JPH0936447A - 超電導論理素子、超電導論理素子ネットワーク及びその作製法 - Google Patents

超電導論理素子、超電導論理素子ネットワーク及びその作製法

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JPH0936447A
JPH0936447A JP7178573A JP17857395A JPH0936447A JP H0936447 A JPH0936447 A JP H0936447A JP 7178573 A JP7178573 A JP 7178573A JP 17857395 A JP17857395 A JP 17857395A JP H0936447 A JPH0936447 A JP H0936447A
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superconducting
logic element
squid
input
superconducting logic
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JP7178573A
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Kazuo Saito
和夫 齊藤
Tsunanori Oka
維▲禮▼ 丘
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超高速、低消費電力で、かつ、単体素子で論
理機能を実現する超電導論理素子を得る。また、パター
ンを自己組織的に生成する適応性を備えた新しい情報処
理応用を可能にする超電導論理素子ネットワークを得
る。 【構成】 入力手段を少なくとも2つ以上有する超電導
単一接合量子干渉計素子(rf-SQUID)におい
て、前記rf-SQUIDに流れる電流の向きを検出す
る出力手段を有する超電導論理素子である。また、前記
rf-SQUIDが磁気的に結合するように前記超電導
論理素子を2つ以上並べた超電導素子ネットワークであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超電導単一接合量子干渉
計素子(rf-SQUID)において、少なくとも2つ
以上の入力手段及び前記超電導ループに流れる電流(ル
ープ電流)の向きを検出する出力検出手段とを有するこ
とを特徴とする超電導論理素子、及び前記超電導論理素
子を少なくとも2つ以上用いて構成する超電導論理素子
ネットワークにおいて、前記入力手段の一部によるバイ
アス条件の制御により、rf-SQUIDのしきい論理
特性を用いて素子単体でAND,ORの論理機能を実現
し、さらに、前記超電導論理素子を2つ以上用いて構成
する超電導論理素子ネットワークにおいては入力信号、
クロック信号の組合せによってネットワークを構成する
rf-SQUIDの論理機能の制御により、高速、低消
費電力、かつ、単体素子で論理機能を実現する超電導論
理素子、また、それらの組合せによって、並列処理を容
易に可能にし、論理値の組合せによるパターンを自己組
織的に生成する適応性を備えた新しい情報処理応用を可
能にする超電導論理素子ネットワークに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超電導弱結合を用いたrf-SQ
UIDを用いた論理回路については、電気通信情報学会
技術研究報告(信学技報第79巻252号第23頁〜第
30頁、1979、及び、信学技報第80巻248号第
21頁〜第26頁、1980)に開示されている。
【0003】この従来技術においては、ニオブ薄膜を加
工して得られるバリアブルシックネスブリッジを超電導
弱結合に用いてrf-SQUIDを作製し、さらに、r
f-SQUIDを用いて実現されるAND、OR論理回
路の動作特性が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0005】前記従来技術においては、ANDもしくは
OR論理動作を実行するために3個のrf-SQUID
が必要である。rf-SQUIDを用いた素子、及び回
路では出力を検出するための素子(例えば、DC-SQ
UID)が必要なのでこの論理ゲートを用いて集積化す
ることは困難であった。
【0006】また、超電導接合としてバリアブルシック
ネスブリッジを用いているために接合の臨界電流の温度
依存性が大きく、安定な動作を得ることが非常に困難で
あるという問題点も明らかになった。
【0007】本発明の目的は、超高速、低消費電力で、
かつ、単体素子で論理機能を実現する超電導論理素子を
提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、超高速、低消費電力
で、かつ、単体素子で論理機能を実現する超電導論理素
子の組合せによって、並列処理を容易に可能にし、パタ
ーンを自己組織的に生成する適応性を備えた新しい情報
処理応用を可能にする超電導論理素子ネットワークを提
供することにある。
【0009】本願の前記ならびにその他の目的及び新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。
【0011】(1)複数の信号の入力手段、前記信号の
強度を設定する手段、該信号の強度を設定した後、前記
複数の信号が入力されると自動的に前記信号を加算する
手段、及び加算した結果を出力する手段を有する超電導
素子と、前記超電導素子の出力を保持する手段及び前記
出力を一定の時間にわたり保持したのち前記超電導素子
に再び入力する手段を有するメモリ素子とを備えてなる
超電導論理素子である。
【0012】(2)前記(1)の超電導論理素子におい
て、前記超電導論理素子を構成する超電導素子は、超電
導ループに1個の超電導接合と入力信号の強度が設定可
能である複数の入力手段を有する超電導単一接合量子干
渉計素子(以下、rf-SQUIDと称す)によって構
成されている。
【0013】(3)前記(2)の超電導論理素子におい
て、前記超電導接合は、超電導体と常伝導体との2層膜
からなる平面型の超電導弱結合である。
【0014】(4)前記(2)の超電導論理素子におい
て、前記超電導接合は、超電導体/絶縁体/超電導体の
3層構造を有するトンネル接合である。
【0015】(5)前記(2)乃至(4)のうちいずれ
か1つの超電導論理素子において、前記入力手段は、前
記rf-SQUIDに近接して設けられている配線から
の磁束の印加によって実現し、前記入力信号の強度は、
配線と超電導ループの相互インダクタンスによって設定
可能に前記rf-SQUID及び配線が構成されてな
る。
【0016】(6)前記(2)乃至(4)のうちいずれ
か1つの超電導論理素子において、前記入力手段は、前
記rf-SQUIDに接続された配線からの電流の注入
によって実現し、前記入力信号の強度は、配線の抵抗に
よって設定可能に前記rf-SQUID及び配線が構成
されてなる。
【0017】(7)前記(2)乃至(4)のうちいずれ
か1つの超電導論理素子において、前記入力手段は、前
記rf-SQUIDに近接して設けられている配線から
の磁束の印加、及び前記rf-SQUIDに接続された
配線からの電流の注入の両者によって実現し、それぞれ
の入力信号の強度は、前記配線と超電導ループ間の相互
インダクタンス及び配線の抵抗によって設定可能に前記
rf-SQUID及び配線が構成されてなる。
【0018】(8)前記(2)乃至(7)のうちいずれ
か1つの超電導論理素子において、前記rf-SQUI
Dの出力は、前記rf-SQUIDと磁気的に結合する
キャパシタとインダクタが並列に接続されたタンク回路
によって得られる。
【0019】(9)前記(2)乃至(7)のうちいずれ
か1つの超電導論理素子において、前記rf-SQUI
Dの出力は、前記rf-SQUIDと磁気的に結合する
超電導ループに2つの超電導接合を含んで構成される超
電導量子干渉素子(以下、DC-SQUIDと称す)に
よって得られる。
【0020】(10)前記(1)乃至(9)のうちいず
れか1項に記載される超電導論理素子において、前記超
電導接合を構成する超電導体は鉛、鉛の合金、ニオブ、
ニオブ金属間化合物、酸化物超電導体のうちいずれか一
つの材料によって構成され、常伝導体は金、銀、銅、ア
ルミニウム、アルミニウム合金、半導体、半導体化合
物、酸化物常伝導体のうち少なくとも一つの材料によっ
て構成される。
【0021】(11)前記(1)乃至(10)のうちい
ずれか1つの超電導論理素子を複数個用いて構成される
超電導論理素子ネットワークであって、該超電導論理素
子ネットワークを構成する超電導素子には他の超電導素
子、及び一定時間保持された他のメモリ素子からの出力
がそれぞれの強度を設定可能な結合手段によって入力さ
れるように構成されてなる。
【0022】(12)前記(11)の超電導論理素子ネ
ットワークにおける超電導論理素子の超電導素子には、
隣接する超電導論理素子の超電導素子の出力と、隣接す
る超電導論理素子のメモリ素子及び前記超電導論理素子
自身のメモリ素子に一定時間保持された出力が、それぞ
れの強度を設定可能な結合手段によって入力されるよう
に構成されてなる。
【0023】(13)前記(11)又は(12)に記載
される超電導論理素子ネットワークにおいて、前記超電
導論理素子のメモリ素子は、超電導論理素子自身の超電
導素子の出力と、すべてのメモリ素子に共通してして入
力するクロック信号を加算した結果を、前記すべてのメ
モリ素子に共通して入力するクロック信号に同期して出
力し、前記超電導素子は、隣接する超電導論理素子の超
電導素子の出力と、前記超電導論理素子自身のメモリ素
子に一定時間保持された出力と、すべての超電導素子に
共通して入力するクロック信号を加算した結果を、前記
すべての超電導素子に共通して入力するクロック信号に
同期して出力するように、前記入力手段及び超電導素子
が構成されてなる。
【0024】(14)前記(11)又は(12)に記載
される超電導論理素子ネットワークにおいて、前記超電
導論理素子のメモリ素子は、隣接する超電導論理素子の
メモリ素子の出力と、前記超電導論理素子自身の超電導
素子に一定時間保持された出力と、すべてのメモリ素子
に共通して入力するクロック信号を加算した結果を、前
記すべての超電導素子に共通して入力するクロック信号
に同期して出力し、超電導論理素子の超電導素子は、隣
接する超電導論理素子の超電導素子の出力と、前記超電
導論理素子自身のメモリ素子に一定時間保持された出力
と、すべての超電導素子に共通して入力するクロック信
号を加算した結果を、前記すべての超電導素子に共通し
て入力するクロック信号に同期して出力するように、前
記入力手段及び超電導素子が構成されてなる。
【0025】(15)超電導体ループに1個の超電導接
合と入力手段を少なくとも2つ以上有する第1のrf-
SQUIDと、該第1のrf-SQUIDの状態を磁気
的結合によって保持する第2のrf-SQUIDと、前
記第1のrf-SQUIDに流れる電流の向きを検出す
る出力検出手段とを有する超電導論理素子ネットワーク
作製法において、少なくとも電子線直接描画法を用いた
超電導接合部の超電導薄膜の加工を行う工程を含む超電
導論理素子を少なくとも2つ以上用いて構成する超電導
論理素子ネットワーク作製法である。
【0026】
【作用】前述の手段によれば、本発明の超電導論理素子
の基本構造は、複数の入力手段を備えたrf-SQUI
Dと前記rf-SQUIDに流れる電流(ループ電流)
の向きを出力として検出する手段とによって構成されて
おり、この超電導論理素子を構成するrf-SQUID
においては、ループインダクタンスが磁束量子で規格化
した単位でおよそ1.5〜2.0となるように電極幅、ル
ープの径の寸法及び超電導接合の臨界電流を設計する。
規格化したループインダクタンスの値が1以上の場合に
は、外部磁束(φe)に対するループ内の磁束(φ)の
関係(φ-φe特性)にヒステリシスが生じる。バイア
ス点をヒステリシスの中心に設定すると安定に存在する
状態を2つ定めることができ、これら2つの状態を論理
値”0”、”1”に対応させる。rf-SQUID固有
のしきい論理を用いると、素子単体でANDもしくはO
R論理を実行することができる。しかも、これらの論理
機能は同一素子においてバイアス条件を制御することに
よって切り替えることが可能である。
【0027】2つのrf-SQUIDを近接して配置す
ると、rf-SQUIDの状態が磁気的に結合し相互作
用する。rf-SQUIDを直線的に並べると、rf-S
QUIDの状態の組合せ(初期状態)に対して単純な論
理機能を並列的に実行する超電導論理素子ネットワーク
を構成することが可能となる。この全体の状態の更新は
ネットワークを構成する各rf-SQUIDに共通のク
ロック信号を入力することによって実現できる。
【0028】また、rf-SQUIDのφ-φe特性には
ヒステリシスがあるので、これを用いて状態を保持(メ
モリ)することができる。したがって前述した基本構造
に第1のrf-SQUID(論理セル)の状態を保持す
るための第2のrf-SQUID(メモリセル)を付け
加えた構造にすると、論理セルの論理機能は直流バイア
スとメモリセルの状態によって定まる。この構造を基本
にしてメモリセル間には磁気的結合が生じないようにネ
ットワークを構成する。
【0029】また、メモリセルの状態更新を論理セルと
は別のクロック信号によって行なうと、メモリセルに論
理セルの状態が複写される。したがって、論理セルは、
当該論理セル自身の状態によって定まる論理機能に応じ
て更新される。この超電導論理素子ネットワークは、メ
モリセルと論理セルの初期条件に依存していろいろな状
態を遷移していくつかの異なる終状態に収束する。
【0030】さらに、メモリセルの間にも論理セルと同
様に磁気的結合が生じるようにネットワークを構成する
ことも可能である。この場合メモリセルの状態は、論理
セルと同様に更新される。このため論理セルはいくつか
の中間状態を遷移して終状態に到る。
【0031】これらのネットワークの動作は、論理値の
組合せによる初期パターンに対して局所的に定められる
論理機能を更新しながら並列的に論理機能を実行し、出
力パターンを自己組織的に生成する。これにより、本発
明による超電導論理素子ネットワークの動作を用いて、
適応性を備えた新しい情報処理応用を実現することが可
能である。
【0032】
【実施例】以下、図面を参照して本発明について実施例
とともに詳細に説明する。
【0033】なお、実施例を説明する全図において、同
一機能を有するものと同一符号を付けその繰り返しの説
明は省略する。
【0034】(実施例1)図1は本発明の一実施例(実
施例1)による超電導論理素子の概略構成を示す上から
見た平面図、図2は図1におけるA-A’線で切った断
面図、図3は図1におけるB-B’線で切った断面図、
図4は本実施例1による超電導素子の構成及び動作を説
明するための摸式図、図5は本実施例1による超電導素
子の外部磁束に対する内部磁束の特性を示す図である。
【0035】図1乃至図4において、100はシリコン
基板、101は二酸化シリコン膜(層)、200は常伝
導体膜(層)、210はrf-SQUID、211は超
電導体膜からなるrf-SQUID210の超電導ルー
プを形成した時の中央部の穴、212はrf-SQUI
D210の超電導接合、220は超電導量子干渉素子
(DC-SQUID)、221は超電導体膜からなるD
C-SQUID220の超電導ループを形成するための
中央部に設けられた穴、222はDC-SQUID22
0の超電導接合、223はrf-SQUID210に流
れる電流を検出するためのバイアス線、230,231,
232,233は入力配線(入力手段)、300は超電
導体膜(層)、301は超電導電極である。
【0036】本実施例1における超電導論理素子は、図
1及び図4に示すように、複数の入力手段を備えたrf
-SQUID210及びこのrf-SQUID210に流
れる電流の向きを検出するDC-SQUID220によ
って構成される。
【0037】前記rf-SQUID210は、rf-SQ
UID210の超電導ループに1個の超電導接合212
と、入力信号の強度が設定可能である複数の入力配線
(入力手段)231,232,233とで構成される。
【0038】前記DC-SQUID220は、DC-SQ
UID220の超電導ループに2個の超電導接合22
2、rf-SQUID210に流れる電流を検出するた
めのバイアス線223、及び入力信号の強度が設定可能
である入力配線(入力手段)230で構成される。
【0039】前記rf-SQUID210及びDC-SQ
UID220は、図2及び図3に示すように、シリコン
基板100の上に二酸化シリコン膜101を形成し、そ
の二酸化シリコン膜101の上に常伝導体膜(層)20
0を形成し、その常伝導体膜(層)200の上に超電導
体膜300からなるrf-SQUID210及びDC-S
QUID220の超電導ループをそれぞれ形成した構造
である。
【0040】そして、前記rf-SQUID210の超
電導ループには、1個の超電導接合212を形成し、D
C-SQUID220の超電導ループには2個の超電導
接合222を形成した構造である。これらのrf-SQ
UID210及びDC-SQUID220において、超
電導体300と常伝導体200との2層膜からなる平面
型の超電導弱結合である。なお、前記超電導接合212
及び222は、超電導体/絶縁体/超電導体の3層構造
を有するトンネル接合であってもよい。
【0041】入力手段は、前記rf-SQUID210
に近接して設けられている入力配線231,232,2
33とrf-SQUID210の超電導ループの相互イ
ンダクタンスによって設定可能に前記rf-SQUID
210及び入力配線231,232,233が構成され
る。つまり、前記入力手段は、前記rf-SQUID2
10に接続された入力配線231,232,233から
の電流の注入によって実現し、前記入力信号の強度は、
入力配線231,232,233の抵抗によって設定可
能に前記rf-SQUID210及び入力配線231,
232,233が構成される。
【0042】そして、前記入力手段は、前記rf-SQ
UIDに近接して設けられている入力配線231,23
2,233からの磁束の印加、及び前記rf-SQUI
D210に接続された配線からの電流の注入の両者によ
って実現し、それぞれの入力信号の強度は、前記入力配
線231,232,233とrf-SQUID210の
超電導ループ間の相互インダクタンス及び入力配線23
1,232,233の抵抗によって設定される。
【0043】前記rf-SQUID210の出力は、前
記rf-SQUID210と磁気的に結合するキャパシ
タとインダクタが並列に接続されたタンク回路によって
得られる。
【0044】前記rf-SQUID210の出力は、前
記rf-SQUID210と磁気的に結合するDC-SQ
UID220の超電導ループに2つの超電導接合222
を含んで構成される超電導量子干渉素子(DC-SQU
ID)によって得られる。
【0045】前記超電導接合222を構成する超電導体
膜300は、鉛、鉛の合金、ニオブ、ニオブ金属間化合
物、Y1-xCaxBa2Cu37,Y1-xCaxBa1-ySr
yCu48等の酸化物超電導体のうちいずれか一つの材
料によって構成され、常伝導体膜200は金、銀、銅、
アルミニウム、アルミニウム合金、半導体、半導体化合
物、酸化物常伝導体のうち少なくとも一つの材料によっ
て構成される。
【0046】次に、本実施例1の超電導論理素子の作製
方法について説明する。
【0047】図2及び図3に示すように、シリコン単結
晶(Si)よりなる基板100の表面に熱酸化法によっ
て厚さ約20nmの二酸化シリコン(SiO2)膜
(層)101を形成した。次に、高真空中で分子ビーム
法によってAlよりなる厚さ50nmの薄膜(常伝導体
層)200を形成した後、同様の高真空中で分子ビーム
法により超電導体のNbよりなる厚さ100nmの超電
導体膜(層)300を形成した。以上の工程で常伝導体
層200であるAl膜(層)と超電導体膜(層)300
であるNbの層は大気中に取り出すことなく連続して形
成した。
【0048】常伝導体膜(層)200と超電導体膜
(層)300よりなる2層膜を電子線直接描画法により
形成したレジストパターンをマスクとして、反応性イオ
ンエッチング法によって加工し、さらに、下層膜である
Alを化学エッチングによって取り除き正方形のループ
形状に1個の平面型の超電導弱結合を備えたrf-SQ
UID210と、これに近接して同じく正方形のループ
形状に2個の平面型超電導弱結合を備えたDC-SQU
ID220、及び前記rf-SQUID210に外部磁
束を入力する複数の入力配線231〜233が作製され
る。
【0049】次に、本実施例1の超電導素子の寸法の一
例を示す。図1及び図3に示したrf-SQUID21
0及びDC-SQUID220の超電導電極301(図
2)の幅は3μmであり、また、rf-SQUID21
0及びDC-SQUID220の超電導ループを形成す
る正方形の一辺の長さは10μmである。
【0050】また、超電導電極301が常伝導体膜
(層)200を介して対向する電極間隔は0.2μmで
ある。この寸法は一例であってこれに限るものではな
い。推奨される寸法は、各超電導電極301の幅の寸法
が0.1〜10μmであり、超電導弱結合の電極間隔は
0.01〜1μmである。より望ましい寸法は、各超電
導電極の幅の寸法が1〜5μmであり、超電導弱結合の
電極間隔は0.1〜0.2μmである。
【0051】さらに、推奨される超電導層の膜厚は0.
001〜10μmであり、常伝導層の膜厚は0.001
〜5μmである。より望ましい膜厚は、超電導層が0.
01〜0.5μmであり、常伝導層が0.001〜0.5
μmである。
【0052】図5は本実施例の超電導論理素子を構成す
るrf-SQUID210のφ-φe特性であり、φeは
外部磁束、φはループ内の磁束、πはヒステリスが生じ
ている外部磁束φeの領域の中心(φe=π)である。
【0053】ループ内の磁束φは、規格化された超電導
ループのインダクタンスをλとすると、φ=φe−λsi
nφで表わされる。
【0054】ここで、外部磁束φe及びループ内の磁束
φの量は、それぞれ磁束量子Φ0=h/2eで規格化し
ており、実際の磁束Φとはφ=2π(Φ/Φ0)という
関係で結ばれている。ここで、hはプランク定数、eは
素電荷である。
【0055】規格化された超電導ループのインダクタン
スλは、実際の超電導ループのインダクタンスLと超電
導ループの臨界電流Icとによって、λ=2π(LIc/
Φ0)と規格化されている。この規格化された超電導ル
ープのインダクタンスλが1より大きくなると、図5に
示したようなヒステリシスがφ-φe特性に生じる。ま
た、λが増加すると、下方のブランチから上方のブラン
チに遷移するしきい値φthも大きくなる。
【0056】図5に示すφ-φe特性に基づいてrf-S
QUID210の状態と論理値との対応を定める。下方
ブランチにおいて特性曲線の中心から点A-Oの区間に
ある状態を論理値”0”とする。上方ブランチにおける
同様の区間にある状態を論理値”1”とする。これらの
状態においては、rf-SQUIDに流れる電流は、大
きさが超電導弱結合の臨界電流にほぼ等しく、rf-S
QUID210及びDC-SQUID220の超電導ル
ープを流れる向きが逆である。rf-SQUIDの状態
は、外部磁束の値がしきい値を超えるとrf-SQUI
D210及びDC-SQUID220の超電導ループに
流れる電流の向きが逆転し、下方のブランチから上方の
ブランチへと遷移する。すなわち、論理値”0”から論
理値”1”へスイッチする。
【0057】前述したしきい値特性により単体のrf-
SQUID210を用いて以下のような論理機能動作を
実行することができる。図4に示したrf-SQUID
210の一つの入力配線(入力手段)231を直流バイ
アスに用いて図5に示した点(A)にバイアス点を設定
する。この状態では入力信号が2つとも論理値”1”を
採るときに状態遷移が生じる。
【0058】従って、このバイアス点の時にはrf-S
QUID210は、入力配線232及び233から入力
される信号に対してAND論理を実行する論理ゲートと
なる。
【0059】次に、バイアス点を図5に示した点(O)
に設定する。この状態では2つの入力信号のいずれかが
論理値”1”を採ったときに状態遷移が生じる。従っ
て、このバイアス点のときには、rf-SQUID21
0は、入力配線232、233から入力される信号に対
してOR論理を実行する論理ゲートとなる。図6に本実
施例1の超電導論理素子の動作例のタイムチャートを示
す。
【0060】本実施例1の超電導論理素子のしきい論理
による状態の遷移は、直流バイアス、入力配線232、
233から入力される信号、及びクロック信号の和がし
きい値を超えた場合に生じるように設計されている。こ
のように、φ-φe特性におけるしきい論理を用い、バ
イアス点を制御して素子単体でAND,ORいずれの機
能も実行する論理機能素子をrf-SQUID210を
用いて実現可能である。
【0061】(実施例2)図7は本発明の他の実施例
(実施例2)による超電導素子ネットワークの概略構成
を示す摸式図である。本実施例2の超電導素子ネットワ
ークの作製工程及び使用材料は、前記実施例1と同様で
ある。ただし、本実施例2においては、論理機能を実行
するrf-SQUID210と電流の向きを出力として
検出するDC-SQUID220によって構成される基
本セルが3個形成されている点が異なっている。
【0062】各基本セルを構成するrf-SQUID2
10は、磁気的に結合している(磁気的結合は図中にお
いて太い点線で示す。以下の図においても同様)。
【0063】本実施例2においては、ネットワークの両
端のrf-SQUIDに入力配線231、233から固
定した信号が入力できる。また、入力配線234からは
各rf-SQUIDに共通のクロック信号が入力され、
この信号の入力により状態が更新される。
【0064】各セルには直流バイアス及び状態を制御す
る入力手段232が設けられている。従って、前記実施
例1で示したように、各セルはANDもしくはORの論
理機能を実行するように制御することが可能である。従
って、ネットワーク全体に対するANDもしくはORの
論理機能の割り当て方は8通りある。また、各セルの初
期状態の割り当て方も8通りある。各セルの論理値の組
合せによって定まるネットワークの状態を(011)な
どのように表し、同様に論理機能の割り当て方について
も、AND論理を”0”、OR論理を”1”で表すこと
にする。このようにして定められる64通りの初期状態
に対する1回のクロック信号の入力によるネットワーク
の更新の出力結果を表1にまとめる。これらの動作結果
はすべて入力配線231からの入力は0として得られ
る。
【0065】
【表1】
【0066】表1の左端の列にはネットワークの初期状
態を、最上段には各セルに対する論理機能の割り当て方
を表す。出力の表し方もネットワークの状態と同様であ
るが、3つのセルが全て”0”もしくは”1”をとる場
合には大文字の”0”もしくは”1”で表している。
【0067】表1から、このネットワークの状態遷移の
過程(状態周期)をまとめることができる。例として3
つのセルに対して論理機能をOR,AND,AND(1
00)と割り当てた場合と、同様にOR,OR,AND
(110)と割り当てた場合について状態周期を表2お
よび表3に示す。論理機能の割り当てが(100)の場
合には終状態はすべて(000)となる。一方、論理機
能が(110)の場合には(000)のほかに(11
0)となる終状態が存在する。
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】表1にまとめた動作のすべては図7に示し
た本実施例2の超電導素子ネットワークによって実現で
きる。
【0071】(実施例3)図8は本発明の他の実施例
(実施例3)による超電導素子ネットワークの摸式図で
ある。本実施例3の超電導素子ネットワークの作製工程
及び使用材料は、前記実施例1と同様である。ただし、
本実施例3においては、論理機能を実行するrf-SQ
UIDと電流の向きを出力として検出するDC-SQU
IDとによって構成される基本セルが9個形成されてい
る点が異なっている。また、入力配線234からは各r
f-SQUIDに共通のクロック信号が入力され、この
信号の入力により状態が更新される。
【0072】表1に示した論理機能の特殊な場合を応用
すると、本実施例3の超電導素子ネットワークにおいて
以下のような動作を実行することが可能である。すべて
の論理機能をORに、また、すべてのrf-SQUID
の状態を”0”に設定する。そして、入力配線233か
らの論理値”1”を入力する。この初期条件のもとでク
ロック信号を入力すると、1回の状態更新ごとに右端の
論理値”1”が左方に伝搬する。この動作を図9に示
す。
【0073】さらに、複雑なネットワーク動作も可能で
ある。論理機能(111111111)、ネットワーク
の初期状態(000000000)とした動作例を図9
に示し、論理機能(101110101)、ネットワー
クの初期状態(100010010)とした動作例を図
10に示す。
【0074】OR論理を実行するセルが左から3〜5番
目のセルに連続して設定されているため、先に示した動
作例と類似した、論理値”1”が伝搬していくふるまい
が部分的に生じる。
【0075】(実施例4)図11は本発明の他の実施例
(実施例4)による超電導素子ネットワークの摸式図で
ある。本実施例4の超電導素子ネットワークの作製工程
及び使用材料は、前記実施例1と同様である。ただし、
本実施例4においては、ネットワークを構成する基本セ
ルの構造が異なっている。基本セルは論理機能を実行す
る第1のrf-SQUID(論理セル)210に加え
て、論理セルの状態を保持する第2のrf-SQUID
(メモリセル)211を含んで構成される。
【0076】また、本実施例4における超電導素子ネッ
トワークは、隣接する論理セルの状態が磁気的に結合し
相互作用するように配置された9個の基本セルによって
構成する。さらに、入力配線234、235からはそれ
ぞれ論理セル、メモリセルを構成するrf-SQUID
に2相のクロック信号が入力され、この信号の入力によ
り状態が更新される。
【0077】本実施例4の超電導素子のようにメモリセ
ルを付加した構造にすると、論理セルの論理機能は直流
バイアスとメモリセルの状態によって定まる。すなわ
ち、メモリセルの論理値が””1”ならば磁気的に結合
した論理セルはOR論理、メモリセルの論理値が”0”
ならば磁気的に結合した論理セルはAND論理となる。
このように論理セルはメモリセルの状態によって規定さ
れる論理機能で、隣接する論理セルの状態を入力として
更新される。ネットワーク全体は論理セル間にのみ相互
作用が生じ、メモリセル間には磁気的結合が生じないよ
うに構成されている。論理セル及びメモリセルは2相の
クロック信号によって状態更新される。
【0078】このようにして論理セル、メモリセルに適
当な初期状態を設定して動作させると、まず、第1のク
ロック信号の入力で、メモリセルの状態によって定めら
れるANDもしくはOR論理機能によって論理セルの状
態が更新され、第2のクロック信号の入力によりメモリ
セルに論理セルの状態が複写される。したがって、論理
セルは更新された自身の状態により定まる論理機能に応
じて更新される。本実施例4の超電導素子ネットワーク
は、メモリセルと論理セルの初期状態に依存していくつ
かの異なる終状態に収束する。
【0079】本実施例4の超電導素子ネットワークの動
作例を表4に示す。メモリセルの初期状態は(1011
10101)、論理セルの初期状態は(1000100
10)とする。表4には上述したクロック信号の入力に
よる、論理セルの状態更新、メモリセルへの論理セ
ルの状態の複写、メモリセルの更新が示されている。
【0080】
【表4】
【0081】(実施例5)図12は本発明の他の実施例
(実施例5)による超電導素子ネットワークの摸式図で
ある。本実施例5の超電導素子ネットワークの作製工程
及び使用材料は、前記実施例1と同様である。ただし、
本実施例5においては、ネットワークを構成する基本セ
ルの構造が異なっている。基本セルは論理機能を実行す
る第1のrf-SQUID(論理セル)210に加え
て、論理セルの状態を保持する第2のrf-SQUID
(メモリセル)211を含んで構成される。また、本実
施例5における超電導素子ネットワークは、隣接する論
理セル間及びメモリセル間、両者の状態が磁気的に結合
し相互作用するように配置された9個の基本セルによっ
て構成する。さらに、入力配線234、235からはそ
れぞれ論理セル、メモリセルを構成するrf-SQUI
Dに2相のクロック信号が入力され、この信号の入力に
より状態が更新される。
【0082】本実施例5の超電導素子は、先に示した実
施例4と同様にメモリセルを備えた構造であるので、論
理セルの論理機能は直流バイアスとメモリセルの状態に
よって定まる。さらに、本実施例5における超電導素子
ネットワークにおいては、論理セル間及びメモリセル間
に磁気的結合による相互作用があるため、メモリセルは
論理セルの状態によって規定される論理機能で、隣接す
るメモリセルの状態を入力として更新される。ネットワ
ーク全体の状態の更新は、前記実施例4と同様に2相の
クロック信号によって実行される。
【0083】このようにして論理セル、メモリセルに適
当な初期状態を設定して動作させると、まず、第1相の
クロック信号の入力で、メモリセルの状態によって定め
られる論理機能によって論理セルの状態が更新され、第
2相のクロック信号の入力により論理セルの状態によっ
て定められる論理機能によってメモリセルの状態が更新
される。したがって、論理セル、メモリセル両者は、相
互の状態により定まる論理機能に応じて更新される。本
実施例5の超電導素子ネットワークはメモリセルと論理
セルの初期状態に依存していくつかの異なる終状態に収
束する。
【0084】本実施例の超電導素子ネットワークの動作
例を表5に示す。メモリセルの初期状態は(10111
0101)、論理セルの初期状態は(10001000
1)とする。表5には上述したクロック信号のクロック
1の入力による「論理セルの状態更新」の結果、クロッ
ク信号のクロック2の入力による「メモリセルの状態更
新」の結果、クロック信号の次のクロック1の入力によ
る「更新されたメモリセルの状態により規定された論理
セルの状態更新」の結果が示されている。
【0085】
【表5】
【0086】以上の説明からわかるように、前記実施例
1〜5によれば、rf-SQUIDのしきい論理を用い
ることにより単体でAND,OR論理を実現する論理素
子を構成することが可能である。さらに、rf-SQU
IDを用いてネットワークを構成した場合には、初期状
態において連続して論理値1をとるセルがないにもかか
わらず、終状態においては、論理値1をとるセルが連続
するクラスターが形成される。特に前記実施例3〜5に
おける超電導素子ネットワークの動作は、論理値の組合
せによるランダムなパターンから自己組織的に秩序的な
パターンを生成する動作である。他の初期状態の場合に
も、すべてが0もしくは1になる場合のほかに、上で示
したような0もしくは1が連なるクラスター構造を示
す。本発明の超電導素子ネットワーク動作を基本動作と
すれば、制御可能(プログラマブル)な論理機能の組合
せにより自己組織的にパターン生成を並列的に行なうこ
とが可能である情報処理系の構築が可能となる。
【0087】前記実施例1〜5において示された超電導
素子による論理動作は、本発明による超電導素子を液体
ヘリウム中において冷却することによって得られる。
【0088】前記実施例2〜5においては、基本セルの
個数が3〜9個の場合のみ示したが、さらに、多数のセ
ルからなるネットワークを構成することによりより大規
模なパターンを生成する超電導素子ネットワークが実現
可能であることは言うまでもない。
【0089】以上、本発明を実施例に基づき具体的に説
明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更し得
ることはいうまでもない。
【0090】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。
【0091】(1)入力手段を少なくとも2つ以上有す
るrf-SQUIDを形成し、rf-SQUIDに固有の
しきい論理を用いることによって素子単体でANDもし
くはOR論理を実現することができる。
【0092】(2)前記(1)の超電導論理素子を用い
てネットワークを構成すると、論理値の組合せによるラ
ンダムなパターンから自己組織的に秩序的なパターンを
生成する動作が可能である。
【0093】(3)本発明の超電導素子ネットワーク動
作を基本動作とすれば、制御可能(プログラマブル)な
論理機能の組合せにより自己組織的かつ並列的にパター
ン生成を行なうことが可能である情報処理系の構築が可
能となる。
【0094】(4)本発明による超電導素子の特徴を活
かすと、集積性に優れた超高速、低消費電力の超電導素
子及び超電導情報処理ユニットを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例(実施例1)による超電導論
理素子の概略構成を示す上から見た平面図である。
【図2】図1におけるA-A’線で切った断面図であ
る。
【図3】図1におけるB-B’線で切った断面図であ
る。
【図4】本実施例1による超電導素子の構成及び動作を
説明するための摸式図である。
【図5】本実施例1による超電導素子の構成及び動作を
説明するための摸式図である。
【図6】本実施例1の超電導論理素子の動作例のタイム
チャートである。
【図7】本発明の実施例2による超電導素子ネットワー
クの構成を示す摸式図である。
【図8】本発明の実施例3による超電導素子ネットワー
クの構成を示す摸式図である。
【図9】本実施例3による超電導素子ネットワークの動
作図である。
【図10】本実施例3による超電導素子ネットワークの
動作図である。
【図11】本発明の実施例4による超電導素子ネットワ
ークの構成を示す摸式図である。
【図12】本発明の実施例5による超電導素子ネットワ
ークの構成を示す摸式図である。
【符号の説明】
10…入力信号、11…出力信号(AND動作)、12
…出力信号(OR動作)、100…シリコン基板、10
1…二酸化シリコン膜、200…常伝導体膜、210…
rf-SQUID、211…超電導体膜からなるrf-S
QUID210の超電導ループを形成した時の中央部の
穴、212…rf-SQUID210の超電導接合、2
20…DC-SQUID、、221…超電導体膜からな
るDC-SQUID220の超電導ループを形成するた
めの中央部に設けられた穴、222…DC-SQUID
220の超電導接合、223…rf-SQUID210
に流れる電流を検出するためのバイアス線、230,2
31,232,233,234,235…入力配線、3
00…超電導体膜、301…超電導電極。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の信号の入力手段、前記信号の強度
    を設定する手段、該信号の強度を設定した後、前記複数
    の信号が入力されると自動的に前記信号を加算する手
    段、及び加算した結果を出力する手段を有する超電導素
    子と、前記超電導素子の出力を保持する手段及び前記出
    力を一定の時間にわたり保持したのち前記超電導素子に
    再び入力する手段を有するメモリ素子とを備えてなるこ
    とを特徴とする超電導論理素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載される超電導論理素子に
    おいて、前記超電導論理素子を構成する超電導素子は、
    超電導ループに1個の超電導接合と入力信号の強度が設
    定可能である複数の入力手段を有する超電導単一接合量
    子干渉計素子(以下、rf-SQUIDと称す)によっ
    て構成されることを特徴とする超電導論理素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載される超電導論理素子に
    おいて、前記超電導接合は、超電導体と常伝導体との2
    層膜からなる平面型の超電導弱結合であることを特徴と
    する超電導論理素子。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載される超電導論理素子に
    おいて、前記超電導接合は、超電導体/絶縁体/超電導
    体の3層構造を有するトンネル接合であることを特徴と
    する超電導論理素子。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4のうちいずれか1項に記
    載される超電導論理素子において、前記入力手段は、前
    記rf-SQUIDに近接して設けられている配線から
    の磁束の印加によって実現し、前記入力信号の強度は、
    配線と超電導ループの相互インダクタンスによって設定
    可能に前記rf-SQUID及び配線が構成されてなる
    ことを特徴とする超電導論理素子。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至4のうちいずれか1項に記
    載される超電導論理素子において、前記入力手段は、前
    記rf-SQUIDに接続された配線からの電流の注入
    によって実現し、前記入力信号の強度は、配線の抵抗に
    よって設定可能に前記rf-SQUID及び配線が構成
    されてなることを特徴とする超電導論理素子。
  7. 【請求項7】 請求項2乃至4のうちいずれか1項に記
    載される超電導論理素子において、前記入力手段は、前
    記rf-SQUIDに近接して設けられている配線から
    の磁束の印加、及び前記rf-SQUIDに接続された
    配線からの電流の注入の両者によって実現し、それぞれ
    の入力信号の強度は、前記配線と超電導ループ間の相互
    インダクタンス及び配線の抵抗によって設定可能に前記
    rf-SQUID及び配線が構成されてなることを特徴
    とする超電導論理素子。
  8. 【請求項8】 請求項2乃至7のうちいずれか1項に記
    載される超電導論理素子において、前記rf-SQUI
    Dの出力は、前記rf-SQUIDと磁気的に結合する
    キャパシタとインダクタが並列に接続されたタンク回路
    によって得られることを特徴とする超電導論理素子。
  9. 【請求項9】 請求項2乃至7のうちいずれか1項に記
    載される超電導論理素子において、前記rf-SQUI
    Dの出力は、前記rf-SQUIDと磁気的に結合する
    超電導ループに2つの超電導接合を含んで構成される超
    電導量子干渉素子(以下、DC-SQUIDと称す)に
    よって得られることを特徴とする超電導論理素子。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のうちいずれか1項に
    記載される超電導論理素子において、前記超電導接合を
    構成する超電導体は鉛、鉛の合金、ニオブ、ニオブ金属
    間化合物、酸化物超電導体のうちいずれか一つの材料に
    よって構成され、常伝導体は金、銀、銅、アルミニウ
    ム、アルミニウム合金、半導体、半導体化合物、酸化物
    常伝導体のうち少なくとも一つの材料によって構成され
    ることを特徴とする超電導論理素子。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のうちいずれか1項
    に記載される超電導論理素子を複数個用いて構成される
    超電導論理素子ネットワークであって、該超電導論理素
    子ネットワークを構成する超電導素子には他の超電導素
    子、及び一定時間保持された他のメモリ素子からの出力
    がそれぞれの強度を設定可能な結合手段によって入力さ
    れるように構成されてなることを特徴とする超電導論理
    素子ネットワーク。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載される超電導論理素
    子ネットワークにおける超電導論理素子の超電導素子に
    は隣接する超電導論理素子の超電導素子の出力と、隣接
    する超電導論理素子のメモリ素子及び前記超電導論理素
    子自身のメモリ素子に一定時間保持された出力が、それ
    ぞれの強度を設定可能な結合手段によって入力されるよ
    うに構成されてなることを特徴とする超電導論理素子ネ
    ットワーク。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12に記載される超電
    導論理素子ネットワークにおいて、前記超電導論理素子
    のメモリ素子は、超電導論理素子自身の超電導素子の出
    力と、すべてのメモリ素子に共通してして入力するクロ
    ック信号を加算した結果を、前記すべてのメモリ素子に
    共通して入力するクロック信号に同期して出力し、前記
    超電導素子は、隣接する超電導論理素子の超電導素子の
    出力と、前記超電導論理素子自身のメモリ素子に一定時
    間保持された出力と、すべての超電導素子に共通して入
    力するクロック信号を加算した結果を、前記すべての超
    電導素子に共通して入力するクロック信号に同期して出
    力するように、前記入力手段及び超電導素子が構成され
    てなることを特徴とする超電導論理素子ネットワーク。
  14. 【請求項14】 請求項10又は12に記載される超電
    導論理素子ネットワークにおいて、前記超電導論理素子
    のメモリ素子は、隣接する超電導論理素子のメモリ素子
    の出力と、前記超電導論理素子自身の超電導素子に一定
    時間保持された出力と、すべてのメモリ素子に共通して
    入力するクロック信号を加算した結果を、前記すべての
    超電導素子に共通して入力するクロック信号に同期して
    出力し、超電導論理素子の超電導素子は、隣接する超電
    導論理素子の超電導素子の出力と、前記超電導論理素子
    自身のメモリ素子に一定時間保持された出力と、すべて
    の超電導素子に共通して入力するクロック信号を加算し
    た結果を、前記すべての超電導素子に共通して入力する
    クロック信号に同期して出力するように、前記入力手段
    及び超電導素子が構成されてなることを特徴とする超電
    導論理素子ネットワーク。
  15. 【請求項15】 超電導体ループに1個の超電導接合と
    入力手段を少なくとも2つ以上有する第1のrf-SQ
    UIDと、該第1のrf-SQUIDの状態を磁気的結
    合によって保持する第2のrf-SQUIDと、前記第
    1のrf-SQUIDに流れる電流の向きを検出する出
    力検出手段とを有する超電導論理素子ネットワーク作製
    法において、少なくとも電子線直接描画法を用いた超電
    導接合部の超電導薄膜の加工を行う工程を含む超電導論
    理素子を少なくとも2つ以上用いて構成することを特徴
    とする超電導論理素子ネットワーク作製法。
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