JPH09264873A - 二酸化炭素センサ - Google Patents
二酸化炭素センサInfo
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- JPH09264873A JPH09264873A JP8097493A JP9749396A JPH09264873A JP H09264873 A JPH09264873 A JP H09264873A JP 8097493 A JP8097493 A JP 8097493A JP 9749396 A JP9749396 A JP 9749396A JP H09264873 A JPH09264873 A JP H09264873A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】CO2に対する特異性の高い二酸化炭素セン
サ、特にH2Oに対する感応性が低く、CO2に対する感
応性に優れた二酸化炭素センサを開発し、これを提供す
る。 【解決手段】固体電解質と、該固体電解質の一面に形成
された基準電極と、該基準電極に対向する面に形成され
た検出電極と、該検出電極に添加又は積層した、CO2
と解離平衡をなす炭酸塩と、からなる二酸化炭素センサ
において、前記固体電解質が、LiLnSiO4(Ln
は希土類元素を示す)で表される化合物と、LiAlS
iO4で表される化合物と、を含む混合物を焼成した焼
結体であることを特徴とする二酸化炭素センサを提供す
る。
サ、特にH2Oに対する感応性が低く、CO2に対する感
応性に優れた二酸化炭素センサを開発し、これを提供す
る。 【解決手段】固体電解質と、該固体電解質の一面に形成
された基準電極と、該基準電極に対向する面に形成され
た検出電極と、該検出電極に添加又は積層した、CO2
と解離平衡をなす炭酸塩と、からなる二酸化炭素センサ
において、前記固体電解質が、LiLnSiO4(Ln
は希土類元素を示す)で表される化合物と、LiAlS
iO4で表される化合物と、を含む混合物を焼成した焼
結体であることを特徴とする二酸化炭素センサを提供す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の排気ガ
ス、環境制御、医療、農畜産、発酵工業等におけるCO
2の検出、濃度測定等広範囲に使用し得る二酸化炭素セ
ンサ、特に湿度の如何にかかわらず極めて正確なCO2
濃度を測定することができる二酸化炭素センサに関す
る。
ス、環境制御、医療、農畜産、発酵工業等におけるCO
2の検出、濃度測定等広範囲に使用し得る二酸化炭素セ
ンサ、特に湿度の如何にかかわらず極めて正確なCO2
濃度を測定することができる二酸化炭素センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】気相中のCO2濃度の測定には、隔膜式
ガラス電極法、非分散赤外吸収法等種々の方式の二酸化
炭素センサが使用されているが、CO2に対する特異
性、応答速度、耐久性、コンパクト性等から、固体電解
質を用いた濃淡電池型二酸化炭素センサに関する研究開
発が幅広く行われている。この型の二酸化炭素センサ
は、イオン伝導性を有する固体電解質を隔壁として用
い、該隔壁の対向する両面に電極を形成し、検出側の電
極に気相中のCO2と解離平衡をなす炭酸塩を添加して
作製されるものが一般的である。このような構造のセン
サがある程度の高温に保持されるとき、基準電極側の固
体電解質はO2と、検出電極側の炭酸塩はCO2並びにO
2と、それぞれ解離平衡をなすため、気相中のCO2並び
にO2の分圧に応じて、固体電解質内に化学ポテンシャ
ルの勾配が生じる。それを相殺するべく、ネルンスト式
に従った濃淡電池起電力が発生する。通常の条件におい
ては、基準電極並びに検出電極付近のO2分圧はほぼ一
定であるため、当センサは検出電極付近のCO2分圧の
みに依存する起電力を発生する。
ガラス電極法、非分散赤外吸収法等種々の方式の二酸化
炭素センサが使用されているが、CO2に対する特異
性、応答速度、耐久性、コンパクト性等から、固体電解
質を用いた濃淡電池型二酸化炭素センサに関する研究開
発が幅広く行われている。この型の二酸化炭素センサ
は、イオン伝導性を有する固体電解質を隔壁として用
い、該隔壁の対向する両面に電極を形成し、検出側の電
極に気相中のCO2と解離平衡をなす炭酸塩を添加して
作製されるものが一般的である。このような構造のセン
サがある程度の高温に保持されるとき、基準電極側の固
体電解質はO2と、検出電極側の炭酸塩はCO2並びにO
2と、それぞれ解離平衡をなすため、気相中のCO2並び
にO2の分圧に応じて、固体電解質内に化学ポテンシャ
ルの勾配が生じる。それを相殺するべく、ネルンスト式
に従った濃淡電池起電力が発生する。通常の条件におい
ては、基準電極並びに検出電極付近のO2分圧はほぼ一
定であるため、当センサは検出電極付近のCO2分圧の
みに依存する起電力を発生する。
【0003】上述の二酸化炭素センサとしては、固体電
解質にナトリウムイオン導電性固体電解質を用いたもの
が一般的である。これは、ナトリウムイオン導電性固体
電解質の一方の面にCO2と解離平衡をなす炭酸ナトリ
ウム層を有した検出電極が、これに対向する面に基準電
極が具備され、セラミックヒータ等の加熱手段が取り付
けられたものであり、該ヒータにより加熱された状態で
両電極間の電位差を測定し、CO2濃度を検出するもの
である。
解質にナトリウムイオン導電性固体電解質を用いたもの
が一般的である。これは、ナトリウムイオン導電性固体
電解質の一方の面にCO2と解離平衡をなす炭酸ナトリ
ウム層を有した検出電極が、これに対向する面に基準電
極が具備され、セラミックヒータ等の加熱手段が取り付
けられたものであり、該ヒータにより加熱された状態で
両電極間の電位差を測定し、CO2濃度を検出するもの
である。
【0004】更に別の二酸化炭素センサとして、特開平
6−265520号公報に開示される、固体電解質とし
てリチウムイオン導電性固体電解質を用いた二酸化炭素
センサがある。該開示においては、固体電解質として化
学式LixAlSiyOx/2+3/2+2yで表されるリチウムイ
オン導電性固体電解質を用い、CO2濃度を測定する旨
が記載されている。
6−265520号公報に開示される、固体電解質とし
てリチウムイオン導電性固体電解質を用いた二酸化炭素
センサがある。該開示においては、固体電解質として化
学式LixAlSiyOx/2+3/2+2yで表されるリチウムイ
オン導電性固体電解質を用い、CO2濃度を測定する旨
が記載されている。
【0005】また、上述のリチウムイオン導電性固体電
解質としては、特開平5−229865号公報に開示の
同成分でガラス成分のより多いイオン導電体を添加した
イオン導電体や、特開平6−80462号公報に開示の
(Li2O)x(M2O3)y(SiO2)zで表される固体
電解質がある。
解質としては、特開平5−229865号公報に開示の
同成分でガラス成分のより多いイオン導電体を添加した
イオン導電体や、特開平6−80462号公報に開示の
(Li2O)x(M2O3)y(SiO2)zで表される固体
電解質がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のナトリウムイオ
ン導電性固体電解質を用いた濃淡電池型二酸化炭素セン
サにおいては、CO2に対する特異性に問題があり、特
にH2Oに対して強い感応性を有するため、湿度の変化
に応じてセンサから出力される起電力が変動し、これが
CO2濃度の誤差として出力され、正確な測定が困難で
あった。
ン導電性固体電解質を用いた濃淡電池型二酸化炭素セン
サにおいては、CO2に対する特異性に問題があり、特
にH2Oに対して強い感応性を有するため、湿度の変化
に応じてセンサから出力される起電力が変動し、これが
CO2濃度の誤差として出力され、正確な測定が困難で
あった。
【0007】特開平6−265520号公報に開示され
るリチウムイオン導電固体電解質を用いた二酸化炭素セ
ンサにおいては、前述のナトリウムイオンを用いた二酸
化炭素センサに比べ、H2Oに対する感応性が小さいた
め、湿度の変化に伴う起電力の変動は小さいが、この場
合でさえ、CO2濃度に換算して数十%もの誤差が生じ
るため、正確なCO2濃度の測定は不可能であった。ま
た、特開平5−229865号公報に開示の固体電解質
や特開平6−80462号公報に開示の固体電解質を用
いた二酸化炭素センサにおいても同様であった。
るリチウムイオン導電固体電解質を用いた二酸化炭素セ
ンサにおいては、前述のナトリウムイオンを用いた二酸
化炭素センサに比べ、H2Oに対する感応性が小さいた
め、湿度の変化に伴う起電力の変動は小さいが、この場
合でさえ、CO2濃度に換算して数十%もの誤差が生じ
るため、正確なCO2濃度の測定は不可能であった。ま
た、特開平5−229865号公報に開示の固体電解質
や特開平6−80462号公報に開示の固体電解質を用
いた二酸化炭素センサにおいても同様であった。
【0008】そこで上述の事情を鑑み、本発明は、CO
2に対する特異性の高い二酸化炭素センサ、特にH2Oに
対する感応性が低く、CO2に対する感応性に優れた二
酸化炭素センサを開発し、これを提供することを基本的
な目的とする。
2に対する特異性の高い二酸化炭素センサ、特にH2Oに
対する感応性が低く、CO2に対する感応性に優れた二
酸化炭素センサを開発し、これを提供することを基本的
な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の目的
に従い鋭意研究を進めた結果、固体電解質と、該固体電
解質の一面に形成された基準電極と、該基準電極に対向
する面に形成された検出電極と、該検出電極に添加又は
積層した、CO2と解離平衡をなす炭酸塩と、からなる
二酸化炭素センサにおいて、前記固体電解質が、LiL
nSiO4(Lnは希土類元素を示す)で表される化合
物と、LiAlSiO4で表される化合物と、を含む混
合物を焼成した焼結体であることを特徴とする二酸化炭
素センサを開発し、本発明を完成させた。
に従い鋭意研究を進めた結果、固体電解質と、該固体電
解質の一面に形成された基準電極と、該基準電極に対向
する面に形成された検出電極と、該検出電極に添加又は
積層した、CO2と解離平衡をなす炭酸塩と、からなる
二酸化炭素センサにおいて、前記固体電解質が、LiL
nSiO4(Lnは希土類元素を示す)で表される化合
物と、LiAlSiO4で表される化合物と、を含む混
合物を焼成した焼結体であることを特徴とする二酸化炭
素センサを開発し、本発明を完成させた。
【0010】LiLnSiO4で表される化合物として
は、LiSmSiO4、LiLaSiO4、LiPrSi
O4、又はLiNdSiO4を用いることが好ましく、前
記混合物の組成は、LiLnSiO4で表される化合物
が1〜75モル%であり、LiAlSiO4で表される
化合物が99〜25モル%であることが好ましい。
は、LiSmSiO4、LiLaSiO4、LiPrSi
O4、又はLiNdSiO4を用いることが好ましく、前
記混合物の組成は、LiLnSiO4で表される化合物
が1〜75モル%であり、LiAlSiO4で表される
化合物が99〜25モル%であることが好ましい。
【0011】本発明による二酸化炭素センサによれば、
CO2に対する特異性に優れ、特にH2Oに対する感応性
が低く、CO2に対する感応性に優れるため、湿度の変
化に対しても極めて正確な二酸化炭素濃度の測定をする
ことができる。
CO2に対する特異性に優れ、特にH2Oに対する感応性
が低く、CO2に対する感応性に優れるため、湿度の変
化に対しても極めて正確な二酸化炭素濃度の測定をする
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】固体電解質としては、LiLnS
iO4(Lnは希土類元素を示す)で表される化合物
と、LiAlSiO4で表される化合物と、を含む混合
物を焼成した焼結体であれば、種々のものを用いること
ができる。LiLnSiO4(Lnは希土類元素を示
す)のLnとしては、スカンジウム(Sc)、イットリ
ウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プ
ラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム
(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(E
u)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジ
スプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウ
ム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Y
b)、ルテチウム(Lu)等を用いることができるが、
ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガド
リニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、
エルビウム、ツリウム、ルテチウムからなる群から選択
されることが好ましく、更に好ましくはサマリウム、ラ
ンタン、プラセオジム、ネオジムからなる群から選択さ
れることであり、特に好ましくはサマリウムである。
iO4(Lnは希土類元素を示す)で表される化合物
と、LiAlSiO4で表される化合物と、を含む混合
物を焼成した焼結体であれば、種々のものを用いること
ができる。LiLnSiO4(Lnは希土類元素を示
す)のLnとしては、スカンジウム(Sc)、イットリ
ウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プ
ラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム
(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(E
u)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジ
スプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウ
ム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Y
b)、ルテチウム(Lu)等を用いることができるが、
ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガド
リニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、
エルビウム、ツリウム、ルテチウムからなる群から選択
されることが好ましく、更に好ましくはサマリウム、ラ
ンタン、プラセオジム、ネオジムからなる群から選択さ
れることであり、特に好ましくはサマリウムである。
【0013】固体電解質は、上記LiLnSiO4で表
される化合物と、LiAlSiO4で表される化合物
と、を含む混合物を焼成して得られ、該混合物は、Li
LnSiO4で表される化合物と、LiAlSiO4で表
される化合物と、を含有すればよく、他の化合物、又は
焼結助剤等の添加物を含有してもよい。LiLnSiO
4で表される化合物と、LiAlSiO4で表される化合
物と、の混合比は特に限定しないが、LiLnSiO4
が1〜75モル%、LiAlSiO4が99〜25モル
%であることが好ましく、更に好ましくはLiLnSi
O4が5〜50モル%、LiAlSiO4が95〜50モ
ル%であり、特に好ましくはLiLnSiO4が10〜
40モル%、LiAlSiO4が90〜60モル%であ
り、最も好ましくはLiLnSiO4が25モル%、L
iAlSiO4が75モル%である。また焼成は、雰囲
気焼結、型加圧焼結、雰囲気加圧焼結、反応焼結等の公
知の方法により行うことができ、雰囲気は、不活性ガ
ス、酸化性雰囲気、還元性雰囲気等を用いることができ
る。
される化合物と、LiAlSiO4で表される化合物
と、を含む混合物を焼成して得られ、該混合物は、Li
LnSiO4で表される化合物と、LiAlSiO4で表
される化合物と、を含有すればよく、他の化合物、又は
焼結助剤等の添加物を含有してもよい。LiLnSiO
4で表される化合物と、LiAlSiO4で表される化合
物と、の混合比は特に限定しないが、LiLnSiO4
が1〜75モル%、LiAlSiO4が99〜25モル
%であることが好ましく、更に好ましくはLiLnSi
O4が5〜50モル%、LiAlSiO4が95〜50モ
ル%であり、特に好ましくはLiLnSiO4が10〜
40モル%、LiAlSiO4が90〜60モル%であ
り、最も好ましくはLiLnSiO4が25モル%、L
iAlSiO4が75モル%である。また焼成は、雰囲
気焼結、型加圧焼結、雰囲気加圧焼結、反応焼結等の公
知の方法により行うことができ、雰囲気は、不活性ガ
ス、酸化性雰囲気、還元性雰囲気等を用いることができ
る。
【0014】基準電極又は検出電極の材質は、電気良導
体である白金、金、銀、銅、若しくはこれらを含む合金
であることが好ましい。電極は、上記金属若しくはその
化合物又はこれらに有機バインダー等を配合してペース
ト状としたもの等を用いて、電気メッキ、無電解メッ
キ、溶融メッキ、溶射、蒸着、イオンプレーティング、
メカニカルプレーティング、又は印刷法といった公知の
方法により固体電解質の所定の面に金属被膜を形成する
ことにより作製することが好ましい。特に、耐食性の点
から白金、又は白金を含むペーストを用いることが好ま
しい。更にこれら固体電解質、基準電極、及び検出電極
を一体焼成してもよい。また、金属メッシュを用いる、
又は金属を含むペーストに有機ビーズ等の可燃性物質を
添加し、塗布後これを焼失させることで、金属電極を多
孔質としてもよい。
体である白金、金、銀、銅、若しくはこれらを含む合金
であることが好ましい。電極は、上記金属若しくはその
化合物又はこれらに有機バインダー等を配合してペース
ト状としたもの等を用いて、電気メッキ、無電解メッ
キ、溶融メッキ、溶射、蒸着、イオンプレーティング、
メカニカルプレーティング、又は印刷法といった公知の
方法により固体電解質の所定の面に金属被膜を形成する
ことにより作製することが好ましい。特に、耐食性の点
から白金、又は白金を含むペーストを用いることが好ま
しい。更にこれら固体電解質、基準電極、及び検出電極
を一体焼成してもよい。また、金属メッシュを用いる、
又は金属を含むペーストに有機ビーズ等の可燃性物質を
添加し、塗布後これを焼失させることで、金属電極を多
孔質としてもよい。
【0015】炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸リ
チウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等CO2と
解離平衡をなす種々の炭酸塩を用いることができる。炭
酸塩は検出電極上に所定量積層されることが好ましく、
積層しない場合には、検出電極内に所定量添加すること
が好ましい。
チウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等CO2と
解離平衡をなす種々の炭酸塩を用いることができる。炭
酸塩は検出電極上に所定量積層されることが好ましく、
積層しない場合には、検出電極内に所定量添加すること
が好ましい。
【0016】得られた二酸化炭素センサは、基準電極と
検出電極との間の電位差を電圧計等を用いて測定するこ
とによりCO2濃度を測定することができる。電圧計と
の接続は、電極の一部をメタライズ処理して電圧計から
のリードをロー付によって接続され得る。また本発明に
よる二酸化炭素センサは、セラミックヒータ等に付設し
てもよいし、その内部に挿入してもよい。セラミックヒ
ータに付設する場合には、二酸化炭素センサの基準電極
側に敷設するとよい。また、逆に、二酸化炭素センサ内
部にセラミックヒータ等を設けてもよい。
検出電極との間の電位差を電圧計等を用いて測定するこ
とによりCO2濃度を測定することができる。電圧計と
の接続は、電極の一部をメタライズ処理して電圧計から
のリードをロー付によって接続され得る。また本発明に
よる二酸化炭素センサは、セラミックヒータ等に付設し
てもよいし、その内部に挿入してもよい。セラミックヒ
ータに付設する場合には、二酸化炭素センサの基準電極
側に敷設するとよい。また、逆に、二酸化炭素センサ内
部にセラミックヒータ等を設けてもよい。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について更に詳説す
る。但し、本発明はこれらの実施例に決して限定されな
い。
る。但し、本発明はこれらの実施例に決して限定されな
い。
【0018】<実施例1>本発明の実施例1の二酸化炭
素センサの概略断面図を図1に示す。図1において、1
は固体電解質を、2は基準電極を、3は検出電極を、4
は炭酸塩を、5は電圧計を、6はセラミックヒータを、
7はシールを表す。
素センサの概略断面図を図1に示す。図1において、1
は固体電解質を、2は基準電極を、3は検出電極を、4
は炭酸塩を、5は電圧計を、6はセラミックヒータを、
7はシールを表す。
【0019】(1)LiSmSiO4及びLiAlSi
O4の調製 Li2CO3、Sm2O3、SiO2試薬をLiSmSiO4
に対応する組成となるように秤量し、これらを樹脂ミル
中で混合した後にAl2O3製坩堝中で1000℃の温度
で仮焼し、アルミナボールミル中で粉砕してLiSmS
iO4粉末を得た。同様にしてLiAlSiO4粉末を得
た。
O4の調製 Li2CO3、Sm2O3、SiO2試薬をLiSmSiO4
に対応する組成となるように秤量し、これらを樹脂ミル
中で混合した後にAl2O3製坩堝中で1000℃の温度
で仮焼し、アルミナボールミル中で粉砕してLiSmS
iO4粉末を得た。同様にしてLiAlSiO4粉末を得
た。
【0020】(2)固体電解質の調製 (1)で得られたLiSmSiO4粉末及びLiAlS
iO4粉末を、モル比がLiSmSiO4:LiAlSi
O4=3:1となるよう秤量し、バインダーを加えて樹
脂ミル中で混合した。得られた粉末をプレス成形した後
にCIP成形を施し、空気中で1100℃の温度で3時
間焼成してLiSmSiO4−LiAlSiO4系固体電
解質1の焼結体を得た。
iO4粉末を、モル比がLiSmSiO4:LiAlSi
O4=3:1となるよう秤量し、バインダーを加えて樹
脂ミル中で混合した。得られた粉末をプレス成形した後
にCIP成形を施し、空気中で1100℃の温度で3時
間焼成してLiSmSiO4−LiAlSiO4系固体電
解質1の焼結体を得た。
【0021】(3)CO2センサの作製 (2)で得られた固体電解質1の対向する両面に電極
2,3を形成し、該固体電解質1の基準電極側にセラミ
ックヒータ6を、検出電極側に炭酸塩4を積層し、固体
電解質の側面部全体をシール7で密閉した後、両電極
2,3からリードを引き、電圧計5を接続して二酸化炭
素センサとした。
2,3を形成し、該固体電解質1の基準電極側にセラミ
ックヒータ6を、検出電極側に炭酸塩4を積層し、固体
電解質の側面部全体をシール7で密閉した後、両電極
2,3からリードを引き、電圧計5を接続して二酸化炭
素センサとした。
【0022】<実施例2〜3>実施例1の(2)におい
て、固体電解質のモル比を、LiSmSiO4:LiA
lSiO4=2:2とし、他を実施例1と同様にして作
製した二酸化炭素センサを実施例2、固体電解質のモル
比を、LiSmSiO4:LiAlSiO4=1:3と
し、他を実施例1と同様にして作製した二酸化炭素セン
サを実施例3とした。
て、固体電解質のモル比を、LiSmSiO4:LiA
lSiO4=2:2とし、他を実施例1と同様にして作
製した二酸化炭素センサを実施例2、固体電解質のモル
比を、LiSmSiO4:LiAlSiO4=1:3と
し、他を実施例1と同様にして作製した二酸化炭素セン
サを実施例3とした。
【0023】<比較例1〜2>実施例1の(2)におい
て、固体電解質のモル比を、LiSmSiO4:LiA
lSiO4=4:0とし、他を実施例1と同様にして作
製した二酸化炭素センサを比較例1、固体電解質のモル
比を、LiSmSiO4:LiAlSiO4=0:4と
し、他を実施例1と同様にして作製した二酸化炭素セン
サを比較例2とした。
て、固体電解質のモル比を、LiSmSiO4:LiA
lSiO4=4:0とし、他を実施例1と同様にして作
製した二酸化炭素センサを比較例1、固体電解質のモル
比を、LiSmSiO4:LiAlSiO4=0:4と
し、他を実施例1と同様にして作製した二酸化炭素セン
サを比較例2とした。
【0024】<CO2特性試験>実施例3及び比較例1
〜2のCO2特性を測定するため、CO2特性試験を行っ
た。実施例3及び比較例1〜2のCO2センサの検出電
極側に接触させるCO2の濃度を変化させて、電極間に
発生する起電力を測定した。この結果を図2に示す。図
2において、横軸はCO2濃度(ppm)を、縦軸は起
電力(mV)を示す。いずれの二酸化炭素センサもネル
ンスト式に従う良好な結果が得られており、いずれの二
酸化炭素センサもCO2に対する感応性は良好であるこ
とを示している。
〜2のCO2特性を測定するため、CO2特性試験を行っ
た。実施例3及び比較例1〜2のCO2センサの検出電
極側に接触させるCO2の濃度を変化させて、電極間に
発生する起電力を測定した。この結果を図2に示す。図
2において、横軸はCO2濃度(ppm)を、縦軸は起
電力(mV)を示す。いずれの二酸化炭素センサもネル
ンスト式に従う良好な結果が得られており、いずれの二
酸化炭素センサもCO2に対する感応性は良好であるこ
とを示している。
【0025】<湿度特性測定試験>実施例1〜3及び比
較例1〜2の二酸化炭素センサにおいて、湿度の変化に
対する特性を測定するため、湿度特性測定試験を行っ
た。実施例1〜3及び比較例1〜2の二酸化炭素センサ
において、相対湿度0%における二酸化炭素センサの両
電極間に発生する起電力と、相対湿度(RH)90%に
おける二酸化炭素センサの両電極間に発生する起電力
と、を測定し、これらの差をとり、この起電力の差に対
応する気相中のCO2濃度を計算した。測定条件は、大
気中、温度20℃、CO2濃度500ppm、ヒータ温
度450℃である。この結果を表1に示す。
較例1〜2の二酸化炭素センサにおいて、湿度の変化に
対する特性を測定するため、湿度特性測定試験を行っ
た。実施例1〜3及び比較例1〜2の二酸化炭素センサ
において、相対湿度0%における二酸化炭素センサの両
電極間に発生する起電力と、相対湿度(RH)90%に
おける二酸化炭素センサの両電極間に発生する起電力
と、を測定し、これらの差をとり、この起電力の差に対
応する気相中のCO2濃度を計算した。測定条件は、大
気中、温度20℃、CO2濃度500ppm、ヒータ温
度450℃である。この結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1において、ΔV0→90%RH(mV)と
は、90%RHの時の両電極間の起電力から0%RHの
時の両電極間の起電力を減じた値であり、CO2濃度換
算誤差とは、90%RH時における電極間の起電力から
計算したCO2濃度の実際のCO2濃度に対する誤差の割
合であり、例えば比較例1において+64%とは実際の
CO2濃度より測定されたCO2濃度(観測値)の方が6
4%大きいことを示している。
は、90%RHの時の両電極間の起電力から0%RHの
時の両電極間の起電力を減じた値であり、CO2濃度換
算誤差とは、90%RH時における電極間の起電力から
計算したCO2濃度の実際のCO2濃度に対する誤差の割
合であり、例えば比較例1において+64%とは実際の
CO2濃度より測定されたCO2濃度(観測値)の方が6
4%大きいことを示している。
【0028】表1において、起電力の差が大きいほど湿
度に対して敏感であり、結果的にCO2濃度の測定時に
大きな誤差となる。比較例1及び2は、各々64%、3
8%であり極めて大きな値を示しており、CO2濃度の
測定時には湿度による誤差が大きく精密な測定をするこ
とができないのに対して、本発明の実施例1〜3におい
ては高くても13%(実施例1)であり、更に実施例3
においては1%と湿度による誤差がほぼないに等しくな
り、湿度の変化に対しても極めて正確なCO2濃度の測
定が可能であることを示している。
度に対して敏感であり、結果的にCO2濃度の測定時に
大きな誤差となる。比較例1及び2は、各々64%、3
8%であり極めて大きな値を示しており、CO2濃度の
測定時には湿度による誤差が大きく精密な測定をするこ
とができないのに対して、本発明の実施例1〜3におい
ては高くても13%(実施例1)であり、更に実施例3
においては1%と湿度による誤差がほぼないに等しくな
り、湿度の変化に対しても極めて正確なCO2濃度の測
定が可能であることを示している。
【0029】
【発明の効果】本発明による二酸化炭素センサによれ
ば、特にH2Oに対する感応性が低く、CO2に対する感
応性に優れるため、湿度の変化に対する起電力の変動が
極めて小さく、精密な二酸化炭素濃度の測定をすること
ができる。
ば、特にH2Oに対する感応性が低く、CO2に対する感
応性に優れるため、湿度の変化に対する起電力の変動が
極めて小さく、精密な二酸化炭素濃度の測定をすること
ができる。
【図1】本発明の実施例1に関する概略断面図である。
【図2】本発明の実施例3及び比較例1及び2に関する
CO2濃度に対する電極間に発生する起電力の変化を示
す図である。
CO2濃度に対する電極間に発生する起電力の変化を示
す図である。
【符号の説明】 1・・・固体電解質 2・・・基準電極 3・・・検出電極 4・・・炭酸塩 5・・・電圧計 6・・・セラミックヒータ 7・・・シール
Claims (3)
- 【請求項1】固体電解質と、該固体電解質の一面に形成
された基準電極と、該基準電極に対向する面に形成され
た検出電極と、該検出電極に積層された、CO2と解離
平衡をなす炭酸塩と、からなる二酸化炭素センサにおい
て、 前記固体電解質が、LiLnSiO4(Lnは希土類元
素を示す)で表される化合物と、LiAlSiO4で表
される化合物と、を含む混合物を焼成した焼結体である
ことを特徴とする二酸化炭素センサ。 - 【請求項2】前記LiLnSiO4が、LiSmSi
O4、LiLaSiO4、LiPrSiO4、及びLiN
dSiO4からなる群から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の二酸化炭素センサ。 - 【請求項3】前記混合物の組成が、1〜75モル%のL
iLnSiO4で表される化合物と、99〜25モル%
のLiAlSiO4で表される化合物と、からなること
を特徴とする請求項1又は2に記載の二酸化炭素セン
サ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8097493A JPH09264873A (ja) | 1996-03-27 | 1996-03-27 | 二酸化炭素センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8097493A JPH09264873A (ja) | 1996-03-27 | 1996-03-27 | 二酸化炭素センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09264873A true JPH09264873A (ja) | 1997-10-07 |
Family
ID=14193804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8097493A Withdrawn JPH09264873A (ja) | 1996-03-27 | 1996-03-27 | 二酸化炭素センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09264873A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000235017A (ja) * | 1999-02-15 | 2000-08-29 | Tokuyama Corp | 固体電解質型炭酸ガスセンサ素子 |
EP2833135A1 (en) | 2013-08-02 | 2015-02-04 | NGK Insulators, Ltd. | Gas sensor |
EP3051282A1 (en) | 2015-01-30 | 2016-08-03 | NGK Insulators, Ltd. | Gas sensor |
-
1996
- 1996-03-27 JP JP8097493A patent/JPH09264873A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000235017A (ja) * | 1999-02-15 | 2000-08-29 | Tokuyama Corp | 固体電解質型炭酸ガスセンサ素子 |
EP2833135A1 (en) | 2013-08-02 | 2015-02-04 | NGK Insulators, Ltd. | Gas sensor |
EP3051282A1 (en) | 2015-01-30 | 2016-08-03 | NGK Insulators, Ltd. | Gas sensor |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030603 |