JPH0935870A - 高分子蛍光体薄膜とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

高分子蛍光体薄膜とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子

Info

Publication number
JPH0935870A
JPH0935870A JP7182567A JP18256795A JPH0935870A JP H0935870 A JPH0935870 A JP H0935870A JP 7182567 A JP7182567 A JP 7182567A JP 18256795 A JP18256795 A JP 18256795A JP H0935870 A JPH0935870 A JP H0935870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
thin film
fluorescent substance
light emitting
polymeric fluorescent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7182567A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3951316B2 (ja
Inventor
Toshihiro Onishi
敏博 大西
Masanobu Noguchi
公信 野口
Hideji Doi
秀二 土居
Yoshihiko Tsuchida
良彦 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP18256795A priority Critical patent/JP3951316B2/ja
Publication of JPH0935870A publication Critical patent/JPH0935870A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3951316B2 publication Critical patent/JP3951316B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】容易に作成できるパターニングされた共役系高
分子からなる高分子蛍光体薄膜とその製造方法および容
易に作成できる多色発光可能な有機EL素子を提供す
る。 【解決手段】厚さ1nm以上10μm以下の高分子蛍光
体薄膜であり、該高分子蛍光体が、下記式(1)で示さ
れる繰り返し単位を1種類以上含み、かつ該高分子蛍光
体薄膜が、蛍光ピーク波長が400nm以上800nm
以下であって、ポリスチレン換算の数平均分子量が10
3 〜107 の高分子化合物を50重量%以上含有し、か
つ該高分子蛍光体薄膜には2種類以上の領域が形成され
ており、それぞれの領域で該高分子化合物の主鎖に含ま
れるビニレン基のトランス型とシス型との存在割合が異
なっており、異なる蛍光スペクトルを有するパターニン
グされた高分子蛍光体薄膜。 −Ar1 −CR1 =CR2 − (1) 〔Ar1 は、C4 〜C20のアリーレン基または複素環化
合物基、R1 、R2 はH,アルキル基等〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パターニングされ
たアリーレンビニレン系高分子蛍光体薄膜とその製造方
法および該高分子蛍光体薄膜を用いて作成された有機エ
レクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とい
うことがある。)に関する。詳しくは、トランス型/シ
ス型の存在割合が異なり、異なる蛍光スペクトルを有す
る2種類以上の領域を有するアリーレンビニレン系高分
子蛍光体薄膜と、一部に光を照射することにより蛍光ス
ペクトルの異なる領域を形成し該高分子蛍光体薄膜を製
造する方法、および該高分子蛍光体薄膜からなる発光層
を有する有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】無機蛍光体を発光材料として用いた無機
エレクトロルミネッセンス素子(以下、無機EL素子と
いうことがある。)は、例えばバックライトとしての面
状光源やフラットパネルディスプレイ等の表示装置に用
いられているが発光させるのに高電圧の交流が必要であ
った。近年、Tangらは有機蛍光色素を発光層とし、
これと電子写真の感光体等に用いられている有機電荷輸
送化合物とを積層した二層構造を有する有機EL素子を
作製し、低電圧駆動、高効率、高輝度の有機EL素子を
実現させた(特開昭59−194393号公報)。有機
EL素子は、無機EL素子に比べ、低電圧駆動、高輝度
に加えて多数の色の発光が容易に得られるという特徴が
あることから素子構造や有機蛍光色素、有機電荷輸送化
合物について多くの試みが報告されている〔ジャパニー
ズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(J
pn.J.Appl.Phys.)第27巻、L269
頁(1988年)〕、〔ジャーナル・オブ・アプライド
・フィジックス(J.Appl.Phys.)第65
巻、3610頁(1989年)〕。
【0003】これまでに、発光層に用いる材料として
は、低分子量の有機蛍光色素が一般に用いられており、
高分子量の発光材料としては、WO9013148号公
開明細書、特開平3−244630号公報、アプライド
・フィジックス・レターズ(Appl.Phys.Le
tt.)第58巻、1982頁(1991年)などで提
案されていた。WO9013148号公開明細書の実施
例には、可溶性前駆体を電極上に成膜し、熱処理を行な
うことにより共役系高分子に変換されたポリ(p−フェ
ニレンビニレン)薄膜が得られ、それを用いたEL素子
が開示されている。また、特開平3−244630号公
報には、それ自身が溶媒に可溶であり、熱処理が不要で
あるという特徴を有する共役系高分子が例示されてい
る。アプライド・フィジックス・レターズ(Appl.
Phys.Lett.)第58巻、1982頁(199
1年)にも溶媒に可溶な高分子発光材料およびそれを用
いて作成した有機EL素子が記載されている。WO92
03491号公開明細書には、可溶性前駆体を成膜し、
脱離を制御することによって一部を共役系高分子とする
ことでパターニングする方法およびそれを用いて作成し
た有機EL素子が記載されている。
【0004】しかしながら、これまで報告されたパター
ニングされた高分子蛍光体薄膜では、共役系高分子前駆
体から共役系高分子への反応を制御してパターンを形成
するため、不純物となる脱離分子が発生し、また共役系
高分子前駆体領域は有機EL素子の発光層として用いる
と電気的特性が悪かった。また、従来の高分子蛍光体を
用いた有機EL素子において、多色を同一素子で得るた
めには、多種類の発光材料を塗り分ける等の方法が考え
られるが、用いる発光層の厚さは非常に薄いため、製造
が容易ではなかった。したがって、容易にパターニング
ができる共役系高分子からなる高分子蛍光体薄膜および
多色発光が可能な有機EL素子が要望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、容易
に作成できるパターニングされた共役系高分子からなる
高分子蛍光体薄膜とその製造方法および容易に作成でき
る多色発光可能な有機EL素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な事情をみて、共役系高分子からなる高分子蛍光体薄膜
について鋭意検討した結果、特定のアリーレンビニレン
系高分子からなる高分子蛍光体を薄膜とし、一部を光で
処理することで蛍光スペクトルが変化し、また該高分子
蛍光体薄膜を発光層とすることでそれぞれの領域から異
なる色で発光する有機EL素子が容易に得られることを
見い出し、本発明に至った。
【0007】すなわち本発明は次に記す発明である。 [1]厚さ1nm以上10μm以下の高分子蛍光体薄膜
であり、該高分子蛍光体が、下記式(1)で示される繰
り返し単位を1種類以上含み、かつ該高分子蛍光体薄膜
が、蛍光ピーク波長が400nm以上800nm以下で
あって、ポリスチレン換算の数平均分子量が103 〜1
7 の高分子化合物を50重量%以上含有し、かつ該高
分子蛍光体薄膜には2種類以上の領域が形成されてお
り、それぞれの領域で該高分子化合物の主鎖に含まれる
ビニレン基のトランス型とシス型との存在割合が異なっ
ており、異なる蛍光スペクトルを有することを特徴とす
るパターニングされた高分子蛍光体薄膜。
【化4】−Ar1 −CR1 =CR2 − (1) 〔ここで、Ar1 は、共役結合に関与する炭素原子数が
4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
化合物基、R1 、R2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1
〜20のアルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭
素数4〜20の複素環化合物基、シアノ基からなる群か
ら選ばれる基を示す。また、−CR1 =CR2 −は下記
式(2)で示されるトランス型または下記式(3)で示
されるシス型である。〕
【化5】
【化6】 [2]厚さ1nm以上10μm以下の高分子蛍光体薄膜
であり、該高分子蛍光体が、式(1)で示される繰り返
し単位を1種類以上含み、かつ該高分子蛍光体薄膜が、
蛍光ピーク波長が400nm以上800nm以下であっ
て、ポリスチレン換算の数平均分子量が103 〜107
の高分子化合物を50重量%以上含有する高分子蛍光体
薄膜の一部に200nm以上600nm以下の光を照射
することにより、他の部分と互いに蛍光スペクトルの異
なる領域を形成することを特徴とする[1]記載のパタ
ーニングされた高分子蛍光体薄膜の製造方法。 [3]少なくとも一方が透明または半透明である一対の
陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも一層の発
光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子におい
て、該発光層が、[1]記載のパターニングされた高分
子蛍光体薄膜であることを特徴とする有機エレクトロル
ミネッセンス素子。 [4]陰極と発光層との間に、該発光層に隣接して電子
輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とする
[3]記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 [5]陽極と発光層との間に、該発光層に隣接して正孔
輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とする
[3]記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 [6]陰極と発光層との間に、該発光層に隣接して電子
輸送性化合物からなる層を設け、かつ陽極と発光層との
間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物からなる層
を設けたことを特徴とする[3]記載の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子。
【0008】次に、本発明のパターニングされた高分子
蛍光体薄膜について詳細に説明する。
【0009】該高分子蛍光体薄膜に用いられる高分子蛍
光体について説明する。該高分子蛍光体は、ポリスチレ
ン換算の数平均分子量が103 〜107 であり、上記式
(1)で示される繰り返し単位を1種類以上含み、かつ
蛍光ピーク波長が400nm以上800nm以下のアリ
ーレンビニレン系共役系高分子である。該高分子化合物
の主鎖に含まれるビニレン基は、トランス型またはシス
型の構造を取ることができ、トランス型とシス型との存
在割合に応じて蛍光スペクトルが変化すればよく、特に
限定はされず、ポリアリーレンビニレンおよびその誘導
体、アリーレンビニレンとフェニレンの共重合体および
その誘導体、アリーレンビニレンとチエニレンの共重合
体およびその誘導体、並びにアリーレンビニレンオリゴ
マーとエーテル、エステル、アミド、イミドとの共重合
体などが例示される。これらのうち、ポリアリーレンビ
ニレンおよびその誘導体が特に好ましい。ポリアリーレ
ンビニレン誘導体としては、式(1)で示される繰り返
し単位を1種類以上含み、かつそれらの繰り返し単位の
合計が全繰り返し単位の50モル%以上である共役系高
分子化合物が例示される。繰り返し単位の構造にもよる
が、式(1)で示される繰り返し単位が全繰り返し単位
の70%以上であることがより好ましい。該ポリアリー
レンビニレン誘導体は、式(1)で示される繰り返し単
位以外の繰り返し単位として、2価の芳香族化合物基も
しくはその誘導体、2価の複素環化合物基もしくはその
誘導体またはそれらを組み合わせて得られる基などを含
んでいてもよい。具体的には、下記化7に示す基および
それらを組み合わせて得られる基などが例示される。
【0010】
【化7】 (R14〜R105 は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜
20のアルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ
基;炭素数6〜18のアリール基およびアリールオキシ
基;並びに炭素数4〜14の複素環化合物基からなる群
から選ばれた基である。) また、化7で示される繰り返し単位や他の繰り返し単位
が、エーテル基、エステル基、アミド基、イミド基など
を有する非共役の単位で連結されていてもよいし、繰り
返し単位にそれらの非共役部分が含まれていてもよい。
これらの中でエーテル基、エステル基が好ましく、エー
テル基が特に好ましい。
【0011】該高分子化合物において式(1)のAr1
としては、共役結合に関与する炭素原子数が4個以上2
0個以下からなるアリーレン基または複素環化合物基で
あり、上記化7に示す2価の芳香族化合物基もしくはそ
の誘導体基、2価の複素環化合物基もしくはその誘導体
基、またはそれらを組み合わせて得られる基などが例示
される。
【0012】これらのなかで、フェニレン基、置換フェ
ニレン基、ビフェニレン基、置換ビフェニレン基、ナフ
チレン基、置換ナフチレン基、9,10−アントリレン
基、置換9,10−アントリレン基、2,5−ピリジル
基、置換2,5−ピリジル基、チエニレン基および置換
チエニレン基が好ましい。さらに好ましくは、フェニレ
ン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、2,5−ピリジ
ル基、チエニレン基である。
【0013】式(1)のR1 、R2 が水素またはシアノ
基以外の置換基である場合について述べると、炭素数1
〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などが挙げら
れ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘ
プチル基、オクチル基が好ましい。アリール基として
は、フェニル基、4−C1 〜C12アルコキシフェニル基
(C1 〜C12は炭素数1〜12であることを示す。以下
も同様である。)、4−C 1 〜C12アルキルフェニル
基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示され
る。複素環化合物基としては2−チエニル基、2−ピロ
リル基、2−フリル基、2−、3−または4−ピリジル
基などが例示される。
【0014】溶媒可溶性の観点からは式(1)のAr1
が、1つ以上の炭素数4〜20のアルキル基、アルコキ
シ基およびアルキルチオ基、炭素数6〜18のアリール
基およびアリールオキシ基並びに炭素数4〜14の複素
環化合物基から選ばれた基を有している繰り返し単位が
30モル%以上含まれることが好ましい。
【0015】これらの置換基としては以下のものが例示
される。炭素数4〜20のアルキル基としては、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。
また、炭素数4〜20のアルコキシ基としては、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチル
オキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシ
ルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が好
ましい。アルキルチオ基としては、ブチルチオ基、ペン
チルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチ
ルチオ基、デシルオキシ基、ドデシルチオ基などが挙げ
られ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ
基、オクチルチオ基が好ましい。アリール基としては、
フェニル基、4−C1 〜C12アルコキシフェニル基、4
−C1 〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2
−ナフチル基などが例示される。アリールオキシ基とし
ては、フェノキシ基が例示される。複素環化合物基とし
ては2−チエニル基、2−ピロリル基、2−フリル基、
2−、3−または4−ピリジル基などが例示される。こ
れら置換基の数は、該高分子蛍光体の分子量と繰り返し
単位の構成によっても異なるが、溶解性の高い高分子蛍
光体を得る観点から、これらの置換基が分子量600当
たり1つ以上であることがより好ましい。
【0016】なお、本発明の高分子蛍光体薄膜に用いる
高分子蛍光体は、ランダム、ブロックまたはグラフト共
重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有す
る高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体
であってもよい。蛍光の量子収率の高い高分子蛍光体を
得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性
を帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共
重合体が好ましい。
【0017】本発明の高分子蛍光体薄膜に用いる高分子
蛍光体の末端の構造は、合成法により異なっており、例
えば、アルデヒド基、ハロゲン化メチル基等である。こ
のまま用いてもよいが、これらの末端基と反応して、結
合することのできる官能基を有する低分子化合物によっ
て、末端を別の基にしてもよい。末端基と主鎖の結合部
分の構造は、特に限定されないが、ビニレン基を介して
主鎖と共役結合を形成していることが好ましい。これら
末端基の構造としては、ピレニル基、アントリル基、ナ
フチル基、アルコキシフェニル基、キノリル基、ピリジ
ル基等が例示され、ピレニル基、アントリル基が好まし
い。また本発明の有機EL素子は、薄膜からの発光を利
用するので該高分子蛍光体は、固体状態で蛍光を有する
ものが用いられる。
【0018】本発明の高分子蛍光体薄膜に用いる高分子
蛍光体の例として、より具体的には、下記式(4)〜式
(8)で示されるそれぞれの繰り返し単位からなる重合
体、式(4)〜式(7)で示されるそれぞれの繰り返し
単位の側鎖長の異なる2種類以上のものからなるブロッ
ク共重合体またはランダム共重合体、式(5)で示され
る繰り返し単位と式(6)で示される繰り返し単位の交
互共重合体またはそれらのモル比が10:1〜1:1の
ランダム共重合体、式(5)で示される繰り返し単位と
式(7)で示される繰り返し単位の交互共重合体または
それらのモル比が10:1〜1:5のランダム共重合
体、式(4)で示される繰り返し単位と式(8)で示さ
れる繰り返し単位の交互共重合体などが例示される。
【0019】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】 (ここで、R106 〜R111 、R113 〜R114 は、それぞ
れ独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アルコ
キシ基およびアルキルチオ基;炭素数6〜18のアリー
ル基およびアリールオキシ基;並びに炭素数4〜14の
複素環化合物基からなる群から選ばれた基である。ま
た、R112 は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数
6〜18のアリーレン基、並びに炭素数4〜14の2価
の複素環化合物基からなる群から選ばれた基である。)
【0020】式(4)〜式(8)の具体的な置換基の例
として、R106 〜R111 、R113 〜R114 の場合、炭素
数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などが
挙げられ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。また、炭素数
1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、
ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ
基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基などが挙げら
れ、メトキシ基、エトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキ
シルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が
好ましい。アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エ
チルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチル
チオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチ
オ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基などが挙げられ、
メチルチオ基、エチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシ
ルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基が好まし
い。アリール基としては、フェニル基、4−C1 〜C12
アルコキシフェニル基、4−C1 〜C12アルキルフェニ
ル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示され
る。アリールオキシ基としては、フェノキシ基が例示さ
れる。複素環化合物基としては2−チエニル基、2−ピ
ロリル基、2−フリル基、2−、3−または4−ピリジ
ル基などが例示される。
【0021】R112 の場合、炭素数1〜10のアルキレ
ン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン
基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチ
レン基、オクチレン基、デシレン基などが挙げられ、メ
チレン基、エチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、
ヘプチレン基、オクチレン基、デシレン基が好ましい。
アリーレン基としては、フェニレン基、置換フェニレン
基、ビフェニレン基、置換ビフェニレン基、ナフチレン
基、置換ナフチレン基、9,10−アントリレン基、置
換9,10−アントリレン基が例示され、フェニレン
基、ビフェニレン基、ナフチレン基が好ましい。2価の
複素環化合物基としては、2,5−ピリジンジイル基、
置換2,5−ピリジンジイル基、チエニレン基および置
換チエニレン基が例示され、2,5−ピリジンジイル
基、チエニレン基が好ましい。
【0022】本発明の高分子蛍光体薄膜に用いるアリー
レンビニレン系高分子蛍光体に対する良溶媒としては、
クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラ
ヒドロフラン、トルエン、キシレンなどが例示される。
高分子化合物の構造や分子量にもよるが、通常はこれら
の溶媒に0.1wt%以上溶解させることができる。
【0023】式(1)または(4)〜(8)で示される
繰り返し単位の中のビニレン基はトランス型とシス型の
いずれにもなり得るが、それらの割合は、該高分子蛍光
体の合成方法、処理方法によって制御することができ
る。メカニズムの詳細は定かではないが、トランス型:
シス型の比に応じて蛍光スペクトルが変化する。具体的
には、トランス型が多いほど蛍光ピーク波長は長波長と
なる。トランス型:シス型の比は、合成方法にもよる
が、通常100:0〜20:80の間であり、シス型の
ビニレンを含む高分子蛍光体に200nm以上600n
m以下の光を照射することで照射量に応じてシス型から
トランス型への変化を起こすことができる。
【0024】本発明の高分子蛍光体薄膜に用いるアリー
レンビニレン系高分子蛍光体は、分子量がポリスチレン
換算で103 〜107 であることが好ましく、それらの
重合度は繰り返し構造やその割合によっても変わる。成
膜性の点から一般には繰り返し構造の合計数で好ましく
は4〜10000、さらに好ましくは5〜3000、特
に好ましくは10〜2000である。また、これらの高
分子化合物を有機EL素子の発光材料として用いる場
合、その純度が発光特性に影響を与えるため、合成後、
再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理
をすることが望ましい。
【0025】本発明の高分子蛍光体薄膜に用いるアリー
レンビニレン系高分子蛍光体の合成法としては特に限定
されないが、例えば、芳香族環または置換基を有する芳
香族環にアルデヒド基が2つ結合したジアルデヒド化合
物と、芳香族環または置換基を有する芳香族環にハロゲ
ン化メチル基が2つ結合した化合物とトリフェニルホス
フィンとから得られるジホスホニウム塩からのWitt
ig反応が例示される。この場合にはシス型が比較的多
く含まれた高分子が得られる。また、他の合成法として
は、芳香族環または置換基を有する芳香族環にハロゲン
化メチル基が2つ結合した化合物からの脱ハロゲン化水
素法が例示される。この場合はトランス型の割合が大き
い。更に、芳香族環または置換基を有する芳香族環にハ
ロゲン化メチル基が2つ結合した化合物のスルホニウム
塩をアルカリで重合して得られる中間体から熱処理によ
り該高分子蛍光体を得るスルホニウム塩分解法が例示さ
れる。この場合には、中間体が溶媒可溶性であり、該高
分子蛍光体は必ずしも可溶性とは限らない。また、この
場合もトランス型の割合が大きい。また、芳香族環また
は置換基を有する芳香族環にアルデヒド基が2つ結合し
たジアルデヒド化合物と、芳香族環または置換基を有す
る芳香族環にアセトニトリル基が2つ結合した化合物か
らのKnoevengel法が例示される。この場合に
はシス型が比較的多く含まれた高分子が得られる。いず
れの合成法においても、モノマーとして、芳香族環以外
の骨格を有する化合物を加え、その存在割合を変えるこ
とにより、生成する高分子化合物に含まれる繰り返し単
位の構造を変えることができるので、共役系の繰り返し
単位が50モル%以上となるように加減して仕込み、共
重合してもよい。これらのうち、Wittig反応によ
る方法とKnoevengel法が、反応の制御や収率
およびシス型が多く含まれる点で好ましい。
【0026】より具体的に、本発明の高分子蛍光体薄膜
に用いられるアリーレンビニレン系高分子蛍光体の合成
法を説明する。例えば、Wittig反応により該高分
子蛍光体を得る場合は、例えばまず、ビス(ハロゲン化
メチル)化合物、より具体的には、例えば、2,5−ジ
オクチルオキシ−p−キシリレンジブロミドをN,N−
ジメチルホルムアミド溶媒中、トリフェニルホスフィン
と反応させてホスホニウム塩を合成し、これとジアルデ
ヒド化合物、より具体的には、例えば、テレフタルアル
デヒドとを、例えばエチルアルコール中、リチウムエト
キシドを用いて縮合させるWittig反応により、フ
ェニレンビニレン基と2,5−ジオクチルオキシ−p−
フェニレンビニレン基を含む高分子蛍光体が得られる。
この時、共重合体を得るために2種類以上のジホスホニ
ウム塩および/または2種類以上のジアルデヒド化合物
を反応させてもよい。
【0027】次に、本発明におけるパターニングされた
高分子蛍光体薄膜の製造方法について説明する。高分子
蛍光体薄膜作成の際に、これらのアリーレンビニレン系
高分子蛍光体を用い、高分子蛍光体を含む溶液を塗布後
乾燥により溶媒を除去し、厚さ1nm〜10μmの薄膜
を成膜する。次いで、光を照射すべき部分を空けたマス
クを介してシス型からトランス型へ転換することのでき
る光を照射することにより、パターニングされた薄膜を
作成する。パターニングの方法としては、マスクなどを
介して光を照射する方法が簡便であり好ましい。光の照
射量に応じて蛍光スペクトルの変化量が大きくなるの
で、照射強度または照射時間を変えて多重露光すること
で、多段階に異なる蛍光スペクトルを有する複数の領域
を1つの薄膜に形成することも可能である。高分子化合
物の構造にもよるが、通常200nm以上600nm以
下の波長の光のうち該高分子化合物が吸収する範囲の光
を照射すればシス型からトランス型へ転換することがで
き、好ましくは200nm以上400nm以下である。
必要な大きさの蛍光スペクトル変化を起こすだけの光量
を照射すればよい。
【0028】次に本発明の有機EL素子について詳細に
説明する。本発明の有機EL素子は、上記のパターニン
グされた高分子蛍光体薄膜を発光層として用いたもので
ある。本発明の有機EL素子の構造については、少なく
とも一方が透明または半透明である一対の電極間に設け
る発光層が前述の高分子蛍光体薄膜であれば、特に制限
はなく、公知の構造が採用される。
【0029】例えば、該高分子蛍光体薄膜、もしくは電
荷輸送材料(電子輸送材料と正孔輸送材料の総称を意味
する)を含む高分子蛍光体薄膜層を発光層とし、その両
面に一対の電極を有する構造のもの、該発光層と陽極と
の間に正孔輸送材料を含有する正孔輸送層を積層したも
の、該発光層と陰極との間に電子輸送材料を含有する電
子輸送層を積層したもの、さらに該発光層と陽極との間
に正孔輸送材料を含有する正孔輸送層を積層し、かつ該
発光層と陰極との間に電子輸送材料を含有する電子輸送
層を積層したものが例示される。
【0030】また、各層は1層の場合と複数の層を組み
合わせる場合も本発明に含まれる。さらに、発光層に例
えば下記に述べる発光材料を混合使用してもよい。ま
た、パターニングが可能な範囲で共役系高分子化合物お
よび/または電荷輸送材料を非共役の高分子化合物に分
散させた層とすることもできる。
【0031】発光層にアリーレンビニレン系高分子蛍光
体とともに使用される電荷輸送材料、すなわち、電子輸
送材料または正孔輸送材料としては公知のものが使用で
き、特に限定されないが、正孔輸送材料としてはピラゾ
リン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導
体、トリフェニルジアミン誘導体等が、電子輸送材料と
してはオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン
およびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナ
フトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびそ
の誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびそ
の誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエ
チレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−
ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体等が例
示される。
【0032】具体的には、特開昭63−70257号、
同63−175860号公報、特開平2−135359
号、同2−135361号、同2−209988号、同
3−37992号、同3−152184号公報に記載さ
れているもの等が例示される。正孔輸送材料としてはト
リフェニルジアミン誘導体、電子輸送材料としてはオキ
サジアゾール誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、
アントラキノンおよびその誘導体、8−ヒドロキシキノ
リンおよびその誘導体の金属錯体が好ましく、特に、正
孔輸送材料としては4,4’−ビス(N(3−メチルフ
ェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、電子輸送
材料としては2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t
−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、
ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノ
ール)アルミニウムが好ましい。これらのうち、電子輸
送性の化合物と正孔輸送性の化合物のいずれか一方、ま
たは両方を同時に使用すればよい。これらは単独で用い
てもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0033】該発光層と電極との間にさらに電荷輸送層
を設ける場合、これらの電荷輸送材料を使用して電荷輸
送層を形成してもよい。また、電荷輸送材料を発光層に
混合して使用する場合、電荷輸送材料の使用量は使用す
る化合物の種類等によっても異なるので、十分な成膜性
と発光特性、光照射による蛍光スペクトル変化を阻害し
ない量範囲でそれらを考慮して適宜決めればよい。通
常、発光層全体に対して1〜40重量%であり、さらに
好ましくは2〜30重量%である。
【0034】発光層にアリーレンビニレン系高分子蛍光
体と共に使用できる既知の発光材料としては特に限定さ
れないが、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンお
よびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、ポリメチ
ン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色
素類、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属
錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエ
ンおよびその誘導体、テトラフェニルブタジエンおよび
その誘導体などを用いることができる。具体的には、例
えば特開昭57−51781号、同59−194393
号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能
である。
【0035】次に、本発明の有機EL素子の代表的な作
製方法について述べる。陽極および陰極からなる一対の
電極で、透明または半透明な電極としては、ガラス、透
明プラスチック等の透明基板の上に、透明または半透明
の電極を形成したものが用いられる。陽極の材料として
は、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用い
られる。具体的にはインジウム・スズ・オキサイド(I
TO)、酸化スズ等からなる導電性ガラスを用いて作成
された膜(NESAなど)、Au、Pt、Ag、Cu等
が用いられる。作製方法としては真空蒸着法、スパッタ
リング法、メッキ法などが用いられる。
【0036】この陽極上に正孔輸送層を形成する場合
は、次の方法による。すなわち、正孔輸送材料の溶融
液、溶液または混合液を使用するスピンコーティング
法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート
法、ロールコート法等の塗布法、または高分子マトリッ
クス材料と正孔輸送材料とを溶液状態もしくは溶融状態
で混合し分散させた後の溶液または混合液を使用するス
ピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング
法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法が例示さ
れる。これらの中で、溶液または混合液を用いてスピン
コーティング法、キャスティング法、ディッピング法、
バーコート法、ロールコート法等の塗布法により成膜す
るのが特に好ましい。
【0037】正孔輸送層の膜厚としては好ましくは1n
m〜1μm、さらに好ましくは2〜500nmである。
電流密度を上げて発光効率を上げるためには5〜100
nmの範囲が好ましい。次いで、上記高分子蛍光体薄膜
を形成する。薄膜形成後、例えばマスクを介して光照射
し、パターニングを行なう。パターンは、セグメント、
マトリックス等、表示したい内容に応じて適宜選択すれ
ばよい。
【0038】発光層の膜厚としては好ましくは1nm〜
1μm、さらに好ましくは2nm〜500nmである。
電流密度を上げて発光効率を上げるためには5〜100
nmの範囲が好ましい。なお、正孔輸送層や発光層を塗
布法により薄膜化した場合には、溶媒を除去するため、
正孔輸送層形成後および/または発光層形成後に、減圧
下あるいは不活性雰囲気下、好ましくは30〜300
℃、さらに好ましくは60〜200℃の温度で加熱乾燥
することが望ましい。
【0039】また、該発光層の上にさらに電子輸送層を
積層する場合には、上記の方法で発光層を設けた後にそ
の上に電子輸送層を形成することが好ましい。
【0040】電子輸送層の成膜方法としては、特に限定
されないが、粉末状態からの真空蒸着法、または溶液に
溶かした後のスピンコーティング法、キャスティング
法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法等
の塗布法、または高分子化合物と電子輸送材料とを溶液
状態もしくは溶融状態で混合し分散させた後のスピンコ
ーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バ
ーコート法、ロールコート法等の塗布法を用いることが
できる。
【0041】混合する高分子化合物としては、特に限定
されないが、電子輸送を極度に阻害しないものが好まし
く、また、可視光に対する吸収が強くないものが好適に
用いられる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェン
およびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)お
よびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)
およびその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレー
ト、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンな
どが例示される。成膜が容易に行なえるという点では、
高分子化合物を用いる場合は塗布法を用いることが好ま
しい。
【0042】電子輸送層の膜厚は、少なくともピンホー
ルが発生しないような厚みが必要であるが、あまり厚い
と、素子の抵抗が増加し、高い駆動電圧が必要となり好
ましくない。したがって、電子輸送層の膜厚は好ましく
は1nm〜1μm、さらに好ましくは2nm〜500n
m、特に好ましくは5〜100nmである。
【0043】次いで、発光層または電子輸送層の上に電
極を設ける。この電極は電子注入陰極となる。その材料
としては、特に限定されないが、イオン化エネルギーの
小さい材料が好ましい。例えば、Al、In、Mg、C
a、Li、Mg−Ag合金、In−Ag合金、Mg−I
n合金、Mg−Al合金、Mg−Li合金、Al−Li
合金、グラファイト薄膜等が用いられる。陰極の作製方
法としては真空蒸着法、スパッタリング法等が用いられ
る。
【0044】さらに具体的に、本発明のパターニングさ
れた高分子蛍光体薄膜の1例の構成を図1に示す。例え
ばガラス基板上に、アリーレンビニレン系高分子蛍光体
薄膜を形成し、まず1と2の領域に光が当たらないよう
にマスクして3の領域に強い光照射または長時間の光照
射を行なう。次いで1と3の領域をマスクして2の領域
に弱い光照射または短時間の光照射を行なう。これによ
り、例えば、1、2、3の領域の蛍光色がそれぞれ緑
色、黄色、赤橙色となる。
【0045】また、図1に示したものと同様なパターニ
ングされた高分子蛍光体薄膜を発光層として用いる有機
エレクトロルミネッセンス素子の1例の構成を図2に示
す。例えば4の透明電極としてITOの付いたガラス基
板上に、アリーレンビニレン系高分子蛍光体薄膜を形成
し、図1に示したものと同様な方法で領域1、2、3に
それぞれ異なる光量で光照射を行なう。このとき、必要
であれば電荷輸送層を形成する。次いで、1’、2’、
3’で示す陰極を形成する。さらに、これらの陰極と外
部回路を接続するために5の導線をつける。この有機エ
レクトロルミネッセンス素子を透明電極側から見ると、
透明電極と陰極との間に電圧を印加することにより、
1’、2’、3’の陰極部分から、例えばそれぞれ緑
色、黄色、赤橙色のエレクトロルミネッセンスが見られ
る。これらの例は、セグメント型の例を示したが、より
微細な透明電極とマスクを用い、同様なパターニングを
ストライプ状に行なった上に格子状になるように陰極を
形成することで、容易にマトリックス型のマルチカラー
素子も作成できる。
【0046】
【実施例】以下本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。ここで、数平均分子量に
ついては、クロロホルムを溶媒として、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレ
ン換算の数平均分子量を求めた。 参考例1 <高分子化合物1の合成と評価>2,5−ジオクチルオ
キシ−p−キシリレンジブロミドをN,N−ジメチルホ
ルムアミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させ
てホスホニウム塩を合成した。得られたホスホニウム塩
47.75重量部、テレフタルアルデヒド6.7重量部
を、エチルアルコールに溶解させた。5.8重量部のリ
チウムエトキシドを含むエチルアルコール溶液をホスホ
ニウム塩とジアルデヒドのエチルアルコール溶液に滴下
し、室温で3時間重合させた。一夜室温で放置した後、
沈殿を濾別し、エチルアルコールで洗浄後、クロロホル
ムに溶解、これにエタノールを加え再沈生成した。これ
を減圧乾燥して、重合体8.0重量部を得た。これを高
分子蛍光体1という。モノマーの仕込み比から計算され
る高分子蛍光体1の繰り返し単位とそのモル比を下記に
示す。
【0047】
【化13】 モル比 50:50(ただし、2つの繰り返し単位は交
互に結合している。)該高分子蛍光体1のポリスチレン
換算の数平均分子量は、1.0×104 であった。該高
分子蛍光体1の構造については赤外吸収スペクトル、N
MRで確認した。また、NMRから見積ったビニレン基
のシス型:トランス型の比は66:34であった。
【0048】実施例1 <高分子蛍光体薄膜の作成および評価>高分子蛍光体1
の1.0wt%トルエン溶液を用いて、スピンコートに
より30nmの厚みで成膜した。これを大気中で120
℃のホットプレート上にのせ、マスクを介して蛍光灯の
光を10分間照射した。この高分子蛍光体薄膜のうち光
の当たらなかった部分の蛍光は緑色で、540nmに蛍
光ピークを有していた。一方、光を当てた部分の蛍光は
赤橙色で、590nmに蛍光ピークを有していた。光の
当たらなかった部分をかきとって、クロロホルム−Dに
溶解させ、NMRを測定したところ、ビニレン基のシス
型:トランス型の比は、約65:35であった。また、
光の当たった部分を同様に測定したところ、約40:6
0であった。
【0049】実施例2 <有機EL素子の作成および評価>スパッタリングによ
って、40nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板
に、ポリ(N−ビニルカルバゾール)の1.0wt%ク
ロロホルム溶液を用いて、ディッピングにより70nm
の厚みで成膜し、続いて高分子化合物1の1.0wt%
トルエン溶液を用いて、スピンコートにより40nmの
厚みで成膜した後、大気中で120℃のホットプレート
上にのせ、マスクを介して蛍光灯の光を10分間照射
し、パターンを形成した。更に、これを減圧下80℃で
1時間乾燥した後、電子輸送層として、トリス(8−キ
ノリノール)アルミニウム(Alq3 )を0.1〜0.
2nm/sの速度で60nm蒸着した。最後に、その上
に陰極としてアルミニウム−リチウム合金(Al:Li
=約100:1重量比)を100nm蒸着して有機EL
素子を作製した。蒸着のときの真空度はすべて8×10
-6Torr以下であった。この素子の光照射しなかった
領域に形成した電極に電圧12.5Vを印加したとこ
ろ、電流密度224mA/cm2 の電流が流れ、輝度1
4170cd/m2の黄緑色のEL発光が観察された。
輝度はほぼ電流密度に比例していた。また、ELピーク
波長は540nmであった。次に、この素子の光照射し
た領域に形成した電極に電圧12.5Vを印加したとこ
ろ、電流密度91.2mA/cm2 の電流が流れ、輝度
527cd/m2 の赤橙色のEL発光が観察された。輝
度はほぼ電流密度に比例していた。また、ELピーク波
長は592nmであった。
【0050】実施例3 <高分子蛍光体薄膜の作成および評価、有機EL素子の
作成および評価>高分子蛍光体1の1.0wt%トルエ
ン溶液を用いて、スピンコートにより30nmの厚みで
成膜し、大気中で120℃のホットプレート上にのせ、
マスクを介して蛍光灯の光を1分間〜10分間少しずつ
ずらして照射する。この高分子蛍光体薄膜のうち光の当
たらなかった部分の蛍光は緑色で、約540nmに蛍光
ピークを有し、光を当てた部分は、その照射時間に応じ
て蛍光色が緑色(蛍光ピーク約540nm)から赤橙色
(蛍光ピーク約590nm)の領域になる。
【0051】実施例4 実施例2と同様にして、実施例3と同様の高分子蛍光体
薄膜を発光層とし、それぞれの蛍光色の領域に電極を形
成した素子を作成し、電圧を印加すれば、1つの素子上
で緑色から赤橙色までの様々な色の発光が得られる。
【0052】
【発明の効果】本発明の高分子蛍光体薄膜は、塗布によ
り形成でき、光によって容易にパターニングして、異な
る蛍光スペクトルを有する領域を形成できる。また、該
高分子蛍光体薄膜を発光層として用いれば、容易に多色
発光ができる有機EL素子を作成でき、該有機EL素子
はマルチカラーの面状光源,フラットパネルディスプレ
イ等の装置として好ましく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパターニングされた高分子蛍光体薄膜
の1例の構成を示す図。
【図2】パターニングされた高分子蛍光体薄膜を発光層
として用いる有機エレクトロルミネッセンス素子の1例
の構成を示す図。
【符号の説明】
1 非光照射部分 (蛍光 緑色)。 2 弱い光照射部分 (蛍光 黄色)。 3 強い光照射部分 (蛍光 赤橙色)。 1’陰極 (エレクトロルミネッセンス 緑色)。 2’陰極 (エレクトロルミネッセンス 黄色)。 3’陰極 (エレクトロルミネッセンス 赤橙色)。 4 陽極(透明電極)。 5 導線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 良彦 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ1nm以上10μm以下の高分子蛍光
    体薄膜であり、該高分子蛍光体が、下記式(1)で示さ
    れる繰り返し単位を1種類以上含み、かつ該高分子蛍光
    体薄膜が、蛍光ピーク波長が400nm以上800nm
    以下であって、ポリスチレン換算の数平均分子量が10
    3 〜107 の高分子化合物を50重量%以上含有し、か
    つ該高分子蛍光体薄膜には2種類以上の領域が形成され
    ており、それぞれの領域で該高分子化合物の主鎖に含ま
    れるビニレン基のトランス型とシス型との存在割合が異
    なっており、異なる蛍光スペクトルを有することを特徴
    とするパターニングされた高分子蛍光体薄膜。 【化1】−Ar1 −CR1 =CR2 − (1) 〔ここで、Ar1 は、共役結合に関与する炭素原子数が
    4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環
    化合物基、R1 、R2 はそれぞれ独立に水素、炭素数1
    〜20のアルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭
    素数4〜20の複素環化合物基、シアノ基からなる群か
    ら選ばれる基を示す。また、−CR1 =CR2 −は下記
    式(2)で示されるトランス型または下記式(3)で示
    されるシス型である。〕 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】厚さ1nm以上10μm以下の高分子蛍光
    体薄膜であり、該高分子蛍光体が、式(1)で示される
    繰り返し単位を1種類以上含み、かつ該高分子蛍光体薄
    膜が、蛍光ピーク波長が400nm以上800nm以下
    であって、ポリスチレン換算の数平均分子量が103
    107 の高分子化合物を50重量%以上含有する高分子
    蛍光体薄膜の一部に200nm以上600nm以下の光
    を照射することにより、他の部分と互いに蛍光スペクト
    ルの異なる領域を形成することを特徴とする請求項1記
    載のパターニングされた高分子蛍光体薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも一
    層の発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子
    において、該発光層が、請求項1記載のパターニングさ
    れた高分子蛍光体薄膜であることを特徴とする有機エレ
    クトロルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】陰極と該発光層との間に、該発光層に隣接
    して電子輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴と
    する請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  5. 【請求項5】陽極と該発光層との間に、該発光層に隣接
    して正孔輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴と
    する請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  6. 【請求項6】陰極と該発光層との間に、該発光層に隣接
    して電子輸送性化合物からなる層を設け、かつ陽極と該
    発光層との間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物
    からなる層を設けたことを特徴とする請求項3記載の有
    機エレクトロルミネッセンス素子。
JP18256795A 1995-07-19 1995-07-19 高分子蛍光体薄膜とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子 Expired - Fee Related JP3951316B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18256795A JP3951316B2 (ja) 1995-07-19 1995-07-19 高分子蛍光体薄膜とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18256795A JP3951316B2 (ja) 1995-07-19 1995-07-19 高分子蛍光体薄膜とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007016255A Division JP2007177250A (ja) 2007-01-26 2007-01-26 高分子蛍光体薄膜とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0935870A true JPH0935870A (ja) 1997-02-07
JP3951316B2 JP3951316B2 (ja) 2007-08-01

Family

ID=16120540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18256795A Expired - Fee Related JP3951316B2 (ja) 1995-07-19 1995-07-19 高分子蛍光体薄膜とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3951316B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2328442A (en) * 1998-03-31 1999-02-24 Cambridge Display Tech Ltd Conjugated polymers for luminescent devices
JP2007149468A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Univ Of Tokyo 発光色可変な有機発光素子
JP2007238725A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Kyoto Univ 光不溶化可能な導電性樹脂
WO2008140087A1 (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Nippon Shokubai Co., Ltd. 導電性樹脂組成物および導電性樹脂膜並びに導電性樹脂膜の形成方法
JP2011529250A (ja) * 2008-07-24 2011-12-01 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 照明装置及び方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2328442A (en) * 1998-03-31 1999-02-24 Cambridge Display Tech Ltd Conjugated polymers for luminescent devices
GB2328442B (en) * 1998-03-31 2001-09-05 Cambridge Display Tech Ltd Conjugated polymers
JP2007149468A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Univ Of Tokyo 発光色可変な有機発光素子
JP2007238725A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Kyoto Univ 光不溶化可能な導電性樹脂
WO2008140087A1 (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Nippon Shokubai Co., Ltd. 導電性樹脂組成物および導電性樹脂膜並びに導電性樹脂膜の形成方法
JPWO2008140087A1 (ja) * 2007-05-14 2010-08-05 株式会社日本触媒 導電性樹脂組成物および導電性樹脂膜並びに導電性樹脂膜の形成方法
JP2011529250A (ja) * 2008-07-24 2011-12-01 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 照明装置及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3951316B2 (ja) 2007-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3367064B2 (ja) 高分子蛍光体とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子
EP0725120B1 (en) Polymeric fluorescent substance, production process thereof and organic electroluminescence device
EP0672741B1 (en) Polymeric fluorescent substance and organic electroluminescence device
JP3760491B2 (ja) 高分子蛍光体、その製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3191374B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
US6207301B1 (en) Polymer fluorescent substance and organic electroluminescence device
JP3823602B2 (ja) 高分子蛍光体および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3546645B2 (ja) 高分子蛍光体および有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH1077467A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JPH05247460A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH10324870A (ja) 高分子蛍光体および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2000252065A (ja) 高分子発光素子
JPH0935871A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPWO2003050201A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料
JP3817957B2 (ja) 有機蛍光材料および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3223571B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH0963767A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3951316B2 (ja) 高分子蛍光体薄膜とその製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3557227B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH0959614A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3475500B2 (ja) 共役系高分子蛍光体と有機el素子
JPH08185980A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3674973B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3440565B2 (ja) 高分子蛍光体および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3707081B2 (ja) 高分子蛍光体および有機エレクトロルミネッセンス素子

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051013

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070126

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070416

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100511

Year of fee payment: 3

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100511

Year of fee payment: 3

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100511

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140511

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees