JP2008063677A - ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及びそれを用いた自動車成形天井材 - Google Patents

ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及びそれを用いた自動車成形天井材 Download PDF

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Abstract

【課題】自動車成形天井材に必要な剛性を確保し、従来よりさらに軽量化が可能なガラスチョップドストランドマットと、その製造方法及びそのマットを使用する自動車成形天井材を提供する。
【解決手段】本発明のガラスチョップドストランドマット19は、ストランド番手が50tex以上のガラスチョップドストランドが2から40質量%の割合で混合されていること、さらに好ましくは、ストランド番手50tex以上のガラスチョップドストランドを除く、ガラスチョップドストランドの平均番手が10から25texの範囲内であることを特徴とする。また本発明のガラスチョップドストランドマット19の製造方法は、上記のストランド番手のガラス繊維からなることを特徴とする。また本発明の自動車成形天井材は、ガラスチョップドストランドマット19が、発泡樹脂シートの表皮側に接着されてなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス繊維強化プラスチック(以下、GFRPという)の補強材や自動車成形天井材等の発泡ポリウレタンシートの補強材として使用されるガラスチョップドストランドマット、その製造方法及びそれを用いた自動車成形天井材に関する。
ガラスチョップドストランドマットは、各種の調整された集束剤を多数本のガラスフィラメントの表面に0.1から2質量%程度の付着量となるように塗布して集束することによってガラス長繊維のガラスストランドとし、これを所定長となるように切断装置で切断し、得られたガラスチョップドストランドの多数本を、均等無秩序にシート状に堆積した後、その上から結合剤として粉末ポリエステル樹脂を適量散布し、次いでこの粉末ポリエステル樹脂を加熱溶融した後にプレス成形して冷却固化するか、あるいはシート状堆積物に乳化した樹脂のエマルジョンを塗布し、その後に乾燥することによって製造されている。
このガラスチョップドストランドマットの製造について具体的に説明すると、例えば単繊維直径が11μm、平均ストランド番手が35tex(あるいはテックスとも記述し、テックスは長さ1000m当たりのグラム単位での重量)のガラスストランドをその寸法が約50mmの長さになるようにカッターで切断する。次いで目付が300〜900g/m2となるように均等無秩序に堆積し、粉末ポリエステル樹脂付着量が1〜6質量%となるように散布して加熱溶融後に冷却固化するか、あるいは樹脂乳化エマルジョン付着量が1〜6質量%となるように塗布した後、乾燥して各ガラスストランド同士を接着する方法が採用される。
このように製造されたガラスチョップドストランドマットは、例えば浴槽、浄化槽等のGFRP成形品の補強材等として種々の用途で用いられ、主にハンドレイアップ法と一般に呼ばれる不飽和ポリエステル樹脂を含浸して成形する方法に多用されてきた。そして近年これまで段ボールやフェルト等で成形されていた自動車成形天井材の代替としても、発泡ポリウレタンシートの両表面にガラスチョップドストランドマットを接着することによって、その剛性や寸法安定性を向上させたものが開発されている。
ガラスチョップドストランドマットを自動車成形天井材として利用する場合、その性能として剛性、寸法安定性、断熱性、あるいは遮音性等の特性に加えて、自動車全体の重量を軽減することを目的とし、使用される材料は単位面積当たりの重量を小さくすることが要求される。またガラスチョップドストランドマットを発泡ポリウレタンシートなどの発泡樹脂シートと接着する場合に、フェノール、メラミン、あるいはイソシアネート樹脂等の接着剤を使用することとなるが、この種の接着剤はガラスチョップドストランドマットの裏面まで浸透しないと、接着後に、マットと発泡樹脂シートや表皮との間で剥離が生じるという問題があるため、必ずマット裏面にまで接着剤を充分に浸透させる必要がある。
自動車成形天井材の重量を軽減し、かつ接着剤のマットへの浸透性を向上させるためには、ガラスチョップドストランドマットの目付を小さくすればよいが、目付が小さくなるほど、成形天井材の剛性が低下する。このため、成形天井材の剛性を確保するためには、発泡ウレタンシートなどの発泡樹脂シートの発泡率を低下させるか、その肉厚を大きくする必要がある。その結果、発泡樹脂シートの発泡率を低下させると成形天井材の吸音性が低下し、肉厚を大きくすると材料コストの上昇を招くという問題がある。
また一般の軽量ガラス繊維補強材としては、直径が15μmから24μm程度のガラスフィラメント(単繊維)を50本から100本程度束ね、連続繊維状態で堆積させたガラスコンティニアスストランドマットや、直径が6μmから13μmのガラスフィラメントを数十本から数百本程度束ね、長さ3mmから25mmに切断したガラスチョップドストランドを白水中でモノフィラメントに分散して、抄紙したガラスペーパーが知られている。しかしガラスコンティニアスストランドマットは、ガラスの原材料あたりの製造効率が低く、そのため高価であるという問題があり、またガラスペーパーは、ガラス繊維がモノフィラメント状態であるため、補強効果が小さく、自動車成形天井材としては剛性が不足するという問題がある。
このためチョップドストランドマットの強度を向上しようという試みは、これまでにも種々行われてきており、例えば、特許文献1では、ガラスチョップドストランドの形態を規定することによって、搬送コンベヤからの崩落を防ぐだけの強度を実現できるとする発明が行われている。さらに特許文献2では、強熱減量値を大きくすることによって引張強度を150kgf以上に大きくできるという発明が開示されている。また上記以外にも本発明者はガラス目や痘痕等と呼ばれる成形天井材の欠点を減少させるため、目付や強度との因果関係についての研究を行っている。
特開平6−93546号公報 特開2003−175777号公報
しかしながら、これまでに公開された発明だけでは安定した品位と性能を有するガラスチョップドストランドマットを提供するには充分ではない。例えば発泡ポリウレタンシートの両表面にチョップドストランドマットが接着された構造を有する自動車用天井材では、少なくともその一方の表面に目付が50g/m2から250g/m2の範囲のチョップドストランドマットが使用されるようになっている。このガラスチョップドストランドは、単繊維直径が10μmから14μmのもので、ストランド平均番手が18texから30texのガラスストランドを約50mmの長さに切断し、目付が50g/m2から250g/m2の範囲となるように均等無秩序に堆積し、粉末ポリエステル樹脂を、付着量8質量%から14質量%の範囲となるように散布し、次いで加熱溶融して冷却固化するか、あるいは樹脂を乳化したエマルジョンを、付着量が6質量%から10質量%の範囲となるよう塗布して乾燥し、各ガラスチョップドストランド同士を互いに接着して得られる。
このようなガラスチョップドストランドマットでは、マットの目付けを50g/m2から150g/m2(特に100g/m2以下)にした場合、成形天井材のデザインによっては剛性が不足し、目付けの厚いマットを使用せざるを得なくなるので、成形天井材の軽量化が十分に行えないという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、自動車成形天井材となった後の必要な剛性を確保した上で、マットの目付けを小さくすることができるガラスチョップドストランドマットと、その製造方法及びそのマットを使用する自動車成形天井材を提供することを課題とする。
本発明のガラスチョップドストランドマットは、シート状に堆積したガラスチョップドストランドを結合剤により互いに結合したガラスチョップドストランドマットであって、前記ガラスチョップドストランドは、ストランド番手が50tex以上のガラスチョップドストランドが2から40質量%の割合で混合されていることを特徴とする。
本発明者は、ガラスチョップドストランドマットについての各種研究の中で一般的に使用されている目付けが50g/m2から150g/m2で平均ストランド番手が18から30texのガラスチョップドストランドマットでは、成形天井材を軽量化するうえで問題点があることを見いだした。すなわち、自動車成形天井材のデザインによっては目付けを小さくすればする程、成形天井材の剛性を確保するために発泡ウレタンシートの発泡率を低下させたり、肉厚を大きくする必要があるため、吸音性が低下したり、材料コストの上昇を招く問題点がある。
そこで本発明者は、前記したガラスチョップドストランドマットの性能上の問題点を解決するためには、ストランド番手が50tex以上のガラスチョップドストランドが2から40質量%の割合で混合させることで最も好ましい性能を実現できることを見いだし、ここに提示するものである。
本発明で、結合剤に、ストランド番手が50tex以上のガラスチョップドストランドが2から40質量%の割合で混合されているとは、ガラスチョップドストランドマットを構成するガラスチョップドストランドが、50tex以上のガラスチョップドストランドを2から40質量%含んでいるものであることを表している。
50tex以上のガラスチョップドストランドの含有量が2質量%に満たないと50tex以上のチョップドストランドの混合効果、すなわち目付けが小さいガラスチョップドストランドマットを使用しても成形天井材に必要な剛性を付与する効果が乏しいものとなるため好ましくない。また、50tex以上のガラスチョップドストランドの含有量が40質量%を超えると、ガラスチョップドストランドが均一に分散したガラスチョップドストランドマットが得られず、目付けの薄い部分でガラスチョップドストランドマットがちぎれることがあるため好ましくない。
また、本発明のチョップドストランドマットはストランド番手50tex以上のストランドを除く、ガラスチョップドストランドの平均番手が10から25texの範囲内であると生産時及びマットの利用時に問題が発生することがない。すなわち平均ストランド番手が10texより小さいガラスストランドを製造するためには、ストランド1本当たりのガラスフィラメントの集束本数を少なくする必要があり、このようなガラスストランドを製造する場合には、紡糸時に使用するブッシングのホール数を少なくするか、より多くのストランドに分糸することになる。ブッシングのホール数を少なくすると、1ブッシング当たりのガラス繊維の生産量が低下し、材料コストの上昇につながる。また、分糸数を増加すると紡糸時にストランドが切断しやすくなり、これも材料コストの上昇につながることになる。またストランド番手が小さくなるとストランドが軟らかくなり、自動車成形天井材に必要な剛性が得られなくなるという問題も生じる。一方、平均ストランド番手が25texより大きくなると、単位面積当りのストランドの本数が少なくなるため、ガラスチョップドストランドマットとウレタン、あるいはガラスチョップドストランドマットと表皮の接着面積が小さくなるため、十分な剥離強度が得られなくなるため好ましくない。
また本発明のガラスチョップドストランドマットは、上述に加え結合剤の付着量が8質量%から25質量%の範囲であり、目付が50g/m2から150g/m2の範囲(好ましくは60g/m2から100g/m2)にあるならば、ガラス繊維の紡糸からガラスチョップドストランドマットにした後の使用時までのそれぞれの工程で、優れた品位を実現することができるものである。
本発明で結合剤の付着量が8質量%から25質量%の範囲であり、目付が50g/m2から150g/m2の範囲にあるとは、ガラスチョップドストランドマットの結合剤の付着量が、JIS R3420(1999)記載の強熱減量の測定方法によって計測したガラスチョップドストランドマットの強熱減量値からガラスチョップドストランドマットの製造に使用したガラスケーキの強熱減量値を差し引くことによって8質量%から25質量%の範囲内となり、単位面積当たりのガラスチョップドストランドの質量に相当する目付が50g/m2から150g/m2の範囲にあることを表している。
結合剤の付着量が8質量%から25質量%の範囲である点については、結合剤の付着量が8質量%未満では、ガラスチョップドストランドに十分な量の結合剤が付着していないため十分な引張強さが得られず、ガラスチョップドストランドマットにフェノール、メラミン、あるいはイソシアネート樹脂等の接着剤を塗布するため、マットロールからマットを引き出す際や天井材を成形するために表皮(自動車の室内側)、ガラスチョップドストランドマット、発泡樹脂シート、ガラスチョップドストランドマット及び保護シート(自動車の天井側)の順に重ねるため、接着剤が塗布されたチョップドストランドマットにより形成されたマットロールからマットを順次引き出す際にチョップドストランドマットの目付けムラにより目付けが薄い部分からマットが断裂する、すなわち、ちぎれるといった問題が生じる場合があるため好ましくない。一方、結合剤の付着量が25質量%を越える値になると、チョップドストランドマットの目付けムラで目付けが厚くなった部分が硬くなり、硬くなった部分が、シェードなどの深絞りを要するコーナー部の施工に使用される場合には、プレス時にチョップドストランドマットが十分に伸びず、ひけと呼ばれる表皮
上のしわが生じ、外観上の欠陥となるので好ましくない。
また、ガラスチョップドストランドマットの目付が50g/m2から150g/m2の範囲にあるならば、ガラスチョップドストランドの分布を均等な状態に維持しつつ、しかも自動車成形天井材のような軽量化を課題とする用途にも適用できるマットとすることができる。目付は単位面積当たりのガラスチョップドストランドの質量を表すものであるが、目付が50g/m2より小さいとガラスチョップドストランドマットのストランド分布が不均一な状態となってマットの引張強度が低下し、マットを巻き芯に巻き取った後、その外層から引っ張ってほどき出す操作を行う時にその途中でマットが破断する虞が多くなり、それを避けようとするとマットを解除する作業性が大幅に低下するという問題が生じる。一方で目付が150g/m2より大きいと、自動車成形天井材の重量を軽減し、接着剤の浸透性を向上させるという目的の達成が危ぶまれることになる。
本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法は、ガラスチョップドストランドをシート状に堆積してシート状堆積物を形成し、該シート状堆積物に結合剤を散布し、その後結合剤を固化して該シート状堆積物のガラスチョップドストランドを互いに結合するガラスチョップドストランドマットの製造方法であって、上記のストランド番手のガラス繊維からなるガラスチョップドストランドで構成されていることを特徴とする。
本発明で、上記のガラスチョップドストランドマットを製造するとは、所定材質となるように調整した溶融ガラスをブッシングから引き出して紡糸し、得られた所定の直径を有するガラスストランドを所定長に切断してガラスチョップドストランドとした後、上述した結合剤を使用してガラスチョップドストランドを互いに結合させてガラスチョップドストランドマットとすることを意味している。
本発明に係るガラスチョップドストランドを互いに結合させるための結合剤に含有させる樹脂としては、十分な接着強度が得られるものであれば、どのような樹脂でも、どのような形態のものであってもよく、どのような散布方法を採用するものであってもよい。すなわち、その樹脂としてはポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル樹脂等が使用でき、その形態としては、粉末に限定されず、顆粒状、繊維状、シート状あるいはフィルム状等の種々の形態が可能である。また結合材の散布状態を調整する具体的な方法としては、マットの上方より所定量の結合剤を供給ノズル等から流量を調整して供給するものが一般的である。いずれにせよ任意の散布方法を採用することによって、最終的な含有量のばらつきを解消することができるものであればよい。
本発明の自動車成形天井材は、上記のように結合剤を付着したガラスチョップドストラ
ンドマットが、発泡樹脂シートの表皮側に接着されてなることを特徴とする。
ここで、上記のガラスチョップドストランドマットが、発泡樹脂シートの表皮側に接着されてなるとは、本発明の成形材を実現するには自動車成形天井材を構成する発泡樹脂シートの少なくとも一方の表面について、本発明のガラスチョップドストランドマットすなわち、ストランド番手が50tex以上のガラスチョップドストランドが2から40質量%の割合で混合されていることを特徴とするガラスチョップドストランドマット、好ましくは、ストランド番手50tex以上のストランドを除く、ガラスチョップドストランドの平均番手が10〜25texの範囲内であるガラスチョップドストランドマット、より好ましくは結合剤の付着量が8質量%から25質量%の範囲であり、目付が50g/m2から150g/m2の範囲(好ましく60g/m2から100g/m2)にあるガラスチョップドストランドマットが、接着された構成とすることを表している。発泡樹脂シートの一方の表面のみに採用する場合、他方の面に他の被覆材を使用するかどうかについては、特に限定するものではない。
また、本発明の自動車成形天井材は、発泡樹脂シートの表皮側のみに限らず、当然ではあるが、その両表面について上記のストランドから構成される本発明のガラスチョップドストランドマットが接着された構成とするものであってもよい。
ガラスチョップドストランドマットと発泡樹脂シートとの接着には公知の接着方法を採用することができ、フェノール、メラミン、あるいはイソシアネート樹脂等の接着剤を単独あるいは複数併用してガラスチョップドストランドマットに含浸させて使用することができる。
また本発明の自動車成形天井材は、従来よりさらに目付けの小さいマットを使用しても成形天井材に必要な剛性が得られるので好ましい。
(1)以上のように、本発明のガラスチョップドストランドマットは、ガラスストランドの番手が50tex以上のストランドを2から40質量%(好ましくは10から30%)から構成されているため、従来よりさらに目付けの小さいマットを使用しても成形天井材に必要な剛性が得られるものである。
(2)また本発明のガラスチョップドストランドマットは、番手が50tex以上のストランドを除くガラスチョップドストランドの平均番手が、10から25texの範囲にあるならば、ガラスチョップドストランドが均一に分散され、目付けむらがなく、ガラスチョップドストランドマットとウレタン、あるいはガラスチョップドストランドマットと表皮の十分な剥離強度を得ることができるものである。
(3)また本発明のガラスチョップドストランドマットは、結合剤の付着量が8質量%から25質量%の範囲であり、目付が50g/m2から150g/m2(好ましくは60g/m2から100g/m2)の範囲にあるならば、自動車成形天井材の構成部材として利用することができ、汎用性が高く軽量な構成材料であって、優れた性能を安価に実現することができるものである。
(4)本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法は、ガラスチョップドストランドをシート状に堆積してシート状堆積物を形成し、該シート状堆積物に結合剤を散布し、その後結合剤を固化して該シート状堆積物のガラスチョップドストランドを互いに結合するガラスチョップドストランドマットの製造方法であって、上記のガラスチョップドストランド構成を有するものであるため、効率のよいマットの成形が可能であって、欠陥を抑止したガラスチョップドストランドマットを迅速に成形することが可能なものである。
(5)本発明の自動車成形天井材は、上記のようなストランド構成のガラスチョップドストランドマットが、発泡ポリウレタンシートなどの発泡樹脂シートの表皮側に接着されてなるものであるため、多種多様なデザインが要求される各種の自動車成形天井材に容易に適用することができ、自動車成形天井材に必要な剛性を確保した上で、従来よりさらに軽量化が図れるのものである。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明のガラスチョップドストランドマット、その製造方法、及び本発明のガラスチョップドストランドを使用した自動車用天井材について詳細に説明する。なお、図1は、ガラスチョップドストランドマットの製造工程を示す説明図である。
まず、ガラスチョップドストランドマットの製造工程について以下に説明する。
Eガラス材質のガラス繊維が、1200本のノズルを有する白金製ブッシングから直径が11.6μmのガラスフィラメントとして成形される。この際、固形分50質量%のポリ酢酸ビニルエマルジョンが6質量%、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが0.3質量%、第4級アンモニウム塩が0.5質量%、イオン交換水が93.2質量%となるように調整した集束剤を、付着量が0.4質量%となるように、成形されたガラスフィラメントの表面に塗布する。こうして得られたガラスストランドは、カーボン製のシューによって18分糸して巻き取られ、図1に示すようなガラスケーキ5aとなる。その後このガラスケーキ5aは、所定時間乾燥され、集束剤はガラスフィラメントの表面上に定着される。また、800本のノズルを有する白金製ブッシングから直径が13.5μmのガラスフィラメントとして成形される。この際、固形分50質量%のポリ酢酸ビニルエマルジョンが6質量%、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが0.3質量%、第4級アンモニウム塩が0.5質量%、イオン交換水が93.2質量%となるように調整した集束剤を、付着量が1.0質量%となるように、成形されたガラスフィラメントの表面に塗布する。こうして得られたガラスストランドは、カーボン製のシューによって4分糸して巻き取られ、図1に示すようなガラスケーキ5bとなる。その後このガラスケーキ5bは、所定時間乾燥され、集束剤はガラスフィラメントの表面上に定着される。
次いで図1に示すように、この乾燥工程の終了したガラスケーキ5aと5bを所定の比率になるように用意し、その内層からガラスストランド10a、10bを連続的に解舒し、複数のカッターが配設された切断装置12に送り込み、長さ50mmのガラスチョップドストランド10c、10dに切断する。この際、18分糸されて巻き取られていた1200本のガラスフィラメントからなるストランド10aは、18本に分割された状態のガラスチョップドストランド10cになり、4分糸されて巻き取られていた800本ガラスフィラメントからなるストランド10bは4本に分割された状態のチョップドストランド10dになる。各切断機12は、カッターローラー12aとゴムローラー12bから構成され、互いに回転するカッターローラー12aとゴムローラー12bの間にガラスストランド10a、10bが連続的に送り込まれることによってガラスストランド10cと10dは切断される。この切断装置12は、チャンバー11の天井部分に取り付けられており、50mmの寸法に切断されたチョップドストランド10cと10dは、チャンバー11の底部に配設された第一搬送コンベア13上に落下することになる。
そして長さ50mmの寸法に切断されたガラスチョップドストランド10aと10bは、第一搬送コンベア13の上で均一になるように分散され、シート状に堆積された状態のシート状堆積物10cとなってから第一搬送コンベア13によってチャンバー11の外へと搬送される。次いでシート状堆積物10eは次の第2の搬送コンベア14上に搬送され、第二搬送コンベア14上で移動するシート状堆積物10eのガラスチョップドストランド10cと10dの上に、散布機15によってビスフェノールAエチレンオキサイド付加物系ポリエステル樹脂をが、チョップドストランド10aと10bの結合剤として所定の付着量(13質量%)となるように均一状態に調整して散布される。
そしてベルトコンベア14上に均一に分散されたガラスチョップドストランド10c、10dと散布されたビスフェノールAエチレンオキサイド付加物系ポリエステル樹脂とが互いに分散された状態が維持されたままで第二搬送コンベア14から第三搬送コンベア16へと搬送される。第三搬送コンベア16の途中には、加熱炉17が配置されており、粉末状のポリエステル樹脂が散布されたガラスチョップドストランド10c、10dのシート状堆積物10eが、加熱炉17中に移動して所定温度で加熱されることによって、散布された粉末状のポリエステル樹脂が加熱されて軟化し、ガラスチョップドストランド10c、10dの表面上で溶融状態となる。次いでこの軟化したポリエステル樹脂が付着しているシート状堆積物10eを、加熱炉17の外部に移動させ、水冷ロール18の間を通して冷却、プレスを行う。これにより溶融していたポリエステル樹脂が固化されて、その後巻き取り機20によって巻き取られて最終的にガラスチョップドストランドマット19(目付80g/m2)が得られる。
こうして得られたガラスチョップドストランドマット19を使用して製造される自動車
天井材についてその性能を調べる調査を行った。以下でその内容を説明する。
まず表1に示すように、本発明の実施例である試料No.1から試料No.5および比較例である試料No.6、7の計7種類の試料を作製した。すなわち表1のストランド番手となるEガラス材質の所定の寸法を有し、所定のマット目付となるように調整したガラスチョップドストランドマット19にイソシアネート系の接着剤を含浸させた後、表皮(自動車の室内側)、ガラスチョップドストランドマット19、発泡ポリウレタンシート、別のガラスチョップドストランドマット19及び保護シート(自動車の天井側)の順に重ね合わせてゆく。次いで、この積層物をその周囲に超硬刃を取り付けた成形天井の形状をしたプレス型に入れ、その状態でプレス成形を行う。最後に所定の形状にすると同時にその周囲をトリミングして整えた。
なお、ガラスチョップドストランドマット19中の50tex以上のストランドの混合の割合を表す混入比率は、50cm×50cmのマット切り出し、620℃で30分間焼却した後、その質量(A)を測定する。その後、チョップドストランドマット19を構成する50tex以上のストランドを抜き取り、その総質量(B)を測定し、A/B×100にて求めた。また、ガラスチョップドストランドマット19中の50tex以下のストランドの平均ストランド番手(tex)の測定は、チョップドストランドマット19を620℃で30分間焼却した後、チョップドストランドマット19を構成する50tex以下のストランド50本を抜き取り、その平均長さL(mm)を測定した後、感量が0.1mg以下の秤を用いて50本の総質量W(g)を測定し、数1に示した式により算出することができる。この式は、ストランド長1000mの重量を表すため、単位をmm(ミリメートル)からm(メートル)に換算するものとなっている。
Figure 2008063677
Figure 2008063677
以上の手順によって作成された各試料をそれぞれ次に示す評価方法によって調査した。
ガラスチョップドストランドマットの結合剤の付着量については、JIS R3420(1999)に記載の方法によって計測したガラスチョップドストランドマットの強熱減量からガラスチョップドストランドの製造に使用したケーキの強熱減量を引くことにより求めた。
また自動車成形天井材の剛性については、成形した自動車成形天井材を手で持ち上げたときの変形について、目視観察によって検査を行った。以上の結果を表1に表す。
表1からも明らかなように実施例である試料No.1は、50tex以上のストランドの混入率10質量%、50tex以下のガラスチョップドストランドの平均ストランド番手が18texでマット目付が80g/cm2、結合剤付着量が16質量%の試料であるが、自動車成形天井材の剛性は良好であった。
また、試料No.2は、50tex以上のストランドの混入率15質量%、50tex以下のガラスチョップドストランドの平均ストランド番手が20texでマット目付が70g/cm2、結合剤付着量が20質量%の試料であるが、自動車成形天井材の剛性は良好であった。
さらに試料No.3から試料No.5については、それぞれ試料No.3が、50tex以上のストランドの混入率20質量%、50tex以下のガラスチョップドストランドの平均ストランド番手が22texでマット目付が80g/cm2、結合剤付着量が18質量%の試料、試料No.4が、50tex以上のガラスチョップドストランドの混入率25質量%、50tex以下のガラスチョップドストランドの平均ストランド番手が15texでマット目付が88g/cm2、結合剤付着量が15質量%の試料、試料No.5が、50tex以上のガラスチョップドストランドの混入率30質量%、50tex以下のガラスチョップドストランドの平均ストランド番手が18texでマット目付が90g/cm2、結合剤付着量が15質量%の試料であるが、自動車成形天井材の剛性は良好であった。
一方比較例である試料No.6は、50tex以上のガラスチョップドストランドの混入率0質量%、50tex以下のガラスチョップドストランドの平均ストランド番手が18texでマット目付が80g/cm2、結合剤付着量が16質量%の試料であるが、自動車成形天井材を手で持ち上げた時の変形が大きく、剛性が不足しているものであった。
また比較例である試料No.7は、50tex以上のガラスチョップドストランドの混入率0質量%、50tex以下のガラスチョップドストランドの平均ストランド番手が20texでマット目付が90g/cm2、結合剤付着量が15質量%の試料であるが、自動車成形天井材を手で持ち上げた時の変形が大きく、剛性が不足しているものであった。
以上のように、本発明のガラスチョップドストランドマットと自動車成形天井材は、剛性不足による問題を生じさせることなく、従来の天井材よりさらに軽量化が可能であることが明瞭になった。
本発明のガラスチョップドストランドマットは、その用途としてガラスチョップドストランドマットを使用して成形される自動車成形天井材として利用することが好ましいものであるが、他にも電子工業等の各種精密ハウジング構成体や建築用材料、工業用途の各種構成部材等、種々の利用が可能であって、他の部材等と併用することによって所望の機能を実現することができるものである。
本発明のガラスチョップドストランドマットの製造工程を示す説明図。
符号の説明
5a ガラスケーキ(平均ストランド番手が10から25tex)
5b ガラスケーキ(ストランド番手が50tex以上)
10a、10b ガラスストランド
10c ガラスチョップドストランド(平均ストランド番手が10から25tex)
10d ガラスチョップドストランド(ストランド番手が50tex以上)
10e シート状堆積物
11 チャンバー
12 切断装置
12a カッターローラー
12b ゴムローラー
13 第一搬送コンベア
14 第二搬送コンベア
15 散布機
16 第三搬送コンベア
17 加熱炉
18 水冷ロール
19 ガラスチョップドストランドマット(マットロール)
20 巻き取り機
P 混合樹脂(結合剤)
L ガラスチョップドストランドの平均長さ
W ガラスチョップドストランドの50本の総質量

Claims (5)

  1. シート状に堆積したガラスチョップドストランドを結合剤により互いに結合したガラスチョップドストランドマットであって、
    前記ガラスチョップドストランドは、ストランド番手が50tex以上のガラスチョップドストランドが2から40質量%の割合で混合されていることを特徴とするガラスチョップドストランドマット。
  2. ストランド番手50tex以上のガラスチョップドストランドを除く、ガラスチョップドストランドの平均番手が10から25texの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のガラスチョップドストランドマット。
  3. 結合剤の付着量が8質量%から25質量%の範囲であり、目付が50g/m2から150g/m2の範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラスチョップドストランドマット。
  4. ガラスチョップドストランドをシート状に堆積してシート状堆積物を形成し、該シート状堆積物に結合剤を散布し、その後結合剤を固化して該シート状堆積物のガラスチョップドストランドを互いに結合するガラスチョップドストランドマットの製造方法であって、
    請求項1から請求項3の何れかに記載のガラスチョップドストランドマットを製造することを特徴とするガラスチョップドストランドマットの製造方法。
  5. 請求項1から請求項3の何れかに記載のガラスチョップドストランドマットが、発泡樹
    脂シートの表皮側に接着されてなることを特徴とする自動車成形天井材。
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