JPH09329579A - 炭酸ガスセンサ - Google Patents

炭酸ガスセンサ

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JPH09329579A
JPH09329579A JP8166924A JP16692496A JPH09329579A JP H09329579 A JPH09329579 A JP H09329579A JP 8166924 A JP8166924 A JP 8166924A JP 16692496 A JP16692496 A JP 16692496A JP H09329579 A JPH09329579 A JP H09329579A
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JP
Japan
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solid electrolyte
carbon dioxide
gas sensor
stabilized zirconia
mol
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JP8166924A
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English (en)
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Masahiro Shibata
昌宏 柴田
Masamichi Yamada
正通 山田
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】CO2に対する特異性の高い炭酸ガスセンサ、
特に水蒸気に対する感応性が低く、CO2に対する感応
性に優れた炭酸ガスセンサを開発し、これを提供する。 【解決手段】固体電解質と、該固体電解質の一面に形成
された基準電極と、該基準電極に対向する面に形成され
た検出電極と、該検出電極に積層された、CO2と解離
平衡をなす炭酸塩と、からなる炭酸ガスセンサにおい
て、前記固体電解質が、Na1+xZr2Six3-x
12(0≦x≦3)で表されるNASICONと、安定化
ジルコニアと、を含む混合物を焼成した焼結体であるこ
とを特徴とする炭酸ガスセンサを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の排気ガ
ス、環境制御、医療技術、農畜産、発酵工業等における
CO2の検出、濃度測定等広範囲に使用し得る炭酸ガス
センサ、特に湿度の如何にかかわらず極めて正確なCO
2濃度を測定することができる炭酸ガスセンサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】気相中のCO2濃度の測定には、隔膜式
ガラス電極法、非分散赤外吸収法等種々の方式の炭酸ガ
スセンサが使用されているが、CO2に対する特異性、
応答速度、耐久性、コンパクト性等から、固体電解質を
用いた濃淡電池型炭酸ガスセンサに関する研究開発が幅
広く行われている。この型の炭酸ガスセンサは、イオン
伝導性を有する固体電解質を隔壁として用い、該隔壁の
対向する両面に電極を形成し、検出側の電極に気相中の
CO2と解離平衡をなす炭酸塩を添加して作製されるも
のが一般的である。このような構造のセンサがある程度
の高温に保持されるとき、基準電極側の固体電解質はO
2と、検出電極側の炭酸塩はCO2並びにO2と、それぞ
れ解離平衡をなすため、気相中のCO2並びにO2の分圧
に応じて、固体電解質内に化学ポテンシャルの勾配が生
じる。それを相殺するべく、ネルンスト式に従った濃淡
電池起電力が発生する。通常の条件においては、基準電
極並びに検出電極付近のO2分圧はほぼ一定であるた
め、当センサは検出電極付近のCO2分圧のみに依存す
る起電力を発生する。
【0003】上述の炭酸ガスセンサとしては、固体電解
質にNASICON等のナトリウムイオン導電性固体電
解質を用いたものが一般的である(特開平1−2674
52号及び特開平3−134553号)。これは、ナト
リウムイオン導電性固体電解質の一方の面にCO2と解
離平衡をなす炭酸塩の層を有する検出電極が、これに対
向する面に基準電極が具備され、セラミックヒータ等の
加熱手段が取り付けられたものであり、該ヒータにより
加熱された状態で両電極間の電位差を測定し、CO2
度を検出するものである。
【0004】更に他の炭酸ガスセンサとして、固体電解
質にLiTi(PO4)、LiZr(PO43等のリチ
ウムイオン導電性固体電解質を用いた炭酸ガスセンサが
ある(特開平3−123848号及び特開平4−937
59号)。
【0005】また、上述のような炭酸ガスセンサはH2
Oガス、即ち水蒸気に対する感応性が高いため、水蒸気
の濃度により炭酸ガス濃度の測定に誤差を生じる。これ
を防止するものとして、Li、Na、K等のアルカリ金
属の炭酸塩と、Ca、Ba、Sr等のアルカリ土類金属
の炭酸塩と、の混合物を検出電極側に積層するCO2
解離平衡をなす炭酸塩として利用し、耐湿性を向上した
ものがある(特開平4−309858号、特開平4−3
09858、及び特開平5−80021号)。
【0006】更に他の水蒸気による誤差を防止するもの
として、上述のような検出電極側の炭酸塩でなく基準電
極側に触媒物質を添加することによる触媒作用により水
蒸気による誤差を防止するものがある(特開平4−34
4457号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のナトリウムイオ
ン導電性固体電解質を用いた濃淡電池型炭酸ガスセンサ
においては、上述のようにCO2に対する特異性に問題
があり、特に水蒸気に対して強い感応性を有するため、
湿度の変化に応じてセンサから出力される起電力が変動
し、これがCO2濃度の誤差として出力され、炭酸ガス
濃度を正確に測定するセンサとしては使用することがで
きなかった。
【0008】リチウムイオン導電固体電解質を用いた炭
酸ガスセンサにおいては、前述のナトリウムイオンを用
いた炭酸ガスセンサに比べ、H2Oに対する感応性が小
さいため、湿度の変化に伴う起電力の変動は小さいが、
この場合でさえ、CO2濃度に換算して数十%もの誤差
が生じるため、正確なCO2濃度の測定は困難であっ
た。
【0009】また、Li、Na、K等のアルカリ金属の
炭酸塩と、Ca、Ba、Sr等のアルカリ土類金属の炭
酸塩と、の混合物を検出電極側に積層するCO2と解離
平衡をなす炭酸塩として利用し、耐湿性を向上したもの
においては、使用初期の水蒸気による誤差は小さいが、
連続的に稼働させると次第に誤差が大きくなり、炭酸ガ
ス濃度測定の精密性が悪化してしまうという欠点があっ
た。
【0010】更に、基準電極側に触媒物質を添加するこ
とによる触媒作用により水蒸気による誤差を防止するも
のにおいては、20℃で相対湿度を0%から90%に変
化させた時、5mV以上もセンサの出力が減少し、水蒸
気による誤差として満足できるものではなかった。
【0011】そこで上述の事情を鑑み、本発明は、CO
2に対する特異性の高い炭酸ガスセンサ、特に水蒸気に
対する感応性が低く、CO2に対する感応性に優れた炭
酸ガスセンサを開発し、これを提供することを基本的な
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の目的
に従い鋭意研究を進めた結果、固体電解質と、該固体電
解質の一面に形成された基準電極と、該基準電極に対向
する面に形成された検出電極と、該検出電極に積層され
た、CO2と解離平衡をなす炭酸塩と、からなる炭酸ガ
スセンサにおいて、前記固体電解質が、Na1+xZr2
x3-x12(0≦x≦3)で表されるNASICON
と、安定化ジルコニアと、を含む混合物を焼成した焼結
体であることを特徴とする炭酸ガスセンサを開発し、本
発明を完成させた。
【0013】前記混合物の組成は、65モル%以上のN
ASICONと、35モル%以下の安定化ジルコニアと
からなることが好ましい。ここで、安定化ジルコニアと
は、結晶構造が(高温型)立方晶構造を広い温度範囲に
わたって保持するジルコニア固溶体のことをいい、化学
式ZrO2(MOyz(MはY、Mg、Ca、又は希土
類元素を示す)で表されるような化合物である。
【0014】本発明による炭酸ガスセンサによれば、C
2に対する特異性に優れ、特に水蒸気に対する感応性
が低くCO2に対する感応性に優れるため、湿度の変化
に対しても極めて精密な炭酸ガス濃度の測定をすること
ができ、更に、長時間、連続稼働させてもその精密性を
維持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】固体電解質としては、Na1+x
2Six3-x12(0≦x≦3)で表されるNASI
CONと、安定化ジルコニアと、を含む混合物を焼成し
た焼結体であれば、種々のものを用いることができる。
安定化ジルコニアとしては、ZrO2(Y23z、Zr
2(MgO)z、ZrO2(CaO)z、ZrO2(Ce
2z等種々のものを用いることができる。
【0016】前記固体電解質は、上記NASICONと
安定化ジルコニアとを含む混合物を焼成して得られ、該
混合物は、NASICONと安定化ジルコニアとを含有
すればよく、他の化合物、又は焼結助剤等の添加物を含
有してもよい。NASICONと安定化ジルコニアとの
混合比は特に限定しないが、NASICONが65モル
%以上、安定化ジルコニアが35モル%以下であること
が好ましく、更に好ましくはNASICONが72〜9
3モル%、安定化ジルコニアが28〜7モル%であり、
特に好ましくはNASICONが80〜86%、安定化
ジルコニアが20〜14%である。また焼成は、雰囲気
焼結、型加圧焼結、雰囲気加圧焼結、反応焼結等の公知
の方法により行うことができ、雰囲気は、不活性ガス、
酸化性雰囲気、還元性雰囲気等を用いることができる。
【0017】基準電極又は検出電極の材質は、電気良導
体である白金、金、銀、銅、若しくはこれらを含む合金
であることが好ましい。電極は、上記金属若しくはその
化合物又はこれらに有機バインダー等を配合してペース
ト状としたもの等を用いて、電気メッキ、無電解メッ
キ、溶融メッキ、溶射、蒸着、イオンプレーティング、
メカニカルプレーティング、又は印刷法といった公知の
方法により固体電解質の所定の面に金属被膜を形成する
ことにより作製することが好ましい。特に、耐食性の点
から金、白金、又はこれらを含有するペーストを用いる
ことが好ましい。更にこれら固体電解質、基準電極、及
び検出電極を一体焼成してもよい。また、金属メッシュ
を用いる、又は金属を含むペーストに有機ビーズ等の可
燃性物質を添加し、塗布後これを焼失させることで、金
属電極を多孔質としてもよい。
【0018】炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸リ
チウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等CO2
解離平衡をなす種々の炭酸塩を用いることができ、Li
2CO3とCaCO3との混合物、Li2CO3とBaCO3
との混合物、Li2CO3とCaCO3とBaCO3との混
合物、Na2CO3とCaCO3との混合物、Na2CO3
とBaCO3との混合物、Na2CO3とCaCO3とBa
CO3の混合物等、異なる炭酸塩の混合物でもよく、特
にLi2CO3とアルカリ土類金属の炭酸塩との混合物が
好ましい。炭酸塩は検出電極上に所定量積層されること
が好ましく、積層しない場合には、検出電極内に所定量
添加することが好ましい。
【0019】得られた炭酸ガスセンサは、基準電極と検
出電極との間の電位差を電圧計等を用いて測定すること
によりCO2濃度を測定することができる。電圧計との
接続は、電極の一部をメタライズ処理して電圧計からの
リードをロー付によって接続され得る。また本発明によ
る炭酸ガスセンサは、セラミックヒータ等に付設しても
よいし、その内部に挿入してもよい。セラミックヒータ
に付設する場合には、炭酸ガスセンサの基準電極側に敷
設するとよい。また、逆に、炭酸ガスセンサ内部にセラ
ミックヒータ等を設けてもよい。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について更に詳説す
る。但し、本発明はこれらの実施例に決して限定されな
い。
【0021】<構成>以下の実施例1〜6及び比較例1
に用いた炭酸ガスセンサの概略断面図を図1に示す。炭
酸ガスセンサ1は、発熱体2を含むアルミナ基板3と、
該アルミナ基板3の一面に固着されたPtからなる基準
電極4と、該基準電極4上に固着された厚さ約0.3m
mの固体電解質5と、該固体電解質5上に固着されたA
uからなる検出電極6と、該検出電極6上に固着された
炭酸塩からなる活物質7と、アルミナ基板3上で基準電
極4と固体電解質5と検出電極6と活物質7とを囲みこ
れらの外周を封止する低融点ガラスからなるシール材8
と、を具備する。
【0022】上記センサ1を測定雰囲気中において発熱
体2に通電すると下記の反応が起こり測定雰囲気中の炭
酸ガス分圧の対数値に応じて直線的に変化する起電力
(EMF)を発生するので、その起電力により、測定雰
囲気の炭酸ガス濃度を測定することができる。
【0023】
【化1】
【0024】<実施例1>図1に示す炭酸ガスセンサを
以下のように作製した。
【0025】(1)固体電解質の調製 Na3PO4・12H2O、ZrO2、及びSiO2を各々
モル比で1:2:2となるようにアセトン等の有機溶媒
を用いて混合し、1200℃で仮焼、粉砕してNASI
CON粉末を得た。該NASICON粉末と、Y23
8mol%含有する安定化ジルコニアの粉末と、を重量
比で9:1となるように混合し、バインダーとしてPV
Aを5重量%添加して2ton/cm2で加圧成形し、
1220℃で焼成して固体電解質を得た。検量線法によ
り、該固体電解質中の安定化ジルコニアである立方晶の
ジルコニアは7mol%含まれていることを確認した。
また、固体電解質中の主成分は酸化物換算で、Na2
が25mol%、SiO2が34mol%、P25が8
mol%、ZrO2が安定化ジルコニアを含んで32m
ol%であることも確認した。また、SEM(走査電子
顕微鏡)写真により該安定化ジルコニアが固体電解質中
に均一に分散されていることを確認した。
【0026】(2)CO2センサの作製 アルミナ基板3にPtペーストをスクリーン印刷し、そ
の上に(1)で作製された固体電解質5をのせ、110
0℃で焼き付けた後、アルミナ基板3上の固体電解質5
の周りにCaO−BaO−SiO2系ガラスを充填し、
1000℃で焼き付けて固体電解質5をアルミナ基板3
上に固着させると共に、基準電極4となるPtの焼き付
け部をシール材8となるガラス焼き付け部により外気か
ら遮断した。
【0027】次に、固体電解質5上にAuペーストをス
クリーン印刷し、900℃で焼き付けた後、Li2CO3
及びCaCO3を各々モル比で2:1となるよう混合し
て620℃で仮焼後、粉砕してペースト化したものを厚
さ0.1〜0.2mmで印刷し、480℃で焼き付け
た。Auの焼き付け部を検出電極6に、炭酸塩を活物質
7として炭酸ガスセンサを作製した。
【0028】<実施例2>実施例1の(1)において、
固体電解質中の混合重量比を、NASICON粉末:安
定化ジルコニア粉末=8:2となるように混合した他は
実施例1と同様にして炭酸ガスセンサを作製した。検量
線法により固体電解質中の安定化ジルコニアは14mo
l%含まれていることを確認した。また、固体電解質中
の主成分は、酸化物換算で、Na2Oが23mol%、
SiO2が31mol%、P25が7mol%、ZrO2
が安定化ジルコニアを含めて37mol%であることも
確認した。
【0029】<実施例3>実施例1の(1)において、
固体電解質中の混合重量比を、NASICON粉末:安
定化ジルコニア粉末=7:3となるように混合した他は
実施例1と同様にして炭酸ガスセンサを作製した。検量
線法により固体電解質中の安定化ジルコニアは20mo
l%含まれていることを確認した。また、固体電解質中
の主成分は、酸化物換算で、Na2Oが20mol%、
SiO2が28mol%、P25が6mol%、ZrO2
が安定化ジルコニアを含めて43mol%であることも
確認した。
【0030】<実施例4>実施例1の(1)において、
固体電解質中の混合重量比を、NASICON粉末:安
定化ジルコニア粉末=6:4となるように混合した他は
実施例1と同様にして炭酸ガスセンサを作製した。検量
線法により固体電解質中の安定化ジルコニアは28mo
l%含まれていることを確認した。また、固体電解質中
の主成分は、酸化物換算で、Na2Oが19mol%、
SiO2が25mol%、P25が6mol%、ZrO2
が安定化ジルコニアを含めて47mol%であることも
確認した。
【0031】<実施例5>実施例1の(1)において、
固体電解質中の混合重量比を、NASICON粉末:安
定化ジルコニア粉末=5:5となるように混合した他は
実施例1と同様にして炭酸ガスセンサを作製した。検量
線法により固体電解質中の安定化ジルコニアは36mo
l%含まれていることを確認した。また、固体電解質中
の主成分は、酸化物換算で、Na2Oが17mol%、
SiO2が22mol%、P25が5mol%、ZrO2
が安定化ジルコニアを含めて52mol%であることも
確認した。
【0032】<実施例6>実施例1の(1)において、
固体電解質中の混合重量比を、NASICON粉末:安
定化ジルコニア粉末=2:8となるように混合した他は
実施例1と同様にして炭酸ガスセンサを作製した。検量
線法により固体電解質中の安定化ジルコニアは67mo
l%含まれていることを確認した。また、固体電解質中
の主成分は、酸化物換算で、Na2Oが9mol%、S
iO2が10mol%、P25が2mol%、ZrO2
安定化ジルコニアを含めて72mol%であることも確
認した。
【0033】<比較例1>Na3PO4・12H2O、Z
rO2、及びSiO2を各々モル比で1:2:2となるよ
うにアセトン等の有機溶媒を用いて混合し、1200℃
で仮焼、粉砕した後、バインダーとしてPVAを5重量
%添加して2ton/cm2で加圧成形し、1220℃
で焼成してNASICONからなる固体電解質を得、そ
の各主成分が酸化物換算で、Na2Oが26mol%、
SiO2が37mol%、P25が9mol%、ZrO2
が26mol%であることを確認した。次に、実施例1
の(2)と同様にして炭酸ガスセンサを得た。
【0034】<湿度特性測定試験>実施例1〜6及び比
較例1の炭酸ガスセンサにおいて、湿度の変化に対する
特性を測定するため、湿度特性測定試験を行った。実施
例1〜6及び比較例1の炭酸ガスセンサを各々複数個作
製し、それぞれについて、相対湿度(RH)0%におけ
る炭酸ガスセンサの両電極間に発生する起電力と、相対
湿度90%における炭酸ガスセンサの両電極間に発生す
る起電力と、を測定し、これらの差を計算した。測定条
件は、大気中、温度20℃、CO2濃度500ppm、
ヒータ温度400℃である。
【0035】湿度特性測定試験の結果をグラフ化したも
のを図2に示す。図2において、横軸は、固体電解質全
体に対する安定化ジルコニアのモル分率を、縦軸は、相
対湿度0%における起電力と相対湿度90%における起
電力との差を示す。同一直線上にある○は、同一条件で
作製した炭酸ガスセンサの各々を示し、曲線は、同一条
件で作製した炭酸ガスセンサの各々の平均の起電力差を
結んだものである。
【0036】図2より、NASICON固体電解質中に
安定化ジルコニアが含まれることにより起電力差が0に
近づき、即ち水蒸気による出力誤差が減少し、特に7〜
28モル%の場合において出力誤差が顕著に少なくなる
ことがわかる。即ち、本発明による炭酸ガスセンサにお
いては、水蒸気濃度の変化による出力誤差が極めて少な
いことがわかる。
【0037】<耐久性測定試験>本発明による炭酸ガス
センサの連続稼働における水蒸気による出力誤差の変化
を測定するため、実施例2及び比較例1について耐久性
測定試験を行った。大気中、相対湿度30%、温度25
℃、ヒータ温度400℃の条件下において実施例2の炭
酸ガスセンサと比較例1の炭酸ガスセンサとを連続稼働
させ、作製直後0日、並びに作製後7日、24日、45
日、及び81日において、相対湿度(RH)0%におけ
る炭酸ガスセンサの両電極間に発生する起電力と、相対
湿度90%における炭酸ガスセンサの両電極間に発生す
る起電力と、を測定し、これらの差を計算した。この時
の測定条件は、大気中、温度20℃、CO2濃度500
ppm、ヒータ温度400℃である。
【0038】耐久性測定試験の結果をグラフ化したもの
を図3に示す。図3において、横軸は、炭酸ガスセンサ
の連続稼働日数を、縦軸は、相対湿度0%における起電
力と相対湿度90%における起電力との差を示す。
【0039】安定化ジルコニアを含有しないNASIC
ON固体電解質を有する比較例1は、稼働日数の増加と
共に起電力差の絶対値が大きく、即ち出力誤差が増大
し、10日程度連続稼働させただけでも約30mVもの
誤差が生じるのに対して、本発明による実施例2におい
ては、80日を経過しても誤差は数mV程度であり、稼
働日数が増えても出力誤差が増加しないことがわかる。
即ち、本発明による炭酸ガスセンサは、経時的劣化の極
めて少ないセンサであることがわかる。
【0040】<CO2特性測定試験>本発明による炭酸
ガスセンサにおいて、炭酸ガス濃度の測定の精度を測定
するため、CO2濃度測定試験を行った。実施例1〜6
及び比較例1の炭酸ガスセンサを各々複数個作製し、そ
れぞれ以下のようにしてネルンスト勾配を計算した。
【0041】各々の炭酸ガスセンサについて、空気によ
り種々の炭酸ガス濃度に調整した雰囲気のチャンバー内
にガスセンサを挿入し、発熱体温度400℃において、
それぞれの濃度における起電力を測定した。横軸に炭酸
ガス濃度(ppm)の対数を、縦軸に起電力(mV)を
とり、これらの結果の各々についてプロットした後、最
小自乗法により直線の傾きを求め、その傾きをネルンス
ト勾配(mV/decade)とした。
【0042】固体電解質中の安定化ジルコニアのモル分
率に対するネルンスト式の傾き(ネルンスト勾配)をグ
ラフ化したものを図4に示す。図4において、横軸は、
固体電解質全体に対する安定化ジルコニアのモル分率
を、縦軸は、ネルンスト式の傾き(mV/decad
e)を示す。同一直線上にある○は、同一条件で作製し
た炭酸ガスセンサの各々を示す。
【0043】図4によると、固体電解質中の安定化ジル
コニアの含有量が36mol%以内であれば、ネルンス
ト式の傾きに大きな変化はなく、高い値を示している。
即ち、安定化ジルコニアの添加による固体電解質のイオ
ン導電率の変化、炭酸塩との反応性等に影響はなく、従
来と同等のCO2に対する感応性を有していることがわ
かる。
【0044】
【発明の効果】本発明による炭酸ガスセンサによれば、
特に水蒸気に対する感応性が低く、炭酸ガスに対して特
異的に感応するため、湿度の変化に対する起電力の変動
が極めて小さく、精密な炭酸ガス濃度の測定をすること
ができる。また、長時間、連続稼働させても、センサの
精度が悪化することなく、水蒸気による影響を受けずに
精密な炭酸ガス濃度の測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例1〜6のガスセンサと比較
例1のガスセンサとに関する概略断面図である。
【図2】本発明による実施例1〜6のガスセンサと比較
例1のガスセンサとに関する固体電解質中の安定化ジル
コニアのモル分率に対する、相対湿度90%と相対湿度
0%とにおいて発生する起電力の差を示す図である。
【図3】本発明による実施例2のガスセンサと比較例1
のガスセンサとに関する稼働日数に対する、相対湿度9
0%と相対湿度0%とにおいて発生する起電力の差を示
す図である。
【図4】本発明による実施例1〜6のガスセンサと比較
例1のガスセンサとに関する固体電解質中の安定化ジル
コニアのモル分率に対する、ネルンスト式の傾きを示す
図である。
【符号の説明】
1・・・炭酸ガスセンサ 2・・・発熱体 3・・・アルミナ基板 4・・・基準電極 5・・・固体電解質 6・・・検出電極 7・・・活物質 8・・・シール材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質と、該固体電解質の一面に形成
    された基準電極と、該基準電極に対向する面に形成され
    た検出電極と、該検出電極に積層された、CO2と解離
    平衡をなす炭酸塩と、からなる炭酸ガスセンサにおい
    て、 前記固体電解質が、Na1+xZr2Six3-x12(0≦
    x≦3)で表されるNASICONと、安定化ジルコニ
    アと、を含む混合物を焼成した焼結体であることを特徴
    とする炭酸ガスセンサ。
  2. 【請求項2】前記混合物の組成が、65モル%以上のN
    ASICONと、35モル%以下の安定化ジルコニア
    と、からなることを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガ
    スセンサ。
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