JPH093390A - 親水性被覆剤 - Google Patents
親水性被覆剤Info
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- JPH093390A JPH093390A JP17938895A JP17938895A JPH093390A JP H093390 A JPH093390 A JP H093390A JP 17938895 A JP17938895 A JP 17938895A JP 17938895 A JP17938895 A JP 17938895A JP H093390 A JPH093390 A JP H093390A
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- acid monoamide
- monoamide
- tert
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- saponification
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 造膜性、保存安定性に優れた親水性被覆剤を
提供すること。 【構成】 特定の分岐アルキルアクリルアミド成分を含
有するエチレン性不飽和ジカルボン酸モノアミドを0.
1〜20モル%共重合成分として含有する共重合体より
なる新規なポリビニルアルコール系樹脂を主成分とす
る。
提供すること。 【構成】 特定の分岐アルキルアクリルアミド成分を含
有するエチレン性不飽和ジカルボン酸モノアミドを0.
1〜20モル%共重合成分として含有する共重合体より
なる新規なポリビニルアルコール系樹脂を主成分とす
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルアルコール
(以下、PVAと略記する)を用いた親水性被覆剤に関
し、更に詳しくは、新規なPVA系樹脂を用いた造膜
性、保存安定性に優れた親水性被覆剤に関する。
(以下、PVAと略記する)を用いた親水性被覆剤に関
し、更に詳しくは、新規なPVA系樹脂を用いた造膜
性、保存安定性に優れた親水性被覆剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、PVAを用いた親水性被覆剤
は、帯電防止性、防曇性、水溶性等の各種特性を備えて
いるため、建築材料用プラスチック材料や農業用フィル
ム等のコート用皮膜、化粧用パック剤、金属やプラスチ
ック等の各種基材の表面保護用の暫定皮膜などの皮膜形
成用途に広く利用されている。
は、帯電防止性、防曇性、水溶性等の各種特性を備えて
いるため、建築材料用プラスチック材料や農業用フィル
ム等のコート用皮膜、化粧用パック剤、金属やプラスチ
ック等の各種基材の表面保護用の暫定皮膜などの皮膜形
成用途に広く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、形成さ
れた皮膜の物性は、被覆剤の主成分であるPVAの変性
等により各種の改善は見られるものの、PVA水溶液か
らなる親水性被覆剤の保存安定性や皮膜形成時の造膜速
度については、まだまだ改善の余地があった。
れた皮膜の物性は、被覆剤の主成分であるPVAの変性
等により各種の改善は見られるものの、PVA水溶液か
らなる親水性被覆剤の保存安定性や皮膜形成時の造膜速
度については、まだまだ改善の余地があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる欠点を解決すべく
鋭意検討した結果、本発明者は、変性成分として下記化
1で示される分岐アルキルアミド成分を含有するエチレ
ン性不飽和ジカルボン酸モノアミド(A)を0.1〜2
0モル%共重合体成分とする新規なPVA系樹脂を用い
た親水性被覆剤は保存安定性に優れ、かつ造膜速度も良
好であることを見いだし本発明に至った。
鋭意検討した結果、本発明者は、変性成分として下記化
1で示される分岐アルキルアミド成分を含有するエチレ
ン性不飽和ジカルボン酸モノアミド(A)を0.1〜2
0モル%共重合体成分とする新規なPVA系樹脂を用い
た親水性被覆剤は保存安定性に優れ、かつ造膜速度も良
好であることを見いだし本発明に至った。
【化1】 (但し、R1は水素又はアルキル基又はアリール(aryl)
基、R2〜R4は、水素又はアルキル基又はアリール(ary
l)基をそれぞれ示し、同時に2個以上は水素でなく、R
1〜R4の炭素数の合計が4以上である。)
基、R2〜R4は、水素又はアルキル基又はアリール(ary
l)基をそれぞれ示し、同時に2個以上は水素でなく、R
1〜R4の炭素数の合計が4以上である。)
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。次に本発
明の変性PVA系樹脂の製造方法について説明する。本
発明の変性PVA(以下、単に変性PVAと称すること
がある)系樹脂は、上記の如く(A)単位を必須成分と
しており、(A)単位は上記化1で示される如き分岐ア
ルキルアミド成分を含有するエチレン性不飽和ジカルボ
ン酸モノアミド単位でR1〜R4の上記官能基を有するも
のであり、R1〜R4の官能基の炭素数が4未満ではケン
化時の変性基の安定性、親水性被覆剤の保存安定性が悪
く、又該炭素数は好ましくは4〜16である。
明の変性PVA系樹脂の製造方法について説明する。本
発明の変性PVA(以下、単に変性PVAと称すること
がある)系樹脂は、上記の如く(A)単位を必須成分と
しており、(A)単位は上記化1で示される如き分岐ア
ルキルアミド成分を含有するエチレン性不飽和ジカルボ
ン酸モノアミド単位でR1〜R4の上記官能基を有するも
のであり、R1〜R4の官能基の炭素数が4未満ではケン
化時の変性基の安定性、親水性被覆剤の保存安定性が悪
く、又該炭素数は好ましくは4〜16である。
【0006】該(A)単位を含有する共重合可能な単量
体としては、N−tert−オクチルマレイン酸モノア
ミド、N−tert−アミルマレイン酸モノアミド、N
−1,3−ジメチルブチルマレイン酸モノアミド、N−
1,2,2−トリメチルプロピルマレイン酸モノアミ
ド、N−1−メチルヘキシルマレイン酸モノアミド、N
−1−エチルペンチルマレイン酸モノアミド、N−1−
メチルヘプチルマレイン酸モノアミド、N−1,5−ジ
メチルヘキシルマレイン酸モノアミド、N,N−エチル
イソプロピルマレイン酸モノアミド、N,N−ジイソプ
ロピルマレイン酸モノアミド、N,N−メチル−ter
t−ブチルマレイン酸モノアミド、N,N−イソプロピ
ル−tert−ブチルマレイン酸モノアミド、N,N−
ジ−sec−ブチルマレイン酸モノアミド、N−1−メ
チルブチルマレイン酸モノアミド、N−1−エチルプロ
ピルマレイン酸モノアミド、N−1,2−ジメチルプロ
ピルマレイン酸モノアミド、N−ジフェニルメチルマレ
イン酸モノアミド、N−1,2−ジフェニルエチルマレ
イン酸モノアミド、N−1−メチル−2−フェニルエチ
ルマレイン酸モノアミド、N−1−メチル−3−フェニ
ルプロピルマレイン酸モノアミド、N,N−メチル−1
−メチル−2−フェニルエチルマレイン酸モノアミド、
N,N−イソプロピル−ベンジルマレイン酸モノアミ
ド、N,N−tert−ブチルベンジルマレイン酸モノ
アミド、N−1,1−ジメチル−2−フェニルエチルマ
レイン酸モノアミド、N−1−プロピルブチルマレイン
酸モノアミド、N−1−フェニルエチルマレイン酸モノ
アミド。
体としては、N−tert−オクチルマレイン酸モノア
ミド、N−tert−アミルマレイン酸モノアミド、N
−1,3−ジメチルブチルマレイン酸モノアミド、N−
1,2,2−トリメチルプロピルマレイン酸モノアミ
ド、N−1−メチルヘキシルマレイン酸モノアミド、N
−1−エチルペンチルマレイン酸モノアミド、N−1−
メチルヘプチルマレイン酸モノアミド、N−1,5−ジ
メチルヘキシルマレイン酸モノアミド、N,N−エチル
イソプロピルマレイン酸モノアミド、N,N−ジイソプ
ロピルマレイン酸モノアミド、N,N−メチル−ter
t−ブチルマレイン酸モノアミド、N,N−イソプロピ
ル−tert−ブチルマレイン酸モノアミド、N,N−
ジ−sec−ブチルマレイン酸モノアミド、N−1−メ
チルブチルマレイン酸モノアミド、N−1−エチルプロ
ピルマレイン酸モノアミド、N−1,2−ジメチルプロ
ピルマレイン酸モノアミド、N−ジフェニルメチルマレ
イン酸モノアミド、N−1,2−ジフェニルエチルマレ
イン酸モノアミド、N−1−メチル−2−フェニルエチ
ルマレイン酸モノアミド、N−1−メチル−3−フェニ
ルプロピルマレイン酸モノアミド、N,N−メチル−1
−メチル−2−フェニルエチルマレイン酸モノアミド、
N,N−イソプロピル−ベンジルマレイン酸モノアミ
ド、N,N−tert−ブチルベンジルマレイン酸モノ
アミド、N−1,1−ジメチル−2−フェニルエチルマ
レイン酸モノアミド、N−1−プロピルブチルマレイン
酸モノアミド、N−1−フェニルエチルマレイン酸モノ
アミド。
【0007】N−tert−オクチルフマル酸モノアミ
ド、N−tert−アミルフマル酸モノアミド、N−
1,3−ジメチルブチルフマル酸モノアミド、N−1,
2,2−トリメチルプロピルフマル酸モノアミド、N−
1−メチルヘキシルフマル酸モノアミド、N−1−エチ
ルペンチルフマル酸モノアミド、N−1−メチルヘプチ
ルフマル酸モノアミド、N−1,5−ジメチルヘキシル
フマル酸モノアミド、N,N−エチルイソプロピルフマ
ル酸モノアミド、N,N−ジイソプロピルフマル酸モノ
アミド、N,N−メチル−tert−ブチルフマル酸モ
ノアミド、N,N−イソプロピル−tert−ブチルマ
レイン酸モノアミド、N,N−ジ−sec−ブチルフマ
ル酸モノアミド、N−1−メチルブチルフマル酸モノア
ミド、N−1−エチルプロピルマレイン酸モノアミド、
N−1,2−ジメチルプロピルフマル酸モノアミド、N
−ジフェニルメチルフマル酸モノアミド、N−1,2−
ジフェニルエチルフマル酸モノアミド、N−1−メチル
−2−フェニルエチルフマル酸モノアミド、N−1−メ
チル−3−フェニルプロピルフマル酸モノアミド、N,
N−メチル−1−メチル−2−フェニルエチルフマル酸
モノアミド、N,N−イソプロピルベンジルフマル酸モ
ノアミド、N,N−tert−ブチルベンジルフマル酸
モノアミド、N−1,1−ジメチル−2−フェニルエチ
ルフマル酸モノアミド、N−1−プロピルブチルフマル
酸モノアミド、N−1−フェニルエチルフマル酸モノア
ミド。
ド、N−tert−アミルフマル酸モノアミド、N−
1,3−ジメチルブチルフマル酸モノアミド、N−1,
2,2−トリメチルプロピルフマル酸モノアミド、N−
1−メチルヘキシルフマル酸モノアミド、N−1−エチ
ルペンチルフマル酸モノアミド、N−1−メチルヘプチ
ルフマル酸モノアミド、N−1,5−ジメチルヘキシル
フマル酸モノアミド、N,N−エチルイソプロピルフマ
ル酸モノアミド、N,N−ジイソプロピルフマル酸モノ
アミド、N,N−メチル−tert−ブチルフマル酸モ
ノアミド、N,N−イソプロピル−tert−ブチルマ
レイン酸モノアミド、N,N−ジ−sec−ブチルフマ
ル酸モノアミド、N−1−メチルブチルフマル酸モノア
ミド、N−1−エチルプロピルマレイン酸モノアミド、
N−1,2−ジメチルプロピルフマル酸モノアミド、N
−ジフェニルメチルフマル酸モノアミド、N−1,2−
ジフェニルエチルフマル酸モノアミド、N−1−メチル
−2−フェニルエチルフマル酸モノアミド、N−1−メ
チル−3−フェニルプロピルフマル酸モノアミド、N,
N−メチル−1−メチル−2−フェニルエチルフマル酸
モノアミド、N,N−イソプロピルベンジルフマル酸モ
ノアミド、N,N−tert−ブチルベンジルフマル酸
モノアミド、N−1,1−ジメチル−2−フェニルエチ
ルフマル酸モノアミド、N−1−プロピルブチルフマル
酸モノアミド、N−1−フェニルエチルフマル酸モノア
ミド。
【0008】N−tert−オクチルイタコン酸モノア
ミド、N−tert−アミルイタコン酸モノアミド、N
−1,3−ジメチルブチルイタコン酸モノアミド、N−
1,2,2−トリメチルプロピルイタコン酸モノアミ
ド、N−1−メチルヘキシルイタコン酸モノアミド、N
−1−エチルペンチルイタコン酸モノアミド、N−1−
メチルヘプチルイタコン酸モノアミド、N−1,5−ジ
メチルヘキシルイタコン酸モノアミド、N,N−エチル
イソプロピルイタコン酸モノアミド、N,N−ジイソプ
ロピルイタコン酸モノアミド、N,N−メチル−ter
t−ブチルイタコン酸モノアミド、N,N−イソプロピ
ル−tert−ブチルイタコン酸モノアミド、N,N−
ジ−sec−ブチルイタコン酸モノアミド、N−1−メ
チルブチルイタコン酸モノアミド、N−1−エチルプロ
ピルイタコン酸モノアミド、N−1,2−ジメチルプロ
ピルイタコン酸モノアミド、N−ジフェニルメチルイタ
コン酸モノアミド、N−1,2−ジフェニルエチルイタ
コン酸モノアミド、N−1−メチル−2−フェニルエチ
ルイタコン酸モノアミド、N−1−メチル−3−フェニ
ルプロピルイタコン酸モノアミド、N,N−メチル−1
−メチル−2−フェニルエチルイタコン酸モノアミド、
N,N−イソプロピル−ベンジルイタコン酸モノアミ
ド、N,N−tert−ブチルベンジルイタコン酸モノ
アミド、N−1,1−ジメチル−2−フェニルエチルイ
タコン酸モノアミド、N−1−プロピルブチルイタコン
酸モノアミド、N−1−フェニルエチルイタコン酸モノ
アミド。
ミド、N−tert−アミルイタコン酸モノアミド、N
−1,3−ジメチルブチルイタコン酸モノアミド、N−
1,2,2−トリメチルプロピルイタコン酸モノアミ
ド、N−1−メチルヘキシルイタコン酸モノアミド、N
−1−エチルペンチルイタコン酸モノアミド、N−1−
メチルヘプチルイタコン酸モノアミド、N−1,5−ジ
メチルヘキシルイタコン酸モノアミド、N,N−エチル
イソプロピルイタコン酸モノアミド、N,N−ジイソプ
ロピルイタコン酸モノアミド、N,N−メチル−ter
t−ブチルイタコン酸モノアミド、N,N−イソプロピ
ル−tert−ブチルイタコン酸モノアミド、N,N−
ジ−sec−ブチルイタコン酸モノアミド、N−1−メ
チルブチルイタコン酸モノアミド、N−1−エチルプロ
ピルイタコン酸モノアミド、N−1,2−ジメチルプロ
ピルイタコン酸モノアミド、N−ジフェニルメチルイタ
コン酸モノアミド、N−1,2−ジフェニルエチルイタ
コン酸モノアミド、N−1−メチル−2−フェニルエチ
ルイタコン酸モノアミド、N−1−メチル−3−フェニ
ルプロピルイタコン酸モノアミド、N,N−メチル−1
−メチル−2−フェニルエチルイタコン酸モノアミド、
N,N−イソプロピル−ベンジルイタコン酸モノアミ
ド、N,N−tert−ブチルベンジルイタコン酸モノ
アミド、N−1,1−ジメチル−2−フェニルエチルイ
タコン酸モノアミド、N−1−プロピルブチルイタコン
酸モノアミド、N−1−フェニルエチルイタコン酸モノ
アミド。
【0009】N−tert−オクチルシトラコン酸モノ
アミド、N−tert−アミルシトラコン酸モノアミ
ド、N−1,3−ジメチルブチルシトラコン酸モノアミ
ド、N−1,2,2−トリメチルプロピルシトラコン酸
モノアミド、N−1−メチルヘキシルシトラコン酸モノ
アミド、N−1−エチルペンチルシトラコン酸モノアミ
ド、N−1−メチルヘプチルシトラコン酸モノアミド、
N−1,5ジメチルヘキシルシトラコン酸モノアミド、
N,N−エチルイソプロピルシトラコン酸モノアミド、
N,N−ジイソプロピルシトラコン酸モノアミド、N,
N−メチル−tert−ブチルシトラコン酸モノアミ
ド、N,N−イソプロピル−tert−ブチルシトラコ
ン酸モノアミド、N,N−ジ−sec−ブチルシトラコ
ン酸モノアミド、N−1−メチルブチルシトラコン酸モ
ノアミド、N−1−エチルプロピルシトラコン酸モノア
ミド、N−1,2−ジメチルプロピルシトラコン酸モノ
アミド、N−ジフェニルメチルシトラコン酸モノアミ
ド、N−1,2−ジフェニルエチルシトラコン酸モノア
ミド、N−1−メチル−2−フェニルエチルシトラコン
酸モノアミド、N−1−メチル−3−フェニルプロピル
シトラコン酸モノアミド、N,N−メチル−1−メチル
−2−フェニルエチルシトラコン酸モノアミド、N,N
−イソプロピル−ベンジルシトラコン酸モノアミド、
N,N−tert−ブチルベンジルシトラコン酸モノア
ミド、N−1,1−ジメチル−2−フェニルエチルシト
ラコン酸モノアミド、N−1−プロピルブチルシトラコ
ン酸モノアミド、N−1−フェニルエチルシトラコン酸
モノアミドなどが挙げられ、好ましくはN−tert−
オクチルマレイン酸モノアミドが好適に使用される。
又、本発明の変性PVA系樹脂の(A)単位中のカルボ
ン酸成分としては、遊離カルボキシル基又はその塩であ
る。
アミド、N−tert−アミルシトラコン酸モノアミ
ド、N−1,3−ジメチルブチルシトラコン酸モノアミ
ド、N−1,2,2−トリメチルプロピルシトラコン酸
モノアミド、N−1−メチルヘキシルシトラコン酸モノ
アミド、N−1−エチルペンチルシトラコン酸モノアミ
ド、N−1−メチルヘプチルシトラコン酸モノアミド、
N−1,5ジメチルヘキシルシトラコン酸モノアミド、
N,N−エチルイソプロピルシトラコン酸モノアミド、
N,N−ジイソプロピルシトラコン酸モノアミド、N,
N−メチル−tert−ブチルシトラコン酸モノアミ
ド、N,N−イソプロピル−tert−ブチルシトラコ
ン酸モノアミド、N,N−ジ−sec−ブチルシトラコ
ン酸モノアミド、N−1−メチルブチルシトラコン酸モ
ノアミド、N−1−エチルプロピルシトラコン酸モノア
ミド、N−1,2−ジメチルプロピルシトラコン酸モノ
アミド、N−ジフェニルメチルシトラコン酸モノアミ
ド、N−1,2−ジフェニルエチルシトラコン酸モノア
ミド、N−1−メチル−2−フェニルエチルシトラコン
酸モノアミド、N−1−メチル−3−フェニルプロピル
シトラコン酸モノアミド、N,N−メチル−1−メチル
−2−フェニルエチルシトラコン酸モノアミド、N,N
−イソプロピル−ベンジルシトラコン酸モノアミド、
N,N−tert−ブチルベンジルシトラコン酸モノア
ミド、N−1,1−ジメチル−2−フェニルエチルシト
ラコン酸モノアミド、N−1−プロピルブチルシトラコ
ン酸モノアミド、N−1−フェニルエチルシトラコン酸
モノアミドなどが挙げられ、好ましくはN−tert−
オクチルマレイン酸モノアミドが好適に使用される。
又、本発明の変性PVA系樹脂の(A)単位中のカルボ
ン酸成分としては、遊離カルボキシル基又はその塩であ
る。
【0010】通常本発明の変性PVA系樹脂を製造する
には(A)とビニルエステル(B)を共重合して得られ
るビニルエステル共重合体をケン化する。(B)として
はギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸
ビニル等が挙げられるが、経済的にみて酢酸ビニルが好
ましい。
には(A)とビニルエステル(B)を共重合して得られ
るビニルエステル共重合体をケン化する。(B)として
はギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸
ビニル等が挙げられるが、経済的にみて酢酸ビニルが好
ましい。
【0011】上記変性PVA系樹脂の各単位の割合につ
いては、上記化1で示されるN−分岐アルキルアミド成
分を含有するエチレン性不飽和ジカルボン酸モノアミド
単位(A)を0.1〜20モル%、好ましくは0.3〜
10モル%、ビニルエステル単位(B)及びビニルアル
コール単位(C)が、合計で80〜99.9モル%の範
囲が適当である。又、ケン化度(ビニルエステル単位
(B)とビニルアルコール単位(C)との合計量に対す
るビニルアルコール単位(C)の割合)は、特に限定さ
れないが、生成皮膜を水溶性とする場合には70モル%
以上であることが好ましく、特に75モル%以上が好ま
しい。
いては、上記化1で示されるN−分岐アルキルアミド成
分を含有するエチレン性不飽和ジカルボン酸モノアミド
単位(A)を0.1〜20モル%、好ましくは0.3〜
10モル%、ビニルエステル単位(B)及びビニルアル
コール単位(C)が、合計で80〜99.9モル%の範
囲が適当である。又、ケン化度(ビニルエステル単位
(B)とビニルアルコール単位(C)との合計量に対す
るビニルアルコール単位(C)の割合)は、特に限定さ
れないが、生成皮膜を水溶性とする場合には70モル%
以上であることが好ましく、特に75モル%以上が好ま
しい。
【0012】本発明に用いられる変性PVA系樹脂の重
合度は、特に限定されないが300〜3000が好まし
く、更に好ましくは500〜2500で、重合度が30
0未満では親水性基被覆剤の粘度が低下し、逆に300
0を越えると親水性被覆剤の粘度が上昇してどちらの場
合も作業性に劣る傾向にある。
合度は、特に限定されないが300〜3000が好まし
く、更に好ましくは500〜2500で、重合度が30
0未満では親水性基被覆剤の粘度が低下し、逆に300
0を越えると親水性被覆剤の粘度が上昇してどちらの場
合も作業性に劣る傾向にある。
【0013】次に本発明の変性PVA系樹脂の製造方法
について説明する。本発明の変性PVA系樹脂は、上記
化1で示される分岐アルキルアミド成分を含有する上述
のエチレン性不飽和ジカルボン酸モノアミド(A)単量
体とビニルエステルの共重合体をケン化することによっ
て得られる。
について説明する。本発明の変性PVA系樹脂は、上記
化1で示される分岐アルキルアミド成分を含有する上述
のエチレン性不飽和ジカルボン酸モノアミド(A)単量
体とビニルエステルの共重合体をケン化することによっ
て得られる。
【0014】このようなエチレン性不飽和ジカルボン酸
モノアミド(A)は、マレイン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、
無水シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸又
はその無水物或いは、これらの酸ハロゲン化物を化2で
示される第1アミン又は第2アミンと無触媒又は適当な
酸触媒(硫酸、塩酸、P−トルエンスルホン酸等のプロ
トン酸)の存在下に反応させることにより得られる。こ
のようなアミンとしては、tert−オクチルアミン、
tert−アミルアミン、1,3−ジメチルブチルアミ
ン、2−アミノ−3,3−ジメチルブタン、2−アミノ
ヘプタン、3−アミノヘプタン、1−メチルヘプチルア
ミン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、N−エチルイ
ソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、N−メチル
−tert−ブチルアミン、N−tert−ブチルイソ
プロピルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、1−メチ
ルブチルアミン、1−エチルプロピルアミン、1,2−
ジメチルプロピルアミン、アミノジフェニルメタン、
1,2−ジフェニルエチルアミン、1−メチル−2−フ
ェニルエチルアミン、1−メチル−3−フェニルプロピ
ルアミン、N−メチル−1−メチル−2−フェニルエチ
ルアミン、N−イソプロピルベンジルアミン、N−(t
ert−ブチル)ベンジルアミン、α,α−ジメチル−
β−フェニルエチルアミン、1−プロピルブチルアミ
ン、1−フェニルエチルアミン等が挙げられる。
モノアミド(A)は、マレイン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、
無水シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸又
はその無水物或いは、これらの酸ハロゲン化物を化2で
示される第1アミン又は第2アミンと無触媒又は適当な
酸触媒(硫酸、塩酸、P−トルエンスルホン酸等のプロ
トン酸)の存在下に反応させることにより得られる。こ
のようなアミンとしては、tert−オクチルアミン、
tert−アミルアミン、1,3−ジメチルブチルアミ
ン、2−アミノ−3,3−ジメチルブタン、2−アミノ
ヘプタン、3−アミノヘプタン、1−メチルヘプチルア
ミン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、N−エチルイ
ソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、N−メチル
−tert−ブチルアミン、N−tert−ブチルイソ
プロピルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、1−メチ
ルブチルアミン、1−エチルプロピルアミン、1,2−
ジメチルプロピルアミン、アミノジフェニルメタン、
1,2−ジフェニルエチルアミン、1−メチル−2−フ
ェニルエチルアミン、1−メチル−3−フェニルプロピ
ルアミン、N−メチル−1−メチル−2−フェニルエチ
ルアミン、N−イソプロピルベンジルアミン、N−(t
ert−ブチル)ベンジルアミン、α,α−ジメチル−
β−フェニルエチルアミン、1−プロピルブチルアミ
ン、1−フェニルエチルアミン等が挙げられる。
【0015】
【化2】 (但し、R1は水素又はアルキル基又はアリール(aryl)
基、R2〜R4は、水素又はアルキル基又はアリール(ary
l)基をそれぞれ示し、同時に2個以上水素ではなく、R
1〜R4の炭素数の合計が4以上である。)
基、R2〜R4は、水素又はアルキル基又はアリール(ary
l)基をそれぞれ示し、同時に2個以上水素ではなく、R
1〜R4の炭素数の合計が4以上である。)
【0016】該共重合反応は、ラジカル重合での公知の
重合方法、例えば塊状重合,溶液重合,乳化重合,懸濁
重合等から任意に選択できるが、工業的にみて溶液重合
が好ましい。又バッチ重合、連続重合等のいずれの方法
も採用することができる。重合時の単量体の仕込み方法
としては特に制限はなく、一括仕込み、分割仕込み、連
続仕込み等任意の方法が採用されるが、分岐アルキルア
クリルアミド及びエチレン性不飽和カルボン酸若しくは
その塩をPVA分子中に均一に導入出来る点で分割仕込
み、或いは連続仕込み方法が有利である。
重合方法、例えば塊状重合,溶液重合,乳化重合,懸濁
重合等から任意に選択できるが、工業的にみて溶液重合
が好ましい。又バッチ重合、連続重合等のいずれの方法
も採用することができる。重合時の単量体の仕込み方法
としては特に制限はなく、一括仕込み、分割仕込み、連
続仕込み等任意の方法が採用されるが、分岐アルキルア
クリルアミド及びエチレン性不飽和カルボン酸若しくは
その塩をPVA分子中に均一に導入出来る点で分割仕込
み、或いは連続仕込み方法が有利である。
【0017】共重合に当たって触媒としてはアゾビスイ
ソブチロニトリル、アセチルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の公知の
ラジカル重合触媒及びアゾビスジメチルバレロニトリ
ル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル等の低温
活性ラジカル触媒等が用いられる。又、反応温度は特に
限定されず、当業者周知の範囲より好適に選択される。
ソブチロニトリル、アセチルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の公知の
ラジカル重合触媒及びアゾビスジメチルバレロニトリ
ル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル等の低温
活性ラジカル触媒等が用いられる。又、反応温度は特に
限定されず、当業者周知の範囲より好適に選択される。
【0018】かかる重合に当たっては、本発明の趣旨を
損なわない限り上記2成分以外にかかる単量体と共重合
可能な他の不飽和単量体、例えばアルキルビニルエーテ
ル、メタアクリルアミド、エチレン、プロピレン、α−
ヘキセン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタド
デセン等のオレフィン、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等のニトリル類、アクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸アルキルエステル、クロトン酸アルキ
ルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、イタコン
酸ジアルキルエステル、シトラコン酸ジアルキルエステ
ル、フマル酸ジアルキルエステル等を少量共重合させて
もよい。
損なわない限り上記2成分以外にかかる単量体と共重合
可能な他の不飽和単量体、例えばアルキルビニルエーテ
ル、メタアクリルアミド、エチレン、プロピレン、α−
ヘキセン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタド
デセン等のオレフィン、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等のニトリル類、アクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸アルキルエステル、クロトン酸アルキ
ルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、イタコン
酸ジアルキルエステル、シトラコン酸ジアルキルエステ
ル、フマル酸ジアルキルエステル等を少量共重合させて
もよい。
【0019】かかる方法により得られた共重合体は、次
にケン化される。ケン化方法としては、ニーダーケン
化、連続ケン化、パールケン化等のいずれの方法も採用
することができ、該ケン化工程においては、必要に応じ
て残存モノマーを追い出してから、常法に従ってケン化
される。ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナト
リウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金
属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、或い
は硫酸、塩酸等の酸触媒が用いられる。又、ケン化反応
温度は特に制限はなく、通常10〜60℃好ましくは2
0〜50℃の範囲から選ばれる。ケン化反応終了後、中
和して、必要に応じてアルコール等で洗浄し乾燥するこ
とにより目的とする変性PVA系樹脂が得られる。次に
得られた変性PVA系樹脂を用いた親水性被覆剤につい
て説明する。
にケン化される。ケン化方法としては、ニーダーケン
化、連続ケン化、パールケン化等のいずれの方法も採用
することができ、該ケン化工程においては、必要に応じ
て残存モノマーを追い出してから、常法に従ってケン化
される。ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナト
リウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金
属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、或い
は硫酸、塩酸等の酸触媒が用いられる。又、ケン化反応
温度は特に制限はなく、通常10〜60℃好ましくは2
0〜50℃の範囲から選ばれる。ケン化反応終了後、中
和して、必要に応じてアルコール等で洗浄し乾燥するこ
とにより目的とする変性PVA系樹脂が得られる。次に
得られた変性PVA系樹脂を用いた親水性被覆剤につい
て説明する。
【0020】本発明の親水性被覆剤は、該変性PVA系
樹脂を用いて水溶液としたもので、該PVA系樹脂を1
〜50重量%、好ましくは5〜30重量%含有するもの
である。また、本発明の親水性被覆剤には、上記以外に
溶媒として、乾燥時間の短縮等を目的としてメタノー
ル、エタノール等のアルコールが用いられ、また剥離性
が必要な場合にはセルロース誘導体が配合されることも
あり、更に他の添加剤として、可塑剤(エチレングリコ
ール,プロピレングリコール,グリセリン,ポリエチレ
ングリコール等のグリコール類やその脂肪酸エステルな
ど)、香料、殺菌剤等を適当量含有させてもよい。
樹脂を用いて水溶液としたもので、該PVA系樹脂を1
〜50重量%、好ましくは5〜30重量%含有するもの
である。また、本発明の親水性被覆剤には、上記以外に
溶媒として、乾燥時間の短縮等を目的としてメタノー
ル、エタノール等のアルコールが用いられ、また剥離性
が必要な場合にはセルロース誘導体が配合されることも
あり、更に他の添加剤として、可塑剤(エチレングリコ
ール,プロピレングリコール,グリセリン,ポリエチレ
ングリコール等のグリコール類やその脂肪酸エステルな
ど)、香料、殺菌剤等を適当量含有させてもよい。
【0021】かかる親水性被覆剤を用いた皮膜の形成に
当たっては、公知の方法を採用することができ、具体的
には、グラビアコーター,リバースロールコーター,エ
アナイフコーター,スプレー等により基材の表面にコー
ティングする方法、浸漬により基材等の対象物の表面に
皮膜を形成する方法、化粧用パック剤のように手で塗布
する方法などが挙げられる。かかる方法で得られた親水
性皮膜は、造膜性に優れるもので、建築材料用プラスチ
ック材料や農業用フィルム等のコート用皮膜、化粧用パ
ック剤、金属やプラスチック等の各種基材の表面保護用
の暫定皮膜などの皮膜用途に大変有用である。
当たっては、公知の方法を採用することができ、具体的
には、グラビアコーター,リバースロールコーター,エ
アナイフコーター,スプレー等により基材の表面にコー
ティングする方法、浸漬により基材等の対象物の表面に
皮膜を形成する方法、化粧用パック剤のように手で塗布
する方法などが挙げられる。かかる方法で得られた親水
性皮膜は、造膜性に優れるもので、建築材料用プラスチ
ック材料や農業用フィルム等のコート用皮膜、化粧用パ
ック剤、金属やプラスチック等の各種基材の表面保護用
の暫定皮膜などの皮膜用途に大変有用である。
【0022】
【作 用】本発明の親水性被覆剤は、特定の変性PVA
系樹脂を用いているため、造膜性、保存安定性に優れる
もので、建築材料用或いは包装用プラスチック材料や農
業用フィルム等のコート用皮膜、化粧用パック剤、金属
やプラスチック等の各種基材の表面保護用の暫定皮膜な
どの皮膜形成用途に大変有用である。
系樹脂を用いているため、造膜性、保存安定性に優れる
もので、建築材料用或いは包装用プラスチック材料や農
業用フィルム等のコート用皮膜、化粧用パック剤、金属
やプラスチック等の各種基材の表面保護用の暫定皮膜な
どの皮膜形成用途に大変有用である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお,実施例中「%」、「部」とあるのは、断り
のない限り重量基準を意味する。 (変性PVA系樹脂の製造)無水マレイン酸50.0
部、tert−オクチルアミン65.9部をフラスコに
仕込み、撹拌下に60℃で2時間反応を行った。反応終
了後、反応物を再結晶することにより化3で示される化
合物が得られた。
する。なお,実施例中「%」、「部」とあるのは、断り
のない限り重量基準を意味する。 (変性PVA系樹脂の製造)無水マレイン酸50.0
部、tert−オクチルアミン65.9部をフラスコに
仕込み、撹拌下に60℃で2時間反応を行った。反応終
了後、反応物を再結晶することにより化3で示される化
合物が得られた。
【化3】 収率は、95%であった。
【0024】還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた重
合缶に酢酸ビニル1000部、メタノール450部を仕
込み攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ62℃に
おいてアゾビスイソブチロニトリル0.4部をメタノー
ル19.6部に溶解した溶液を投入し重合を開始した。
重合開始点より上記で得た化合物N−tert−オクチ
ルマレイン酸モノアミド27.2部を溶解したメタノー
ル溶液272部を5時間にわたって連続的に滴下しなが
ら重合を行い、酢酸ビニルエステルの重合率が50%に
なった時点で重合を終了した。続いてメタノール蒸気を
吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外
に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、該
溶液をメタノールで希釈して濃度を30%に調製してニ
ーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら水酸化
ナトリウムを加えて中和した。これに更に水酸化ナトリ
ウムをポリマー中の酢酸ビニル単位に対して30ミリモ
ル加えて混練りした。ケン化反応進行と共にケン化物が
析出し、遂には粒子状となった。生成した変性PVA系
樹脂を濾過し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥器中
で乾燥し、目的物を得た。得られた変性PVA系樹脂を
ソックスレー抽出器を用いてメタノールで抽出洗浄しN
−tert−オクチルマレイン酸モノアミドによる変性
度を1H−NMRで分析した結果、変性度は2.0モル
%であった。又、変性PVA系樹脂のケン化度は、残存
酢酸ビニル単位の加水分解に要するアルカリ消費量の定
量により分析を行ったところ90モル%であった。尚、
この変性PVA系樹脂のB型粘度計による4%水溶液の
粘度は、27.9cps/20℃で、重合度は1700
であった。
合缶に酢酸ビニル1000部、メタノール450部を仕
込み攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ62℃に
おいてアゾビスイソブチロニトリル0.4部をメタノー
ル19.6部に溶解した溶液を投入し重合を開始した。
重合開始点より上記で得た化合物N−tert−オクチ
ルマレイン酸モノアミド27.2部を溶解したメタノー
ル溶液272部を5時間にわたって連続的に滴下しなが
ら重合を行い、酢酸ビニルエステルの重合率が50%に
なった時点で重合を終了した。続いてメタノール蒸気を
吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外
に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、該
溶液をメタノールで希釈して濃度を30%に調製してニ
ーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら水酸化
ナトリウムを加えて中和した。これに更に水酸化ナトリ
ウムをポリマー中の酢酸ビニル単位に対して30ミリモ
ル加えて混練りした。ケン化反応進行と共にケン化物が
析出し、遂には粒子状となった。生成した変性PVA系
樹脂を濾過し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥器中
で乾燥し、目的物を得た。得られた変性PVA系樹脂を
ソックスレー抽出器を用いてメタノールで抽出洗浄しN
−tert−オクチルマレイン酸モノアミドによる変性
度を1H−NMRで分析した結果、変性度は2.0モル
%であった。又、変性PVA系樹脂のケン化度は、残存
酢酸ビニル単位の加水分解に要するアルカリ消費量の定
量により分析を行ったところ90モル%であった。尚、
この変性PVA系樹脂のB型粘度計による4%水溶液の
粘度は、27.9cps/20℃で、重合度は1700
であった。
【0025】実施例1 上記の変性PVA系樹脂100部、グリセリン20部、
ヒドロキシエチルセルロース20部、エタノール50部
及び水550部からなるPVA水溶液を調製して本発明
の親水性被覆剤を得た。次に該被覆剤をバーコーターに
て段ボール表面に乾燥厚みが100μm程度のなるよう
に塗布し、20℃,65%RH下で放置して、皮膜の形
成速度を調べて、以下の通り造膜性を評価した。 ○ −−− 10分未満で造膜が完了し、皮膜表面のべ
たつきもない。 × −−− 10分以上経過しても造膜が不十分で、皮
膜表面のべたつきが残る。
ヒドロキシエチルセルロース20部、エタノール50部
及び水550部からなるPVA水溶液を調製して本発明
の親水性被覆剤を得た。次に該被覆剤をバーコーターに
て段ボール表面に乾燥厚みが100μm程度のなるよう
に塗布し、20℃,65%RH下で放置して、皮膜の形
成速度を調べて、以下の通り造膜性を評価した。 ○ −−− 10分未満で造膜が完了し、皮膜表面のべ
たつきもない。 × −−− 10分以上経過しても造膜が不十分で、皮
膜表面のべたつきが残る。
【0026】また、上記の被覆剤を40℃で1ケ月間放
置した後、該水溶液の保存安定性を調べるために粘度を
測定して、以下の通り評価した。 ○ −−− 粘度変化が5%未満 △ −−− 粘度変化が5〜20%未満 × −−− 粘度変化が20%以上 尚、粘度変化(%)とは、放置処理前の粘度に対する放
置処理後の粘度の変化率(%)を示す。なお、該被覆剤
をパック剤として、顔面にパックを施したところ、乾燥
性は良好で皮膚も艶やかになった。
置した後、該水溶液の保存安定性を調べるために粘度を
測定して、以下の通り評価した。 ○ −−− 粘度変化が5%未満 △ −−− 粘度変化が5〜20%未満 × −−− 粘度変化が20%以上 尚、粘度変化(%)とは、放置処理前の粘度に対する放
置処理後の粘度の変化率(%)を示す。なお、該被覆剤
をパック剤として、顔面にパックを施したところ、乾燥
性は良好で皮膚も艶やかになった。
【0027】実施例2〜8、比較例1〜6 表1に示した成分及び条件でエチレン性不飽和ジカルボ
ン酸モノアミドの合成を行い、得られた各種エチレン性
不飽和ジカルボン酸モノアミドと酢酸ビニルとの共重合
を表2に示した成分および仕込み量で上記の(変性PV
A系樹脂の製造)と同様の手順により酢酸ビニルとの共
重合(比較例6では、変性用の単量体を添加せず)及び
ケン化を行い表3に示す種々の変性PVA系樹脂を製造
し、該PVA系樹脂を用いて実施例1と同様に親水性被
覆剤を調製して、同様に評価を行った。実施例及び比較
例の評価結果を表4に示す。
ン酸モノアミドの合成を行い、得られた各種エチレン性
不飽和ジカルボン酸モノアミドと酢酸ビニルとの共重合
を表2に示した成分および仕込み量で上記の(変性PV
A系樹脂の製造)と同様の手順により酢酸ビニルとの共
重合(比較例6では、変性用の単量体を添加せず)及び
ケン化を行い表3に示す種々の変性PVA系樹脂を製造
し、該PVA系樹脂を用いて実施例1と同様に親水性被
覆剤を調製して、同様に評価を行った。実施例及び比較
例の評価結果を表4に示す。
【0028】
【表1】 エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアミドの合成条件 合成モノアミド 酸 アミン 温度 時間 収率 (部) (部) (℃) (hr) (%) N-t-OMMAm 無水マレイン酸 tert-オクチルアミン 60 2 96 N-t-OIMAm 無水イタコン酸 tert-オクチルアミン 60 2 94 N-t-AMMAm 無水マレイン酸 tert-アミルアミン 60 2 97 N-DMHMMAm 無水マレイン酸 1,5-シ゛メチルヘキシルアミン 60 2 95 N-DMPEMMAn 無水マレイン酸 α,α-シ゛メチルヘキシルアミン 60 2 95 N-t-BMMAm 無水マレイン酸 tert-フ゛チルアミン 60 2 96N-n-OMMAm 無水マレイン酸 n-オクチルアミン 60 2 90 注)略号は以下の通り。 N−t−OMMAm;N−tert−オクチルマレイン酸モノアミド N−t−OIMAm;N−tert−オクチルイタコン酸モノアミド N−t−AMMAm;N−tert−アミルマレイン酸モノアミド N−DMHMMAm;N−1,5−ジメチルヘキシルマレイン酸モノアミド N−DMPEMMAm;N−1,1−ジメチルフェニルエチルマレイン酸モノ アミド N−t−BMMAm;N−tert−ブチルマレイン酸モノアミド N−n−OMMAm;N−n−オクチルマレイン酸モノアミド
【0029】
【表2】 酢酸ビニルと共重合した単量体種類、仕込み量及び重合率 (A) 単 量 体 重合率 種 類 仕込み量(モル%) (%) 実施例1 N−t−OMMAm 2.0 50 〃 2 N−t−OMMAm 0.5 59 〃 3 N−t−OMMAm 8.0 48 〃 4 N−t−OIMAm 2.0 49 〃 5 N−t−AMMAm 2.0 53 〃 6 N−t−MMAm 2.0 50 〃 7 N−DMHMMAm 2.0 50 〃 8 N−DMPEMMAm 2.0 45 比較例1 N−t−BMMAm 2.4 51 〃 2 N−n−OMMAm 2.5 52 〃 3 MRM 3.0 55 〃 4 AMPS 2.0 55 〃 5 3M 2.0 60 〃 6 −− − 60
【0030】注)仕込み量は、モノマーの総仕込み量に
対する(A)単量体の仕込みモル分率(モル%)を表
す。略語は以下の通り。 N−t−OMMAm;N−tert−オクチルマレイン
酸モノアミド N−t−OIMAm;N−tert−オクチルイタコン
酸モノアミド N−t−AMMAm;N−tert−アミルマレイン酸
モノアミド N−DMHMMAm;N−1,5ジメチルヘキシルマレ
イン酸モノアミド N−DMPEMMAm;N−1,1−ジメチルフェニル
エチルマレイン酸モノアミド N−t−BMMAm;N−tert−ブチルマレイン酸
モノアミド N−n−OMMAm;N−n−オクチルマレイン酸モノ
アミド 3M;マレイン酸モノメチル MRM;モノ(ジイソプロピルメチル)マレート AMPS;N−スルホイソブチレンアクリルアミドナト
リウム
対する(A)単量体の仕込みモル分率(モル%)を表
す。略語は以下の通り。 N−t−OMMAm;N−tert−オクチルマレイン
酸モノアミド N−t−OIMAm;N−tert−オクチルイタコン
酸モノアミド N−t−AMMAm;N−tert−アミルマレイン酸
モノアミド N−DMHMMAm;N−1,5ジメチルヘキシルマレ
イン酸モノアミド N−DMPEMMAm;N−1,1−ジメチルフェニル
エチルマレイン酸モノアミド N−t−BMMAm;N−tert−ブチルマレイン酸
モノアミド N−n−OMMAm;N−n−オクチルマレイン酸モノ
アミド 3M;マレイン酸モノメチル MRM;モノ(ジイソプロピルメチル)マレート AMPS;N−スルホイソブチレンアクリルアミドナト
リウム
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【発明の効果】本発明の親水性被覆剤は、特定の変性P
VA系樹脂を用いているため、造膜性、保存安定性に優
れるもので、建築材料用或いは包装用プラスチック材料
や農業用フィルム等のコート用皮膜、化粧用パック剤、
金属やプラスチック等の各種基材の表面保護用の暫定皮
膜などの皮膜形成用途に大変有用である。
VA系樹脂を用いているため、造膜性、保存安定性に優
れるもので、建築材料用或いは包装用プラスチック材料
や農業用フィルム等のコート用皮膜、化粧用パック剤、
金属やプラスチック等の各種基材の表面保護用の暫定皮
膜などの皮膜形成用途に大変有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記化1で示されるエチレン性不飽和ジ
カルボン酸モノアミド(A)を0.1〜20モル%共重
合成分として含有するポリビニルアルコール系ポリマー
であって、前記エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアミ
ド(A)を共重合してなるポリビニルアルコール系樹脂
を主成分とすることを特徴とする親水性被覆剤。 【化1】 (但し、R1は水素又はアルキル基又はアリール(aryl)
基、R2〜R4は、水素又はアルキル基又はアリール(ary
l)基をそれぞれ示し、同時に2個以上は水素でなく、R
1〜R4の炭素数の合計が4以上である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17938895A JPH093390A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 親水性被覆剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17938895A JPH093390A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 親水性被覆剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH093390A true JPH093390A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=16064995
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17938895A Pending JPH093390A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 親水性被覆剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH093390A (ja) |
-
1995
- 1995-06-21 JP JP17938895A patent/JPH093390A/ja active Pending
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