試験の計測値の標準偏差であって、引張強さの平均値同様にその測定回数が少なくとも10回以上であることが必要であり、好ましくは20回以上の計測を行うことである。
マット幅方向の引張強さの平均値が250N以下で、引張強さの標準偏差が100N以下であることによって、マット全体あるいはマットの部分的な引張強さが充分に強くなり、プレス成形した際にガラスチョップドストランドマットが充分に型に追随せずに、たて方向すなわちマットの長手方向に裂ける現象を抑止することが可能となるものである。
また、マット幅方向の引張強さの平均値が250N以下であることによって、本発明を実現できるものであるが、本発明を実現すると、実使用における強度として100N以上は達成することができ、用途等から要求される強度が高い場合には、より好ましくは150N以上の幅方向の平均引張強度とすることであって、さらに好ましくは170N以上の幅方向引張強度、一層好ましくは190N以上を有するものである。
また、マット長手方向の引張強さの平均値が200N以上であるとは、マット幅方向の引張強さの測定同様にJIS R3420(1999)付属書13に従う引張破断試験を行い、その測定値の算術平均値が200N以上となることを意味している。そして、マット長手方向とは、前記したマット幅方向に対して垂直なマット平面に平行な方向のことであって、ロール状に巻き取られた細長い形状を有するマットの長辺方向を表している。
マット長手方向の引張強さの平均値が200N以上とすることによって、ガラスチョップドストランドマットにフェノール、メラミン、イソシアネート等の接着剤を塗布する際や、接着剤を塗布したガラスチョップドストランドマットを表皮(自動車の室内側)、ガラスチョップドストランドマット、発泡ポリウレタンシート、ガラスチョップドストランドマット及び保護シート(自動車の天井側)の順に重ね合わるためにロールから引き出す際にマットが千切れるのを防止することができるようになる。
以上のような観点から、本発明のガラスチョップドストランドマットは、マット幅方向の引張強さの平均値に対するマット長手方向の引張強さの平均値の比率が、1.5以下であって、この比率以下の場合に高い性能を実現することが可能となるものである。そして、より好ましくは、マット幅方向の引張強さの平均値とマット長手方向の引張強さの平均値の差が少ないことである。
なお、本発明のガラスチョップドストランドマットに係る粉末ポリエステル樹脂の結合剤は、ガラスストランド同士を結合させるためのものであるが、粉末に限定されず、その形態は、繊維状、シート状、フィルム状等であっても良く、またポリエステル以外に、ポリプロピレン、酢酸ビニル、アクリル、エポキシ等の樹脂素材も使用可能である。
また、本発明のガラスチョップドストランドマットは、マット幅方向に横列する長手方向300mmで幅方向150mmの各矩形面領域について、領域相互の結合剤散布量の差が5g/m2以下、かつガラス繊維目付の差を80g/m2以下であることを特徴とする。
ここで、マット幅方向に横列する長手方向300mmで幅方向150mmの各矩形領域について、結合剤のマット幅方向散布量の差を5g/m2以下であるとは、ガラスチョップドストランドマットの幅方向に1列に長さ300mm×幅150mmの矩形面を切り出してその強熱減量を計測し、その計測値が5g/m2以内となるように結合剤の散布状態を調整することによって、マット幅方向に均等な散布状態を確認することができるものである。
この結合剤のマット幅散布状態を均等にすることによって、幅方向のガラス繊維結合強度を所望の値に調整することが可能となり、その結果として前記した引張強度の標準偏差を規定することが可能となるものである。
結合材の散布状態を調整する具体的な方法としては、例えば、結合剤をマットに含浸する方法として単純な浸漬等による方法を採用する場合であっても、マットの上方より所定量の結合剤を供給ノズル等から流量を調整して供給する等の方法を併用することによって、最終的な含有量のばらつきを解消することができるようになるものである。
そして上記した強熱減量については、JIS R3420(1999)により計測することが可能である。
また、マット幅方向について、ガラス繊維目付の差を80g/m2以下とするとは、マットを成形する際のガラスチョップドストランドの分布状態をマット幅方向についてのばらつきを極力少なくすることによって達成でき、ガラスチョップドストランドマットの幅方向に1列に長さ300mm×幅150mmの矩形面を切り出して質量を計測し、その計測値が80g/m2以内となるようにチョップドストランドの散布状態を調整することによって、マット幅方向に均等な散布状態を実現することができるものである。
このマットを構成するチョップドストランドの分布を調整するための方法としては、ストランドをカッター等で切断した後に、チョップドストランドをチャンバー内で搬送コンベア上に分散させ、マット状に堆積する際の気流を制御することにより、チョップドストランドが均等な分布状態となるように工夫を行ってもよい。あるいは一旦散布され、マット状に堆積したチョップドストランドに適切な所定周波数の振動を付与したり、所望の流速のエアーを噴射する等、必要となる箇所に適切な処置を施すことで、ガラスチョップドストランドの分散状態を改善する方法を採用し、ガラスチョップドストランドの分布状態の調整を行うことも可能である。
さらに、本発明の成形材は、発泡ポリウレタンシートの表面にガラスチョップドストランドマットが接着された成形材であって、前記チョップドストランドマットが、目付が150〜250g/m2、JIS R3420(1999)付属書13に従う引張破断試験におけるマット幅方向の引張強さの平均値250N以下で、標準偏差100N以下であり、かつマット長手方向の引張強さの平均値200N以上であることを特徴とする。
ここで、発泡ポリウレタンシートの表面にチョップドストランドマットが接着された成形材であって、前記チョップドストランドマットは、目付が150〜250g/m2、JIS R3420(1999)付属書13に従う引張破断試験で、マット幅方向の引張強さの平均値250N以下、標準偏差100N以下であり、マット長手方向の引張強さの平均値200N以上であるとは、成形材を構成する発泡ポリウレタンシートについて、その表裏2面の内の少なくとも一方の表面上に対して、前記本発明のガラスチョップドストランドマットを接着したものであることを意味している。
本発明の成形材を実現するには成形材を構成する発泡ポリウレタンの一方の表面について、本発明のガラスチョップドストランドマットが接着された構成とすることが必要なものであって、表裏2面とも本発明のガラスチョップドストランドマットが接着された構成とすることでより高い性能を実現することができるのは言うまでもない。また一方の面のみに採用する場合については、他方の面に他の被覆材を使用するかどうかについては、特に限定するものではない。
本発明の成形材の用途としては、ガラスチョップドストランドマットを使用して成形できる電子工業等の各種精密ハウジング構成体や建築用材料、工業用途の各種構成部材等、種々の利用が可能であって、他の部材等と併用することによって所望の機能を実現することができるものである。
ガラスチョップドストランドマットと発泡ポリウレタンシートとの接着は公知の方法を採用することができ、フェノール、メラミン、イソシアネート等の接着剤を単独あるいは複数併用してガラスチョップドストランドマットに含浸させて使用することができる。
また、本発明の成形材は、自動車用天井材の構成部材であることを特徴とする。
ここで、成形材が、自動車天井材の構成部材であるとは、本発明の成形材が内装に用いられる自動車天井材の部分的な面積あるいは全面積を構成するものであることを意味している。
成形材については、他の加工部材との併用を許容するものであって、自動車天井材としての各種の性能を有し、安定した耐性を実現するものであれば、支障なく使用できるものである。
(1)以上のように、本発明のガラスチョップドストランドマットは、目付が150〜250g/m2であり、JIS R3420(1999)付属書13に従う引張破断試験におけるマット幅方向の引張強さの平均値が250N以下で、標準偏差が100N以下であり、かつマット長手方向の引張強さの平均値が200N以上であるため、発泡ポリウレタンシートの表面にチョップドストランドマットが接着されてなる成形材において、少なくとも一方の面に使用することで、大型成形品や複雑な形状の成形材でも充分な剛性が得られ、また、ガラスチョップドストランドマットにフェノール、メラミン、イソシアネート等の接着剤を塗布する際に千切れたり、接着剤を塗布したチョップドストランドマットを表皮、ガラスチョップドストランドマット、発泡ポリウレタンシート、ガラスチョップドストランドマット及び保護シートの順に重ね合わるためにロールから引き出す際にちぎれることがなく、ガラスチョップドストランドマットにフェノール、メラミン、イソシアネート等の接着剤を含浸させ、表皮、ガラスチョップドストランドマット、発泡ポリウレタンシート、ガラスチョップドストランドマット及び保護シートの順に重ね合わせ、所定の形状にプレス成形しても、ガラスチョップドストランドマットが裂けることがないものである。
(2)また、本発明のガラスチョップドストランドマットは、マットの幅方向に1列に長さ300mm×幅150mmの面積で測定した結合剤の散布量の差が5g/m2以内であるため、軽量で高い強度を確実に実現することができ、均質な品位を有する成形材を容易かつ安価に構成することができるものである。
(3)また、本発明のガラスチョップドストランドマットは、マット幅方向のガラス繊維の目付の差が80g/m2以内とするものであるため、マットを所定面積切り出して成形材を製造するために使用する場合に、マットの重心位置の変動や局所的な強度のばらつきを少なくし、成形材として利用される製品の性能のばらつきを少なくすることを可能とするものである。
(4)本発明の成形材は、発泡ポリウレタンシートの表面にガラスチョップドストランドマットが接着された成形材であって、前記チョップドストランドマットは、目付が150〜250g/m2、JIS R3420(1999)付属書13に従う引張破断試験におけるマット幅方向の引張強さの平均値250N以下で、標準偏差100N以下であり、かつマット長手方向の引張強さの平均値200N以上であるため、軽量であって、しかも剛性、寸法安定性に優れ、断熱性や遮音性といった性能を有する成形材を構成することが容易に可能となるものである。
(5)また、本発明の成形材は、自動車用天井材の構成部材であるため、各種の機能を求められる自動車成形天井材としての品位を充分に満足するものであり、特に天井材が複雑な形状である場合や深絞りを要して成形される場合についても好適な強度的耐性を実現することができるものである。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて本発明のガラスチョップドストランドマットとそれを使用する自動車用天井材について詳細に説明する。図1は、ガラスチョップドストランドマットの製造工程を示す説明図である。
まず直径12.5μmのガラスフィラメントに集束剤(固形分50質量%のポリ酢酸ビニルエマルジョンを6質量%、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.3質量%、第4級アンモニウム塩を0.5質量%、イオン交換水を93.2質量%)を付着量が0.4質量%となるように塗布した後、80本集束させることによってストランドとしてから、巻き取り、ガラスケーキを得た後、所定時間乾燥した。
この乾燥されたケーキの内層から図1に示すようにガラスストランド10を解舒して、チャンバー11の天井部分に取り付けられた複数個の切断機12に送り込み、所定長に切断した。各切断機12は、カッターローラー12aとゴムローラー12bから構成されており、互いに回転するカッターローラー12aとゴムローラー12bの間にガラスストランド10が送り込まれることによって切断されてチョップドストランドとなる。
チャンバー11の底部には、第1の搬送コンベア13が配置され、長さ50mmに切断されたチョップドストランドを、第1の搬送コンベア13の上にて気流で均一になるように分散させ、シート状に堆積してからチャンバー11の外へ搬送し、次の第2の搬送コンベア14に搬送した。第2の搬送コンベア14上で移動するガラスチョップドストランド上に散布機15によって粉末ポリエステル樹脂(例えば、花王株式会社製ニュートラック514)を、所定の付着量(%)となるように、また幅方向の差が5g/m2以下の例えば4g/m2となるように均一に散布した後、次の第3の搬送コンベア16に搬送した。第3の搬送コンベア16の途中には、加熱炉17が配置され、粉末ポリエステル樹脂が散布されたガラスチョップドストランドのシート状堆積物が、加熱炉17中に移動して所定温度で加熱されることによって、粉末ポリエステル樹脂が軟化、溶融した。次いでこのガラスチョップドストランドを、加熱炉17の外部に移動した後、水冷ロール18の間を通して冷却、プレスを行い、これにより溶融していた粉末ポリエステル樹脂が固化し、ガラスチョップドストランドマット19が作製され、その後、巻き取り機20によって巻き取った。チョップドストランドマットは目付150〜250g/m2と100g/m2であった。
こうして得られた目付けが150〜250g/m2のマットの幅方向、マット長手方向の引張強さをJIS R3420付属書13の引張破断試験方法にて測定した。ここでは、被試験体の測定数nは50であった。
強熱減量についてもJIS R3420記載の方法によって計測した。
そして、得られたガラスチョップドストランドマット19を使用してガラスチョップドストランドマットにイソシアネート系の接着剤を含浸させた後、表皮(自動車の室内側)、ガラスチョップドストランドマット(目付け100g/m2)、発泡ポリウレタンシート、ガラスチョップドストランドマット(目付け150〜250g/m2)及び保護シート(自動車の天井側)の順に重ね合わせ、周囲に超硬刃を具備して、成形天井の形状をしたプレス型に入れてプレス成形し、所定の形状にすると同時に周囲をトリミングした。
また、1000枚の自動車天井材について裏面側のチョップドストランドマット(150〜250g/m2)に裂けが発生していないかを目視にて検査した。これらの結果を表1に示す。
表から明らかなように、実施例である試料No.1とNo.2のガラスチョップドストランドマットは、いずれもマット幅方向の引張強さの平均値が230N、200Nであって、それぞれ標準偏差が76N、70Nであり、マット長手方向の引張強さの平均値は297N、227Nであることが判明した。またイソシアネート接着剤を含浸させたガラスチョップドストランドマットをロールから引き出す際にマットが千切れることはなかった。そして、成形後の自動車成形天井材裏面側のチョップドストランドマットに裂けの発生は認められなかった。
これに対し、比較例である試料No.3のガラスチョップドストランドマットは、マット幅方向の引張強さの平均値が357N、標準偏差が144Nであって、マット長手方向の引張強さの平均値が587Nであり、イソシアネート接着剤を含浸させたガラスチョップドストランドマットをロールから引き出す際にマットが千切れることはなかったが、成形後の自動車成形天井材裏面側のチョップドストランドマットに裂けの発生するものが、5%の発生率で認められた。
また、マット幅方向の性能を比較するため、実施例1、2及び比較例3のチョップドストランドマットから、図2に示すようにマットの幅方向Hに1列に長さ300mm×幅150mmを切りだし結合剤のマット幅方向散布量を調査したところ、実施例1、2はそれぞれ3.5g/m2、4.0g/m2の差であったが、比較例3の差は5.5g/m2と大きいものであった。また、実施例1、2及び比較例3のチョップドストランドマットから、マットの幅方向Hに1列に長さ300mm×幅150mmを切りだしマット幅方向Hのガラス繊維の目付の差を調査したところ、実施例1、2はそれぞれ60g/m2、50g/m2であったが、比較例3の差は100g/m2と大きいものであった。
以上のように、実施例と比較例から、本発明のガラスチョップドストランドマットは、目付が150〜250g/m2であり、JIS R 3420付属書13により測定したマット幅方向Hの引張強さの平均値が250N以下、標準偏差が100N以下、マット長手方向Lの引張強さの平均値が200N以上であるため、自動車成形天井材として必要な剛性が得られる。そして、発泡ポリウレタンシートに重ね合わるためにロールから引き出す際に、マットがちぎれたりすることがない。そして、発泡ポリウレタンシートなどと重ね合わせて、成形天井の形状にプレス成形した際に、天井材の形状が複雑な場合や深絞りの場合でも、マットが裂けることがなく、優れた機能を有するものであることを確認することができた。
本発明のガラスチョップドストランドマットの製造工程を示す説明図。 本発明のガラスチョップドストランドマットの説明図。
符号の説明
10 ガラスストランド
11 チャンバー
12 切断機
13 第1の搬送コンベア
14 第2の搬送コンベア
15 散布機
16 第3の搬送コンベア
17 加熱炉
18 水冷ロール
19、M ガラスチョップドストランドマット
20 巻き取り機
L ガラスチョップドストランドマットの長手方向
H ガラスチョップドストランドマットの幅方向

Claims (4)

  1. 目付が150〜250g/m2であり、JIS R3420(1999)付属書13に従う引張破断試験におけるマット幅方向の引張強さの平均値が250N以下で、標準偏差が100N以下であり、かつマット長手方向の引張強さの平均値が200N以上であることを特徴とするガラスチョップドストランドマット。
  2. マット幅方向に横列する、長手方向が300mmで、マット幅方向が150mmの各矩形領域について、領域相互の結合剤散布量の差が5g/m2以下であり、かつガラス繊維目付の差が80g/m2以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラスチョップドストランドマット。
  3. 発泡ポリウレタンシートの表面にガラスチョップドストランドマットが接着された成形材であって、
    前記ガラスチョップドストランドマットは、目付が150〜250g/m2、JIS R3420(1999)付属書13に従う引張破断試験におけるマット幅方向の引張強さの平均値250N以下で、標準偏差100N以下であり、かつマット長手方向の引張強さの平均値200N以上であることを特徴とする成形材。
  4. 自動車用天井材の構成部材であることを特徴とする請求項3に記載の成形材。
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