JPH093771A - 耐久防汚性繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents
耐久防汚性繊維構造物およびその製造方法Info
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- JPH093771A JPH093771A JP7151822A JP15182295A JPH093771A JP H093771 A JPH093771 A JP H093771A JP 7151822 A JP7151822 A JP 7151822A JP 15182295 A JP15182295 A JP 15182295A JP H093771 A JPH093771 A JP H093771A
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Abstract
き、かつ一旦付着した汚れも日常洗濯によって落ち易
く、しかも汚れ離脱性の耐久性に優れた繊維および製造
方法を提供する。 【構成】 天然繊維または合成繊維からなる繊維に第一
工程で親水性樹脂を付与し、次いで第二工程で親水基を
有する撥水撥油樹脂を付与する製造方法、および繊維表
面が親水性樹脂で被覆され、上記親水性樹脂の上を親水
基を有する撥水撥油性樹脂の層が最外層として形成され
ている耐久防汚性繊維構造物。
Description
きにくさと落ち易さを兼備し、かつ耐久性に優れ、特に
ワーキングウェア、ユニフォーム等に適した防汚性繊維
構造物およびその製造方法に関する。
水性樹脂で被覆して汚れを落ち易く加工したり、フッ素
系の撥水撥油性樹脂で被覆して液体汚れをはじき易く加
工する技術で得られている。しかしながら、親水性樹脂
の被覆では液体汚れは周囲に大きく拡がり易く、また撥
水撥油性樹脂の被覆では一旦汚れが付着した場合は汚れ
が除去されにくく、また再汚染され易いという問題点が
ある。
性能を満足するために、親水性基を含有した撥水撥油性
樹脂(特開平3−70757号公報)も開発されてい
る。その他、第一工程で親水性樹脂を付与し、第二工程
で撥水撥油性樹脂を付与する方法(特開平3−3988
0号公報)、さらには第一工程で親水性樹脂を付与した
のち低温プラズマ処理を施し第一工程の親水性樹脂と第
二工程の撥水撥油性樹脂をラジカル重合させ耐久性を向
上させる方法(特公平7−30513号公報)が提案さ
れている。
油性樹脂のみの付与では、架橋剤や触媒との併用でも充
分な耐久性が得られず、繰り返し洗濯はワーキングウェ
ア等で要求される性能は満足されない。さらに、第二工
程で親水性樹脂と撥水撥油性樹脂とを付与した場合も、
最上層が撥水撥油性樹脂で覆われていると、なんらかの
力が加わるなどして、繊維中に汚れが浸透した場合に
は、洗濯液の浸入が撥水撥油性樹脂で妨げられるために
充分除去されないという問題がある。
な撥水性と撥油性によって汚れをはじき、かつ汚れが一
旦付着してしまったら日常洗濯によって容易に落すこと
ができる、汚れ離脱性の性能が優れた耐久防汚性繊維構
造物を得ることができる。しかも汚れ離脱性に優れ、な
おかつ、繰り返し洗濯後も汚れ離脱性が低下しない、耐
久性に優れている繊維構造物を提供しようとするもので
ある。
は、繊維表面が親水性樹脂で被覆され、上記親水性樹脂
の上に親水基を有する撥水撥油性樹脂の層が最外層とし
て形成されていることを特徴とする耐久防汚性繊維構造
物、であり、もう一つは、繊維構造物に、第一工程とし
て親水性樹脂を付与し、次いで第二工程で親水基を有す
る撥水撥油性樹脂を付与処理することを特徴とする耐久
防汚性繊維構造物の製造方法、である。
物、編物、不織布等をいい、いかなる形態でも差し支え
ない。また、本発明の耐久防汚性繊維構造物を構成する
繊維は、いかなる天然、合成或いはその混合素材でもよ
いが、特に通常疎水性であるとされているポリエステル
を混用した繊維構造物が好ましい。また、繊維構造物に
は染料、顔料、酸化防止剤などを含有していても差し支
えない。
ル系、ポリアミド系、シリコン系およびアクリル系の樹
脂など通常親水性を付与させるために使用される公知の
樹脂をいい、下記の式(化1)のような、ポリエステル
系樹脂が接着性に良好であり好ましい。
ン NSR−506(三木理研工業(株)製 商品
名)、Lorotex A−25(BASFジャパン
(株)製、商品名)、シリコン系には、 サンシリコン
M−84(三洋化成工業(株)製、商品名)、ポロン
SR−conc(信越化学工業(株)製、商品名)、ア
クリル系には、 ファインテックス 159(大日本イ
ンキ化学工業(株)製、商品名)、Perapret
DK(BASFジャパン(株)製、商品名)等が挙げら
れ、ポリエステル系には、RX10(京浜化成工業
(株)製、商品名)、SR1000(高松油脂工業
(株)製、商品名)、SR6200(高松油脂(株)
製、商品名)等が挙げられる。
物の重量に対して樹脂成分として0.1〜1%付着させ
ることが好ましい。0.1%以下では親水性が不足し、
1%以上では第二工程の樹脂の性能を妨げたりする問題
点がある。さらには0.2〜0.5%がのぞましい。親
水性能を向上させる助剤を併用してもよい。本発明に用
いる親水性樹脂は繊維表面を連続して覆うことがのぞま
しく、吸尽法、浸漬法、パッド法、スプレー法等公知の
方法で布帛に付着させた後、乾燥、また必要があれば、
キュアリングを行なう。より好ましくは、浴中吸尽法を
適用すれば、物理的作用により樹脂が繊維構造物に浸透
し易く、繊維表面を均一に被覆することができる。親水
基が繊維を充分に被覆すれば、疎水性繊維に付着した油
汚れも洗濯により除去され易い。
樹脂とは、樹脂の骨格の一部にOH基、COOH基、N
H2 基等の親水基を有するフッ素系の撥水撥油性樹脂を
いう。含有する親水基としては、第一工程に用いられる
親水性繊維樹脂との親和性等からOH基が好ましい。具
体的に本発明における親水基を有する撥水撥油性樹脂を
例示すれば、下式の様なフッ素系の繊維処理剤が挙げら
れ、市販品としてはテックスガードTG990(ダイキ
ン工業(株)製、商品名)、テックスガードTG−98
0(ダイキン工業(株)製、商品名)、AG−780
(明成化学工業(株)製、商品名)、FC−248(住
友スリーエム(株)製、商品名)等の繊維処理剤がある
が、本発明はこれに限定されない。
0、nは7〜21) 本発明における親水基を有する撥水撥油性樹脂とは、樹
脂の骨格の一部にOH基等の親水基を有するものが好ま
しく、汚れは樹脂先端の撥水撥油基によってはじかれ
る。しかし一旦繊維中に汚れが取り込まれた場合も骨格
中の親水基が洗濯液を取り込みやすく、第一工程の親水
性樹脂の性能が発揮され易いものである。最外層が撥水
撥油樹脂のみで覆われる場合は洗濯液と親水樹脂層が接
触しにくいため、繊維中に浸透した汚れには洗液は充分
接触しない。
重量に対し樹脂濃度で0.1〜2%使用することが好ま
しく、風合、性能を考慮し、通常は0.5〜1%がさら
に好ましい。前記の親水基を有する撥水撥油性樹脂とと
もに架橋剤、触媒等の助剤を併用すれば一層洗濯耐久性
が向上する。助剤はメラミン系、ブロックイソシアネイ
ト系、イミン系等が好ましく、中でもメラミン系が優れ
た効果を発揮する。ただし、樹脂成分として繊維重量の
0.05〜0.25%が望ましく、0.25%以上であ
れば風合が硬化したり汚れ離脱性能が低下したりする。
公知のいかなる方法で繊維構造物に付与させてもよい。
また親水基を有する撥水撥油性樹脂及び助剤のみの付与
では、洗濯離脱性が不十分でありまた初期の性能は比較
的良好であるが耐久性に劣る問題点がある。本発明では
第一工程での親水性樹脂の付与により、洗濯離脱性が向
上し、また第二工程の親水基を有する撥水撥油性樹脂が
充分浸透し、均一に付着するため耐久性も満足するもの
である。
尚、物性は以下の方法で評価した。 1)汚れ離脱性 繊維構造物の表面に汚れとしてB重油を滴下し、JIS
法の洗濯処理を行い、汚れが離脱したかどうか、防汚性
能を確認した。
下し、70g/cm2 の荷重をのせて、該重油を繊維構
造物内に押し込む。1分後ろ紙を30分間繊維構造物と
荷重の間にはさみ70g/cm2 の荷重をのせ、過剰な
汚れをろ紙に吸収させる。24時間放置後洗濯処理を1
回を行ない、風乾して汚染用グレースケールにて級判定
を行なう。また、30回洗濯処理した後、同様に汚れを
滴下し、洗濯処理を行い耐久性の評価を行なった。5級
が最も優れ、1級が最も劣ることを表わす。 2)洗濯方法 JIS−L−0217 103法 3)風合 10名のパネラーにより一対比較で官能評価を行い、硬
さが気にならない場合を○、硬さが気になる場合を×と
し、○か×かの多い方を総合の評価とした。
5/1を用い、ポリエステル混率70%、綿混率30%
の綾織物(目付250g)の繊維構造物を得た。この繊
維構造物を精錬後、分散染料と反応染料を用い液流染色
機にて染色、乾燥した。染色時に第一工程の親水性樹脂
の付与を同浴で実施した。親水性樹脂は、吸水加工剤ク
ラミカルRX10(京浜化成工業(株)製、商品名)を
用い、浴中吸尽加工後熱処理を行なった。
脂としてテックスガードTG990(ダイキン工業
(株)製、商品名)助剤としてスミテックスレジンM−
3(以下M3)(住友化学工業(株)製、商品名)、ス
ミッテクスアクセロレーター(住友化学工業(株)製、
商品名)をM3配合量の10%を配合して用い、ゴムロ
ールにて絞り率70%にて絞り、100℃×2分、16
0℃×1分の熱処理を施した。親水性樹脂と撥水撥油性
樹脂および助剤等(以下加工剤と称す)の配合と得られ
た繊維構造物の汚れ離脱性の性能を表1に示す。
錬、染色、第一工程、第二工程とも実施例1と同様な方
法で加工した。汚れ離散性の評価結果を表2に示す。 第一工程加工剤 クラミカルRX10 1.5% 第二工程加工剤 テックスガードTG990 5.0% スミテックスレジンM−3 0.3% スミッテクスアクセロレーター 0.03%
油性樹脂にOH基のない下記の配合を用いた以外は、精
錬、染色、第一工程、第二工程とも実施例2と同様な方
法で加工した。評価結果を表2に示す。 第二工程加工剤 アサヒガードLS317(明成化学工業(株)製)5.0% スミテックスレジンM−3 0.3% スミッテクスアクセロレーター 0.03%
一工程を実施例2と同様の加工を行なった。評価結果を
表2に示す。
錬、染色、第二工程を実施例2と同様に実施した。評価
結果を表2に示す。
理を施したのち第二工程へ進んだ以外は、精錬、染色、
第一工程、第二工程とも実施例2と同様に実施した。評
価結果を表2に示す。
リエステル100%の綾織物(目付150g)を用いた
以外は、実施例2と同様に精錬、染色、加工し、評価し
た。汚れ離脱性の評価結果を表3に示す。
用いた以外は、精錬、染色、第一工程、第二工程とも実
施例4と同様な方法で加工した。結果を表3に示す。
の加工を行なった。結果を表3に示す。
に精錬、染色、第二工程を実施した。結果を表3に示
す。表2、表3から実施例2、3、4の防汚性が優れて
いることが明らかである。また、グレースケール判定で
は比較例2、比較例5が比較的よい結果になっている。
しかしながら、この場合は吸水性のみを有するため、滴
下した重油は周囲に大きく広がり品位が劣るものとなっ
た。グレースケール判定による汚れ離脱性はよい結果と
なったが、面積を考慮し評価すると性能は満足されるも
のではない。
方法は、油汚れが付着しにくく、かつなんらかの力によ
り汚れが繊維中に付着してしまった場合も、日常の洗濯
により容易に落とすことができる汚れ離脱性が優れた耐
久防汚性繊維構造物を得ることができる。
は、従来のものに比較して、汚れ離脱性が、繰り返し洗
濯に対し優れた耐久性を示すものであり、ユニフォー
ム、ワーキングウェア等に適した素材である。
Claims (2)
- 【請求項1】 繊維表面が親水性樹脂で被覆され、上記
親水性樹脂の上に親水基を有する撥水撥油性樹脂の層が
最外層として形成されていることを特徴とする耐久防汚
性繊維構造物。 - 【請求項2】 繊維構造物に、第一工程として親水性樹
脂を付与し、次いで第二工程として親水基を有する撥水
撥油性樹脂を付与処理することを特徴とする耐久防汚性
繊維構造物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15182295A JP3748592B2 (ja) | 1995-06-19 | 1995-06-19 | 耐久防汚性繊維構造物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15182295A JP3748592B2 (ja) | 1995-06-19 | 1995-06-19 | 耐久防汚性繊維構造物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH093771A true JPH093771A (ja) | 1997-01-07 |
JP3748592B2 JP3748592B2 (ja) | 2006-02-22 |
Family
ID=15527080
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15182295A Expired - Fee Related JP3748592B2 (ja) | 1995-06-19 | 1995-06-19 | 耐久防汚性繊維構造物およびその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3748592B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011012364A (ja) * | 2009-07-02 | 2011-01-20 | Kotobukiya Fronte Co Ltd | 内装用布地 |
JP2011047085A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Suminoe Textile Co Ltd | 防汚性能に優れた座席シート用表皮材及びその製造方法 |
JP2016108675A (ja) * | 2014-12-02 | 2016-06-20 | ユニチカトレーディング株式会社 | 防汚性ポリエステル布帛 |
US10513820B2 (en) | 2015-07-06 | 2019-12-24 | Toray Industries, Inc. | Stainproof fiber structure |
JP2021001415A (ja) * | 2019-06-24 | 2021-01-07 | 株式会社森傳 | 繊維製品及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-06-19 JP JP15182295A patent/JP3748592B2/ja not_active Expired - Fee Related
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