JPH0938970A - 繊維複合シートの製造方法 - Google Patents
繊維複合シートの製造方法Info
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- JPH0938970A JPH0938970A JP19340395A JP19340395A JPH0938970A JP H0938970 A JPH0938970 A JP H0938970A JP 19340395 A JP19340395 A JP 19340395A JP 19340395 A JP19340395 A JP 19340395A JP H0938970 A JPH0938970 A JP H0938970A
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- reinforcing fiber
- thermoplastic resin
- convex curved
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- composite sheet
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- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 連続強化繊維束に対して粉体熱可塑性樹脂を
安定して確実に侵入させることができ、曲げ強度の強い
高品質の繊維複合シートを安定して製造することのでき
る方法を提供する。 【構成】 振動している凸曲面Aと振動していない凸曲
面Bとが交互に配列されてなる押圧部材2,3間に、多
数の連続モノフィラメントよりなる強化繊維束11を各
凸曲面A,Bに接触するように張架しつつ通過させ、そ
の間、振動状態の強化繊維束11に粉体状熱可塑性樹脂
21を連続的に定量供給することで、樹脂を各モノフィ
ラメントに付着させ、かつ、各モノフィラメント間に捕
捉した後、開繊状態の樹脂付着連続強化繊維束12の熱
可塑性樹脂を加熱溶融、冷却して一体化することで、強
化繊維が均一に分散した曲げ強度の高い繊維複合シート
を安定して得る。
安定して確実に侵入させることができ、曲げ強度の強い
高品質の繊維複合シートを安定して製造することのでき
る方法を提供する。 【構成】 振動している凸曲面Aと振動していない凸曲
面Bとが交互に配列されてなる押圧部材2,3間に、多
数の連続モノフィラメントよりなる強化繊維束11を各
凸曲面A,Bに接触するように張架しつつ通過させ、そ
の間、振動状態の強化繊維束11に粉体状熱可塑性樹脂
21を連続的に定量供給することで、樹脂を各モノフィ
ラメントに付着させ、かつ、各モノフィラメント間に捕
捉した後、開繊状態の樹脂付着連続強化繊維束12の熱
可塑性樹脂を加熱溶融、冷却して一体化することで、強
化繊維が均一に分散した曲げ強度の高い繊維複合シート
を安定して得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維複合シートの製
造方法に関する。
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維複合シートの製造に際しての強化繊
維束への樹脂の含浸方法として、従来、多数の連続モノ
フィラメントよりなる強化繊維束を、粉体状熱可塑性樹
脂の流動床中においてバーに擦りつけることによって、
各モノフィラメント間に粉体熱可塑性樹脂を侵入させて
含浸させる、いわゆる擦り込みによる方法が多用されて
いる。しかし、このような擦り込みによる含浸方法で
は、粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラメント間に安定
して確実に侵入させることができず、また、その結果、
個々のモノフィラメントが独立して均一に分散および開
繊した状態とはならずに、部分的に熱可塑性樹脂の含浸
不良が発生するという問題がある。このような含浸不良
は、得られた繊維複合シートの曲げ強度を低下させる原
因となる。
維束への樹脂の含浸方法として、従来、多数の連続モノ
フィラメントよりなる強化繊維束を、粉体状熱可塑性樹
脂の流動床中においてバーに擦りつけることによって、
各モノフィラメント間に粉体熱可塑性樹脂を侵入させて
含浸させる、いわゆる擦り込みによる方法が多用されて
いる。しかし、このような擦り込みによる含浸方法で
は、粉体状熱可塑性樹脂を各モノフィラメント間に安定
して確実に侵入させることができず、また、その結果、
個々のモノフィラメントが独立して均一に分散および開
繊した状態とはならずに、部分的に熱可塑性樹脂の含浸
不良が発生するという問題がある。このような含浸不良
は、得られた繊維複合シートの曲げ強度を低下させる原
因となる。
【0003】そこで、このような問題を解決すべく、近
年、多数の連続モノフィラメントからなる強化繊維束
を、振動が与えられている凸曲面に接触させながら通過
させ、その通過中に粉体状熱可塑性樹脂を散布供給する
ことにより、各モノフィラメント間に粉体熱可塑性樹脂
を侵入させる方法が提案されている(特開平6−335
920号)。この提案方法によれば、各モノフィラメン
ト自体を振動させることにより、その表面に付着した粉
体状熱可塑性樹脂が振動して各フィラメント間に侵入す
る力が補われる結果、含浸性を向上させることが可能と
なる。
年、多数の連続モノフィラメントからなる強化繊維束
を、振動が与えられている凸曲面に接触させながら通過
させ、その通過中に粉体状熱可塑性樹脂を散布供給する
ことにより、各モノフィラメント間に粉体熱可塑性樹脂
を侵入させる方法が提案されている(特開平6−335
920号)。この提案方法によれば、各モノフィラメン
ト自体を振動させることにより、その表面に付着した粉
体状熱可塑性樹脂が振動して各フィラメント間に侵入す
る力が補われる結果、含浸性を向上させることが可能と
なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上の提案
方法において、振動が与えられる凸曲面を連続フィラメ
ントの片面側に配置して各フィラメントに振動を伝えた
場合、各モノフィラメントに加わる振動のパワー、つま
り各フィラメントを緊張および弛緩させる力が弱く、粉
体状熱可塑性樹脂を各フィラメント間に侵入させる力お
よび拘束する力が弱くなり、所期の効果が得られなくな
る。また、振動する凸曲面を連続フィラメントの両面側
に配置して振動を伝達しても、両側の凸曲面が同位相で
同方向に振動した場合には、同様にフィラメントを緊張
および弛緩させる力が弱くなり、粉体状熱可塑性樹脂を
各フィラメント間に侵入させる力および拘束する力が低
下してしまうという欠点がある。
方法において、振動が与えられる凸曲面を連続フィラメ
ントの片面側に配置して各フィラメントに振動を伝えた
場合、各モノフィラメントに加わる振動のパワー、つま
り各フィラメントを緊張および弛緩させる力が弱く、粉
体状熱可塑性樹脂を各フィラメント間に侵入させる力お
よび拘束する力が弱くなり、所期の効果が得られなくな
る。また、振動する凸曲面を連続フィラメントの両面側
に配置して振動を伝達しても、両側の凸曲面が同位相で
同方向に振動した場合には、同様にフィラメントを緊張
および弛緩させる力が弱くなり、粉体状熱可塑性樹脂を
各フィラメント間に侵入させる力および拘束する力が低
下してしまうという欠点がある。
【0005】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、連続強化繊維束に対
して粉体状熱可塑性樹脂を安定して確実に侵入させるこ
とができ、もって曲げ強度の強い高品質の繊維複合シー
トを安定して製造することのできる方法を提供すること
にある。
もので、その目的とするところは、連続強化繊維束に対
して粉体状熱可塑性樹脂を安定して確実に侵入させるこ
とができ、もって曲げ強度の強い高品質の繊維複合シー
トを安定して製造することのできる方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの構成を、実施例図面である図1を参照しつつ説明す
ると、本発明の繊維複合シートの製造方法は、振動して
いる凸曲面Aと振動していない凸曲面Bとが、通常、交
互に配列されてなる押圧部材2,3間に、多数の連続モ
ノフィラメントよりなる強化繊維束11を各凸曲面A,
Bに接触するように張架しつつ通過させ、その通過中
に、振動している強化繊維束11に粉体状熱可塑性樹脂
21を連続的に定量供給することによって、樹脂を各モ
ノフィラメントに付着させ、かつ、各モノフィラメント
間に捕捉する工程と、開繊された樹脂付着連続強化繊維
束12の熱可塑性樹脂を加熱溶融、冷却して一体化する
工程とを含むことによって特徴づけられる。
めの構成を、実施例図面である図1を参照しつつ説明す
ると、本発明の繊維複合シートの製造方法は、振動して
いる凸曲面Aと振動していない凸曲面Bとが、通常、交
互に配列されてなる押圧部材2,3間に、多数の連続モ
ノフィラメントよりなる強化繊維束11を各凸曲面A,
Bに接触するように張架しつつ通過させ、その通過中
に、振動している強化繊維束11に粉体状熱可塑性樹脂
21を連続的に定量供給することによって、樹脂を各モ
ノフィラメントに付着させ、かつ、各モノフィラメント
間に捕捉する工程と、開繊された樹脂付着連続強化繊維
束12の熱可塑性樹脂を加熱溶融、冷却して一体化する
工程とを含むことによって特徴づけられる。
【0007】本発明で用いられる強化繊維は、使用する
熱可塑性樹脂の溶融温度において熱的に安定な繊維であ
ればよく、例えばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セ
ラミックス長繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、ポリ
エステル繊維、ビニロン等の有機繊維等が用いられる。
用いるモノフィラメントの直径は、取扱い性を考慮すれ
ば1〜50μm程度が好ましい。
熱可塑性樹脂の溶融温度において熱的に安定な繊維であ
ればよく、例えばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セ
ラミックス長繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、ポリ
エステル繊維、ビニロン等の有機繊維等が用いられる。
用いるモノフィラメントの直径は、取扱い性を考慮すれ
ば1〜50μm程度が好ましい。
【0008】本発明で用いられる粉体状熱可塑性樹脂と
しては、例えばポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等を
挙げることができる。粉体粒子の径は強化繊維のモノフ
ィラメント径に対する比率や、強化繊維束間に侵入・捕
捉されること等を考慮すると、10〜300μm程度が
好ましい。
しては、例えばポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等を
挙げることができる。粉体粒子の径は強化繊維のモノフ
ィラメント径に対する比率や、強化繊維束間に侵入・捕
捉されること等を考慮すると、10〜300μm程度が
好ましい。
【0009】ここで、本発明における凸曲面AまたはB
とは、連続モノフィラメントに対してその長手方向にあ
る程度の長さにわたって滑らかに接触できる曲面であれ
ば、その曲面形状は特に限定されず、図2(A)〜
(D)に例示するように、横断面が円形、半円形、略三
角形、略四角形等の棒状部材のほか、任意の凸曲面形状
に形成された面状部材等の表面を使用することができ
る。凸曲面の横断面形状を略三角形および略四角形とす
る場合には、図2(C),(D)に例示するように、強
化繊維束が接触する角隅部は、モノフィラメントを傷つ
け破断させないように当然のことながら丸くしておくこ
とが必要である。
とは、連続モノフィラメントに対してその長手方向にあ
る程度の長さにわたって滑らかに接触できる曲面であれ
ば、その曲面形状は特に限定されず、図2(A)〜
(D)に例示するように、横断面が円形、半円形、略三
角形、略四角形等の棒状部材のほか、任意の凸曲面形状
に形成された面状部材等の表面を使用することができ
る。凸曲面の横断面形状を略三角形および略四角形とす
る場合には、図2(C),(D)に例示するように、強
化繊維束が接触する角隅部は、モノフィラメントを傷つ
け破断させないように当然のことながら丸くしておくこ
とが必要である。
【0010】また、以上のような凸曲面の曲率は、接触
通過する強化繊維が切断されない程度のものであればい
いが、曲率半径5〜300mm程度が好ましく、振動す
る凸曲面Aについては、その点を考慮すると曲率半径1
0〜50mmの範囲とすることが望ましい。
通過する強化繊維が切断されない程度のものであればい
いが、曲率半径5〜300mm程度が好ましく、振動す
る凸曲面Aについては、その点を考慮すると曲率半径1
0〜50mmの範囲とすることが望ましい。
【0011】振動する凸曲面Aの数は限定されないが、
1つでは効果が少なく、反対に多数個に及んでも、粉体
熱可塑性樹脂が強化繊維束に入り込むのに飽和状態とな
って効果がなくなるため、2〜20個程度あればよい。
また、振動していない凸曲面Bの数は、振動する凸曲面
Aの数に応じて適宜に調整される。ここで、本発明で
は、強化繊維束を挟んでその両側に、振動する凸曲面A
と静止した凸曲面Bとは、通常、交互に配設されるが、
それぞれ1つ以上ずつあれば、振動する凸曲面A側に静
止した凸曲面Bをいくつか設けることを拒まない。な
お、振動する凸曲面A並びに静止した凸曲面Bは、それ
ぞれ強化繊維束を挟んで上下どちら側に配置してもよ
く、例えば図1のように振動する凸曲面Aを強化繊維束
11の下方に配置して、静止した凸曲面Bを上方に配置
してもよいし、これとは逆に図3に模式的に示すよう
に、振動する凸曲面Aを強化繊維束11の上方に配置
し、静止した凸曲面Bを下方に配置してもよい。
1つでは効果が少なく、反対に多数個に及んでも、粉体
熱可塑性樹脂が強化繊維束に入り込むのに飽和状態とな
って効果がなくなるため、2〜20個程度あればよい。
また、振動していない凸曲面Bの数は、振動する凸曲面
Aの数に応じて適宜に調整される。ここで、本発明で
は、強化繊維束を挟んでその両側に、振動する凸曲面A
と静止した凸曲面Bとは、通常、交互に配設されるが、
それぞれ1つ以上ずつあれば、振動する凸曲面A側に静
止した凸曲面Bをいくつか設けることを拒まない。な
お、振動する凸曲面A並びに静止した凸曲面Bは、それ
ぞれ強化繊維束を挟んで上下どちら側に配置してもよ
く、例えば図1のように振動する凸曲面Aを強化繊維束
11の下方に配置して、静止した凸曲面Bを上方に配置
してもよいし、これとは逆に図3に模式的に示すよう
に、振動する凸曲面Aを強化繊維束11の上方に配置
し、静止した凸曲面Bを下方に配置してもよい。
【0012】また、凸曲面Aの振幅および振動数は特に
限定されないが、以下の範囲とすることが望ましい。振
幅は、強化繊維束に対して確実に振動が伝われば微弱で
あってもよいが、粉体状熱可塑性樹脂の強化繊維束に対
する侵入を向上させるためには、0.1〜10mm程度
がよい。また、振動数は、小さすぎると含浸性向上の効
果が低く、大きすぎるとモノフィラメントに付着および
含浸した粉体状熱可塑性樹脂が降り落ちるという現象が
発生するので、一般には15〜250回/秒程度が好ま
しい。ここで、振動数および振幅が経時的に変化する
と、それに連れて粉体状熱可塑性樹脂がフィラメント間
に侵入する力が変化し、成形品厚みなどにむらが発生す
る可能性があることから、好ましくは、振動数および振
幅は経時的に変化することのない一定の振動を繰り返す
ようにすることが望ましい。
限定されないが、以下の範囲とすることが望ましい。振
幅は、強化繊維束に対して確実に振動が伝われば微弱で
あってもよいが、粉体状熱可塑性樹脂の強化繊維束に対
する侵入を向上させるためには、0.1〜10mm程度
がよい。また、振動数は、小さすぎると含浸性向上の効
果が低く、大きすぎるとモノフィラメントに付着および
含浸した粉体状熱可塑性樹脂が降り落ちるという現象が
発生するので、一般には15〜250回/秒程度が好ま
しい。ここで、振動数および振幅が経時的に変化する
と、それに連れて粉体状熱可塑性樹脂がフィラメント間
に侵入する力が変化し、成形品厚みなどにむらが発生す
る可能性があることから、好ましくは、振動数および振
幅は経時的に変化することのない一定の振動を繰り返す
ようにすることが望ましい。
【0013】凸曲面AおよびBの材質は特に限定されな
いが、金属、プラスチック等、フィラメントを傷つけた
り破断させない表面状態のものが望ましい。凸曲面Aに
振動を与えるための振動装置としては、一般に、モータ
とカム、エア弁、油圧弁を使用したものや、高周波振動
を与えるバイブレーターなどを用いることができ、ま
た、これらの振動装置を適宜に組み合わせたものを用い
てもよい。
いが、金属、プラスチック等、フィラメントを傷つけた
り破断させない表面状態のものが望ましい。凸曲面Aに
振動を与えるための振動装置としては、一般に、モータ
とカム、エア弁、油圧弁を使用したものや、高周波振動
を与えるバイブレーターなどを用いることができ、ま
た、これらの振動装置を適宜に組み合わせたものを用い
てもよい。
【0014】本発明において、強化繊維束を凸曲面A,
Bに接触するように張架しつつ通過させるに当たり、強
化繊維束に与えるテンションは、小さすぎると強化繊維
束表面に粉体状熱可塑性樹脂が付着するだけで含浸性が
悪く、その結果、得られる繊維複合シートの曲げ強度の
低下を招き、また、大きすぎるとモノフィラメント単位
で破断する恐れがあるので、強化繊維束として、例えば
4400tex、平均フィラメント径23μmのガラス
繊維束を用いる場合においては、100〜2000g/
本程度が望ましい。
Bに接触するように張架しつつ通過させるに当たり、強
化繊維束に与えるテンションは、小さすぎると強化繊維
束表面に粉体状熱可塑性樹脂が付着するだけで含浸性が
悪く、その結果、得られる繊維複合シートの曲げ強度の
低下を招き、また、大きすぎるとモノフィラメント単位
で破断する恐れがあるので、強化繊維束として、例えば
4400tex、平均フィラメント径23μmのガラス
繊維束を用いる場合においては、100〜2000g/
本程度が望ましい。
【0015】本発明において、粉体状熱可塑性樹脂を連
続的に定量供給するには、一般的な供給装置を用いれば
よく、その具体例としては、一定目開きのふるい、ベル
トフィーダー、スクリューフィーダー等を挙げることが
できる。また、粉体状熱可塑性樹脂のモノフィラメント
間への侵入を容易にするために、空気と粉体状熱可塑性
樹脂とを混合した後、これを強制的に強化繊維束に対し
て、その上方より、あるいは場合によっては上下左右方
向より吹きつけて供給する方法を採用することができ
る。この場合には、供給装置として例えばエゼクターフ
ィーダーやエアスライドフィーダー等を用いる。粉体状
熱可塑性樹脂の供給量は特に限定されないが、粉体の特
性(粒子径、粒度分布等)や、強化繊維のモノフィラメ
ントの直径や、必要とされる強化繊維含有率、あるいは
強化繊維への付着率に応じて適宜調節される。供給量の
調節は、ふるいを用いる場合、ふるいの振動数を変化さ
せることによって行うことができ、エゼクタフィーダー
やエアスライドフィーダーを用いる場合には、空気圧や
空気中の熱可塑性樹脂濃度を変化させることによって行
うことができる。
続的に定量供給するには、一般的な供給装置を用いれば
よく、その具体例としては、一定目開きのふるい、ベル
トフィーダー、スクリューフィーダー等を挙げることが
できる。また、粉体状熱可塑性樹脂のモノフィラメント
間への侵入を容易にするために、空気と粉体状熱可塑性
樹脂とを混合した後、これを強制的に強化繊維束に対し
て、その上方より、あるいは場合によっては上下左右方
向より吹きつけて供給する方法を採用することができ
る。この場合には、供給装置として例えばエゼクターフ
ィーダーやエアスライドフィーダー等を用いる。粉体状
熱可塑性樹脂の供給量は特に限定されないが、粉体の特
性(粒子径、粒度分布等)や、強化繊維のモノフィラメ
ントの直径や、必要とされる強化繊維含有率、あるいは
強化繊維への付着率に応じて適宜調節される。供給量の
調節は、ふるいを用いる場合、ふるいの振動数を変化さ
せることによって行うことができ、エゼクタフィーダー
やエアスライドフィーダーを用いる場合には、空気圧や
空気中の熱可塑性樹脂濃度を変化させることによって行
うことができる。
【0016】更に、粉体状熱可塑性樹脂をモノフィラメ
ント相互間により十分にかつ容易に侵入させるために
は、強化繊維束を介して粉体状熱可塑性樹脂の供給装置
の吐出口と対向するように、吸引装置の吸引口を配置
し、供給された粉体状熱可塑性樹脂混合空気を強化繊維
束を介して吸引するようにすればよい。吸引装置は、真
空ポンプや局部排気装置、あるいはサイクロン装置等を
用いることができる。
ント相互間により十分にかつ容易に侵入させるために
は、強化繊維束を介して粉体状熱可塑性樹脂の供給装置
の吐出口と対向するように、吸引装置の吸引口を配置
し、供給された粉体状熱可塑性樹脂混合空気を強化繊維
束を介して吸引するようにすればよい。吸引装置は、真
空ポンプや局部排気装置、あるいはサイクロン装置等を
用いることができる。
【0017】本発明において、開繊された樹脂付着強化
繊維を加熱するための加熱源の具体例としては、加熱ロ
ール、熱風、遠赤外線ヒータ等の汎用のものを挙げるこ
とができ、加熱ロールを用いる場合、樹脂付着連続強化
繊維をロール間でピンチてし成形してもよい。加熱温度
および加熱時間は、粉体状熱可塑性樹脂の種類およびそ
の配合に応じて適宜に定められる。
繊維を加熱するための加熱源の具体例としては、加熱ロ
ール、熱風、遠赤外線ヒータ等の汎用のものを挙げるこ
とができ、加熱ロールを用いる場合、樹脂付着連続強化
繊維をロール間でピンチてし成形してもよい。加熱温度
および加熱時間は、粉体状熱可塑性樹脂の種類およびそ
の配合に応じて適宜に定められる。
【0018】また、本発明における冷却の方法は、用い
る粉体状熱可塑性樹脂の種類および配合に応じて適宜定
められ、常温での自然冷却や、水冷、循環水等を用いた
冷却ロール等の汎用されている方法を採用することがで
き、冷却ロールを用いる場合には、加熱された樹脂付着
連続強化繊維をロール間でピンチしてもよい。冷却時間
等は、用いる粉体状熱可塑性樹脂の材温が軟化点以下の
温度に下がるように設定するのが好ましい。
る粉体状熱可塑性樹脂の種類および配合に応じて適宜定
められ、常温での自然冷却や、水冷、循環水等を用いた
冷却ロール等の汎用されている方法を採用することがで
き、冷却ロールを用いる場合には、加熱された樹脂付着
連続強化繊維をロール間でピンチしてもよい。冷却時間
等は、用いる粉体状熱可塑性樹脂の材温が軟化点以下の
温度に下がるように設定するのが好ましい。
【0019】
【作用】本発明の繊維複合シートの製造方法では、振動
している凸曲面Aと振動していない静止状態の凸曲面B
とを配列してなる押圧部材2,3 間に、多数の連続モ
ノフィラメントからなる強化繊維束11を各凸曲面A,
Bに接触するように張架しつつ通過させ、これにより振
動が伝えられた強化繊維束11に粉体状熱可塑性樹脂2
1を連続的に定量供給することで、粉体状熱可塑性樹脂
21を各モノフィラメント間に侵入させて捕捉させるた
め、強化繊維束11には、単に片面側を振動している凸
曲面に接触させる場合に比して、凸曲面Aの振動が確実
にしかも効率的に伝達されることになり、強い力で緊張
と弛緩が繰り返し加えられる。また、一方の凸曲面Bは
振動せずに静止しているため、強化繊維束に同位相で同
方向に振動が伝達されるような不具合が生じる恐れもな
く、上記した緊張と弛緩の繰り返しは安定したものとな
り、安定的に各モノフィラメント間に粉体状熱可塑性樹
脂を侵入させることができる。
している凸曲面Aと振動していない静止状態の凸曲面B
とを配列してなる押圧部材2,3 間に、多数の連続モ
ノフィラメントからなる強化繊維束11を各凸曲面A,
Bに接触するように張架しつつ通過させ、これにより振
動が伝えられた強化繊維束11に粉体状熱可塑性樹脂2
1を連続的に定量供給することで、粉体状熱可塑性樹脂
21を各モノフィラメント間に侵入させて捕捉させるた
め、強化繊維束11には、単に片面側を振動している凸
曲面に接触させる場合に比して、凸曲面Aの振動が確実
にしかも効率的に伝達されることになり、強い力で緊張
と弛緩が繰り返し加えられる。また、一方の凸曲面Bは
振動せずに静止しているため、強化繊維束に同位相で同
方向に振動が伝達されるような不具合が生じる恐れもな
く、上記した緊張と弛緩の繰り返しは安定したものとな
り、安定的に各モノフィラメント間に粉体状熱可塑性樹
脂を侵入させることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、強化繊維束に対して安
定して強い力のもとに緊張と弛緩を繰り返し与えた状態
で、粉体状熱可塑性樹脂が定量供給するため、粉体状熱
可塑性樹脂を強化繊維束の各フィラメント間に侵入させ
る力および拘束する力が従来の提案方法に比して安定し
て強くなり、粉体状熱可塑性樹脂の強化繊維束に対する
含浸性が繊維束の全域にわたって向上する結果、粉体状
熱可塑性樹脂が各モノフィラメント間に確実に侵入し、
強化繊維束の個々のモノフィラメントが全体的に均一に
分散した繊維複合シートが得られ、曲げ強度の強い繊維
複合シートを安定して製造することが可能となった。
定して強い力のもとに緊張と弛緩を繰り返し与えた状態
で、粉体状熱可塑性樹脂が定量供給するため、粉体状熱
可塑性樹脂を強化繊維束の各フィラメント間に侵入させ
る力および拘束する力が従来の提案方法に比して安定し
て強くなり、粉体状熱可塑性樹脂の強化繊維束に対する
含浸性が繊維束の全域にわたって向上する結果、粉体状
熱可塑性樹脂が各モノフィラメント間に確実に侵入し、
強化繊維束の個々のモノフィラメントが全体的に均一に
分散した繊維複合シートが得られ、曲げ強度の強い繊維
複合シートを安定して製造することが可能となった。
【0021】
【実施例】以下、本発明方法を適用して実際に繊維複合
シートを製造した例を、比較例とともに述べる。 <実施例>図1は本発明実施例で用いた製造装置の構成
を示す模式図であり、強化繊維束11は図中右方から左
方へと向かって送られ、以下の説明においては、図中左
方を前方と称する。
シートを製造した例を、比較例とともに述べる。 <実施例>図1は本発明実施例で用いた製造装置の構成
を示す模式図であり、強化繊維束11は図中右方から左
方へと向かって送られ、以下の説明においては、図中左
方を前方と称する。
【0022】強化繊維束11を巻回した複数の巻き戻し
ロール1の前方に、後述する押圧部材2・・2,3・・3が
配設されているとともに、その押圧部材2・・2,3・・3
の上方には、粉体状熱可塑性樹脂21を供給するための
粉体樹脂供給装置4が3台配設されている。また、押圧
部材2・・2,3・・3および粉体樹脂供給装置4の前方に
は、それぞれ一対の加熱ロール6、冷却ロール7、およ
び引き取りロール8が順に配設され、最後に巻き取りロ
ール9が設けられている。
ロール1の前方に、後述する押圧部材2・・2,3・・3が
配設されているとともに、その押圧部材2・・2,3・・3
の上方には、粉体状熱可塑性樹脂21を供給するための
粉体樹脂供給装置4が3台配設されている。また、押圧
部材2・・2,3・・3および粉体樹脂供給装置4の前方に
は、それぞれ一対の加熱ロール6、冷却ロール7、およ
び引き取りロール8が順に配設され、最後に巻き取りロ
ール9が設けられている。
【0023】押圧部材2・・2,3・・3は、この例におい
てそれぞれが断面形状が直径50mmの円形で、長さが
600mmの棒状の鉄製部材によって構成され、これら
が上下に6本ずつ互いに平行に、強化繊維束11の進行
方向と直交した状態で配列れれている。上下の各列中に
おける各押圧部材2・・2間、および3・・3間の配列ピッ
チはそれぞれ160mmである。
てそれぞれが断面形状が直径50mmの円形で、長さが
600mmの棒状の鉄製部材によって構成され、これら
が上下に6本ずつ互いに平行に、強化繊維束11の進行
方向と直交した状態で配列れれている。上下の各列中に
おける各押圧部材2・・2間、および3・・3間の配列ピッ
チはそれぞれ160mmである。
【0024】そして、このうち、下方の列を形成する押
圧部材2・・2は、フレーム2aを介して振動装置10に
連結されており、この振動装置10が発生する振動が伝
わるようになっている。一方、上方の列を形成する押圧
部材3・・3は、フレーム2aとは切り離された別のフレ
ーム(図示せず)に固定されており、振動装置10の振
動が伝わらないように考慮されている。これらの上下の
各押圧部材2・・2と3・・3は、上下方向には、上下の押
圧部材の中心間距離が25mmであり、これによって下
方の押圧部材2・・2の上面が上方の押圧部材3・・3の下
面よりも上方に位置するように配置され、また、前後方
向には、上下の押圧部材2・・2および3・・3が交互に、
かつ、それぞれの中間位置に位置するように配置されて
いる。
圧部材2・・2は、フレーム2aを介して振動装置10に
連結されており、この振動装置10が発生する振動が伝
わるようになっている。一方、上方の列を形成する押圧
部材3・・3は、フレーム2aとは切り離された別のフレ
ーム(図示せず)に固定されており、振動装置10の振
動が伝わらないように考慮されている。これらの上下の
各押圧部材2・・2と3・・3は、上下方向には、上下の押
圧部材の中心間距離が25mmであり、これによって下
方の押圧部材2・・2の上面が上方の押圧部材3・・3の下
面よりも上方に位置するように配置され、また、前後方
向には、上下の押圧部材2・・2および3・・3が交互に、
かつ、それぞれの中間位置に位置するように配置されて
いる。
【0025】以上の押圧部材2・・2,3・・3の配列構成
により、後述するように、強化繊維束11を、適当なテ
ンションを付与しつつ、これらの押圧部材2・・2,3・・
3間を通過させると、強化繊維束11は、上下の各押圧
部材2・・2および3・・3にそれぞれ上下面が接触しなが
ら、上下に蛇行するように進行することになる。そし
て、このとき、振動装置10を駆動すると、強化繊維束
11は振動している押圧部材2・・2の表面、つまり振動
している凸曲面Aと、振動していない押圧部材3・・3の
表面、つまり振動していない凸曲面Bの双方に上下面が
それぞれ接触しながら進行することになる。
により、後述するように、強化繊維束11を、適当なテ
ンションを付与しつつ、これらの押圧部材2・・2,3・・
3間を通過させると、強化繊維束11は、上下の各押圧
部材2・・2および3・・3にそれぞれ上下面が接触しなが
ら、上下に蛇行するように進行することになる。そし
て、このとき、振動装置10を駆動すると、強化繊維束
11は振動している押圧部材2・・2の表面、つまり振動
している凸曲面Aと、振動していない押圧部材3・・3の
表面、つまり振動していない凸曲面Bの双方に上下面が
それぞれ接触しながら進行することになる。
【0026】なお、各押圧部材2・・2および3・・3は、
いずれもフレームに対して非回転の状態で固着されてい
る。ちなみに、これらを回転自在に支承した場合には、
連続強化繊維の切断状態のものが絡みつくことが多くな
り、トラブルの発生源ともなり得る。
いずれもフレームに対して非回転の状態で固着されてい
る。ちなみに、これらを回転自在に支承した場合には、
連続強化繊維の切断状態のものが絡みつくことが多くな
り、トラブルの発生源ともなり得る。
【0027】前記した振動装置10にはバイブレータを
用いており、これによって下方の各押圧部材2・・2に上
下方向に振幅0.3mm、振動数7200回/分の高周
波振動が与えられるようになっている。
用いており、これによって下方の各押圧部材2・・2に上
下方向に振幅0.3mm、振動数7200回/分の高周
波振動が与えられるようになっている。
【0028】さて、以上の製造装置を用い、巻き戻しロ
ール1から多数の連続フィラメントよりなる強化繊維束
11を、振動や引き取り力によって過分に巻きだされな
い程度のバックテンション(本実施例では500g/本
の力)をかけながら、16本巻き戻し、押圧部材2・・
2,3・・3間を通すことによって、振動装置10の駆動
により振動している凸曲面Aと、静止している凸曲面B
の間を、これらの各凸曲面A,Bに接触させながら通過
させ、これによって強化繊維束11を開繊させるととも
に、開繊され、かつ、振動している強化繊維束11に対
して、3台の粉体樹脂供給装置4から粉体状熱可塑性樹
脂21を定量供給して、その粉体状熱可塑性樹脂21を
強化繊維束11の各モノフィラメントに付着させると同
時に、各モノフィラメント間に捕捉させた。各粉体樹脂
供給装置4からの粉体状熱可塑性樹脂21の供給量は、
1台当たり750g/分とした。
ール1から多数の連続フィラメントよりなる強化繊維束
11を、振動や引き取り力によって過分に巻きだされな
い程度のバックテンション(本実施例では500g/本
の力)をかけながら、16本巻き戻し、押圧部材2・・
2,3・・3間を通すことによって、振動装置10の駆動
により振動している凸曲面Aと、静止している凸曲面B
の間を、これらの各凸曲面A,Bに接触させながら通過
させ、これによって強化繊維束11を開繊させるととも
に、開繊され、かつ、振動している強化繊維束11に対
して、3台の粉体樹脂供給装置4から粉体状熱可塑性樹
脂21を定量供給して、その粉体状熱可塑性樹脂21を
強化繊維束11の各モノフィラメントに付着させると同
時に、各モノフィラメント間に捕捉させた。各粉体樹脂
供給装置4からの粉体状熱可塑性樹脂21の供給量は、
1台当たり750g/分とした。
【0029】この実施例において、強化繊維束11はロ
ービング状ガラス繊維(4400tex、平均フィラメ
ント径23μm)とした。また、粉体状熱可塑性樹脂2
1としては、粉体状塩化ビニル樹脂(平均重合度=80
0、平均粒子径100μm)100phrに対して、安
定剤2.0phr、滑剤0.5phrをスーパーミキサ
にて120°Cまで混合・昇温させた後、冷却ミキサで
15分間冷却したものを用いた。
ービング状ガラス繊維(4400tex、平均フィラメ
ント径23μm)とした。また、粉体状熱可塑性樹脂2
1としては、粉体状塩化ビニル樹脂(平均重合度=80
0、平均粒子径100μm)100phrに対して、安
定剤2.0phr、滑剤0.5phrをスーパーミキサ
にて120°Cまで混合・昇温させた後、冷却ミキサで
15分間冷却したものを用いた。
【0030】上記の含浸工程を経た樹脂付着連続強化繊
維束12を、最前方の静止した押圧部材3の表面(最終
の静止した凸曲面B)において全体がシート状になるよ
うに揃えた後、ロール表面温度が206°Cの一対の加
熱ロール6の表面に沿わせて加熱並びにピンチし、樹脂
付着強化繊維束12の熱可塑性樹脂を177°Cまで加
熱溶融してシート状に一体化した後、ロール表面温度が
39°Cの一対の冷却ロール7によって冷却並びにピン
チすることによって、シート表面温度を72°Cにまで
冷却して繊維複合シート13を得て、これを引き取りロ
ール8で引き取って巻き取り装置9に巻き取った。 <比較例>以上の実施例における製造装置において、静
止した凸曲面Bを形成する上方の押圧部材3・・3を、振
動する凸曲面Aを形成する下方の押圧部材2・・2と同様
にフレームを介して振動装置に接続することにより、全
ての押圧部材2・・2,3・・3を振動させた状態とし、他
は上記の実施例と全く同様にして繊維複合シートを製造
した。 <各例により得られた繊維複合シートの評価>図4
(A)および(B)は、それぞれ以上の実施例および比
較例により得られた繊維複合シートの断面写真である。
維束12を、最前方の静止した押圧部材3の表面(最終
の静止した凸曲面B)において全体がシート状になるよ
うに揃えた後、ロール表面温度が206°Cの一対の加
熱ロール6の表面に沿わせて加熱並びにピンチし、樹脂
付着強化繊維束12の熱可塑性樹脂を177°Cまで加
熱溶融してシート状に一体化した後、ロール表面温度が
39°Cの一対の冷却ロール7によって冷却並びにピン
チすることによって、シート表面温度を72°Cにまで
冷却して繊維複合シート13を得て、これを引き取りロ
ール8で引き取って巻き取り装置9に巻き取った。 <比較例>以上の実施例における製造装置において、静
止した凸曲面Bを形成する上方の押圧部材3・・3を、振
動する凸曲面Aを形成する下方の押圧部材2・・2と同様
にフレームを介して振動装置に接続することにより、全
ての押圧部材2・・2,3・・3を振動させた状態とし、他
は上記の実施例と全く同様にして繊維複合シートを製造
した。 <各例により得られた繊維複合シートの評価>図4
(A)および(B)は、それぞれ以上の実施例および比
較例により得られた繊維複合シートの断面写真である。
【0031】この断面写真から明らかなように、実施例
で製造した繊維複合シートはガラス繊維の分散状態が極
めて良好で、これにより粉体状熱可塑性樹脂が各モノフ
ィラメント間に容易に侵入し、かつ、拘束されたこと、
つまり粉体状熱可塑性樹脂の強化繊維束に対する含浸性
が極めて良好であることが確認された。
で製造した繊維複合シートはガラス繊維の分散状態が極
めて良好で、これにより粉体状熱可塑性樹脂が各モノフ
ィラメント間に容易に侵入し、かつ、拘束されたこと、
つまり粉体状熱可塑性樹脂の強化繊維束に対する含浸性
が極めて良好であることが確認された。
【0032】一方、比較例により製造した繊維複合シー
トでは、ガラス繊維の分散状態がよくない箇所が見受け
られ、また、ガラス繊維が存在せずに熱可塑性樹脂だけ
で占められている箇所も存在している(特に、シートの
厚み方向に均一に分散せず、ガラス繊維の多い箇所と少
ない箇所とが層状に現れている)。このようにガラス繊
維が開繊せず、塊の状態で存在する場合、ガラス繊維の
塊の箇所において、ガラス繊維配向方向と同方向に繊維
複合シートが割れる可能性が大きく、曲げ強度を低下さ
せる原因となる。
トでは、ガラス繊維の分散状態がよくない箇所が見受け
られ、また、ガラス繊維が存在せずに熱可塑性樹脂だけ
で占められている箇所も存在している(特に、シートの
厚み方向に均一に分散せず、ガラス繊維の多い箇所と少
ない箇所とが層状に現れている)。このようにガラス繊
維が開繊せず、塊の状態で存在する場合、ガラス繊維の
塊の箇所において、ガラス繊維配向方向と同方向に繊維
複合シートが割れる可能性が大きく、曲げ強度を低下さ
せる原因となる。
【0033】以上の各例の結果の比較から、比較例で
は、強化繊維束を挟んで上下両側の凸曲面が同時に振動
するとき、両側の凸曲面が互いに同位相で同方向に振動
した場合に、各モノフィラメントの緊張と弛緩を繰り返
す力が実施例との比較において小さく、その結果、凸曲
面による擦り込み効果、および、粉体状熱可塑性樹脂を
侵入させる効果が不足すると考えられる。
は、強化繊維束を挟んで上下両側の凸曲面が同時に振動
するとき、両側の凸曲面が互いに同位相で同方向に振動
した場合に、各モノフィラメントの緊張と弛緩を繰り返
す力が実施例との比較において小さく、その結果、凸曲
面による擦り込み効果、および、粉体状熱可塑性樹脂を
侵入させる効果が不足すると考えられる。
【0034】次に、実施例と比較例により製造された繊
維複合シートの曲げ試験の測定結果を〔表1〕に示す。
この曲げ強度の測定においては、図5に示すように、シ
ートを曲げる方向は、繊維配向方向と圧子51とが平行
となるようにした。試験片は厚さ0.4mm、幅30m
m、長さ100mmのものを用い、支点間距離(支え治
具52,53間の距離)を30mmとし、試験速度1m
m/minの条件で、実施例および比較例についてそれ
ぞれ10サンプルずつ測定した。
維複合シートの曲げ試験の測定結果を〔表1〕に示す。
この曲げ強度の測定においては、図5に示すように、シ
ートを曲げる方向は、繊維配向方向と圧子51とが平行
となるようにした。試験片は厚さ0.4mm、幅30m
m、長さ100mmのものを用い、支点間距離(支え治
具52,53間の距離)を30mmとし、試験速度1m
m/minの条件で、実施例および比較例についてそれ
ぞれ10サンプルずつ測定した。
【0035】
【表1】
【0036】この曲げ強度の測定結果から、実施例で得
られた繊維複合シートは、比較例で得られたものに比し
て曲げ強度に優れていることが確認された。これは、比
較例で得られたシートはガラス繊維間に熱可塑性樹脂が
良好に含浸されていないため、ガラス繊維の分散状態が
良好でなく、その分散状態が良好でない箇所において強
度低下を引き起こしているものと推察される。
られた繊維複合シートは、比較例で得られたものに比し
て曲げ強度に優れていることが確認された。これは、比
較例で得られたシートはガラス繊維間に熱可塑性樹脂が
良好に含浸されていないため、ガラス繊維の分散状態が
良好でなく、その分散状態が良好でない箇所において強
度低下を引き起こしているものと推察される。
【図1】本発明実施例で用いた製造装置の構成を示す模
式図
式図
【図2】その押圧部材2・・2,3・・3の横断面形状の他
の例の説明図
の例の説明図
【図3】本発明方法を適用した製造装置における押圧部
材の他の配列例の説明図
材の他の配列例の説明図
【図4】本発明実施例により製造された繊維複合シート
の断面写真(A)と、比較例により製造された繊維複合
シートの断面写真(B)
の断面写真(A)と、比較例により製造された繊維複合
シートの断面写真(B)
【図5】本発明実施例および比較例で製造された繊維複
合シートの曲げ強度の測定方法の説明図
合シートの曲げ強度の測定方法の説明図
2・・2,3・・3 押圧部材 4 粉体樹脂供給装置 6 加熱ロール 7 冷却ロール 8 引き取りロール 10 振動装置 11 強化繊維束 12 樹脂付着連続強化繊維束 13 繊維複合シート
Claims (1)
- 【請求項1】 振動している凸曲面と振動していない凸
曲面とが配列されてなる押圧部材間に、多数の連続モノ
フィラメントよりなる強化繊維束を各凸曲面に接触する
ように張架しつつ通過させ、その通過中に、振動してい
る強化繊維束に粉体状熱可塑性樹脂を連続的に定量供給
することによって、各モノフィラメントに樹脂を付着さ
せ、かつ、各モノフィラメント間に捕捉する工程と、開
繊された多数の樹脂付着連続強化繊維の熱可塑性樹脂を
加熱溶融、冷却して一体化する工程とを含む、繊維複合
シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19340395A JPH0938970A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 繊維複合シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19340395A JPH0938970A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 繊維複合シートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0938970A true JPH0938970A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16307378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19340395A Pending JPH0938970A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 繊維複合シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0938970A (ja) |
-
1995
- 1995-07-28 JP JP19340395A patent/JPH0938970A/ja active Pending
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