JPH09330783A - 多極スパークプラグ - Google Patents

多極スパークプラグ

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JPH09330783A
JPH09330783A JP14691796A JP14691796A JPH09330783A JP H09330783 A JPH09330783 A JP H09330783A JP 14691796 A JP14691796 A JP 14691796A JP 14691796 A JP14691796 A JP 14691796A JP H09330783 A JPH09330783 A JP H09330783A
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孝三 天野
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佳弘 松原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電面が中心電極の先端外周面と対向する複
数の外側電極を有する多極スパークプラグの着火性を向
上させることにある。 【解決手段】 多極スパークプラグAは、筒状の主体金
具1と、主体金具1内に固定される軸孔21付きの絶縁
碍子2と、中心電極3と、放電面41が中心電極3の先
端外周面321と対向する様に屈曲して金具先端面11
に突設される外側電極4、4とを備え、中心電極先端を
径大に形成し、この径大部31の外径d2をφ2.5と
し、(径大部の厚みT1 /放電面の軸方向距離L)を約
0.27に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に装着す
る多極スパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】図9に示す様に、主体金具101と、主
体金具101内に固定される軸孔102付の絶縁碍子1
03と、絶縁碍子103の軸孔102内に固定される中
心電極104と、放電面105が中心電極104の先端
外周面106と対向する複数の外側電極107とを備え
た多極スパークプラグ100が従来より知られている。
又、図10に示す様に、中心電極104の発火部に貴金
属合金部108を形成して電極消耗を防止した多極スパ
ークプラグ120も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】放電面105が中心電
極104の先端外周面106と対向する外側電極107
を有する多極スパークプラグ100、110(外側電極
107の先端上面107aと中心電極104との軸方向
距離kが−0.5mm〜0.5mm)において、火花放
電は、放電面前側109と先端外周面106の先部11
1との間(放電パターンα)以外にも、放電面後側11
2と先端外周面106の基部113側との間(放電パタ
ーンβ)でも起こる。
【0004】上記放電パターンβの放電は、外側電極1
07による消炎作用が大きく、放電パターンαの放電に
比べて着火性が著しく悪化(A/Fリーンリミットの評
価で約1ダウン)する。 A/Fリーンリミット:アイドリング時に失火サイクル
10回/3分間 1cyl以上となるA/F値
【0005】本発明の目的は、放電面が中心電極の先端
外周面と対向する複数の外側電極を有する多極スパーク
プラグの着火性を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
本発明は、以下の構成を採用した。 (1)筒状の主体金具と、碍子先端が前記主体金具の金
具先端面から突出する様に主体金具内に固定される軸孔
付の絶縁碍子と、該絶縁碍子の碍子先端面から電極先端
が突出する様に軸孔内に固定される中心電極と、放電面
が前記中心電極の先端外周面と対向する様に屈曲して前
記金具先端面に突設される複数の外側電極とを備え、該
外側電極の先端上面と中心電極先端との軸方向距離を−
0.5mm〜0.5mmに設定した多極スパークプラグ
において、前記中心電極先端を径大に形成し、この径大
部の外径d2 を、中心電極外径d1 より0.2mm〜
1.0mm大きく設定し、{(径大部の厚みT1 )/
(放電面の軸方向距離L)}を0.3以下に設定した。
【0007】(2)筒状の主体金具と、碍子先端が前記
主体金具の金具先端面から突出する様に主体金具内に固
定される軸孔付の絶縁碍子と、該絶縁碍子の碍子先端面
から電極先端が突出する様に軸孔内に固定される中心電
極と、放電面が前記中心電極の先端外周面と対向する様
に屈曲して前記金具先端面に突設される複数の外側電極
とを備え、該外側電極の先端上面と中心電極先端との軸
方向距離を−0.5mm〜0.5mmに設定した多極ス
パークプラグにおいて、中心電極先端を先に行くほど径
大になる様に形成し、この径大部の先端外径d3 を中心
電極外径d1 より0.2mm〜1.0mm大きく設定
し、{(径大部の厚みT2 )/(放電面の軸方向距離
L)}を0.3以下に設定した。
【0008】(3)上記(1) 又は(2) の構成を有し、前
記径大部を貴金属材で形成した。
【0009】
【作用および発明の効果】
〔請求項1について〕中心電極先端を径大に形成し、こ
の径大部の外径d2 を、中心電極外径d1 より0.2m
m〜1.0mm大きく設定し、{(径大部の厚みT1
/(放電面の軸方向距離L)}を0.3以下に設定して
いる。(T1 /L)≦0.3の状態で、(外径d2 −外
径d1 )≧0.2mmとすることにより、放電面前側と
先端外周面の先部との間で放電が起こり、着火性が良好
に保持される。又、(外径d2 −外径d1 )>1mmで
あると、径大部(中心電極先端)の温度が高くなり、酸
化消耗が大になるので不向きである。
【0010】〔請求項2について〕中心電極先端を先に
行くほど径大になる様に形成し、この径大部の先端外径
3 を、中心電極外径d1 より0.2mm〜1.0mm
大きく設定し、{(径大部の厚みT1 )/(放電面の軸
方向距離L)}を0.3以下に設定している。(T1
L)≦0.3の状態で、(外径d3 −外径d1 )≧0.
2mmとすることにより、放電面前側と先端外周面の先
部との間で放電が起こり、着火性が良好に保持される。
又、(外径d3 −外径d1 )>1mmにすると径大部
(中心電極先端)の温度が高くなり、酸化消耗が大にな
るので不向きである。
【0011】〔請求項3について〕幅の狭い径大部を中
心電極先端に形成することにより、径大部を設けない場
合に比べ耐久性が低下(電極消耗大)する。しかし、径
大部を貴金属材で形成することにより、耐久性が改善さ
れる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施例(請求項1に
対応)を図1〜図4に基づいて説明する。二極スパーク
プラグAは、筒状の主体金具1と、主体金具1内に嵌め
込まれて固定される軸孔21付の絶縁碍子2と、径大部
31を有する中心電極先端32が碍子先端面22から突
出する様に軸孔21内に固定される中心電極3と、放電
面41が中心電極3の先端外周面321と対向する様
に、屈曲して金具先端面11に突設される外側電極4、
4とを備える。
【0013】主体金具1は、低炭素鋼で製造され、外側
電極4、4を金具先端面11に溶接している。又、主体
金具1の先端外周にはネジ12が螺刻され、ガスケット
(図示せず)を介して内燃機関のシリンダヘッド(図示
せず)に装着される。
【0014】絶縁碍子2は、アルミナを主体とするセラ
ミックで製造され、パッキン(図示せず)を介して座面
を主体金具1の段部(図示せず)に係止し、主体金具1
の六角頭部(図示せず)を加締める事により、主体金具
1の金具先端面11から碍子先端部23が突出する様に
主体金具1内に固定される。
【0015】ニッケル合金材の内部に良熱伝導性の銅を
封入した中心電極3は、厚みT1 =0.4mm、外径d
2 =φ2.5の径大部31(円柱形状)を中心電極先端
32に形成している。尚、径大部31以外の中心電極外
径d1 はφ2.0である。又、径大部31の外径d2
φ2.5、径大部の厚みT1 を0.4mmと一定にし、
径差{(径大部31の外径d2 −中心電極外径d1 )}
を0mm〜1.3mmの間で変化させたところ、図2に
示す様に、径差0.2mm以上でA/Fリーンリミット
が約0.5改善されることが判明した。但し、径差が
1.0mmを越える(本実施例ではφd1 <1.5m
m)になると、図3に示す様に、径大部31の温度が高
くなってギャップ消耗量が大きくなる(酸化消耗大)の
で、0.2mm〜1.0mmの範囲に径差を設定する。
【0016】外側電極4は、先端がL字状に屈曲し、ニ
ッケル合金材で形成されている。外側電極4の放電面4
1は、円弧面状に形成され、対向する先端外周面321
と同軸的に位置する。又、本実施例では、外側電極4の
先端上面42と中心電極先端面33とが面一(軸方向距
離k=0mm)に設定されている。
【0017】本実施例では、{(径大部の厚みT1 )/
(放電面の軸方向距離L)}≒0.27に設定されてい
る。尚、放電面の軸方向距離Lを1.5mm一定とし、
径大部の厚みT1 を1.5mm〜0.3mm{(T1
L)を1〜0.2}まで変化させて着火性を試験したと
ころ、図4に示す様に、(T1 /L)≦0.3でA/F
リーンリミットが約1改善されることが判明した。
【0018】本実施例の二極スパークプラグAは、以下
の利点を有する。二極スパークプラグAは、中心電極先
端32を径大に形成し、この径大部31の外径d2 (φ
2.5)を、中心電極外径d1 (φ2.0)より0.5
mm大きく設定し、{(径大部31の厚みT1 (0.4
mm)}/{放電面の軸方向距離L(1.5mm)}を
約0.27に設定している。これにより、火花放電が放
電面前側411と径大部31との間で起こるので、A/
Fリーンリミットが約1改善され、着火性が良好に保持
されることが判明した。又、径差が0.5mmであるの
で、径大部(中心電極先端)の温度が著しく高くならな
いので火花放電による電極先端部の消耗が少なく、二極
スパークプラグAは、径大部31を設けたことによる、
中心電極3の耐火花消耗性の低下は殆ど無い。
【0019】つぎに、本発明の第2実施例(請求項2に
対応)を図5に基づいて説明する。二極スパークプラグ
Bは、以下の点が二極スパークプラグAと異なる。
【0020】先に行くほど径大になる様に円錐状の径大
部34を中心電極先端32に形成している。尚、中心電
極外径d1 はφ2であり、径大部34の厚みT2 は0.
4mm、外径d3 はφ2.5である。
【0021】本実施例の二極スパークプラグBは、以下
の利点を有する。二極スパークプラグBは、先に行くほ
ど径大になる様に円錐状の径大部34を中心電極先端3
2に形成している。これにより、火花放電が放電面前側
411と径大部34との間で起こるので、A/Fリーン
リミットが約1改善され、着火性が良好に保持されるこ
とが判明した。又、径差(φd2 −φd1 )が0.5m
mであるので、径大部(中心電極先端)の温度が著しく
高くならないので火花放電による電極先端部の消耗が少
なく、二極スパークプラグBは、径大部34を設けたこ
とによる、中心電極3の耐火花消耗性の低下は殆ど無
い。
【0022】つぎに、本発明の第3実施例(請求項3に
対応)を図6及び図7に基づいて説明する。二極スパー
クプラグCは、以下の点が二極スパークプラグAと異な
る。
【0023】ニッケル合金材の内部に良熱伝導性の銅を
封入した中心電極3は、厚みT3 =0.3mm、外径d
3 =φ2.5の径大部35を中心電極先端32に形成し
ている。尚、径大部31以外の中心電極外径d1 はφ
2.0である。尚、径大部35は、貴金属材(Pt- I
r合金)をレーザー溶接LBにより形成している。
【0024】本実施例の二極スパークプラグCは、以下
の利点を有する。幅の狭い径大部31を中心電極先端3
2に形成することにより、径大部35を設けない従来品
に比べ径大部付きスパークプラグは、耐久性が低下(電
極消耗大)する。
【0025】具体的には、4気筒、5000rpm×
w.o.t. 200Hrで試験を行なったところ、図
7に示す様に、径大部無しでニッケル合金からなる中心
電極を有する従来品はギャップ消耗が0.2mmである
のに対し、(厚みT/軸方向距離L)=0.2の径大部
付きのニッケル合金からなる中心電極を有するスパーク
プラグは、ギャップ消耗が0.4mmと大きく、着火性
が改善される反面、耐久性が逆に悪化する。しかし、径
大部31を貴金属合金で形成した二極スパークプラグC
は、貴金属材によりギャップ消耗が0.1mmと少な
く、耐久性が改善される。
【0026】つぎに、本発明の第4実施例(請求項3に
対応)を図8に基づいて説明する。二極スパークプラグ
Dは、以下の点が二極スパークプラグCと異なる。
【0027】ニッケル合金材の内部に良熱伝導性の銅を
封入した中心電極3は、厚みT4 =0.3mm、外径d
3 =φ2.5の径大部36を中心電極先端32に形成し
ている。尚、中心電極先端32の中心電極外径d1 はφ
2.0であり、中心電極3の元径はφ2.5である。
尚、径大部36は、レーザー溶接により形成した貴金属
材(Pt- Ir合金)である。本実施例の二極スパーク
プラグDは、二極スパークプラグCと同様、貴金属合金
によりギャップ消耗が0.1mmと少なく、耐久性が改
善される。
【0028】本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施
態様を含む。 a.金具先端面11に突設される外側電極4の数は、二
個以上(三極、四極)であっても良い。 b.径大部の貴金属材は、Pt、Pt- Ir- Ni合
金、Pt- Rh合金、Au- Pd合金、Ir、Ir- Y
2 3 合金、Ir- Rh合金等が使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る二極スパークプラグ
の正面図である。
【図2】その二極スパークプラグにおいて、径差(φd
2 −φd1 )と、A/Fリーンリミットとの関係を示す
グラフである。
【図3】その二極スパークプラグにおいて、中心電極外
径φd1 とギャップ消耗量との関係を示すグラフであ
る。
【図4】その二極スパークプラグにおいて、(径大部の
厚みT1 /放電面の軸方向距離L)と、A/Fリーンリ
ミットとの関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施例に係る二極スパークプラグ
の正面図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る二極スパークプラグ
の上面図(a)、及び正面図(b)である。
【図7】径大部無しの従来品、(厚みT/軸方向距離
L)=0.2の径大部付きスパークプラグ、及び径大部
31を貴金属合金で形成した二極スパークプラグCにお
ける各ギャップ消耗を示すグラフである。
【図8】本発明の第4実施例に係る二極スパークプラグ
の正面図である。
【図9】従来技術に係る二極スパークプラグの正面図で
ある。
【図10】従来技術に係る二極スパークプラグの正面図
である。
【符号の説明】
1 主体金具 2 絶縁碍子 3 中心電極 4 外側電極 11 金具先端面 21 軸孔 22 碍子先端面 23 碍子先端(碍子先端部) 31、34〜36 径大部 42 外側電極の先端上面 d1 中心電極外径 d2 径大部の外径 d3 径大部の先端外径 T1 〜T4 径大部の厚み L 放電面の軸方向距離 A〜D 二極スパークプラグ(多極スパークプラグ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の主体金具と、 碍子先端が前記主体金具の金具先端面から突出する様に
    主体金具内に固定される軸孔付の絶縁碍子と、 該絶縁碍子の碍子先端面から電極先端が突出する様に軸
    孔内に固定される中心電極と、 放電面が前記中心電極の先端外周面と対向する様に屈曲
    して前記金具先端面に突設される複数の外側電極とを備
    え、 該外側電極の先端上面と中心電極先端面との軸方向距離
    を−0.5mm〜0.5mmに設定した多極スパークプ
    ラグにおいて、 中心電極先端を径大に形成し、この径大部の外径d
    2 を、中心電極外径d1 より0.2mm〜1.0mm大
    きく設定し、 {(径大部の厚みT1 )/(放電面の軸方向距離L)}
    を0.3以下に設定したことを特徴とする多極スパーク
    プラグ。
  2. 【請求項2】 筒状の主体金具と、 碍子先端が前記主体金具の金具先端面から突出する様に
    主体金具内に固定される軸孔付の絶縁碍子と、 該絶縁碍子の碍子先端面から電極先端が突出する様に軸
    孔内に固定される中心電極と、 放電面が前記中心電極の先端外周面と対向する様に屈曲
    して前記金具先端面に突設される複数の外側電極とを備
    え、 該外側電極の先端上面と中心電極先端面との軸方向距離
    を−0.5mm〜0.5mmに設定した多極スパークプ
    ラグにおいて、 中心電極先端を先に行くほど径大になる様に形成し、こ
    の径大部の先端外径d 3 を中心電極外径d1 より0.2
    mm〜1.0mm大きく設定し、 {(径大部の厚みT2 )/(放電面の軸方向距離L)}
    を0.3以下に設定したことを特徴とする多極スパーク
    プラグ。
  3. 【請求項3】 前記径大部を貴金属材で形成したことを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の多極スパークプ
    ラグ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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