JP2008303505A - ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及び自動車成形天井材 - Google Patents

ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及び自動車成形天井材 Download PDF

Info

Publication number
JP2008303505A
JP2008303505A JP2007152353A JP2007152353A JP2008303505A JP 2008303505 A JP2008303505 A JP 2008303505A JP 2007152353 A JP2007152353 A JP 2007152353A JP 2007152353 A JP2007152353 A JP 2007152353A JP 2008303505 A JP2008303505 A JP 2008303505A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass chopped
chopped strand
mat
glass
binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007152353A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Hatta
克彦 八田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2007152353A priority Critical patent/JP2008303505A/ja
Publication of JP2008303505A publication Critical patent/JP2008303505A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

【課題】GFRP成形品となった後に高い剛性を確保でき、マットロールからマットを引き出した際にマットの損傷を防止でき、さらに構造部材として使用後の環境問題にも十分に対応できるガラスチョップドストランドマットと、その製造方法及びそのマットを使用する自動車成形天井材を提供する。
【解決手段】ガラスチョップドストランドマット1は、シート状に堆積したガラスチョップドストランドをポリ乳酸樹脂を含む結合剤により互いに結合したものである。ガラスチョップドストランドマット1の製造方法は、上記のガラスチョップドストランドをシート状に堆積して、その上に結合剤を散布し、結合剤を加熱熔融させた後に固化させてシート状堆積物のガラスチョップドストランドを互いに結合する。また自動車成形天井材は、上記のガラスチョップドストランドマット1が、発泡樹脂シートのすくなくとも片側に接着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス繊維強化プラスチック(以下、GFRPという)の補強材や自動車成形天井材等の発泡樹脂シートの補強材として使用されるガラスチョップドストランドマットと、その製造方法及びそのガラスチョップドストランドマットを用いた自動車成形天井材に関する。
一般に無機ガラス繊維を切断し、マット状に成形されたガラスチョップドストランドマットは、その強度等の優れた性能のため様々な用途で使用されている。例えば浴槽、浄化槽等のGFRP成形品の補強材等として種々の用途で用いられ、主にハンドレイアップ法と呼ばれる製造方法によって不飽和ポリエステル樹脂を含浸して成形する方法で多用されてきた。そして近年これまで段ボールやフェルト等で成形されていた自動車成形天井材の代替としても、発泡ポリウレタンシートの両表面にガラスチョップドストランドマットを接着することによって、その剛性や寸法安定性を向上させたものが開発されている。
このガラスチョップドストランドマットの具体的な製造方法は、次のようなものである。例えば調整された各種集束剤を0.1〜2質量%程度の付着量となるようにガラスフィラメントの表面に塗布して、多数本を集束することによって、単繊維直径が11μm、ストランド番手が35tex(あるいはテックスとも記述し、テックスは長さ1000m当たりのグラム単位での重量)のガラス長繊維のガラスストランドを製造する。このガラスストランドをその寸法が約50mmの寸法になるようにカッター等の切断装置で切断してガラスチョップドストランドとする。次いでこのガラスチョップドストランドを目付が300〜900g/m2となるように均等無秩序にシート状に堆積させて堆積物にする。そして、堆積物の上から結合剤として粉末ポリエステル樹脂を付着量が1〜6質量%となるように散布して加熱溶融後にプレス成形して冷却固化するか、あるいは樹脂乳化エマルジョンを付着量が1〜6質量%となるように塗布した後、乾燥して各ガラスストランド同士を接着する方法が採用される。
ガラスチョップドストランドマットを自動車成形天井材として利用する場合、自動車成形天井材の性能としては、剛性、寸法安定性、断熱性、あるいは遮音性等の性能に加え、自動車全体の重量を軽減するために、使用される材料は単位面積当たりの重量をなるべく小さくすることが要求される。またガラスチョップドストランドマットを発泡ポリウレタンシートなどの発泡樹脂シートと接着する場合に、フェノール、メラミン、あるいはイソシアネート樹脂等の接着剤を使用することとなるが、この種の接着剤がガラスチョップドストランドマットの裏面まで浸透しないと、成形された自動車成形天井材の剛性が不足するという問題や、接着後に、マットと発泡樹脂シートや表皮との間で剥離が生じるという問題があるため、必ずマット裏面にまで接着剤を充分に浸透させる必要がある。
これまでにチョップドストランドマットの強度を向上しようという試みは種々行われてきており、例えば、特許文献1では、ガラスチョップドストランドの形態を規定することによって、搬送コンベヤからの崩落を防ぐだけの強度を実現できるとする発明が行われている。さらに特許文献2では、強熱減量値を大きくすることによって引張強度を150kgf以上に大きくできるという発明が開示されている。また上記以外にも本発明者はガラス目や痘痕等と呼ばれる成形天井材の構造欠陥を減少させるため、目付や強度との因果関係についての研究を行っている。
特開平6−93546号公報 特許第3842425号公報
しかしながら、自動車成形天井材の重量を軽減し、かつ接着剤のマットへの浸透性を向上させるためには、ガラスチョップドストランドマットの目付を小さくすればよいが、目付が小さくなるほど、ガラスチョップドストランドマットを形成するストランドの分布が不均質な状態となり、マットの引張強度が低下したものとなる。その結果、マットを巻き芯に巻き取った後、その外層からマットを引っ張って解き出す途中でマットの破断の発生率が高くなり、マットの破断等に注意して作業することとなるため作業性が大幅に低下するという問題がある。
また、一般の軽量ガラス繊維補強材としては、直径が15μmから24μm程度のガラスフィラメント(単繊維)を50本から100本程度束ね、連続繊維状態で堆積させたガラスコンティニアスストランドマットや、直径が6μmから13μmのガラスフィラメントを数十本から数百本程度束ね、長さ3mmから25mmに切断したガラスチョップドストランドを白水中でモノフィラメントに分散して、抄紙したガラスペーパーが知られている。しかしガラスコンティニアスストランドマットは、ガラスの原材料あたりの製造効率が低く、そのため高価であるという問題があり、またガラスペーパーは、ガラス繊維がモノフィラメント状態であるため、補強効果が小さく、自動車成形天井材としては剛性が不足するという問題がある。
さらに、これまでに公開されたガラスチョップドストランドマットに係る発明に使用されている結合剤は、石油系の原料から合成された不飽和ポリエステル樹脂やポリ酢酸ビニル樹脂などであり、これらの樹脂をガラスチョップドストランドマットの結合剤として使用する場合には、使用済みのこれらの部材を燃焼焼却する際に多量の炭酸ガスが発生するため、地球温暖化の原因の一つとされている炭酸ガス削減効果が得られないという問題がある。また化石原料の将来的な枯渇を憂慮し、その使用量をなるべく抑制するという背景からも、それに替わるものが求められ続けている。このような状況の下、近年自動車産業では、製造される様々な自動車に搭載される各種の構造部品を全て見直して、いわゆる地球環境に優しいと一般に認識される構造部品を採用する動きが急速に拡がってきている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、GFRP成形品となった後に必要とされる優れた剛性を確保することが可能であり、しかもマットロールからガラスチョップドストランドマットを引き出した際に、ガラスチョップドストランドマットが部分的に損傷する問題を防止することができ、さらに構造部材として使用された後の環境問題にも十分に対応することのできるガラスチョップドストランドマットと、その製造方法及びそのマットを使用する自動車成形天井材を提供することを課題とする。
本発明のガラスチョップドストランドマットは、シート状に堆積したガラスチョップドストランドが結合剤により互いに結合されているガラスチョップドストランドマットであって、前記結合剤がポリ乳酸樹脂を含むものであることを特徴とする。
ここでシート状に堆積したガラスチョップドストランドが結合剤により互いに結合されているガラスチョップドストランドマットであって、前記結合剤がポリ乳酸樹脂を含むものであるとは、次のようなものである。すなわち、平板状に堆積された所定長のガラスチョップドストランドをそれぞれ互いに結合された状態とするために使用される結合剤として、トウモロコシ、ビート、イモ類あるいはサトウキビ等の植物から取り出された澱粉を発酵することで得られる乳酸をモノマーとして重合させて合成された生分解性を有するポリ乳酸(PLA:polylactic acid又はplylactide、ポリラクチドとも呼ぶ)樹脂を主要成分として含有するものであることを意味している。
本発明者は、ガラスチョップドストランドマットに求められる多様で、しかも高い要求性能を逐一満足させることができるガラスチョップドストランドマットを探求する中で、ガラスチョップドストランドマットに使用する結合剤を選択する様々な評価を行った。植物由来原料を使用した結合剤について検討した結果、生分解性を有するポリ乳酸樹脂に注目し、ポリ乳酸樹脂を結合剤として使用することで従来から使用されている不飽和ポリエステル樹脂と遜色ない性能を発揮することができ、さらにそのポリ乳酸樹脂の性能を特定範囲内に限定することによって一層高い性能を得ることができることを見いだし、ここに提示するものである。
本発明では、結合剤に含有されるポリ乳酸樹脂の含有量は特に限定するものではなく、また他の添加成分を含有することを妨げるものではないが、ポリ乳酸樹脂の性能を充分に発揮させるためには、ポリ乳酸樹脂以外の成分は不飽和ポリエステル樹脂とすることが好ましい。そして好ましくはポリ乳酸樹脂と不飽和ポリエステル樹脂とが、結合剤の総質量に対して5割以上となっていれば、ガラスチョップドストランド同士の結合力を高め、しかも高い剛性を実現することができるので好ましい。
本発明のガラスチョップドストランドマットでは、ガラスチョップドストランドをシート状になるように堆積させる方法や、結合剤を使用してガラスチョップドストランドを互いに結合した状態にする方法については、どのような方法を採用しても本発明の所望の性能を実現することができるのであればよい。
また本発明のガラスチョップドストランドマットは、上述に加え結合剤に含まれるポリ乳酸樹脂が、その熱特性としてJIS K7206(1999)に従うビカット軟化温度と、JIS K7191−3(1996)に従う荷重たわみ温度とが、いずれも40から60℃の範囲にあり、示差走査熱量計による測定で融点を示す吸熱ピークが検出されないものであることを特徴とする。
ここで、結合剤に含まれるポリ乳酸樹脂が、その熱特性としてJIS K7206(1999)に従うビカット軟化温度と、JIS K7191−1(1996)に従う荷重たわみ温度とが、いずれも40から60℃の範囲にあり、示差走査熱量計による測定で融点を示す吸熱ピークが検出されないものであるとは次のようなものである。すなわち、本発明のガラスチョップドストランドマットにおいて、ガラスチョップドストランドを互いに結合させるために使用される結合剤に含まれるポリ乳酸樹脂の熱的性能として、1999年発行の日本工業規格JIS K7206「プラスチック−熱可塑性プラスチック−ビカット軟化温度(VST)試験方法」によって計測したビカット軟化温度の計測値が40℃から60℃の範囲内にあり、しかも1996年発行の日本工業規格JIS K7191−1「プラスチック−荷重たわみ温度の試験方法−第1部・通則」によって計測した荷重たわみ温度が40℃から60℃の範囲内にあって、さらに校正された示差走査熱量計(DSC)を使用することによって、計測された吸発熱量を縦軸に温度を横軸に示すグラフ上にプロットアウトされた曲線上に融点と解釈することが可能な吸熱ピークを検出することができないという3つの条件を併せ持つことを意味している。
JIS K7206(1999)従うビカット軟化温度については、試験荷重10Nで昇温速度50℃/分の条件にて、針状圧子が試験片の表面から1mm侵入した時の伝熱媒体の温度を計測することによって決定することができるものである。
JIS K7191−1(1996)に従う荷重たわみ温度については、120℃/時の加熱速度で加熱を行った時に試験片のたわみがJIS K7191−2〜7191−3の標準たわみに達した時の温度を計測することによって決定されるものである。
結合剤に含まれるポリ乳酸樹脂が、示差走査熱量計による測定で融点を示す吸熱ピークが検出されないというのは、具体的に、次のような諸条件により計測を行うことによって検証することができる。すなわち示差走査熱量計の計測では、対照物質としては空のサンプルパンとし、被測定試料の量は5mgで、窒素雰囲気条件で200℃まで20℃/分の条件で昇温し、計測された結果については、発熱あるいは吸熱量が縦軸、温度が横軸となるグラフ上に連続してプロットしたものとし、このプロット曲線の凹凸状態を目視観察し、そこに融点と解釈することのできる吸熱ピークが認められないか、あるいは困難な状態であることを意味している。結合剤に含まれるポリ乳酸樹脂が、示差走査熱量計による計測で、融点が検出されないとは、このポリ乳酸樹脂の結晶化速度が非常に遅いために、この測定では検出困難であるか、あるいは非晶質であるほうがより安定性が高いためであると推測される。
本発明者は、結合剤に含まれるポリ乳酸樹脂の融点が検出されない点について以下のように考えている。すなわち上記のような条件、すなわち窒素雰囲気条件で200℃まで20℃/分の加熱速度で加熱する間に融点が検出されないという条件を満足するのであれば、ガラスチョップドストランドマットを形成する際に結合剤が結晶化して樹脂が流動し難くなることがないので、複数のガラスチョップストランドが折り重なって形成される狭い間隙であっても結合剤がその間隙に円滑に流れ込み易く、シート状に堆積したガラスチョップドストランド同士を互いに強固に結合することができ、そのため堆積したガラスチョップドストランドの隅々まで均質に滲み込んだ状態となって均質な安定した強度を実現できる。これに対して、結合剤に含まれるポリ乳酸樹脂の融点が上記の条件で検出される場合には、ガラスチョップドストランドの狭い間隙に樹脂が容易に流れ込むのが阻害されやすく、うまく結合されないガラスチョップドストランドが残留することになるのでガラスチョップドストランドマットの強度を安定した高い状態にすることができず、本発明には該当しないものとなる。
以上の点から、本発明のガラスチョップドストランドマットは、結合剤に含まれるポリ乳酸樹脂が、その熱特性としてJIS K7206(1999)に従うビカット軟化温度と、JIS K7191−3(1996)に従う荷重たわみ温度とが、いずれも40から60℃の範囲にあり、示差走査熱量計による測定で融点を示す吸熱ピークが検出されないものであれば、ガラスチョップドストランドマットは十分に強固な構造を有する状態となり、高い引張強さを示すものとなるので好ましい。
また本発明のガラスチョップドストランドマットは、上述に加え結合剤の付着量が6質量%から25質量%の範囲であり、平均ストランド番手が10texから30texの範囲にあり、目付が50g/m2から250g/m2の範囲にあるならば、ガラス繊維の紡糸からガラスチョップドストランドマットとする工程、さらにその使用時に至るまでのそれぞれの工程で、優れた性能を発揮するものである。
本発明で結合剤の付着量が6質量%から25質量%の範囲であり、平均ストランド番手が10texから30texの範囲にあり、目付が50g/m2から250g/m2の範囲にあるガラスチョップドストランドマットとは、ガラスチョップドストランドマットの結合剤の付着量が、JIS R3420(2006)に記載された強熱減量の測定方法によって計測したチョップドストランドマットの強熱減量値からチョップドストランドマットの製造に使用したガラスケーキの強熱減量値を差し引くことによって6質量%から25質量%の範囲内の値となり、かつそのチョップドストランドの長さ寸法が1000mに相当するガラスストランドの質量を表す平均ストランド番手が10texから30texの範囲内にあって、単位面積当たりのガラスチョップドストランドの質量に相当する目付が50g/m2から250g/m2の範囲にあるガラスチョップドストランドマットであることを表している。
結合剤の付着量が6質量%から25質量%の範囲である点については、結合剤の付着量が6質量%未満では、ガラスチョップドストランドに十分な量の結合剤が付着していない状態になるため、ガラスチョップドストランドマットが十分な引張強さを有するものとならない。ガラスチョップドストランドマットが、十分な引っ張り強さでないとガラスチョップドストランドマットにフェノール、メラミン、あるいはイソシアネート樹脂等の接着剤を塗布するために、マットロールからマットを引き出す際や天井材を成形するために表皮(自動車の室内側)、ガラスチョップドストランドマット、発泡樹脂シート、ガラスチョップドストランドマット及び保護シート(自動車の天井側)の順に重ねるため、接着剤が塗布されたチョップドストランドマットにより形成されたマットロールからマットを順次引き出す際にチョップドストランドマットの目付けムラにより目付けが薄い部分からマットが断裂する、すなわち、ちぎれるといった問題が生じる場合があるため好ましくない。一方、結合剤の付着量が25質量%を越える値になると、チョップドストランドマットの目付けムラで目付けが厚くなった部分が硬くなり、硬くなった部分が、シェードなどの深絞りを要するコーナー部の施工に使用される場合には、プレス時にチョップドストランドマットが十分に伸びず、ひけと呼ばれる表皮上のしわが生じ、外観上の欠陥となるので好ましくない。
また、ガラスチョップドストランドマットを構成するガラスチョップドストランドの平均ストランド番手が10texより小さいガラスストランドを製造するためには、ストランド1本当たりのガラスフィラメントの集束本数を少なくする必要がある。このようなガラスストランドを製造する場合には、紡糸時に使用するブッシングのホール数を少なくするか、より多くのストランドに分糸することになる。ブッシングのホール数を少なくすると、1ブッシング当たりのガラス繊維の生産量が低下し、材料コストの上昇につながる。また、分糸数を増加すると紡糸時にストランドが切断されやすくなり、これも材料コストの上昇に繋がることになる。またストランド番手が小さくなるとストランドが軟らかくなりすぎ、自動車成形天井材に必要な剛性が得られなくなるという問題も生じる。一方、ガラスチョップドストランドマットの平均ストランド番手が30texより大きくなると、ストランドの巾が広くなり、ストランドが硬くなって自動車成形天井の表皮にガラス目が発生する場合があるため好ましくない。本発明のガラスチョップドストランドマットを構成するガラスチョップドストランドの平均ストランド番手としては、10texから30texの範囲内にあれば、生産時及びマットの利用時に様々な問題が発生することがないので好ましい。
また、ガラスチョップドストランドマットの目付は単位面積当たりのガラスチョップドストランドの質量を表すものであるが、目付が50g/m2より小さいとガラスチョップドストランドマットのストランド分布が不均一な状態となってマットの引張強度が低下し、マットを巻き芯に巻き取った後、その外層から引っ張ってほどき出す操作を行う時にその途中でマットが破断する虞が多くなり、それを避けようとするとマットを解除する作業性が大幅に低下するという問題が生じる。一方で目付が250g/m2より大きいと、自動車成形天井材の重量を軽減し、接着剤の浸透性を向上させるという目的の達成が危ぶまれることになる。本発明のガラスチョップドストランドマットの目付としては、50g/m2から250g/m2の範囲にあるならば、ガラスチョップドストランドの分布を均等な状態に維持しつつ、しかも自動車成形天井材のような軽量化を課題とする用途にも適用できるマットとすることができる。
本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法は、ガラスチョップドストランドをシート状に堆積してシート状堆積物を形成し、該シート状堆積物上に上記本発明のガラスチョップドストランドマットに用いる結合剤を散布し、散布後の結合剤を加熱熔融させた後に固化させて該シート状堆積物のガラスチョップドストランドを互いに結合することにより、上記の本発明のガラスチョップドストランドマットを製造するガラスチョップドストランドマットの製造方法であるため、これまでに蓄積された数多くの製造設備に関連する技術を生かすことができ、高い品位の本発明のガラスチョップドストランドマットを効率よく製造することができる。
ガラスチョップドストランドをシート状に堆積してシート状堆積物を形成する方法については、ガラスチョップドストランドを切断した直後にシート状に堆積してもよく、また一旦保管後にシート状に堆積してもよい。またシート状堆積物上に結合剤を散布する場合には、シートをベルトコンベア上に形成した後に、そこに結合剤を散布する方法であってもよく、またシートを形成しつつ、散布も同時に行うものであってもよい。散布後の結合剤加熱熔融させた後の固化についても、強制的にプレス成形して冷却固化しても、放冷固化するものであってもよい。
また本発明で、上記のガラスチョップドストランドマットを製造するというのは、所定材質となるように調整した溶融ガラスをブッシングから引き出して紡糸してガラス長繊維のストランドとし、得られた所定のストランド番手を有するガラスストランドを所定長に切断してガラスチョップドストランドとした後、上述した結合剤を使用してガラスチョップドストランドを互いに結合させてガラスチョップドストランドマットとすることを意味している。
本発明に係るガラスチョップドストランドを互いに結合させるための結合剤に含有させるポリ乳酸樹脂としては、どのような形態のものであってもよく、上述したようにどのような散布方法を採用するものであってもよい。すなわちその形態としては、粉末に限定されず、顆粒状、繊維状、シート状あるいはフィルム状等の種々の形態が可能である。また結合剤の散布状態を調整する具体的な方法としては、マットの上方より所定量の結合剤を供給ノズル等から流量を調整して供給するものが一般的である。いずれにせよ任意の散布方法を採用することによって、最終的な含有量のばらつきを解消することができるものであればよい。また、ポリ乳酸樹脂とポリ乳酸樹脂以外の樹脂を併用する方法は、両者を混合した後塗布してもよいし、あるいは両者を別々に塗布してもよい。
本発明の自動車成形天井材は、上記のガラスチョップドストランドマットが、発泡樹脂シートのすくなくとも片側に接着されてなることを特徴とする。
ここで、上記のガラスチョップドストランドマットが、発泡樹脂シートのすくなくとも片側に接着されてなるとは、本発明の成形材を実現するには自動車成形天井材を構成する発泡樹脂シートの少なくとも一方の表面について、本発明のガラスチョップドストランドマットすなわち、結合剤にポリ乳酸樹脂を含有するものを使用していることを特徴とするガラスチョップドストランドマット、好ましくは、結合剤のポリ乳酸樹脂が、その熱特性としてJIS K7206(1999)に従うビカット軟化温度と、JIS K7191−1(1996)に従う荷重たわみ温度とが、いずれも40から60℃の範囲にあり、示差走査熱量計による測定で融点を示す吸熱ピークが検出されないものであり、さらに好ましくは強熱減量が6質量%から25質量%の範囲内にあり、平均ストランド番手が10texから30texの範囲にあり、目付が50g/m2から250g/m2の範囲にあるガラスチョップドストランドマットが、接着された構成とすることを表している。発泡樹脂シートの一方の表面のみに採用する場合、他方の面に他の被覆材を使用するかどうかについては、特に限定するものではない。
また、本発明の自動車成形天井材は、発泡樹脂シートの片側のみに限らず、当然ではあるが、その両表面について上記の結合剤を付着した本発明のガラスチョップドストランドマットが接着された構成とするものであってもよい。また本発明は、天井材とは限らず天井以外の他の自動車用構造部材として使用することもできる。
本発明の自動車成形天井材を成形する際には、ガラスチョップドストランドマットと発泡樹脂シートとの接着には公知の接着方法を採用することができ、フェノール、メラミン、あるいはイソシアネート樹脂等の接着剤を単独あるいは複数併用してガラスチョップドストランドマットに含浸させて使用することができる。
(1)以上のように、本発明のガラスチョップドストランドマットは、シート状に堆積したガラスチョップドストランドが結合剤により互いに結合されているガラスチョップドストランドマットであって、前記結合剤がポリ乳酸樹脂を含むものであるため、GFRP成形品が成形された後に必要となる高い剛性を確保することができ、マットロールからマットを引き出した際に、マットの部分的な損傷を防止することができ、さらにマット使用後に焼却する場合であっても、炭酸ガスの排出削減効果が得られるものである。
(2)また本発明のガラスチョップドストランドマットは、結合剤に含まれるポリ乳酸樹脂が、その熱特性としてJIS K7206(1999)に従うビカット軟化温度と、JIS K7191−1(1996)に従う荷重たわみ温度とが、いずれも40から60℃の範囲にあり、示差走査熱量計による測定で融点を示す吸熱ピークが検出されないものであるならば、チョップドストランドマットを製造するためにシート状に堆積したガラスチョップドストランドに散布した結合剤を加熱して溶融させた時に、結合剤の流動性が良く、複数のガラスチョップドストランド間の狭い間隙にまで流れ込み、隅々まで均質に滲み込んだ状態となるので、十分な接着強度を得ることができ、マット全体について強度分布のない均質な強度を実現できるものである。
(3)さらに本発明のガラスチョップドストランドマットは、結合剤の付着量が6質量%から25質量%の範囲であり、平均ストランド番手が10texから30texの範囲にあり、目付が50g/m2から250g/m2の範囲にあれば、深絞り成形や様々な複雑な形状を有する自動車成形天井材の構成部材として利用することができ、汎用性が高く軽量な構成材料であって、優れた性能を安価に実現することができるものである。
(4)また本発明のガラスチョップドストランドマットの製造方法は、ガラスチョップドストランドをシート状に堆積してシート状堆積物を形成し、該シート状堆積物上に上記本発明のガラスチョップドストランドマットに用いる結合剤を散布し、散布後の結合剤を加熱熔融させた後に固化させて該シート状堆積物のガラスチョップドストランドを互いに結合することにより、上記本発明のガラスチョップドストランドマットを製造するものであるため、効率のよいガラスチョップドストランドマットの成形が可能であって、製造時に問題となる様々な欠陥を抑止した高い品位を有するガラスチョップドストランドマットを迅速かつ効率的に成形することが可能なものである。
(5)本発明の自動車成形天井材は、上記本発明のガラスチョップドストランドマットが、発泡樹脂シートのすくなくとも片側に接着されてなるものであるため、多種多様なデザインが要求される各種の自動車成形天井材に容易に適用することができ、複雑な形状を有する天井材の場合であってもひけ等の欠陥が生じにくいものである。
以下、実施例に基づき、本発明のガラスチョップドストランドマットと、その製造方法、及び本発明のガラスチョップドストランドを使用した自動車用天井材について詳細に説明する。なお、図1は、本発明のガラスチョップドストランドマット1の部分斜視図で、図2は本発明のガラスチョップドストランドマット2の製造工程を示す説明図である。図2では、19は、ガラスチョップドストランドマット(あるいはマットロール)、5は、ストランドを巻き取ったガラスケーキ、10はガラスストランド、10aはガラスチョップドストランド、10bはシート状堆積物、11はチャンバー、12は切断装置、12aはカッターローラー、12bはゴムローラー、13は第一搬送コンベア、14は第二搬送コンベア、15は散布機、16は第三搬送コンベア、17は加熱炉、18は水冷ロール、19はマットロール、20は巻き取り機、Pは結合剤である。また下記の数1では、Lはガラスチョップドストランドの平均長さ、Wはガラスチョップドストランドの50本の総質量をそれぞれ表している。
本発明のガラスチョップドストランドマットの一例は、図1に概略の斜視図を示すようなものであり、これは自動車成形天井材用途としてガラス長繊維より切断されて製造されている。このガラスチョップドストランドマット1は、そのガラス材質が、Eガラスよりなるものであり、ストランド番手が20texで、マット目付が107g/cm2であって、結合剤としてポリ乳酸樹脂を11質量%の付着量となるように散布、熔融固化することでシート状に堆積したガラスチョップドストランド同士を結合させたものである。ここで使用したポリ乳酸樹脂は、その熱特性としてJIS K7206(1999)に従うビカット軟化温度が58℃、JIS K7191−1(1996)に従う荷重たわみ温度が55℃であり、ビカット軟化温度と荷重たわみ温度のいずれもが40から60℃の範囲にある。そしてこのポリ乳酸樹脂は、示差走査熱量計(DSC)を使用し、窒素雰囲気の不活性ガス雰囲気条件の下で200℃まで20℃/分の条件で昇温していき、計測された発熱あるいは吸熱量の測定値を縦軸、温度を横軸とするグラフ上にプロットし、こうして得られた曲線の凹凸状態を観察すると、そこに融点と解釈することのできる吸熱ピークが認められないものである。
次いで、本発明のガラスチョップドストランドマットの製造工程と、それによって得られる本発明の他のガラスチョップドストランドマットについて説明する。製造工程については、その主要箇所について、図2を参照しながら説明する。
まず、Eガラス材質の熔融ガラスが、1200本のノズルを有する白金製ブッシングから引き出されて直径が11.6μmのガラスフィラメントとしてガラス繊維が成形される。この際、固形分50質量%のポリ酢酸ビニルエマルジョンが6質量%、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが0.3質量%、第4級アンモニウム塩が0.5質量%、イオン交換水が93.2質量%となるように調整した集束剤を、付着量が0.4質量%となるように、成形されたガラスフィラメントの表面に塗布する。こうして得られたガラスストランドは、カーボン製のシューによって18分糸されて巻き取られ、図2に示すようなガラスケーキ5となる。その後このガラスケーキ5は、所定時間乾燥され、集束剤はガラスフィラメントの表面上に定着される。
次いで図2に示すように、この乾燥工程を終了したガラスケーキ5の内層からガラスストランド10を連続的に解舒し、複数のカッターが配設された切断装置12に送り込み、長さ50mmのチョップドストランド10aに切断する。この際、18分糸されて巻き取られていた1200本のガラスフィラメントからなるストランド10は、18本に分割された状態のチョップドストランド10aになる。各切断機12は、カッターローラー12aとゴムローラー12bから構成され、互いに回転するカッターローラー12aとゴムローラー12bの間にガラスストランド10が送り込まれることによってガラスストランド10は連続的に切断される。この切断装置12は、チャンバー11の天井部分に取り付けられており、50mmの寸法に切断されたチョップドストランド10aは、チャンバー11の底部に配設された第一搬送コンベア13上に落下することになる。
そして長さ50mmの寸法に切断されたガラスチョップドストランド10aは、第一搬送コンベア13の上で均一になるように分散され、シート状に堆積された状態のシート状堆積物10bとなった後に第一搬送コンベア13によってチャンバー11の外へと搬送される。次いでシート状堆積物10bは次の第2の搬送コンベア14上に搬送され、第二搬送コンベア14上で移動するシート状堆積物10bのガラスチョップドストランド10aの上に、散布機15によって、ビカット軟化温度が55℃、荷重たわみ温度が52℃、示差走査熱量計(DCS)による測定で融点が検出されないポリ乳酸樹脂をチョップドストランド10aの結合剤として付着量が例えば12質量%となるように均一状態に調整して散布される。ビカット軟化温度、荷重たわみ温度、DCS測定については前記したと同様の計測方法によるものである。
そしてベルトコンベア14上に均一に分散されたガラスチョップドストランド10aと散布された結合剤Pとが互いに分散された状態が維持されたままで第二搬送コンベア14から第三搬送コンベア16へと搬送される。第三搬送コンベア16の途中には、加熱炉17が配置されており、粉末状の結合剤Pが散布されたガラスチョップドストランド10aのシート状堆積物10bが、加熱炉17中に移動して所定温度で加熱されることによって、散布された粉末状の結合剤Pが加熱されて軟化し、ガラスチョップドストランド10aの表面上で溶融状態となる。次いでこの軟化した結合剤Pが付着しているシート状堆積物10bを、加熱炉17の外部に移動させ、水冷ロール18の間を通して冷却、プレスを行う。これにより溶融していた結合剤Pが固化されて、その後巻き取り機20によって巻き取られて最終的に目付が107g/m2のガラスチョップドストランドマット2を巻き取ったマットロール19が得られる。
こうして得られたガラスチョップドストランドマット2を使用して製造される自動車天井材についてその性能を調べる調査を行った。以下でその内容を説明する。
まず表1に示すように、本発明の実施例である試料No.1から試料No.5の計5種類の試料を作製した。すなわち表1のストランド番手となるEガラス材質の所定の寸法を有し、所定のマット目付となるように調整したガラスチョップドストランドマット2にイソシアネート系の接着剤を含浸させた後、表皮(自動車の室内側)、ガラスチョップドストランドマット2、発泡ポリウレタンシート、別のガラスチョップドストランドマット2及び保護シート(自動車の天井側)の順に重ね合わせてゆく。次いで、この積層物をその周囲に超硬刃を取り付けた成形天井の形状をしたプレス型に入れ、その状態でプレス成形を行う。最後に所定の形状にすると同時にその周囲をトリミングして整えた。
なお、ガラスチョップドストランドマット2中のストランド番手(tex)の測定は、チョップドストランドマット2を620℃で30分間焼却した後、チョップドストランドマット19を構成するストランド50本を抜き取り、その平均長さL(mm)を測定した後、感量が0.1mg以下の秤を用いて50本の総質量W(g)を測定し、数1に示した式により算出することができる。この式は、ストランド長1000mの重量を表すため、単位をmm(ミリメートル)からm(メートル)に換算するものとなっている。
Figure 2008303505
Figure 2008303505
以上の手順によって作成された表1の各試料についての評価方法を以下詳細に示す。
ガラスチョップドストランドマットについては、ガラスチョップドストランドマットの結合剤の付着量について、JIS R3420(2006)「ガラス繊維一般試験方法の7.3水分率及び強熱減量」に記載の方法によって計測したガラスチョップドストランドマットの強熱減量からガラスチョップドストランドの製造に使用したケーキの強熱減量を差し引くことにより求めた。引張強さについては、JIS R3420(2006)「ガラス繊維一般試験方法の7.4引張強さ」に記載の方法で測定した。
またポリ乳酸樹脂については、前記したようにポリ乳酸樹脂のビカット軟化温度について、JIS K7206(1999)に記載された方法によって、荷重たわみ温度について、JIS K 7191−1(1996)に記載された方法によって計測した。また示差走査熱量計測定は株式会社リガク製の示差走査熱量計Thermo Plus2/DSC8230を使用して上述した条件、すなわち示差走査熱量計の計測では、対照物質としては空のサンプルパンとし、被測定試料の量は5mgで、窒素雰囲気条件で200℃まで20℃/分の条件で昇温するという条件に従い測定した。
また自動車成形天井材についての評価は、熟練者が10枚の自動車成形天井材について、その表皮側にひけの発生した数量を目視観察によって検査を行った結果を表1に表す。
表1からも明らかなように実施例である試料No.1は、ストランド番手が20texでマット目付が107g/cm2、結合剤として本発明のポリ乳酸樹脂を使用し、その付着量が12%の試料であるが、引張強さが150Nと十分あり、マットロールからガラスチョップドストランドマットを引き出す際にマットがちぎれることもなく、自動車成形天井材のひけによる不良は0枚であった。
また、試料No.2は、ストランド番手が18texでマット目付が135g/cm2、結合剤としては試料No.1と同じポリ乳酸樹脂を使用し、その付着量が10%の試料であるが、引張強さが220Nと強く、マットロールからガラスチョップドストランドマットを引き出す際にマットがちぎれることもなく、天井材のひけによる不良は0枚であった。
さらに試料No.3から試料No.5の試料については、それぞれ試料No.3が、ストランド番手が20texでマット目付が107g/cm2、引張強さが170N、結合剤の付着量が14%の試料、試料No.4が、ストランド番手が22texでマット目付が105g/cm2、引張強さが180N、結合剤の付着量が17%の試料、試料No.5が、ストランド番手が19texでマット目付が100g/cm2、引張強さが200N、結合剤の付着量が20%の試料であるが、何れもひけによる不良はすべて0枚であり、150N以上の十分な引張強さを有しているため、マットロールからガラスチョップドストランドマットを引き出す際にマットがちぎれることもなく、均質でしかも高い強度を有するものであった。
以上のように、本発明の軽量、高強度のガラスチョップドストランドマットとこのマットを採用した高剛性を有する自動車成形天井材は、結合剤が植物由来のポリ乳酸樹脂を含むものであるため、従来の石油系結合剤を用いたマットにはない炭酸ガスの排出抑制効果があり、天井材の外観品位についてもひけ不良の発生することのない優れた品位を有するものであることが明瞭になった。
本発明のガラスチョップドストランドマットは、その用途としてガラスチョップドストランドマットを使用して成形される自動車成形天井材として好適なものであるが、他にも電子工業等の各種精密ハウジング構成体や建築用材料、工業用途の各種構成部材等、種々の利用が可能であって、他の部材等と併用することによって所望の機能を実現することができるものである。
本発明のガラスチョップドストランドマットの部分斜視図。 本発明のガラスチョップドストランドマットの製造工程を示す説明図。
符号の説明
1、2 ガラスチョップドストランドマット
5 ガラスケーキ
10 ガラスストランド
10a ガラスチョップドストランド
10b シート状堆積物
11 チャンバー
12 切断装置
12a カッターローラー
12b ゴムローラー
13 第一搬送コンベア
14 第二搬送コンベア
15 散布機
16 第三搬送コンベア
17 加熱炉
18 水冷ロール
19 マットロール
20 巻き取り機
P 結合剤
L ガラスチョップドストランドの平均長さ
W 50本のガラスチョップドストランドの総質量

Claims (5)

  1. シート状に堆積したガラスチョップドストランドが結合剤により互いに結合されているガラスチョップドストランドマットであって、
    前記結合剤がポリ乳酸樹脂を含むものであることを特徴とするガラスチョップドストランドマット。
  2. 結合剤に含まれるポリ乳酸樹脂が、その熱特性としてJIS K7206(1999)に従うビカット軟化温度と、JIS K7191−1(1996)に従う荷重たわみ温度とが、いずれも40から60℃の範囲にあり、示差走査熱量計による測定で融点を示す吸熱ピークが検出されないものであることを特徴とする請求項1に記載のガラスチョップドストランドマット。
  3. 結合剤の付着量が6質量%から25質量%の範囲であり、平均ストランド番手が10texから30texの範囲にあり、目付が50g/m2から250g/m2の範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラスチョップドストランドマット。
  4. ガラスチョップドストランドをシート状に堆積してシート状堆積物を形成し、該シート状堆積物上に請求項1又は請求項2に記載の結合剤を散布し、散布後の結合剤を加熱熔融した後に固化させて該シート状堆積物のガラスチョップドストランドを互いに結合することにより、請求項1から請求項3の何れかに記載のガラスチョップドストランドマットを製造することを特徴とするガラスチョップドストランドマットの製造方法。
  5. 請求項1から請求項3の何れかに記載のガラスチョップドストランドマットが、発泡樹脂シートのすくなくとも片側に接着されてなることを特徴とする自動車成形天井材。
JP2007152353A 2007-06-08 2007-06-08 ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及び自動車成形天井材 Pending JP2008303505A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007152353A JP2008303505A (ja) 2007-06-08 2007-06-08 ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及び自動車成形天井材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007152353A JP2008303505A (ja) 2007-06-08 2007-06-08 ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及び自動車成形天井材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008303505A true JP2008303505A (ja) 2008-12-18

Family

ID=40232476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007152353A Pending JP2008303505A (ja) 2007-06-08 2007-06-08 ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及び自動車成形天井材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008303505A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011099190A (ja) * 2009-11-09 2011-05-19 Nitto Boseki Co Ltd ガラスチョップドストランドマットの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011099190A (ja) * 2009-11-09 2011-05-19 Nitto Boseki Co Ltd ガラスチョップドストランドマットの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5722732B2 (ja) 熱可塑性複合材料形成用等方性ランダムマットの製造方法
JP6145263B2 (ja) ガラスチョップドストランドマットの製造方法、及び自動車成形天井材の製造方法
JP5429687B2 (ja) ガラスチョップドストランドマットの製造方法
WO2012165418A1 (ja) 等方性を維持した成形体の製造方法
WO2013094706A1 (ja) ランダムマット、および強化繊維複合材料
WO2013018920A1 (ja) 低圧成形による成形体の製造方法
JPWO2014007389A1 (ja) 複合基材
JP2008038297A (ja) ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及びそれを用いた自動車成形天井材
JP5348611B2 (ja) ガラスチョップドストランドマットの製造方法、ガラスチョップドストランドマット、及び自動車成形天井材
WO2013094402A1 (ja) ガラスチョップドストランドマット及びその製造方法、並びに自動車成形天井材及びその製造方法
JP5598622B1 (ja) ガラスチョップドストランドマット、ガラスチョップドストランドマットロール、ガラスチョップドストランドマットの製造方法及び自動車成形天井材
JP2008308768A (ja) ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及び自動車成形天井材
JP2010248682A (ja) 顆粒状結合剤、ガラス繊維マットとガラス繊維マットの製造方法、及び自動車用成形天井材
JP2010037667A (ja) 炭素繊維ウェブの製造方法および炭素繊維ウェブ
JP2008303505A (ja) ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及び自動車成形天井材
JP2005307407A (ja) ガラスチョップドストランドマット及び成形材
JP2007113142A (ja) ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及びそれを用いた自動車成形天井材
JPH11500795A (ja) ガラスマットの製造方法およびそれから得られた製品
JP2008045228A (ja) ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及びそれを用いた自動車成形天井材
JP4482719B2 (ja) ガラスチョップドストランドマット及びそれを用いた自動車成形天井材
JP6575800B2 (ja) チョップドストランドマットとその製造方法及び製造装置、チョップドストランドマット梱包体、並びに自動車用天井材
WO2007113425A1 (fr) Mat de verre aiguillete
JP2008063677A (ja) ガラスチョップドストランドマット、その製造方法及びそれを用いた自動車成形天井材
JP5128543B2 (ja) ガラスチョップドストランドマットの製造方法及び製造装置、ガラスチョップドストランドマット、並びに自動車成形天井材
WO2017068872A1 (ja) ガラスチョップドストランドマット及び自動車成形天井材