JP2008163475A - 繊維構造物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単繊維表面に、トリアジン環含有重合性単量体を重合性分として含有してなる樹脂皮膜を有し、かつ、該皮膜中に、フッ素系撥水撥油性樹脂が含有されてなり、撥水度が3級以下である繊維構造物。トリアジン環含有重合性単量体とはトリアジン環を含有し、重合性官能基を少なくとも2個有する化合物である。フッ素系撥水撥油剤としては、撥水度が3級以下となるものが用いられる。
【選択図】なし
Description
1.単繊維表面に、トリアジン環含有重合性単量体を重合成分として含有してなる樹脂皮膜を有し、かつ、該皮膜中に、親水性成分を有するフッ素系撥水撥油性樹脂が含有されてなり、撥水度が3級以下である繊維構造物。
2.該撥水撥油性樹脂が下記式1または2で表される化合物の少なくとも一種である上記1に記載の繊維構造物。
(測定方法)
25φのゴム栓の表面に資生堂(株)製の口紅RS366を0.006g均一に塗布し、布地に押し当ててゴム栓を45°回転させて口紅を布地に汚染させる。該汚染布を24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。
4.下記測定法により測定したときのファンデーション防汚性が4級以上である上記1〜3のいずれかに記載の繊維構造物。
(測定方法)
25φのゴム栓の表面に資生堂(株)製のファンデーションオークル30を0.006g均一に塗布し、布地に押し当ててゴム栓を45°回転させてファンデーションを布地に汚染させる。該汚染布を24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。
5.下記測定法により測定したときの皮脂汚染の防汚性が4級以上である上記1〜4のいずれかに記載の繊維構造物。
(測定方法)
日本家政学会誌 Vol46 No3 265〜269(1995)に記載されている皮質汚染剤を25φのゴム栓の表面に0.006gを均一に塗布し、布地に押し当ててゴム栓を45°回転させて皮質汚染剤を布地に汚染させる。該汚染布を24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。
6.下記測定法により測定したときの泥防汚性が4級以上である上記1〜5のいずれかに記載の繊維構造物。
(測定方法)
赤玉土/黒土/水を1/1/1の重量比で採取し、乳鉢に入れて粉砕混合し、汚染用泥を作製する。10cm×10cmの布地表面に、該汚染剤20gをナイフコーターで塗布し、24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。
7.上記1〜6のいずれかに記載の繊維構造物を用いてなる衣料。
本発明のトリアジン環含有化合物とはトリアジン環を含有し、重合性官能基を少なくとも2個有する化合物であり、例えば下記式3で示されるものが挙げられる。
本発明の皮膜に、微粒子を混合することができる。該微粒子とは、無機微粒子あるいは有機微粒子のいずれでもよく、無機微粒子とは、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、カオリン、ベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム等が例示され、水分散体として使用するのが好ましい。中でも酸化ケイ素が好ましく使用できる。該粒子の数平均粒子径としては好ましくは5〜500nmであり、より好ましくは10〜100nmである。有機微粒子としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂およびこれらの共重合物等が例示でき、該粒子の数平均粒子径としては好ましくは5〜2000nmであり、より好ましくは10〜300nmであり、水分散体として使用するのが好ましい。これらの無機微粒子、有機微粒子を単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。該粒子の添加により制電性樹脂皮膜の形成性が向上し、強靱な皮膜となり耐久性を高めることができる。更には、該粒子により樹脂皮膜の表面に微細な凹凸が形成されるので、特に固体状の汚染物の付着防止性、脱落性をより一層、高めることができるものである。本発明において、微粒子の混合量は、単量体とフッ素系撥水撥油性樹脂の混合物重量100に対して、1〜100、好ましくは10〜50である。
本発明の樹脂皮膜には、多官能性イソシアネート化合物が含まれていても良い。多官能性イソシアネート系化合物としては、分子中に2個以上のイソシアネート官能基を含む有機化合物であれば特に限定されるものではなく、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニールメタンジイソシアネート、水素添加ジフェニールメタンジイソシアネート、トリフェニールトリイソシアネート、キシレジンイソシアネート、ジクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、フリセリントリレンジイソシアネートアダクトなどにブロッキング化化合物(イソシアネートアダクトとともに70〜200℃に加熱することで、イソシアネート基を再生させる化合物)である、フェノール、マロン酸ジエチルエステル、メチルエチルケトオキシム、重亜硫酸ソーダ、ε−カプロラクタムなどを反応させた多官能ブロックイソシアネートウレタン樹脂を挙げることができる。ブロックイソシアネートの熱分離速度の向上と熱解離温度の低下とを促進するために用いる解離触媒としてはジブチルスズジオレート、ジブチルスズステアレート、ステアリル亜鉛、有機アミン化合物が好ましい。かかる混合剤の混合は、フッ素系撥水撥油剤の耐久性を高める効果があり、処理液に0.01〜1%の濃度で混合すればよい。
本発明の繊維構造物は、下記測定法により測定したときの口紅防汚性が4級以上であることが好ましい。親水性成分を有するフッ素系撥水撥油剤の離形効果により洗濯での脱落性を促進させるものである。
(測定方法)
25φのゴム栓の表面に資生堂(株)製の口紅RS366を0.006g均一に塗布し、布地に押し当ててゴム栓を45°回転させて口紅を布地に汚染させる。該汚染布を24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。
本発明の繊維構造物は、下記測定法により測定したときのファンデーション防汚性が4級以上であることが好ましい。親水性成分を有するフッ素系撥水撥油剤の離形効果により洗濯での脱落性を促進させるものである。
(測定方法)
25φのゴム栓の表面に資生堂(株)製のファンデーションオークル30を0.006g均一に塗布し、布地に押し当ててゴム栓を45°回転させてファンデーションを布地に汚染させる。該汚染布を24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。
本発明の繊維構造物は、下記測定法により測定したときの皮脂汚染の防汚性が4級以上であることが好ましい。親水性成分を有するフッ素系撥水撥油剤の離形効果により、洗濯での脱落性を促進させるものである。
(測定方法)
日本家政学会誌 Vol46 No3 265〜269(1995)に記載されている皮質汚染剤を25φのゴム栓の表面に0.006gを均一に塗布し、布地に押し当ててゴム栓を45°回転させて皮質汚染剤を布地に汚染させる。該汚染布を24時間放置した後、JI S L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。
本発明の繊維構造物は、下記測定法により測定したときの泥防汚性が4級以上であることが好ましい。フッ素系撥水撥油剤の離形効果により洗濯での脱落性を促進させるものである。
(測定方法)
赤玉土/黒土/水を1/1/1の重量比で採取し、乳鉢に入れて粉砕混合し、汚染用泥を作製する。10cm×10cmの布地表面に、該汚染剤20gをナイフコーターで塗布し、24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。
JIS L 1092「繊維製品の防水性試験方法」(1998年)に規定される方法でスプレー法により評価を行い、級判定を行った。
(防汚性a:口紅防汚性)
25φのゴム栓の表面に資生堂(株)製の口紅RS366を0.006g均一に塗布し、布地に押し当ててゴム栓を45°回転させて口紅を布地に汚染させる。該汚染布を24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定した。
(防汚性b:ファンデーション防汚性)
25φのゴム栓の表面に資生堂(株)製のファンデーションオークル30を0.006g均一に塗布し、布地に押し当ててゴム栓を45°回転させてファンデーションを布地に汚染させる。該汚染布を24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定した。
(防汚性c:皮脂汚れ防汚性)
日本家政学会誌 Vol.46 No3 265〜269(1995)に記載されている下記汚染剤を調合し、該汚染剤を25φゴム栓の表面に0.006g均一に塗布し、布地に押し当ててゴム栓を45°回転させて皮脂汚れを布地に汚染させる。該汚染布を24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定した。
<皮脂汚れ汚染剤>
(1)汚染剤成分と分量
(A)有機質成分
(a)油性汚垢成分
オレイン酸 14.2g
トリオレイン 7.8g
オレイン酸コレステロール 6.1g
流動パラフィン 1.3g
スクアレン 1.3g
コレステロール 0.8g
(b)蛋白質
ゼラチン 3.5g
(B)無機質成分
赤黄色土 15.0g
カーボンブラック 0.25g
(2)汚染液の作り方
1000mLのビーカーに、水質硬度80mg/L以下の水850mLにゼラチンを投入し、45℃を超えない温度で溶解する。その後、カーボンブラックを投入して、ホモジナイザー(攪拌機)でカーボンブラックが十分に分散するまで攪拌した後、12〜72時間自然放置する。その後、ホモジナイザーで3分間攪拌した後赤黄色土を投入してホモジナイザーで約30分攪拌する。次いで油性汚垢成分を投入して約2分間攪拌する。
(防汚性d:泥汚れ防汚性)
赤玉土/通常の土/水を1/1/1の重量比で採取し、乳鉢に入れて粉砕混合し、汚染用泥を作製する。10cm×10cmの布地表面に、該汚染剤20gをナイフコーターで塗布し、24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定した。
自動反転渦巻き電気洗濯機に、JIS K 337に規定される弱アルカリ性合成洗剤を0.2%の濃度になるように溶解し、浴比1:50で、40±2℃の温度で、強条件で10分洗濯し、次いで排水しオーバーフロー水洗10分×2回をする工程を1回としてこれを20回繰り返した後、風乾した。該洗濯布を前記した方法で防汚性を測定し、洗濯耐久性能を評価した。
ポリエチレンテレフタレートからなる84dtex、72フィラメントの仮撚り加工糸をタテ糸、ヨコ糸に使用して平織物を製織したのち、該織物を95℃の温度で、連続式精練機で常法に従い精練、湯水洗し、次いで130℃で乾燥、180℃でピンテンターセットした。次いで、液流染色機を用いて130℃の温度で蛍光白色に染色し、常法により洗浄、湯水洗、乾燥し170℃でピンテンターセットし、タテ/ヨコ密度140/88本/2.54cmの織物とした。
<防汚加工樹脂>
以下に示す重合性単量体等を、表1に示した割合で混合し、重合触媒として過硫酸アンモニウムを3g/Lの濃度で混合して処理液を調液した。該処理液に織物を浸漬して、処理液の付着量が100重量%になるように調整してマングルで絞り、105℃の飽和水蒸気雰囲気中にて5分間の処理を行った。次いで、非イオン界面活性剤1g/L、炭酸ナトリウム1g/Lとした60℃の水溶液中で1分洗浄し、水洗し、130℃で乾燥し、170℃の温度でピンテンターセットした。該加工布の加工上がり品と、洗濯を20回実施した洗濯品の防汚性を測定した。
(重合性単量体)
A:ベッカミンM3(大日本インキ化学社製、トリメチロールメラミン、固形分00%)。(フッ素系撥水撥油剤)
B:アサヒガードAG1100(明成化学(株)製、親水性フッ素系撥水撥油剤、固形分20%)
C:アサヒガードAG780(明成化学(株)製、親水性フッ素系撥水撥油剤、固形分20%)
D:NKガードSR−108(日華化学(株)製、親水性フッ素系撥水撥油剤、固形分20%)
E:F470((株)京絹化成製、フッ素系撥水撥油剤、固形分20%))
Claims (7)
- 単繊維表面に、トリアジン環含有重合性単量体を重合成分として含有してなる樹脂皮膜を有し、かつ、該皮膜中に、親水性成分を有するフッ素系撥水撥油性樹脂が含有されてなり、撥水度が3級以下である繊維構造物。
- 下記測定法により測定したときの口紅防汚性が4級以上である請求項1または2に記載の繊維構造物。
(測定方法)
25φのゴム栓の表面に資生堂(株)製の口紅RS366を0.006g均一に塗布し、布地に押し当ててゴム栓を45°回転させて口紅を布地に汚染させる。該汚染布を24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。 - 下記測定法により測定したときのファンデーション防汚性が4級以上である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維構造物。
(測定方法)
25φのゴム栓の表面に資生堂(株)製のファンデーションオークル30を0.006g均一に塗布し、布地に押し当ててゴム栓を45°回転させてファンデーションを布地に汚染させる。該汚染布を24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。 - 下記測定法により測定したときの皮脂汚染の防汚性が4級以上である請求項1〜4のいずれかに記載の繊維構造物。
(測定方法)
日本家政学会誌 Vol46 No3 265〜269(1995)に記載されている皮質汚染剤を25φのゴム栓の表面に0.006gを均一に塗布し、布地に押し当ててゴム栓を45°回転させて皮質汚染剤を布地に汚染させる。該汚染布を24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。 - 下記測定法により測定したときの泥防汚性が4級以上である請求項1〜5のいずれかに記載の繊維構造物。
(測定方法)
赤玉土/黒土/水を1/1/1の重量比で採取し、乳鉢に入れて粉砕混合し、汚染用泥を作製する。10cm×10cmの布地表面に、該汚染剤20gをナイフコーターで塗布し、24時間放置した後、JIS L0217−103法に規定される方法で洗濯を行い、汚染の程度を汚染用グレースケールで(級)判定する。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の繊維構造物を用いてなる衣料。
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