JP2016000874A - 汚れ除去性布帛 - Google Patents

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勝 吉村
達也 白崎
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Abstract

【課題】
キワツキが発生しにくい汚れ除去性布帛を提供する。
【解決手段】
少なくとも布帛表面に親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)が付与されている汚れ除去性布帛であり、前記親水性ウレタン樹脂(A)の吸水速度が0.5mm/秒以上、前記親水性ウレタン樹脂(A)の布帛への付着量が0.3〜6.0g/m、前記撥水性化合物(B)の布帛への付着量が0.15〜3.0g/m、かつ親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)の付着量の質量比(A:B)が1:0.1〜1:1.0、汚れ付着前と汚れ除去後の布帛のΔEが5.65以下である汚れ除去性布帛。
【選択図】 なし

Description

本発明は、汚れ除去性に優れた布帛に関する。詳しくは、キワツキが発生しにくい汚れ除去性に優れた布帛に関する。
従来、自動車や列車、船舶、航空機、ベビーカー等の輸送機器の座席シートや天井等の内装材、カーテンやカーペット、壁材等の建造物の内装材、あるいはベッド、ソファ等の表地であって取り外せないもの、鞄の生地など、様々な部位に布帛が用いられている。かかる布帛は、衣料用の布帛とは異なり、繰り返し使用して汚れても、取り外して洗濯することが不可能、あるいは非常に困難である。そのため、定期的に表面を拭くとともに、汚れが付着するたびに、その汚れを水やごく薄い洗浄液で拭き取ったり、掃除機で吸引したりすることが行われている。
このような拭き取りによって汚れが除去される布帛(以下、「汚れ除去性布帛」という)には、水拭きによって汚れを簡単に除去できる汚れ除去性と、飲み物等をこぼしても染みになりにくい防汚性とを兼ね備えていることが求められる。そこで、布帛表面に対し、これらの性能を高める改質処理を施す技術がいくつか開示されている。
布帛に防汚性を付与する方法として、例えば、特許文献1には、布地に、親水性ポリエステル樹脂化合物と、含フッ素防汚樹脂化合物とを付着させることにより、皮脂等による黒ずみ汚れの除去性と、水性汚れの防汚性とを両立させ、水拭きだけで容易に汚れが除去できるようにした内装用布地が開示されている。また、特許文献2には、繊維布帛の表面に、親水性樹脂組成物を固着した後、フッ素系化合物とシリカ微粒子とを含む組成物を該繊維布帛の表面に付着させることにより、皮脂汚れ(黒ずみ汚れ)等を、水を含んだ布帛で擦るだけで簡単に落とすことができ、砂や埃等は、手で叩いたり掃除機で吸引したりするだけで簡単に落とすことができる、防汚性に優れた座席シート用表皮材が開示されている。
防汚性が付与されたこれらの布帛は、たしかに、汚れを水拭きによって容易に除去できる性能を備えている。しかしながら、これらの布帛に用いられている親水性ポリエステル樹脂は吸水力が強いため、撥水性化合物による撥水性を阻害する。したがって、素材によっては、例えば椅子張地などの表皮材として座席に取り付ける工程でスチーム処理を行ったり、車両に搭載後の使用時に雨滴が掛かったり、表皮材に付着した汚れを拭き取るために水拭きしたりして水分が付着すると、キワツキが生じるという課題がある。ここで、キワツキとは、水溶性成分を含む薬剤が付与された布帛に水分が付着することにより、薬剤の水溶性成分が溶け出したり、あるいは、浮き出したりして斑になり、この部分が乾いたときに、境目が円く輪のように残って、白や黒のシミになる現象をいう。
特開2011−12364号公報 特開2011−47085号公報
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、キワツキが発生しにくい汚れ除去性布帛を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも布帛表面に親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)が付与されている汚れ除去性布帛であって、前記親水性ウレタン樹脂(A)の吸水速度が0.5〜1.2mm/秒、前記親水性ウレタン樹脂(A)の布帛への付着量が0.3〜6.0g/m、前記撥水性化合物(B)の布帛への付着量が0.15〜3.0g/m、かつ親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)の付着量の質量比(A:B)が1:0.1〜1:1.0であり、汚れ付着前と汚れ除去後の布帛の色差ΔEが5.65以下である汚れ除去性布帛である。
前記撥水性化合物(B)が、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、ワックスから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明によれば、キワツキが発生しにくい汚れ除去性布帛を提供することができる。
本発明の汚れ除去性布帛は、少なくとも布帛表面に親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)が付与されている汚れ除去性布帛であって、前記親水性ウレタン樹脂(A)の吸水速度が0.5〜1.2mm/秒、前記親水性ウレタン樹脂(A)の布帛への付着量が0.3〜6.0g/m、前記撥水性化合物(B)の布帛への付着量が0.15〜3.0g/m、かつ親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)の付着量の質量比(A:B)が1:0.1〜1:1.0であり、汚れ付着前と汚れ除去後の布帛の色差ΔEが5.65以下であるものである。
本発明が対象とする布帛は、洗濯等で丸洗いすることのできない、水拭き等の拭き取りによって汚れ除去が行われるような用途に用いられる布帛である。具体的には、前述したとおり、自動車や列車、船舶、航空機、ベビーカー等の輸送機器の座席シートや天井等の内装材、カーテンやカーペット、壁材等の建造物の内装材、あるいはベッド、ソファ等の表地であって取り外せないもの、鞄の生地等が挙げられる。
布帛の形態は、その用途に応じて、織物、編物、不織布等、様々な形態のものが挙げられる。なかでも、その表面が毛羽立ちにくいものが好ましく、またその表面に凹凸が少ないものが好ましい。
そして、布帛を構成する繊維の種類も、特に限定されないが、例えば車両や船舶、航空機等の内装材として用いられるものは、とりわけ耐久性が要求されることから、合成繊維が好ましく、なかでもポリエステル繊維を用いることが好ましい。また、複数の繊維を組み合わせたものであってもよく、その場合もポリエステル繊維と他の繊維を組み合わせたものが好ましい。
また、本発明に用いられる布帛は、どのような色であっても、当初の色が汚れによって変わることなく維持されるため、特に限定されるものではないが、より明るい色の布帛である方が、汚れによって色が黒ずんだり染みが付いたりせず、またキワツキが発生しにくい(目立ちにくい)という本発明の効果を顕著に発揮させることができるため好ましい。具体的には、CIELAB表色系におけるL値が45以上の高明度であることが好ましく、より好ましくは55以上であり、さらに好ましくは65以上である。
ここで、L値は、次のようにして求めることができる。すなわち、分光測色計(例えば、商品名:Color i5、X−Rite社製、商品名:CM−1000、コニカミノルタ株式会社製等)を用いて、D65光源による反射率のスペクトルを測定し、その測定値に基づき、色彩計算ソフトを用いて算出する。
本発明の汚れ除去性布帛は、上述の布帛の少なくとも表面に、親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)が付与されているものである。ここで、本発明において布帛表面とは、例えば、車両用表皮材として用いた場合に、車室内空間と接する側の一面をさし、布帛の裏面とは、例えば、車両表皮材として用いた場合に、車室内空間と接しない側の一面をさし、布帛全体とは、布帛の表面、裏面、および内部の全てをさすものとする。
本発明に用いられる親水性ウレタン樹脂(A)は、ウレタンポリマーに親水性官能基を有するものである。親水性官能基としては、例えばカルボン酸塩基、スルホン酸塩基または硫酸半エステル塩基などのイオン性基を有するものや、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、水酸基などが挙げられる。
親水性ウレタン樹脂を用いることにより、撥水性化合物による撥水性を高く維持できるため、水分の付着を抑制することができ、薬剤の水溶性成分が溶け出すことに起因するキワツキの発生を抑制することができる。また、水系汚れが浸透し、付着することを防止することができる。さらに、ウレタン樹脂が親水性であるため、水拭きによる汚れ除去性も良好である。
親水性ウレタン樹脂(A)の吸水速度は0.5〜1.2mm/秒以上であることが肝要である。吸水速度が0.5mm/秒以上であることにより、水拭きによる汚れ除去性が損なわれることを防ぐことができる。吸水速度が1.2mm/秒以下であることにより、キワツキの発生を抑制することができる。
ここで、吸水速度は、以下のようにして求めることができる。すなわち、樹脂を乾燥固形分で1.8g/m付着させたポリエスエルのスエード調起毛トリコット地を幅2.5cm、長さ30cmに裁断した試験片の端末3cmを水に浸漬させて、30秒間で試験片に水が浸透した長さを測定し、速度を算出する。
本発明に用いられる撥水性化合物(B)としては、撥水性を有するものであれば、特に限定されず、例えば、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、ワックスなどが挙げられ、これらを1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、汎用性及び、低濃度で撥水性を付与できるという観点から、フッ素系化合物を用いることが好ましい。
フッ素系化合物としては、パーフルオロアクリレート系ポリマー、パーフルオロスルホンアミドアクリレート系ポリマー、パーフルオロアルキルポリエーテル、低分子パーフルオロアルキルウレタン系オリゴマー、パーフルオロアルキル芳香族エステル系化合物等が挙げられる。なかでも、汎用性の面から、パーフルオロアクリレート系ポリマーまたはパーフルオロアルキルウレタン系オリゴマーが好ましい。また、防汚性の観点、特に水系汚れをしみこませにくくする防汚性の観点から、撥水性であればあるほど好ましい。
シリコーン系化合物としては、各種のシリコーン樹脂(ただし、親水性シリコーン樹脂を除く。以下同じ)、各種のシリコーンオイルが挙げられる。なお、これらのシリコーン樹脂、シリコーンオイルは、珪素(Si)と酸素(O)とが交互に並ぶシロキサン結合を骨格とするポリマーであり、シリコーン樹脂は、上記シロキサン結合が3次元的に架橋したもの、シリコーンオイルは、上記シロキサン結合が鎖状に延びたものである。
上記シリコーン系化合物としては、例えば、ジメチルシリコーン、ジメチルシリコーンの変性物(エポキシ変性物、アミノ変性物など)、メチルハイドロジェンシリコーン、シリコーン・アクリル共重合体等が挙げられる。なかでも、汎用性の面から、メチルハイドロジェンシリコーンが好ましい。また、防汚性の観点、特に水系汚れをしみこませにくくする防汚性の観点から、撥水性であればあるほど好ましい。
ワックスとしては、例えば、蜜蝋、鯨蝋およびセラック蝋等の動物由来のワックス;カルナバ蝋、木蝋、米糠蝋およびキャンデリラワックス等の植物由来のワックス;パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックス等の石油由来のワックス;モンタンワックスおよびオゾケライト等の鉱物由来のワックス;フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、油脂系合成ワックス(エステル、ケトン類、アミド)および水素化ワックス等の合成ワックス;酸化ワックス、配合ワックス、および変性モンタンワックス等の加工・変性ワックスなどを挙げることができる。なかでも、汎用性の面から、パラフィンワックスが好ましい。また、防汚性の観点、特に水系汚れをしみこませにくくする防汚性の観点から、撥水性であればあるほど好ましい。
なお、撥水性化合物(B)の撥水性は以下の方法を用いて評価することができる。すなわち、ポリエステル布帛に、撥水性化合物(B)を乾燥付着量が2g/mとなるように付与した後、乾燥した。そして、得られた処理布帛を水平な台の上に置き、その約3cm上から、水を1滴滴下した。10秒後、水滴を拭き取り、処理布帛表面の湿潤状態を目視により観察し、下記の評価基準に従って評価した。
1級 : 水滴は染み込んで拭き取ることができない。染み込んだ水滴は広がって表面にも裏面にも湿潤する。
2級 : 水滴はわずかに拭き取ることができる。染み込んだ水滴は広がって表面にも裏面にも湿潤する。
3級 : 水滴は略拭き取ることができる。表面には湿潤するが裏面には湿潤しない。
4級 : 水滴は拭き取ることができる。表面にわずかに湿潤するが裏面には湿潤しない。
5級 : 水滴は拭き取ることができる。表面も裏面も湿潤しない。
防汚性を高めるには、撥水性の評価が「3級」以上であるパーフルオロアクリレート系ポリマー、メチルハイドロジェンシリコーン、ジメチルシリコーン、ジメチルシリコーンのエポキシ変性物、ジメチルシリコーンのアミノ変性物、シリコーン・アクリル共重合体、撥水性シリコーン等を用いることが好ましい。なかでも、撥水性の評価が「4級」であるパーフルオロアクリレート系ポリマー、メチルハイドロジェンシリコーン、撥水性シリコーンを用いることがとりわけ好ましい。
本発明の汚れ除去性布帛は、前述した親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)を用い、例えば次のようにして得ることができる。すなわち、まず親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)とを、共に所定の割合で、分散媒である水に混合し攪拌して、処理液を調製する。そして、この処理液を、布帛に付与して布帛を処理した後、加熱乾燥することにより製造することができる。
なお、上記製法において、親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)を布帛に付与する際、これらを分散媒である水に混合して処理液として用いているが、場合によっては、個別に処理液を調整し、いずれか一方から順次、処理を行うようにしてもよく、親水性ウレタン樹脂(A)が布帛に付着しやすいという理由により、親水性ウレタン樹脂(A)の処理後に、撥水性化合物(B)で処理を行うことが好ましい。
また、処理液には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、架橋剤、分散剤、増粘剤、乳化剤、pH調整剤、風合い処理剤、消泡剤などが挙げられる。
処理液を布帛に付与する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができるが、処理液を布帛全体に均一に供給することができるという観点から、ディッピングを用いることが好ましい。また、経済的な理由や顧客からの要望等により、布帛の表面のみに処理液を付与し、裏面には付与しないようにすることが望ましい場合は、グラビアコーター、スプレーコーター等を用いることが好ましい。
次いで、処理液を付与した布帛を乾燥する。乾燥は媒体が残存しない程度になされていればよく、条件は特に限定されない。媒体の沸点や生産効率、用いる布帛の材質や形態を考慮し、適宜設定すればよいが、一般に、処理温度を130〜190℃、処理時間を1〜5分間に設定することが好ましい。処理温度や処理時間が下限値以上であることにより、撥水性化合物(B)の撥水性を十分に発現させることができる。処理温度や処理時間が上限値以下であることにより、布帛が粗硬になったり肌触りの悪いものとなったりすることを防ぐことができる。
上記処理液における親水性ウレタン樹脂(A)、撥水性化合物(B)の配合量は、処理液のピックアップ率を勘案し、最終的に得られる汚れ除去性布帛におけるこれらの最適な付着量から逆算して決定される。
親水性ウレタン樹脂(A)の布帛への付着量は、0.3〜6.0g/mであることが肝要であり、0.5〜6.0g/mであることが好ましい。付着量が0.3g/m以上であることにより、水拭きによる汚れ除去性が十分に得られる。付着量が6.0g/m以下であることにより、撥水性化合物(B)による撥水性が十分に発現されるため、防汚性が損なわれることを防ぐことができる。
撥水性化合物(B)の布帛への付着量は、0.15〜3.0g/mであることが肝要であり、0.3〜1.5g/mであることが好ましい。付着量が0.15g/m以上であることにより、布帛表面の撥水性が不十分となることはなく、キワツキの発生を抑制し、且つ、防汚性が損なわれることを防ぐことができる。付着量が3.0g/m以下であることにより、撥水性化合物の疎水性が親水性ウレタン樹脂の親水性を阻害することにより水拭きによる汚れ除去性が損なわれることを防ぐことができる。
なお、これらの付着量は、以下のようにして求めることができる。すなわち、未処理布帛重量Wを測定しておき、処理液による処理および乾燥後の布帛重量Wを測定する。そして、(W−W)の値を求めた後、処理液の成分組成の固形分比から、布帛単位面積あたりの親水性ウレタン樹脂、撥水性化合物の付着量を算出する。
上記親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)の付着量の質量比(A:B)は、1:0.1〜1:1であることが肝要である。上記質量比の範囲であることにより、水拭きによる汚れ除去性が損なわれることを防ぐことができる。また、撥水性が維持できるためキワツキが発生したり、防汚性が損なわれたり、風合いが粗硬になったりすることを防ぐことができる。
このようにして得られた汚れ除去性布帛は、少なくともその布帛表面が、親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)によって処理されているため、布帛表面に防汚性および汚れ除去性が付与されているだけでなく、キワツキの発生を抑制することができる。
なお本発明における汚れ除去性は、後述の方法により汚れを付着および除去した部分について、汚れ付着前と汚れ除去後の布帛の色差ΔEが5.65以下である。色差ΔEの値が小さいほど汚れが除去されている、と評価することができる。
そして、この汚れ除去性布帛が、明るい色(例えばCIELAB表色系におけるL値が45以上の色)である場合には、水拭きによって汚れが除去されることにより、汚れによって色が黒ずんだり染みが付いたりせず、またキワツキが発生しにくい(目立ちにくい)ため、とりわけ優れた効果を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例中の「部」「%」は質量基準であるものとする。また、得られた汚れ除去性布帛の評価は、以下の方法に従った。
[汚れ除去性、色差測定]
(1)汚れの付与
まず、JIS Z 8901に規定されている12種のカーボンブラックXと、オレイン酸70部、パルミチン酸20部、ステアリン酸10部からなる組成物を十分に攪拌混合してなる人工皮脂Yとを、X:Y=3:200となるように混合して合成汚れを作製した。
そして、学振型摩擦堅牢度試験機(RT−200、株式会社大栄科学精器製作所製)に、試験片(実施例品、比較例品)を両面テープでセットし、上記合成汚れ0.203gを付着させた摩擦布(JIS L3102規定の綿帆布9号)を取り付けた摩擦子(摺動面寸法:25mm×25mm)で、荷重4.9N、ストローク100mm、摩擦速度30往復/分で10往復摩擦して、試験片に汚れを付着させた。
(2)汚れ除去
このようにして得られた汚れ付の試験片を、学振型摩擦堅牢度試験機(RT−200、株式会社大栄科学精器製作所製)に両面テープを用いてセットし、150mm×150mmの不織布(BEMCOT M−1、旭化成せんい株式会社製)に水1mLを滴下したものを取り付けた摩擦子(摺動面寸法:20mm×20mm)で、荷重4.9N、ストローク100mm、摩擦速度30往復/分で40往復摩擦して、試験片の汚れを除去した。ただし、摩擦回数20回往復後、新たな拭き取り布に交換して、再度摩擦回数20回の往復を行うことにより、合計40往復とした。その後、試験片(汚れ除去後)を常温で放置し、乾燥した。
(3)汚れ除去性の評価
上記試験片(汚れ除去後)の、汚れを付着させて拭き取った部分について、分光測色計(CM−1000、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、CIELAB表色系におけるL値、a値、b値を、各々3個所で測定し、各々の平均値を求めた。また、汚れ付着前の試験片のL値、a値、b値についても、同様に測定してその平均値を求めておき、これを基準とした場合の色差ΔEを求めた。値が小さいほど汚れが除去されている、と評価することができる。
また、上記で求めた色差ΔEに対し、下記の基準で等級判定した。なお、4−5級以上を○、4級を△、3−4級以下を×と判定した。
5級 : ΔEが1.14以下
4−5級 : ΔEが1.14超え、3.40以下
4級 : ΔEが3.40超え、5.65以下
3−4級 : ΔEが5.65超え、7.90以下
3級 : ΔEが7.90超え、10.90以下
2−3級 : ΔEが10.90超え、15.45以下
2級 : ΔEが15.45超え、21.85以下
1−2級 : ΔEが21.85超え、30.10以下
1級 : ΔEが30.10超え
[キワツキ]
厚さ1mmのウレタンフォーム上に30cm四方に裁断した試験片を置き、試験片の中央部に沸騰させた蒸留水を3mL滴下した後、常温で24時間放置して乾燥させた。乾燥後の試験片を観察し、キワツキの有無を目視で確認し、以下の基準に従って判断した。
○ : キワツキなし
△ : キワツキややあり
× : キワツキあり
[実施例1]
親水性ウレタン樹脂(アクアプレンWS105、明成化学株式会社製、固形分30%、吸水速度0.7mm/秒)を2質量部、撥水性化合物として撥水性フッ素系化合物(AG−E082、旭硝子株式会社製、固形分20%)を1質量部、水97質量部を混合攪拌して防汚処理液を得た。
ポリエステル織物(目付275g/m)に、上記防汚処理液を、ピックアップ率60%でディッピングすることにより、処理液を付与した。そして、150℃で3分間熱処理を行うことにより、汚れ除去性布帛を作製した。
この布帛における親水性ウレタン樹脂の付着量は0.99g/mであり、撥水性フッ素系樹脂の付着量は0.33g/mであった。親水性ウレタン樹脂:撥水性フッ素系樹脂の質量比は、1:0.33となる。得られた布帛の汚れ除去性は4−5級(ΔE3.10)であり、キワツキは生じなかった。
[比較例1]
実施例1で用いたポリエステル織物(目付275g/m)に、全く処理を行わないものを未処理布とした。
[比較例2]
親水性ウレタン樹脂を親水性ポリエステル樹脂(SR−1000、高松油脂株式会社製、固形分10%、吸水速度1.4mm/秒)に変更した以外は、全て実施例1と同様にして、汚れ除去性布帛を作製した。
[実施例2〜9、比較例3]
親水性ポリウレタン樹脂の付着量と撥水性化合物の付着量を表1に示すように変更した以外は、全て実施例1と同様にして、汚れ除去性布帛を作製した。
なお、シリコーン系化合物として、ドライポン600E(日華化学株式会社製、固形分54%)、ワックスとして、ネオシードNR−90(日華化学株式会社製、固形分29%)、比較例8のウレタン樹脂としてエラストロンW−11P(第一工業製薬株式会社製、固形分26.1%)を用いた。
作製された汚れ除去性布帛について、汚れ除去性およびキワツキについて評価を行い、結果を表1に記載した。
Figure 2016000874

Claims (2)

  1. 少なくとも布帛表面に親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)が付与されている汚れ除去性布帛であって、前記親水性ウレタン樹脂(A)の吸水速度が0.5〜1.2mm/秒、前記親水性ウレタン樹脂(A)の布帛への付着量が0.3〜6.0g/m、前記撥水性化合物(B)の布帛への付着量が0.15〜3.0g/m、かつ親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)の付着量の質量比(A:B)が1:0.1〜1:1.0であり、汚れ付着前と汚れ除去後の布帛の色差ΔEが5.65以下である汚れ除去性布帛。
  2. 前記撥水性化合物(B)が、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、ワックスから選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の汚れ除去性布帛。
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