JP2020122239A - ガラスチョップドストランドマット - Google Patents

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【課題】ガラスチョップドストランドをシート状に成形してなるガラスチョップドストランドマットであって、安定した製品特性を確保し、品質向上が図られたガラスチョップドストランドマットを提供する。【解決手段】マット幅方向の中央部、一端部及び他端部において、それぞれ、(マット幅方向の寸法150mm)×(マット幅方向と直交する長さ方向の寸法300mm)の外形寸法からなる矩形状に切り出された3枚の矩形板片Maにおいて、マット幅方向の一端部に位置する一端部側矩形板片Ma1の長さ方向における引張強度Ta1と、マット幅方向の他端部に位置する他端部側矩形板片Ma2の長さ方向における引張強度Ta2との算術平均Tk(=(Ta1+Ta2)/2)、及びマット幅方向の中央部に位置する中央部側矩形板片Na3の長さ方向における引張強度Ta3の比(Tk/Ta3)は、0.75以上1.20以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスチョップドストランドマットの技術に関する。
従来より、細かく切断された複数のガラス繊維からなるガラスチョップドストランドを、シート状に成形してなるガラスチョップドストランドマットが知られている。
ガラスチョップドストランドマットを製造するには、先ず始めに、ガラス繊維を所定の長さに切断して、ガラスチョップドストランドを得る。次に、ガラスチョップドストランドをベルトコンベア等の搬送手段の上に分散し、シート状に堆積する(分散堆積工程)。
搬送手段に分散堆積されたガラスチョップドストランドは、当該搬送手段によって搬送されながら、ガラスチョップドストランドに結着剤を散布する結着剤散布工程、結着剤が付着したガラスチョップドストランドを加熱する加熱工程、及び加熱後のガラスチョップドストランドを冷却しながら圧接する冷間圧接工程等を経る。これにより、シート状のガラスチョップドストランドマットが連続的に成形される。
そして、成形されたガラスチョップドストランドマットは、巻取り装置によって巻き取られてロール状の巻回体に形成され(巻取り工程)、その後出荷される(例えば、「特許文献1」を参照)。
国際公開第2013/094402号
ところで、このようなチョップドストランドマットは、マット幅方向の端部において毛羽が発生しやすく、例えば納入先等において、ロール状に巻取られたガラスチョップドストランドマットを引き出す際に、マット幅方向の端部に応力が集中して亀裂等が発生する等、安定した製品特性の確保を困難とする要因となっていた。
本発明は、以上に示した現状の問題点に鑑みてなされたものであり、ガラスチョップドストランドをシート状に成形してなるガラスチョップドストランドマットであって、安定した製品特性を確保し、品質向上が図られたガラスチョップドストランドマットを提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明に係るガラスチョップドストランドマットは、ガラスチョップドストランドをシート状に成形してなるガラスチョップドストランドマットであって、マット幅方向の中央部、一端部及び他端部において、それぞれ、(前記マット幅方向の寸法150mm)×(前記マット幅方向と直交する長さ方向の寸法300mm)の外形寸法からなる矩形状に切り出された3枚の矩形板片において、前記マット幅方向の一端部に位置する前記矩形板片の、前記長さ方向における引張強度Ta1と、前記マット幅方向の他端部に位置する前記矩形板片の、前記長さ方向における引張強度Ta2との算術平均をTa(=(Ta1+Ta2)/2)とした場合、Tkと、前記マット幅方向の中央部に位置する前記矩形板片の、前記長さ方向における引張強度Tbの比(Ta/Tb)は、0.75以上1.20以下であることを特徴とする。
このような構成からなるガラスチョップドストランドマットであれば、マット幅方向に渡って長さ方向の引張強度が略均一となり、マット幅方向の中央部に比べて端部の前記引張強度が大きく下回ることはなく、マット幅方向の端部における毛羽の発生も抑制されるため、例えば納入先等において、ロール状に巻取られたガラスチョップドストランドマットを引き出す際に、マット幅方向の端部に応力が集中して亀裂等が発生するのを防止し、最終製品であるガラスチョップドストランドマットにおいて、安定した製品特性を確保することが可能となり、当該ガラスチョップドストランドマットの品質向上を図ることができる。
また、引張強度が略均一であるため、ガラスチョップドストランドマットを所望の形状に成形加工する場合に、当該ガラスチョップドストランドマットの扱いが困難となることもなく、且つ、巻芯への巻取り作業が困難となることもない。
また、本発明に係るガラスチョップドストランドマットにおいて、前記マット幅方向の中央部に位置する前記矩形板片の、前記長さ方向における引張強度Tbは、日本工業規格(JIS R3420(2013)7.18)に従う試験体の幅及び長さが各々150mm及び300mmの引張破断試験において、140N以上300N以下であることが好ましい。
このように、本発明においては、マット幅方向の中央部に位置する矩形板片の、長さ方向における引張強度Tbが、140N以上300N以下の適度な範囲に設定されていることから、ガラスチョップドストランドマットを所望の形状に成形加工する場合に、当該ガラスチョップドストランドマットの扱いが困難となることもなく、且つ、巻芯への巻取り作業が困難となることもない。
また、本発明に係るガラスチョップドストランドマットにおいて、前記マット幅方向の一端部及び他端部にそれぞれ位置する前記矩形板片の、前記長さ方向における引張強度の算術平均Taは、日本工業規格(JIS R3420(2013)7.18)に従う試験体の幅及び長さが各々150mm及び300mmの引張破断試験において、140N以上300N以下であることが好ましい。
このように、本発明においては、マット幅方向の一端部及び他端部にそれぞれ位置する矩形板片の、長さ方向における引張強度の算術平均Taが、140N以上300N以下の適度な範囲に設定されていることから、ガラスチョップドストランドマットを所望の形状に成形加工する場合に、当該ガラスチョップドストランドマットの扱いが困難となることもなく、且つ、巻芯への巻取り作業が困難となることもない。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係るガラスチョップドストランドマットによれば、安定した製品特性を確保し、ガラスチョップドストランドマットの品質向上を図ることができる。
本発明の一実施形態であるガラスチョップドストランドマットを示した全体図である。 本発明の一実施形態であるガラスチョップドストランドマットを製造するための製造装置の全体構成を示した模式図である。 製造装置における結着剤付与装置の近傍を示した図であって、図2中の矢印Bの方向に見た拡大平面図である。
次に、本発明の実施形態について、図1乃至図3を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図2における上下方向を、製造装置1の上下方向と規定して説明する。また、図1乃至図3における矢印Aの方向を、ガラスチョップドストランドS、またはガラスチョップドストランドマットMの搬送方向と規定して記述する。
[ガラスチョップドストランドマットM]
先ず、本発明を具現化するガラスチョップドストランドマットMの構成について、図1を用いて説明する。
ガラスチョップドストランドマットMは、細かく切断された複数のガラス繊維からなるガラスチョップドストランドS(図2を参照)を纏めて冷間圧接することで、シート状に成形するものである。
ガラスチョップドストランドマットMは、主に、後述する製造装置1(図2を参照)によって、一方向(図1中の矢印Aの方向)に搬送されながら連続的に成形され、巻芯71に巻取られて巻回体Rに形成された後、最終製品として出荷される。
本実施形態におけるガラスチョップドストランドマットMは、長さ方向(長手方向)の引張強度が、マット幅方向(長さ方向且つ厚み方向との直交方向)に渡って略均一となるように設定されている。
具体的には、ガラスチョップドストランドマットMは、例えば、マット幅方向の中央部、一端部(例えば本実施形態においては、搬送方向(矢印Aの方向)に見て右側の端部)及び他端部(例えば本実施形態においては、搬送方向(矢印Aの方向)に見て左側の端部)において、それぞれ所定の外形寸法からなる3枚の矩形板片Ma・Maを切り出し、マット幅方向の一端部に位置する矩形板片Ma(以下、適宜「一端部側矩形板片Ma1」と記載する)の長さ方向における引張強度Ta1と、マット幅方向の他端部に位置する矩形板片Ma(以下、適宜「他端部側矩形板片Ma2」と記載する)の長さ方向における引張強度Ta2との算術平均をTk(=(Ta1+Ta2)/2)とした場合、Tkと、マット幅方向の中央部に位置する矩形板片Ma(以下、適宜「中央部側矩形板片Ma3」と記載する)の長さ方向における引張強度Ta3との比(Tk/Ta3)が、0.75以上1.20以下となるように設定されている(0.75≦(Tk/Ta3)≦1.20)。
ここで、「マット幅方向の中央部に位置する」とは、ガラスチョップドストランドマットMのマット幅方向における中心線CL上に位置することを意味し、中央部側矩形板片Ma3には、前記中心線CLが含まれる。
なお、中央部に位置する矩形板片Ma3を切り出す際において、例えば、ガラスチョップドストランドマットMのマット幅方向における中心線CLが、幅方向の中心となるように切り出すものとする。
また、ガラスチョップドストランドマットMより切り出される各矩形板片Maの外形寸法は、(マット幅方向の寸法150mm)×(長さ方向の寸法300mm)に予め設定されている。
さらに、上述の引張強度の比(Tk/Ta3)は、日本工業規格(JIS R3420(2013) 7.18)に従う試験体の幅及び長さが各々150mm及び300mmの引張破断試験によって測定された、一端部側矩形板片Ma1と他端部側矩形板片Ma2との長さ方向における引張強度の算術平均Tk、及び中央部側矩形板片Ma3における長さ方向の引張強度Ta3から求められる。
なお、JIS R3420(2013) 7.18は、以下のように規定されている。
<JIS R3420(2013) 7.18>
7.18 マットの引張強さ
7.18.1 一般事項
マットの引張強さの試験方法について規定する。この方法は、チョップドストランドマットに適用するが、コンティニュアスマットにも同時に適用できる。
7.18.2 原理と用語
状態調節した規定の寸法の試験片を、記録計などの引張破断力を測定できる適切な機械装置によって引き伸ばす。引張破断力は、破壊までに至った試験片を破断するのに要する最大荷重を、一般にニュートン(N)で表す。
7.18.3 試験用機械器具
試験用機械器具は、次のものを用いる。
a)引張試験機 全ての試験機は、次のものから構成される。
1)試験片をつかむための適切な一対のクランプ。幅が160mmで最小深さが25mmのもの。クランプの面は平面で、かつ、平行であって、試験片の幅全体にわたって均一な圧力を与え、スリップを防止できなければならない。クランプはいかなるときにおいても、試験片の軸が直線的に保持されるものでなければならない。クランプ間の始めの距離は200mmとする。
2)試験片に張力を加える手段
3)試験片に加わる荷重を連続的に指示又は記録する機構。この機構は、規定された試験速度で実用上慣性がなく、真の値の1%以内の精度で力を示すものでなければならない。標準の機械には定速伸長系の試験機を用いる。低速緊張系及び低速荷重系のような他のタイプの試験機もある。そのような試験機が利用可能ならば、受渡当事者間の協議で、使用することができる。しかし、異なるタイプの試験機からの結果は必ずしも比較できない。
4)示された力の最大誤差は、試験機が使用される範囲内のいかなる点においても、真の力の1%を超えてはならない。クランプ分離指示値の許容誤差は、2mmを超えてはならない。引張試験機の精度は、適切な特性をもった検定されたスプリングなどによって確かめなければならない。
b)予備状態調節に適した雰囲気を作り出す装置[7.18.4.a)参照]
c)標準試験室雰囲気を作り出し、保持する装置[7.18.4.b)参照]
d)型板
1)チョップドストランドマット用:幅150mm×長さ316mm又は幅300mm×長さ300mmのもの。
2)コンティニュアスマット用:幅75mm×長さ316mmのもの。
e)トリミング用具 ナイフ、はさみ、カッターなど。
7.18.4 状態調節及び試験雰囲気
状態調節及び試験雰囲気は、次による。
a)状態調節 箇条4a)に規定する標準雰囲気で行う。[4a)には、試験室の標準状態又は試験条件の標準雰囲気をJIS K 7100に規定する18〜28℃の周囲温度とすることが規定されている。]
1)ロールは、16時間を標準とする。ただし、受渡当事者間の協議で、定めてもよい。
2)試験片は、1時間を標準とする。
b)試験雰囲気 箇条4a)に規定する標準雰囲気で行う。
7.18.5 試料及び試験片
少なくともロール外層から2層分を取り除き、欠陥が認められず、損傷がない部分から、トリミング用具[7.18.3e)参照]を用いて、少なくとも400mm幅の試料を切断する。この試料にしわが入らないよう注意を払って取り扱う。次に規定する試験片についても同様の注意が必要である。型板[7.18.3d)参照]を用いて、試験片の主軸をマットの長さ方向に平行にした幅150mm(又は75mm)×長さ316mmの試験片を必要な数だけ切り取る。加えて、マットの幅方向の試験を行う場合は、マットの幅方向に平行した幅150mm(又は75mm)×長さ316mmの試験片を採取する。トリミングしたマットの場合、少なくとも両端から内側に10mm以上離して採取する。
コンティニュアスマットの場合、長さ方向の試験片だけを使用する。
試験片は最小5個が使用される。一つの試料から必要な数の試験片が採取できない場合には、複数の試料から試験片を均等に分布するように採取する。試験するマットの種類を確認するためには、マットの単位面積当たりの質量(7.2参照)が明確になっているマットから試験片を切り取るのが便利である。
なお、受渡当事者間の協議で、試験片の採取方法を定めている場合には、その旨試験報告書に記録する。
7.18.6 操作
操作は、次による。
a)試験片のクランプ間の距離を200mmに調節する。
b)クランプ分離速度が200±10mm/min又は100±10mm/minになるように試験機の速度を調整する。
c)クランプが一直線に並び、かつ、平行であることを確認する。試験片の縦軸が、引張試験機の張力軸に一致するように試験片をクランプに取り付ける。クランプを均一にしっかり締め、試験片がまっすぐになるように試験片に軽い張力を加える。引張試験機を始動させ、試験片を破断点まで伸ばす。試験片を破断するのに要した荷重をニュートン(N)で記録する。クランプの端から10mm以内で破断した試験片、又はクランプの中でスリップした試験片から得られた結果は除き、必要な数の追加の試験片を試験する(7.18.5参照)。完全な破断でない場合は試験報告にその旨を記録する。
7.18.7 結果の表し方
各々の試験片から得られた値を平均し、マットの破断力として、JIS Z 8401規則Bによって数値を丸め、整数で表す。必要であるならば、範囲を記載する。
上述したJIS R3420(2013) 7.18の「7.18.3.d)型板」において、本実施形態では、幅150mm×長さ300mmの型板が採用される。
また、JIS R3420(2013) 7.18の「7.18.5」において、本実施形態では、前記型板を用いて、試験片の主軸をガラスチョップドストランドマットMの長さ方向に平行にした幅150mm×長さ300mmの試験片を、ガラスチョップドストランドマットMのマット幅方向の一端部から他端部に向かって順に切り取り、一端部に位置する試験片(即ち、一端部側矩形板片Ma1)、他端部に位置する試験片(即ち、他端部側矩形板片Ma2)、及び中央部に位置する試験片(即ち、中央部側矩形板片Ma3)のみを採取し使用することとしている。
以上のように、本実施形態におけるガラスチョップドストランドマットMにおいては、マット幅方向の一端部から他端部に向かって複数の矩形板片Ma・Ma・・・を切り出した場合、一端部に位置する一端部側矩形板片Ma1の長さ方向における引張強度Ta1と、他端部に位置する他端部側矩形板片Ma2の長さ方向における引張強度Ta2との算術平均Tk(=(Ta1+Ta2)/2)、及び中央部に位置する中央部側矩形板片Ma3の長さ方向における引張強度Ta3の比(Tk/Ta3)が、0.75以上1.20以下の適度な範囲に収まるように設定されており、マット幅方向に渡って長さ方向の引張強度が略均一であり、マット幅方向の中央部に比べて端部の前記引張強度が大きく下回ることがないように設定されている。
これにより、ガラスチョップドストランドマットMを所望の形状に成形加工する場合に、当該ガラスチョップドストランドマットMの扱いが困難となることもなく、且つ、巻芯71への巻取り作業が困難となることもない。
このように、マット幅方向の端部における引張強度が低下しないため、毛羽の発生も抑制される。そのため、例えば納入先等において、ロール状に巻取られたガラスチョップドストランドマットMを引き出す際に、マット幅方向の端部に応力が集中して亀裂等が発生するようなこともなく、最終製品であるガラスチョップドストランドマットMにおいて、安定した製品特性を確保することが可能となり、当該ガラスチョップドストランドマットMの品質向上を図ることができる。
なお、成形されたガラスチョップドストランドマットMよりマット幅方向に沿って切り出された複数の矩形板片Ma1・Ma2・Ma3において、各矩形板片Maにおけるマット幅方向の引張強度Tbと、長さ方向の引張強度Taとの比(Tb/Ta)は、0.73以上1.00未満であることが好ましい。
各矩形板片Maにおけるマット幅方向の引張強度Tbと、長さ方向の引張強度Taとの比(Tb/Ta)が0.73未満である場合、長さ方向の引張強度が過大になり、マット幅方向に対して長さ方向の柔軟性がかなり低下することになる。
その結果、例えば納入先等において、巻回体Rより引き出されたガラスチョップドストランドマットMを所定の形状に成形加工する場合に、成形不良を生じる可能性が高まる。
一方、各矩形板片Maにおけるマット幅方向の引張強度Tbと、長さ方向の引張強度Taとの比(Tb/Ta)が1.00を超える場合、マット幅方向に対して長さ方向の引張強度が過少となり、例えば、巻芯71に巻取る際に、マット幅方向への亀裂が発生し易くなり、巻芯71への巻取り作業が困難となる可能性がある。
このようなことから、各矩形板片Maにおけるマット幅方向の引張強度Tbと、長さ方向の引張強度Taとの比(Tb/Ta)は、0.73以上1.00未満の適度な範囲内に設定されることが、所望の形状に成形加工することを可能とする十分な柔軟性を確保しつつ、巻芯71への巻取り作業を容易に行うことを可能とする十分な剛性を確保することができるため、より好ましい。
本実施形態におけるガラスチョップドストランドマットMにおいて、マット幅方向の中央部に位置する中央部側矩形板片Ma3の長さ方向における引張強度Ta3は、上述した日本工業規格(JIS R3420(2013)7.18)に従う試験体の幅及び長さが各々150mm及び300mmの引張破断試験において、140N以上300N以下となるように設定されている。
ここで、前記引張強度Ta3が、140N未満である場合、例えば納入先等において、巻回体Rより引き出されたガラスチョップドストランドマットMを取り回し、所望の形状に成形加工する場合に、自重によってマット幅方向の中央部より亀裂等が発生し易くなり、当該ガラスチョップドストランドマットMの扱いが困難となるおそれがある。
一方、前記引張強度Ta3が、300Nを超える場合、ガラスチョップドストランドマットMの剛性が高くなりすぎ、巻芯71への巻取り作業が困難となり易い。
また、納入先等において、剛性が高くなりすぎ引き出されたガラスチョップドストランドマットMを所定の形状に成形加工する場合に、成形不良を生じる可能性が高まる。
本実施形態においては、中央部側矩形板片Ma3の長さ方向における引張強度Ta3が、140N以上300N以下の適度な範囲に設定されていることから、ガラスチョップドストランドマットMの扱いが困難となることもなく、且つ、巻芯71への巻取り作業が困難となることもない。
また、本実施形態におけるガラスチョップドストランドマットMにおいて、マット幅方向の一端部及び他端部にそれぞれ位置する一端部側矩形板片Ma1及び他端部側矩形板片Ma2の、長さ方向における引張強度の算術平均Tkは、上述した日本工業規格(JIS R3420(2013)7.18)に従う試験体の幅及び長さが各々150mm及び300mmの引張破断試験において、140N以上300N以下となるように設定されている。
ここで、上述した中央部側矩形板片Ma3と同じく、前記算術平均Tkが、140N未満である場合、例えば納入先等において、巻回体Rより引き出されたガラスチョップドストランドマットMを取り回し、所望の形状に成形加工する場合に、自重によってマット幅方向の端部より亀裂等が発生し易くなり、当該ガラスチョップドストランドマットMの扱いが困難となるおそれがある。
一方、上述した中央部側矩形板片Ma3と同じく、前記算術平均Tkが、300Nを超える場合、ガラスチョップドストランドマットMの剛性が高くなりすぎ、巻芯71への巻取り作業が困難となり易い。
また、納入先等において、剛性が高くなりすぎ引き出されたガラスチョップドストランドマットMを所定の形状に成形加工する場合に、成形不良を生じる可能性が高まる。
本実施形態においては、一端部側矩形板片Ma1及び他端部側矩形板片Ma2の、長さ方向における引張強度の算術平均Tkが、140N以上300N以下の適度な範囲に設定されていることから、ガラスチョップドストランドマットMの扱いが困難となることもなく、且つ、巻芯71への巻取り作業が困難となることもない。
[ガラスチョップドストランドマットMの製造装置1の全体構成]
次に、本実施形態によって具現化されるガラスチョップドストランドマットMを製造するための、製造装置1の全体構成について、図2及び図3を用いて説明する。
図2に示すように、製造装置1は、一方向に向かって順に配置される分散堆積工程S01、結着剤散布工程S02、加熱工程S03、冷間圧延工程S04、及び巻取り工程S05等を実行する部位により構成され、複数のガラス繊維からなるガラスチョップドストランドSを一方向に搬送しながら、シート状のガラスチョップドストランドマットMを連続的に製造する装置である。
ここで、分散堆積工程S01は、細かく切断された複数のガラスチョップドストランドSをベルトコンベア等の搬送手段の上に分散し、シート状に堆積する工程である。
また、結着剤散布工程S02は、シート状に堆積されたガラスチョップドストランドSに結着剤Pを散布するする工程である。
また、加熱工程S03は、結着剤が付着したガラスチョップドストランドSを加熱する工程である。
また、冷間圧延工程S04は、加熱後のガラスチョップドストランドSを冷却しながら圧接し、ガラスチョップドストランドマットMを成形する工程である。
さらに、巻取り工程S05は、成形されたガラスチョップドストランドマットMをロール状に巻取る工程である。
製造装置1は、主に切断装置10、第一搬送装置20、結着剤付与装置30、加熱炉40、冷間圧延ロール50、第二搬送装置60、及び巻取り装置70等を備える。
また、これらの切断装置10、結着剤付与装置30、加熱炉40、冷間圧延ロール50、及び巻取り装置70は、搬送方向(図2に示す矢印Aの方向)の上流側から下流側に向かって順に配置されている。
そして、分散堆積工程S01は、主に切断装置10及び第一搬送装置20(具体的には、後述する第一搬送コンベア21)によって実行され、結着剤散布工程S02は、主に結着剤付与装置30及び第一搬送装置20(具体的には、後述する第二搬送コンベア22)によって実行され、加熱工程S03は、主に加熱炉40及び第一搬送装置20(具体的には、後述する第三搬送コンベア23)によって実行され、冷間圧接工程S04は、主に冷間圧延ロール50によって実行され、巻取り工程S05は、主に巻取り装置70によって実行される。
切断装置10は、ガラスケーキCに巻回されたガラス繊維Fを引き出して細かく切断することにより、ガラスチョップドストランドSを生成する装置である。
切断装置10は、例えば、水平方向に延長され、且つ互いに対向して配置される一対のカッターローラ11及びゴムローラ12を備える。
カッターローラ11は、ゴムローラ12と対向する側の側面が、軸心を中心として下方に向かって回転可能に構成されている。
一方、ゴムローラ12は、カッターローラ11と対向する側の側面が、軸心を中心として下方に向かって回転可能に構成されている。
そして、互いに回転状態にあるカッターローラ11とゴムローラ12との間に、ガラスケーキCから引き出されたガラス繊維Fが供給されることにより、当該ガラス繊維Fは、連続的に細かく切断され、ガラスチョップドストランドSが連続生成される。
なお、これらのカッターローラ11及びゴムローラ12は、例えば、一個のガラスケーキCに対して一対設けられており、本実施形態においては、二個のガラスケーキC・Cに対応するべく、二対のカッターローラ11・11及びゴムローラ12・12が設けられている。
ここで、切断装置10によってガラス繊維Fを細かく切断する際、生成されるガラスチョップドストランドSの長さは、10mm以上、100mm以下であることが好ましい。
即ち、ガラスチョップドストランドSの長さが10mm未満である場合、ガラスチョップドストランドマットMを製造するために多くの結着剤が必要となる。
従って、製造されたガラスチョップドストランドマットMは、後述する第一搬送装置20や第二搬送装置60の搬送面との摩擦力が低下して滑り易くなる。
一方、ガラスチョップドストランドSの長さが100mmを超える場合、ガラスチョップドストランドマットMの表面が粗くなる。
従って、第一搬送装置20や第二搬送装置60の搬送面との接触面積が低下することから、上述したガラスチョップドストランドSの長さが10mm未満である場合と同じく、当該搬送面との摩擦力が低下して滑り易くなる。
以上の観点から、ガラスチョップドストランドSの長さは、好ましくは10mm以上、100mm以下、より好ましくは20mm以上、70mm以下、さらに好ましくは30mm以上、60mm以下であることであり、一層好ましくは45mm以上、55mm以下とすることである。
次に、第一搬送装置20について説明する。
第一搬送装置20は、切断装置10によって生成されたガラスチョップドストランドSを、冷間圧延ロール50に向かって水平方向に搬送する装置である。
第一搬送装置20は、例えば、ガラスチョップドストランドSの搬送方向に沿って、上流側から下流側に向かって順に配置される、第一搬送コンベア21、第二搬送コンベア22、及び第三搬送コンベア23等により構成される。
そして後述するように、第一搬送コンベア21及び第二搬送コンベア22の上方には、切断装置10及び結着剤付与装置30が各々配置されるとともに、第三搬送コンベア23の上部には、加熱炉40が配置される。
第一搬送コンベア21は、駆動ローラ及び従動ローラを含む複数のローラ21a・21a・・・、並びにこれらのローラ21a・21a・・・に巻回される無端状の第一搬送ベルト21b等を備え、当該第一搬送ベルト21bは、ガラスチョップドストランドSの長さに比べて小さい開口径を有するメッシュ状の無端ベルトによって構成されている。
そして、第一搬送コンベア21においては、複数のローラ21a・21a・・・の内の駆動ローラがモータによって駆動されることにより、第一搬送ベルト21bが、これら複数のローラ21a・21a・・・を介して回転駆動する構成となっている。
第二搬送コンベア22は、駆動ローラ及び従動ローラを含む複数のローラ22a・22a・・・、並びにこれらのローラ22a・22a・・・に巻回される無端状の第二搬送ベルト22b等を備える。
なお、第二搬送コンベア22のローラ22a及び第二搬送ベルト22bは、上述した第一搬送コンベア21のローラ21a及び第一搬送ベルト21bと同様な構成からなるため、以下の説明においては記載を省略する。
第三搬送コンベア23は、駆動ローラ及び従動ローラを含む複数のローラ23a・23a・・・、並びにこれらのローラ23a・23a・・・に巻回される無端状の第三搬送ベルト23b等を備える。
なお、第三搬送コンベア23のローラ23a及び第三搬送ベルト23bは、上述した第一搬送コンベア21のローラ21a及び第一搬送ベルト21bと同様な構成からなるため、以下の説明においては記載を省略する。
このような構成からなる第一搬送コンベア21、第二搬送コンベア22、及び第三搬送コンベア23を備える第一搬送装置20において、第一搬送コンベア21の上方には、切断装置10が配置されている。
また、当該切断装置10と第一搬送コンベア21との間の空間部を覆うチャンバー13が設けられており、切断装置10によって切断されたガラスチョップドストランドSは、チャンバー13内を通過して第一搬送ベルト21b上に落下するように構成されている。
そして、第一搬送コンベア21上に落下してシート状に分散堆肥されたガラスチョップドストランドSは(分散堆積工程S01)、第一搬送コンベア21、第二搬送コンベア22、及び第三搬送コンベア23と順に乗り移りながら、冷間圧延ロール50に向かって搬送される。
なお、第一搬送コンベア21の第一搬送ベルト21bにおける上面(ガラスチョップドストランドSが載置される面)の裏側には、例えば吸引ダクトやブロア等からなる図示せぬ吸引装置が配置されており、第一搬送ベルト21b上に載置されたチョップドストランドSを吸引しつつ、搬送することができるように構成されている。
本実施形態においては、後述する結着剤付与装置30による結着剤Pの散布量と合わせて、ガラスチョップドストランドSの落下量を、ガラスチョップドストランドSのマット幅方向(本実施形態においては、平面視にて搬送方向(矢印Aの方向)との直交方向)の中央部に比べて、両端部が多くなるように設定されている。
より具体的には、図3に示すように、ガラスチョップドストランドSは、シート状のガラスチョップドストランドマットM(図1を参照)に成形された後、予め定められた切断線Lに沿って切断されて、マット幅方向の両端部が破棄されるところ、本実施形態においては、前記切断線Lを含む一定の領域T1(図3中における、網掛けによって示された領域)に落下するガラスチョップドストランドSの量が、他の領域T2(図3中における、斜線によって示された領域)に落下するガラスチョップドストランドSの量に比べてより多くなるように設定されている。
このような設定とすることにより、本実施形態においては、後述するように、マット幅方向の端部におけるガラスチョップドストランドSが任意に脱落することにより引き起こされる毛羽立ちを、極力防止することとしている。
次に、結着剤付与装置30について説明する。
結着剤付与装置30は、図2に示すように、樹脂粉末である結着剤Pを、第二搬送コンベア22における第二搬送ベルト22bの上面に散布して、当該第二搬送ベルト22b上に載置されたガラスチョップドストランドSに結着剤Pを付着させる装置である。
結着剤付与装置30は、第二搬送コンベア22の上方において、結着剤Pの噴出口を、下方の第二搬送ベルト22bに向けた状態にて配置される。
ここで、結着剤Pの種類としては、熱可塑性樹脂粉末が好適であり、例えば、粉末ポリエステル樹脂(例えば、ニュートラック(商標登録)514、花王株式会社製など)を使用することができる。
また、その他の使用可能な熱可塑性樹脂粉末として、ナイロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂粉末が挙げられる。
そして、第一搬送コンベア21によって搬送されてきたガラスチョップドストランドSは、その後、第二搬送コンベア22に乗り移り、当該第二搬送コンベア22によって第三搬送コンベア23へと搬送される。
この際、結着剤付与装置30の下方を通過することにより、当該結着剤付与装置30によって、ガラスチョップドストランドSに結着剤Pが散布され、当該結着剤Pは、ガラスチョップドストランドSに対して均一に付着する(結着剤散布工程S02)。
なお、第二搬送コンベア22において、結着剤付与装置30の上流側には、水噴霧機(図示せず)が設けられていてもよい。
ガラスチョップドストランドSが予め水で湿潤状態にされていると、水の表面張力の作用によりガラスチョップドストランドSの表面に結着剤Pが付着し易くなるため、ガラスチョップドストランドS同士の接着効果がより高まる。
その結果、結着剤の使用量を減らすことができ、第一搬送装置20や後述する第二搬送装置60の搬送面に対して、製造されたガラスチョップドストランドマットMの表面が滑り易くなるのを、抑制することができる。
ところで、本実施形態においては、上述した切断装置10によるガラスチョップドストランドSの落下量と合わせて、結着剤付与装置30による結着剤Pの散布量を、ガラスチョップドストランドSのマット幅方向の中央部に比べて、両端部が多くなるように設定されている。
より具体的には、図3に示すように、ガラスチョップドストランドSにおいて、上述した切断線Lを含む一定の領域T1に散布される結着剤Pの散布量は、他の領域T2に散布される結着剤Pの散布量に比べてより多くなるように設定されている。
このように、本実施形態においては、上述したガラスチョップドストランドSの落下量と合わせて、ガラスチョップドストランドSのマット幅方向の中央部に比べて、両端部により多くの結着剤Pを予め散布しておく設定となっている。
従って、図2に示すように、例えば、冷間圧接工程S04において一旦シート状に成形されたガラスチョップドストランドマットMを最終工程である巻取り工程S05に向かって搬送する際に、後述する第二搬送装置60の搬送面と擦れて、マット幅方向の端部におけるガラスチョップドストランドSが多少脱落したとしても、当該マット幅方向の端部におけるガラスチョップドストランドSの密度が、マット幅方向の中央部におけるガラスチョップドストランドSの密度と比べて、極端に低くなるのを抑制することができる。
その結果、最終製品として得られるガラスチョップドストランドマットMは、マット幅方向の中央部と両端部との間で、長さ方向(本実施形態においては、平面視にてマット幅方向との直交方向)の引張強度の比が所定の範囲内に収まった、安定した製品特性を有するようになっている。
なお、本実施形態においては、上述したように、ガラスチョップドストランドSのマット幅方向の中央部に比べて、両端部により多くの結着剤Pを予め散布しておくことにより、最終製品として得られるガラスチョップドストランドマットMに含まれるガラスチョップドストランドSの密度を、マット幅方向に渡って略均一にすることとしているが、これに限定されることはない。
例えば、結着剤付与装置30の上流側に水噴霧機(図示せず)が設けられる場合、結着剤付与装置30による結着剤Pの散布量は、マット幅方向に渡って略均一に設定する一方、前記水噴霧機による水の噴霧量を、マット幅方向の中央部に比べて、両端部が多くなるように設定することによっても、最終製品として得られるガラスチョップドストランドマットMに含まれるガラスチョップドストランドSの密度を、マット幅方向に渡って略均一にすることが可能である。
即ち、ガラスチョップドストランドSのマット幅方向の中央部に比べて、両端部により多くの水を予め噴霧しておくことで、当該両端部では、上方より散布された結着剤Pが、ガラスチョップドストランドSの上面から下面に向かって十分に染み渡ることから、マット幅方向の両端部における結着剤Pの結着力の急激な低下が抑制される。
その結果、上述のような、ガラスチョップドストランドSのマット幅方向の中央部に比べて、両端部により多くの結着剤Pを予め散布しておく場合と同じく、例えば、冷間圧接工程S04において一旦シート状に成形されたガラスチョップドストランドマットMを最終工程である巻取り工程S05に向かって搬送する際に、後述する第二搬送装置60の搬送面と擦れて、マット幅方向の端部におけるガラスチョップドストランドSが任意に脱落することにより引き起こされる毛羽立ちを、極力防止することができる。
従って、最終製品として得られるガラスチョップドストランドマットMに含まれるガラスチョップドストランドSの密度は、マット幅方向に渡って略均一となる。
また、その他の方法として、例えば、結着剤付与装置30による結着剤Pの散布量は、マット幅方向に渡って略均一に設定する一方、後述する、冷間圧延ロール50を構成する一対のロール51・51間において、マット幅方向の中央部に相当する領域の隙間に比べて、両端部に相当する領域の隙間が小さくなるように設定することによっても、最終製品として得られるガラスチョップドストランドマットMに含まれるガラスチョップドストランドSの密度を、マット幅方向に渡って略均一にすることが可能である。
即ち、例えば、冷間圧延ロール50における何れか一方のロール51において、軸方向両端部の外周面にテープ等を巻き付けて、当該両端部における外径寸法を増加させることにより、一対のロール51・51間の隙間は、マット幅方向の中央部に相当する領域に比べて、両端部に相当する領域が小さくなる。
これにより、冷間圧延ロール50の圧接力は、マット幅方向の中央部に相当する領域に比べて、両端部に相当する領域がより大きくなることから、マット幅方向の両端部における結着剤Pの結着力の急激な低下が抑制される。
その結果、上述のような、ガラスチョップドストランドSのマット幅方向の中央部に比べて、両端部により多くの結着剤Pを予め散布しておく場合と同じく、例えば、冷間圧接工程S04において一旦シート状に成形されたガラスチョップドストランドマットMを最終工程である巻取り工程S05に向かって搬送する際に、後述する第二搬送装置60の搬送面と擦れて、マット幅方向の端部におけるガラスチョップドストランドSが任意に脱落することにより引き起こされる毛羽立ちを、極力防止することができる。
従って、最終製品として得られるガラスチョップドストランドマットMに含まれるガラスチョップドストランドSの密度は、マット幅方向に渡って略均一となる。
次に、加熱炉40について説明する。
加熱炉40は、結着剤Pが付着したガラスチョップドストランドSを加熱して、当該結着剤Pを溶融するためのものである。
加熱炉40は、第三搬送コンベア23の搬送方向の中途部において、第三搬送ベルト23bの上部の一部を囲い込むようにして配置される。
そして、第二搬送コンベア22によって搬送されてきたガラスチョップドストランドSは、その後、第三搬送コンベア23に乗り移り、当該第三搬送コンベア23によって冷間圧延ロール50へと搬送される。
この際、加熱炉40内を通過することにより、当該加熱炉40内の雰囲気温度によって、ガラスチョップドストランドSに付着した結着剤Pが溶融される(加熱工程S03)。
なお、加熱炉40内の雰囲気温度は、結着剤Pを構成する合成樹脂の融点以上の温度となるように、予め適宜調整されている。
次に、冷間圧延ロール50について説明する。
冷間圧延ロール50は、結着剤Pが付着したガラスチョップドストランドSを圧接しながら引き延ばし、シート状のガラスチョップドストランドマットMを形成するためのものである。
冷間圧延ロール50は、水平方向、且つ搬送方向との直交方向に延長されるとともに、ガラスチョップドストランドSの厚み方向(本実施形態においては、上下方向)に対向して配置される一対のロール51・51によって構成され、第三搬送コンベア23の下流側に配置される。
そして、第三搬送コンベア23によって搬送され、加熱炉40で溶融された結着剤Pが付着したガラスチョップドストランドSは、その後、冷間圧延ロール50に導かれ、一対のロール51・51間を通過する。
これにより、ガラスチョップドストランドSは、一対のロール51・51によって冷却しながら圧接され、細かく切断されたガラスチョップドストランドS同士が結着されて、ガラスチョップドストランドSと結着剤Pからなるシート状のガラスチョップドストランドマットMに成形される(冷間圧接工程S04)。
次に、第二搬送装置60について説明する。
第二搬送装置60は、冷間圧延ロール50を通過して成形されたガラスチョップドストランドマットMを、巻取り装置70に向かって搬送するための装置であって、巻取り装置70によって巻取られたガラスチョップドストランドマットMの長さが所定長さに到達すると、当該ガラスチョップドストランドマットMを、マット幅方向に裁断する機能を有する。
第二搬送装置60は、搬送方向の中途部に設けられる裁断機構61、裁断機構61の上流側に位置する上流側搬送コンベア62、及び裁断機構61の下流側に位置する下流側搬送コンベア63などを備える。
裁断機構61は、例えば、水平方向、且つマット幅方向に対して斜方向に移動可能な裁断刃61aを有し、巻取り装置70に向かって連続的に搬送されるガラスチョップドストランドマットMの長さが、所定長さに到達すると、前記裁断刃61aが移動して、ガラスチョップドストランドマットMを搬送方向に対して直交方向に裁断するように構成されている。
上流側搬送コンベア62は、駆動ローラ及び従動ローラを含む複数のローラ62a・62a・・・、並びにこれらのローラ62a・62a・・・に巻回される無端状の上流側搬送ベルト62b等を備える。
そして、上流側搬送コンベア62においては、複数のローラ62a・62a・・・の内の駆動ローラがモータによって駆動されることにより、上流側搬送ベルト62bが、これら複数のローラ62a・62a・・・を介して回転駆動する構成となっている。
下流側搬送コンベア63は、駆動ローラ及び従動ローラを含む複数のローラ63a・63a・・・、並びにこれらのローラ63a・63a・・・に巻回される無端状の下流側搬送ベルト63b等を備える。
そして、下流側搬送コンベア63においては、複数のローラ63a・63a・・・の内の駆動ローラがモータによって駆動されることにより、下流側搬送ベルト63bが、これら複数のローラ63a・63a・・・を介して回転駆動する構成となっている。
以上のような構成からなる第二搬送装置60によって、冷間圧延ロール50から繰り出されたガラスチョップドストランドマットMは、一旦水平方向に搬送され、その後、斜め下方に傾斜した案内部材2に沿って案内され、当該第二搬送装置60に対して搬送方向の下流側に配置される巻取り装置70へと搬送される。
次に、巻取り装置70について説明する。
巻取り装置70は、成形されたシート状のガラスチョップドストランドマットMをロール状に巻取り、巻回体Rを形成する装置である。
巻取り装置70には巻芯71が取付けられており、当該巻芯71の外周面にガラスチョップドストランドマットMの搬送方向下流側の端部を接着させて、巻芯71を回転させることで、巻回体Rが形成される(巻取り工程S05)。
なお、巻芯71に巻取られるガラスチョップドストランドマットMの長さについては、予め設定されており、当該ガラスチョップドストランドマットMの長さが、所定長さに到達すると、ガラスチョップドストランドマットMは、上述したように第二搬送装置60において一旦裁断される。
そして、形成された巻回体Rは、巻取り装置70から取り出される一方、巻取り装置70には、新たな巻芯71が取付けられ、再び、第二搬送装置60によって搬送されてきたガラスチョップドストランドマットMが、新たな巻芯71に巻取られ、巻回体Rが形成される。
以上のように、本実施形態においては、切断装置10及び第一搬送コンベア21によって構成される分散堆積工程S01、結着剤付与装置30及び第二搬送コンベア22によって構成される結着剤散布工程S02、加熱炉40及び第三搬送コンベア23によって構成される加熱工程S03、冷間圧延ロール50によって構成される冷間圧接工程S04、及び巻取り装置70によって構成される巻取り工程S05が、搬送方向に沿って順に配置されており、第一搬送装置20及び第二搬送装置60によって、切断装置10により生成されたガラスチョップドストランドSが、これらの分散堆積工程S01、結着剤散布工程S02、加熱工程S03、冷間圧接工程S04、及び巻取り工程S05を順に通過していくことにより、ガラスチョップドストランドマットMは製造される。
[検証実験]
次に、本発明に係るガラスチョップドストランドマットにおいて、その有効性を確認するために行った検証実験について説明する。
先ず始めに、本発明の実施形態のサンプルとして、実施例1〜5のガラスチョップドストランドマットを、前述した製造装置1によって作製し、これらのガラスチョップドストランドマットに対して、マット幅方向の中央部及び端部における長さ方向の引張強度を各々測定した。
ここで、実施例1については、目付が135g/mである、マット幅寸法1650mmのガラスチョップドストランドマットを作製することとした。
また、実施例2、3については、目付が80g/mであり、実施例1と同等のマット幅寸法からなるガラスチョップドストランドマットを作製することとした。
さらに、実施例4、5については、目付が100g/mであり、実施例1と同等のマット幅寸法からなるガラスチョップドストランドマットを作製することとした。
そして、実施例1における引張強度の測定については、(マット幅方向の寸法150mm)×(長さ方向の寸法300mm)からなる11枚の矩形板片を、マット幅方向の一端部から他端部に向かって順に、作製されたガラスチョップドストランドマットより切り出し、1番目に切り出された一端部に位置する矩形板片(以下、一端部側矩形板片と記載する)と、6番目に切り出された中央部に位置する矩形板片(以下、中央部側矩形板片と記載する)と、11番目に切り出された他端部に位置する矩形板片(以下、他端部側矩形板片と記載する)とを選別したうえで、これらの端部側矩形板片及び中央部側矩形板片に対して、日本工業規格(JIS R3420(2013) 7.18)に従い、各々測定することとした。
また、一端部側矩形板片の引張強度と、他端部側矩形板片の引張強度との算術平均を算出した。
その結果、実施例1のガラスチョップドストランドマットにおいて、マット幅方向の中央部における引張強度を示す、中央部側矩形板片についての引張強度の測定値は、232Nであり、マット幅方向の両端部における引張強度を示す、一端部側矩形板片及び他端部側矩形板片についての引張強度の測定値の算術平均は、179Nであった。
また、実施例2における引張強度の測定についても、上述の実施例1と同様の方法によって測定することとした。
その結果、実施例2のガラスチョップドストランドマットにおいて、マット幅方向の中央部における引張強度を示す、中央部側矩形板片についての引張強度の測定値は、190Nであり、マット幅方向の両端部における引張強度を示す、一端部側矩形板片及び他端部側矩形板片についての引張強度の測定値の算術平均は、195Nであった。
また、実施例3における引張強度の測定についても、上述の実施例1と同様の方法によって測定することとした。
その結果、実施例3のガラスチョップドストランドマットにおいて、マット幅方向の中央部における引張強度を示す、中央部側矩形板片についての引張強度の測定値は、221Nであり、マット幅方向の両端部における引張強度を示す、一端部側矩形板片及び他端部側矩形板片についての引張強度の測定値の算術平均は、234Nであった。
また、実施例4における引張強度の測定についても、上述の実施例1と同様の方法によって測定することとした。
その結果、実施例5のガラスチョップドストランドマットにおいて、マット幅方向の中央部における引張強度を示す、中央部側矩形板片についての引張強度の測定値は、190Nであり、マット幅方向の両端部における引張強度を示す、一端部側矩形板片及び他端部側矩形板片についての引張強度の測定値の算術平均は、202Nであった。
さらに、実施例5における引張強度の測定についても、上述の実施例1と同様の方法によって測定することとした。
その結果、実施例5のガラスチョップドストランドマットにおいて、マット幅方向の中央部における引張強度を示す、中央部側矩形板片についての引張強度の測定値は、183Nであり、マット幅方向の両端部における引張強度を示す、一端部側矩形板片及び他端部側矩形板片についての引張強度の測定値の算術平均は、139Nであった。
次に、これらの実施例1〜5の比較対象として、比較例1〜3のガラスチョップドストランドマットを作製し、これらのガラスチョップドストランドマットに対して、マット幅方向の中央部及び一端部における長さ方向の引張強度を各々測定した。
ここで、比較例1については、目付が135g/mであり、上述の実施例1と同等のマット幅寸法からなるガラスチョップドストランドマットを作製することとした。
また、比較例2については、目付が100g/mであり、上述の実施例1と同等のマット幅寸法からなるガラスチョップドストランドマットを作製することとした。
さらに、比較例3については、目付が80g/mであり、上述の実施例1と同等のマット幅寸法からなるガラスチョップドストランドマットを作製することとした。
そして、比較例1における引張強度の測定については、上述の実施例1と同様の方法によって測定することとした。
その結果、比較例1のガラスチョップドストランドマットにおいて、マット幅方向の中央部における引張強度を示す、中央部側矩形板片についての引張強度の測定値は、234Nであり、マット幅方向の両端部における引張強度を示す、一端部側矩形板片及び他端部側矩形板片についての引張強度の測定値の算術平均は、148Nであった。
また、比較例2における引張強度の測定についても、上述の実施例1と同様の方法によって測定することとした。
その結果、比較例2のガラスチョップドストランドマットにおいて、マット幅方向の中央部における引張強度を示す、中央部側矩形板片についての引張強度の測定値は、138Nであり、マット幅方向の両端部における引張強度を示す、一端部側矩形板片及び他端部側矩形板片についての引張強度の測定値の算術平均は、83Nであった。
さらに、比較例3における引張強度の測定についても、上述の実施例1と同様の方法によって測定することとした。
その結果、比較例3のガラスチョップドストランドマットにおいて、マット幅方向の中央部における引張強度を示す、中央部側矩形板片についての引張強度の測定値は、192Nであり、マット幅方向の両端部における引張強度を示す、一端部側矩形板片及び他端部側矩形板片についての引張強度の測定値の算術平均は、247Nであった。
なお、実施例1〜5、及び比較例1〜3について、マット幅方向の引張強度を調整するため、結着剤Pたる粉末ポリエステル樹脂のマット幅方向における散布量を調整した。
以上のようにして、マット幅方向の両端部及び中央部における長さ方向の引張強度が各々測定された、実施例1〜5、及び比較例1〜3について、製品特性の評価を行った。
ここで、「製品特性の評価」については、「マット幅方向の端部における毛羽の量が多いほど、ロール状に巻取られたガラスチョップドストランドマットを引き出す際に、マット幅方向の端部に亀裂等が発生する。」という観点に基づき、各ガラスチョップドストランドマットにおけるマット幅方向の端部に発生する毛羽の量を、目視によって確認することにより行うこととした。また、「加工時の取り扱い性が悪いほど、ガラスチョップドストランドをロールから引き出した時にしわが発生する」という観点に基づき、各ガラチョップドストランドマットをロールから10m引き出した際に、マットの中央部に発生するしわの有無を、目視によって確認することにより行うこととした。
こうして得られた、実施例1〜5、及び比較例1〜3についての評価結果を、[表1]に示す。
なお、評価結果を表す「毛羽の量」については、ガラスチョップドストランドマットのマット幅方向の端部において、ほとんど毛羽の発生が見られない場合には「極小」と表記し、許容範囲内の少量の毛羽の発生が見られる場合には「少」と表記し、許容範囲を超える毛羽の発生が見られる場合には「多」と表記している。また、評価結果を示す「しわの有無」については、ガラスチョップドストランドマットのマット幅方向の中央部において、しわの発生が見られない場合には「無」と表記し、しわの発生が見られた場合には「有」と表記している。
Figure 2020122239

[表1]に示すように、実施例1〜4における毛羽の量は何れも「極小」であり、各ガラスチョップドストランドマットのマット幅方向の端部における毛羽の発生は、ほとんど見られなかった。
また、しわは何れも「無」であった。
なお、これらの実施例1〜4におけるガラスチョップドストランドマットにおいて、マット幅方向の中央部における長さ方向の引張強度、及びマット幅方向の両端部における長さ方向の引張強度の算術平均は、何れも140N以上300N以下の範囲内である。
また、これらの実施例1〜4におけるガラスチョップドストランドマットにおいて、マット幅方向の両端部における長さ方向の引張強度の引張強度の算術平均Tkと、中央部における長さ方向の引張強度Ta3との比(Tk/Ta3)は、それぞれ0.77、1.03、1.06、及び1.06となり、何れも0.75以上1.20以下の範囲内である。
また、実施例5における毛羽の量は「小」であり、ガラスチョップドストランドマットのマット幅方向の端部には、多少の毛羽の発生が見られたが、その量は許容範囲内に収まる程度であった。
なお、しわは何れも「無」であった。
なお、実施例5におけるガラスチョップドストランドマットにおいては、マット幅方向の中央部における長さ方向の引張強度は、140N以上300N以下の範囲内であるが、マット幅方向の両端部における長さ方向の引張強度の算術平均は、140N以上300N以下の範囲外である。
また、実施例5におけるガラスチョップドストランドマットにおいて、マット幅方向の両端部における長さ方向の引張強度の算術平均Tkと、中央部における長さ方向の引張強度Ta3との比(Tk/Ta3)は、0.76となり、0.75以上1.20以下の範囲内である。
一方、比較例1〜3における毛羽の量は何れも「多」であり、各ガラスチョップドストランドマットのマット幅方向の端部には、許容範囲を超える量の毛羽の発生が見られた。
なお、比較例1、2は、しわは何れも「無」であったが、比較例3は、しわはいずれも「有」であった。
比較例1〜3におけるガラスチョップドストランドマットにおいて、マット幅方向の両端部における長さ方向の引張強度の算術平均Tkと、中央部における長さ方向の引張強度Ta3との比(Tk/Ta3)は、それぞれ、0.63、0.60、1.29となり、0.75以上1.20以下の範囲外である。
以上の検証実験の結果により、マット幅方向の両端部における長さ方向の引張強度の算術平均Tkと、中央部における長さ方向の引張強度Ta3との比(Tk/Ta3)が、0.75以上1.20以下の範囲内である、ガラスチョップドストランドマットについては、マット幅方向の端部に発生する毛羽が少なく、マット幅方向に渡って長さ方向の引張強度が略均一であり、安定した製品特性を有することが確認できた。
また、実施例1〜4の評価結果と、実施例5との評価結果とを比較することにより、マット幅方向の中央部、及びマット幅方向の両端部における長さ方向の引張強度の算術平均が、何れも140N以上300N以下の範囲内であるガラスチョップドストランドマットについては、マット幅方向の端部に発生する毛羽がほとんど見られず、より安定した製品特性を有することが確認できた。
1 製造装置
2 案内部材
10 切断装置
11 カッターローラ
12 ゴムローラ
13 チャンバー
20 第一搬送装置
21 第一搬送コンベア
21a ローラ
21b 第一搬送ベルト
22 第二搬送コンベア
22a ローラ
22b 第二搬送ベルト
23 第三搬送コンベア
23a ローラ
23b 第三搬送ベルト
30 結着剤付与装置
40 加熱炉
50 冷間圧延ロール
51 ロール
60 第二搬送装置
61 裁断機構
61a 裁断刃
62 上流側搬送コンベア
62a ローラ
62b 上流側搬送ベルト
63 下流側搬送コンベア
63a ローラ
63b 下流側搬送ベルト
70 巻取り装置
71 巻芯
C ガラスケーキ
CL 中心線
F ガラス繊維
L 切断線
M ガラスチョップドストランドマット
Ma 矩形板片
Ma1 一端部側矩形板片
Ma2 他端部側矩形板片
Ma3 中央部側矩形板片
P 結着剤
R 巻回体
S ガラスチョップドストランド
S01 分散堆積工程
S02 結着剤散布工程
S03 加熱工程
S04 冷間圧延工程
S05 巻取り工程
T1 領域
T2 領域

Claims (3)

  1. ガラスチョップドストランドをシート状に成形してなるガラスチョップドストランドマットであって、
    マット幅方向の中央部、一端部及び他端部において、それぞれ、
    (前記マット幅方向の寸法150mm)×(前記マット幅方向と直交する長さ方向の寸法300mm)
    の外形寸法からなる矩形状に切り出された3枚の矩形板片において、
    前記マット幅方向の一端部に位置する前記矩形板片の、前記長さ方向における引張強度Ta1と、前記マット幅方向の他端部に位置する前記矩形板片の、前記長さ方向における引張強度Ta2との算術平均をTk(=(Ta1+Ta2)/2)とした場合、
    Tkと、前記マット幅方向の中央部に位置する前記矩形板片の、前記長さ方向における引張強度Ta3の比(Tk/Ta3)は、0.75以上1.20以下である、
    ことを特徴とするガラスチョップドストランドマット。
  2. 前記マット幅方向の中央部に位置する前記矩形板片の、前記長さ方向における引張強度T3は、
    日本工業規格(JIS R3420(2013)7.18)に従う試験体の幅及び長さが各々150mm及び300mmの引張破断試験において、140N以上300N以下である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のガラスチョップドストランドマット。
  3. 前記マット幅方向の一端部及び他端部にそれぞれ位置する前記矩形板片の、前記長さ方向における引張強度の算術平均Tkは、
    日本工業規格(JIS R3420(2013)7.18)に従う試験体の幅及び長さが各々150mm及び300mmの引張破断試験において、140N以上300N以下である、
    ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のガラスチョップドストランドマット。
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