JPH0932884A - ４サイクルエンジンのバランサー - Google Patents

４サイクルエンジンのバランサー

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JPH0932884A
JPH0932884A JP7203856A JP20385695A JPH0932884A JP H0932884 A JPH0932884 A JP H0932884A JP 7203856 A JP7203856 A JP 7203856A JP 20385695 A JP20385695 A JP 20385695A JP H0932884 A JPH0932884 A JP H0932884A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成が簡単な４サイクルエンジンのバランサ
ーの提供をする。 【構成】 クランク軸８に連動手段３７を介し連動する
中間軸３４を設ける。この中間軸３４に他の連動手段４
２，５４，６４を介しエンジン構成部品を連動させる。
上記中間軸３４と連動手段３７，４２，５４，６４の少
なくともいずれかにエンジン慣性力に対応するバランス
ウェイト６８，６９を取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、往復運動内燃機関
である４サイクルエンジンにおいて、エンジン慣性力を
吸収させるためのバランサーに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】上記エンジンでは、ピストンや連接棒等
が往復動するため、これらの往復動により生じるエンジ
ン慣性力はエンジンを振動させる原因となる。
【０００３】そこで、この振動を吸収するために、通
常、バランサーが設けられる。従来、このバランサーに
は、クランク軸と同じ回転数となるようこのクランク軸
に連動するバランス軸が設けられ、このバランス軸が上
記エンジン慣性力に対応するバランスウェイトを有した
ものがある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
バランサーでは、バランス軸を別途に設けているため、
部品点数が多くなって、このバランサーの構成が複雑に
なっている。
【０００５】
【発明の目的】本発明は、上記のような事情に注目して
なされたもので、構成が簡単な４サイクルエンジンのバ
ランサーの提供を目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の４サイクルエンジンのバランサーは、次の如
くである。
【０００７】請求項１の発明は、クランク軸８に連動手
段３７を介し連動する中間軸３４を設け、この中間軸３
４に他の連動手段４２，５４，６４を介しエンジン構成
部品を連動させた場合において、上記中間軸３４と連動
手段３７，４２，５４，６４の少なくともいずれかにエ
ンジン慣性力に対応するバランスウェイト６８，６９を
取り付けたものである。
【０００８】請求項２の発明は、上記請求項１の発明に
おいて、エンジン構成部品をカム軸３０，３１としたも
のである。
【０００９】請求項３の発明は、上記請求項１の発明に
おいて、エンジン構成部品を冷却水供給用水ポンプ５２
と、潤滑油用オイルポンプ５３の少なくともいずれか一
方としたものである。
【００１０】請求項４の発明は、上記請求項１の発明に
おいて、エンジン構成部品を補機５９としたものであ
る。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【００１２】（第１の実施の形態）
【００１３】図１から図４は、第１の実施の形態を示し
ている。
【００１４】図１と図２において、図中符号１は自動車
に搭載される４サイクルの直列多気筒（５気筒）のエン
ジン（内燃機関）で、図中矢印Ｆｒは車両の進行方向の
前方を示し、下記する左右とは、上記前方に向っての車
幅方向をいうものとする。
【００１５】上記エンジン１はアルミ鋳造製のクランク
ケース２を有し、このクランクケース２に左右に並設さ
れた第１〜第５シリンダ（気筒）３の各シリンダ本体４
が突設され、これらシリンダ本体４は互いに一体化され
てアルミ鋳造製のシリンダブロック５とされている。ま
た、上記シリンダ本体４の突出端にアルミ鋳造製のシリ
ンダヘッド７が着脱自在に締結されている。
【００１６】上記クランクケース２内にはクランク軸８
が収容されている。このクランク軸８はその軸心９が左
右に延び、この軸心９回りに回転自在となるよう軸受１
０により上記クランクケース２に支承され、上記クラン
ク軸８は動力伝達装置１１を介して駆動車輪に連結され
ている。上記クランク軸８は鋳造製で、上記軸心９上に
位置して上記軸受１０に直接支承されるクランク主軸１
２と、このクランク主軸１２からその径方向外方に突出
するクランクアーム１３と、これらクランクアーム１３
の突出端側に支持されるクランクピン１４とで構成され
ている。
【００１７】上記シリンダ本体４にはシリンダ孔１６が
形成されている。このシリンダ孔１６にピストン１７が
その軸方向に摺動自在に嵌入され、このピストン１７と
上記クランク軸８のクランクピン１４とが連接棒１８で
互いに連動連結されている。
【００１８】上記シリンダ本体４、シリンダヘッド７、
およびピストン１７で囲まれた空間のシリンダヘッド７
側が燃焼室１９となっている。また、上記燃焼室１９に
放電部が臨む点火プラグが設けられている。
【００１９】上記シリンダ本体４やシリンダヘッド７に
はエンジン１水冷用の冷却水を通過させる冷却水通路２
１が形成されている。
【００２０】上記シリンダヘッド７には、シリンダ３の
外部を上記燃焼室１９に連通させる吸気通路２３が形成
され、同上燃焼室１９をシリンダ３の外部に連通させる
排気通路２４が形成されている。上記吸気通路２３の燃
焼室１９への開口部を開閉する吸気弁２５が上記シリン
ダヘッド７に支承され、この吸気弁２５は上記開口部を
閉じるようばねで付勢されている。また、上記排気通路
２４の燃焼室１９への開口部を開閉する排気弁２６が上
記シリンダヘッド７に支承され、この排気弁２６も上記
開口部を閉じるようばねで付勢されている。上記シリン
ダヘッド７には燃料噴射弁２７が取り付けられ、この燃
料噴射弁２７は吸気通路２３を通し燃焼室１９に向って
燃料２８を噴射可能とする。
【００２１】上記吸気弁２５と排気弁２６とを適宜開閉
させる動弁機構２９が設けられている。この動弁機構２
９は、上記吸気弁２５と排気弁２６にそれぞれカム係合
するエンジン構成部品であるカム軸３０，３１を有して
いる。これら各カム軸３０，３１は各軸心が左右に延
び、上記シリンダヘッド７にその軸心回りに回転自在に
支承されている。
【００２２】上記クランク軸８と平行に中間軸３４が設
けられ、この中間軸３４はその軸心３５回りに回転自在
となるよう軸受３６により上記クランクケース２に支承
されている。
【００２３】上記中間軸３４は上記クランク軸８と同じ
回転数となるよう、かつ、互いに逆回転するよう（矢印
Ａ，Ｂ）、連動手段３７で互いに連動するよう連結され
ている。この連動手段３７は上記クランク軸８にその軸
心９上で一体成形される駆動回転体である駆動歯車３８
と、上記中間軸３４にその軸心３５上でスプライン嵌合
により取り付けられる従動回転体である従動歯車３９と
で構成されている。これら駆動歯車３８と従動歯車３９
は各ピッチ円が互いに同径であって、互いに噛合し、互
いに逆方向に回転することとなっている。上記の場合、
駆動歯車３８は、ある一つのクランクアーム１３に圧入
され、もしくは一体的に成形されている。
【００２４】前記各カム軸３０，３１と上記中間軸３４
とは他の連動手段４２で互いに連動するよう連結されて
いる。この連動手段４２は上記中間軸３４と平行に設け
られる連動軸４３を有し、この連動軸４３はその軸心回
りに回転自在となるようシリンダ３のシリンダヘッド７
に支承されている。上記中間軸３４にその軸心３５上で
駆動回転体である駆動鎖車４４が取り付けられ、上記連
動軸４３に従動鎖車４５が取り付けられ、これら駆動鎖
車４４と従動鎖車４５にチェーン４６が巻き掛けられて
いる。また、上記連動軸４３に駆動鎖車４８が取り付け
られ、上記各カム軸３０，３１に従動鎖車４９が取り付
けられ、これら駆動鎖車４８と、従動鎖車４９，４９と
にチェーン５０が巻き掛けられている。
【００２５】上記冷却水通路２１に冷却水を供給する冷
却水供給用のエンジン構成部品である水ポンプ５２が設
けられている。この水ポンプ５２は上記連動手段４２の
チェーン４６に連動するよう連結されている。また、軸
受１０や、シリンダ孔１６とピストン１７との摺接部等
のエンジン１の被潤滑部に、潤滑油を供給する潤滑油供
給用のエンジン構成部品であるオイルポンプ５３が設け
られ、このオイルポンプ５３は他の連動手段５４により
上記中間軸３４に連動するよう連結されている。
【００２６】上記連動手段５４は、上記中間軸３４にそ
の軸心３５上でスプライン嵌合により取り付けられる駆
動回転体である駆動鎖車５６と、上記オイルポンプ５３
が有する従動鎖車と、これら駆動鎖車５６と従動鎖車と
に巻き掛けられるチェーン５７とで構成されている。
【００２７】上記エンジン１はエンジン構成部品として
の補機５９を備えている。この補機５９はオルタネータ
６０、パワーステアリング６１、およびエアコンプレッ
サ６２等であり、この補機５９は他の連動手段６４によ
り上記中間軸３４に連動するよう連結されている。
【００２８】上記連動手段６４は、上記中間軸３４にそ
の軸心３５上で締結により取り付けられる駆動回転体で
ある駆動プーリー６５と、上記補機５９のそれぞれが有
する各従動プーリーと、これら駆動プーリー６５と各従
動プーリーとに巻き掛けられるＶベルト６６とで構成さ
れている。
【００２９】図１から図４において、上記中間軸３４に
は、その軸方向の中途部と、端部にそれぞれバランスウ
ェイト６８，６９が設けられ、これらバランスウェイト
６８，６９は上記中間軸３４に一体的に形成されてい
る。
【００３０】そして、エンジン１が駆動して、ピストン
１７が上死点から下降するときが吸入行程であり、この
とき、上記ピストン１７に順次連接棒１８、クランク軸
８、連動手段３７、中間軸３４、連動手段４２、および
カム軸３０，３１が連動し、このカム軸３０にカム係合
する吸気弁２５が吸気通路２３を開く。この際、上記カ
ム軸３１にカム係合する排気弁２６は排気通路２４を閉
じたままに保つ。これにより、吸気通路２３を通して大
気側の空気７１が燃焼室１９に吸入される。また、この
とき、燃料噴射弁２７により燃料２８が噴射され、この
燃料２８が上記空気７１と共に上記燃焼室１９に吸入さ
れ、混合気とされる。
【００３１】次に、上記ピストン１７の上昇で、上記燃
焼室１９において混合気が圧縮され、これが点火プラグ
の放電により着火、燃焼させられ、このときの燃焼ガス
によりピストン１７が再び下降させられる。次に、この
ピストン１７に前記したように連動したカム軸３１にカ
ム係合する排気弁２６が排気通路２４を開く。この際、
上記カム軸３０にカム係合する吸気弁２５は吸気通路２
３を閉じたままに保つ。これにより、上記燃焼ガスは排
気７２として上記排気通路２４からシリンダ３の外部に
排出される。
【００３２】次に、前記吸入行程に戻って、以下、上記
動作が繰り返され、これにより、クランク軸８が動力伝
達装置１１側に動力を出力する。
【００３３】上記クランク軸８に連動手段３７、中間軸
３４、および連動手段４２を介して水ポンプ５２が連動
し、この水ポンプ５２により冷却水が冷却水通路２１に
供給され、上記エンジン１が水冷されピストン１７の焼
き付けなどが防止される。
【００３４】また、同上クランク軸８に連動手段３７、
中間軸３４、および連動手段５４を介してオイルポンプ
５３が連動し、このオイルポンプ５３により潤滑油がエ
ンジン１の被潤滑部に供給され、ピストン１７の焼き付
けなどが防止される。
【００３５】更に、同上クランク軸８に連動手段３７、
中間軸３４、および連動手段６４を介して各補機５９が
連動させられ、これによって、各補機５９が所定の作動
を行うこととなる。
【００３６】また、同上クランク軸８に連動手段３７と
中間軸３４とが順次連動し、かつ、この中間軸３４に連
動する各バランスウェイト６８，６９が、エンジン慣性
力に対応するようになっている。
【００３７】より具体的には、エンジン慣性力と上記バ
ランスウェイト６８，６９による慣性力とが各クランク
角で互いにほぼ同じ大きさ、かつ、互いに逆向きにさ
れ、これによって、エンジン１に生じようとする振動が
吸収されるようになっている。
【００３８】（第２の実施の形態）
【００３９】図５、６は、第２の実施の形態を示してい
る。
【００４０】これによれば、バランスウェイト６８は連
動手段３７の従動歯車３９の側面に形成されている。
【００４１】この構成によれば、上記従動歯車３９は径
方向の寸法が大きいため、バランスウェイト６８の重さ
を小さくしても、エンジン慣性力に十分に対応できる慣
性力を得ることができる。
【００４２】他の構成や作用は、前記第１の実施の形態
とほぼ共通しているため、図面に共通の符号を付して、
その説明を省略する。
【００４３】なお、以上は図示の例によるが、バランス
ウェイト６８は、連動手段４２の駆動鎖車４４、連動手
段５４の駆動鎖車５６、連動手段６４の駆動プーリー６
５の少なくともいずれかに設けてもよい。
【００４４】
【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。
【００４５】請求項１の発明によれば、クランク軸と同
じ回転数となるようこのクランク軸に連動手段を介し連
動する中間軸を設け、この中間軸に他の連動手段を介し
エンジン構成部品を連動させた４サイクルエンジンのバ
ランサーにおいて、上記中間軸と連動手段の少なくとも
いずれかにエンジン慣性力に対応するバランスウェイト
を取り付けてある。
【００４６】このため、バランスウェイトは中間軸と連
動手段のいずれかを利用して設けられたことから、エン
ジン慣性力を吸収するために別途のバランス軸を設けて
いた従来の技術に比べて、部品点数が少なくなり、よっ
て、バランサーの構成が簡単になる。
【００４７】請求項２〜４の発明によれば、請求項１の
発明に加えて、エンジン構成部品をカム軸、水ポンプ、
オイルポンプ、もしくは補機としてあり、これらカム軸
等は４サイクルエンジンに一般的に備えられるものであ
る。
【００４８】このため、上記カム軸等をクランク軸に連
動させる中間軸や連動手段に、バランスウェイトを取り
付けるというこの発明は、既存のエンジンに幅広く適用
できて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１の実施の形態で、平面断面図である。
【図２】第１の実施の形態で、側面断面図である。
【図３】第１の実施の形態で、図１の３‐３線矢視断面
図である。
【図４】第１の実施の形態で、図１の４‐４線矢視断面
図である。
【図５】第２の実施の形態で、図１の一部に相当する図
である。
【図６】第２の実施の形態で、図５の６‐６線矢視断面
図である。
【符号の説明】
１ エンジン ２ クランクケース ３ シリンダ ８ クランク軸 ９ 軸心 ３０ カム軸（エンジン構成部品） ３１ カム軸（エンジン構成部品） ３４ 中間軸 ３５ 軸心 ３７，４２，５４，６４ 連動手段 ５２ 水ポンプ（エンジン構成部品） ５３ オイルポンプ（エンジン構成部品） ５９ 補機（エンジン構成部品） ６８，６９ バランスウェイト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 クランク軸に連動手段を介し連動する中
    間軸を設け、この中間軸に他の連動手段を介しエンジン
    構成部品を連動させた４サイクルエンジンのバランサー
    において、 上記中間軸と連動手段の少なくともいずれかにエンジン
    慣性力に対応するバランスウェイトを取り付けた４サイ
    クルエンジンのバランサー。
  2. 【請求項２】 エンジン構成部品をカム軸とした請求項
    １に記載の４サイクルエンジンのバランサー。
  3. 【請求項３】 エンジン構成部品を冷却水供給用水ポン
    プと、潤滑油用オイルポンプの少なくともいずれか一方
    とした請求項１に記載の４サイクルエンジンのバランサ
    ー。
  4. 【請求項４】 エンジン構成部品を補機とした請求項１
    に記載の４サイクルエンジンのバランサー。
JP20385695A 1995-07-17 1995-07-17 ４サイクルエンジン Expired - Lifetime JP3553217B2 (ja)

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EP19960111527 EP0754879B1 (en) 1995-07-17 1996-07-17 Internal combustion engine with balancers

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