JPH093722A - 紡糸安定性に優れたアクリル系プレカーサ用原液 - Google Patents

紡糸安定性に優れたアクリル系プレカーサ用原液

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JPH093722A
JPH093722A JP14747995A JP14747995A JPH093722A JP H093722 A JPH093722 A JP H093722A JP 14747995 A JP14747995 A JP 14747995A JP 14747995 A JP14747995 A JP 14747995A JP H093722 A JPH093722 A JP H093722A
Authority
JP
Japan
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acid
precursor
acrylic
dope
stock solution
Prior art date
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Pending
Application number
JP14747995A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideto Kakita
秀人 柿田
Kazunari Miwakeichi
和成 三分一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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  • Artificial Filaments (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱安定性を改善し、ゲル化を抑制され、紡糸
安定性の優れたアクリル系プレカーサ用原液を提供す
る。 【構成】 アクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸
のうち少なくとも1つの酸モノマーを共重合したアクリ
ル系重合体を溶剤によって溶解したアクリル系プレカー
サ用原液であって、pKa値が4以下の鉱酸または/お
よび有機カルボン酸をアクリル系プレカーサ原液に対し
て0.01〜5重量%添加した紡糸安定性の優れたアク
リル系プレカーサ用原液である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維前駆体繊維で
あるプレカーサの製造に供する、熱安定性を改善し、ゲ
ル化を抑制した紡糸安定性に優れたアクリル系プレカー
サ用原液に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系重合体はプレカーサの原料と
して広く利用されている。一般的には、この重合体を有
機または無機溶媒に溶解して原液とした後、湿式あるい
は乾湿式紡糸して、繊維状に賦型した後、延伸、洗浄、
乾燥緻密化することにより、プレカーサが得られる。こ
のプレカーサを200〜300℃の酸化性雰囲気下で熱
処理することによって耐炎化繊維とし引き続いて少なく
とも1000℃の不活性雰囲気下で炭素化する方法が工
業的に広く採用されている。この様にして得られた炭素
繊維は優れた物性によって特に複合材料に好適に用いら
れている。
【0003】この炭素繊維の性能発現に対し最も重要な
工程が耐炎化工程であり、炭素繊維製造工程で最も長時
間を要し、最もエネルギーを消費する工程でもある。ま
た、この耐炎化工程中にプレカーサはその分子構造に著
しい変化を生じ、ニトリル基が環状構造となる、脱水素
が起こる、さらに酸素が分子内に取り込まれる。この3
種類の反応はすべて発熱反応であるため、耐炎化工程で
プレカーサは多量の熱を発生する。従ってプレカーサか
らの除熱を迅速に行わないとプレカーサ内部に熱が蓄積
し、未だ熱可塑性を残しているプレカーサに重大な損傷
を与えることとなり、得られる炭素繊維の性能も損なう
ことになる。このトラブルをさけるために耐炎化工程で
はできるだけ低温からゆっくり温度を上げて、時間をか
けて耐炎化し、急激な発熱をさけるとともに十分な流速
で空気を流し除熱効率を高めることが行われている。
【0004】また、一方アクリロニトリルのみからなる
ホモポリマーは、耐炎化反応が遅く、耐炎化反応が開始
する温度が高く、急激に反応が進行するため、この様な
ポリマーから良好な炭素繊維が得られないことがわかっ
ている。
【0005】耐炎化工程に要する時間を短縮し、また耐
炎化反応が低温で開始し、急激な発熱が起こらないよう
に耐炎化反応の触媒となるようなモノマーを共重合成分
として導入することが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
目的で耐炎化反応の触媒となるようなモノマーを共重合
すると紡糸原液の熱安定性が悪くなり、短時間のうちに
ゲル化を起こし、紡糸トラブルの原因となることが判明
した。本発明は、熱安定性を改善し、ゲル化を抑制した
紡糸安定性に優れたアクリル系プレカーサ用原液を提供
することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはプレカーサ
用原液のゲル化挙動を研究した結果、ゲル化の抑制に酸
の添加が有効であることを見いだし、本発明に到達し
た。
【0008】すなわち、本発明の要旨はアクリル酸、メ
タクリル酸およびイタコン酸のうち少なくとも1つの酸
モノマーを共重合したアクリル系重合体を溶剤によって
溶解したアクリル系プレカーサ用原液であって、pKa
値が4以下の鉱酸または/および有機カルボン酸をアク
リル系プレカーサ原液に対して0.01〜5重量%添加
した紡糸安定性に優れたアクリル系プレカーサ用原液に
ある。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明プ
レカーサ用原液の溶質であるアクリル系重合体はアクリ
ロニトリルとイタコン酸、メタクリル酸およびアクリル
酸から選ばれる少なくとも1種のモノマーの共重合体で
あることが必要である。これら共重合成分の共重合率は
耐炎化反応における特性を考慮し決定されるが0.1m
ol%以上が好ましい。
【0010】本発明において、上記アクリル系重合体を
得る重合方法は特に限定されるものではなく、水系懸濁
重合法、水−溶剤系懸濁重合法、溶液重合法のいずれで
もよい。重合開始剤はレドックス系、アゾビス系、過酸
化物系いずれでもよい。
【0011】プレカーサ原液を調製する溶剤はジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトミド、ジメチルスルホキ
シド塩化亜鉛水溶液、チオシアン酸塩水溶液等を例示す
ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0012】本発明のプレカーサ用原液に添加する鉱酸
または/および有機カルボン酸はpKa値が4以下であ
ることが必要である。pKa値が4を越えると原液のゲ
ル化を抑制する効果が小さく好ましくない。紡糸原液に
添加しても析出物が発生することがない点からギ酸(p
Ka=3.7)が特に好ましい。また、上述の酸を添加
する量はプレカーサ用原液に対し0.01〜5重量%で
あることが必要である。添加量が0.1重量%に満たな
い場合は原液のゲル化を抑制する効果が小さく、5重量
%を超える場合は、かえって原液のゲル化を促進し好ま
しくない。
【0013】以上述べてきた本発明のプレカーサ用原液
は公知の紡糸方法、すなわち湿式、乾湿式いずれの紡糸
方法にも好適に用いられ、紡糸に続く水洗、延伸あるい
は乾燥緻密化においても公知の方法をそのまま適用する
ことができる。
【0014】
【実施例】以下実施例を示し、発明を詳細に説明する。
【0015】(実施例1)過硫酸カリウムと酸性亜硫酸
ナトリウムの組み合わせのレドックス開始剤を用い、水
系懸濁重合法によりアクリロニトリル98mol%、メ
タクリル酸2mol%の極限粘度は1.7のアクリル系
共重合体を得た。この重合体をジメチルホルムアミドに
20重量%となるよう溶解した。この溶液に対し0.2
重量%となるようにギ酸(pKa=3.7)を添加し
た。この溶液の80℃における粘度は2×102ポイズ
であった。これを硬質ガラス試験管に入れ90℃油浴に
10日間放置したのち、80℃における粘度を測定した
ところ2×102ポイズで変化がなかった。
【0016】(比較例1)ギ酸を添加しない他は実施例
1と同様な操作を行い90℃油浴中に10日間放置した
後の80℃における粘度を測定したところ2×104
イズを超え、室温では全く流動性を示さなかった。
【0017】(実施例2)ギ酸の代わりに硝酸(pKa
=1.8)を0.1重量%添加するほかは実施例1と同
様な操作を行い、90℃油浴中に10日間放置した後の
80℃における粘度を測定したところ2×102ポイズ
と変化がなかった。
【0018】(比較例2)ギ酸の代わりに酢酸(pKa
=4.7)を0.1重量%添加するほかは実施例1と同
様な操作を行い、90℃油浴中に10日間放置した後の
80℃における粘度を測定したところ2×104ポイズ
を超え、室温においては全く流動性を示さなかった。
【0019】
【発明の効果】本発明のアクリル系プレカーサ用原液
は、耐炎化反応の触媒となるようなモノマーを共重合し
ているにもかかわらず短時間の内にゲル化を起こすこと
なく紡糸安定性が良好である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸、メタクリル酸およびイタコ
    ン酸のうち少なくとも1つの酸モノマーを共重合したア
    クリル系重合体を溶剤によって溶解したアクリル系プレ
    カーサ用原液であって、pKa値が4以下の鉱酸または
    /および有機カルボン酸をアクリル系プレカーサ原液に
    対して0.01〜5重量%添加した紡糸安定性に優れた
    アクリル系プレカーサ用原液。
  2. 【請求項2】 添加する酸がギ酸(pKa=3.7)で
    ある請求項1記載の紡糸安定性に優れたアクリル系プレ
    カーサ用原液。
JP14747995A 1995-06-14 1995-06-14 紡糸安定性に優れたアクリル系プレカーサ用原液 Pending JPH093722A (ja)

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JP14747995A JPH093722A (ja) 1995-06-14 1995-06-14 紡糸安定性に優れたアクリル系プレカーサ用原液

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JP14747995A JPH093722A (ja) 1995-06-14 1995-06-14 紡糸安定性に優れたアクリル系プレカーサ用原液

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JP (1) JPH093722A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009197153A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Toray Ind Inc ポリアクリロニトリル系重合体組成物および炭素繊維の製造方法
JP2009249798A (ja) * 2008-04-11 2009-10-29 Toray Ind Inc 炭素繊維前駆体繊維の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009197153A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Toray Ind Inc ポリアクリロニトリル系重合体組成物および炭素繊維の製造方法
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