JPH0938207A - 血管拡張カテーテル - Google Patents

血管拡張カテーテル

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基端部のプッシング・フォースをカテーテル
の先端に確実に伝えることができ、また、バルーンの撓
みや捩がなく、カテーテル先端部が折れることのない血
管拡張カテーテルを提供する。 【解決手段】 先端部にバルーン3を備えた外管1とこ
の外管1に挿着された内管2とを含んでおり、その基端
部にコネクタ4を備え、外管1がバルーン3に包まれた
部分で内管2の外壁に接着されている。外管1は先端側
の柔軟性部11と基端側の剛性部12からなる。コネク
タ4はバルーン膨張液注入口41とガイドワイヤー挿入
口42を有する管状体であり、バルーン3はこのバルー
ン膨張液注入口41から環状ルーメン13、側孔14を
通って注入されるバルーン膨張液によって膨張せられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経皮経管的冠動脈
形成術(PTCA)に用いる血管拡張カテーテルに関
し、より詳しくは、カテーテル手元におけるプッシング
・フォース(カテーテルの基端部において術者がカテー
テルの外管を押す力)を従来のものよりもカテーテルの
先端部に伝えやすくしたオーバー・ザ・ワイヤー型PT
CA用血管拡張カテーテルに関する。本発明の血管拡張
カテーテルは経皮経管的血管形成術(PTA)にも応用
できる。
【0002】
【従来の技術】従来より血管拡張カテーテルとして、オ
ーバー・ザ・ワイヤー型血管拡張カテーテル( 米国特
許第4,323,071号公報など)やオン・ザ・ワイ
ヤー型血管拡張カテーテル(特開昭54−70683号
公報など)が知られている。オン・ザ・ワイヤー型血管
拡張カテーテルは針金やコアワイヤー等でカテーテル自
身に剛性を付与するようにしたカテーテルであって、カ
テーテル自体がガイドワイヤーの機能を兼ねたものであ
るため、カテーテルを病変部まで案内操作する点に関し
てはその構造上ガイドワイヤー法(硬度の異なる先端を
持つガイドワイヤーを駆使して血管拡張カテーテルをガ
イドワイヤーに沿わせて病変部まで案内する方法)に比
べて劣っており、一度に数カ所の治療を行う際など、限
られた治療方法に用いられているのが現状である。ま
た、カテーテル自体に剛性を付与しているというその構
造上、カテーテルの交換は不可能であるという欠点を有
している。
【0003】一方、オーバー・ザ・ワイヤー型血管拡張
カテーテルはガイドワイヤー用ルーメンと膨張液用ルー
メンを備えた二重管構造のカテーテルであって、ガイド
ワイヤー法の普及に伴い多く利用されるようになってい
る。オーバー・ザ・ワイヤー型血管拡張カテーテルはガ
イドワイヤーの優れたトルク伝達性および追従性により
非常に複雑な病変部までカテーテルを案内することがで
きるため、手術の成功、不成功が病変部まで到達できる
か否かにかかっている冠動脈血管形成術などに多用され
ており、また、カテーテルを用いた治療では、術中にカ
テーテルのサイズを変更することがしばしば起こるが、
ガイドワイヤー法ではガイドワイヤーを病変部に通して
おきさえすれば、カテーテルをガイドワイヤーに沿わせ
て移動させるだけで容易に病変部に持っていくことがで
きるので、カテーテルの交換を容易に行うことができる
という利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のオーバー・ザ・
ワイヤー型血管拡張カテーテルには、バルーンの基端部
および先端部がそれぞれ外管の先端部および内管の先端
部に取り付けられた構造のものと、拡張体が外管の一部
分となっており、その先端部で内管に取り付けられた構
造のものがある。これらはいずれも内管と外管が柔軟な
バルーンで接続されているため、カテーテル外管を伝達
して来るカテーテル基端部のプッシング・フォースは、
バルーン部で弱められてしまい、カテーテルの先端に確
実に伝達されることがなく、また、逆にカテーテルの先
端が押された時には、内管が外管内腔内に押し込まれて
しまい、その結果、内管が撓んでしまい、バルーンが撓
んでしまったり、回転トルクが加えられた時にはバルー
ンが捩じれてしまうことなどがあり問題であった。ま
た、バルーンおよびカテーテル先端部が比較的細い内管
のみで支持されているため折れ強度が小さいという欠点
を有していた。本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、基端部のプッシング・フォースをカテーテルの
先端に確実に伝えることができ、また、バルーンの撓み
や捩がなく、カテーテル先端部が折れることのない血管
拡張カテーテルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために、先端部にバルーンを備えた先端側が柔軟
性を有し基端側が剛性を有する外管と、該外管に挿着さ
れた内管とを含んでなるカテーテルであって、該カテー
テルの基端部にはバルーン膨張液注入口とガイドワイヤ
ー挿入口を有するコネクタが設けられており、外管がバ
ルーンに包まれた部分で内管に接着され、該接着部分よ
り基端側のバルーンに包まれた部分の外管に該外管と内
管の間の環状のルーメンとバルーン内腔とを連通する側
孔が形成されたことを特徴とする血管拡張カテーテルを
採用している。ここで、コネクタと外管の接続部分を折
れ曲がり防止チューブで補強してもよく、また、バルー
ンに包まれた部分の外管にX線不透過マークを設けても
よい。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について図面
に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例に係る縦
断面図であり、図2は図1におけるバルーンを含む先端
部の部分拡大断面図である。図1に示すように本発明の
血管拡張カテーテルは、先端部にバルーン3を備えた外
管1とこの外管1に挿着された内管2とを含んでおり、
その基端部にコネクタ4を備え、外管1がバルーン3に
包まれた部分で内管2の外壁に接着されている。外管1
は先端側の柔軟性部11と基端側の剛性部12からな
る。コネクタ4はバルーン膨張液注入口41とガイドワ
イヤー挿入口42を有する管状体であり、バルーン3は
このバルーン膨張液注入口41から環状ルーメン13、
側孔14を通って注入されるバルーン膨張液によって膨
張せられる。
【0007】外管1は可撓性樹脂の例えばエチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン共重合体などのオレフィン系樹脂
や、ポリ四ふっ化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ
化プロピレン共重合体などのフッ素系樹脂、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリアミドなどで形成されたチ
ューブであり、その先端部にバルーン3を備え、その基
端はコネクタ4に液密に接続されてバルーン膨張液注入
口41と液体連通しており、先端側の柔軟性部11は基
端側の剛性部12よりも内径および肉厚が小さく形成さ
れている。従って、剛性部12が折れ曲がりに強い適当
な剛性を有しているのに対して、柔軟部11はこれをガ
イドワイヤー(図示していない)に沿ってスムーズに病
変部に案内し易いように適当な柔軟性を有している。柔
軟性部11の長さは、特に限定するものではないが、通
常、50〜350mmであり、カテーテルの挿入長さに
よって適当に決められる。外管1には外管1の内径より
小さな外径を有する内管2が挿入されている。従って、
外管1と内管2の間は後述のコネクタ4のバルーン膨張
液注入口41と液体連通する環状ルーメン13になって
いる。外管1の柔軟性部11はバルーン3に包まれた部
分で内管2の外壁に液密に接着されており、従って、こ
の環状ルーメン13はバルーン3と外管1の間の空間3
1の中まで進入して閉塞している。バルーン3に包まれ
た部分であってかつ内管2との接着部分より基端側の外
管1には側孔14が形成されており、環状ルーメン13
はこの側孔を介してバルーン3の空間31と液体連通し
ている。外管1には、必要ならば、カテーテルの挿入位
置を確認し易いようにバルーン3に包まれた部分にX線
不透過マーク32を設けてもよい。尚、カテーテルの有
効長は一般に1350mm程度であり、カテーテル先端
から柔軟性部11と剛性部12の境界までの長さは15
0mm程度にするのが好ましい。
【0008】内管2は外管1と同様の可撓性樹脂で形成
されたチューブであって、外径は外管1の内径より小さ
く、これを挿着した外管1との間に環状ルーメン13が
形成される。内管2の基端はコネクタ4のガイドワイヤ
ー挿入口42に液密に接続されており、バルーン膨張液
注入口41から注入されたバルーン膨張液が外部に漏れ
ないようになっている。コネクタ4は外管1および内管
2の基端とそれぞれ液密に接続する管状体であって、通
常ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステル、ポリ
塩化ビニル、ABS樹脂、ポリカーボネートなどの可撓
性樹脂で形成されている。コネクタ4と外管1との接続
部分は、カテーテル案内操作中に手元でカテーテルが折
れ曲がったりしないように折れ曲がり防止チューブ6で
補強してもよい。
【0009】バルーン3は外管1の外壁に接着剤や熱溶
着などの方法で接着される一般に肉厚が0.001〜
0.1mm程度の薄膜であり、適当な靱性と強度を有す
る材料で形成される。バルーン3の形成材料としては一
般に熱可塑性の種々の公知の樹脂が採用可能であり、特
に限定するものではないが、例えば、エチレン−ブチレ
ン−スチレン・ブロック共重合体を低分子量のポリスチ
レンと混合し随時ポリプロピレンを加えたものや、ポリ
塩化ビニル、ポリエステル、熱可塑性ゴム、シリコーン
−ポリカーボネート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなど
が採用される。
【0010】
【発明の効果】以上説明してきたことから明らかなよう
に、本発明の血管拡張カテーテルを採用することによ
り、カテーテルの基端部におけるプッシングフォースを
確実にカテーテルの先端部に伝えることができる、バル
ーンの撓みがおこらなくなる、カテーテルの先端部が折
れることがない、等の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る縦断面図である。
【図2】図1におけるバルーンを含む先端部の部分拡大
断面図である。
【符号の説明】
1 外管 11 柔軟性部 12 剛性部 13 環状ルーメン 14 側孔 2 内管 3 バルーン 4 コネクタ 41 バルーン膨張液注入口 42 ガイドワイヤー挿入口 5 X線不透過マーカー 6 折れ曲がり防止チューブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部にバルーンを備えた先端側が柔軟
    性を有し基端側が剛性を有する外管と、該外管に挿着さ
    れた内管とを含んでなるカテーテルであって、該カテー
    テルの基端部にはバルーン膨張液注入口とガイドワイヤ
    ー挿入口を有するコネクタが設けられており、外管がバ
    ルーンに包まれた部分で内管に接着され、該接着部分よ
    り基端側のバルーンに包まれた部分の外管に該外管と内
    管の間の環状のルーメンとバルーン内腔とを連通する側
    孔が形成されたことを特徴とする血管拡張カテーテル。
  2. 【請求項2】 コネクタと外管の接続部分を折れ曲がり
    防止チューブで補強してなる請求項1に記載の血管拡張
    カテーテル。
  3. 【請求項3】 バルーンに包まれた部分の外管にX線不
    透過マークを設けてなる請求項1または2に記載の血管
    拡張カテーテル。
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