JP2001129827A - 長繊維ペレットおよびその製造方法ならびにその製造装置 - Google Patents

長繊維ペレットおよびその製造方法ならびにその製造装置

Info

Publication number
JP2001129827A
JP2001129827A JP31642699A JP31642699A JP2001129827A JP 2001129827 A JP2001129827 A JP 2001129827A JP 31642699 A JP31642699 A JP 31642699A JP 31642699 A JP31642699 A JP 31642699A JP 2001129827 A JP2001129827 A JP 2001129827A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
fiber bundle
impregnation
matrix resin
pellet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31642699A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Tanaka
清次 田中
Hiroshi Otani
洋 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP31642699A priority Critical patent/JP2001129827A/ja
Publication of JP2001129827A publication Critical patent/JP2001129827A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B9/00Making granules
    • B29B9/12Making granules characterised by structure or composition
    • B29B9/14Making granules characterised by structure or composition fibre-reinforced
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/03Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor characterised by the shape of the extruded material at extrusion
    • B29C48/06Rod-shaped
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/15Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. extrusion moulding around inserts
    • B29C48/156Coating two or more articles simultaneously
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/16Articles comprising two or more components, e.g. co-extruded layers
    • B29C48/18Articles comprising two or more components, e.g. co-extruded layers the components being layers
    • B29C48/21Articles comprising two or more components, e.g. co-extruded layers the components being layers the layers being joined at their surfaces

Abstract

(57)【要約】 【課題】強化繊維束の抜けや被覆された樹脂部の割れな
どにより強化繊維束の一部が露出することがなく、ま
た、成形品の表面に強化繊維の浮きや射出成形機の金型
汚れが生じず、成形材料の樹脂含浸性が高く、以て剛性
のある高品位な成形品を生産できる長繊維ペレットおよ
びその製造方法ならびにその製造装置を提供する。 【解決手段】連続した強化繊維束にマトリックス樹脂が
含浸されてなる長繊維ペレットにおいて、該強化繊維束
の重量範囲が20〜40%で、かつ長繊維ペレットの含
浸度が70%以上であることを特徴とする長繊維ペレッ
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長繊維強化構造物
に関する。更に詳しくは、射出成形などに用いられる、
連続した強化繊維束にマトリックス樹脂が含浸されてな
る長繊維ペレットおよびその製造方法ならびにその製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化熱可塑性樹脂原料の製造
方法としては、射出成形に供する繊維強化構造物を作る
場合には、一般的に3mm位に強化繊維束を切断したチョ
ップドストランドと樹脂とを押出機により混練押出する
方法が知られている。
【0003】しかし、この方法で作った繊維強化物は短
繊維ペレットと呼ばれるもので、このペレットを用いて
射出成形した場合、成形品中の強化繊維の長さが実質的
に1mm以下になり、強化繊維による物性向上効果を十分
発現することができない。
【0004】また、連続した強化繊維束の周囲を熱可塑
性樹脂で被覆し、長繊維ペレットと呼ばれるものとして
は、特開昭59−62114号公報にワイヤコーティン
グ法により炭素繊維束に溶融樹脂を被覆した材料が記載
されている。また、そのような材料をある長さに切断
し、射出成形などに用いる成形材料とすることは、例え
ば実開昭60−62912号明細書に記載されている。
【0005】しかしこのような長繊維ペレットは、強化
繊維束の周囲を樹脂で被覆するだけであるため、極簡単
な設備で製造でき、かつ生産性に優れる反面、強化繊維
束に樹脂が含浸されていないため、貯槽ホッパーから各
射出成形機のホッパーへ空送したり、あるいは直接射出
成形機のホッパーに投入した際、空送により強化繊維束
の一部が抜けたり、被覆された樹脂部の割れなどにより
強化繊維束の一部が露出し、抜けた繊維や露出した繊維
が絡まりなどを起こして配管内やホッパー内に詰まりな
どのトラブルを生じる欠点があった。
【0006】また、このような強化繊維束を樹脂で被覆
した成形材料は、射出成形機内で繊維の分散と含浸を同
時に行う必要から、高分子量で高粘度の熱可塑性樹脂を
使用すると含浸不良を生じる場合が多いため、低分子量
の樹脂を使用することが多い。しかしながらこのような
樹脂は反面非常に脆いという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点に鑑みてなされたもので、強化繊維束の抜けや被覆
された樹脂部の割れなどにより強化繊維束の一部が露出
することがなく、また、成形品の表面に強化繊維の浮き
や射出成形機の金型汚れが生じず、成形材料の樹脂含浸
性が高く、以て剛性のある高品位な成形品を生産できる
長繊維ペレットおよびその製造方法ならびにその製造装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、以下の構成を採用する。すなわち、本発
明の連続した強化繊維束にマトリックス樹脂が含浸され
てなる長繊維ペレットは、強化繊維束の重量範囲が20
〜40%で、かつ長繊維ペレットの含浸度が70%以上
であることを特徴とする。
【0009】また、上記長繊維ペレットにおいて、好ま
しい態様は、長繊維ペレットが、1〜50mmの範囲の長
さに切断されていることを特徴とする。
【0010】また、長繊維ペレットの強化繊維束が炭素
繊維であること、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂で、
重量平均分子量が10,000〜100,000である
ことを特徴とする。
【0011】本発明の長繊維ペレットの製造方法は、複
数の単繊維からなる強化繊維束を幅方向に繊維と繊維の
間の間隔が広がるように開繊し、該開繊繊維束に、マト
リックス樹脂を薄膜状で塗布含浸した後、該塗布含浸さ
れた開繊繊維束を集束して賦型することを特徴とする。
【0012】本発明の長繊維ペレットの製造装置は、含
浸ゾーン、冷却ゾーンおよびペレタイズゾーンからな
り、上記含浸ゾーンは、溶融したマトリックス樹脂の押
出機と、マトリックス樹脂を定量吐出するギアポンプ
と、マトリックス樹脂を薄膜状で塗布含浸する含浸部
と、該マトリックス樹脂が塗布含浸された開繊繊維束を
集束して賦型する集束賦型部を有することを特徴とす
る。
【0013】また、更に好ましくは開繊装置を前記含浸
ゾ−ンの前部に設けること、含浸部が塗布含浸ダイと含
浸促進バーからなり、マトリックス樹脂が塗布された開
繊繊維束を、塗布含浸ダイの端面に当接状態で走行さ
せ、マトリックス樹脂を該開繊繊維束間に割り込ませて
含浸するようにしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照して説明する。
【0015】図1は、本発明の製造装置の一例を示す概
略斜視図であり、図2は、本発明の製造装置の中の塗布
含浸ダイの一例を示す概略縦断面図であり、図3は、本
発明の製造装置の中の集束賦型部の一例を示す概略斜視
図であり、図4は、賦型ノズルの一例を示す概略縦断面
図であり、図5は、本発明の中の開繊装置の一例を示す
概略斜視図である。図6は本発明の長繊維ペレットを模
式的に斜視図で表したものである。
【0016】先ず、本発明の製造装置の構成要素を説明
する。図1において、70は強化繊維束で矢印方向に走
行し、本発明の製造装置により長繊維ペレット75が製
造される。1は本発明に係る一連の製造装置で、含浸ゾ
ーン10、冷却ゾーン30およびペレタイズゾーン50
から構成されている。
【0017】含浸ゾーン10は、溶融したマトリックス
樹脂2を造るためのスクリュー押出機11と、上記マト
リックス樹脂2を定量吐出するギアポンプ12と、上記
マトリックス樹脂2を薄膜状で塗布含浸するための含浸
部13と、上記マトリックス樹脂が塗布含浸された開繊
繊維束72を集束して実質的に円形状に賦型する集束賦
型部14で構成され、更に含浸部13は、塗布含浸ダイ
15と含浸促進バー16で構成されている。また更に、
集束賦型部14は、図3に示すように、集束部材17
a,17bと賦型ノズル18で構成されている。
【0018】含浸ゾーン10周りの構成を更に詳しく述
べると、スクリユー押出機11の先端側にはギアポンプ
12や塗布含浸ダイ15を取り付けるためのダイブロッ
ク19が固定され、ギアポンプ12から溶融したマトリ
ックス樹脂2の吐出量がある範囲内で任意に変更できる
ようその駆動系20に連結されている。また、スクリユ
ー押出機11、ダイブロック19、ギアポンプの駆動系
20、塗布含浸ダイ15、含浸促進バー16、集束部材
17a,17b、賦型ノズル18は、図示しない給電設
備に接続され、モ−タ駆動や各構成部品が所望温度に加
熱されるようになっている。
【0019】また、図2に示すように、塗布含浸ダイ1
5は、調節側ブロック21と固定側ブロック22とスリ
ット調節部材23の主要部材で構成され、固定側ブロッ
ク22とスリット調節部材23のスリット隙間δを調節
側ブロック21に取り付けた調節ボルト取付板24を介
して調節ボルト25a,25bを締緩することにより変
更できるようになっており、固定側ブロック22のスリ
ット先端部は溶融したマトリックス樹脂2が溜まるよう
R面取り加工が施してある。また、溶融したマトリック
ス樹脂2の流入孔26と該流入孔26につながり溶融し
たマトリックス樹脂2を薄膜状で吐出するためのキャビ
ティー27が調節側ブロック21と固定側ブロック22
に各々半割状で加工されている。なお、流入孔26は、
キャビティー27の長手方向の中央部に設けられてい
る。
【0020】また、図1に示すように、塗布含浸ダイ1
5の後部位置には含浸促進バ−16が複数本配設され
る。該含浸促進バー16は、その形状は例えば円筒状な
どの筒状を呈し、その外周面に長手方向と直角に多数の
微細なV溝が加工されたものや、単なる筒状になったも
のなどからなる。
【0021】また更に、図3、図4に示すように、含浸
促進バー16の後部位置には、扁平状の溶融したマトリ
ックス樹脂が塗布含浸された開繊繊維束72を紐状(円
形状に近い形状)に集束するための集束部材17a,1
7bと紐状のガット糸73を実質的に円形状に賦型する
賦型ノズル18で構成された集束賦型部14が配設され
ている。
【0022】図1に示すように、含浸ゾーン10を出た
ガット糸73は、次の冷却ゾーン30へと進行して行
く。冷却ゾーン30は、箱体31の上面に目の粗いステ
ンレス製の金網32が張ってあり、図示を省略した冷風
導入口を箱体31の下部側に設けた非常にシンプルなも
ので、金網32の少し上面をガット糸73が次のペレタ
イズゾーン50に向かって走行している。
【0023】ペレタイズゾーン50に走行してきたガッ
ト糸73は、ストランドカッター51に入る。ストラン
ドカッター51は、金属製の円筒外周面にローレット加
工したボトムローラ52と金属製の円筒外周面にゴムを
付けたトップローラ53と固定刃54および回転刃55
で構成され、固定刃54以外は図示しない軸受に支持さ
れている。また、ストランドカッター51は、図示しな
い給電設備に接続され、駆動系、伝達系を介してボトム
ローラ52、回転刃55が回転するようになっている。
【0024】連続して給糸される強化繊維束70を幅方
向に繊維と繊維の間隙が広がるように開繊するための開
繊装置60が前記含浸ゾーン10の前部に配設されてい
る。図5に示すように、開繊装置60は、複数のフリー
ローラ61と可変速モータ62と該可変速モータの出力
軸に取り付ける偏芯ボス63および該偏芯ボス63に可
変速モータ62の出力軸とある距離を隔てて取り付けた
1本の偏芯ボス取付フリーローラ64からなる主要部材
で構成されている。複数のフリーローラ61は、偏芯ボ
ス取付フリーローラ64が可変速モータの出力軸に対し
偏芯回転する区間を除き千鳥配列で図示しない支持体に
固定されている。強化繊維束70は、複数のフリーロー
ラ61を経由した後、偏芯ボス取付フリーローラ64の
ところは上面を走行し開繊繊維束71となる。開繊繊維
束71は、開繊装置60の最後尾のフリーローラ61か
ら含浸ゾーン10へと走行して行く。
【0025】次に、上記図面を用いて本発明の製造方法
について詳細に説明する。
【0026】走行速度Vで連続的に給糸される強化繊維
束70は、図示を省略した前処理部に搬送され、強化繊
維束の状態により前処理が必要な場合には、適当な前処
理が施される。特にサイジング剤により強化繊維束70
に柔軟性がない場合や、強化繊維束70が丸く束ねられ
ている場合には、強化繊維束70をヒータや熱風ノズル
で加熱してサイジング剤を軟化したり、しごきバー等の
簡単な開繊手段で予備開繊しておくことが有効である。
【0027】次に前処理部を通過した強化繊維束70
は、ペレタイズゾーン50のストランドカッター51で
引き取られているため、図示しない糸道規制ローラを経
て開繊装置60に導入される。図5に示す開繊装置60
に導入された強化繊維束70は、千鳥配列された複数の
フリーローラ61を通過して、可変速モータ62の出力
軸に設けた偏芯ボス63に、上記出力軸とある距離を隔
てて取り付けた偏芯ボス取付フリーローラ64の上面に
至る。偏芯ボス取付フリーローラ64は、偏芯ボス63
により一定の周波数で回転運動しているため、偏芯ボス
取付フリーローラ64が隣り合うフリーローラ61の上
面より降下を開始すると、強化繊維束70は張力が解除
されて弛みを生じる。この時、強化繊維束70全体は走
行方向に圧縮を受けている状態となるが、収縮しきらな
い単糸自身は行き場を失い幅方向に膨らむ。その状態で
偏芯ボス取付フリーローラ64が隣り合うフリーローラ
61の上面より上がってくると、強化繊維束70と隣り
合うフリーローラ61間の摩擦で開繊状態となり開繊繊
維束71を得ることができる。偏芯ボス取付フリーロー
ラ64の後部側に位置する千鳥配列された複数のフリー
ローラ61で開繊繊維束71の開繊を維持しながら次の
含浸ゾーン10へと開繊繊維束71は向かう。
【0028】含浸ゾーン10に進行してきた開繊繊維束
71は、図1から図3に示すように、円弧状を呈した塗
布含浸ダイ15の端面に当接状態で走行し、塗布含浸ダ
イ15のスリット隙間δから薄膜状で吐出する溶融した
マトリックス樹脂2を固定側ブロック22のR面取り部
とスリット調節部材23との間で溜め、溶融したマトリ
ックス樹脂2を該開繊繊維束71間に一方向から割り込
ませて含浸しながら更に複数本の含浸促進バー16で含
浸度を上げた後、集束部材17a,17bと賦型ノズル
18からなる集束賦型部14に入って行く。
【0029】溶融したマトリツクス樹脂が塗布含浸され
た開繊繊維束72は扁平状を呈しているため、入口から
出口方向に向かって次第に狭く加工した溝を有し加熱さ
れた集束部材17a,17bを、直列でその溝の向きを
変えて配設することで紐状に集束し、加熱された賦型ノ
ズル18を通過させることにより実質的に円形状に賦型
されガット糸73となる。賦型ノズル18のノズル径
は、φ1以上φ10以下であることが好ましい。
【0030】このようにして含浸ゾーン10を通過した
直後のガット糸73はまだ半固化状態であるため、固化
状態にして賦型形状を保持すべく次の冷却ゾーン30へ
と進め、箱体31の下部側からガット糸73に向かって
冷風を吹き付け、ガット糸73が箱体31の上面を通過
中に温度を下げている。
【0031】冷却ゾーン30で固化状態となった強化繊
維束70と固化したマトリックス樹脂3からなるガット
糸73は、冷却ゾーン30の後部に位置するペレタイズ
ゾーン50へと進んで行きストランドカッター51に入
る。
【0032】ストランドカッター51に入ったガット糸
73は、先ず機内の入口に配設され、ガット糸73を引
き取る金属製の円筒外周面にローレット加工し駆動系に
接続されたボトムローラ52と、金属製の円筒外周面に
ゴムを付けたトップローラ53でニップされる。その後
上記ボトムローラ52の横に配設された固定刃54と、
駆動系に接続され該固定刃54と極僅かな隙間を有する
回転刃55にガット糸73が入り、所定長さに切断され
長繊維ペレット75となって機外に放出される。
【0033】開繊装置60において、図示を省略した前
処理部で強化繊維束70を加熱してサイジング剤を軟化
しても強化繊維の単繊維74の絡まりが強い場合は、本
装置内において強化繊維束70に気体を噴射させる手段
を付加することにより更に開繊が促進されるので好まし
い。また、強化繊維束70や開繊繊維束71が接触走行
するフリーローラ61や偏芯ボス取付フリーローラ64
の表面は、摩擦係数の点から硬質クロームメッキした後
梨地加工を施すのが好ましい。また、開繊装置60の最
後尾のフリーローラ61は、開繊繊維束71の開繊幅が
狭くならないうちに後部の含浸ゾーン10に入って行く
ことが望ましいため、含浸ゾーン10とできる限り距離
が接近していることが好ましい。たとえば30〜50m
m程度接近していることが好ましい。
【0034】また、塗布含浸ダイ15は、調節側ブロッ
ク21と固定側ブロック22とスリット調節部材23の
主要部材で構成されており、固定側ブロック22のスリ
ット先端部は溶融したマトリックス樹脂2が溜まるよう
R面取り加工が施してあるが、このR面取り加工幅は、
スリット隙間δから薄膜状で吐出する溶融したマトリッ
クス樹脂2が開繊繊維束71の走行方向と交差する方向
にはみ出さないよう、溶融したマトリックス樹脂2の吐
出幅と同一であることが好ましい。また、スリット隙間
δは溶融したマトリックス樹脂2が熱可塑性樹脂である
場合、走行速度Vによって大きく左右されるが、概ね
0.5mmから1.5mmの範囲が好ましい。また、固
定側ブロック22の端面は、溶融樹脂が塗布含浸された
開繊繊維束72が走行中常に当接状態となり、溶融した
マトリックス樹脂2を開繊繊維束71間に固定側ブロッ
ク22側から割り込ませて含浸させるためにも円弧状が
好ましい。また、開繊繊維束71に塗布された直後の溶
融したマトリックス樹脂2を途切れず均一に付着させる
ために、スリット調節部材23の先端面が極僅かだけ固
定側ブロック22のR面取りした端面より飛び出してい
るのが好ましい。
【0035】本発明においては、連続した強化繊維束に
マトリックス樹脂が含浸されてなる長繊維ペレットにお
いて、ペレット全体に対して強化繊維束の重量範囲が2
0〜40%で、かつ長繊維ペレットの含浸度が70%以
上であるものである。重量範囲が20%未満では剛性不
足となり、また、40%を越えると含浸不良となる問題
がある。また、含浸度が70%未満であると、ガット糸
73をストランドカッタ−51で切断する際、強化繊維
束の単繊維の一部が素抜けるという問題がある。
【0036】ここで、含浸度は次のように定義される。
【0037】複数の強化繊維の単繊維74と固化したマ
トリックス樹脂3からなる長繊維ペレット75におい
て、固化したマトリックス樹脂3が強化繊維の単繊維7
4を包含している割合を表す。具体的には、長繊維ペレ
ット75の外周面をテ−プで巻いた後エポキシ樹脂に包
埋し、研摩後顕微鏡写真を撮影し、撮影像を画像処理コ
ンピュ−タ−に入力し包含割合を分析することによって
測定できる。
【0038】熱可塑性樹脂の場合、単繊維の分散不良や
ボイドがあると溶融したマトリックス樹脂2が集合した
単繊維の中に入って行かないため、含浸度は極めて低い
ものになる。
【0039】図2において、塗布含浸ダイ15は、調節
側ブロック21と固定側ブロック22とスリット調節部
材23の主要部材で構成されたものを示したが、本態様
に必ずしも限定されるものではなく、溶融したマトリッ
クス樹脂2が薄膜状で吐出され、かつ、図2に示した溶
融したマトリックス樹脂2の溜めや溶融したマトリック
ス樹脂が塗布含浸された開繊繊維束72を当接できる等
の機能が具備されておれば良い。
【0040】また、図1において、含浸促進バー16
は、その形状が筒状を呈しその外周面に長手方向と直角
で多数の微細なV溝が加工したものや単なる筒状になっ
たものを示したが、本態様に必ずしも限定されるもので
はなく、筒状の外周に細いワイヤーを緻密に巻き付けた
ワイヤーバーや筒状の外周面を波形状に転造加工したワ
イヤレスバー等であっても良い。また、含浸促進バー1
6には、溶融したマトリックス樹脂が塗布含浸された開
繊繊維束72が接触走行するが、溶融したマトリックス
樹脂2が開繊繊維束71にコーティングされた状態とな
っている。このため含浸促進バー16の表面仕上は滑ら
かな機械加工仕上でも構わない。
【0041】また、図3に示す集束賦型部材14におい
ては、入口から出口方向に向かって次第に狭く加工した
溝を有し加熱された集束部材17a,17bを、直列で
その溝の向きを変えて配設し、次いで加熱された賦型ノ
ズル18を配設したものを示したが、本態様に必ずしも
限定されるものではなく、扁平状の溶融したマトリック
ス樹脂が塗布含浸された開繊繊維束72を実質的に円形
状を呈する紐状に集束できる機能が具備されてあれば良
い。
【0042】また、図1において、冷却ゾーン30での
走行するガット糸73の冷却は、箱体31の下部側から
の冷風で行う態様を示したが、本態様に必ずしも限定さ
れるものではない。
【0043】また、図5において、開繊装置60は複数
のフリーローラ61を千鳥配列としたものを示したが、
本態様に必ずしも限定されるものではなく、強化繊維束
70の種類、形状、繊維束の本数、サイジング剤の付着
状態等により、場合によっては直列に配列しても構わな
い。また、可変速モータ62の出力軸に設けた偏芯ボス
63に、上記出力軸とある距離を隔てて取り付けた偏芯
ボス取付フリーローラ64が回転運動する態様を示した
が、本態様に必ずしも限定されるものではなく、複数の
フリーローラ61のうち少なくとも1本が上下運動する
態様であっても良い。
【0044】本発明においては、長繊維ペレットが1〜
50mmの範囲の長さに切断されている。この範囲を外れ
てその長さが長い場合には、射出成形時に長繊維ペレッ
トの噛み込みが悪化するので好ましくない。また、この
範囲を外れてその長さが短い場合は、長繊維ペレットそ
のものが短くなるため、強化繊維束も同様に短くなり、
長繊維ペレットの特性が生かせられないので好ましくな
い。
【0045】また、本発明においては、マトリックス樹
脂がポリアミドまたはポリフェニレンサルファイドなど
の、熱可塑性樹脂であることが好ましく、重量平均分子
量が10,000〜100,000であることが好まし
い。
【0046】なお、本発明が適用できる繊維束として
は、炭素繊維、ガラス繊維、バラ系アラミド繊維(例え
ば、東レ・デュポン社製“ケブラー”繊維)等が挙げら
れるが、炭素繊維であることが好ましい。
【0047】
【実施例】[実施例1]図1〜図5に示す装置におい
て、含浸ゾーン10を構成する主要部材は、スクリュー
押出機11、ギアポンプ12、塗布含浸ダイ15、含浸
促進バー16、集束部材17a,17bおよび賦型ノズ
ル18で、スクリュー径φ40,L/D=28のスクリ
ュー押出機を用い、ギアポンプは入口1カ所で出口が2
カ所となった1.2cc/rev×2のものをダイブロ
ック19の上面に取り付け、ギアポンプ駆動系20は最
高回転数100rpm まで可能なものを配備した。ま
た、ダイブロック19の下面には、塗布含浸幅が30m
mでスリット間隔δが1.0mmに調整した塗布含浸ダ
イ15を取り付けた。塗布含浸ダイ15は、調節側ブロ
ック21、固定側ブロック22、スリット調節部材23
からなる主要部材で構成され、固定側ブロック22のス
リット先端の樹脂溜め部を形成するためのR面取りの大
きさはR5とし、溶融したマトリックス樹脂が塗布含浸
された開繊繊維束72が当接状態となる部分は半径25
0の円弧のものを使用した。また、スリット調節部材2
3の先端面が固定側ブロック22のR面取りした端面よ
り0.5mmだけ飛び出した。
【0048】塗布含浸ダイ15の固定側ブロック22の
円弧に当接走行して前記ダイを通過した扁平状の溶融し
たマトリックス樹脂が塗布含浸された開繊繊維束72
は、千鳥配列状に3本配設した筒状の外径がφ20で外
周面を硬質クロームメッキした後梨地加工し、棒状ヒー
タを内蔵した含浸促進バー16で更に接触面が強制的に
繰り返し変えられて含浸度が上げられる。
【0049】含浸促進バー16の後部に、棒状ヒータを
内蔵し長さ50mmで各々形状が異なる集束部材17
a,17bを直列に配設した。先ず最初の集束部材17
aは、入口部35mm出口部5mmで断面形状がコの字
形を呈し上部が開放された溝を有するもの、後部の集束
部材17bは、入口部10mm出口部2mmで断面形状
がV溝を呈し、V溝の先端はR1で加工し下部が開放さ
れたもので、何れも滑らかに機械加工したものである。
【0050】集束部材17bの更に後部にノズル口径が
φ1.7、ノズル長さが15mmでノズルの端面がR面
取り加工された賦型ノズル18を棒状ヒータを内蔵した
賦型ブロック28の集束部材側の側面に取付けた。
【0051】マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂であるポ
リアミド系であるため、含浸ゾーン10を構成する塗布
含浸ダイ15、含浸促進バー16、集束部材17a,1
7b、賦型ノズル18等は、その加熱温度が260℃〜
270℃になるよう設定した。
【0052】次に、冷却ゾーン30を構成する上面が開
放された箱体31は、ガット糸73の走行方向長さが1
500mm、幅方向長さが300mmで高さ200mm
とし、上面には比較的目の粗いステンレス製の金網を張
り、前記ガット糸73が箱体31から30mm上方を走
行するようにし、賦型ノズル18から箱体31入口まで
の距離を2mとした。
【0053】冷却ゾーン30の後方5mの位置にストラ
ンドカッター51を同芯上で設置した。ストランドカッ
ター51の機内に配備された金属製の円筒外周面にロー
レット加工した直径φ70のボトムローラ52と、金属
製の円筒外周面にゴムを付けた直径φ100のトップロ
ーラ53でガット糸73をニップし、駆動系に接続され
たボトムローラ52でガット糸73を引き取る。次にガ
ット糸73は、刃先に超硬が付いた固定刃54と、駆動
系に接続され該固定刃54と極僅かな隙間を有する直径
φ160の回転刃55に入り、所定長さに切断され長繊
維ペレット75となってストランドカッター51の機外
に放出される。
【0054】含浸ゾーン10の前部に配設した開繊装置
60は、直径φ30で外周面を硬質クロームメッキした
後梨地処理加工した複数のフリーローラ61と、出力軸
回転数範囲が0〜500rpm に可変速できるモータ62
と該可変速モータの出力軸に取り付ける偏芯ボス63お
よび該偏芯ボス63に可変速モータ62の出力軸と20
mm隔てて取り付けた1本の偏芯ボス取付フリーローラ
64からなる主要部材で構成した。なお、偏芯ボス取付
フリーローラ64は、上記フリーローラ61と同仕様の
ものを用いた。複数のフリーローラ61は、偏芯ボス取
付フリーローラ64が可変速モータの出力軸に対し偏芯
回転する区間を除きピッチ80mmの千鳥配列で図示し
ない支持体に固定した。偏芯ボス取付フリーローラ64
が可変速モータの出力軸に対し偏芯回転する区間は、1
60mm隔ててフリーローラ61を図示しない支持体に
固定した。そして、偏芯ボス取付フリーローラ64の上
死点は、160mm隔てたフリーローラ61の上面より
30mm高い位置とした。また、偏芯ボス取付フリーロ
ーラ64の回転方向は強化繊維束70の走行方向と同一
方向とし、該偏芯ボス取付フリーローラ64の回転で生
じる強化繊維束70の張力解除/付与による開繊を促進
するため、該偏芯ボス取付フリーローラ64の手前に配
設したフリーローラ61の側面に、図示を省略したスリ
ットノズルから出る圧空を吹き付けた。強化繊維束70
は、複数のフリーローラ61を経由した後、偏芯ボス取
付フリーローラ64のところは上面を走行し開繊繊維束
71となる。開繊繊維束71は、開繊装置60の最後尾
のフリーローラ61から含浸ゾーン10へと走行して行
く。
【0055】最後尾のフリーローラ61の芯と塗布含浸
ダイ15のスリット隙間δまでの距離は30mmとし
た。
【0056】次に上記実施例装置の実施条件と効果を説
明する。
【0057】使用した強化繊維束70は、炭素繊維(東
レ株式会社製“トレカ”T700SC−12K−50
C)で無撚糸である。この強化繊維束70はサイジング
剤により扁平になっており、初期幅は6mmであった。
この糸を2糸条通し、走行速度15m/分で図示を省略
した前処理部で200℃前後まで加熱してサイジング剤
を軟化した後、製造装置に連続給糸した。
【0058】強化繊維束70が長繊維ペレット75中に
占める重量割合、即ち強化繊維束含有率を30%にすべ
くギアポンプ駆動系20の回転数は22rpm に設定し
た。
【0059】開繊装置60では、可変速モータ62を3
00rpm で回転させて偏芯ボス63を介して取り付いて
いる偏芯ボス取付フリーローラ64を5Hzで回転し、
0.35MPaの圧空をスリットノズルから強化繊維束7
0に吹き付けたところ、本装置の出口では繊維が薄く均
一に開繊し開繊幅が約25mm〜30mm弱の開繊繊維
束71となった。また、目立った毛羽の発生はなかっ
た。
【0060】開繊繊維束71は、その開繊幅を維持した
状態で塗布含浸ダイ15に達し、該塗布含浸ダイ15の
スリット隙間δから薄膜状で吐出する溶融したマトリッ
クス樹脂2と開繊繊維束71を円弧状を呈した塗布含浸
ダイ15の端面に当接状態で走行することにより、該開
繊繊維束71間に一方向から溶融したマトリックス樹脂
2を割り込ませて含浸し、後部の含浸促進バー16で更
に接触面が強制的に繰り返し変えられて含浸度が上がっ
た。
【0061】扁平状の溶融したマトリックス樹脂が塗布
含浸された開繊繊維束72は、更に集合部材17a,1
7bと賦型ノズル18を経て含浸ゾーン10を離れ、冷
却ゾーン30を通過したガット糸73をストランドカッ
ター51で長さ7mmに切断し長繊維ペレット75を得
た。得られた長繊維ペレット75は、樹脂部の割れなど
により強化繊維束の一部が露出することがなく、表面が
滑らかなものであった。
【0062】長繊維ペレット75の外周面をテープで巻
いた後エポキシ樹脂に包埋し、研摩後顕微鏡写真を撮影
して分析評価した結果、樹脂含浸度が80%以上の高品
位なものが得られた。また、得られた長繊維ペレット7
5の強化繊維束含有率を調べるべく、切断しなかったガ
ット糸73を長さ1mに切断しその重量から計算した結
果、30.3重量%であった。また、極めて小さなボイ
ドが数点見られたが、品質には何ら影響を及ぼすもので
はない。
【0063】この長繊維ペレット75を用いて、型締力
150Ton の射出成形機により、外形が190mm×1
55mm、高さ10mm、厚み1mmのトレー状試験品
を成形した。成形材料である長繊維ペレット75をホッ
パーに投入後、成形に問題は生じず、成形品の表面に強
化繊維の浮きのない表面が平滑なトレー状試験品が得ら
れた。
【0064】また、成形時にガスの発生がないため、連
続成形しても射出成形機の金型に汚れが生じることはな
かった。
【0065】また、この長繊維ペレット75から物性評
価のための試験片を成形し引張り強度を測定した結果、
目標値0.2MPa以上を上回る0.27MPaを得た。 [実施例2]実施条件として、強化繊維束含有率を20
%にすべくギアポンプ駆動系20の回転数を37rpm に
設定し、賦型ノズルの口径をφ1.8に変更した以外
は、全て実施例1と同一品を用い、同一条件とした。
【0066】得られた長繊維ペレット75は、表面が滑
らかなもので、その長繊維ペレット75を実施例1と同
様に分析評価した結果、樹脂含浸度が85%以上の高品
位なものであった。また、得られた長繊維ペレット75
の強化繊維束含有率を実施例1と同様に調べた結果、2
0.5重量%であった。得られた長繊維ペレット75に
も多少小さなボイドが見られたが、品質には何ら問題な
いレベルであった。また、この長繊維ペレット75を物
性評価した結果、その引張り強度は0.21MPaで目標
値0.2MPa以上を僅かに上回った。 [実施例3]実施条件として、強化繊維束含有率を40
%にすべくギアポンプ駆動系20の回転数を15rpm と
し、賦型ノズルの口径をφ1.6に変更した以外は、全
て実施例1と同一品を用い、同一条件とした。
【0067】得られた長繊維ペレット75も表面が滑ら
かなもので、その長繊維ペレット75を実施例1と同様
に分析評価した結果、樹脂含浸度が70%強であっ
た。、また、得られた長繊維ペレット75の強化繊維束
含有率を実施例1と同様に調べた結果、39.6重量%
であった。ボイドの状態は実施例2とほぼ同等であっ
た。また、この長繊維ペレット75を物性評価した結
果、その引張り強度は実施例1とほぼ同レベルであっ
た。 [比較例1]実施条件として、強化繊維束含有率を45
%にすべくギアポンプ駆動系20の回転数を12rpm
とし、賦型ノズルの口径をφ1.55に変更した以外
は、全て実施例1と同一品を用い、同一条件とした。
【0068】得られた長繊維ペレット75は含浸度が低
く、ストランドカッター51から機外に放出された長繊
維ペレット75の中に強化繊維束70の単繊維が混入し
た含浸不良品であった。このため、長繊維ペレット75
の分析評価は実施しなかった。 [比較例2]実施条件として、強化繊維束含有率を15
%にすべくギアポンプ駆動系20の回転数を52rpm
とし、賦型ノズルの口径をφ1.85に変更した以外
は、全て実施例1と同一品を用い、同一条件とした。
【0069】得られた長繊維ペレット75は表面が滑ら
かなもので、その長繊維ペレット75を実施例1と同様
に分析評価した結果、樹脂含浸度が90%程度と高かっ
た。また、得られた長繊維ペレット75の強化繊維束含
有率を実施例1と同様に調べた結果、15.6重量%で
ほぼ目標としたものが得られた。ボイドの状態は実施例
3とほぼ同等であった。しかし、この長繊維ペレット7
5を物性評価したところ、マトリックス樹脂の量が多い
ため、その引張り強度は目標値(0.2MPa以上)を下
回る結果となった。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の単繊維から成る強化繊維束を幅方向に実質的に平
行に開繊し、連続的に給糸される開繊繊維束に、マトリ
ックス樹脂を薄膜状で塗布含浸後、開繊繊維束を当接状
態で走行させた後、集束し賦型するようにしたので、マ
トリックス樹脂が一方向から単繊維間に割り込むため、
粘度の高い熱可塑性樹脂使いで、ボイドが極めて少な
く、樹脂含浸性の高い高品位な長繊維ペレットを低コス
トで大量生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置の一例を示す概略斜視図であ
る。
【図2】本発明の製造装置の中の塗布含浸ダイの一例を
示す概略縦断面図である。
【図3】本発明の製造装置の中の集束賦型部の一例を示
す概略斜視図である。
【図4】賦型ノズルの一例を示す概略縦断面図である。
【図5】本発明の中の開繊装置の一例を示す概略斜視図
である。
【図6】本発明の長繊維ペレットを模式的に斜視図で表
したものである
【符号の説明】
1:製造装置 2:溶融したマトリックス樹脂 3:固化したマトリックス樹脂 10:含浸ゾーン 11:スクリュー押出機 12:ギアポンプ 13:含浸部 14:集束賦型部 15:塗布含浸ダイ 16:含浸促進バー 17a:集束部材 17b:集束部材 18:賦型ノズル 19:ダイブロック 20:ギアポンプの駆動系 21:調節側ブロック 22:固定側ブロック 23:スリット調節部材 24:調節ボルト取付板 25a:調節ボルト 25b:調節ボルト 26:流入孔 27:キャビティー 28:賦型ブロック 30:冷却ゾーン 31:箱体 32:金網 50:ペレタイズゾーン 51:ストランドカッター 52:ボトムローラ 53:トップローラ 54:固定刃 55:回転刃 60:開繊装置 61:フリーローラ 62:可変速モータ 63:偏芯ボス 64:偏芯ボス取付フリーローラ 70:強化繊維束 71:開繊繊維束 72:溶融したマトリックス樹脂が塗布含浸された開繊
繊維束 73:ガット糸 74:強化繊維の単繊維 75:長繊維ペレット δ:スリット隙間 V:走行速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 77:00 B29K 77:00 105:06 105:06 307:04 307:04 C08L 77:00 C08L 77:00 81:02 81:02 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA06 AA08 AB06 AB09 AB10 AD44 AD46 AD54 AG05 AG13 AH18 AH25 AH32 AH46 AJ19 AJ33 AJ34 AK04 AK16 4F201 AA29A AA34A AB18 AC01 AD16 AR12 AR15 BA02 BC01 BC02 BC12 BC19 BC37 BD05 BL08 BL23 BL25 BL29 BL42 BL44 BM06 4F207 AA29A AA34A AB18 AC01 AD16 AR12 AR15 KA01 KA17 KB11 KB18 KK81 KM16 KW23

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続した強化繊維束にマトリックス樹脂が
    含浸されてなる長繊維ペレットにおいて、該強化繊維束
    の重量範囲が20〜40%で、かつ長繊維ペレットの含
    浸度が70%以上であることを特徴とする長繊維ペレッ
    ト。
  2. 【請求項2】長繊維ペレットが1〜50mmの範囲の長さ
    に切断されていることを特徴とする請求項1に記載の長
    繊維ペレット。
  3. 【請求項3】強化繊維束が炭素繊維であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の長繊維ペレット。
  4. 【請求項4】マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂で、重量
    平均分子量が10,000〜100,000であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の長繊維ペ
    レット。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂がポリアミドまたはポリフェ
    ニレンサルファイドであることを特徴とする請求項4に
    記載の長繊維ペレット。
  6. 【請求項6】複数の単繊維からなる強化繊維束を幅方向
    に繊維と繊維の間の間隔が広がるように開繊し、該開繊
    繊維束に、マトリックス樹脂を薄膜状で塗布含浸した
    後、該塗布含浸された開繊繊維束を集束して賦型するこ
    とを特徴とする長繊維ペレットの製造方法。
  7. 【請求項7】強化繊維束が炭素繊維であることを特徴と
    する請求項6に記載の長繊維ペレットの製造方法。
  8. 【請求項8】含浸ゾーン、冷却ゾーンおよびペレタイズ
    ゾーンからなり、上記含浸ゾーンは、溶融したマトリッ
    クス樹脂の押出機と、マトリックス樹脂を定量吐出する
    ギアポンプと、マトリックス樹脂を薄膜状で塗布含浸す
    る含浸部と、該マトリックス樹脂が塗布含浸された開繊
    繊維束を集束して賦型する集束賦型部を有することを特
    徴とする長繊維ペレットの製造装置。
  9. 【請求項9】開繊装置を前記含浸ゾーンの前部に設けた
    ことを特徴とする長繊維ペレットの製造装置。
  10. 【請求項10】含浸部が塗布含浸ダイと含浸促進バーか
    らなり、マトリックス樹脂が塗布された開繊繊維束を、
    塗布含浸ダイの端面に当接状態で走行させ、マトリック
    ス樹脂を該開繊繊維束間に割り込ませて含浸するように
    したことを特徴とする請求項8または9に記載の長繊維
    ペレットの製造装置。
  11. 【請求項11】強化繊維束が炭素繊維であることを特徴
    とする請求項8〜10のいずれかに記載の長繊維ペレッ
    トの製造装置。
JP31642699A 1999-11-08 1999-11-08 長繊維ペレットおよびその製造方法ならびにその製造装置 Pending JP2001129827A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31642699A JP2001129827A (ja) 1999-11-08 1999-11-08 長繊維ペレットおよびその製造方法ならびにその製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31642699A JP2001129827A (ja) 1999-11-08 1999-11-08 長繊維ペレットおよびその製造方法ならびにその製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001129827A true JP2001129827A (ja) 2001-05-15

Family

ID=18076958

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31642699A Pending JP2001129827A (ja) 1999-11-08 1999-11-08 長繊維ペレットおよびその製造方法ならびにその製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001129827A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006519886A (ja) * 2003-03-11 2006-08-31 ロディア エンジニアリング プラスティックス ソシエテ ア レスポンサビリテ リミテー 長繊維によって強化されたポリアミド物品
WO2007029456A1 (ja) * 2005-09-02 2007-03-15 Ocv Intellectual Capital, Llc 長繊維強化熱可塑性樹脂成形材料の製造装置
KR101203916B1 (ko) 2010-08-10 2012-11-22 (주) 콘즈 장유리섬유와 연속유리섬유를 이용한 보강재 제조장치 및 제조방법
JP2013049793A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Unitika Ltd 半芳香族ポリアミド樹脂組成物ペレットおよびそれを成形してなる成形体
JP2013091714A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Hyogo Prefecture 繊維強化複合成形材料
JP2014043602A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Kawasaki Heavy Ind Ltd ファイバー状電極の製造設備および製造方法
KR20140127797A (ko) * 2012-02-15 2014-11-04 도레이 카부시키가이샤 섬유 강화 수지의 제조 방법
CN106476403A (zh) * 2016-09-30 2017-03-08 华南理工大学 一种碳纤维织布增强热塑性树脂超薄片材及其制备方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006519886A (ja) * 2003-03-11 2006-08-31 ロディア エンジニアリング プラスティックス ソシエテ ア レスポンサビリテ リミテー 長繊維によって強化されたポリアミド物品
WO2007029456A1 (ja) * 2005-09-02 2007-03-15 Ocv Intellectual Capital, Llc 長繊維強化熱可塑性樹脂成形材料の製造装置
KR101203916B1 (ko) 2010-08-10 2012-11-22 (주) 콘즈 장유리섬유와 연속유리섬유를 이용한 보강재 제조장치 및 제조방법
JP2013049793A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Unitika Ltd 半芳香族ポリアミド樹脂組成物ペレットおよびそれを成形してなる成形体
JP2013091714A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Hyogo Prefecture 繊維強化複合成形材料
KR20140127797A (ko) * 2012-02-15 2014-11-04 도레이 카부시키가이샤 섬유 강화 수지의 제조 방법
JPWO2013122207A1 (ja) * 2012-02-15 2015-05-18 東レ株式会社 繊維強化樹脂の製造方法
KR101974677B1 (ko) * 2012-02-15 2019-05-02 도레이 카부시키가이샤 섬유 강화 수지의 제조 방법
JP2014043602A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Kawasaki Heavy Ind Ltd ファイバー状電極の製造設備および製造方法
CN106476403A (zh) * 2016-09-30 2017-03-08 华南理工大学 一种碳纤维织布增强热塑性树脂超薄片材及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5529652A (en) Method of manufacturing continuous fiber-reinforced thermoplastic prepregs
US5206085A (en) Preformed yarn useful for forming composite articles and process for producing same
US5401154A (en) Apparatus for compounding a fiber reinforced thermoplastic material and forming parts therefrom
JP3221749B2 (ja) 複合製造物の製造方法
US20130113133A1 (en) Impregnation Assembly and Method for Manufacturing a Composite Structure Reinforced with Long Fibers
CN100482452C (zh) 玻璃纤维增强热塑性树脂粒料及其生产过程
JPH03188131A (ja) 繊維強化成形品
JPH07251437A (ja) 長繊維強化熱可塑性複合材料の製造方法およびその製造装置
JPH09510157A (ja) 溶融含浸法
EP2377675A1 (en) Impregnation assembly and method for manufacturing a composite structure reinforced with long fibers
CN111438967B (zh) 一种长纤维增强热塑性树脂复合材料的成型装置及工艺
CN107249838A (zh) 用于生产纤维复合材料的方法和设备
US6548167B1 (en) Continuous-strand pellets and method and device for preparing continuous-strand pellets
JP2001129827A (ja) 長繊維ペレットおよびその製造方法ならびにその製造装置
CN209851636U (zh) 一种连续纤维增强热塑性复合材料的生产设备
EP0303499B1 (en) Preformed yarn useful for forming composite articles and process of producing same
JP5467828B2 (ja) 長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットの製造方法
JPS63132036A (ja) 繊維強化複合材料の製造方法
US20190193086A1 (en) Cutting module and method for cutting a strand into individual pieces
JP4555455B2 (ja) 一方向繊維強化プラスチックの引抜成形方法
JP2001219473A (ja) 繊維強化樹脂成形体の製造方法
JPH031907A (ja) 繊維強化複合材料の製造方法
JP3532629B2 (ja) 長繊維強化樹脂構造物の製造装置及び製造方法
JP2662853B2 (ja) 長繊維強化熱可塑性樹脂成形材料の製造法及び製造装置
JPH08258167A (ja) 繊維強化樹脂構造体の製造方法