JPH0938971A - 繊維複合シートの製造方法 - Google Patents

繊維複合シートの製造方法

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JPH0938971A
JPH0938971A JP19464495A JP19464495A JPH0938971A JP H0938971 A JPH0938971 A JP H0938971A JP 19464495 A JP19464495 A JP 19464495A JP 19464495 A JP19464495 A JP 19464495A JP H0938971 A JPH0938971 A JP H0938971A
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curved surface
thermoplastic resin
continuous
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reinforcing fiber
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JP19464495A
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Koichi Hirao
浩一 平尾
Koji Yamaguchi
公二 山口
Hiroshi Sugawara
宏 菅原
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続強化繊維束の各モノフィラメント間に粉
体状熱可塑性樹脂が安定して確実に侵入するようにし
て、各モノフィラメントが個々に独立してきれいに分散
及び開繊し、熱可塑性樹脂の含浸性が非常に高い、品質
のすぐれた繊維複合シートの製造方法を提供する。 【解決手段】 多数の連続モノフィラメントよりなる強
化繊維束Fを、振動装置5,5´を用いて振動させた横
断面波形の連続曲面Aを有するガイド部材3に沿わせか
つ該連続曲面Aの凹状曲面部に対向するように配置され
た凸状曲面Bを有する押圧部材2によって押圧しながら
通過せしめ、かつ強化繊維束F上に粉体状熱可塑性樹脂
を供給装置4より連続的に供給して、繊維束Fを開繊さ
せるとともに、粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラメン
ト相互間に捕捉させた後、加熱溶融し、冷却固化して、
得られた繊維複合シートを巻き取り機9に巻き取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維複合シートの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維複合シートの製造方法として
は、流動床中でバーに強化繊維束を擦り付けるととも
に、粉体状熱可塑性樹脂をいわゆる擦り込みによって各
モノフィラメント間に侵入させて含浸させる方法が採ら
れており、このような擦り込み方法だけでは、粉体状熱
可塑性樹脂が強化繊維の各モノフィラメント間に安定し
て確実に侵入することができず、またその結果、各モノ
フィラメントが個々に独立してきれいに分散及び開繊せ
ずに、部分的に熱可塑性樹脂の含浸不良が発生するとい
う問題があった。
【0003】そこで、振動体に丸棒状の凸状曲面を形成
して、該凸状曲面に連続モノフィラメントよりなる強化
繊維束を接触させながら通過させ、その通過中に強化繊
維束上に粉体状熱可塑性樹脂を散布供給して、各モノフ
ィラメント間に侵入及び含浸させる方法(特開平6−3
35920号公報参照)が提案された。この従来法は、
各モノフィラメント自身を振動させることにより、モノ
フィラメント表面に付着した粉体状熱可塑性樹脂が一緒
に振動して、フィラメント間に粉体状熱可塑性樹脂が侵
入する力を補足し、含浸性を向上させようとするもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、振動体の凸状曲面に接していない強化繊
維束の箇所では、擦り込み効果による粉体状熱可塑性樹
脂の含浸性が低く、やはり部分的に含浸不良が発生する
ことがあるという問題があった。
【0005】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、連続強化繊維束の各モノフィラメント間に粉体
状熱可塑性樹脂が安定して確実に侵入することができ
て、各モノフィラメントが個々に独立してきれいに分散
及び開繊し、熱可塑性樹脂の含浸性が非常に高い、品質
のすぐれた繊維複合シートの製造方法を提供しようとす
るにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による繊維複合シ
ートの製造方法は、多数の連続モノフィラメントよりな
る強化繊維束を、振動装置を用いて振動させた横断面波
形の連続曲面Aを有するガイド部材に沿わせかつ該連続
曲面Aの凹状曲面部に対向するように配置された凸状曲
面Bを有する押圧部材によって押圧しながら通過せしめ
るとともに、振動している強化繊維束上に粉体状熱可塑
性樹脂を連続的に供給して、繊維束を開繊させるととも
に、粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラメント相互間に
捕捉させる工程と、開繊された多数の樹脂付着連続強化
繊維の熱可塑性樹脂を加熱溶融してシート状となし、つ
いでこれを冷却固化する工程とを含むことを特徴とする
ものである。
【0007】上記において、強化繊維としては、使用す
る熱可塑性樹脂の溶融温度において熱的に安定な繊維が
用いられる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊
維、セラミックス長繊維等の無機繊維や、アラミド繊
維、ポリエステル繊維、ビニロン等の有機繊維等が用い
られる。モノフィラメントの直径は取り扱い性を考慮す
れば1〜50μm程度であるのが好ましい。
【0008】また、粉体状熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリス
ルホン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
粉体状樹脂粒子の径は、強化繊維のモノフィラメント径
に対する比率、また強化繊維束間に侵入及び捕捉される
こと等を考慮すると10〜300μm程度であるのが好
ましい。
【0009】なお、粉体状でない熱可塑性樹脂を用いる
場合には、これを常温粉砕、冷凍粉砕などの方法によっ
て適度な粒子径にすることにより、使用可能である。
【0010】また、横断面波形の連続曲面Aを有するガ
イド部材は、強化繊維束に対して、粉体状熱可塑性樹脂
の侵入を促進するものであればよい。
【0011】すなわち、連続曲面Aを有するガイド部材
の形状は、振動を強化繊維束に伝達できる形状で、なお
かつ、フィラメント間に侵入及び付着した粉体状熱可塑
性樹脂が落下しないように連続状になっておればよく、
例えば横断面波形に形成された面部材のようなものであ
る。また、横断面波形の連続曲面Aの凸状曲面部はモノ
フィラメントを傷つけ破断させないように丸くなされて
いる。
【0012】横断面波形の連続曲面Aを有するガイド部
材の凹状曲面部あるいは凸状曲面部の曲率は、接触通過
する強化繊維が切れない程度のものであればよく、半径
5〜300mm程度が好ましく、振動させることを考慮
すると、10〜50mm程度が望ましい。横断面波形の
連続曲面Aを有するガイド部材の凹状曲面部あるいは凸
状曲面部の数は1つでは効果が低く、多すぎても、粉体
状熱可塑性樹脂が強化繊維束に入り込むものに飽和状態
となり効果がなくなるので、2〜20個程度があればよ
い。
【0013】連続曲面Aを有するガイド部材は、後述す
る振動装置により振動せしめられるが、ガイド部材の振
動数及び振幅は、経時的に変化することのない一定の振
動を繰り返すようにすることが望ましい。というのは、
振動数及び振幅が経時的に変化すると、それに連れて粉
体状熱可塑性樹脂がフィラメント間に侵入する力が変化
し、成形品厚みなどにムラが発生するので、好ましくな
いからである。
【0014】横断面波形の連続曲面Aを有するガイド部
材の振幅は、強化繊維束に対して確実に振動が伝わる程
度の微弱なものでもよいが、粉体状熱可塑性樹脂の強化
繊維束間への侵入を向上させるためには0.1〜10m
m程度であるのが好ましい。ここで、連続曲面Aを有す
るガイド部材の振幅が0.1mm未満であれば、強化繊
維束に対して振動を確実に伝えることができないので、
好ましくない。また連続曲面Aを有するガイド部材の振
幅が10mmを越えると、モノフィラメント単位で破断
してしまうおそれがあるので、好ましくない。また横断
面波形の連続曲面Aを有するガイド部材(振動体)の振
動数は、通常15〜300Hzが好ましい。ここで、振
動体の振動数は、小さすぎると含浸性の効果が低く、ま
た振動体の振動数は、大きすぎると、粉体状熱可塑性樹
脂が全体的に下部の方へ移動し、繊維複合シート表面に
おいて、一方は樹脂が多く、他方はガラス繊維が表面に
浮き出ている状態になり、シート断面内でムラが発生す
るので、好ましくない。
【0015】強化繊維束のテンションは、小さすぎると
強化繊維束表面に粉体状熱可塑性樹脂が付着するだけで
含浸性が悪く、また大きすぎるとモノフィラメント単位
で破断する恐れがあるので、100〜2000g/本程
度が望ましい。
【0016】横断面波形の連続曲面Aを有するガイド部
材の材料は、金属、プラスチック等のフィラメントを傷
つけず、かつ破断させない表面状態のものが好ましい
が、これらには限定されない。
【0017】一方、凸状曲面Bを有する押圧部材の形状
は、横断面円形の丸棒状部材、あるいは横断面が凸状曲
面に形成された面部材でもよいし、横断面半円形、略三
角形、略四角形等の棒状部材でもよい。また横断面波形
の連続曲面Aを有するガイド部材と同様に、横断面波形
の連続曲面を有する面部材であってもよい。
【0018】また押圧部材の材料、押圧部材の凸状曲面
Bの曲率および個数等は、連続曲面Aを有するガイド部
材と同様でよい。
【0019】凸状曲面Bを有する押圧部材は、連続曲面
Aを有するガイド部材と同様に振動してもよく、その場
合、押圧部材の振幅、および振動数は、連続曲面Aを有
するガイド部材と同様でよい。なお、経時的に振動の変
化が無いようにしなければならないのは、凸状曲面Bを
有する押圧部材も、連続曲面Aを有するガイド部材の場
合と同様である。
【0020】また、横断面波形の連続曲面Aを有するガ
イド部材と強化繊維束を介して反対側に配置される凸状
曲面Bを有する押圧部材との位置関係は、押圧部材の凸
状曲面Bが連続曲面Aの凹状曲面部に対向して位置して
いなければならない。押圧部材が横断面波形の連続曲面
を有するものである場合には、両者の凸状曲面部が、相
手側の凹状曲面部にそれぞれ対向して位置していなけれ
ばならない。
【0021】ガイド部材と押圧部材を振動させる振動装
置としては、モーターカム、エアー弁、もしくは油圧弁
を使用したものや、高周波振動を与えるバイブレーター
などを用い、あるいはまた、これらを組み合わせた振動
装置を使用する。
【0022】振動している強化繊維束上に、一定量の粉
体状熱可塑性樹脂を供給するには、一般的な供給装置を
用いればよく、具体例には、一定目開きの篩い、ベルト
フィーダ、スクリューフィーダ等が挙げられる。
【0023】また、粉体状熱可塑性樹脂の繊維モノフィ
ラメントへの侵入を容易にするために、空気と粉体状熱
可塑性樹脂とを混合した後、これを強制的に強化繊維束
の上方より、あるいはまた上下左右方向より吹き付けて
供給する場合がある。これらの場合には、例えばエゼク
タフィーダや、エアスライドフィーダ等を用いれば良
い。
【0024】粉体状熱可塑性樹脂の供給量は、特には限
定されないが、樹脂粉体の特性(粒子径、粒度分布等)
や、強化繊維束のモノフィラメントの直径や、必要な強
化繊維束の含有率や、強化繊維への付着率に応じて適宜
調節される。
【0025】粉体状熱可塑性樹脂の供給量の調節は、例
えば篩いの場合、篩いの振動数の調節により、エゼクタ
フィーダやエアスライドフィーダの場合には、空気圧
や、空気中の熱可塑性樹脂濃度の調節により行なう。
【0026】開繊された多数の樹脂付着連続強化繊維の
熱可塑性樹脂を加熱溶融する場合、加熱源の具体例とし
ては、加熱ロール、熱風、遠赤外線ヒーター等の汎用の
加熱手段が挙げられ、加熱ロールを用いる場合は、樹脂
付着連続強化繊維をロール間でピンチして成形してもよ
い。加熱温度及び加熱時間は、粉体状熱可塑性樹脂の種
類及びその配合に応じて適宜定められる。
【0027】樹脂付着連続強化繊維の熱可塑性樹脂を加
熱溶融してシート状としたのち、これを冷却固化する方
法は、用いる粉体状熱可塑性樹脂の種類及び配合に応じ
て適宜定められるが、例えば常温での自然冷却や、水
冷、循環水等を用いた冷却ロール等の汎用されている方
法等が挙げられ、冷却ロールを用いる場合、加熱された
樹脂付着連続強化繊維をロール間でピンチしてもよい。
冷却時間、および冷却温度等は、用いる粉体状熱可塑性
樹脂の材質の温度が軟化点以下の温度に下がるように設
定するのが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0029】まず図1を参照すると、本発明による繊維
複合シートの製造方法は、多数の連続モノフィラメント
よりなる強化繊維束(F) を、振動装置(5) (5')を用いて
振動させた横断面波形の連続曲面Aを有するガイド部材
(3) に沿わせかつ該連続曲面Aの凹状曲面部に対向する
ように配置された凸状曲面Bを有する押圧部材(2) によ
って押圧しながら通過せしめるとともに、振動している
強化繊維束(F) 上に粉体状熱可塑性樹脂を供給装置(4)
より連続的に供給して、繊維束(F) を開繊させるととも
に、粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラメント相互間に
捕捉させる。
【0030】ついで、開繊された多数の樹脂付着連続強
化繊維の熱可塑性樹脂を、上下一対の加熱ロール(6)
(6) により加熱溶融してシート状となし、ついでこれを
冷却ロール(7) (7) により冷却固化し、引き取りロール
(8) (8) を経て、これらの前方に配置した巻き取り機
(9) に巻き取るものである。
【0031】上記の方法によれば、横断面波形の連続曲
面Aを有するガイド部材に対して強化繊維束(F) が常に
接していることとなり、粉体状熱可塑性樹脂がモノフィ
ラメント間に擦り込まれて侵入する効果が向上する。
【0032】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を、図面を参照し、
比較例と対比して説明する。
【0033】なお、以下の説明において、前とは図1の
左方向をいうものとする。
【0034】実施例 図1において、複数の強化繊維束巻き戻しロール(1) の
前方に、凸状曲面Bを有する押圧部材(2) と、横断面波
形の連続曲面Aを有するガイド部材(3) とが配置され、
これら押圧部材(2) とガイド部材(3) は、上下一対の振
動装置(5')(5)によって振動させられる。押圧部材(2)
およびガイド部材(3) の上方には、粉体状熱可塑性樹脂
供給装置(4) を備えた含浸設備が配置されている。さら
に含浸設備の前方に、順次、加熱ロール(6) 、冷却ロー
ル(7) 、引き取りロール(8) 、巻き取り機(9) が配置さ
れている。
【0035】ここで、凸状曲面Bを有する押圧部材(2)
は鉄製で、かつ直径50mmの横断面略円形を有しかつ
長さ600mmを有するものが6本使用され、これらの
押圧部材(2) は、互いに平行に、かつ強化繊維束(F) の
移動方向と直行する方向に配置されている。また、各押
圧部材(2) は、上部フレーム(10)に垂下状に取り付けら
れた左右一対の支持部材(11)(11)の下端部に渡し止めら
れており、上部フレーム(10)が上側振動装置(5')と接触
せしめられていて、上側振動装置(5')からの振動が上部
フレーム(10)および支持部材(11)(11)を介して押圧部材
(2) に伝わるようになされている。
【0036】これに対し、横断面波形の連続曲面Aを有
するガイド部材(3) は、曲率半径30mmの凸状曲面部
を6箇所具備している。このガイド部材(3) は下部フレ
ーム(12)に支持され、下部フレーム(12)が下側振動装置
(5) と接触せしめられていて、下側振動装置(5) からの
振動が下部フレーム(12)を介してガイド部材(3) に伝わ
るようになされている(図2参照)。
【0037】なお、各押圧部材(2) はこれの凸状曲面B
が、ガイド部材(3) の横断面波形の連続曲面Aの凹状曲
面部に入り込むように位置せしめられ、また押圧部材
(2) の凸状曲面Bと、ガイド部材(3) の連続曲面Aとの
間の上下の間隔は、ガイド部材(3) の凹状曲面部の最下
点と、押圧部材(2) の凸状曲面Bの頂点との間隔が2.
5mmとなされている。
【0038】また、凸状曲面Bを有する押圧部材(2) は
非回転となされているが、これは、押圧部材(2) が回転
すれば、連続強化繊維束(F) の切断状態のものが絡みつ
くことが多く、トラブルの発生源となるので、これを防
止するためである。
【0039】また、上下両振動装置(5) (5')としてモー
ターカムが用いられており、これらにより、凸状曲面B
を有する押圧部材(2) 及び横断面波形の連続曲面Aを有
するガイド部材(3) に、振幅0.3mm、振動数250
Hzの上下方向の振動を与えることができる。
【0040】なお、押圧部材(2) およびガイド部材(3)
の上方に配置された含浸設備は、3台の粉体状熱可塑性
樹脂供給装置(4) が備えられている。
【0041】上記図1の装置を用い、各巻き戻しロール
(1) から多数の連続フィラメントよりなる強化繊維束
(F) を、振動、及び引き取り力によって余分の強化繊維
束(F)が巻き出されない程度のバックテンション(本実
験では500g/本の力)をかけながら、16本巻き戻
し、共に振動する凸状曲面Bを有する押圧部材(2) と横
断面波形の連続曲面Aを有するガイド部材(3) との間を
接触させながら通過させ(図2参照)、強化繊維束(F)
を開繊させるとともに、開繊された強化繊維束(F) の各
モノフィラメントに、供給装置(4) からの粉体状熱可塑
性樹脂を付着させるとともに、モノフィラメント相互間
に捕捉する。供給装置(4) からの粉体状熱可塑性樹脂量
は、1台あたり600g/分であった。
【0042】ここで、粉体状熱可塑性樹脂としては、粉
体状塩化ビニル樹脂(平均重合度=800、平均粒子径
100μm)100重量部に対して、安定剤2.0重量
部、滑剤0.5重量部とをスーパーミキサーにて混合
し、かつ120℃まで昇温させた後、冷却ミキサーで1
5分間冷却したものを用いた。
【0043】強化繊維束(F) としては、ガラスロービン
グ(日東紡#4400、平均繊維径23μm)のものを
用いた。
【0044】上記の樹脂付着連続強化繊維を、図1の凸
状曲面Bを有する押圧部材(2) の最終凸状曲面で全体が
シート状になるように揃えた後、ロール表面温度が21
0℃の一対の加熱ロール(6) 表面に沿わせて加熱、及び
ピンチして、樹脂付着連続強化繊維の熱可塑性樹脂を1
77℃まで加熱溶融してシート状に一体化した後、ロー
ル表面温度39℃の冷却ピンチロールで冷却、及びピン
チして、シート状繊維複合シートを72℃まで冷却し、
引き取りロール(8) により引き取った後、巻き取り機
(9) により巻き取った。
【0045】比較例 つぎに比較のために、図3に示すように、上記実施例の
横断面波形の連続曲面Aを有するガイド部材(3) に代え
て、連続状ではなく、凸状曲面Bを有する丸棒状の上側
押圧部材(2) と同様に、不連続の丸棒状の下側押圧部材
(22)を用いたこと以外は、上記実施例の場合と同様にし
て、繊維複合シートを製造した。
【0046】ここで、不連続の丸棒状下側押圧部材(22)
は、互いに平行に、かつ強化繊維束(F) の移動方向と直
行する方向に配置され、また各下側押圧部材(22)は、下
部フレーム(20)に垂直状に取り付けられた左右一対の支
持部材(21)(21)の上端部に渡し止められており、下部フ
レーム(20)が下側振動装置(5) と接触せしめられてい
て、下側振動装置(5) からの振動が下部フレーム(20)お
よび支持部材(21)(21)を介して下側押圧部材(22)に伝わ
るようになされている。
【0047】なお、図3において、図1と同一のものに
は同一の符号を付した。
【0048】つぎに、上記実施例、及び比較例の方法に
より繊維複合シートを得た後、成形品断面の写真撮影を
行った。そして、断面写真の概略を図4(実施例)と図
5(比較例)に図示した。
【0049】これらのうち、まず図4(右下部分におけ
るガラス繊維の分散状態を明示した)を参照すると、実
施例で成形した繊維複合シートの断面写真では、ガラス
繊維(15)が熱可塑性樹脂(16)に対して分散状態が非常に
良く、含浸性が優れた状態であることが分かる。これは
本発明の方法によれば、連続強化繊維束(F) が横断面波
形の連続曲面Aを有するガイド部材(3) に常に接してい
るため、粉体状熱可塑性樹脂をフィラメント間に侵入さ
せる擦り込み効果が向上したためと考えられる。
【0050】これに対し、図5(左側部分におけるガラ
ス繊維の分散状態を明示した)を参照すると、比較例で
成形した繊維複合シートの断面写真では、ガラス繊維(2
5)が熱可塑性樹脂(26)に対して分散状態が悪く、含浸不
良箇所が多数みられた。すなわち図5の上のシートで
は、左右の分散状態が悪く、同下側のシートでは、上下
方向(厚さ方向)の分散状態が悪かった。
【0051】
【発明の効果】本発明の繊維複合シートの製造方法は、
上述の次第で、多数の連続モノフィラメントよりなる強
化繊維束を、振動装置を用いて振動させた横断面波形の
連続曲面Aを有するガイド部材に沿わせかつ該連続曲面
Aの凹状曲面部に対向するように配置された凸状曲面B
を有する押圧部材によって押圧しながら通過せしめると
ともに、振動している強化繊維束上に粉体状熱可塑性樹
脂を連続的に供給して、繊維束を開繊させているから、
本発明の方法によれば、擦り込み効果の向上によって、
粉体状熱可塑性樹脂がフィラメント間に侵入しやすくな
り、含浸性の優れた繊維複合シートを安定して製造する
ことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維複合シートの製造方法を実施する
装置の概略側面図である。
【図2】図1の装置の要部拡大側面図である。
【図3】本発明と比較するための繊維複合シートの製造
方法を実施する装置の概略側面図である。
【図4】本発明の実施例において製作した繊維複合シー
ト成形品の断面写真の概略図である。
【図5】比較例において製作した繊維複合シート成形品
の断面写真の概略図である。
【符号の説明】
1 強化繊維巻き戻しロール 2 凸状曲面Bを有する押圧部材 3 横断面波形の連続曲面Aを有するガイド部材 4 粉体状熱可塑性樹脂供給装置 5 下部振動装置 5´ 上部振動装置 6 加熱ロール 7 冷却ロール 8 引き取りロール 9 巻き取り機

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の連続モノフィラメントよりなる強
    化繊維束を、振動装置を用いて振動させた横断面波形の
    連続曲面Aを有するガイド部材に沿わせかつ該連続曲面
    Aの凹状曲面部に対向するように配置された凸状曲面B
    を有する押圧部材によって押圧しながら通過せしめると
    ともに、振動している強化繊維束上に粉体状熱可塑性樹
    脂を連続的に供給して、繊維束を開繊させるとともに、
    粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラメント相互間に捕捉
    させる工程と、開繊された多数の樹脂付着連続強化繊維
    の熱可塑性樹脂を加熱溶融してシート状となし、ついで
    これを冷却固化する工程とを含むことを特徴とする繊維
    複合シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012020476A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Fujikura Ltd 繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置
CN113997604A (zh) * 2021-11-04 2022-02-01 重庆国际复合材料股份有限公司 一种纤维束预热分散展宽装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012020476A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Fujikura Ltd 繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置
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