JP2011047085A - 防汚性能に優れた座席シート用表皮材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、自動車や鉄道車両等における座席シートの表皮材として使用する布帛で、ドライソイルリリース性に優れ、砂や埃等の汚れは手で叩いたり、掃除機で吸引するだけで簡単に落とすことができ、人の手垢のような皮脂汚れ(黒ずみ汚れ)については、水を含んだ布帛で擦るだけで簡単に落とすことのできる座席シート用表皮材の製造方法を提供すことを目的とする。
【解決手段】本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、座席シート用表皮材の表面側に親水性樹脂組成物を固着した後、フッ素系化合物とシリカ微粒子とを含む組成物を該座席シート用表皮材の表面に付着させることで上記課題を克服し、本発明に到達した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動車や鉄道車両等における座席シートに使用する表皮材で、ドライソイルリリース性に優れ、砂や埃等の汚れは手で叩いたり、掃除機で吸引するだけで簡単に落とすことができ、人の手垢のような皮脂汚れ(黒ずみ汚れ)については、水を含んだ布帛で擦るだけで簡単に落とすことのできる座席シート用表皮材に関するものである。
自動車や鉄道車両等の座席シート用表皮材は、座席からはずして洗濯をして汚れを落とすような機会は少なく、汚れを防ぐための防汚カバーを取り付け、カバーを洗濯して清潔さを保つようにしたり、座席シート用表皮材に防汚性を付与するために、様々な防汚加工の技術を展開している。防汚加工として例えば、親水加工によるSR加工といわれる加工方法は、一度付着した汚れを洗濯等で落ちやすくする加工方法として知られている。また、SG加工といわれる加工方法は、フッ素系加工材で繊維表面を被覆し、汚れを付きにくくする加工方法として知られている。しかしながら、該SG加工では、一旦汚れが付いてしまうと洗濯によっても汚れを除去することが難しく、この問題を解決するためにフッ素系化合物に親水性を付与したSGR加工といわれる加工方法も広く知られている。
特許文献1では、耐熱性や耐久性に優れ、風合を損なわない防汚方法として、フルオロカーボンシランを主成分とする薄膜で繊維を被覆する方法が開示されている。また、特許文献2では、親水基を有するポリフルオロアルキル基含有のフッ素系撥水材と、架橋材を含む配合液で処理し、次いで遠赤外線で処理する防汚撥水性の布帛が開示されている。
しかしながら、上記方法では撥水撥油性、ソイルリリース性には効果があるものの、ドライソイルといわれる乾式汚れ(泥、埃等)には、効果は不充分で、むしろ汚れを吸着している面もあり、あまり洗濯することのない自動車や鉄道車両等における座席シート用表皮材に使用する方法としては不向きであった。
特開2004−76231号公報 特開平5−59669号公報
自動車や鉄道車両等における座席シート用表皮材は、座席からはずして洗濯をする機会は少なく、洗濯をしなくても汚れを簡単に落とすことができる布帛であることが求められている。例えば、皮脂汚れ(黒ずみ汚れ)等は、水を含んだ布帛で擦るだけで簡単に落とすことができ、砂や埃等のドライソイルといわれる汚れは、手で叩いたり掃除機で吸引するだけで簡単に落とすことができる布帛であることが求められている。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、座席シート用表皮材の表面側に親水性樹脂組成物を固着した後、フッ素系化合物とシリカ微粒子とを含む組成物を該座席シート用表皮材の表面に付着させることで上記課題を克服し、本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]繊維布帛の表面に、親水性樹脂組成物を固着した後、フッ素系化合物とシリカ微粒子とを含む組成物を該繊維布帛の表面に付着させることを特徴とする防汚性に優れた座席シート用表皮材の製造方法。
[2]前記親水性樹脂組成物が、ノニオン性を有するポリエステル系樹脂組成物からなり、繊維布帛の表面に最初に塗布することを特徴とする前項1に記載の座席シート用表皮材の製造方法。
[3]前記フッ素系化合物が、フルオロカーボン樹脂組成物からなり、前記シリカ微粒子が、変成オルガノシリケート微粒子からなることを特徴とする前項1又は2に記載の座席シート用表皮材の製造方法。
[4]前記変成オルガノシリケート微粒子の平均粒子径が0.01μm〜0.1μmであることを特徴とする前項1〜3のいずれか1項に記載の座席シート用表皮材の製造方法。
[5]前記フルオロカーボン樹脂組成物はパーフルオロアルキルアクリレートコポリマーまたはパーフルオロアルキルウレタンオリゴマーからなることを特徴とする前項1〜4のいずれか1項に記載の座席シート用表皮材の製造方法。
[6]前項1〜5のいずれか1項に記載の座席シート用表皮材の製造方法で製造した防汚性に優れた座席シート用表皮材。
[1]の発明では、繊維布帛の表面に、親水性樹脂組成物を塗布した後に、フッ素系化合物とシリカ微粒子とを含む組成物を該繊維布帛の表面に固着させるので、繊維布帛の表面にまずSR加工が施され、水によって汚れの落とされやすい状況が形成される。その後フッ素系化合物によって撥水性が付与され、シリカ微粒子によってドライソイルリリース性が付与されることになり、砂や埃等の汚れは手で叩いたり、掃除機で吸引するだけで簡単に落とすことができる。また、皮脂汚れ(黒ずみ汚れ)等は、水を含んだ布帛で擦るだけで簡単に落とすことが可能で、防汚性に優れた座席シート用表皮材の製造方法とすることができる。
[2]の発明では、前記親水性樹脂組成物が、ノニオン性を有するポリエステル系樹脂組成物からなるので、吸水SR加工となり、水を含んだ布帛で擦るだけで簡単に皮脂汚れ(黒ずみ汚れ)等の汚れを落とすことができる。また、繊維布帛の表面に最初に塗布するので、布帛全体にわたってSR性に優れた防汚性のある座席シート用表皮材の製造方法とすることができる。前記ポリエステル系樹脂組成物該がノニオン性を有するので、薬剤の混和性、繊維への加工性の面で好適である。
[3]の発明では、前記フッ素系化合物が、フルオロカーボン樹脂組成物からなるので繊維布帛の表面に撥水加工を施し液体汚れが付着しても簡単にふき取ることができ、シリカ微粒子が、変成オルガノシリケート微粒子からなるので、砂、泥等の固体汚れが付着しても、手で簡単に叩きながら落とすことができる。
[4]の発明では、変成オルガノシリケート微粒子の平均粒子径が0.01μm〜0.1μmであるので、固体汚れが繊維表面の微細孔の隙間に入り込むのを防ぎ、固体汚れが付着するのを防止する効果を発揮することができる。
[5]の発明では、前記フルオロカーボン樹脂組成物はパーフルオロアルキルアクリレートコポリマーまたはパーフルオロアルキルウレタンオリゴマーからなるので、汚れをつきにくくすることができる。
[6]の発明では、前項1〜5のいずれか1項に記載の座席シート用表皮材の製造方法で製造した座席シート用表皮材であるので、防汚性に優れ、皮脂汚れ(黒ずみ汚れ)等は、水を含んだ布帛で擦るだけで簡単に落とすことができ、砂や埃等の汚れは掃除機で吸引するだけで簡単に落とすことができる座席シート用表皮材とすることができる。
この発明においては、繊維布帛の表面に、親水性樹脂組成物を固着した後に、フッ素系化合物とシリカ微粒子とを含む組成物を該繊維布帛の表面に付着させることが重要である。親水性樹脂組成物を繊維布帛の表面に塗布乾燥することにより、繊維布帛の表面にまずSR加工が施され、水によって汚れの落とされやすい状況が形成される。
親水性樹脂組成物としては、ポリエステル系、ポリアミド系、シリコン系、アクリル系等をあげることができる。中でもポリエステル系樹脂組成物からなるものが好適で、さらにノニオン性を有するポリエステル系樹脂組成物は、薬剤の混和性、繊維への加工性が良好で好適である。例えば、ポリエチレングリコールとポリエチレンテレフタレートのブロック共重合物で、ノニオン性を有するポリエステル系樹脂組成物で表面処理するのが好適である。この発明においては、繊維布帛の表面にまず親水性樹脂組成物を固着するには、スプレー法によって塗付し、加熱乾燥してやればよい。(本発明では高松油脂株式会社製の吸水SR剤SR1000を使用した。)繊維布帛への固着量は、0.5〜10.0g/m(乾燥重量)が好ましく、0.5g/m未満では布帛の防汚性が不十分で、10.0g/mを超える固着量にしても防汚性能が大きく向上するわけでも無い。また、本発明においては、繊維布帛の表面に、親水性樹脂組成物を塗布した後、乾燥工程を通し、しっかりと親水性樹脂組成物を繊維布帛の表面に均一に固着させた後、フッ素系化合物とシリカ微粒子とを含む組成物を該繊維布帛の表面に付着させることが大切である。乾燥を怠ったり、水性樹脂組成物、フッ素系化合物とシリカ微粒子を同時に繊維布帛の表面に塗付しても、防汚性能は向上しないで、むしろ低下することになる。
撥水性を付与するフッ素系化合物を含む組成物としては、パーフルオロアクリレート系ポリマー、パーフルオロスルホンアミドアクリレート系ポリマー、パーフルオロアルキルポリエーテル、低分子パーフルオロアルキルウレタン系オリゴマー、パーフルオロアルキル芳香族エステル系化合物等をあげることができる。中でも、フッ素系化合物は、パーフルオロアクリレート系ポリマーまたはパーフルオロアルキルウレタン系オリゴマーが好ましい。またフッ素系化合物の繊維布帛への塗布量は、0.1〜10.0g/m(乾燥重量)が好ましく、0.1g/m未満では布帛の防汚性が不十分で、また、10.0g/mを超える塗布量にしても防汚性を大きく向上するわけでも無く不経済である。より好ましくは1.0〜3.0g/mが好ましい。
ドライソイルリリース性を付与するシリカ微粒子としては、変成オルガノシリケート微粒子からなるのが好適で、砂、泥等の固体汚れが付着しても、手で簡単に叩きながら落とすことができる。変成オルガノシリケート微粒子の平均粒子径が0.01μm〜0.1μmであるのが好ましい。平均粒子径が0.01μmを下回るようにしても、徒にコストが上がるだけで、効果はさほど大きなものにならい。また、平均粒子径が0.1μmを上回るようにしても、繊維布帛の肌触りを固く感じてしまい好ましくない。シリカ微粒子の繊維布帛への塗布量は、1.0〜25.0g/mが好ましく、1.0g/m未満では布帛の防汚性が不十分で、また、25.0g/mを超える塗布量にしても防汚性を大きく向上するわけでも無く硬くなるので好ましくない。より好ましくは2.5.〜15.0g/mが好ましい。
前述のように本発明では、一旦繊維布帛の表面に、親水性樹脂組成物を塗布し、乾燥してしっかりと繊維布帛表面に親水性樹脂を固着してから、フッ素系化合物とシリカ微粒子を繊維布帛の表面に塗付し、再度乾燥して防汚性に優れた繊維布帛とするのであるが、乾燥手段は特に限定されず、風乾により行っても良いし、あるいは加熱処理により行っても良いが、乾燥処理の効率を考慮すると、加熱処理により乾燥させるのが望ましい。前記加熱処理の温度は、布帛を構成する繊維にもよるが100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理により、フッ素系化合物とシリカ微粒子の布帛への固着性を高めて、防汚性能の耐久性を一段と向上せしめることができる。
本発明における防汚加工の対象となる繊維布帛としては、特に限定されるものではなくどのようなものでも使用できる。例えば、ビロード、別珍、コール天、カーペット、モケット、立毛メリヤス、起毛トリコット、シンカーパイル、シングルラッセル、ダブルラッセル、タフティングパイル布帛等のパイル布帛や、トリコット、ジャージ、インレイニット、紋織物、ドビー織物等の製編織した布地の他、ニードルパンチ、スパンボンド不織布等の不織布なども使用できる。
また、防汚加工の対象となる繊維布帛の素材としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維等からなるものを挙げることができる。
繊維布帛表面をパイルとしたパイル布帛では、毛抜け防止の為にバッキング加工が行われる。本発明では、繊維布帛の表面に本発明の防汚加工を行うのと同時に、繊維布帛の裏面にバッキング加工を施すようにするのが効率的である。バッキング加工を施したあとの繊維布帛の表面に、本発明の防汚加工を行ってもよいが、幾度となく乾燥工程を通過することになり非効率な製造方法となる。
バッキング層に使用する樹脂としては特に限定しないが、ゴム及び合成樹脂から選択される1種または2種以上の高分子成分を含むもので、高分子成分としては、SBR(スチレン−ブタジエン共重合体)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体)、MBR(メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体)、アクリル樹脂エマルジョン、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、天然ゴム等から選らばれる。
また、一般的にバッキング剤には無機充填剤が添加されるが、本発明においても無機充填剤を添加してもよい。無機充填剤としては特に限定しないが、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ等を例示できる。また、必要に応じて本発明の効果を妨げない範囲において抗菌剤、防虫剤、消臭剤、難燃剤、防炎剤等の各種添加剤をバッキング剤に配合することもできる。
つぎに本発明の具体的な実施例を比較例と対比して具体的に説明する。なお、各性能試験測定は以下のように行った。
<汚れ試験1>
JIS L 1023−8準じ以下の方法で評価した。試験片を直径140mmの円形に採取し、汚れ試験用衝撃回転子に標準汚染物質(表1)を20g入れ試験機に取り付ける。試験片を試験機に取り付け、試験台回転回数で50回汚染する。汚染終了後、直ちにバキュームを行なう。バキューム回転数は試験台回転回数で20回とする。この汚染前と汚染後の試験片間にみえる色の開きと、汚染用グレースケールの各色票間にみえる色の開きとを比較して判定し、グレースケールの等級値で表した。4級以上を合格とした。
標準汚染物質の成分及び質量比(JIS L 1023−8)
Figure 2011047085
<汚れ試験2>
ISO1137−2に準じ以下の方法で評価した。ドラム試験機内側に試験片(23cm×20cm×4枚)を貼る。ドラムを100回転させながら、標準汚染物質(表2)を10g入れる。専用重りを入れ、蓋をし900回転させる。つぎに掃除機で汚れを吸い取り(2往復)、色彩色差計を用いて試験前試験後の繊維布帛表面の色差(ΔE)を測定し試験片の汚染度とし、色差(ΔE)が2未満であれば合格とする。
標準汚染物質の成分及び質量比(ISO1137−2)
Figure 2011047085
汚れ試験1汚れ試験2は、ドライソイルリリース性を評価するものである。
<撥水性試験>
撥水性評価方法は、下記表3に示すイソプロピルアルコールと水の混合試験液をピペットを用いて、繊維布帛表面に液滴を静かに置き、10秒以上滴状を保つことを基準に、試験片の異なる5ヶ所に一滴づつ置いて試験し、4ヶ所以上が滴状を示している場合をその級の合格とする評価であり、4級以上を合格とする。
Figure 2011047085
<撥油性試験>
撥油性評価方法はAATCC−TM−118に準じ以下の方法で評価した。下記表4に示す試験液の小滴を繊維布帛表面に、ピペットを用いて静かに置き、3分以上滴状を保つことを基準に、試験片の異なる5ヶ所に一滴づつ置いて試験し、4ヶ所以上が滴状を示している場合をその級の合格とする評価であり、4級以上であれば合格とする。
Figure 2011047085
<皮脂汚れ試験>
人工汚れ成分:下記の汚粉と人工皮脂を1対10の割合で混合したも
汚粉:JIS Z8901の試験用粉体12種(カーボンブラック、粒径0.03〜0.2μm)25[Wt%]とJIS Z8901の試験用粉体8種(関東ローム層、粒径8μm)75[Wt%]混合したもの。
人工皮脂:オレイン酸70[Wt%]、パルミチン酸30[Wt%]の割合で混合したもの。
使用機器:平面摩耗試験機 面圧1000±10[g/cm]ストローク:200[mm]
負荷子:25[mm]×25[mm]の正方形
摩擦布:JIS L3102規定No.19並綿帆布
操作方法:摩擦布を負荷子に取り付け、人工汚れ成分を0.02[g]を摩擦布に均一に塗布し、試験片布地を平面摩耗試験機に取り付け、人工汚れ成分の付着した負荷子をセットする。試験片布地を負荷子で50回往復させて汚れ負荷を与える。次に負荷子の摩擦布を新しいものにして50回往復摩擦(乾拭き)する。次に負荷子の摩擦布を、水につけ、軽く絞った摩擦布に取替え50回往復摩擦(水拭き)する。試験片布地をはずし、100℃10分間乾燥し、試験片布地の中央部の色差ΔEを測定し、ΔEが3以下であれば合格とした。
<実施例1>
繊維布帛として、ポリエステル繊維65重量%とレーヨン繊維35重量%とが混紡された30番双糸を地糸として地組織を形成し、これと同時に地組織に30番双糸からなるパイル糸を経2重パイル織して得た織物(織物重量350g/m)を表皮材に使用した。該織物のパイル側から親水性樹脂組成物(高松油脂株式会社製の吸水SR剤SR1000)を2g/m(乾燥重量)スプレー塗布し、地組織の裏面側には、アクリル系樹脂エマルジョンを塗布量90g/m
(固形成分)で塗布してバッキング層を形成し、160度8分間乾燥して座席シート用表皮材の中間品を得た。次に、該中間品のパイル表面に、平均粒子径0.03μmの変成オルガノシリケート30g/l、パーフルオロアルキルアクリレートコポリマー30g/lの水溶液をよく攪拌してスプレー散布し、120℃で10分間乾燥し、パイルへの付着量が変成オルガノシリケート7.5g/m、パーフルオロアルキルアクリレートコポリマー7.5g/m、となる座席シート用表皮材を得た。汚れ試験1、2 、撥水性、撥油性、皮脂汚れの各試験を行い、防汚性評価を表5に記載した。
<実施例2>
実施例1において、平均粒子径0.08μm の変成オルガノシリケート20g/l、パーフルオロアルキルウレタンオリゴマー20g/lの水溶液をよく攪拌してスプレー散布し、120℃10分間乾燥し、パイル糸への付着量が変成オルガノシリケート5.0g/m、パーフルオロアルキルウレタンオリゴマー5.0g/m、となる繊維布帛を得た以外は実施例1と同様にして繊維布帛を得た。各汚れ試験を行い、防汚性評価を表5に記載した。
<比較例1>
実施例1において、地組織の裏面側に、アクリル系樹脂エマルジョンを塗布量90g/m (固形成分)で塗布してバッキング層を形成し、160度8分間乾燥しただけで、防汚加工を施していない繊維布帛を得た。各汚れ試験を行い、防汚性評価を表5に記載した。
<比較例2>
実施例1において、親水性樹脂組成物をスプレー塗布しないで加工した以外は実施例1と同様にして繊維布帛を得た。各汚れ試験を行い、防汚性評価を表5に記載した。
<比較例3>
実施例1において、地組織の裏面側には、アクリル系樹脂エマルジョンを塗布量90g/m (固形成分)で塗布し、繊維布帛のパイル側には、親水性樹脂組成物と、平均粒子径0.03μmの変成オルガノシリケート30g/l、パーフルオロアルキルアクリレートコポリマー30g/lの水溶液をよく攪拌してスプレー散布し、160度で10分間乾燥し、パイルへの付着量が変成オルガノシリケート7.5g/m、パーフルオロアルキルアクリレートコポリマー7.5g/m、親水性樹脂組成物2g/m(乾燥重量)となる繊維布帛を得た。各汚れ試験を行い、防汚性評価を表5に記載した。
<比較例4>
実施例1において、平均粒子径0.03μmの変成オルガノシリケートを0とした以外は実施例1と同様にして繊維布帛を得た。各汚れ試験を行い、防汚性評価を表5に記載した。
<比較例5>
実施例1において、パーフルオロアルキルアクリレートコポリマーを0とした以外は実施例1と同様にして繊維布帛を得た。各汚れ試験を行い、防汚性評価を表5に記載した。
<比較例6>
実施例1において、パイル表面に、平均粒子径0.03μmの変成オルガノシリケートと、パーフルオロアルキルアクリレートコポリマーとを先に固着し、その後親水性樹脂組成物(高松油脂株式会社製の吸水SR剤SR1000)を2g/m(乾燥重量)スプレー塗布し乾燥した。それぞれのパイルへの付着量は、変成オルガノシリケート7.5g/m、パーフルオロアルキルアクリレートコポリマー7.5g/mであったが、親水性樹脂組成物は繊維布帛に固着されなかった。各汚れ試験を行い、防汚性評価を表5に記載した。
Figure 2011047085
<評価結果>表5から明らかなように、この発明の防汚加工の施された実施例1、2の座席シート用表皮材は、汚れ試験1、2、撥水性試験、撥油性試験、皮脂汚れの各試験において優れた防汚性が発揮されていることが分かる。更に、この発明の防汚加工は、その加工処理により布帛の剛軟度等に悪影響を及ぼすことがなく、布帛は本来の優れた風合いが確保されていた。
これに対し、防汚加工を全くしていない比較例1が最も汚れやすく、また親水性樹脂組成物を加工していない比較例2では、皮脂汚れ性の悪いものとなった。パイル表面に、親水性樹脂組成物と、フッ素系化合物と、シリカ微粒子と同時に加工した比較例3では、ドライソイルリリース性、撥水、撥油性が悪く、防汚性の優れた座席シート用表皮材とはならなかった。変成オルガノシリケートを0とした比較例4では、明らかにドライソイルリリース性の低下がみられ汚れ試験1、2がそれを示している。また、パーフルオロアルキルアクリレートコポリマーを0とした比較例5では、撥水撥油性能が無くなっていた。親水性樹脂組成物を最後に加工した比較例6では、親水性樹脂組成物が繊維布帛に固着されず、比較例3と同様に防汚性の優れた座席シート用表皮材とはならなかった。
この発明に係る座席シート用表皮材は、自動車や電車等の座席シートで、洗濯の機会の少ないに座席シートに特に有効な技術であるが、他の布帛においても、表側と裏側を区別して使用し、洗濯頻度の少ない布帛に防汚性を付与する技術として応用される範囲は広い。

Claims (6)

  1. 繊維布帛の表面に、親水性樹脂組成物を固着した後、フッ素系化合物とシリカ微粒子とを含む組成物を該繊維布帛の表面に付着させることを特徴とする防汚性に優れた座席シート用表皮材の製造方法。
  2. 前記親水性樹脂組成物が、ノニオン性を有するポリエステル系樹脂組成物からなり、繊維布帛の表面に最初に固着することを特徴とする請求項1に記載の座席シート用表皮材の製造方法。
  3. 前記フッ素系化合物が、フルオロカーボン樹脂組成物からなり、前記シリカ微粒子が、変成オルガノシリケート微粒子からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の座席シート用表皮材の製造方法。
  4. 前記変成オルガノシリケート微粒子の平均粒子径が0.01μm〜0.1μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の座席シート用表皮材の製造方法。
  5. 前記フルオロカーボン樹脂組成物はパーフルオロアルキルアクリレートコポリマーまたはパーフルオロアルキルウレタンオリゴマーからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の座席シート用表皮材の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の座席シート用表皮材の製造方法で製造した防汚性に優れた座席シート用表皮材。
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