JP2879010B2 - 超電導素子 - Google Patents

超電導素子

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JP2879010B2
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浩之 福家
和夫 斉藤
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    • H03K19/02Logic circuits, i.e. having at least two inputs acting on one output; Inverting circuits using specified components
    • H03K19/195Logic circuits, i.e. having at least two inputs acting on one output; Inverting circuits using specified components using superconductive devices
    • H03K19/1952Logic circuits, i.e. having at least two inputs acting on one output; Inverting circuits using specified components using superconductive devices with electro-magnetic coupling of the control current

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超電導素子に関し、
より詳しくは単一磁束量子を情報媒体とし高速動作が可
能で低消費電力の超電導論理回路の基本となる超電導素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、超電導論理回路を構成する各
種の超電導素子が提案されている。特に、単一磁束量子
を情報単位とする超電導素子は高速動作が可能でかつ低
消費電力であり、現在多用されている半導体論理回路の
性能を大幅に上回るものとして期待されている。単一磁
束量子を論理回路における情報単位とする場合、単一磁
束量子の制御性の観点から、超電導素子として少なくと
も1個のジョセフソン接合を含む超電導ループ(超電導
量子干渉素子、以下SQUIDという)がしばしば用い
られる。そして、SQUIDを形成する超電導ループ内
に保持される単一磁束量子の有無を論理値の“1”また
は“0”に対応させる。
【0003】このような超電導論理回路素子の例として
は、以下のようなものが知られている。例えば、IEE
E TRANSACTIONS ON APPLIED
SUPERCONDUCTIVITY 第1巻(19
91年),第1号,第3〜28頁には、金属系の超電導
体を用いてジョセフソン接合を2個含む超電導ループ
(以下dc−SQUIDという)を作製し、論理値を規
定する基本要素素子として機能することが報告されてい
る。また、IEEE TRANSACTIONSON
APPLIED SUPERCONDUCTIVITY
第5巻(1995年),第2号,第3401〜340
4頁にも、酸化物高温超電導体を用いてdc−SQUI
Dを作製し、論理値を規定する基本要素素子として機能
することが報告されている。
【0004】上述した従来技術では、素子の安定動作を
得るためには、以下のような条件が要求される。(1)
論理値を規定するdc−SQUIDを構成する2個のジ
ョセフソン接合の臨界電流がほぼ同じである必要があ
る。(2)論理値を規定するdc−SQUIDにおける
外部磁場と内部磁場との関係を定めるパラメータである
インダクティブパラメータβL の最適範囲は3〜10で
あり、通常、dc−SQUIDのループインダクタンス
は10〜30pH程度の小さな値である必要がある。
【0005】これらの条件に関して、第1の公知例のよ
うに金属系の超電導体を用いた超電導論理回路では、2
つのジョセフソン接合の臨界電流値をほぼ同じに作製す
る技術が確立されており、しかも超電導の積層化により
ループインダクタンスを小さくすることも比較的容易で
ある。しかし、金属系超電導体は、臨界温度が低いため
に、4.2Kという極低温でしか動作できないという問
題があった。
【0006】一方、第2の公知例のように酸化物高温超
電導体を用いた超電導論理回路では、金属系超電導体と
比較して臨界温度が高いため、動作温度の制限は少な
い。しかし、酸化物高温超電導体を用いた場合には、上
記の(1)および(2)の条件を満たすことは困難であ
る。すなわち、2つのジョセフソン接合について臨界電
流値などの素子特性が同一になるように作製する技術が
確立していないため、超電導論理素子を再現性よく作製
し、安定動作せることは困難であった。しかも、外部入
力手段と超電導素子とのインピーダンスの整合がとれて
おらず、高速動作をさせることが困難であった。また、
酸化物からなる超電導層の積層化技術は完全には確立し
ていないため1層の超電導層で素子を構成せざるを得な
いが、この場合に小さなループインダクタンス値を容易
に実現する手段が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、1層
の超電導層を用いて、論理SQUIDに含まれる2個の
ジョセフソン接合の素子特性(臨界電流値または常伝導
抵抗値)の異なる場合であっても動作に支障がなく、か
つループインダクタンスを十分に低減することができ、
超電導ループに保持される単一磁束量子の有無をもとに
論理値を安定的に規定でき、高速動作が可能で低消費電
力の超電導論理回路の基本となる超電導素子を容易に提
供することにある。さらに、酸化物超電導体を用いるこ
とで4.2K以上の高温でも動作する上記のような超電
導素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の超電導素子は、
同一平面上に形成された、論理SQUIDとこの論理S
QUIDに磁気的に結合する読み出しSQUIDとを有
し、論理SQUIDは、第1の超電導線、第1の超電導
線に平行に配置された第2の超電導線、並びにこれらの
超電導線の間を接続する第3及び第4の超電導線からな
る超電導ループを構成するとともに、第3及び第4の超
電導線の少なくとも一方にジョセフソン接合を含み、読
み出しSQUIDは、第1の超電導線の少なくとも一
部、第1の超電導線に平行に配置された第5の超電導
線、並びにこれらの超電導線の間を接続する第6及び第
7の超電導線からなる超電導ループを構成するととも
に、第1の超電導線以外の部分に少なくとも2個のジョ
セフソン接合を含む超電導素子であって、第1および第
2の超電導線の線幅W1 、W2 は両者の間隔dよりも大
きく、第2の超電導線の線幅W2 は第1の超電導線の線
幅W1 よりも大きく、第1および第2の超電導線の線幅
1 、W2 は第3および第4の超電導線の線幅W3、W4
よりも大きいことを特徴とするものである。なお、第
2の超電導線の線幅W2 は第1の超電導線の線幅W1
5倍以上であることが好ましく、できるだけ大きいこと
が好ましい。
【0009】
【発明の実施の態様】本発明の超電導素子は、1層の超
電導層により上記のように同一平面上に形成され、ジョ
セフソン接合は超電導線中に導入された結晶粒界を挟む
超電導線により構成される。本発明の超電導素子におい
ては、通常、論理SQUIDおよび読み出しSQUID
を構成する超電導ループに含まれるジョセフソン接合が
それぞれ2個である。ただし、論理SQUIDを構成す
る超電導ループに含まれる2個のジョセフソン接合の素
子特性が異なっていてもよく、場合によっては実質的に
1つのジョセフソン接合のみが含まれるとみなせる程度
に2つのジョセフソン接合の素子特性が大幅に異なって
いてもよい。
【0010】本発明の超電導素子においては、論理SQ
UIDを構成する第1および第2の超電導線の両端部に
超電導配線を接続し、読み出しSQUIDを構成する第
5の超電導線に少なくとも1本の超電導配線を接続して
信号の入出力を行うことが好ましい。
【0011】本発明の超電導素子においては、さらに、
第1の超電導線の両端部に接続された超電導配線に対し
て第2の超電導線の両端部に接続された超電導配線と対
称的な位置であって読み出しSQUIDの領域を除く領
域に、第2の超電導線と同電位の超電導線を形成するこ
とが好ましい。
【0012】本発明の超電導素子は、酸化物超電導体で
構成することができ、例えば一般式RBa2 Cu3y
(式中、RはY,Nd,Sm,Eu,Gd,Dy,H
o,Er,TmおよびYbからなる群より選択させる少
なくとも1種、6<y≦7)で表される酸化物超電導体
を用いることができる。
【0013】本発明の超電導素子は、論理SQUIDへ
一極性(例えば正)のパルス電圧を入力して磁束量子を
注入し、逆極性(例えば負)のパルス電圧を入力して磁
束量子を放出することにより動作する。この場合、論理
SQUIDに含まれる2個のジョセフソン接合の素子特
性(臨界電流値または常伝導抵抗値)が異なっていて
も、超電導ループに保持される単一磁束量子の有無をも
とに論理値を安定的に規定する超電導素子を実現するこ
とができる。
【0014】一般に超電導ループの内法(内側の寸法)
が小さく、かつ外法(外側の寸法)が大きいほどループ
インダクタンスは低減する。また、外部入力手段と超電
導素子とのインピーダンス整合は、第1および第2の超
電導線の線幅W1 、W2 および両者の間隔dを規定する
ことにより制御される。
【0015】したがって、第1および第2の超電導線の
線幅W1 、W2 を第3および第4の超電導線の線幅W
3 、W4 より大きくすることにより、超電導素子の動作
条件を満たすようにジョセフソン接合の特性を制御しつ
つ、ループインダクタンスを低減することが可能とな
り、超電導層が1層でも安定動作を実現できる。また、
第1および第2の超電導線の線幅W1 、W2 および両者
の間隔dを規定することにより、外部入力手段と超電導
素子とのインピーダンスの整合がなされ、高速動作が可
能となる。この結果、酸化物超電導体を用い、4.2K
以上の高温でも動作する単一磁束量子を情報媒体とする
高速動作が可能で低消費電力の超電導論理回路の基本と
なる超電導素子を提供できる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例について説明する。以下のよ
うにして図1および図2に示す本発明の超電導素子を作
製した。ここで、図1は本発明の超電導素子の平面図、
図2は図1のII−II線に沿う断面図である。
【0017】まず、MgO基板1の4個所に集束イオン
ビーム(FIB)により線状にダメージ2を与えた。具
体的には、照射イオンとしてGa+ を用い、加速電圧3
0kV、ビーム径50nm、電流密度2.5×1017
-2、照射時間320秒の条件で行った。このような条
件により大きさが約20μm×0.2μmであるダメー
ジ2を形成した。
【0018】このMgO基板1の全面にNdBa2 Cu
3y からなる膜厚100nmの超電導薄膜3を成膜し
た。具体的には、off−axisRFマグネトロンス
パッタリング法により、基板温度を840℃とし、Ar
/O2 =4/1の雰囲気で全圧を70mTorrに設定
して成膜した。この超電導薄膜3の臨界温度は80Kで
あった。この際、MgO基板1のダメージ2上に対応す
る部分には結晶粒界が生じて超電導弱結合となり、この
結果ジョセフソン接合が形成される。
【0019】以上のようにして成膜した超電導薄膜3上
にレジスト(OMR83)を塗布し、Ar+ ドライエッ
チングによりパターニングして図1に示す素子構造を形
成した。この素子はインダクタンスの低減化と高速動作
のためのインピーダンスの整合を図るためにコプレーナ
型線路構造となっている。
【0020】次に、図1を参照してこの超電導素子の具
体的な構造を説明する。論理dc−SQUID10の構
成は以下の通りである。コプレーナ型線路の中心導体と
なる第1の超電導線11の線幅W1 は50μmに形成さ
れている。この第1の超電導線11と平行にグラウンド
となる第2の超電導線12が形成されており、この第2
の超電導線12の一部は第1の超電導線11側に突出し
ている。第2の超電導線12の線幅W2 は2mm以上で
ある。第1の超電導線11と第2の超電導線12との間
隔dは、突出部で10μm、突出部以外で20μmとな
っている。第2の超電導線12の突出部の両端と第1の
超電導線11との間は、それぞれ線幅W3 、W4 が5μ
mの第3および第4の超電導線13、14で接続されて
いる。これらの第3および第4の超電導線13、14は
MgO基板1に形成されたダメージ2上にあるので、そ
れぞれジョセフソン接合を形成している。これらの第1
〜第4の超電導線からなり、2つのジョセフソン接合を
含む超電導ループにより論理dc−SQUID10が構
成されている。この超電導ループの内側の寸法は横が5
0μm、縦10μmである。なお、第1および第2の超
伝導線11、12のうち、論理dc−SQUID10を
構成する超電導ループに含まれる部分の両端から延長し
ている部分は、信号入出力のための超電導配線として用
いられる。
【0021】一方、読み出しdc−SQUID20の構
成は以下の通りである。論理dc−SQUID10を構
成する第1の超電導線11と平行に第5の超電導線22
が形成されている。第5の超電導線22の両端と第1の
超電導線11との間は、それぞれ線幅が5μmの第6お
よび第7の超電導線23、24で接続されている。これ
らの第6および第7の超電導線23、24はMgO基板
1に形成されたダメージ2上にあるので、それぞれジョ
セフソン接合を形成している。これらの第1および第5
〜第7の超電導線からなり2つのジョセフソン接合を含
む超電導ループにより読み出しdc−SQUID20が
構成されている。このように、読み出しdc−SQUI
D20はループの一部を論理dc−SQUID10と共
有するように配置されている。また、第5の超電導線2
2には超電導配線25が、第1の超電導線11には第5
の超電導線22を挟むように2本の超電導配線26、2
7が接続されている。これらの超電導配線25、26、
27は論理dc−SQUID10および読み出しdc−
SQUID20に制御電流(バイアス電流)を流すため
に用いられる。
【0022】なお、第1の超電導線11両端の超電導配
線部分に対して第2の超電導線12両端の超電導配線部
分と対称的な位置であって読み出しdc−SQUID2
0の領域を除く領域に、第2の超電導線と同電位でグラ
ウンドとなる超電導線15が形成されている。また、各
超電導配線の末端に膜厚100nmの金を蒸着すること
により素子特性を測定するための電極(図示せず)が形
成されている。
【0023】以上のような方法を採用し全く同一の条件
で数種類の超電導素子を作製した。ここで、酸化物超電
導体を用いた作製されたジョセフソン接合では、製造条
件が全く同一であったとしても、その特性は種々変化す
る場合が多い。
【0024】これらの超電導素子を液体ヘリウム温度に
冷却し、以下のようにして諸特性測定した。まず、試料
1についての測定結果を説明する。
【0025】図3(a)に論理dc−SQUID10の
電流電圧特性、図3(b)に論理dc−SQUID10
の磁場応答特性をそれぞれ示す。図4(a)に読み出し
dc−SQUID20の電流電圧特性、図4(b)に読
み出しdc−SQUID20の磁場応答特性をそれぞれ
示す。
【0026】図3(a)と図4(a)との比較から、論
理dc−SQUID10の電流電圧特性には折れ曲がり
があり、2個のジョセフソン接合の臨界電流値が異なっ
ていることを示している。図3(b)と図4(b)との
比較から、論理dc−SQUID10の磁場応答は歪ん
だ形をしており、臨界電流値が異なっていることを示し
ている。詳細な検討の結果、論理dc−SQUID10
の2個のジョセフソン接合の臨界電流値は50%異なっ
ていることがわかった。また、論理dc−SQUID1
0のインダクティブパラメータβL =2πLIc /Φ0
は20であった。
【0027】この超電導素子の基本的論理動作となる論
理値“0”と“1”の制御を試験した。具体的には、第
2の超電導線12をグラウンドとして、第1の超電導線
11の両端の超電導配線11a、11bからパルス幅
0.14msec、パルス高さ3mVの三角パルス波を
入力し、読み出しdc−SQUID20の出力電圧を観
察した。この測定においては、論理dc−SQUID1
0の超電導ループに保持される単一磁束量子の有無の変
化をdc−SQUID20の電圧レベルで読み取ること
ができる。
【0028】図5に試料1の入出力特性を示す。図5の
下側の波形はパルス入力のタイミングとパルスの符号と
を表している。ここでは、Sのタイミングで超電導配線
11aから正のパルスを入力し、Rのタイミングで超電
導配線11bから向きは同じで極性が負のパルスを入力
した。図5からわかるように、正のパルスに続く負のパ
ルスの入力、またはその逆に負のパルスに続く正のパル
スの入力によって読み出しdc−SQUID20の出力
電圧がスイッチし、パルス通過後もその電圧を保持して
いる。一方、正のパルスに続く正のパルスの入力、また
は負のパルスに続く負のパルスの入力によっては電圧に
変化がない。これは正のパルスによって論理dc−SQ
UID10に磁束量子が注入され、その後も磁束量子は
保持され、負のパルスによって磁束量子が放出されてい
ることを示している。このように、パルス入力によって
2つの論理値が安定的に規定されている。
【0029】なお、第2の超電導線12をグラウンドと
し、超電導配線11aのみまたは超電導配線11bのみ
を用いて、正及び負のパルスを入力しても全く同じ動作
をした。
【0030】次に、試料2について測定結果を示す。こ
の試料2に関しては、論理dc−SQUID10の電流
電圧特性と磁場応答特性の結果から、論理値dc−SQ
UID10に含まれる2個のジョセフソン接合の臨界電
流値はほぼ同じであることがわかった。
【0031】図6に試料2の入出力特性を示す。ここで
は超電導配線11aからのみSのタイミングで正のパル
スを、Rのタイミングで負のパルスを入力した。この場
合も図5の場合と同様な結果が得られている。すなわ
ち、入力パルスの極性の逆転によって読み出しdc−S
QUID20の出力電圧がスイッチし、パルス入力によ
って2つの論理値が安定的に規定されている。
【0032】なお、第2の超電導線12をグラウンドと
して、超電導配線11bのみを用いて正および負のパル
スを入力しても全く同様に動作した。ここで、試料1で
は論理dc−SQUIDの2個のジョセフソン接合の臨
界電流値の違いは50%であったが、最低でも10%以
上の違いがあれば試料1と全く同様に動作した。また、
極限的な例として一方のジョセフソン接合の臨界電流値
が十分大きく見掛け上1個のジョセフソン接合のみを含
んでいるように見える素子も試料1と全く同様に動作し
た。
【0033】一方、試料2では論理dc−SQUIDの
2個のジョセフソン接合の臨界電流値の違いはほとんど
同じであったが、臨界電流値の違いが10%未満であれ
ば試料2と全く同様に動作した。
【0034】このように論理dc−SQUIDの2個の
ジョセフソン接合の臨界電流値などの素子特性の差の大
小にかかわらず、2つの論理値を安定的に規定すること
ができる。なお、以上の測定は4.2Kで行なったが、
使用した酸化物超電導体の臨界温度以下の温度領域にお
ける動作が可能であることはいうまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、1
層の超電導層を用いて、論理SQUIDに含まれる2個
のジョセフソン接合の素子特性の異なる場合であっても
動作に支障がなく、かつループインダクタンスを十分に
低減することができ、超電導ループに保持される単一磁
束量子の有無をもとに論理値を安定的に規定でき、高速
動作が可能で低消費電力の超電導論理回路の基本となる
超電導素子を容易に提供することができ、ひいては酸化
物超電導体を用いることで4.2K以上の高温でも動作
する上記のような超電導素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における超電導素子の平面図。
【図2】本発明の実施例における超電導素子の断面図。
【図3】本発明の実施例における超電導素子を構成する
論理dc−SQUIDの電流電圧特性および磁場応答特
性を示す特性図。
【図4】本発明の実施例における超電導素子を構成する
読み出しdc−SQUIDの電流電圧特性および磁場応
答特性を示す特性図。
【図5】本発明の実施例における超電導素子(試料1)
の入出力特性を示す特性図。
【図6】本発明の実施例における超電導素子(試料2)
の入出力特性を示す特性図。
【符号の説明】
1…MgO基板 2…ダメージ 3…超電導薄膜 10…論理dc−SQUID 11…第1の超電導線 12…第2の超電導線 13…第3の超電導線 14…第4の超電導線 20…読み出しdc−SQUID 22…第5の超電導線 23…第6の超電導線 24…第7の超電導線 25、26、27…超電導配線
フロントページの続き (72)発明者 福家 浩之 東京都江東区東雲一丁目14番3 財団法 人 国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 (72)発明者 斉藤 和夫 東京都江東区東雲一丁目14番3 財団法 人 国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 (72)発明者 榎本 陽一 東京都江東区東雲一丁目14番3 財団法 人 国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 (56)参考文献 特開 平8−316537(JP,A) 特開 平8−162681(JP,A) 特開 平5−190922(JP,A) IEEE Trans.Appl.S uper.vol.5 no.2 p. 3401(1995) IEEE Trans.Appl.S uper.vol.1 no.1 p. 3(1991) IEEE Trans.Microw ave Theor.Tech.MTT 17 no.12 p.1087(1969) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/00 H01L 39/22 - 39/24

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一平面上に形成された、論理SQUID
    とこの論理SQUIDに磁気的に結合する読み出しSQ
    UIDとを有し、論理SQUIDは、第1の超電導線、
    第1の超電導線に平行に配置された第2の超電導線、並
    びにこれらの超電導線の間を接続する第3及び第4の超
    電導線からなる超電導ループを構成するとともに、第3
    及び第4の超電導線の少なくとも一方にジョセフソン接
    合を含み、読み出しSQUIDは、第1の超電導線の少
    なくとも一部、第1の超電導線に平行に配置された第5
    の超電導線、並びにこれらの超電導線の間を接続する第
    6及び第7の超電導線からなる超電導ループを構成する
    とともに、第1の超電導線以外の部分に少なくとも2個
    のジョセフソン接合を含む超電導素子であって、第1お
    よび第2の超電導線の線幅W1 、W2 は両者の間隔dよ
    りも大きく、第2の超電導線の線幅W2 は第1の超電導
    線の線幅W1 よりも大きく、第1および第2の超電導線
    の線幅W1 、W2 は第3および第4の超電導線の線幅W
    3 、W4 よりも大きいことを特徴とする超電導素子。
  2. 【請求項2】ジョセフソン接合が、超電導線中に導入さ
    れた結晶粒界を挟む超電導線により構成されることを特
    徴とする請求項1記載の超電導素子。
  3. 【請求項3】論理SQUIDおよび読み出しSQUID
    を構成する超電導ループに含まれるジョセフソン接合が
    それぞれ2個であることを特徴とする請求項1記載の超
    電導素子。
  4. 【請求項4】論理SQUIDを構成する超電導ループに
    含まれる2個のジョセフソン接合の素子特性が異なるこ
    とを特徴とする請求項3記載の超電導素子。
  5. 【請求項5】論理SQUIDを構成する第1および第2
    の超電導線の両端部に信号入出力のための超電導配線が
    接続され、読み出しSQUIDを構成する第5の超電導
    線に信号入出力のための少なくとも1本の超電導配線が
    接続されていることを特徴とする請求項1記載の超電導
    素子。
  6. 【請求項6】第1の超電導線の両端部に接続された超電
    導配線に対して第2の超電導線の両端部に接続された超
    電導配線と対称的な位置であって読み出しSQUIDの
    領域を除く領域に、第2の超電導線と同電位の超電導線
    が形成されていることを特徴とする請求項5記載の超電
    導素子。
  7. 【請求項7】各超電導線が、一般式 RBa2 Cu3y (式中、RはY,Nd,Sm,Eu,Gd,Dy,H
    o,Er,TmおよびYbからなる群より選択させる少
    なくとも1種、6<y≦7)で表される酸化物超電導体
    からなることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載
    の超電導素子。
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