JPH0575168A - 超伝導素子 - Google Patents

超伝導素子

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JPH0575168A
JPH0575168A JP3231826A JP23182691A JPH0575168A JP H0575168 A JPH0575168 A JP H0575168A JP 3231826 A JP3231826 A JP 3231826A JP 23182691 A JP23182691 A JP 23182691A JP H0575168 A JPH0575168 A JP H0575168A
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JP
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superconductor
superconducting
weak
superconductors
temperature
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Pending
Application number
JP3231826A
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English (en)
Inventor
Taketomi Kamikawa
武富 上川
Eiji Natori
栄治 名取
Setsuya Iwashita
節也 岩下
Tatsuya Shimoda
達也 下田
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】膜厚およびパターンルールに関する制約を取り
除き、製造歩留まりと信頼性が高くしかも特性ばらつき
のない超伝導素子を提供する。 【構成】空間的に分離された2つの第1超伝導体3をそ
れらの臨界電流密度より小さい臨界電流密度を有する第
2超伝導体2で連結し、第1超伝導体3と第2超伝導体
2をともに酸化物超伝導体から構成する。 【効果】酸化物高温超伝導体を用いた超伝導素子に応用
すれば現有の薄膜形成技術とフォトリソグラフィー技術
を用いて容易に製造可能な超伝導素子を提供することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スイッチ、メモリー、
SQUID、電磁波検出器、電圧標準などに用いる超伝
導素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超伝導素子は電気的および磁気的に特異
な特性を有すること、また高速かつ低消費電力で動作す
ることからエレクトロニクス分野に多様な応用が可能で
あり、これまで多くの研究開発がおこなわれてきた。特
に高臨界温度を有する酸化物超伝導体の発見以来極低温
から解放され、大がかりな冷却設備とランニングコスト
の問題も解決してますます研究開発に拍車がかかり現在
に至っている。
【0003】従来の超伝導素子における一般的な必須基
本構成要素は、2端子素子であれより複雑な3端子素子
であれ、2つの超伝導体とそれらを弱く結び付ける弱結
合体であった。そして従来の弱結合体はほとんどの場合
絶縁体、半導体あるいは常伝導体であった。弱結合体と
して超伝導転移する金属を用いて超伝導素子を作製した
例もあるが、そのような場合でも素子の動作温度はその
金属の臨界温度よりはるかに高い温度に設定されてい
て、金属は常伝導体として用いられていた。従来の超伝
導素子の本質は超伝導弱結合にあり、それが生じる理由
を述べると、絶縁体あるいは一部の半導体からなる弱結
合体ではその理由はトンネル効果であり、また他の一部
の半導体あるいは常伝導体からなる弱結合体ではその理
由は超伝導状態のしみ込み効果、すなわち近接効果であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の超伝導
素子には弱結合体を数100nm以下の超薄膜あるいは
超微細パターンにしないと充分にその機能を発揮しない
という欠点があった。その理由は、トンネル効果にしろ
近接効果にしろそれらが顕著に現われる長さの程度が従
来の超伝導素子の使用材料と動作環境では数10から数
100nm以下だからである。特に近接効果について
は、一般にしみ込み長さは弱結合体のコヒーレンス長と
密接に関係していて両者は同程度の長さであるとされて
いる。一方、酸化物高温超伝導体のコヒーレンス長は金
属超伝導体のそれより短く数nm以下であることが知ら
れている。したがって、特に酸化物高温超伝導体の近接
効果を用いた超伝導素子の場合には弱結合体の大きさを
数nm以下にすることが必要である。弱結合体をこの程
度の大きさにすることは、薄膜形成技術およびフォトリ
ソグラフィー技術の見地からみてひじょうに難しい技術
であり、超伝導素子の製造歩留まり、信頼性、および特
性の一様性において大きなマイナス要因になる。特に酸
化物高温超伝導体を用いる場合には弱結合体の大きさの
制約はより厳しくなり、高臨界温度を有するというせっ
かくの長所を生かせないという意味で重大な欠点と言わ
ざるを得ない。
【0005】本発明はかかる問題を解決するものであっ
て、薄膜の膜厚およびパターンルールに関する制約を取
り除き、製造歩留まりと信頼性が高くしかも特性ばらつ
きのない超伝導素子を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、空間的に分離
された2つの第1超伝導体をそれらの臨界電流密度より
小さい臨界電流密度を有する第2超伝導体で連結し、第
2超伝導体の超伝導臨界温度以下の温度で動作させるこ
と、第1超伝導体と第2超伝導体はともに酸化物超伝導
体からなることを特徴とする。
【0007】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を詳細に説明し
ていく。以下の説明においては、第2超伝導体を、その
臨界電流密度が第1超伝導体の臨界電流密度より小さい
という理由から、弱超伝導体と呼称する。
【0008】図1は本発明の実施例における超伝導素子
の断面図である。超伝導素子はSrTiO3からなる基
板1上に形成されたYBa2Cu37-x(0.2<x≦
0.5)からなる弱超伝導体2とYBa2Cu3
7-y(0≦y<0.2)からなる2つに分割された第1
超伝導体3によって構成される。弱超伝導体2の膜厚と
第1超伝導体3の膜厚はともに約1000Åである。な
お、図1中の記号dは2つの第1超伝導体の間隔を示し
ている。この構造を得るための製造方法は次のとうりで
ある。基板1上にMBEを用いて弱超伝導体2となるY
Ba2Cu37-x(0.2<x≦0.5)および第1超
伝導体3となるYBa2Cu37-y(0≦y<0.2)
を連続薄膜形成する。薄膜の酸化はMBE中にECRプ
ラズマ発生装置を用いて活性化した酸素を導入すること
によって膜形成と同時におこなう。指標xとyによって
示される酸化度の制御は、酸素のガス圧と流量およびE
CRプラズマ発生装置による活性化酸素量の調整あるい
は蒸着レートの調整によっておこなうことができる。
0.2<x≦0.5および0≦y<0.2となるように
すると、YBa2Cu37-xは60K級の超伝導体にな
り、またYBa2Cu37-yは90K級の超伝導体にな
る。本実施例では弱超伝導体2と第1超伝導体3に同じ
YBCO系物質を用いている。それゆえ連続形成が可能
であり、このことは薄膜形成技術の見地からみて好都合
である。また、YBa2Cu37-x(0.2<x≦0.
5)とYBa2Cu37-y(0≦y<0.2)の格子定
数はほぼ同じであり、これは薄膜エピタキシャル成長技
術の見地からみて好都合である。基板1上に弱超伝導体
2と第1超伝導体3を連続薄膜形成した後、フォトリソ
グラフィーによってエッチングをおこない図1の構造を
得る。
【0009】実験として2つの第1超伝導体の間隔が5
00nm、1000nm、2000nm、3000n
m、4000nm、5000nm、および6000nm
の7種類の試料を作製し、2つの第1超伝導体に電極を
取り付けて40KにおいてI−V特性を測定した。図2
は40Kにおける超伝導素子のI−V特性を示す図であ
る。図2から本実施例の試料は超伝導弱結合にもとづく
2端子超伝導素子の特性と同等の特性を示していること
がわかる。図3は超伝導素子の2つの第1超伝導体の間
隔dと臨界電流Icの関係を示す図である。図3から、
dが現有のフォトリソグラフィー技術でも容易にパター
ン形成可能な3000nmでも、Icは0.1mA以上
であって充分実使用可能な値が得られていることがわか
る。
【0010】ここで、本実施例の構造では絶縁体、半導
体、あるいは常伝導体からなる弱結合体のかわりに超伝
導臨界温度以下の温度にある弱超伝導体を用いているに
もかかわらず、そしてさらに2つの第1超伝導体の間隔
が3000nm以上であるにもかかわらず、そのI−V
特性が超伝導弱結合にもとづく2端子超伝導素子のそれ
と同等になった理由について述べる。YBa2Cu3
7-x(0.2<x≦0.5)からなる弱超伝導体は40
Kでは超伝導状態になっている。ただし、その臨界電流
密度はYBa2Cu37-y(0≦y<0.2)からなる
第1超伝導体の臨界電流密度より小さい。このことに起
因して本実施例の構造からなる超伝導素子に電流を流す
と以下に述べる現象が生じる。まず、電流の大きさが弱
超伝導体の臨界電流以下の場合には超伝導電流が流れ
る。この超伝導電流は2つの第1超伝導体の間隔dに無
関係であり、原理的にはdをどんなに長く選んでも流れ
るものである。次に、電流の大きさが弱超伝導体の臨界
電流を越えた場合を考える。この場合は電流の大きさに
よってさらに次に述べる2つの場合に分けられる。第1
の場合は弱超伝導体の臨界電流よりやや大きい電流を流
した場合であり、また第2の場合は第1の場合より大き
な電流を流した場合である。第1の場合では、弱超伝導
体単体では本来超伝導状態が破られるはずであるにもか
かわらず、第1超伝導体が隣接していることによる近接
効果のおかげで弱超伝導体の超伝導状態が維持されてい
る。したがって、この場合には弱超伝導体の臨界電流以
下の大きさの電流を流した場合と同様に超伝導電流が流
れる。ただし、本実施例の実験水準ではdは近接効果が
有効に作用する長さより充分長いため第1の場合に対応
する超伝導電流の領域は狭い範囲に限られている。つづ
いて第2の場合では、弱超伝導体の超伝導状態は完全に
破られて、2つの第1超伝導体の間に電圧が発生する。
以上をまとめると、ある大きさの電流までは超伝導電流
が流れ、それ以上の電流では電圧が発生することにな
る。ここで言うある大きさの電流が図2のIcであり、
これは厳密に言えば弱超伝導体単体の臨界電流より大き
な値になる。
【0011】以上に述べた理由により、本実施例の超伝
導素子では、弱結合体のかわりに弱超伝導体を用いてい
るにもかかわらず、そしてさらに2つの第1超伝導体の
間隔が3000nm以上の広い間隔であるにもかかわら
ず、そのI−V特性は超伝導弱結合にもとづく超伝導体
間隔が数100nm以下の2端子超伝導素子のそれと同
等になる。なお、ギンツブルグ・ランダウ理論によって
示されるようにコヒーレンス長は温度に依存していて臨
界温度で無限大になる。また、臨界電流密度も温度に依
存する。そのためにIcとdの関係は動作温度に依存す
る。したがって、本実施例では動作温度を40Kとした
が、動作温度を弱超伝導体の臨界温度以下の温度領域で
制御することによってI−V特性を所望の特性に合わせ
込むことができる。
【0012】以上に述べた実施例では平面構造型の超伝
導素子を取り扱ったが、本発明は第1超伝導体、弱超伝
導体、第1超伝導体をこの順番に積み上げた積層構造型
の超伝導素子にも応用することができる。その場合には
弱超伝導体の積層膜厚を厚くできるから薄膜形成技術の
見地からみて有利になる。また、弱超伝導体によって連
結される2つの第1超伝導体は同じものである必要はな
く、異なる臨界温度を有するあるいは異なる物質からな
る2つの第1超伝導体を用いることもできる。さらに弱
超伝導体の材料について言えば、上記実施例で述べたY
BCO系物質以外に、たとえばC60あるいはC72のフラ
ーレン、特にハロゲン元素をドープしたフラーレンなど
の他の材料からなる超伝導物質であってもよい。
【0013】なお、以上の説明では2端子素子だけにつ
いて述べたが、本発明は3端子超伝導素子にも応用する
ことができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明は、空間
的に分離された2つの第1超伝導体をそれらの臨界電流
密度より小さい臨界電流密度を有する弱超伝導体で連結
し該弱超伝導体の超伝導臨界温度以下の温度で動作させ
ることによって、2つの第1超伝導体間隔の距離に関す
る制約を解放し、製造歩留まりと信頼性が高くしかも特
性が一様な超伝導素子を提供することができるという効
果を有する。
【0015】本発明を酸化物高温超伝導体を用いた超伝
導素子に応用すれば現有の薄膜形成技術とフォトリソグ
ラフィー技術を用いて容易に製造可能な超伝導素子を提
供することができるから特にその効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における超伝導素子の断面
図。
【図2】 本発明の実施例における超伝導素子のI−V
特性を示す図。
【図3】 本発明の実施例における超伝導素子の2つの
第1超伝導体の間隔dと臨界電流Icの関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 弱超伝導体 3 第1超伝導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下田 達也 長野県諏訪市大和3丁目3番5号セイコー エプソン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間的に分離された2つの第1超伝導体
    をそれらの臨界電流密度より小さい臨界電流密度を有す
    る第2超伝導体で連結し、第2超伝導体の超伝導臨界温
    度以下の温度で動作させることを特徴とする超伝導素
    子。
  2. 【請求項2】 第1超伝導体と第2超伝導体はともに酸
    化物超伝導体からなることを特徴とする請求項1記載の
    超伝導素子。
JP3231826A 1991-09-11 1991-09-11 超伝導素子 Pending JPH0575168A (ja)

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JP3231826A JPH0575168A (ja) 1991-09-11 1991-09-11 超伝導素子

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ID=16929627

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6295136B1 (en) * 1906-10-29 2001-09-25 Seiko Epson Corporation Printer control apparatus method of controlling printer and recording medium used therefor

Cited By (1)

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