JPH09328933A - 仮設建築用シートの取付方法及びその取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】シートの取付け及び取外しに手間が掛る上に、
シートの固定が不確実であり、且つ、使い捨て部材があ
って不経済である。 【解決手段】接合する両側のシートｂをシートジョイン
トａの両側縦パイプ３のスリット４内に通してその両側
のシートｂの係止棒体５をシートジョイントａの両側縦
パイプ３内にそれぞれ抜き差し可能に挿入嵌着し、シー
トジョイントａの台板１を仮設建築物Ａの骨組みパイプ
９の外側面に当接し、適当箇所において、ジョイント固
定具ｄを骨組みパイプ９の内側部に当ててそのジョイン
ト固定具ｄの両側腕７，８の掛け片６をシートジョイン
トａの両側の止め片２にそれぞれ係脱可能に引掛けた
後、ジョイント固定具ｄの開閉操作機構ｃにより該ジョ
イント固定具ｄの両側腕７，８の基部を閉じ、シートジ
ョイントａの台板１とジョイント固定具ｄの両側腕７，
８により骨組みパイプ９を挟持して仮設建築用シートｂ
を仮設建築物Ａに取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、土木，建築の作業現場
の仮設建築物等の周囲の防寒や、屋根等にシートを取付
ける仮設建築用シートの取付方法及びその取付装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の建築用シートの取付装置
には、特公平７−６８６９０号公報に記載された発明が
ある。

【０００３】すなわち、上記発明の図１２の実施例は、
パイプの両側にシートジョイントのスリット付きパイプ
を接着し、接合を要するシートの側縁部に円筒状の芯を
巻いて折返し、この状態で上記シートを巻いた芯を上記
スリット付きパイプ内に挿入して上記シートを上記スリ
ット付きパイプに取付け、上記両側のスリット付きパイ
プを接着したパイプの両側に接合を要するシートを接合
し、上記パイプを足場用パイプに番線等によりくくりつ
けて固定する構成である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の建築用シー
トの取付装置においては、

【０００５】（１） シートの側縁部に円筒状の芯を巻
いて折返し、この状態で上記シートを巻いた芯をスリッ
ト付きパイプ内に挿入して上記シートを上記スリット付
きパイプに取付ける。従って、

【０００６】（イ） スリット付きパイプへのシートの
取付け及びシートの取外しに手間が掛る。

【０００７】（ロ） スリット付きパイプへのシートの
固定は摩擦だけであるから、その固定が不安定である。

【０００８】（２） シートジョイントのパイプを足場
用パイプに当て、番線等によりくくりつけてシートの取
付けを行う。従って、

【０００９】（イ） シートジョイントのパイプと足場
用パイプの接合及びシートの支持が不確実である。

【００１０】（ロ） 番線等は使い捨てであるから、不
経済である。

【００１１】（ハ） 作業終了後、番線等の片付けと処
分に手間が掛る点である。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、簡易迅速に操
作してシートを確実堅固に取付け得る上に、シート間に
隙間を生じることなくシートを密閉状態に張設すること
ができ、且つ、反復使用し得て経済性を向上した仮設建
築用シートの取付方法及びその取付装置を提供すること
を目的とする。

【００１３】すなわち、断面円弧状の縦長台板（１）の
両側縁部に止め片（２）を形成して外側に２本の縦パイ
プ（３）を並設し、その両縦パイプ（３）の反対向側部
に該縦パイプ（３）の全長にわたるスリット（４）をそ
れぞれ設けて長尺シートジョイント（ａ）を形成し、シ
ート（ｂ）の両側縁部には係止棒体（５）を固設し、先
端部に掛け片（６）を設けた両側腕（７），（８）の基
部を開閉操作機構（ｃ）により連結してジョイント固定
具（ｄ）を形成し、接合する両側のシート（ｂ）をシー
トジョイント（ａ）の両側縦パイプ（３）のスリット
（４）内に通してその両側のシート（ｂ）の係止棒体
（５）をシートジョイント（ａ）の両側縦パイプ（３）
内にそれぞれ抜き差し可能に挿入嵌着し、シートジョイ
ント（ａ）の台板（１）を仮設建築物（Ａ）の骨組みパ
イプ（９）の外側面に当接し、適当箇所において、ジョ
イント固定具（ｄ）を骨組みパイプ（９）の内側部に当
ててそのジョイント固定具（ｄ）の両側腕（７），
（８）の掛け片（６）をシートジョイント（ａ）の両側
の止め片（２）にそれぞれ係脱可能に引掛けた後、ジョ
イント固定具（ｄ）の開閉操作機構（ｃ）により該ジョ
イント固定具（ｄ）の両側腕（７），（８）の基部を閉
じ、シートジョイント（ａ）の台板（１）とジョイント
固定具（ｄ）の両側腕（７），（８）により骨組みパイ
プ（９）を挟持して仮設建築用シート（ｂ）を仮設建築
物（Ａ）に取付け、簡易迅速に操作してシートを確実堅
固に取付け得る上に、シート間に隙間を生じることなく
シートを密閉状態に張設することができ、且つ、反復使
用し得て経済性を向上する目的を、長尺シートジョイン
トの両側のスリット付き縦パイプに接合する両側のシー
トの側縁部の係止棒体をそれぞれ挿入してそのシートジ
ョイントの台板を仮設建築物の骨組みパイプに当接し、
ジョイント固定具の両側腕の先端掛け片を上記シートジ
ョイントの両側止め片にそれぞれ引掛けてそのシートジ
ョイントとジョイント固定具により上記骨組みパイプを
包囲した後、ジョイント固定具の両側腕を開閉操作機構
により閉じてシートジョイントとジョイント固定具によ
り上記骨組みパイプを挟持することにより実現した。

【００１４】

【実施例】図面は、本発明の一実施態様を示し、その構
成を図面につい説明すれば、（Ｂ）は仮設建築用シート
の取付具を示し、（ａ）は取付具（Ｂ）の長尺シートジ
ョイントで、合成樹脂，アルミニウム等より成り、断面
円弧状の縦長台板（１）の両側縁部に台板（１）の全長
にわたる止め片（２）を形成して外側に２本の縦パイプ
（３）を並設し、その両縦パイプ（３）の反対向側部に
縦パイプ（３）の全長にわたるスリット（４）をそれぞ
れ設けて成る。

【００１５】（ｂ）はシートで、防寒材のマット（１
０）を合成樹脂シート（１１）により被覆し、該合成樹
脂シート（１１）の両側端部を突出させてその合成樹脂
シート（１１）の先端部を軟質合成樹脂製丸棒又はロー
プ（１２）に巻付け固定し、シート（ｂ）の両側に薄肉
首部（１３）を形成して係止棒体（５）を設ける。

【００１６】（ｄ）は取付具（Ｂ）のジョイント固定具
を示し、（７），（８）はジョイント固定具（ｄ）の両
側腕で、合成樹脂，アルミニウム等より成り、先端部に
掛け片（６）を設けて中間部より基部側を円弧状に形成
し、その一側腕（７）の基部には上下に突片（１４），
（１５）を設けてその上方突片（１４）には大径孔（１
６）を、下方突片（１５）には小径孔（１７）を同心に
してそれぞれ穿つ。他側腕（８）の基部には中間に突片
（１８）を設けてその突片（１８）には嵌合孔（１９）
を穿つ。

【００１７】（ｃ）はジョイント固定具（ｄ）の開閉操
作機構を示し、（２０）は開閉操作機構（ｃ）の円形駒
で、該円形駒（２０）の偏心位置に角形孔（２１）を穿
つ。（２２）は操作軸で、中間部に角形係合片（２３）
を形成し、上端に鍔（２４）及び把手（２５）を設けて
下端部に周溝（２６）を設ける。（２７）は座金であ
る。

【００１８】そして、他側腕（８）の突片（１８）の嵌
合孔（１９）内に円形駒（２０）を回動自在に遊嵌して
その突片（１８）を一側腕（７）の上下突片（１４），
（１５）間に挿入し、上方より操作軸（２２）を大径孔
（１６），角形孔（２１），小径孔（１７）内に挿通す
ると共に、その操作軸（２２）の角形係合片（２３）を
角形孔（２１）に係合させ、操作軸（２２）の周溝（２
６）に座金（２７）を嵌着して開閉操作機構（ｃ）付き
ジョイント固定具（ｄ）を構成する。

【００１９】（Ａ）は仮設建築物を示し、（２８）は梯
子型建枠で、多数の梯子型建枠（２８）を適当間隔に並
設し、図示してないが、隣接する梯子型建枠（２８）を
筋交い，横材等により連結して周囲の骨組みを行う。
（２９）はＩ形鋼の前後の横材、（３０）は山形に組立
てた屋根ビームで、前後の横材（２９）上にわたして多
数の屋根ビーム（３０）を適当間隔に並設し、図示して
ないが、隣接する屋根ビーム（３０）を筋交いにより連
結して屋根の骨組みを行う。

【００２０】（９）は梯子型建枠（２８）の外側のパイ
プである。

【００２１】その作用を説明する。順次、図４に示すよ
うに、接合する両側のシート（ｂ）の係止棒体（５）を
シートジョイント（ａ）の両側縦パイプ（３）内にそれ
ぞれ挿入すれば、シート（ｂ）の薄肉首部（１３）が縦
パイプ（３）のスリット（４）内を通って係止棒体
（５）が縦パイプ（３）内に嵌着し、接合する両側のシ
ート（ｂ）はシートジョイント（ａ）によって接合され
る。

【００２２】そこで、図４に示すように、シートジョイ
ント（ａ）の台板（１）をパイプ（９）の外側面に当接
する。

【００２３】一方、ジョイント固定具（ｄ）の把手（２
５）を図４に鎖線で示すように右方へ向けてジョイント
固定具（ｄ）の基部を開いた状態になし、適当箇所にお
いてパイプ（９）の内側部に当ててそのジョイント固定
具（ｄ）の両側掛け片（６）をシートジョイント（ａ）
の両側の止め片（２）にそれぞれ引掛けた後、把手（２
５）を図４に実線で示すように左方へ回動操作すると、
その把手（２５）と一体の操作軸（２２）の角形係合片
（２３）により円形駒（２０）を駆動して該円形駒（２
０）が嵌合孔（１９）内で偏心回動し、図４に実線で示
すように、ジョイント固定具（ｄ）の両側腕（７），
（８）の基部が閉じシートジョイント（ａ）の台板
（１）とジョイント固定具（ｄ）の両側腕（７），
（８）によりパイプ（９）を挟持してシートジョイント
（ａ）はパイプ（９）に圧接固定する。

【００２４】上記操作を、図１に示すように、適当間隔
の任意箇所で行って多数のジョイント固定具（ｄ）によ
りシートジョイント（ａ）をパイプ（９）に固定する。

【００２５】その際、シート（ｂ）の係止棒体（５）
は、シート（ｂ）の重量，張力等により、図４に示すよ
うに、シートジョイント（ａ）の縦パイプ（３）内の外
側部に圧接してその係止棒体（５）により縦パイプ
（３）のスリット（４）を密閉する。

【００２６】屋根においても、上記と同様に操作して接
合する両側のシート（ｂ）をシートジョイント（ａ）に
より接合し、図１に示すように、上記シートジョイント
（ａ）の台板（１）を屋根ビーム（３０）の上方パイプ
上に載置してそのシートジョイント（ａ）の台板（１）
を多数のジョイント固定具（ｄ）によりビーム（３０）
の上方パイプに固定すると、屋根を構成することができ
る。

【００２７】仮設建築物を解体するときは、把手（２
５）を図４に実線で示す状態から鎖線で示すように右方
へ回動操作すれば、操作軸（２２）及び円形駒（２０）
が上記と反対に回動し、ジョイント固定具（ｄ）の両側
腕（７），（８）の基部が図１に鎖線で示すように開い
て該ジョイント固定具（ｄ）による締付けが解除され
る。

【００２８】従って、その後、ジョイント固定具（ｄ）
の両側腕（７），（８）の掛け片（６）をシートジョイ
ント（ａ）の止め片（２）より外すと、ジョイント固定
具（ｄ）及びシートジョイント（ａ）をパイプ（９）よ
り取外すことができる。

【００２９】その後、シート（ｂ）の係止棒体（５）を
シートジョイント（ａ）の縦パイプ（３）内より抜出せ
ば、シート（ｂ）とシートジョイント（ａ）は分離す
る。

【００３０】なお、上記ジョイント固定具（ｄ）の開閉
操作機構（ｃ）に代えて、他の構成の開閉操作機構を設
けてもよい。

【００３１】

【発明の効果】本発明の仮設建築用シートの取付方法及
びその取付装置は、下記のような利点がある。

【００３２】（１） シートの両側縁部に係止棒体を固
設し、接合する両側のシートの係止棒体をシートジョイ
ントの両側のスリット付き縦パイプに挿入して両側のシ
ートを接合する。従って、

【００３３】（イ） シートジョイントへのシートの着
脱が容易である。

【００３４】（ロ） シートの引張荷重は、シートの係
止棒体の全長に分散して掛るから、シートの部分的引張
力は小さくて強風にも丈夫である。

【００３５】（ハ） シートジョイントへのシートの取
付けは確実堅固である。

【００３６】（ニ） シートの係止棒体がシートジョイ
ントの縦パイプ内のスリット両側部に圧接し、縦パイプ
とシートの連結部に隙間が生じなくて気密性が良いか
ら、仮設建築物の壁部に使用したときは隙間風が入り込
むことなく、また、屋根部に使用したときは雨の浸透が
少なくて実用上有益である。

【００３７】（２） シートジョイントの台板を断面円
弧状の縦長に形成したから、シートジョイントの骨組み
パイプへの当接及び支持は確実良好である。

【００３８】（３） シートジョイントの両側縁部の止
め片の適当箇所に開閉操作機構付きジョイント固定具の
両側腕の先端掛け片を係脱可能に引掛け、シートジョイ
ントとジョイント固定具により骨組みパイプを挟持して
シートジョイントを骨組みパイプに取付ける。従って、

【００３９】（イ） 骨組みパイプへのシートジョイン
トの着脱操作を容易迅速になし得て作業上至便である。

【００４０】（ロ） 骨組みパイプへのシートジョイン
トの取付けが確実堅固である。

【００４１】（ハ） 骨組みパイプへのシートジョイン
トの取付けに熟練を要することなく、素人でも作業でき
る。

【００４２】（ニ） 骨組みパイプへのシートジョイン
トの取付けがワンタッチ式であるから、シートジョイン
トの止め方にばらつきが無い。

【００４３】（ホ） ジョイント固定具は任意箇所で取
付け得るから、骨組み枠の横桟等は避けてシートジョイ
ントを確実に固定することができる。

【００４４】（４） 取付具は反覆使用し得て経済的で
ある。

【００４５】（５） 簡単に構成して、容易安価に製作
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施態様の仮設建築用シートの取付
装置を使用した仮設建築物の一部の正断面図である。

【図２】同上要部の拡大正断面図である。

【図３】同上側面図である。

【図４】同上平断面図である。

【図５】その取付具の分解斜面図である。

【図６】シート接合部の分解斜面図である。

【符号の説明】

Ａ 仮設建築物 Ｂ 取付具 ａ 長尺シートジョイント ｂ シート ｃ 開閉操作機構 ｄ ジョイント固定具 １ 縦長台板 ２ 止め片 ３ 縦パイプ ４ スリット ５ 係止棒体 ６ 掛け片 ７ 一側腕 ８ 他側腕 ９ 骨組みパイプ １０ マツト １１ 合成樹脂シート １２ 丸棒またはロープ １３ 薄肉首部 １４ 上方突片 １５ 下方突片 １６ 大径孔 １７ 小径孔 １８ 突片 １９ 嵌合孔 ２０ 円形駒 ２１ 角形孔 ２２ 操作軸 ２３ 角形係合片 ２４ 鍔 ２５ 把手 ２６ 周溝 ２７ 座金 ２８ 梯子型建枠 ２９ 横材 ３０ 屋根ビーム

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面円弧状の縦長台板の両側縁部に止め
   片を形成して外側に２本の縦パイプを並設し、その両縦
   パイプの反対向側部に該縦パイプの全長にわたるスリッ
   トをそれぞれ設けて長尺シートジョイントを形成し、シ
   ートの両側縁部には係止棒体を固設し、先端部に掛け片
   を設けた両側腕の基部を開閉操作機構により連結してジ
   ョイント固定具を形成し、接合する両側の上記シートを
   上記シートジョイントの両側縦パイプのスリット内に通
   してその両側のシートの係止棒体を上記シートジョイン
   トの両側縦パイプ内にそれぞれ抜き差し可能に挿入嵌着
   し、上記シートジョイントの台板を仮設建築物の骨組み
   パイプの外側面に当接し、適当箇所において、上記ジョ
   イント固定具を上記骨組みパイプの内側部に当ててその
   ジョイント固定具の両側腕の掛け片を上記シートジョイ
   ントの両側の止め片にそれぞれ係脱可能に引掛けた後、
   上記ジョイント固定具の開閉操作機構により該ジョイン
   ト固定具の両側腕の基部を閉じて上記シートジョイント
   の台板と上記ジョイント固定具の両側腕により上記骨組
   みパイプを挟持することを特徴とする仮設建築用シート
   の取付方法。
2. 【請求項２】 仮設建築物の骨組みパイプに当接する断
   面円弧状の縦長台板の両側縁部に止め片を形成して外側
   に２本の縦パイプを並設し、その両縦パイプの反対向側
   部に該縦パイプの全長にわたるスリットをそれぞれ設け
   た長尺シートジョイントと、そのシートジョイントの縦
   パイプに抜き差し可能に挿入する係止棒体を両側縁部に
   固設したシートと、上記シートジョイントの両側止め片
   にそれぞれ係脱可能に引掛ける掛け片を先端部に形成す
   る両側腕の基部を開閉操作機構により連結したジョイン
   ト固定具とより成ることを特徴とする仮設建築用シート
   の取付装置。